JP2004219886A - 共通電位反転回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶の共通電位の正転及び反転を行う共通電位反転回路1において、所定の電位レベルを供給する基準電位供給手段2と、基準電位供給手段とコンデンサー7を介して接続されると共に、ハイレベル電位及びローレベル電位を供給する振幅電位供給手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共通電位反転回路に関する。詳しくは、液晶の共通電位の正転及び反転を行う共通電位反転回路に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置は、ワープロ、パソコンなどの各種ディスプレイ、ビデオカメラなどの電子ビューファインダーやプロジェクションテレビ、車載テレビなど多くの分野で実用化が進んでいる。
【0003】
さて、液晶表示装置では、一定方向の電界を長時間印加し続けると液晶が焼きつき、特性が劣化してしまうために、入力画像信号を一定周期毎に反転させる交流駆動を行うことが一般的である。即ち、液晶の共通電位を中心として正負が切り替わる信号を入力することが一般的である。
【0004】
しかしながら、この様な交流駆動では、大きな駆動電圧が必要となるために液晶表示装置の駆動回路に高耐圧が要求されると共に、配線なども高耐圧設計が要求されることとなり、液晶表示装置の歩留まりの低下、高コスト化及び高消費電力化を招いてしまうこととなる。
【0005】
そこで、従来、低電圧駆動を可能とすべく、入力画像信号の極性を反転させると同時に液晶の共通電位を反転する共通電位反転回路が提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
以下、従来の共通電位反転回路について説明する。
図3は従来の共通電位反転回路を説明するための回路図であり、ここで示す共通電位反転回路101は、ハイレベル(以下、Hレベルと言う)電位を供給する第1のオペアンプ102及びローレベル(以下、Lレベルと言う)電位を供給する第2のオペアンプ103が並列に設けられると共に、切換手段としての第1の切換スイッチ104及び第2の切換スイッチ105が設けられている。
ここで、第1の切換スイッチ及び第2の切換スイッチは図3中符号Aで示す駆動パルスによって制御される様に構成されている。即ち、駆動パルスがHレベルのとき(正転時)には、第1の切換スイッチが閉じ、第2の切換スイッチが開く様に構成され、駆動パルスがLレベルのとき(反転時)には、第1の切換スイッチが開き、第2の切換スイッチが閉じる様に構成されている。
【0007】
上記の様に構成された共通電位反転回路では、正転時には第2のオペアンプは電源電位VCC及び接地電位VSSから切り離されて機能せず、第1のオペアンプのみが機能し、共通電位反転回路からは第1のオペアンプから供給されたHレベル電位が出力され、反転時には第1のオペアンプは電源電位及び接地電位から切り離されて機能せず、第2のオペアンプのみが機能し、共通電位反転回路からは第2のオペアンプから供給されたLレベル電位が出力されることとなる。
【0008】
従って、図4中符号Bで示す入力画像信号が正極性の信号として画素に書き込みが行われる際には、Lレベルの駆動パルスを印加し、即ち、第2のオペアンプのみを機能させて図4中符号Cで示す共通電位をLレベルとし、入力画像信号が負極性の信号として画素に書き込みが行われる際には、Hレベルの駆動パルスを印加し、即ち、第1のオペアンプのみを機能させて共通電位をHレベルとすることによって、入力画像信号の振幅が共通電位の反転を行わない場合と比較すると略1/2となり、低電圧駆動が可能となる。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−4974号公報(第2−4頁 第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、液晶表示装置では、入力画像信号と共通電位の相対性が非常に重要であるが、上記した従来の共通電位反転回路では、共通電位の調整が容易ではなかった。
また、上記した従来の共通電位反転回路では、出力部に接続される負荷容量によってオペアンプの安定度を損なう場合があるために、使用条件が限定され汎用性に劣るという不都合があった。
【0011】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、共通電位の調整が容易であり、汎用性に富む共通電位反転回路を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る共通電位反転回路では、液晶の共通電位の正転及び反転を行う共通電位反転回路において、所定の電位レベルを供給する基準電位供給手段と、該基準電位供給手段とコンデンサーを介して接続されると共に、ハイレベル電位及びローレベル電位を供給する振幅電位供給手段とを備える。
【0013】
ここで、所定の電位レベルを供給する基準電位供給手段によって、共通電位の基準となる電位を決定することが可能である。
また、基準電位供給手段とコンデンサーを介して接続されると共に、ハイレベル電位及びローレベル電位を供給する振幅電位供給手段によって、共通電位の振幅値を決定することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0015】
