JP2004219965A - 赤外線反射規則配列構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、効率良く赤外線を反射し、600nm未満の波長の可視光に対してほとんど透明である事を特徴とする規則配列構造体に関する。
【解決手段】本発明の赤外線反射規則配列構造体は、規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の粒径を581nm以上612372nm以下とし、規則配列構造体の大きさを制御する事により、600nmから1mmの間の任意の波長範囲の光を(111)面より効率良くブラッグ反射させることができる。さらに、規則配列構造体を、(111)面が優先的に発達した板状結晶とし、(111)面と垂直方向の厚さを制御する事により(200)面からも、600nmから1mmの間の任意の波長範囲の光を効率良くブラッグ反射させる事ができる。また、規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の組成を触媒成分とする事により、触媒機能も簡単に付与する事ができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の赤外線反射規則配列構造体は、規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の粒径を581nm以上612372nm以下とし、規則配列構造体の大きさを制御する事により、600nmから1mmの間の任意の波長範囲の光を(111)面より効率良くブラッグ反射させることができる。さらに、規則配列構造体を、(111)面が優先的に発達した板状結晶とし、(111)面と垂直方向の厚さを制御する事により(200)面からも、600nmから1mmの間の任意の波長範囲の光を効率良くブラッグ反射させる事ができる。また、規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の組成を触媒成分とする事により、触媒機能も簡単に付与する事ができる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、均一粒径球状粒子が最密充填した規則配列構造体において、効率良く赤外線を反射でき、600nm未満の波長の可視光に対してほとんど透明である事を特徴とする規則配列構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外線を反射させるにはAu,Ag,Pt,Al等の金属を蒸着させた反射鏡、ブラッグ反射膜が用いられ、また、赤外線を吸収除去するには赤外線吸収ガラスやコーティング剤等が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の赤外線反射鏡は、赤外線を反射するAu,Ag,Pt,Al等の金属を蒸着させた反射鏡が用いられてきたが、製造やメンテナンスに手間が掛かり、さらに、可視光までも反射する欠点があったため、限られた用途でしか用いられなかった。また、赤外線を反射させるブラッグ反射膜は正確な膜厚作成が困難で大面積のものは作成されていない。一方、赤外線吸収ガラスやコーティング剤等が市販されているが、赤外線を吸収するためガラスやコーティング自体が温度上昇する欠点があった。
【0004】一般に赤外線は、近赤外線、普通赤外線、遠赤外線を含めた750〜1mmの波長の光をさすが、人体が太陽光から温熱作用を感じる波長は主に600〜3000nmの光であるため、本発明は600〜750nmを含めた600nm〜1mmの波長の光を効率良くブラッグ反射する赤外線反射材を提供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本研究者は規則配列構造体のブラッグ反射を利用し、規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の粒径と、規則配列構造体の大きさを制御する事により、赤外線波長のみを優先的に反射できることを見い出した。
【0006】規則配列構造体はコロイド結晶やフォトニック結晶とも呼ばれている。規則配列構造体は均一粒径球状粒子が最密充填した疑似結晶構造をとり、紫外線、可視光線、赤外線等をブラッグ反射できる。規則配列構造体と同様の構造を示す鉱物としてはオパールが有名である。ブラッグ反射は
【数4】
2S(sinθ)=nλ
(Sは規則配列構造体の疑似結晶面の面間隔、θは入射角、λはブラッグ反射する波長、nは整数)の式で表され、この式を満たす波長のみブラッグ反射し、入射角を変化させる事により2S以下の波長がブラッグ反射可能となる。
【0007】しかし、規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の粒径と、規則配列構造体の大きさを制御すると赤外線のみをブラッグ反射し、可視光線をブラッグ反射しにくくなる事を見い出した。
【0008】本発明の規則配列構造体は均一粒径球状粒子が最密充填しており、各均一粒径球状粒子を格子点とする面心立方格子をとっている。ごく稀に単純六方格子をとる場合があるが、通常は面心立方格子となる。均一粒径球状粒子の粒径がdの場合、面心立方格子の格子定数aは
【数5】
となる。
【0009】規則配列構造体の疑似結晶面をミラー指数で表した場合、ブラッグ反射が観測できると予測される疑似結晶面は、(111)、(200)、(220)、(311)、(222)、(400)、(331)、(420)、(422)面で、ブラッグ反射強度は(111)面の反射強度を100とすると、順に100、47、22、24、7、2、8、8、8が予測される。実際に観測されるのは、比較的面指数が低く反射強度が強い(111)面と(200)面からのブラッグ反射が主である。疑似結晶面(hkl)の面間隔d(hkl)は
【数6】
(aは格子定数、hklはミラー指数)で求められる。
【0010】疑似結晶面からのブラッグ反射は図1に示す様に、入射角が小さくなるに従ってブラッグ反射波長も小さくなる。(hkl)面において、人体が太陽光から温熱作用を感じる波長の600nmを反射する入射角θrは
【数7】
となり、図2に示す様にこの反射に必要な(hkl)面の大きさDm(hkl)は
【数8】
となる。式の最後に加えられているdは、格子点としてみなしている均一粒径球状粒子の中心点から求まる(hkl)面の大きさよりも、実際は両端に球状粒子が半分づつ出ているため、これを補正したものである。この(hkl)面に0から90度の入射角で光を当てると、θrから90度の入射角でのみブラッグ反射が起こり、600nmから(hkl)面の面間隔の2倍の波長までの光を反射する。
【0011】(111)面の場合、Dm(111)は
【数9】
