JP2004221880A - スピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振周波数を超える周波数帯域において不要振動が増加してしまうことを解決する。
【解決手段】第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタ13と、を有し、アクチュエータコイルCAに、ローパスフィルタ13の出力が電気的に接続される。
【選択図】 図3
【解決手段】第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタ13と、を有し、アクチュエータコイルCAに、ローパスフィルタ13の出力が電気的に接続される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ装置に関し、特に磁気回路によって振動する振動系を備えたスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用や車載用のスピーカ装置として、磁気回路によって振動する振動系を備えたスピーカ装置、例えば、ムービングコイル方式のダイナミックスピーカが知られている。このようなスピーカ装置は、磁気回路内でボイスコイルに電磁駆動を与えることにより、ボイスコイルが振動板と一体となって振動し、音響エネルギを放射するものである。
【0003】
このようなスピーカ装置では、振動板の駆動時の反作用として磁気回路の周囲に不要な振動が生じるため、図1に示すように、ムービングコイル方式によるスピーカ装置が備える磁気回路101により生じる磁束と逆の磁束を生じる逆磁気回路102と、この逆磁気回路102により生じる磁束で駆動される副ボイスコイル103と、を磁気回路101の後方に設け、不要振動をキャンセルするようにする構成のスピーカ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−217391号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、不要振動をキャンセルするための逆磁気回路102は、磁気回路101と同一に構成したとしても、磁気回路101により駆動される振動板104(コーン)側にはフレーム105が有り、逆磁気回路102側には、これと同じフレームが無いため、スピーカの磁気回路101からフレーム105側を見た場合の機械インピーダンスと、逆磁気回路102からフレーム105側を見た場合の機械インピーダンスとが異なる。
また、振動板104の分割周波数以上では、磁気回路101のボイスコイルから見た機械インピーダンスと、逆磁気回路102の副ボイスコイル103から見た振動系の機械インピーダンスとは異なる。
【0006】
このため、不要振動をキャンセルするための逆磁気回路102の振動系は、スピーカユニットの構造とその取り付けの構造上から生じる共振周波数以下では、磁気回路101による振動の反作用を打ち消すことができるが、この共振周波数を超える周波数以上の周波数では、上記の反作用を打ち消すことができず、逆に不要振動を増加させてしまう周波数帯域もある。
【0007】
このように、不要振動をキャンセルする磁気回路(逆磁気回路102に相当)を設けた場合の効果を測定した一例を図2のグラフに示す。図2は、スピーカ装置のフレームの振動加速度を音声信号の周波数を変えて測定した結果をキャンセル磁気回路有り、無しのそれぞれの場合で測定したものである。
【0008】
なお、測定したスピーカ装置におけるスピーカユニットの構造とその取り付けの構造上から生じる共振周波数は約550Hzである。
【0009】
図2のグラフにおいて、音声信号の周波数が55Hzから、共振周波数(約550Hz)までの周波数帯域では、キャンセル磁気回路によるフレームの振動加速度の抑制効果が見られるが、共振周波数(約550Hz)以上の周波数帯域では、フレームの振動加速度の抑制効果が見られず、逆にキャンセル磁気回路無しの場合よりもフレームの振動加速度が大きくなる周波数帯域があるのがわかる。
【0010】
本発明が解決しようとする課題としては、上述した従来技術において生じている共振周波数を超える周波数帯域において不要振動が増加してしまうことを解決するなどが一例として挙げられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、第1の磁気回路によりボイスコイルが駆動されて振動板を振動させる第1の振動系と、第2の磁気回路によりアクチュエータコイルが前記第1の振動系と反対方向に駆動される振動板を含まない第2の振動系と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタと、を有し、前記アクチュエータコイルに、前記ローパスフィルタの出力が電気的に接続されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施の形態において同一又は相当する構成には同一の符号を付してある。
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図であり、図4は、スピーカユニット14の一例を示す断面図である。
