JP2004220981A - 反射体及びバックライト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射板2の周辺端辺部分に於いて輝度変化率が緩やかに変化する様に所定の形状パターンのグレー印刷を反射板2上に施す。また、反射板の底面に設けたパターンは底面の中心から同心円あるいは同心楕円であり同心円あるいは同心楕円のピッチを外周部で密または疎とする。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置(LCD)に用いるバックライト装置及びこのバックライト装置に使用される反射体に係わり、特にバックライト装置及び反射体の輝度変化率を補正可能と成したバックライト装置及び反射体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、LCDに使用されているバックライト装置はマイクロコンピュータ、テレビジョン受像機等の電子機器の表示装置として利用されている。LCDは非発光性のため、バックライト装置の様な外部照射用の光源を必要としている。
【0003】
この様なバックライト装置としては円筒状光源に冷陰極管又は熱陰極管等の細径の蛍光管(ランプ)を用いるのが一般的であり、構造としては導光板の側面に円筒状光源を配設したエッジライト方式と、筐体内部に反射体(以下反射板と記す)及び円筒状光源を収納し、筐体開口に配設した光透過拡散板に円筒状光源からの直接光及び円筒状光源からの光を反射板で反射させた光を光透過拡散板で入射拡散させて均一な面状光を出光させる様にした直下方式が知られている。
【0004】
上述の直下方式或はエッジライト方式はLCDの要求性能に応じて選択されるが直下方式は円筒状光源の直接光を利用するためエッジライト方式に比較して光の利用効率が高く、モニタ用、テレビジョン受像機用等の高輝度を必要とする用途に適している。
【0005】
図11(A)は従来の直下方式のバックライト装置を示す平面図であり、図11(B)は図11(A)のA−A′断面矢視図、図11(C)は図11(A)のB−B′断面矢視図を示している。
【0006】
バックライト装置のランプハウスとなる筐体1は上面に開口部1aを有する断面が矩形又は台形状の箱状と成され、白色高反射グレード成型樹脂で一体成型するか、金属板或は金属板と成型樹脂を組み合わせて作製する。
【0007】
筐体1内には高反射塗料を塗布するか、高反射フィルム材等を貼着させて反射面としての反射板2を形成する。図11(B)及び図11(C)では、この反射板2は二辺または四辺を傾斜させた断面台形状の板材で形成されている。
【0008】
ランプを構成する円筒状光源3は筐体1の底面から1〜2mm程度離間した位置に保持されるように端部を高反射グレード樹脂の射出成型で得た円筒光源支持台(図11(A)〜(C)では筐体1の側板と一体化されている)に固定しており、配置する本数は要求される輝度によって決定する。
【0009】
上記した各部品を組み立て、上面に乳白色アクリル樹脂等を用いた光透過拡散板4を開口部1aを覆う様に配置させることでバックライト装置6が構成され、円筒状光源3から放射状に発した光は直接或は筐体1内の反射板2で反射されて光透過拡散板4に到達し、光透過拡散板4で面発光に変換される。
【0010】
又、光透過拡散板4の表面には少なくとも1枚以上の集光シート9が配設されて照光面の法線方向に光を集光させている。この様なバックライト装置は特許文献1に開示されている。
【0011】
【特許文献1】
特許公開2002−116705号公報(図10〜図12)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記した反射板2は円筒光源3から出射した筐体1の底部或は底部に設けた反射板2に向かう光、或は光透過拡散板4から反射して来た光を照光面側に向かって反射させるために図12(A)(B)に示す様に、例えば白色高反射材から成る反射シートが用いられている。
【0013】
図12(A)は上述の反射シートの平面図、図12(B)は側断面図で略矩形状で例えばA=372mm、B=302mmで2aで示す部分は筐体1の底部1bに接する平面部分であり上下の2b部分は折り曲げられて図11(C)の傾斜部2bとなる部分である。
【0014】
上述の様な平面部2aが一様な高反射を有する、例えば白色高反射材の場合、筐体1内に並設した複数の円筒状光源3の照光面端辺部分、厳密には図12(A)に示した反射板2の平面部2aの左右の端部および上下の折曲げられた傾斜部2bとの境界部分では円筒光源3がとぎれるために、照光面端辺部では中央部分と比較して輝度が急激に低下する。即ち、輝度変化率が大きくなる。