となり、均一粒径球状粒子の粒径dが581、972、1399、1837nmの場合について、600nmまでの波長を反射できる(111)面の大きさDm(111)と、(111)面の面間隔の2倍の2d(111)を計算した値を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】1837nmの粒径の均一粒径球状粒子を最密充填させた規則配列構造体の大きさを9185nmとすることにより、600から3000nmの光をブラッグ反射させることができる。また、1837nmの粒径の均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを3647nmとすると1897から3000nmの光をブラッグ反射するため、1399nmの粒径の均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを5596nmとしたものと混合する事により、600から3000nmの光をブラッグ反射させることができる。
【0014】また、1mm〜600nmの光をブラッグ反射させるには、612372nmの粒径の均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを834.050664mmとする事により反射可能となるが、ブラッグ反射させる波長域を1mm〜0.2623mm、0.302mm〜79.407μm、93.87μm〜24653nm、29144nm〜7654nm、9048nm〜2376nmに分けて、それぞれ、612372nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを1837116nmとし、185164nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを740656nmとし、57486nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを229944nmとし、17847nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを71388nmとし、5541nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを22164nmとしたものを組み合わせることにより1mm〜2376nmの光をブラッグ反射させることができ、さらに1837nmの粒径の均一粒径球状粒子を最密充填させた規則配列構造体の大きさを9185nmとしたものと組み合わせる事により、1mm〜600nmの光をブラッグ反射させることができる。
【0015】しかし、均一粒径球状粒子の粒径が581nmより小さい場合、600nm以上の波長の光をブラッグ反射させるための規則配列構造体の大きさが均一粒径球状粒子2個分の幅より小さくなってしまい、規則配列構造が不可能となってしまうため、均一粒径球状粒子の粒径は581nm以上である事が必要となる。
【0016】また、(200)面からのブラッグ反射を考えた場合、600nmまでの波長を反射できる(200)面の大きさDm(200)は
【数10】
となり、均一粒径球状粒子の粒径dが735、972、1399、1837nmの場合について、Dm(200)と、(200)面の面間隔の2倍の2d(200)を計算した値を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】規則配列構造体粉末の形状が球形に近い場合、(111)面と(200)面の大きさは等しくなるため、(111)面の大きさを600nmまでの波長をブラッグ反射できる大きさにした場合、(200)面からのブラッグ反射波長には600nm以下の波長も含まれてくる。例えば、粒径972nmの均一粒径球状粒子を最密充填した規則配列構造体の大きさを2916nmとした時、(111)面からのブラッグ反射長波は1587〜600nmで、(200)面からのブラッグ反射長波は1375〜458nmとなる。しかし、(200)面からのブラッグ反射強度は(111)面からのブラッグ反射強度の約半分程度であるため、規則配列構造体粉末を充填成形した成形体からのブラッグ反射は、1587〜600nmの波長を強く反射し、600〜458nmの波長はわずかに反射する程度となるため、赤外線は反射しても可視光域の光はあまり反射しない成形体が得られる。
【0019】しかし、600〜458nmの波長のブラッグ反射も防ぎたい場合は、(111)面が優先的に発達した板状疑似結晶で、(200)面の大きさが2389nm以下となる様な厚みを有する板状疑似結晶を作成する事により(200)面からの600〜458nmの波長のブラッグ反射を防ぐ事ができる。
【0020】均一粒径球状粒子の粒径が735nm未満の場合、(200)面からのブラッグ反射を600nm以上の波長とするためには、(200)面の大きさを前述の式より求まるDm(200)の値以下とする事が必要となるが、(200)面の大きさが均一粒径球状粒子の粒径の2倍未満となり、(200)面には粒子が1つしか存在できなくなるため、規則配列構造体は(111)面が一層のみ存在する平面構造となり(111)面からのブラッグ反射が不可能となる。従って(200)面からのブラッグ反射を600nm以上の波長とするには均一粒径球状粒子の粒径を735nm以上とすることが必要である。
【0021】(h1k1l1)面と(h2k2l2)面の間の角度φは
【数11】
で与えられるため、(111)面と(200)面の間の角度は54.7度となる。
【0022】規則配列構造体は(111)面が最も発達しやすい。(111)面が優先的に発達した板状疑似結晶において、600nmまでの波長を反射できる(200)面の大きさDm(200)を満たすためには、板状疑似結晶の厚みtは
【数12】
より求められるtmの値以下となる事が必要となる。また、(111)面からのブラッグ反射が生じるには(111)面は2層以上が必要であるため、厚みtは
【数13】
より求められるtnの値以上である事が必要となる。均一粒径球状粒子の粒径dが735、972、1399、1837nmの場合について、Dm(111)、およびtmを計算した値を表3に示す。
【0023】
【表3】
このように、規則配列構造体の疑似結晶面(111)面が優先的に発達した板状疑似結晶は、(111)面に垂直な方向の厚さがtmの値以下でtnの値以上の場合、(200)面からのブラッグ反射が600nm以上の波長となる。
【0024】板状疑似結晶の(111)面の形状は、Dm(111)以下の大きさならば、円形、正方形、長方形等どのような形状をしていてもよい。
【0025】規則配列構造体によるブラッグ反射は構造に依存するため、構成する均一粒径球状粒子の組成は、ブラッグ反射させる光が透過できれば、どのような組成でも良い。600nmから3000nmの波長の光をブラッグ反射させる場合は、二酸化ケイ素、ホウ珪酸ガラス、アルミン酸カルシウム、ニオブ酸リチウム、カルサイト、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、酸化イットリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、セレン化亜鉛、臭ヨウ化タリウム、ダイアモンド等が使用できる。3000nmから1mmの波長の光を反射させるには、セレン化亜鉛、臭ヨウ化タリウム、ダイアモンド等が使用できる。また、PZT、PLZT等の強誘電体、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタル酸、塩化ビニル、アクリル、酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン等も、それぞれの素材が吸収を示さない波長領域であれば使用できる。ケイ素やゲルマニウムも使用できるが、可視光を吸収するため、外観は黒色不透明となる。