図1は本発明を適用した共通電位反転回路の一例を説明するための回路図であり、ここで示す共通電位反転回路1は、出力波形の平均電位を供給する電圧Vdcに接続された第1のオペアンプ2、出力波形のHレベル電位を供給する電圧VHに接続された第2のオペアンプ3、出力波形のLレベル電位を供給する電圧VLに接続された第3のオペアンプ4及び電圧VHを電源とし、第2のオペアンプ及び第3のオペアンプに接続されたCMOS型トランジスタ5とを備え、抵抗6を介して出力部に接続された第1のオペアンプとコンデンサー7を介して出力部に接続されたCMOS型トランジスタとが並列になる様に構成されている。
【0016】
また、CMOS型トランジスタは図1中符号aで示すレベルシフト回路8を介して入力される駆動パルスによって制御され、駆動パルスに応じて第2のオペアンプが供給するHレベル電位若しくは第3のオペアンプが供給するLレベル電位を出力部側に供給する様に構成されている。
【0017】
ここで、切換手段は、出力部側に供給する電位レベルを、第2のオペアンプが供給するHレベル電位若しくは第3のオペアンプが供給するLレベル電位に切換えることができれば充分であって、必ずしもCMOS型トランジスタである必要は無く、いかなる切換手段であっても構わない。
【0018】
また、同様に、CMOS型トランジスタはHレベル電位とLレベル電位とを切換えることができれば充分であり、必ずしも駆動パルスを出力振幅レベルへと変換するレベルシフト回路を経由した駆動パルスによって制御される必要は無く、レベルシフト回路を経由していない駆動パルスによって制御されても構わないが、回路内の制御信号レベルのミスマッチを抑制すべく、CMOS型トランジスタはレベルシフト回路を経由した駆動パルスによって制御された方が好ましい。
【0019】
本発明を適用した共通電位反転回路では、第1のオペアンプから供給された平均電位レベルを中心とし、その振幅がCMOS型トランジスタから供給されるHレベル電位とLレベル電位との電位差である共通電位を得ることができる。即ち、本発明を適用した共通電位反転回路では、共通電位の中心電位を決定づける第1のオペアンプ、共通電位の振幅を決定づける第2のオペアンプ及び第3のオペアンプが独立に設定可能であるために、共通電位の調整を容易に行うことができる。
【0020】
また、本発明を適用した共通電位反転回路では、その出力が回路を構成するオペアンプの特性に影響され難いために汎用性に富んでいる。即ち、従来の共通電位反転回路では、出力部側に接続されるオペアンプを単に切換えることによって共通電位を得ており、出力部に接続される負荷容量によってオペアンプの安定度が変化し易いために出力部に接続される負荷容量が制限されていたが、本発明を適用した共通電位反転回路では、出力部に接続される負荷容量によってオペアンプの安定度が変化し難いために出力部に接続される負荷容量が制限され難く、汎用性の向上を図ることが可能である。
【0021】
更に、本発明を適用した共通電位反転回路では、回路を構成するオペアンプに要求される特性が緩和され、回路設計の容易化を図ることでき、回路設計の自由度の向上を図ることが可能である。即ち、出力部側に接続されるオペアンプを単に切換えることによって共通電位を得ていた従来の共通電位反転回路では、オペアンプに要求される特性が多く、様々な技術的な課題を同時に満足する回路設計の難易度が非常に高く、使用条件等の制限を課す必要があったものの、本発明を適用した共通電位反転回路では、オペアンプに要求される特性が緩和され、回路設計の難易度の低下を図り、回路設計の自由度の向上を図ることができる。また、汎用性拡大と回路設計の容易化により回路の設計負担を軽減することができ、開発期間の短縮及び開発費用の削減を図ることができる。
【0022】
図2は本発明を適用した共通電位反転回路の他の一例を説明するための回路図であり、ここで示す共通電位反転回路1は、出力波形の平均電位を供給する電圧Vdcに接続された第1のオペアンプ2、出力波形のHレベル電位を供給する電圧VHに接続された第2のオペアンプ3及び電圧VHを電源とし、第2のオペアンプに接続されたCMOS型トランジスタ5とを備え、抵抗6を介して出力部に接続された第1のオペアンプとコンデンサー7を介して出力部に接続されたCMOS型トランジスタとが並列になる様に構成されると共に、CMOS型トランジスタに補助的に電位の供給を行う補助コンデンサー9が第2のオペアンプと並列となる様にCMOS型トランジスタに接続されている。
【0023】
また、CMOS型トランジスタは図2中符号aで示すレベルシフト回路8及びタイミング調整回路10を介して入力される駆動パルスによって制御され、駆動パルスに応じて第2のオペアンプが供給するHレベル電位若しくは接地電位を出力部に供給する様に構成されている。
【0024】
ここで、CMOS型トランジスタは、出力部側に供給する電位レベルを、第2のオペアンプが供給するHレベル電位若しくは接地電位に切換えることができれば充分であり、必ずしもタイミング調整回路を経由した駆動パルスによって制御される必要は無く、タイミング調整回路を経由していない駆動パルスによって制御されても構わないが、Hレベル電位若しくは接地電位の切換えを精度良く行うべく、CMOS型トランジスタはタイミング調整回路を経由した駆動パルスによって制御された方が好ましい。
【0025】
