JP2004219249A - バックライト型表示板およびバックライト型表示装置 - Google Patents

バックライト型表示板およびバックライト型表示装置 Download PDF

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Teruhiko Iwase
輝彦 岩瀬
Takeji Maekawa
武治 前川
Kiyoshi Nakakuki
清 中久木
Osamu Ina
治 伊奈
Torao Hayashi
虎雄 林
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Abstract

【課題】透光性の基板にトナー層を形成してなるバックライト型表示板において、トナー層のブロッキングを回避しつつ、表示内容の乱れを抑制する。
【解決手段】トナー層14を有する透光性の基板12と、透光性の接着樹脂からなる接着層15を介して基板12に所定温度で熱圧着され、トナー層14を覆う透光性の保護シート16とから構成されたバックライト型表示板1において、所定温度での接着樹脂の粘弾性が、所定温度でのトナーの粘弾性より低くなるように、接着樹脂の材質を選定する。これによれば、熱圧着する際にはトナー層14よりも接着層15の方が軟らかくなるので、熱圧着の際にトナー層14の角部が接着層15に押し潰されてしまうことを抑制でき、トナー層14と保護シート16との間に噛み込んでしまった異物は、熱圧着する際にはトナー層14よりも接着層15の側にめり込み易くなる。よって、上記課題を解決できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バックライトにより表示内容が透過照明される、バックライト型表示板に関するものであり、特に、車両に搭載された計器の表示板に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のバックライト型表示板は、不透光印刷部および透光印刷部を透光性の基板に印刷して構成されている。この表示板をバックライトで透過照明すると、透光印刷部を光が透過して表示内容が表示されるようになっている。
【0003】
印刷方法としてはスクリーン印刷が挙げられるが、印刷内容が変わる毎に、版の交換やインキの交換等が必要となり、かつ、製版や刷版製作等が必要となるため、多品種小ロット印刷の場合には、高コスト化、製作時間の長期化を招いてしまう。そこで近年、多品種小ロット印刷への即時対応性向上およびコストダウンを図るために、電子写真印刷法を採用し、トナーを基板に定着させることにより印刷部を形成するようになってきている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特に、車両用計器の表示板においては、車種、排気量、グレード等が多種多様であるため、これに合わせて表示板も多品種にわたると共にその印刷内容も相互に異なるため、上記電子写真印刷法が採用されるようになってきている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−156252号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−160549号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、基板にトナーを定着させて形成したトナー層が、表示板を保持するケース等に接触する構造においては、次のような不具合が生じることが本発明者らの試作検討により分かってきた。すなわち、接触したトナー層が長期間高温状態にさらされるとブロッキング現象を起こしてしまい、このブロッキングに起因して、トナー層の一部がケースに転写されたり、トナー層にクラックが生じてしまう。
【0008】
そこで、本発明者らは、透光性の保護シートを、トナー層を覆うように基板に密着させて、トナー層とケース等との接触防止によりブロッキング回避を図るバックライト型表示板を試作検討した。保護シートは、接着剤を介して基板に所定温度で熱圧着することにより接着している。なお、保護シートはトナー層に接着剤を介して密着しているため、保護シートに対するトナー層のブロッキング現象は生じない。
【0009】
しかしながら、このように保護シートを基板に熱圧着したバックライト型表示板においては、熱圧着する際に、トナー層の角部が接着剤に押し潰されてしまい、トナー層による表示内容が乱れてしまうといった問題が生じることが明らかになった。
【0010】
さらに、トナー層と保護シートとの間に異物が噛み込んでしまった場合には、熱圧着する際に異物がトナー層にめり込んでしまう。すると、トナー層の膜厚が変化することによりピンホール状に視認されてしまう等、表示内容が乱れてしまうといった問題が生じることが明らかになった。
【0011】
本発明は、上記点に鑑み、透光性の基板にトナー層を形成してなるバックライト型表示板において、トナー層のブロッキングを回避しつつ、表示内容の乱れを抑制することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、トナーで印刷されたトナー層(14)を有する透光性の基板(12)と、透光性の接着樹脂からなる接着層(15)を介して基板(12)に所定温度で熱圧着され、トナー層(14)を覆う透光性の保護シート(16)とから構成され、基板(12)に対して視点の反対側に配置された光源(40)により、トナー層(14)による表示内容が透過照明されるようになっており、所定温度での接着樹脂の粘弾性が、所定温度でのトナーの粘弾性より低くなるように、接着樹脂の材質が選定されていることを特徴とする。
【0013】