【0026】規則配列構造体の組成を触媒活性物質にすると、触媒機能を付与する事ができる。例えば、酸化チタン等を用いると光触媒機能を付与できる。酸化チタンは紫外線を吸収して酸化分解反応を生じるため、建築物や道路に酸化チタンでできた粒径制御規則配列構造体の粉末を塗布する事により、太陽光中の赤外線反射と同時に、自動車や工場から排出された炭化水素を酸化分解できる。二酸化ケイ素や酸化アルミニウム粒子等の表面に酸化チタンをコーティングしたものでも同様の効果が得られる。また、室内に塗布することにより、暖房効率の向上と同時に、悪臭成分やシックハウス原因物質を酸化分解する事ができる。
【0027】均一粒径球状粒子のコロイド溶液は、金属アルコキシドの加水分解または金属のアトマイズ処理等により合成できる。規則配列構造体は、均一粒径球状粒子のコロイド溶液を自然沈降させるか、透析してイオン濃度を低下させる事により合成できる。また、大きな規則配列構造体を合成する場合は特開2002−128600公報記載の方法にて合成する事が可能である。(111)面が優先的に発達した板状疑似結晶を合成する場合は、平坦な底面を持つ容器の中で自然沈降する事により、底面に(111)面が発達した板状疑似結晶が合成できる。この板状疑似結晶は、数ミリ程度のコラム状多結晶体となる。板状疑似結晶の厚みは、コロイド溶液の濃度で調節できる。
【0028】コロイド溶液中で疑似結晶化した規則配列構造体は、ゆっくりと乾燥させた後、必要に応じて焼成を行うことができる。また、規則配列構造体の均一粒径球状粒子の粒子間に屈折率の異なる樹脂やガラス等の物質を含浸または充填させてもよい。規則配列構造体を焼結した場合は均一粒径球状粒子の形状が焼結により変形してしまう場合があるが、規則配列構造が保たれていればブラッグ反射は生じるため問題はない。規則配列構造体の大きさは、ミル等で粉砕後フルイによる分級又はストークスの法則に従い水中等で沈降分級を行う事により、均一な大きさにそろえる事ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき説明する。
ブラッグ反射の確認には、拡散反射測定法、KBr錠剤法、ヌジョール法を用い、可視・近赤外はダブルモノクロメータ可視紫外近赤外分光光度計にて、普通赤外・遠赤外はFTIRにて測定を行った。均一粒径球状粒子の粒径、規則配列構造体の大きさの測定には、電子顕微鏡、光学顕微鏡、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いた。
【0030】実施例1
エタノール1l、純水14mol、アンモニア0.5molを混合した溶液を反応容器に入れ、−10℃で撹拌させながらオルト珪酸テトラエチル0.11molを混合して核生成を行った後、さらにオルト珪酸テトラエチル0.99molをゆっくり滴下させて、二酸化ケイ素均一粒径球状粒子がコロイド状となった1282.3gのコロイド溶液を合成した。この二酸化ケイ素コロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、900℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体の均一粒径球状粒子の粒径を電子顕微鏡にて測定したところ、975nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、2.93μの大きさの規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図3に示すように、約1600〜600nmを強く反射し、600nm〜460nmをわずかに反射している事が判った。
【0031】実施例2
実施例1と同じ条件で合成した規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、1.95μの大きさの規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図4に示すように、約1600〜800nmを反射している事が判った。透過光は無色であった。
【0032】実施例3
実施例1と同じ条件で合成した二酸化ケイ素コロイド溶液を3.422g取り純水1lで希釈した。内面が鏡面研摩され、容器内側の底面が平坦で、その底面の面積が900cm2のガラス容器を、水平を保った除振盤上に設置し、ガラス容器内に希釈したコロイド溶液を入れた。この希釈コロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、900℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体を電子顕微鏡にて測定したところ、厚みが1.77μで、均一粒径球状粒子の粒径は975nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、2.93μの大きさで厚みが1.77μの板状規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図5に示すように、約1600〜600nmを強く反射している事が判った。
【0033】実施例4
実施例1と同じ条件で合成した二酸化ケイ素コロイド溶液を、エタノール10l、純水140mol、アンモニア5molと混合して反応容器に入れ、−10℃で撹拌させながらオルト珪酸テトラエチル1.1molをゆっくり滴下させた。さらに粒成長を行うため、コロイド溶液を限外ろ過して4kgに濃縮し、エタノール10l、純水140mol、アンモニア5molと混合して反応容器に入れ、−10℃で撹拌させながらオルト珪酸テトラエチル1.1molをゆっくり滴下させてコロイド粒子を粒成長させる粒成長操作を行った。この粒成長操作をさらに5回くり返したのち限外ろ過して4Kgに濃縮した。得られた4kgのコロイド溶液から4.172g取り出し、純水1lで希釈した。容器内側の底面が平坦で、その底面の面積が900cm2のガラス容器を、水平を保った除振盤上に設置し、ガラス容器内に希釈したコロイド溶液を入れた。この希釈コロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、915℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体を電子顕微鏡にて測定したところ、厚みが4.85μで、均一粒径球状粒子の粒径は1840nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、9.2μの大きさで厚みが4.85μの板状規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図6に示すように、約3000〜600nmを強く反射している事が判った。
【0034】実施例5