【0015】
上述の様な反射板2を用いたバックライト装置6の照光面を正面から視たときに、人間の視覚特性に依って、照光面端辺部分の輝度の急激な変化(以下、本発明では大きな輝度変化率と記す)を輝度ムラとして認識してしまう課題があった。
【0016】
図13のパターン16は筐体1の開口部1a上に載置した光透過拡散板4上での輝度分布特性図を示すものでX軸方向は図11(A)に示す筐体1の長辺方向(円筒状光源3の管軸方向)をY軸方向は筐体1の短辺方向(複数の円筒状光源3の並設方向)を示すものであり、図14は規格で定められた管ムラ測定ポイント(1)〜(9)の測定位置を示すものであり、Aは筐体1の長辺方向の距離、Bは短辺方向の距離を示すものである。尚、測定ポイント(1)、(2)、(12)、(13)はコーナ部に定められ、1/25A×1/25B□内の輝度測定が行なわれる。
【0017】
図13のパターン16ではX軸及びY軸方向での輝度変化率が大きく、ベクトルVLEで示す様に勾配が急激な為に、この照光面端部で輝度ムラがある様に人の視覚特性では認識してしまうことになる。
【0018】
本発明は叙上の課題を解消するために成されたもので、発明が解決しようとする課題はランプハウスを構成する筐体の照光面端辺部分に生ずる輝度変化率の大きい暗所で生ずる輝度ムラを改善して、照光面上での暗所を目立たなくすることで画面上の見易さを改善可能な反射板及びバックライト装置を提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の反射板は円筒状光源近傍に配設され、円筒状光源からの光を反射させる様に成された反射体であって、反射体の輝度変化率の大きい部分の表面に反射率の異なる材料を用いて所定のパターンを施して、輝度変化率を低減させる様に成したものである。
【0020】
本発明のバックライト装置は複数の円筒状光源を並設した箱状筐体の底面或は底面に配設した反射体の輝度変化率の大きい部分の表面に、反射率の異なる材料を用いて所定のパターンを施して、輝度変化率を低減させる様に成したものである。
【0021】
第2の本発明のバックライト装置の筐体或は反射体の底面に設けたパターンは底面の中心から同心円或は同心楕円であり、同心円或は同心楕円のピッチを外周部で密又は疎と成したものである。
【0022】
第3の本発明のバックライト装置は輝度変化率を筐体或は反射体の底面の端辺部分で低減させる様に成したものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1形態例を示すバックライト装置の構成を図1乃至図10によって説明する。尚、図11乃至図14の従来構成との対応部分には同一符号を付して説明する。
【0024】
図1(A)(B)は本発明のバックライト装置の筐体の平面図及び図1(A)のA−A′断面矢視図を示すものであり、図2乃至図4は本発明の種々のパターンを示す反射板の平面図である。
【0025】
図1(A)(B)及び図2に示す本発明のバックライト装置6の筐体1は平面形状が長方形の筐体(厚みt=2mmのアルミニウム板)であり、筐体1の内部には、複数本の円筒状光源(例えば、冷陰極管)3が、互に平行に配されている。筐体1の内面は図2に示す様に白色の反射面に所定パターンを形成した反射板2が配設され、その四辺は反射効率を高めるため傾斜させ、断面略台形となる様に成されている。
【0026】
更に、筐体1の図1(B)の断面図に示す様に内面に並設される複数の円筒状光源3の電極部5が配される筐体1の底部1bの裏面にインバータ回路基板10が固定されている。
【0027】
更に、本発明のバックライト装置は図1(B)に示す様に筐体1の開口部1aを覆う様に、例えば、乳白色アクリル樹脂からなる長方形状の光透過拡散板4及び集光シート9を配設すると共に、集光シート9上に液晶パネル8を枠部材13や抑え部材14を介して固定する様に成されている。
【0028】
上述のバックライト装置6に設けられる筐体1の底部1bで構成される反射板2、或は白色の180μm程度の反射シート等を図2(A)(B)の様に上下に断面台形状と成る様に折り曲げて傾斜部2bを形成している。又、この反射板2の下側には光漏れがない様に50μm厚の透明PETフィルム2cに黒色粘着剤2dを33μm厚に貼着させて上記反射板2を構成している。
【0029】