第1の実施の形態に係るスピーカ装置10は、図3及び図4に示すように、第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタ13と、を有する。
そして、ボイスコイルVCには、アンプ11(第1のアンプ)によって増幅された音声信号の出力が電気的に接続され、アクチュエータコイルCAには、アンプ12(第2のアンプ)によって増幅された音声信号の出力がローパスフィルタ13を介して電気的に接続される。
【0013】
第1の実施形態ではアクチュエータコイルCAを駆動するアンプ12(第2のアンプ)は、ボイスコイルVCを駆動するアンプ11(第1のアンプ)と別になっているので、増幅率はそれぞれのアンプで設定することができる。
【0014】
スピーカユニット14は、第1振動系16を構成する構成要素として、磁石MGaとプレート9aとヨーク1aとからなる第1の磁気回路MA、ボイスコイルVC、振動板2を有し、第2振動系15を構成する構成要素として、磁石MGbとプレート9bとヨーク1bとからなる第2の磁気回路MB、アクチュエータコイルCA、アクチュエータコイルCAのボビン6bの後部に付けられた重り4を有する。
【0015】
また、ボイスコイルVCのボビン6aはダンパー7aを介してフレーム3に接続され、振動板2はそのエッジ8を介してフレーム外周3aとパネル(スピーカーユニットの取り付け板)5とに接続されている。
【0016】
また、アクチュエータコイルCAのボビン6bは、ダンパー7bを介して磁気回路MBのプレートに接続されている。
【0017】
次に、スピーカ装置10の作用及び動作について説明する。図5は、スピーカユニット14と力学的に等価な機械回路の説明図である。
【0018】
図5に示すように、スピーカユニット14の機械回路において、フレーム外周3a+パネル5の等価質量m1はパネルコンプライアンスCpが接続され、第1振動系16の負荷となる等価質量m0(振動系等価静止質量+空気負荷質量)と等価質量m1の間にスピーカエッジコンプライアンスCeが、磁気回路MA+磁気回路MB+フレーム外周3aの等価質量m2と等価質量m1との間にフレームコンプライアンスCfが、等価質量m2と等価質量m0との間にダンパーコンプライアンスCdaが、等価質量m2と重り4の質量M0との間にダンパーコンプライアンスCdbが存在する。ここで、重り4の質量M0は、第1振動系16の振動の負荷となる等価質量m0(振動系等価静止質量+空気負荷質量)に加わる力Faと質量M0に加わる力Fbが均衡するように設定される。
【0019】
そして、図3に示したスピーカ装置10の動作は以下のようになる。
図3において、音声信号を増幅しスピーカ装置10に出力する外部のアンプ11は、音声信号を増幅し、その出力をスピーカユニット14のボイスコイルVCに送出する。一方、内部アンプ12は音声信号を増幅し、その出力をローパスフィルタ13に送出する。
【0020】
ローパスフィルタ13は、フレーム3に生じる等価コンプライアンスであるフレームコンプライアンスCfと、このフレームコンプライアンスCfの前後の等価質量である等価質量m2及び等価質量m1と、が共振する最も低い共振周波数(例えば、約550Hz)を超える周波数帯域の音声信号をカットし、この共振周波数以下の周波数帯域の音声信号のみを通過させる。
【0021】
すなわち、音声信号の周波数が、共振周波数を超える場合は、スピーカユニット14の反作用をキャンセルするための第2の振動系15は、前述の図2のグラフに示したように、反作用をキャンセルする効果が無くなり、逆に不要振動を増加させてしまうこともあるので、共振周波数を超える音声信号はカットし、共振周波数以下の周波数の音声信号のみを通過させるようにする。
【0022】
このようにして、スピーカユニット14の第1の振動系を構成するボイスコイルVCはアンプ11(第1のアンプ)の出力により駆動され、かつスピーカユニット14の第2の振動系15はローパスフィルタ13の出力により駆動される。
【0023】
(第2の実施の形態)
また、図6は、第2の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
第2の実施の形態に係るスピーカ装置20は、図6及び図4に示すように、第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタ13と、を有する。
【0024】
そして、ボイスコイルVC及びローパスフィルタ13には、によって増幅された音声信号の出力が電気的に接続され、アクチュエータコイルCAには、ローパスフィルタ13の出力が電気的に接続される。
このように、第2の実施の形態は、音声信号を増幅するアンプが1つで済むので、コストを低減できる。
【0025】
この第2の実施の形態におけるスピーカユニット14は、第1の実施の形態と同様に構成され、その作用及び動作についても、前述の図5を用いて説明されたものと同様である。
【0026】
(第3の実施の形態)
また、図7は、第3の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