エタノール1l、純水0.22molを混合した溶液を反応容器に入れ、50℃で撹拌させながらチタンテトライソプロポキシド0.367molを混合して5時間反応させて、酸化チタン均一粒径球状粒子がコロイド状となった901.3gの酸化チタンコロイド溶液を合成した。このコロイド溶液から5.414g取り出し、純水1lで希釈した。容器内側の底面が平坦で、その底面の面積が900cm2のガラス容器を、水平を保った除振盤上に設置し、ガラス容器内に希釈したコロイド溶液を入れた。この酸化チタンコロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、975℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体を電子顕微鏡にて測定したところ、厚みが1.77μで、均一粒径球状粒子の粒径は975nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、2.93μの大きさで厚みが1.77μの板状規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図7に示すように、約1600〜600nmを強く反射している事が判った。また、この酸化チタン規則配列構造体粉末を5g取り、トルエンを1000ppm混合した大気1lと共にガラス容器中に密閉し、日光が当たる屋外に1週間放置した後、検知管122Dにてトルエン濃度を測定した結果10ppm以下であった。
【0035】実施例6
エタノール1l、純水14mol、アンモニア0.5molを混合した溶液を反応容器に入れ、−10℃で撹拌させながらアルミニウムイソプロポキシド0.118molを混合して核生成を行った後、さらにアルミニウムイソプロポキシド0.826molをゆっくり滴下させて、酸化アルミニウム均一粒径球状粒子がコロイド状となった1246.312gの酸化アルミニウムコロイド溶液を合成した。この酸化アルミニウムコロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、1100℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体の均一粒径球状粒子の粒径を電子顕微鏡にて測定したところ、1840nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、5.52μの大きさの規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図8に示すように、約3000〜870nmを強く反射している事が判った。
【0036】比較例1
実施例1と同じ条件で合成した二酸化ケイ素コロイド溶液を、遠心沈降機にて二酸化ケイ素粒子を沈降させた後、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後900℃で1時間焼成して不規則堆積体を得た。この不規則堆積体の均一粒径球状粒子の粒径を電子顕微鏡にて測定したところ、975nmであった。この不規則堆積体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、2.93μの大きさの不規則堆積体粉末を得た。得られた不規則堆積体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図9に示すようにブラッグ反射は見られなかった。
【0037】比較例2
実施例1と同じ条件で合成した規則配列構造体をミルにて粉砕して、数μ〜数百μの大きさの規則配列構造体粉末を得た。得られた粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図10に示すように、約1600nm以下の赤外、可視光の波長を反射し、特定の波長領域のみを反射することはできなかった。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の赤外線反射規則配列構造体は、均一粒径球状粒子の粒径と規則配列構造体の大きさを制御する事により、600nmから1mmの間の任意の波長範囲の光を効率良くブラッグ反射できるため.光源や太陽または高温物質からの放射光から、赤外線及び人体が温熱作用を感じる600nm以上1mm以下の波長の光をブラッグ反射させて分離する事ができる。粉末状の赤外線反射規則配列構造体は、成形してブロックまたはタイル状にしたり物体の表面に塗布する事により、各粉末がランダムな方向を向き、光がどのような方向から放射されても、目的とする波長範囲の光をブラッグ反射させることができる。たとえば、都市の建築物外表面や路面上に塗布する事により、どの方向から太陽が照らしても、目的とする波長範囲の赤外線を反射する事ができ、太陽光による温度上昇を緩和する事ができる。
【0039】近年、社会問題となりつつあるヒートアイランド現象は、自動車やエアコンからの排出熱や、太陽光による建築物や路面の温度上昇等が大きな熱源となって都市全体の温度上昇を招いており、都市への自動車乗り入れやエアコン使用の抑制、緑地や河川の増加等の対策が検討されているが、短期間で効果が得られる様な対策は見い出されていない。しかし、本発明の赤外線反射規則配列構造体の粉末を建築物表面や路面上に塗布したり、該粉末をブロック状やタイル状に成形したものを配置する事により、太陽光による温度上昇を抑制でき、建築物の外観や都市構造を変更する事なく、ヒートアイランド現象を短期間で改善する事が可能となる。
【0040】また、このような赤外線反射規則配列構造体の粉末を室内の壁面や窓に塗布すると、暖房器具から放射される赤外線を反射し、暖房効率を向上させる事ができる。これにより、都市全体のエネルギー効率を格段に向上させる事が可能となる。
【0041】本発明の赤外線反射規則配列構造体は、ブラッグ反射する波長を750nm以上とする事により可視光に対して透明にする事ができるため、表面に塗布しても下地の色調を変化させない様に設計できる。赤外線反射規則配列構造体に、屈折率が赤外線反射規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子と異なり、目的の赤外線波長範囲で吸収を示さないガラスや樹脂を含浸して強度や耐摩耗性を向上させる事ができる。
【0042】本発明の赤外線反射規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の組成は、反射させたい赤外線波長範囲での吸収がなければどのような組成物でも使用できるため、触媒となる組成物を用いる事により赤外線反射と同時に触媒機能を付与する事もできる。例えば、酸化チタンを用いると光触媒機能を付与でき、赤外線を反射させながら大気中の不完全燃焼炭化水素や、室内の異臭やシックハウス原因物質の酸化分解も可能となるため、応用範囲が非常に広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラッグ反射の説明図である。
【図2】Dm(hkl)の説明図である。
