JP2004221239A - 薄膜形成方法 - Google Patents

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Kiyoyuki Morita
清之 森田
Takashi Otsuka
隆 大塚
Masataka Morita
真登 森田
Hiroyasu Tsuji
弘恭 辻
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】基板上に形成した誘電体や金属ペーストを加熱して有機物を分解除去して誘電体や金属薄膜を得る工程の生産性を高くし,歩留を向上する方法を提供する。
【解決手段】誘電体ペースト102や金属ペーストを表面に形成したガラス基板101を断熱容器104内に設置し,上記断熱容器104ごと1GHz以上で100GHz以下のミリ波108を照射することで有機物の分解などを行い,誘電体薄膜109を形成する。
上記基板を断熱容器内に格納することで生産性を向上することができる上,塵(ダスト)の基板表面への付着を低減することができる。また,電磁波を照射する装置への出し入れだけなので,摺動部による発塵の個所も少なくすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板上に塗布された有機物含有薄膜層から有機物を除去して誘電体や金属などの無機物からなる薄膜を形成する薄膜形成方法に関し,特に誘電体基板上への薄膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ガラスなどの誘電体基板上に塗布された有機物含有薄膜層から有機物を除去して薄膜を得るための薄膜形成方法には,電気炉等による加熱処理が用いられていた(例えば,非特許文献1参照)。大型誘電体基板を使用する製品の代表であるPDP(plasma display panel)においては,有機物を含有する各種のペーストを前記基板上に塗布し,電気炉を用いた加熱処理により有機物の除去及び薄膜の焼成を行っていた。焼成には600℃前後の温度が必要となる。使用する誘電体基板としては歪点の低いソーダライム・ガラスを用いるため,焼成プロセスの最高温度はソーダライム・ガラスの歪点を超えてしまう。さらに,焼成は透明電極,バス電極,透明誘電体,隔壁等各種の薄膜形成に必要であり,デバイス完成までに複数回行われるのが一般的であった。よって,加熱と冷却の繰り返しによる前記基板の寸法変形が生じる可能性がある。このため,前記基板の昇温レートや降温レートは低く抑えられ,温度分布等は高精度に制御することが必要であった。電気炉は温度勾配を有するトンネル状の構造を有しており,前記基板はベルトなどを用いてトンネル状の内部空間を搬送される。
【0003】
一方セラミック成形体の焼結においては,特許文献1に記載されているように,電気炉等による従来の加熱処理に代えて電磁波を照射する方法が提案されているが,ガラス基板に応用された例はない。
【0004】
【非特許文献1】
日経BP社「フラットパネル・ディスプレイ1996」日経BP社出版,1995年12月11日,p.208−215
【特許文献1】
特開平9−124382号公報 (第2〜3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,前記従来の方法では,前記基板の昇温レートや降温レートを大きくすると寸法変形が生じる可能性がある。よって昇温レートや降温レートを大きくすることができないため,生産性を高くできないという課題を有していた。また,前記従来の方法では,電気炉中の前記基板の搬送が必要であり,摺動部による発塵と発生した塵(ダスト)の基板表面への付着が生じる可能性が大きいので,製品歩留が低下するという課題を有していた。
【0006】
本発明は,前記従来の課題を解決するもので,電気炉による加熱方式に代えてミリ波照射による加熱方式を採用することで生産性を高くし,同時に歩留低下を抑制することを特長とする薄膜形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために,本発明の薄膜形成方法は,誘電体膜もしくは金属を要素として含む薄膜形成方法であって,基板上の少なくとも一部に誘電体と有機物とを含むペーストあるいは金属と有機物とを含むペーストを形成する工程(a)と,上記工程(a)の後で,上記ペーストの上方から,1GHz以上で100GHz以下の範囲にある電磁波を照射する工程(b)とを含んでいる。
