JP2004219890A - 多孔構造光ファイバとそれを使用した光線入射方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔構造光ファイバであって、光ファイバの側方向から光線を効率よく入射可能なファイバを提供すること。
【解決手段】コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することにより、側方向から光線を入射させる場合に、多孔構造が欠落している部分から入射させることで、光線を効率的にコアに入射させることが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することにより、側方向から光線を入射させる場合に、多孔構造が欠落している部分から入射させることで、光線を効率的にコアに入射させることが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ファイバレーザやファイバアンプに用いられる多孔構造光ファイバ及びそれを使用した光線入射方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、多孔構造による実効屈折率の制御を利用した光ファイバが注目されており、ホーリーファイバ、微細構造ファイバ、フォトニッククリスタルファイバ等と呼ばれる様々な機能を有した光ファイバが盛んに開発されている。一方、光ファイバへ伝送用の光線を入射する場合、通常は光ファイバの両端部から入射しているが、側方向から光線を入射すれば、入射箇所の位置を柔軟に設定できる、或いは複数の入射箇所から入射することにより1芯の光ファイバで高出力の光を伝送することができる等の利点があるため、側方入射に関する様々な手法が検討されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−277669号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多孔構造光ファイバにおいては側方向から伝送用の光線を入射した場合、入射光が多孔構造部で乱反射されるため、効率的に入射光を多孔構造光ファイバに結合させることができないという不都合が生じている。すなわち、従来の多孔構造光ファイバでは例えば、図2のようにコア21の周りにクラッド22があり、そのクラッド22に多数の空孔が存するために、側方向から伝送用の光線を入射した場合、入射光は前記多数の空孔を通過せず、そこで反射されるため、入射光の全てをコア21に入射することができない。これは、特許文献1に示される光ファイバでも同様である。
【0005】
従って本発明は上記の問題に鑑み、多孔構造を有する光ファイバにおいて側方向から光線を入射させる場合に、光線を効率的にコアに入射させることが可能な光ファイバ及びをそれを使用した光線入射方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、請求項1記載の光ファイバは、コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2記載の光ファイバは、請求項1記載の光ファイバにおいて、前記コアがシングルモード光伝送用コアと該シングルモード光伝送用コアの外周を覆うマルチモード光伝送用コアから成ることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、請求項3記載の光ファイバは、請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバの、前記クラッドにおいて前記光ファイバの断面の中心から5〜30°にわたって多孔構造が欠落していることを特徴とするものである。
【0009】
そして、請求項4記載の光ファイバ接続構造体は、請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバに、多孔構造の欠落部が存しない光ファイバを接続することを特徴とするものである。
【0010】
加えて、請求項5記載の光ファイバへの光線入射方法は、請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバにおいて、前記多孔構造の欠落部から前記コアに光線を入射することを特徴とするものである。
【0011】
請求項6記載の光線入射方法は、請求項5記載の光線入射方法において、円筒形状あるいは円錐台形状のレンズの側面に光線を入射して集光することにより前記コアに光線を入射することを特徴とするものである。
【0012】
そして、請求項7記載の光線入射方法は、請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバに、多孔構造の欠落部が存しない光ファイバを接続し、前記多孔構造の欠落部から光線を入射して前記欠落部が存しない光ファイバのコアに導光することを特徴とするものである。
【0013】
【作用】
本発明は、コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することに特徴を有する。側方向から光線を入射させる場合に、多孔構造が欠落している部分から入射させることにより、光線を効率的にコアに入射させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態における光ファイバの断面を示している。1が本発明の光ファイバ、以下その構成部品であり、11がコア、12がクラッド、13が保護層を示している。クラッド12には多数の空孔が存するが、光ファイバの断面の中心から角度θにわたって空孔が存しない部分がある。このため、光線を光ファイバ11の側方向から入射する場合に、空孔が存しない部分すなわち図1においては上部からコア11に入射することが可能である。