【図3】実施例1の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図4】実施例2の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図5】実施例3の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図6】実施例4の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図7】実施例5の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図8】実施例6の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図9】比較例1の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図10】比較例2の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、均一粒径球状粒子が最密充填した規則配列構造体において、効率良く赤外線を反射でき、600nm未満の波長の可視光に対してほとんど透明である事を特徴とする規則配列構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外線を反射させるにはAu,Ag,Pt,Al等の金属を蒸着させた反射鏡、ブラッグ反射膜が用いられ、また、赤外線を吸収除去するには赤外線吸収ガラスやコーティング剤等が用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の赤外線反射鏡は、赤外線を反射するAu,Ag,Pt,Al等の金属を蒸着させた反射鏡が用いられてきたが、製造やメンテナンスに手間が掛かり、さらに、可視光までも反射する欠点があったため、限られた用途でしか用いられなかった。また、赤外線を反射させるブラッグ反射膜は正確な膜厚作成が困難で大面積のものは作成されていない。一方、赤外線吸収ガラスやコーティング剤等が市販されているが、赤外線を吸収するためガラスやコーティング自体が温度上昇する欠点があった。
【0004】一般に赤外線は、近赤外線、普通赤外線、遠赤外線を含めた750〜1mmの波長の光をさすが、人体が太陽光から温熱作用を感じる波長は主に600〜3000nmの光であるため、本発明は600〜750nmを含めた600nm〜1mmの波長の光を効率良くブラッグ反射する赤外線反射材を提供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本研究者は規則配列構造体のブラッグ反射を利用し、規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の粒径と、規則配列構造体の大きさを制御する事により、赤外線波長のみを優先的に反射できることを見い出した。
【0006】規則配列構造体はコロイド結晶やフォトニック結晶とも呼ばれている。規則配列構造体は均一粒径球状粒子が最密充填した疑似結晶構造をとり、紫外線、可視光線、赤外線等をブラッグ反射できる。規則配列構造体と同様の構造を示す鉱物としてはオパールが有名である。ブラッグ反射は
【数4】
2S(sinθ)=nλ
(Sは規則配列構造体の疑似結晶面の面間隔、θは入射角、λはブラッグ反射する波長、nは整数)の式で表され、この式を満たす波長のみブラッグ反射し、入射角を変化させる事により2S以下の波長がブラッグ反射可能となる。
【0007】しかし、規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の粒径と、規則配列構造体の大きさを制御すると赤外線のみをブラッグ反射し、可視光線をブラッグ反射しにくくなる事を見い出した。
【0008】本発明の規則配列構造体は均一粒径球状粒子が最密充填しており、各均一粒径球状粒子を格子点とする面心立方格子をとっている。ごく稀に単純六方格子をとる場合があるが、通常は面心立方格子となる。均一粒径球状粒子の粒径がdの場合、面心立方格子の格子定数aは
【数5】
となる。
【0009】規則配列構造体の疑似結晶面をミラー指数で表した場合、ブラッグ反射が観測できると予測される疑似結晶面は、(111)、(200)、(220)、(311)、(222)、(400)、(331)、(420)、(422)面で、ブラッグ反射強度は(111)面の反射強度を100とすると、順に100、47、22、24、7、2、8、8、8が予測される。実際に観測されるのは、比較的面指数が低く反射強度が強い(111)面と(200)面からのブラッグ反射が主である。疑似結晶面(hkl)の面間隔d(hkl)は
【数6】
(aは格子定数、hklはミラー指数)で求められる。
【0010】疑似結晶面からのブラッグ反射は図1に示す様に、入射角が小さくなるに従ってブラッグ反射波長も小さくなる。(hkl)面において、人体が太陽光から温熱作用を感じる波長の600nmを反射する入射角θrは
【数7】
となり、図2に示す様にこの反射に必要な(hkl)面の大きさDm(hkl)は
【数8】
となる。式の最後に加えられているdは、格子点としてみなしている均一粒径球状粒子の中心点から求まる(hkl)面の大きさよりも、実際は両端に球状粒子が半分づつ出ているため、これを補正したものである。この(hkl)面に0から90度の入射角で光を当てると、θrから90度の入射角でのみブラッグ反射が起こり、600nmから(hkl)面の面間隔の2倍の波長までの光を反射する。
【0011】(111)面の場合、Dm(111)は
【数9】
となり、均一粒径球状粒子の粒径dが581、972、1399、1837nmの場合について、600nmまでの波長を反射できる(111)面の大きさDm(111)と、(111)面の面間隔の2倍の2d(111)を計算した値を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】1837nmの粒径の均一粒径球状粒子を最密充填させた規則配列構造体の大きさを9185nmとすることにより、600から3000nmの光をブラッグ反射させることができる。また、1837nmの粒径の均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを3647nmとすると1897から3000nmの光をブラッグ反射するため、1399nmの粒径の均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを5596nmとしたものと混合する事により、600から3000nmの光をブラッグ反射させることができる。
【0014】また、1mm〜600nmの光をブラッグ反射させるには、612372nmの粒径の均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを834.050664mmとする事により反射可能となるが、ブラッグ反射させる波長域を1mm〜0.2623mm、0.302mm〜79.407μm、93.87μm〜24653nm、29144nm〜7654nm、9048nm〜2376nmに分けて、それぞれ、612372nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを1837116nmとし、185164nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを740656nmとし、57486nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを229944nmとし、17847nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを71388nmとし、5541nmの均一粒径球状粒子で構成された規則配列構造体の大きさを22164nmとしたものを組み合わせることにより1mm〜2376nmの光をブラッグ反射させることができ、さらに1837nmの粒径の均一粒径球状粒子を最密充填させた規則配列構造体の大きさを9185nmとしたものと組み合わせる事により、1mm〜600nmの光をブラッグ反射させることができる。