【0008】
この方法により,誘電体膜ペーストへのミリ波照射処理によって,形成された誘電体薄膜の表面が平滑になり,かつ誘電体薄膜の光透過率も向上するなど,誘電体膜の特性が改善される。
【0009】
上記工程(b)では,上記基板の温度を650℃以下に保持しつつ,上記電磁波を印加することにより,基板上のデバイスなどへの悪影響をより確実に回避することができる。
【0010】
上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に,上記基板を断熱容器中に設置する工程と,上記工程(b)の後で,上記基板を上記断熱容器内から取り出す工程とをさらに含むことにより,上記断熱容器に上記基板を格納することで発塵を防止して歩留を向上することができる。また,上記基板には急激な温度変化が生じないため,上記基板の破損・変形を防止し,製品歩留を向上することができる。また,上記断熱容器を用いると,上記工程(b)において電磁波を照射した後,速やかに上記断熱容器ごと電磁波を照射する装置内から取り出すことができ,上記工程(b)を実施する装置のスループットを向上させることができる。
【0011】
上記断熱容器に,上記工程(b)で照射する電磁波の波長よりも小さな直径の通気孔を設けることで上記誘電体ペースト中に含まれる有機物や有機溶媒が分解気化して形成される生成物を上記断熱容器の外へ導くことができ,工程の効率向上を行うことができる。
【0012】
上記基板と上記断熱容器との間に石英,アルミナ,サファイアなどの材料で形成された保持基板を設けることで,上記基板表面の温度ばらつきを低減させ,基板の破損を防止することがきる。
【0013】
上記工程(b)において電磁波を照射する期間中,上記基板の周囲の雰囲気を,空気,不活性ガス,酸素,もしくは真空のうちから選ばれる1又は2以上の状態の組合わせによって構成することが好ましい。
【0014】
上記工程(a)においてノズルヘッドを用いて誘電体と有機物とを含むペーストあるいは金属と有機物とを含むペーストを上記基板上の所望の位置に滴下することでペーストを形成し,パターンなどを形成することができる。
上記工程(a)の前に上記基板上にMOSやバイポーラ等のトランジスタやダイオードなどの素子をあらかじめ形成することにより,微細なトランジスタを含む半導体装置や,ガラス基板上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)と強誘電体薄膜とで構成されたメモリ機能内臓型の表示装置等を形成することができる。
【0015】
上記工程(a)では,上記誘電体材料として,SiO,Si,SiON,CeO,Pr,ZrO,Al,AlN,MgO,BST((Ba,Sr)TiO),PZT(Pb(Zr,Ti)O),PLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O),SBT(SrBiTa),(SrBi(Nb,Ta)),STO(SrTiO),BTO(BaTiO),BIT(Bi Ti12)のうちから選ばれる1又は2以上の材料によって構成される膜を用いることが好ましい。
【0016】
上記工程(a)では,上記金属として,Ag,Au,Mg,Al,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,In,Sn,Ta,W,Pt,あるいはこれらの金属の合金,あるいはこれらの金属膜や合金膜を複数層積層した多層膜を用いることが好ましい。
【0017】
上記基板を構成する材料は,半導体,酸化シリコン,ガラス,石英及びセラミックのうちから選ばれる1又は2以上の材料を用いることが好ましい。
【0018】
上記工程(b)では,10GHz以上で80GHz以下の範囲にある電磁波を照射することがより好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態における薄膜形成方法について図面を参照しながら説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図1(a)〜(d)は,本発明の第1の実施形態による薄膜形成方法の製造工程を示す断面図である。
【0021】