第3の実施の形態に係るスピーカ装置30は、図7及び図4に示すように、第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタを内蔵したローパスフィルタ内蔵アンプ32と、を有する。
【0027】
そして、ボイスコイルVCには、アンプ11によって増幅された音声信号の出力が電気的に接続され、アクチュエータコイルCAには、ローパスフィルタ内蔵アンプ32によって増幅された音声信号の出力が電気的に接続される。
このように、第3の実施の形態は、アンプとローパスフィルタとを一体に構成したので、装置を小さくすることができる。
【0028】
この第3の実施の形態におけるスピーカユニット14は、第1の実施の形態と同様に構成され、その作用及び動作についても、前述の図5を用いて説明されたものと同様である。
【0029】
なお、各実施の形態におけるスピーカユニット14の構造は図4に示したものに限定されるものではなく、例えば、第1の振動系の磁気回路MAと第2の振動系の磁気回路MBとを共通にした構造などでもよい。
【0030】
各実施の形態におけるローパスフィルタ13は、チョークコイル、抵抗、コンデンサなどを組み合わせた回路、すなわち、チョークコイルを含んで構成されたアナログ回路であってもよく、あるいは、デジタル回路で構成されたものであってもよい。
【0031】
また、図4で説明したスピーカユニット14はコーン型振動板を備えたものであるが、本発明の構成は磁気回路を使用したダイナミック型のスピーカユニットであるならば、ドーム型等のスピーカーユニットなどにも適用可能である。
【0032】
なお、アンプ11、12、ローパスフィルタ内蔵アンプ32及びスピーカユニット14はこれら全てを同一の筐体内に収容しなくてもよい。
【0033】
以上詳述したように、本発明に係る第1の実施の形態によれば、第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタ13と、を有し、アクチュエータコイルCAに、ローパスフィルタ13の出力が電気的に接続されている。
【0034】
これにより、第1の振動系16によって生じるスピーカユニット14の反作用を第2の振動系15を用いてキャンセルする構成において、等価質量m2及び等価質量m1と、が共振する最も低い共振周波数(例えば、約550Hz)を超える音声信号の周波数帯域は、不要振動を増加させてしまう虞があるので、これをカットしてこのような周波数帯域では、第2の振動系15を動作させないようにして、逆に不要振動を増加させてしまうことを防ぐことができる。
なお、第2の実施の形態及び第3の実施の形態も同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の不要振動をキャンセルするように構成されたスピーカ装置を示す図である。
【図2】不要振動をキャンセルする磁気回路を設けた場合の効果を測定した結果を示すグラフ。
【図3】第1の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】スピーカユニットの一例を示す断面図である。
【図5】スピーカユニットと力学的に等価な機械回路の説明図である。
【図6】第2の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第3の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 スピーカ装置
11 アンプ(第1のアンプ)
12 アンプ(第2のアンプ)
13 ローパスフィルタ
14 スピーカユニット
15 第1の振動系
16 第2の振動系
32 ローパスフィルタ内蔵アンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ装置に関し、特に磁気回路によって振動する振動系を備えたスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用や車載用のスピーカ装置として、磁気回路によって振動する振動系を備えたスピーカ装置、例えば、ムービングコイル方式のダイナミックスピーカが知られている。このようなスピーカ装置は、磁気回路内でボイスコイルに電磁駆動を与えることにより、ボイスコイルが振動板と一体となって振動し、音響エネルギを放射するものである。
【0003】
このようなスピーカ装置では、振動板の駆動時の反作用として磁気回路の周囲に不要な振動が生じるため、図1に示すように、ムービングコイル方式によるスピーカ装置が備える磁気回路101により生じる磁束と逆の磁束を生じる逆磁気回路102と、この逆磁気回路102により生じる磁束で駆動される副ボイスコイル103と、を磁気回路101の後方に設け、不要振動をキャンセルするようにする構成のスピーカ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−217391号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、不要振動をキャンセルするための逆磁気回路102は、磁気回路101と同一に構成したとしても、磁気回路101により駆動される振動板104(コーン)側にはフレーム105が有り、逆磁気回路102側には、これと同じフレームが無いため、スピーカの磁気回路101からフレーム105側を見た場合の機械インピーダンスと、逆磁気回路102からフレーム105側を見た場合の機械インピーダンスとが異なる。