【0015】しかし、均一粒径球状粒子の粒径が581nmより小さい場合、600nm以上の波長の光をブラッグ反射させるための規則配列構造体の大きさが均一粒径球状粒子2個分の幅より小さくなってしまい、規則配列構造が不可能となってしまうため、均一粒径球状粒子の粒径は581nm以上である事が必要となる。
【0016】また、(200)面からのブラッグ反射を考えた場合、600nmまでの波長を反射できる(200)面の大きさDm(200)は
【数10】
となり、均一粒径球状粒子の粒径dが735、972、1399、1837nmの場合について、Dm(200)と、(200)面の面間隔の2倍の2d(200)を計算した値を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】規則配列構造体粉末の形状が球形に近い場合、(111)面と(200)面の大きさは等しくなるため、(111)面の大きさを600nmまでの波長をブラッグ反射できる大きさにした場合、(200)面からのブラッグ反射波長には600nm以下の波長も含まれてくる。例えば、粒径972nmの均一粒径球状粒子を最密充填した規則配列構造体の大きさを2916nmとした時、(111)面からのブラッグ反射長波は1587〜600nmで、(200)面からのブラッグ反射長波は1375〜458nmとなる。しかし、(200)面からのブラッグ反射強度は(111)面からのブラッグ反射強度の約半分程度であるため、規則配列構造体粉末を充填成形した成形体からのブラッグ反射は、1587〜600nmの波長を強く反射し、600〜458nmの波長はわずかに反射する程度となるため、赤外線は反射しても可視光域の光はあまり反射しない成形体が得られる。
【0019】しかし、600〜458nmの波長のブラッグ反射も防ぎたい場合は、(111)面が優先的に発達した板状疑似結晶で、(200)面の大きさが2389nm以下となる様な厚みを有する板状疑似結晶を作成する事により(200)面からの600〜458nmの波長のブラッグ反射を防ぐ事ができる。
【0020】均一粒径球状粒子の粒径が735nm未満の場合、(200)面からのブラッグ反射を600nm以上の波長とするためには、(200)面の大きさを前述の式より求まるDm(200)の値以下とする事が必要となるが、(200)面の大きさが均一粒径球状粒子の粒径の2倍未満となり、(200)面には粒子が1つしか存在できなくなるため、規則配列構造体は(111)面が一層のみ存在する平面構造となり(111)面からのブラッグ反射が不可能となる。従って(200)面からのブラッグ反射を600nm以上の波長とするには均一粒径球状粒子の粒径を735nm以上とすることが必要である。
【0021】(h1k1l1)面と(h2k2l2)面の間の角度φは
【数11】
で与えられるため、(111)面と(200)面の間の角度は54.7度となる。
【0022】規則配列構造体は(111)面が最も発達しやすい。(111)面が優先的に発達した板状疑似結晶において、600nmまでの波長を反射できる(200)面の大きさDm(200)を満たすためには、板状疑似結晶の厚みtは
【数12】
より求められるtmの値以下となる事が必要となる。また、(111)面からのブラッグ反射が生じるには(111)面は2層以上が必要であるため、厚みtは
【数13】
より求められるtnの値以上である事が必要となる。均一粒径球状粒子の粒径dが735、972、1399、1837nmの場合について、Dm(111)、およびtmを計算した値を表3に示す。
【0023】
【表3】
このように、規則配列構造体の疑似結晶面(111)面が優先的に発達した板状疑似結晶は、(111)面に垂直な方向の厚さがtmの値以下でtnの値以上の場合、(200)面からのブラッグ反射が600nm以上の波長となる。
【0024】板状疑似結晶の(111)面の形状は、Dm(111)以下の大きさならば、円形、正方形、長方形等どのような形状をしていてもよい。
【0025】規則配列構造体によるブラッグ反射は構造に依存するため、構成する均一粒径球状粒子の組成は、ブラッグ反射させる光が透過できれば、どのような組成でも良い。600nmから3000nmの波長の光をブラッグ反射させる場合は、二酸化ケイ素、ホウ珪酸ガラス、アルミン酸カルシウム、ニオブ酸リチウム、カルサイト、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、酸化イットリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、セレン化亜鉛、臭ヨウ化タリウム、ダイアモンド等が使用できる。3000nmから1mmの波長の光を反射させるには、セレン化亜鉛、臭ヨウ化タリウム、ダイアモンド等が使用できる。また、PZT、PLZT等の強誘電体、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタル酸、塩化ビニル、アクリル、酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン等も、それぞれの素材が吸収を示さない波長領域であれば使用できる。ケイ素やゲルマニウムも使用できるが、可視光を吸収するため、外観は黒色不透明となる。
【0026】規則配列構造体の組成を触媒活性物質にすると、触媒機能を付与する事ができる。例えば、酸化チタン等を用いると光触媒機能を付与できる。酸化チタンは紫外線を吸収して酸化分解反応を生じるため、建築物や道路に酸化チタンでできた粒径制御規則配列構造体の粉末を塗布する事により、太陽光中の赤外線反射と同時に、自動車や工場から排出された炭化水素を酸化分解できる。二酸化ケイ素や酸化アルミニウム粒子等の表面に酸化チタンをコーティングしたものでも同様の効果が得られる。また、室内に塗布することにより、暖房効率の向上と同時に、悪臭成分やシックハウス原因物質を酸化分解する事ができる。
【0027】均一粒径球状粒子のコロイド溶液は、金属アルコキシドの加水分解または金属のアトマイズ処理等により合成できる。規則配列構造体は、均一粒径球状粒子のコロイド溶液を自然沈降させるか、透析してイオン濃度を低下させる事により合成できる。また、大きな規則配列構造体を合成する場合は特開2002−128600公報記載の方法にて合成する事が可能である。(111)面が優先的に発達した板状疑似結晶を合成する場合は、平坦な底面を持つ容器の中で自然沈降する事により、底面に(111)面が発達した板状疑似結晶が合成できる。この板状疑似結晶は、数ミリ程度のコラム状多結晶体となる。板状疑似結晶の厚みは、コロイド溶液の濃度で調節できる。