まず,図1(a)に示す工程で,ガラス基板101の上に,スクリーン印刷機などを用いて,誘電体ペースト102を約40μm厚で形成する。誘電体ペースト102は,二酸化珪素(SiO)などの誘電体粉末とバインダなどの有機物と有機溶媒とからなる。
【0022】
次に,図1(b)に示す工程で,前記ガラス基板101を石英からなる保持基板103上に乗せ,前記保持基板103ごとアルミナなどで形成された断熱容器104内に設置する。断熱容器104は,断熱効果を高めるために,前記ガラス基板101と保持基板103とを包み込むように覆っている。但し,前記断熱容器104の一部もしくは前面には,前記誘電体ペースト102中に含まれる有機物や有機溶媒が分解気化して形成される生成物を前記断熱容器104の外へ導くための小さな孔を設けることが望ましい。
【0023】
次に,図1(c)に示す工程で,前記断熱容器104をチャンバ106内に設置し,前記断熱容器104内に放射温度計もしくは熱電対などの温度測定装置を設置する。次にミリ波導入口107を通して10〜80GHzのミリ波108を照射する。ここでは28GHzのミリ波108を照射した。この時,ミリ波108の投入電力は,前記温度測定装置により測定された温度をフィードバックして制御される。チャンバ106内の雰囲気は空気とした。プロセスとしては,まず350℃前後の温度で前記誘電体ペースト102中のバインダを分解した後,600℃まで昇温し,10分間保持して誘電体を焼結する。図2に測定温度と投入電力のプロファイルの一例を示す。昇温時の投入電力は最大で約1.2kWを印加している。尚,降温時にはミリ波108は印加せず,自然放冷を行った。前記断熱容器104内部が600℃になっていても,断熱容器104外部は高温になっていないため,ミリ波108の印加完了後すぐに,前記断熱容器104をチャンバ106の外に取り出すことができる。
【0024】
そこで次に,図2の取り出し点A201において,図1(d)に示すように,断熱容器104をチャンバ106の外に取り出した。前記ガラス基板101は前記断熱容器104と保持基板103とで断熱されているため,図2に示すように徐々に冷却される。前記ガラス基板101の誘電体ペースト102は,焼結により誘電体薄膜109に変化している。本発明の方法を用いれば,処理後のガラス基板101を断熱容器104ごと取り出して冷却できるため,降温工程でチャンバ106を占有することがない。よって,昇温レートや降温レートが同等でも,降温工程の時間分だけ装置の生産性が向上する。例えばこの条件の場合,従来法では装置を約100分間占有するが,本発明の方法を用いると,約70分に低減することができ,30%の生産性向上を実現することができる。また,断熱容器104の搬送は,チャンバ106への出し入れの時だけであり,しかも前記ガラス基板101は断熱容器104の中に設置されているため,摺動部による発塵や発生した塵(ダスト)の基板表面への付着が生じる可能性が極めて小さく,製品歩留が低下する恐れが少ない。また,前記基板には急激な温度変化が生じないため,上記基板の破損・変形を防止し,製品歩留を向上することができる。
【0025】
温度プロファイルが同一の条件で,本発明の第1の実施形態による薄膜形成方法で形成した誘電体薄膜と,従来の加熱法で形成した誘電体薄膜とを比較したところ,本発明による薄膜形成方法で形成した誘電体薄膜の方が,ヘイズ値が2%程度小さくなり,従来の加熱法で形成した薄膜に比べて滑らかになっていた。さらに,薄膜の光透過率も2%程度向上していた。よって,本発明の第1の実施形態による薄膜形成方法の方が,従来の方法よりも性能の高い薄膜を形成することができる。これらの結果は,ミリ波108照射による非熱的効果と考えられる。
【0026】
上記の様にガラス基板101にミリ波108を照射して加熱されるのは,以下のように説明される。一般に,セラミックス等の誘電体に電磁波を照射すると,正負の双極子の集合体である誘電体は,双極子が激しく回転し,その摩擦熱により発熱することが知られている。この時誘電体が吸収するエネルギ:Pは以下のように表される。
【0027】
P=2πfεεtanδE
ここで,f:照射する電磁波の周波数,ε:真空の誘電率,ε:誘電体の比誘電率,tanδ:損失角,E:電界の強さである。
【0028】