更に、本発明のバックライト装置6に用いる反射シート2では反射シート2の中心位置CLから同心円状のパターン7を印刷している。
【0030】
この同心円状のパターン7は例えばグレーで幅1mmの円を同心円状に、そのピッチが順次狭くなる様に印刷する。又、反射板2の四隅に対応する同心円パターン7を切断する位置は上下については上下の折返しライン17近傍まで、反射板2の左右については左右ライン18L,18R近傍までとし、これら切断位置は後述するが反射板2の輝度変化率の大きい(輝度が急激に変化しているライン)に定める。
【0031】
図2の場合は画面サイズ18インチのX軸方向(円筒状光源3の長手方向)の中心CLからL1 =146.8mm位置に左右ライン18L,18Rをとり、Y軸方向は中心CLからL2 =133.95mm位置に折返しライン17,17をとっている。
【0032】
以下、図2乃至図4を用いて、本発明の反射板2へのパターン7の印刷方法を説明する。
〔実施例1〕
図2に示す反射板2及びバックライト装置6としては画面サイズ18インチの筐体1内に12本の円筒状光源3を図1(A)の様に並設し、管電流3.5mAを流して点灯させ、反射板2は膜厚18μmの白色反射シート(三井化学、WS180)を用いて、横(X軸方向)L1 +L1 =293.6mm×縦(Y軸方向)L2 +L2 =267.9mmの長方形の中心CLから同心円状の円印刷を施した、印刷方法はスクリーン印刷法を用い、インクは白色に対し、黒色が数%以下のグレー系の2原色の材料とし、シクロヘキサンを溶剤にし、塩化ビニール系樹脂と成したものを反射板2の中心CLから半径がR1 =10cm、R2 =13cm、R3 =15cm、R4 =16.5cm、R5 =17.5cmの同心円状に幅1mmの淡いグレー印刷を施した。
【0033】
〔実施例2〕
図3は実施例1と同様構成の反射板2及びバックライト装置6を用い長方形状の反射シートとして横L1 +L1 =353.6mm×縦L2 +L2 =267.9mmの長方形の範囲内に中心CLから半径がR1 =7.5cm、R2 =9.5cm、R3 =11.5cm、R4 =13.5cm、R5 =14.5cm、R6 =15.5cm、R7 =16.5cm、R8 =17.5cm、R9 =18.5cmの9つの同心円上に1mm幅の淡いグレー印刷を施したものである。
【0034】
〔実施例3〕
図4は実施例1と同様構成の反射板2及びバックライト装置6を用い長方形状の反射シートとして横L1 +L1 =293.6mm×縦L2 +L2 =267.9mmの長方形の範囲内に中心CLから半径R1 =10cm、R2 =10.75cm、R3 =11.5cm、R4 =12.25cm、R5 =13cm、R6 =14cm、R7 =15cm、R8 =16.5cm、R9 =17.5cmの9つの円上に幅1mmの淡いグレー印刷を施したものである。
【0035】
従来例の図14で示した測定方法に基づく各測定ポイントで計測した輝度分布特性図と同様の上記実施例1乃至実施例3の輝度分布特性図を図5乃至図7に示すと共に下記表1に各測定ポイントでの輝度の測定値及び輝度ムラを示し、表2に実施例1乃至実施例3の従来例からの輝度変化率を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
又、表1の各測定ポイント(1)〜(13)での従来例と実施例1乃至実施例3の輝度の変化を図9のグラフに示している。
【0039】
先ず図13に示す従来例と本発明の実施例1乃至実施例3の図5乃至図7に示す輝度分布特性図での反射板2の上下の折返しライン17,17及び左右ライン18L,18R近傍(以下端辺部分と記す)での輝度が急激に変化する部分、即ち輝度変化率のベクトルVLEの勾配が従来例では大きいが実施例1乃至実施例3では勾配が緩やかになっていることが解る。又、図9に示すグラフでは従来例の曲線20に比べて本発明の実施例1乃至実施例3の曲線21〜23の輝度レベルは下がっていることが解る。
【0040】
図8は、上述の従来例と本発明の輝度分布特性図を模式的に解り易く説明したもので、筐体1の端辺部分28では図13で示したY軸方向の輝度分布特性曲線では特性曲線18の様に端辺部分28で輝度29が急激に低下するため、端辺部分の暗さが人間の視覚特性によって目立つことになる。
【0041】
これに対し、本発明では輝度分布特性曲線19の様に周辺輝度の低下はあるが端辺部分28に向かって輝度30はなだらかに低下している。この場合、人間の視覚特性は、端辺部分の暗さをあまり感ぜず、輝度変化、即ち、暗さを目立たなくすることが出来る。