また、振動板104の分割周波数以上では、磁気回路101のボイスコイルから見た機械インピーダンスと、逆磁気回路102の副ボイスコイル103から見た振動系の機械インピーダンスとは異なる。
【0006】
このため、不要振動をキャンセルするための逆磁気回路102の振動系は、スピーカユニットの構造とその取り付けの構造上から生じる共振周波数以下では、磁気回路101による振動の反作用を打ち消すことができるが、この共振周波数を超える周波数以上の周波数では、上記の反作用を打ち消すことができず、逆に不要振動を増加させてしまう周波数帯域もある。
【0007】
このように、不要振動をキャンセルする磁気回路(逆磁気回路102に相当)を設けた場合の効果を測定した一例を図2のグラフに示す。図2は、スピーカ装置のフレームの振動加速度を音声信号の周波数を変えて測定した結果をキャンセル磁気回路有り、無しのそれぞれの場合で測定したものである。
【0008】
なお、測定したスピーカ装置におけるスピーカユニットの構造とその取り付けの構造上から生じる共振周波数は約550Hzである。
【0009】
図2のグラフにおいて、音声信号の周波数が55Hzから、共振周波数(約550Hz)までの周波数帯域では、キャンセル磁気回路によるフレームの振動加速度の抑制効果が見られるが、共振周波数(約550Hz)以上の周波数帯域では、フレームの振動加速度の抑制効果が見られず、逆にキャンセル磁気回路無しの場合よりもフレームの振動加速度が大きくなる周波数帯域があるのがわかる。
【0010】
本発明が解決しようとする課題としては、上述した従来技術において生じている共振周波数を超える周波数帯域において不要振動が増加してしまうことを解決するなどが一例として挙げられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、第1の磁気回路によりボイスコイルが駆動されて振動板を振動させる第1の振動系と、第2の磁気回路によりアクチュエータコイルが前記第1の振動系と反対方向に駆動される振動板を含まない第2の振動系と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタと、を有し、前記アクチュエータコイルに、前記ローパスフィルタの出力が電気的に接続されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施の形態において同一又は相当する構成には同一の符号を付してある。
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図であり、図4は、スピーカユニット14の一例を示す断面図である。
第1の実施の形態に係るスピーカ装置10は、図3及び図4に示すように、第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタ13と、を有する。
そして、ボイスコイルVCには、アンプ11(第1のアンプ)によって増幅された音声信号の出力が電気的に接続され、アクチュエータコイルCAには、アンプ12(第2のアンプ)によって増幅された音声信号の出力がローパスフィルタ13を介して電気的に接続される。
【0013】
第1の実施形態ではアクチュエータコイルCAを駆動するアンプ12(第2のアンプ)は、ボイスコイルVCを駆動するアンプ11(第1のアンプ)と別になっているので、増幅率はそれぞれのアンプで設定することができる。
【0014】
スピーカユニット14は、第1振動系16を構成する構成要素として、磁石MGaとプレート9aとヨーク1aとからなる第1の磁気回路MA、ボイスコイルVC、振動板2を有し、第2振動系15を構成する構成要素として、磁石MGbとプレート9bとヨーク1bとからなる第2の磁気回路MB、アクチュエータコイルCA、アクチュエータコイルCAのボビン6bの後部に付けられた重り4を有する。
【0015】
また、ボイスコイルVCのボビン6aはダンパー7aを介してフレーム3に接続され、振動板2はそのエッジ8を介してフレーム外周3aとパネル(スピーカーユニットの取り付け板)5とに接続されている。
【0016】
また、アクチュエータコイルCAのボビン6bは、ダンパー7bを介して磁気回路MBのプレートに接続されている。
【0017】
次に、スピーカ装置10の作用及び動作について説明する。図5は、スピーカユニット14と力学的に等価な機械回路の説明図である。
【0018】