よって,照射する電磁波の周波数fが高いと,誘電体が吸収するエネルギも大きくなり,効率良く加熱することができる。一方,誘電損率εεtanδには温度依存性があるが,照射する電磁波の周波数fが高いほど温度依存性は小さくなる。例えば二酸化珪素(SiO)の場合,2.45MHzの電磁波を照射すると誘電損率は600℃と25℃とで約2桁の違いがあり,600℃における値の方が大きいが,28GHzの電磁波を照射した場合は,誘電損率はほとんど同じになる。ここで,SiOに2.45MHzの電磁波を照射してSiOの一部が過熱されて温度が上昇したとすると,その部分は誘電損率が他の部分よりも大きくなりさらに加熱が進み,さらに温度差は拡大することになる。よって,均一に加熱するためには誘電損率の温度依存性は小さいほうが望ましい。即ち,照射する電磁波の周波数fが大きい方が効率良く,しかも均一に加熱することができる。
【0029】
本実施形態では,誘電体膜に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射したが,本実施形態の製造工程において,1GHz以上で100GHz以下の範囲にある電磁波照射によっても,本発明の効果を発揮することは可能である。ただし,特に,誘電体膜に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射することにより,温度均一性が高く確実に本発明の効果を得ることができる。通常,波長の100倍程度の大きさを有するチャンバを用いてミリ波処理を行なう必要があるが,10GHzの電磁波を照射することにより,1GHzの電磁波を照射する場合に比べて1/10の大きさのチャンバを用いて,均一なミリ波照射処理を行なうことができる利点がある。また,照射する電磁波の周波数が高い方が誘電体膜による電磁波のエネルギを吸収する効率が高いので,より効果的に誘電体膜を加熱することができる。
【0030】
本実施の形態では誘電体ペースト102を塗布する基板としてガラスを用いたが,使用用途によって,石英など他の材料を用いても良い。また,保持基板103の材料としては石英を用いたが,断熱性が高く,温度衝撃に強い材料であれば,アルミナ,サファイアなど他の材料を用いても良い。保持基板103を用いないと,昇温もしくは降温の過程でガラス基板101にクラックを生じることが多い。但し,誘電体ペースト102を塗布する基板自身の材料として石英などの材料を用いた場合は,保持基板103を用いなくても良い。また,チャンバ106内の雰囲気としては大気で良いが,誘電体の種類や,膜厚,下地の材料などにより,窒素等の不活性ガスや酸素中,もしくは真空中で行った方が形成された薄膜の特性が良い場合がある。
【0031】
また,前述の通り前記断熱容器104の一部もしくは前面には,前記誘電体ペースト102中に含まれる有機物や有機溶媒が分解気化して形成される生成物を前記断熱容器104の外へ導くための小さな孔を設けることが望ましいが,孔の径は,電磁波の波長よりも小さいほうが望ましい。
【0032】
さらに,本実施形態においては,形成した誘電体薄膜109の基板主面下部には何も存在していなかったが,薄膜プロセスを用いてMOSやバイポーラ等のトランジスタやダイードなどの素子をあらかじめ形成しておいても良い。本実施形態を用いれば,強誘電体薄膜形成時及びその後に基板を650℃以上の高温にする必要がないため,基板上にあらかじめ形成されたトランジスタの特性が劣化することはない。よって,微細なトランジスタを含む半導体装置や,ガラス基板上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)と強誘電体薄膜とで構成されたメモリ機能内臓型の表示装置等を形成することが可能となる。
【0033】
また,本実施例では,誘電体として二酸化珪素(SiO)を用いたが,これに限定されるものではなく,シリコン窒化膜(Si),シリコン酸窒化膜(SiON)の他,CeO膜,Pr膜,ZrO膜,Al膜,AlN膜,MgO膜,BST((Ba,Sr)TiO3 )膜等,あるいはこれらの絶縁膜を複数層積層した多層膜を用いることもできる。また,上記の様な高誘電率誘電体材料の他にも,PZT(Pb(Zr,Ti)O3 )にさらにLaを付加したPLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O3 )や,SBT(SrBi2 Ta2 O9 ),(SrBi2 (Nb,Ta)2 O9 ),STO(SrTiO3 ),BTO(BaTiO3 ),BIT(Bi4 Ti3 O12)等の強誘電体材料を用いることができる。
【0034】
(第2の実施形態)