【0028】コロイド溶液中で疑似結晶化した規則配列構造体は、ゆっくりと乾燥させた後、必要に応じて焼成を行うことができる。また、規則配列構造体の均一粒径球状粒子の粒子間に屈折率の異なる樹脂やガラス等の物質を含浸または充填させてもよい。規則配列構造体を焼結した場合は均一粒径球状粒子の形状が焼結により変形してしまう場合があるが、規則配列構造が保たれていればブラッグ反射は生じるため問題はない。規則配列構造体の大きさは、ミル等で粉砕後フルイによる分級又はストークスの法則に従い水中等で沈降分級を行う事により、均一な大きさにそろえる事ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき説明する。
ブラッグ反射の確認には、拡散反射測定法、KBr錠剤法、ヌジョール法を用い、可視・近赤外はダブルモノクロメータ可視紫外近赤外分光光度計にて、普通赤外・遠赤外はFTIRにて測定を行った。均一粒径球状粒子の粒径、規則配列構造体の大きさの測定には、電子顕微鏡、光学顕微鏡、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いた。
【0030】実施例1
エタノール1l、純水14mol、アンモニア0.5molを混合した溶液を反応容器に入れ、−10℃で撹拌させながらオルト珪酸テトラエチル0.11molを混合して核生成を行った後、さらにオルト珪酸テトラエチル0.99molをゆっくり滴下させて、二酸化ケイ素均一粒径球状粒子がコロイド状となった1282.3gのコロイド溶液を合成した。この二酸化ケイ素コロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、900℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体の均一粒径球状粒子の粒径を電子顕微鏡にて測定したところ、975nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、2.93μの大きさの規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図3に示すように、約1600〜600nmを強く反射し、600nm〜460nmをわずかに反射している事が判った。
【0031】実施例2
実施例1と同じ条件で合成した規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、1.95μの大きさの規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図4に示すように、約1600〜800nmを反射している事が判った。透過光は無色であった。
【0032】実施例3
実施例1と同じ条件で合成した二酸化ケイ素コロイド溶液を3.422g取り純水1lで希釈した。内面が鏡面研摩され、容器内側の底面が平坦で、その底面の面積が900cm2のガラス容器を、水平を保った除振盤上に設置し、ガラス容器内に希釈したコロイド溶液を入れた。この希釈コロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、900℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体を電子顕微鏡にて測定したところ、厚みが1.77μで、均一粒径球状粒子の粒径は975nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、2.93μの大きさで厚みが1.77μの板状規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図5に示すように、約1600〜600nmを強く反射している事が判った。
【0033】実施例4
実施例1と同じ条件で合成した二酸化ケイ素コロイド溶液を、エタノール10l、純水140mol、アンモニア5molと混合して反応容器に入れ、−10℃で撹拌させながらオルト珪酸テトラエチル1.1molをゆっくり滴下させた。さらに粒成長を行うため、コロイド溶液を限外ろ過して4kgに濃縮し、エタノール10l、純水140mol、アンモニア5molと混合して反応容器に入れ、−10℃で撹拌させながらオルト珪酸テトラエチル1.1molをゆっくり滴下させてコロイド粒子を粒成長させる粒成長操作を行った。この粒成長操作をさらに5回くり返したのち限外ろ過して4Kgに濃縮した。得られた4kgのコロイド溶液から4.172g取り出し、純水1lで希釈した。容器内側の底面が平坦で、その底面の面積が900cm2のガラス容器を、水平を保った除振盤上に設置し、ガラス容器内に希釈したコロイド溶液を入れた。この希釈コロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、915℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体を電子顕微鏡にて測定したところ、厚みが4.85μで、均一粒径球状粒子の粒径は1840nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、9.2μの大きさで厚みが4.85μの板状規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図6に示すように、約3000〜600nmを強く反射している事が判った。
【0034】実施例5
エタノール1l、純水0.22molを混合した溶液を反応容器に入れ、50℃で撹拌させながらチタンテトライソプロポキシド0.367molを混合して5時間反応させて、酸化チタン均一粒径球状粒子がコロイド状となった901.3gの酸化チタンコロイド溶液を合成した。このコロイド溶液から5.414g取り出し、純水1lで希釈した。容器内側の底面が平坦で、その底面の面積が900cm2のガラス容器を、水平を保った除振盤上に設置し、ガラス容器内に希釈したコロイド溶液を入れた。この酸化チタンコロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、975℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体を電子顕微鏡にて測定したところ、厚みが1.77μで、均一粒径球状粒子の粒径は975nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、2.93μの大きさで厚みが1.77μの板状規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図7に示すように、約1600〜600nmを強く反射している事が判った。また、この酸化チタン規則配列構造体粉末を5g取り、トルエンを1000ppm混合した大気1lと共にガラス容器中に密閉し、日光が当たる屋外に1週間放置した後、検知管122Dにてトルエン濃度を測定した結果10ppm以下であった。
【0035】実施例6