【0015】
光ファイバ1の材質としては、コア11及びクラッド12の空孔以外の部分さらには保護層13が石英であることが挙げられる。ただし、保護層13はクラッド12を保護するものであれば、樹脂でも良い。また、クラッド12に求められる強度により、保護層13は必ずしも必要ではない。
【0016】
空孔が存しない部分の角度θは、光ファイバ1の外部からコア11に光を入射しやすくするためには大きいほど良く、コア11への光の閉じ込め効果を保つためには小さいほど良い。結局、レンズ系等によりコア11内に光線を集光して入射することが可能で、できるだけ小さい角度として、1〜90°が挙げられ、特に5〜30°であることが好適である。
【0017】
角度θにわたって空孔が存しない部分は、光ファイバ1の全長にわたっていても良いが、側方向から光が入射される部分付近のみに存するのであれば、一度入射された光が外部に再放出されにくいため、より好ましい。具体的には0.5mm〜20mm、好ましくは1mm〜10mmの長さであるのが良い。空孔が存しない部分を作製する方法としては、一般的な多孔構造光ファイバが空孔の存する多数のパイプを並べた母材作製の後、それを線引して製造されることから、光ファイバの母材段階で角度θの領域に空孔が生じないように詰めものを充填することが例示できる。また、光ファイバ製造後に、レーザ光等で空孔部を溶融させて潰す或いは空孔部に屈折率マッチング接着剤を充填することも例示できる。
【0018】
本実施例においてはクラッド12に同じ大きさの円形の空孔が多数存するが、各空孔の大きさは異なっていても良く、形状も楕円形、多角形等どのような形状でも良い。さらには、必ずしも空孔である必要もなく、孔内に孔外の材質より屈折率の低い材質を充填させたものであっても良い。
【0019】
光ファイバ1においてはクラッド12に空孔が存することによりクラッド12よりコア11の実効屈折率を高くし、コア11内に光を閉じ込めて伝送させているが、その効果をより高めるために、コア11にGe、P等屈折率を高くする元素、クラッド12にF、B等屈折率を低くする元素を添加しても良い。
【0020】
図3は本発明の別の実施形態における光ファイバの断面を示している。3が本発明の光ファイバ、以下その構成部品であり、31がコア、32がクラッド、33が保護層を示しており、クラッド32において、光ファイバの断面の中心から角度θにわたって空孔が存しない部分があることは図1と同様である。しかし、本実施例においてはコア31が2つの部分、すなわちシングルモード光伝送用コア311とマルチモード光伝送用コア312で構成されており、シングルモード光を前記コア311に閉じ込めて伝送させるために、マルチモード光伝送用コア312よりシングルモード光伝送用コア311の屈折率が高く設定されている。いわゆる、ダブルクラッドファイバと呼ばれている構成である。この構成においても図1と同様に光ファイバの側方向から光を入射することが可能であり、好適な例として、シングルモード光伝送用コア311に希土類元素を添加し、側方向から入射されるマルチモード光をシングルモード光の励起光として利用することが挙げられる。本発明によれば、励起光を光ファイバの任意の複数の側面から入射することが可能であるため、多数のマルチモード励起光によりシングルモード信号光を増幅して高出力化することが可能となる。
【0021】
本実施例においてはシングルモード光伝送用コア311、マルチモード光伝送用コア312、クラッド32、保護層33は同心円であるが、外層が内層の周囲を覆う構成であれば必ずしも同心である必要はなく、それぞれの断面形状も楕円形、多角形等どのような形状でも良い。
【0022】
図4は本発明の光ファイバを使用した側方入射方法を示している。本実施例においては、側方向から光が入射される部分付近のみ、多孔構造の欠落部を具備する光ファイバ1を配置し、その両端に通常の多孔構造光ファイバ2を配置して融着接続している。融着接続方法は限定されないが、市販されている放電型の融着接続機を用いることが出来る。側方向から光が入射される部分すなわち多孔構造の欠落部の上にプリズム4を配置し、入射光が反射しないように光ファイバ1とプリズム4との間にマッチング接着剤5を塗布している。この構成であれば、光ファイバ1により側方向から光が入射させることができ、入射される部分以外は多孔構造が欠落している部位のない光ファイバ2であるため、一度入射された光が外部に再放出されにくい。すなわち、効率的に光線を入射し、それをロスなく伝送することができる。
【0023】
本実施例においては、多孔構造の欠落部を具備する光ファイバ1の両端に通常の多孔構造光ファイバ2を配置して融着接続しているが、これは図4において光ファイバ1の側方から入射される光線の他に光ファイバ1、光ファイバ2のコア内を他の光線が伝送されることを想定した場合であり、光ファイバ1に対して側方から入射される光線の進行方向側に光ファイバ2があれば、必ずしも両端に光ファイバ2が配置されなくても良い。また、光ファイバ1に対して入射される光線が光ファイバ2のコアに導光されるのであれば、必ずしも光ファイバ1、光ファイバ2を融着する必要もなく、近接させていても良い。
【0024】