まず,図3(a)に示す工程で,ガラス基板301の上に,スクリーン印刷機などを用いて,銀ペースト302を約7 ̄8μm厚で形成する。銀ペースト302は,銀粒子と有機溶媒からなる。
【0035】
次に,第1の実施形態と全く同様に,図1(b)〜(d)に示す工程で,前記ガラス基板101を断熱容器104中に設置し,10〜80GHzのミリ波108を照射後,冷却した。冷却完了後,形成された銀薄膜の抵抗を測定したところ,従来の加熱法で形成した銀薄膜と同等の値を示した。
【0036】
よって,本発明の実施の形態の場合も,従来法では装置を約100分間占有するが,本発明の方法を用いると,約70分に低減することができ,30%の生産性向上を実現することができる。
【0037】
また,本実施例では,金属として銀(Ag)を用いたが,これに限定されるものではなく,Au,Mg,Al,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,In,Sn,Ta,W,Pt膜等,あるいはこれらの金属膜を複数層積層した多層膜,あるいはこれらの金属の合金を用いることができる。
【0038】
(第3の実施形態)
図4(a)〜(d)は,本発明の第3の実施形態による薄膜形成方法の製造工程を示す断面図である。
【0039】
まず,図4(a)に示す工程で,ノズルヘッド411などを用いてガラス基板401の所望の位置に誘電体ペースト412を滴下し,誘電体リブペースト402を約100μm厚で形成する。誘電体ペースト412は,二酸化珪素(SiO)などの誘電体粉末とバインダなどの有機物と有機溶媒とからなる。
【0040】
次に,図4(b)に示す工程で,前記ガラス基板401を石英からなる保持基板403上に乗せ,前記保持基板403ごとアルミナなどで形成された断熱容器404内に設置する。断熱容器404は,断熱効果を高めるために,前記ガラス基板401と保持基板403とを包み込むように覆っている。但し,前記断熱容器404の一部もしくは前面には,前記誘電体リブペースト402中に含まれる有機物や有機溶媒が分解気化して形成される生成物を前記断熱容器404の外へ導くための小さな孔を設けることが望ましい。
【0041】
次に,図4(c)に示す工程で,前記断熱容器404をチャンバ406内に設置し,前記断熱容器404内に放射温度計もしくは熱電対などの温度測定装置を設置する。次にミリ波導入口407を通して10〜80GHzのミリ波408を照射する。ここでは28GHzのミリ波408を照射した。この時,ミリ波408の投入電力は,前記温度測定装置により測定された温度をフィードバックして制御される。チャンバ406内の雰囲気は空気とした。プロセスとしては,まず350℃前後の温度で前記誘電体リブペースト402中のバインダを分解した後,600℃まで昇温し,10分間保持して誘電体を焼結する。本実施形態では,前記誘電体リブペースト402の上面だけでなく,側面も露出している。このため,ミリ波408を前記誘電体リブペースト402の広い面積に照射することができ,前記誘電体リブペースト402中のバインダを効率良く分解することができる。昇温時の投入電力は最大で約1kWを印加した。尚,降温時にはミリ波408は印加せず,自然放冷を行った。前記断熱容器404内部が600℃になっていても,断熱容器404外部は高温になっていないため,ミリ波408の印加完了後すぐに,前記断熱容器404をチャンバ406の外に取り出すことができる。
【0042】
そこで次に,図4(d)に示すように,断熱容器404をチャンバ406の外に取り出した。前記ガラス基板401は前記断熱容器404と保持基板403とで断熱されているため,徐々に冷却される。前記ガラス基板401上の誘電体リブペースト402は,焼結により誘電体リブ409に変化している。本発明の方法を用いれば,処理後のガラス基板401を断熱容器404ごと取り出して冷却できるため,降温工程でチャンバ406を占有することがない。よって,昇温レートや降温レートが同等でも,降温工程の時間分だけ装置の生産性が向上する。例えばこの条件の場合,従来法では装置を約100分間占有するが,本発明の方法を用いると,約70分に低減することができ,30%の生産性向上を実現することができる。また,断熱容器404の搬送は,チャンバ406への出し入れの時だけであり,しかも前記ガラス基板401は断熱容器404の中に設置されているため,摺動部による発塵や発生した塵(ダスト)の基板表面への付着が生じる可能性が極めて小さく,製品歩留が低下する恐れが少ない。