エタノール1l、純水14mol、アンモニア0.5molを混合した溶液を反応容器に入れ、−10℃で撹拌させながらアルミニウムイソプロポキシド0.118molを混合して核生成を行った後、さらにアルミニウムイソプロポキシド0.826molをゆっくり滴下させて、酸化アルミニウム均一粒径球状粒子がコロイド状となった1246.312gの酸化アルミニウムコロイド溶液を合成した。この酸化アルミニウムコロイド溶液を自然沈降させて規則配列化させたのち、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後、1100℃で1時間焼成して規則配列構造体を得た。この規則配列構造体の均一粒径球状粒子の粒径を電子顕微鏡にて測定したところ、1840nmであった。この規則配列構造体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、5.52μの大きさの規則配列構造体粉末を得た。得られた規則配列構造体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図8に示すように、約3000〜870nmを強く反射している事が判った。
【0036】比較例1
実施例1と同じ条件で合成した二酸化ケイ素コロイド溶液を、遠心沈降機にて二酸化ケイ素粒子を沈降させた後、室温にてゆっくりと自然乾燥させた。その後900℃で1時間焼成して不規則堆積体を得た。この不規則堆積体の均一粒径球状粒子の粒径を電子顕微鏡にて測定したところ、975nmであった。この不規則堆積体をミルにて粉砕後、中間部分から水を採取できる縦長の容器を用いて水中沈降分級して、2.93μの大きさの不規則堆積体粉末を得た。得られた不規則堆積体粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図9に示すようにブラッグ反射は見られなかった。
【0037】比較例2
実施例1と同じ条件で合成した規則配列構造体をミルにて粉砕して、数μ〜数百μの大きさの規則配列構造体粉末を得た。得られた粉末をヌジョール法にて可視・赤外光の透過スペクトルを測定したところ、図10に示すように、約1600nm以下の赤外、可視光の波長を反射し、特定の波長領域のみを反射することはできなかった。
【0038】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の赤外線反射規則配列構造体は、均一粒径球状粒子の粒径と規則配列構造体の大きさを制御する事により、600nmから1mmの間の任意の波長範囲の光を効率良くブラッグ反射できるため.光源や太陽または高温物質からの放射光から、赤外線及び人体が温熱作用を感じる600nm以上1mm以下の波長の光をブラッグ反射させて分離する事ができる。粉末状の赤外線反射規則配列構造体は、成形してブロックまたはタイル状にしたり物体の表面に塗布する事により、各粉末がランダムな方向を向き、光がどのような方向から放射されても、目的とする波長範囲の光をブラッグ反射させることができる。たとえば、都市の建築物外表面や路面上に塗布する事により、どの方向から太陽が照らしても、目的とする波長範囲の赤外線を反射する事ができ、太陽光による温度上昇を緩和する事ができる。
【0039】近年、社会問題となりつつあるヒートアイランド現象は、自動車やエアコンからの排出熱や、太陽光による建築物や路面の温度上昇等が大きな熱源となって都市全体の温度上昇を招いており、都市への自動車乗り入れやエアコン使用の抑制、緑地や河川の増加等の対策が検討されているが、短期間で効果が得られる様な対策は見い出されていない。しかし、本発明の赤外線反射規則配列構造体の粉末を建築物表面や路面上に塗布したり、該粉末をブロック状やタイル状に成形したものを配置する事により、太陽光による温度上昇を抑制でき、建築物の外観や都市構造を変更する事なく、ヒートアイランド現象を短期間で改善する事が可能となる。
【0040】また、このような赤外線反射規則配列構造体の粉末を室内の壁面や窓に塗布すると、暖房器具から放射される赤外線を反射し、暖房効率を向上させる事ができる。これにより、都市全体のエネルギー効率を格段に向上させる事が可能となる。
【0041】本発明の赤外線反射規則配列構造体は、ブラッグ反射する波長を750nm以上とする事により可視光に対して透明にする事ができるため、表面に塗布しても下地の色調を変化させない様に設計できる。赤外線反射規則配列構造体に、屈折率が赤外線反射規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子と異なり、目的の赤外線波長範囲で吸収を示さないガラスや樹脂を含浸して強度や耐摩耗性を向上させる事ができる。
【0042】本発明の赤外線反射規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子の組成は、反射させたい赤外線波長範囲での吸収がなければどのような組成物でも使用できるため、触媒となる組成物を用いる事により赤外線反射と同時に触媒機能を付与する事もできる。例えば、酸化チタンを用いると光触媒機能を付与でき、赤外線を反射させながら大気中の不完全燃焼炭化水素や、室内の異臭やシックハウス原因物質の酸化分解も可能となるため、応用範囲が非常に広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブラッグ反射の説明図である。
【図2】Dm(hkl)の説明図である。
【図3】実施例1の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図4】実施例2の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図5】実施例3の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図6】実施例4の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図7】実施例5の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図8】実施例6の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図9】比較例1の透過スペクトル測定結果を示した図である。
【図10】比較例2の透過スペクトル測定結果を示した図である。
Claims (3)
- 規則配列構造体を構成する均一粒径球状粒子が、二酸化ケイ素、珪酸ガラス、酸化アルミニウム、または、酸化チタンを含有する事を特徴とする請求項1又は2記載の赤外線反射規則配列構造体。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008003283A (ja) * | 2006-06-22 | 2008-01-10 | Toyoda Gosei Co Ltd | 赤外線反射材、赤外線反射積層体および赤外線反射構造体 |
JP4743017B2 (ja) * | 2006-06-22 | 2011-08-10 | 豊田合成株式会社 | 赤外線反射材、赤外線反射積層体および赤外線反射構造体 |
JP2015112812A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 積層体 |
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