図5は図4のプリズムに替えて、シリンドリカルレンズと呼ばれる円筒形状あるいは円錐台形状のレンズを使用した側方入射方法を示している。本実施例においては、円錐台形状のレンズ6の側面に光を入射し、光ファイバ内に集光することにより側方入射を行っている。なお、図示は省略するが、図4と同様に光ファイバ1と円錐台形状のレンズ6との間にマッチング接着剤を塗布しても良い。円筒形状あるいは円錐台形状のレンズを使用することにより、細長い部分である光ファイバのコア内に、より効率的に入射光を集光することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することにより、側方向から光線を入射させる場合に、多孔構造が欠落している部分から入射させることで、光線を効率的にコアに入射させることが可能となる。すなわち、光ファイバへの効率的な入射方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明に係わる光ファイバの断面模式図である。
【図 2】従来例の光ファイバの断面模式図である。
【図 3】本発明に係わる別の光ファイバの断面模式図である。
【図 4】本発明に係わる光ファイバを使用した側方入射方法の断面模式図である。
【図 5】本発明に係わる光ファイバを使用した別の側方入射方法の断面模式図である。
【符号の説明】
1、2、3 ・・・光ファイバ
11、21 、31 ・・・コア
311 ・・・シングルモード光伝送用コア
312 ・・・マルチモード光伝送用コア
12、22、32 ・・・クラッド
13、23、33 ・・・保護層
4 ・・・プリズム
5 ・・・マッチング接着剤
6 ・・・円錐台形状のレンズ
【発明が属する技術分野】
本発明は、ファイバレーザやファイバアンプに用いられる多孔構造光ファイバ及びそれを使用した光線入射方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、多孔構造による実効屈折率の制御を利用した光ファイバが注目されており、ホーリーファイバ、微細構造ファイバ、フォトニッククリスタルファイバ等と呼ばれる様々な機能を有した光ファイバが盛んに開発されている。一方、光ファイバへ伝送用の光線を入射する場合、通常は光ファイバの両端部から入射しているが、側方向から光線を入射すれば、入射箇所の位置を柔軟に設定できる、或いは複数の入射箇所から入射することにより1芯の光ファイバで高出力の光を伝送することができる等の利点があるため、側方入射に関する様々な手法が検討されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−277669号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多孔構造光ファイバにおいては側方向から伝送用の光線を入射した場合、入射光が多孔構造部で乱反射されるため、効率的に入射光を多孔構造光ファイバに結合させることができないという不都合が生じている。すなわち、従来の多孔構造光ファイバでは例えば、図2のようにコア21の周りにクラッド22があり、そのクラッド22に多数の空孔が存するために、側方向から伝送用の光線を入射した場合、入射光は前記多数の空孔を通過せず、そこで反射されるため、入射光の全てをコア21に入射することができない。これは、特許文献1に示される光ファイバでも同様である。
【0005】
従って本発明は上記の問題に鑑み、多孔構造を有する光ファイバにおいて側方向から光線を入射させる場合に、光線を効率的にコアに入射させることが可能な光ファイバ及びをそれを使用した光線入射方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、請求項1記載の光ファイバは、コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2記載の光ファイバは、請求項1記載の光ファイバにおいて、前記コアがシングルモード光伝送用コアと該シングルモード光伝送用コアの外周を覆うマルチモード光伝送用コアから成ることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、請求項3記載の光ファイバは、請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバの、前記クラッドにおいて前記光ファイバの断面の中心から5〜30°にわたって多孔構造が欠落していることを特徴とするものである。
【0009】
そして、請求項4記載の光ファイバ接続構造体は、請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバに、多孔構造の欠落部が存しない光ファイバを接続することを特徴とするものである。
【0010】
加えて、請求項5記載の光ファイバへの光線入射方法は、請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバにおいて、前記多孔構造の欠落部から前記コアに光線を入射することを特徴とするものである。
【0011】
請求項6記載の光線入射方法は、請求項5記載の光線入射方法において、円筒形状あるいは円錐台形状のレンズの側面に光線を入射して集光することにより前記コアに光線を入射することを特徴とするものである。
【0012】
そして、請求項7記載の光線入射方法は、請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバに、多孔構造の欠落部が存しない光ファイバを接続し、前記多孔構造の欠落部から光線を入射して前記欠落部が存しない光ファイバのコアに導光することを特徴とするものである。
【0013】
【作用】