図5に示すように、スピーカユニット14の機械回路において、フレーム外周3a+パネル5の等価質量m1はパネルコンプライアンスCpが接続され、第1振動系16の負荷となる等価質量m0(振動系等価静止質量+空気負荷質量)と等価質量m1の間にスピーカエッジコンプライアンスCeが、磁気回路MA+磁気回路MB+フレーム外周3aの等価質量m2と等価質量m1との間にフレームコンプライアンスCfが、等価質量m2と等価質量m0との間にダンパーコンプライアンスCdaが、等価質量m2と重り4の質量M0との間にダンパーコンプライアンスCdbが存在する。ここで、重り4の質量M0は、第1振動系16の振動の負荷となる等価質量m0(振動系等価静止質量+空気負荷質量)に加わる力Faと質量M0に加わる力Fbが均衡するように設定される。
【0019】
そして、図3に示したスピーカ装置10の動作は以下のようになる。
図3において、音声信号を増幅しスピーカ装置10に出力する外部のアンプ11は、音声信号を増幅し、その出力をスピーカユニット14のボイスコイルVCに送出する。一方、内部アンプ12は音声信号を増幅し、その出力をローパスフィルタ13に送出する。
【0020】
ローパスフィルタ13は、フレーム3に生じる等価コンプライアンスであるフレームコンプライアンスCfと、このフレームコンプライアンスCfの前後の等価質量である等価質量m2及び等価質量m1と、が共振する最も低い共振周波数(例えば、約550Hz)を超える周波数帯域の音声信号をカットし、この共振周波数以下の周波数帯域の音声信号のみを通過させる。
【0021】
すなわち、音声信号の周波数が、共振周波数を超える場合は、スピーカユニット14の反作用をキャンセルするための第2の振動系15は、前述の図2のグラフに示したように、反作用をキャンセルする効果が無くなり、逆に不要振動を増加させてしまうこともあるので、共振周波数を超える音声信号はカットし、共振周波数以下の周波数の音声信号のみを通過させるようにする。
【0022】
このようにして、スピーカユニット14の第1の振動系を構成するボイスコイルVCはアンプ11(第1のアンプ)の出力により駆動され、かつスピーカユニット14の第2の振動系15はローパスフィルタ13の出力により駆動される。
【0023】
(第2の実施の形態)
また、図6は、第2の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
第2の実施の形態に係るスピーカ装置20は、図6及び図4に示すように、第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタ13と、を有する。
【0024】
そして、ボイスコイルVC及びローパスフィルタ13には、によって増幅された音声信号の出力が電気的に接続され、アクチュエータコイルCAには、ローパスフィルタ13の出力が電気的に接続される。
このように、第2の実施の形態は、音声信号を増幅するアンプが1つで済むので、コストを低減できる。
【0025】
この第2の実施の形態におけるスピーカユニット14は、第1の実施の形態と同様に構成され、その作用及び動作についても、前述の図5を用いて説明されたものと同様である。
【0026】
(第3の実施の形態)
また、図7は、第3の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
第3の実施の形態に係るスピーカ装置30は、図7及び図4に示すように、第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタを内蔵したローパスフィルタ内蔵アンプ32と、を有する。
【0027】
そして、ボイスコイルVCには、アンプ11によって増幅された音声信号の出力が電気的に接続され、アクチュエータコイルCAには、ローパスフィルタ内蔵アンプ32によって増幅された音声信号の出力が電気的に接続される。
このように、第3の実施の形態は、アンプとローパスフィルタとを一体に構成したので、装置を小さくすることができる。
【0028】
この第3の実施の形態におけるスピーカユニット14は、第1の実施の形態と同様に構成され、その作用及び動作についても、前述の図5を用いて説明されたものと同様である。
【0029】
なお、各実施の形態におけるスピーカユニット14の構造は図4に示したものに限定されるものではなく、例えば、第1の振動系の磁気回路MAと第2の振動系の磁気回路MBとを共通にした構造などでもよい。
【0030】
各実施の形態におけるローパスフィルタ13は、チョークコイル、抵抗、コンデンサなどを組み合わせた回路、すなわち、チョークコイルを含んで構成されたアナログ回路であってもよく、あるいは、デジタル回路で構成されたものであってもよい。
【0031】
また、図4で説明したスピーカユニット14はコーン型振動板を備えたものであるが、本発明の構成は磁気回路を使用したダイナミック型のスピーカユニットであるならば、ドーム型等のスピーカーユニットなどにも適用可能である。
【0032】
なお、アンプ11、12、ローパスフィルタ内蔵アンプ32及びスピーカユニット14はこれら全てを同一の筐体内に収容しなくてもよい。
【0033】