【0043】
本実施形態では,誘電体膜に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射したが,本実施形態の製造工程において,1GHz以上で100GHz以下の範囲にある電磁波照射によっても,本発明の効果を発揮することは可能である。ただし,特に,誘電体リブペースト412に10GHz以上で80GHz以下の電磁波(ミリ波)を照射することにより,温度均一性が高く確実に本発明の効果を得ることができる。通常,波長の100倍程度の大きさを有するチャンバを用いてミリ波処理を行なう必要があるが,10GHzの電磁波を照射することにより,1GHzの電磁波を照射する場合に比べて1/10の大きさのチャンバを用いて,均一なミリ波照射処理を行なうことができる利点がある。また,照射する電磁波の周波数が高い方が誘電体リブペースト412による電磁波のエネルギを吸収する効率が高いので,より効果的に誘電体リブペースト412を加熱することができる。
【0044】
本実施の形態では誘電体リブペースト402を塗布する基板としてガラスを用いたが,使用用途によって,石英など他の材料を用いても良い。また,保持基板403の材料としては石英を用いたが,断熱性が高く,温度衝撃に強い材料であれば他の材料を用いても良い。保持基板403を用いないと,昇温もしくは降温の過程でガラス基板401にクラックを生じることが多い。但し,誘電体リブペースト402を塗布する基板自身の材料として石英などの材料を用いた場合は,保持基板403を用いなくても良い。また,チャンバ406内の雰囲気としては大気で良いが,誘電体の種類や,膜厚,下地の材料などにより,窒素等の不活性ガスや酸素中,もしくは真空中で行った方が形成された薄膜の特性が良い場合がある。
【0045】
また,前述の通り前記断熱容器404の一部もしくは前面には,前記誘電体リブペースト402中に含まれる有機物や有機溶媒が分解気化して形成される生成物を前記断熱容器404の外へ導くための小さな孔を設けることが望ましいが,孔の径は,電磁波の波長よりも小さいほうが望ましい。
【0046】
【発明の効果】
本発明の薄膜形成方法によれば,基板上に誘電体膜,金属膜等を形成する方法として,前記基板上に誘電体や金属のペーストを形成した後,1GHz以上で100GHz以下の電磁波を照射することにより有機物の分解などを行い,薄膜を形成する。上記基板を断熱容器内に格納することで生産性を向上することができる上,塵(ダスト)の基板表面への付着を低減することができる。また,電磁波を照射する装置への出し入れだけなので,摺動部による発塵の個所も少なくすることができる。
【0047】
さらに,誘電体膜ペーストへの電磁波照射処理によって,形成された誘電体薄膜の表面が平滑になり,かつ誘電体薄膜の光透過率も向上するなど,誘電体膜の特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は,本発明の第1の実施形態による薄膜形成方法の製造工程の工程を示す断面図
【図2】本発明の第1の実施形態による薄膜形成方法における電磁波照射時の投入電力と測定温度とのプロファイルを示す図
【図3】(a)は,本発明の第2の実施形態による薄膜形成方法の製造工程の工程を示す断面図
【図4】(a)〜(d)は,本発明の第3の実施形態による薄膜形成方法の製造工程の工程を示す断面図
【符号の説明】
101 ガラス基板
102 誘電体ペースト
103 保持基板
104 断熱容器
106 チャンバ
107 ミリ波導入口
108 ミリ波
109 誘電体薄膜
201 取り出し点A
301 ガラス基板
302 銀ペースト
401 ガラス基板
402 誘電体リブペースト
403 保持基板
404 断熱容器
406 チャンバ
407 ミリ波導入口
408 ミリ波
409 誘電体リブ
411 ノズルヘッド
412 誘電体ペースト

Claims (14)

  1. 誘電体膜もしくは金属を要素として含む薄膜形成方法であって,
    基板上の少なくとも一部に誘電体と有機物とを含むペーストあるいは金属と有機物とを含むペーストを形成する工程(a)と,
    上記工程(a)の後で,上記ペーストの上方から,1GHz以上で100GHz以下の範囲にある電磁波を照射する工程(b)と
    を含む薄膜形成方法。
  2. 請求項1記載の薄膜形成方法において,