本発明は、コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することに特徴を有する。側方向から光線を入射させる場合に、多孔構造が欠落している部分から入射させることにより、光線を効率的にコアに入射させることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態における光ファイバの断面を示している。1が本発明の光ファイバ、以下その構成部品であり、11がコア、12がクラッド、13が保護層を示している。クラッド12には多数の空孔が存するが、光ファイバの断面の中心から角度θにわたって空孔が存しない部分がある。このため、光線を光ファイバ11の側方向から入射する場合に、空孔が存しない部分すなわち図1においては上部からコア11に入射することが可能である。
【0015】
光ファイバ1の材質としては、コア11及びクラッド12の空孔以外の部分さらには保護層13が石英であることが挙げられる。ただし、保護層13はクラッド12を保護するものであれば、樹脂でも良い。また、クラッド12に求められる強度により、保護層13は必ずしも必要ではない。
【0016】
空孔が存しない部分の角度θは、光ファイバ1の外部からコア11に光を入射しやすくするためには大きいほど良く、コア11への光の閉じ込め効果を保つためには小さいほど良い。結局、レンズ系等によりコア11内に光線を集光して入射することが可能で、できるだけ小さい角度として、1〜90°が挙げられ、特に5〜30°であることが好適である。
【0017】
角度θにわたって空孔が存しない部分は、光ファイバ1の全長にわたっていても良いが、側方向から光が入射される部分付近のみに存するのであれば、一度入射された光が外部に再放出されにくいため、より好ましい。具体的には0.5mm〜20mm、好ましくは1mm〜10mmの長さであるのが良い。空孔が存しない部分を作製する方法としては、一般的な多孔構造光ファイバが空孔の存する多数のパイプを並べた母材作製の後、それを線引して製造されることから、光ファイバの母材段階で角度θの領域に空孔が生じないように詰めものを充填することが例示できる。また、光ファイバ製造後に、レーザ光等で空孔部を溶融させて潰す或いは空孔部に屈折率マッチング接着剤を充填することも例示できる。
【0018】
本実施例においてはクラッド12に同じ大きさの円形の空孔が多数存するが、各空孔の大きさは異なっていても良く、形状も楕円形、多角形等どのような形状でも良い。さらには、必ずしも空孔である必要もなく、孔内に孔外の材質より屈折率の低い材質を充填させたものであっても良い。
【0019】
光ファイバ1においてはクラッド12に空孔が存することによりクラッド12よりコア11の実効屈折率を高くし、コア11内に光を閉じ込めて伝送させているが、その効果をより高めるために、コア11にGe、P等屈折率を高くする元素、クラッド12にF、B等屈折率を低くする元素を添加しても良い。
【0020】
図3は本発明の別の実施形態における光ファイバの断面を示している。3が本発明の光ファイバ、以下その構成部品であり、31がコア、32がクラッド、33が保護層を示しており、クラッド32において、光ファイバの断面の中心から角度θにわたって空孔が存しない部分があることは図1と同様である。しかし、本実施例においてはコア31が2つの部分、すなわちシングルモード光伝送用コア311とマルチモード光伝送用コア312で構成されており、シングルモード光を前記コア311に閉じ込めて伝送させるために、マルチモード光伝送用コア312よりシングルモード光伝送用コア311の屈折率が高く設定されている。いわゆる、ダブルクラッドファイバと呼ばれている構成である。この構成においても図1と同様に光ファイバの側方向から光を入射することが可能であり、好適な例として、シングルモード光伝送用コア311に希土類元素を添加し、側方向から入射されるマルチモード光をシングルモード光の励起光として利用することが挙げられる。本発明によれば、励起光を光ファイバの任意の複数の側面から入射することが可能であるため、多数のマルチモード励起光によりシングルモード信号光を増幅して高出力化することが可能となる。
【0021】
本実施例においてはシングルモード光伝送用コア311、マルチモード光伝送用コア312、クラッド32、保護層33は同心円であるが、外層が内層の周囲を覆う構成であれば必ずしも同心である必要はなく、それぞれの断面形状も楕円形、多角形等どのような形状でも良い。
【0022】
図4は本発明の光ファイバを使用した側方入射方法を示している。本実施例においては、側方向から光が入射される部分付近のみ、多孔構造の欠落部を具備する光ファイバ1を配置し、その両端に通常の多孔構造光ファイバ2を配置して融着接続している。融着接続方法は限定されないが、市販されている放電型の融着接続機を用いることが出来る。側方向から光が入射される部分すなわち多孔構造の欠落部の上にプリズム4を配置し、入射光が反射しないように光ファイバ1とプリズム4との間にマッチング接着剤5を塗布している。この構成であれば、光ファイバ1により側方向から光が入射させることができ、入射される部分以外は多孔構造が欠落している部位のない光ファイバ2であるため、一度入射された光が外部に再放出されにくい。すなわち、効率的に光線を入射し、それをロスなく伝送することができる。
【0023】
本実施例においては、多孔構造の欠落部を具備する光ファイバ1の両端に通常の多孔構造光ファイバ2を配置して融着接続しているが、これは図4において光ファイバ1の側方から入射される光線の他に光ファイバ1、光ファイバ2のコア内を他の光線が伝送されることを想定した場合であり、光ファイバ1に対して側方から入射される光線の進行方向側に光ファイバ2があれば、必ずしも両端に光ファイバ2が配置されなくても良い。また、光ファイバ1に対して入射される光線が光ファイバ2のコアに導光されるのであれば、必ずしも光ファイバ1、光ファイバ2を融着する必要もなく、近接させていても良い。
【0024】