以上詳述したように、本発明に係る第1の実施の形態によれば、第1の磁気回路MAによりボイスコイルVCが駆動されて振動板2を振動させる第1の振動系16と、第2の磁気回路MBによりアクチュエータコイルCAが第1の振動系16と反対方向に駆動される振動板2を含まない第2の振動系15と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタ13と、を有し、アクチュエータコイルCAに、ローパスフィルタ13の出力が電気的に接続されている。
【0034】
これにより、第1の振動系16によって生じるスピーカユニット14の反作用を第2の振動系15を用いてキャンセルする構成において、等価質量m2及び等価質量m1と、が共振する最も低い共振周波数(例えば、約550Hz)を超える音声信号の周波数帯域は、不要振動を増加させてしまう虞があるので、これをカットしてこのような周波数帯域では、第2の振動系15を動作させないようにして、逆に不要振動を増加させてしまうことを防ぐことができる。
なお、第2の実施の形態及び第3の実施の形態も同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の不要振動をキャンセルするように構成されたスピーカ装置を示す図である。
【図2】不要振動をキャンセルする磁気回路を設けた場合の効果を測定した結果を示すグラフ。
【図3】第1の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】スピーカユニットの一例を示す断面図である。
【図5】スピーカユニットと力学的に等価な機械回路の説明図である。
【図6】第2の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第3の実施の形態に係るスピーカ装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 スピーカ装置
11 アンプ(第1のアンプ)
12 アンプ(第2のアンプ)
13 ローパスフィルタ
14 スピーカユニット
15 第1の振動系
16 第2の振動系
32 ローパスフィルタ内蔵アンプ
Claims (7)
- 第1の磁気回路によりボイスコイルが駆動されて振動板を振動させる第1の振動系と、第2の磁気回路によりアクチュエータコイルが前記第1の振動系と反対方向に駆動される振動板を含まない第2の振動系と、所定の周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタと、を有し、
前記アクチュエータコイルに、前記ローパスフィルタの出力が電気的に接続されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 前記所定の周波数は、スピーカ装置のフレームに生じる等価コンプライアンスと、該等価コンプライアンスの前後の等価質量と、が共振する最も低い共振周波数であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルには、アンプの出力が電気的に接続され、前記アクチュエータコイルには、前記アンプの出力が前記ローパスフィルタを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルには、第1のアンプの出力が電気的に接続され、前記アクチュエータコイルには、第2のアンプの出力が前記ローパスフィルタを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
- 前記ボイスコイルには、第1のアンプの出力が電気的に接続され、前記アクチュエータコイルには、前記ローパスフィルタを内蔵したローパスフィルタ内蔵アンプの出力が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
- 前記ローパスフィルタは、チョークコイルを含んで構成されたアナログ回路であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカ装置。
- 前記ローパスフィルタは、デジタル回路で構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカ装置。
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Cited By (2)
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US9442804B2 (en) | 2011-11-02 | 2016-09-13 | Globalfoundries Inc. | Message reconciliation during disaster recovery |
US9743192B2 (en) | 2014-12-26 | 2017-08-22 | Fujitsu Ten Limited | Speaker and vibration control unit |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003006018A patent/JP2004221880A/ja active Pending
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