    上記工程(b)では,上記基板の温度を650℃以下に保持しつつ,上記電磁波を印加することを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 請求項1又は2記載の薄膜形成方法において,
    上記工程(a)の後で上記工程(b)の前に,上記基板を断熱容器中に設置する工程と,
    上記工程(b)の後で,上記基板を上記断熱容器内から取り出す工程とをさらに含むことを特徴とする薄膜形成方法。
  4. 請求項3記載の薄膜形成方法において,
    上記断熱容器に,上記工程(b)で照射する電磁波の波長よりも小さな直径の通気孔を設けることを特徴とする薄膜形成方法。
  5. 請求項3〜4のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,
    上記基板と上記断熱容器との間に保持基板を設けることを特徴とする薄膜形成方法。
  6. 請求項5記載の薄膜形成方法において,
    上記保持基板として,石英,アルミナ,サファイアのうちから選ばれる1又は2以上の材料によって構成されることを特徴とする薄膜形成方法。
  7. 請求項3〜6のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,
    上記工程(b)において電磁波を照射した後,速やかに上記断熱容器ごと電磁波を照射する装置内から取り出すことを特徴とする薄膜形成方法。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,
    上記工程(b)において電磁波を照射する期間中,上記基板の周囲の雰囲気を,空気,不活性ガス,酸素,もしくは真空のうちから選ばれる1又は2以上の状態の組合わせによって構成されることを特徴とする薄膜形成方法。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,
    上記工程(a)においてノズルヘッドを用いて誘電体と有機物とを含むペーストあるいは金属と有機物とを含むペーストを上記基板上の所望の位置に滴下することでペーストを形成することを特徴とする薄膜形成方法。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,上記工程(a)の前に上記基板上にMOSやバイポーラ等のトランジスタやダイオードなどの素子をあらかじめ形成することを特徴とする薄膜形成方法。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,
    上記工程(a)では,上記誘電体材料として,SiO,Si,SiON,CeO,Pr,ZrO,Al,AlN,MgO,BST((Ba,Sr)TiO),PZT(Pb(Zr,Ti)O),PLZT((Pb,La)(Zr,Ti)O),SBT(SrBiTa),(SrBi(Nb,Ta)),STO(SrTiO),BTO(BaTiO),BIT(Bi Ti12)のうちから選ばれる1又は2以上の材料によって構成される膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。
  12. 請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,
    上記工程(a)では,上記金属として,Ag,Au,Mg,Al,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,In,Sn,Ta,W,Pt,あるいはこれらの金属の合金,あるいはこれらの金属膜や合金膜を複数層積層した多層膜を用いることを特徴とする薄膜形成方法。
  13. 請求項1〜12のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,
    上記基板を構成する材料は,半導体,酸化シリコン,ガラス,石英及びセラミックのうちから選ばれる1又は2以上の材料であることを特徴とする薄膜形成方法。
  14. 請求項1〜13のうちいずれか1つに記載の薄膜形成方法において,
    上記工程(b)では,10GHz以上で80GHz以下の範囲にある電磁波を照射することを特徴とする薄膜形成方法。
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