【0042】
本発明では表2に示されている様に従来例からみて、実施例1乃至実施例3に於いて輝度の変化量の平均値は夫々−2.0%、−4.2%、−6.6%とベクトルVELの勾配が緩やかになる方向に成されていることが解る。
【0043】
下表3及び下表4並びに図10に於いて、表3は輝度分布の従来例と実施例1乃至実施例3の平均値を表4は輝度分布の平均の変化率%を示すものである。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
表3は反射板2の中央の測定ポイント(7)と、端辺部分の測定ポイント(1)、(2)、(12)、(13)の平均輝度の値と、夫々が隣接する測定ポイント(3)、(5)、(9)、(11)の平均輝度を示すものである。
【0047】
図10及び表4は中央輝度(測定ポイント(7))の値を100%とし、端辺輝度(測定ポイント(1)、(2)、(12)、(13)の平均値)と隣接輝度(測定ポイント(3)、(5)、(9)、(11)の平均値)の従来例の特性曲線24と本発明の実施例1乃至実施例3の特性曲線25乃至27を示すもので、隣接輝度は従来例1では88.8%に対し、実施例1では83.2%、実施例2では80.1%、実施例3では78.8%となっている。これは従来例と比較した時、実施例1では5.6%、実施例2では8.7%、実施例3では10.0%の輝度低下があったことになり、この低下分だけ端辺部分の暗所を目立たなくして、照光面上での輝度ムラが改善され、明るさの変化を少なくすることが可能となり、照光面を正面から視たときの明暗差を改善することが出来る。
【0048】
【発明の効果】
本発明の反射板及びバックライト装置に依れば、輝度変化率を補正することで明るさの急激な変化によって生ずる輝度ムラと認識する照光面端辺部分の明暗差を視識させない様に成して照光面の見やすさを改善可能と成る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバックライト装置の平面図及び側断面図である。
【図2】本発明の1形態例を示す反射板の平面図及び側断面図である。
【図3】本発明の他の形態例を示す反射板の平面図である。
【図4】本発明の更に他の形態例を示す反射板の平面図である。
【図5】本発明の1形態例を示す輝度分布特性曲線図である。
【図6】本発明の他の形態例を示す輝度分布特性曲線図である。
【図7】本発明の更に他の形態例を示す輝度分布特性曲線図である。
【図8】本発明と従来の輝度特性曲線を比較するための模式的説明図である。
【図9】本発明と従来例との反射板の輝度比較曲線図である。
【図10】本発明と従来例との輝度分布の平均の変化量比較曲線図である。
【図11】従来のバックライト装置の平面図及び平面図のA−A′及びB−B′断面矢視図である。
【図12】従来の反射板の平面図である。
【図13】従来の輝度分布特性曲線図である。
【図14】従来の照光面上の測定ポイントを示す説明図である。
【符号の説明】
1‥‥筐体、1a‥‥開口部、1b‥‥底部、2‥‥反射板、3‥‥円筒状光源(ランプ)、4‥‥光透過拡散板、7,16‥‥パターン、17‥‥折返しライン、18L,18R‥‥左右ライン
Claims (4)
- 円筒状光源近傍に配設され、該円筒状光源からの光を反射させる様に成された反射体であって、
上記反射体の輝度変化率の大きい部分の表面に反射率の異なる材料を用いて所定のパターンを施して、輝度変化率を低減させる様に成したことを特徴とする反射体。 - 複数の円筒状光源を並設した箱状筐体の底面或は底面に配設した反射体の輝度変化率の大きい部分の表面に、反射率の異なる材料を用いて所定のパターンを施して、輝度変化率を低減させる様に成したことを特徴とするバックライト装置。
- 前記筐体或は反射体の底面に設けた前記パターンは該底面の中心から同心円或は同心楕円であり、該同心円或は同心楕円のピッチを外周部で密又は疎と成したことを特徴とする請求項2記載のバックライト装置。
- 前記輝度変化率を前記筐体或は反射体の底面の端辺部分で低減させて成ることを特徴とする請求項2記載のバックライト装置。
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- 2003-01-16 JP JP2003008677A patent/JP2004220981A/ja active Pending
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