図5は図4のプリズムに替えて、シリンドリカルレンズと呼ばれる円筒形状あるいは円錐台形状のレンズを使用した側方入射方法を示している。本実施例においては、円錐台形状のレンズ6の側面に光を入射し、光ファイバ内に集光することにより側方入射を行っている。なお、図示は省略するが、図4と同様に光ファイバ1と円錐台形状のレンズ6との間にマッチング接着剤を塗布しても良い。円筒形状あるいは円錐台形状のレンズを使用することにより、細長い部分である光ファイバのコア内に、より効率的に入射光を集光することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することにより、側方向から光線を入射させる場合に、多孔構造が欠落している部分から入射させることで、光線を効率的にコアに入射させることが可能となる。すなわち、光ファイバへの効率的な入射方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明に係わる光ファイバの断面模式図である。
【図 2】従来例の光ファイバの断面模式図である。
【図 3】本発明に係わる別の光ファイバの断面模式図である。
【図 4】本発明に係わる光ファイバを使用した側方入射方法の断面模式図である。
【図 5】本発明に係わる光ファイバを使用した別の側方入射方法の断面模式図である。
【符号の説明】
1、2、3 ・・・光ファイバ
11、21 、31 ・・・コア
311 ・・・シングルモード光伝送用コア
312 ・・・マルチモード光伝送用コア
12、22、32 ・・・クラッド
13、23、33 ・・・保護層
4 ・・・プリズム
5 ・・・マッチング接着剤
6 ・・・円錐台形状のレンズ
Claims (7)
- コアと該コアの外周を覆うクラッドから成る光ファイバであって、前記クラッドが前記光ファイバの軸方向に延在する複数の細孔を有する多孔構造により構成されており、前記クラッドにおいて側方向から前記コアへの光線入射を許容する多孔構造の欠落部を具備することを特徴とする光ファイバ。
- 前記コアがシングルモード光伝送用コアと該シングルモード光伝送用コアの外周を覆うマルチモード光伝送用コアから成ることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ。
- 前記クラッドにおいて前記光ファイバの断面の中心から5〜30°にわたって多孔構造が欠落していることを特徴とする請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバ。
- 請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバに、多孔構造の欠落部が存しない光ファイバを接続することを特徴とする光ファイバ接続構造体。
- 請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバにおいて、前記多孔構造の欠落部から前記コアに光線を入射することを特徴とする光ファイバへの光線入射方法。
- 円筒形状あるいは円錐台形状のレンズの側面に光線を入射して集光することにより前記コアに光線を入射することを特徴とする請求項5記載の光線入射方法。
- 請求項1または請求項2いずれかに記載の光ファイバに、多孔構造の欠落部が存しない光ファイバを接続し、前記多孔構造の欠落部から光線を入射して前記欠落部が存しない光ファイバのコアに導光することを特徴とする光ファイバへの光線入射方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003009384A JP2004219890A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 多孔構造光ファイバとそれを使用した光線入射方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003009384A JP2004219890A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 多孔構造光ファイバとそれを使用した光線入射方法 |
Publications (1)
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ID=32898897
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-
2003
- 2003-01-17 JP JP2003009384A patent/JP2004219890A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8340487B2 (en) | 2005-10-26 | 2012-12-25 | Fujikura Ltd. | Rare earth-doped core optical fiber and manufacturing method thereof |
WO2008133242A1 (ja) * | 2007-04-25 | 2008-11-06 | Fujikura Ltd. | 希土類添加コア光ファイバ |
JPWO2008133242A1 (ja) * | 2007-04-25 | 2010-07-29 | 株式会社フジクラ | 希土類添加コア光ファイバ |
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JP4621821B2 (ja) * | 2008-08-25 | 2011-01-26 | 株式会社ワイヤードジャパン | 集光ファイバ、光検出システム、光結合構造、及び放射線検出ユニット |
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