また、第2のオペアンプによってCMOS型トランジスタに充分にHレベル電位が供給される場合には必ずしも補助コンデンサーは必要では無いとも考えられるが、補助コンデンサーを接続することによって、出力駆動時に出力部に接続された負荷容量に対して発生する過渡充放電電流の補助となり、第2のオペアンプの電位供給能力が比較的小さな回路であっても精度良く安定して最終出力を得ることができる様に、補助コンデンサーは設置された方が好ましい。
【0026】
なお、切換手段はHレベル電位とLレベル電位とを切換えることができれば充分であって、必ずしもCMOS型トランジスタである必要は無く、いかなる切換手段であっても構わない点及びCMOS型トランジスタはレベルシフト回路を経由した駆動パルスによって制御された方が好ましい点は上記した本発明を適用した共通電位反転回路の一例と同様である。
【0027】
本発明を適用した共通電位反転回路では、第1のオペアンプから供給された平均電位レベルを中心とし、その振幅がCMOS型トランジスタから供給されるHレベル電位と接地電位の電位差である共通電位を得ることができる。即ち、本発明を適用した共通電位反転回路では、共通電位の中心電位を決定づける第1のオペアンプ及び共通電位の振幅を決定づける第2のオペアンプが独立に設定可能であるために、共通電位の調整を容易に行うことができる。
【0028】
また、本発明を適用した共通電位反転回路では、その出力のダイナミックレンジの拡大を図ることができる。即ち、従来の共通電位反転回路では、出力部側に接続されるオペアンプを単に切換えることによって共通電位を得ていたために、Hレベル電位を供給するオペアンプによりダイナミックレンジの上限が制限され、Lレベル電位を供給するオペアンプによりダイナミックレンジの下限が制限されていたが、本発明を適用した共通電位反転回路では、オペアンプによってダイナミックレンジの上限のみが制限されるために、従来の共通電位反転回路よりもダイナミックレンジの拡大が可能である。
【0029】
【発明の効果】
以上述べてきた如く、本発明の共通電位反転回路によれば、共通電位の調整が容易であり、汎用性の向上を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した共通電位反転回路の一例を説明するための回路図である。
【図2】本発明を適用した共通電位反転回路の他の一例を説明するための回路図である。
【図3】従来の共通電位反転回路を説明するための回路図である。
【図4】共通電位の正転及び反転を説明するための図である。
【符号の説明】
1 共通電位反転回路
2 第1のオペアンプ
3 第2のオペアンプ
4 第3のオペアンプ
5 CMOS型トランジスタ
6 抵抗
7 コンデンサー
8 レベルシフト回路
9 補助コンデンサー
10 タイミング調整回路
Claims (2)
- 液晶の共通電位の正転及び反転を行う共通電位反転回路において、
所定の電位レベルを供給する基準電位供給手段と、
該基準電位供給手段とコンデンサーを介して接続されると共に、ハイレベル電位及びローレベル電位を供給する振幅電位供給手段とを備える
ことを特徴とする共通電位反転回路。 - 前記振幅電位供給手段は、増幅器及び切換手段を有し、
前記増幅器により供給される電位レベルと接地電位レベルとを前記切換手段により切換えることによって前記ハイレベル電位及びローレベル電位を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の共通電位反転回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003009361A JP2004219886A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 共通電位反転回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003009361A JP2004219886A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 共通電位反転回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004219886A true JP2004219886A (ja) | 2004-08-05 |
Family
ID=32898886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003009361A Pending JP2004219886A (ja) | 2003-01-17 | 2003-01-17 | 共通電位反転回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004219886A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007171337A (ja) * | 2005-12-20 | 2007-07-05 | Sony Corp | 共通電位反転回路及び液晶表示装置 |
-
2003
- 2003-01-17 JP JP2003009361A patent/JP2004219886A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007171337A (ja) * | 2005-12-20 | 2007-07-05 | Sony Corp | 共通電位反転回路及び液晶表示装置 |
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