これによれば、トナー層(14)は保護シート(16)により保護されるので、バックライト型表示板を保持するケース等の外部部材にトナー層(14)が接触してしまうことを防止でき、トナー層(14)の外部部材に対するブロッキングを回避できる。なお、保護シート(16)はトナー層(14)に接着層(15)を介して密着することとなるため、保護シート(16)に対するトナー層(14)のブロッキングは生じない。
【0014】
そして、本発明によれば、所定温度での接着樹脂の粘弾性はトナーの粘弾性より低いため、熱圧着する際には、トナー層(14)よりも接着層(15)の方が軟らかくなる。従って、熱圧着する際に、トナー層(14)の角部が接着層(15)に押し潰されてしまうことを抑制でき、ひいてはトナー層(14)の表示内容が乱れてしまうことを抑制できる。
【0015】
さらに、上述のように熱圧着する際にはトナー層(14)よりも接着層(15)の方が軟らかくなるので、トナー層(14)と保護シート(16)との間に異物が噛み込んでしまった場合であっても、熱圧着する際に異物は、トナー層(14)よりも接着層(15)の側にめり込み易くなる。よって、トナー層(14)に異物がめり込んでしまうことを抑制でき、ひいてはトナー層(14)の表示内容が乱れてしまうことを抑制できる。
【0016】
以上により、本発明によれば、トナー層(14)のブロッキングを回避しつつ、表示内容の乱れを抑制できる。
【0017】
請求項2に記載の発明では、熱圧着する際の所定温度を90℃以上としたことを特徴とする。
【0018】
ここで、90℃より低い温度でタック性が発現する接着樹脂を採用し、90℃より低い温度で熱圧着させようとすると、バックライト型表示板の使用環境が、夏期炎天下の車室内のように高温の場合には、接着層(15)の著しい強度低下を招いてしまう。そこで、上記請求項2に記載のような条件下で熱圧着するような接着樹脂を採用して好適である。
【0019】
ここで、上記接着樹脂の粘弾性が低すぎると、熱圧着時に接着樹脂が基板(12)と保護シート(16)の間からにじみ出て流出してしまう。一方、粘弾性が高すぎると、熱圧着する際にトナー層(14)よりも接着層(15)の方が軟らかくなるようにすることが困難となる。これらの点に鑑みて、請求項3に記載の発明のように、所定温度での接着樹脂の粘弾性が10000Pa以上30000Pa以下となるようにして好適である。
【0020】
ところで、熱圧着するにあたり、保護シート(16)と基板(12)との間に空気が残存してしまうと、残存した空気塊が熱膨張することにより、トナー層(14)の変形による表示内容の乱れおよび接着層(15)での接着力低下といった不具合を招いてしまう。
【0021】
これに対し、接着樹脂にオレフィン系樹脂を採用すると、オレフィン系樹脂が空気を吸収し、吸収した空気を樹脂内部にて拡散する機能を発揮することが、本発明者らの試作検討により明らかになった。よって、請求項4に記載の発明のようにオレフィン系樹脂が少なくとも含まれている接着樹脂を採用することにより、上述の表示内容の乱れおよび接着力低下といった不具合を抑制できる。
【0022】
なお、このような効果を発揮すべく、オレフィン系樹脂を50%以上接着樹脂に含ませるようにして好適である。
【0023】
また、オレフィン系樹脂の中でも酢酸ビニルを含む樹脂を採用すれば、トナー層(14)と接着層(15)との密着性を良好にでき、しかも、接着層(15)の耐熱性を高くできる。よって、請求項5に記載の発明のようにオレフィン系樹脂に酢酸ビニルを少なくとも含ませるようにして好適である。
【0024】
請求項6に記載の発明では、保護シート(16)および基板(12)を同一の材質で形成したことを特徴とするので、保護シート(16)および基板(12)の線膨張係数を同一にすることができ、バックライト型表示板の反り変形を抑制することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明では、基板(12)の材質にポリエチレンテレフタレートを選定したことを特徴とするので、所定の透光性、耐熱性および強度を基板(12)に発揮させることができ好適である。
【0026】
請求項8に記載の発明のように、保護シート(16)および基板(12)の少なくとも一方にトナー層(14)とは別の印刷が施されたバックライト型表示板に、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の発明を採用して好適である。因みに、上記別の印刷としては、バックライト型表示板の表面側から外光が反射することによるてり光りを防止するための艶消し印刷等が挙げられる。
【0027】
請求項9に記載の発明のように、バックライト型表示板(1)および光源(40)を備えるバックライト型表示装置に、請求項1ないし8のいずれか1つに記載のバックライト型表示板を用いて好適である。
【0028】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
【0030】
本実施形態は、本発明を車両に搭載された計器の表示板に適用した一例である。図1は、本実施形態のバックライト型表示板1を表面側(車室内側)から見た正面図であり、この表示板1には複数の表示部2、3、4、5、6が形成されており、表示部2は車速を表示し、表示部3は燃料残量を表示し、表示部4はエンジン冷却水温度を表示し、表示部5はシフト位置を表示し、表示部6は左右の方向指示を表示する。
【0031】
表示板1は、裏面側に配置された後述の光源40からの光により照明されるバックライト型の表示板であり、光の透過を遮断する背景部1aと、背景部1a領域内に形成されて光を透過させる目盛り1b、文字1c、記号1d等の目盛り文字部を備えている。各表示部2〜6は、背景部1a領域内に、目盛り1b、文字1c、記号1dを配列して構成されている。
【0032】
なお、図1中の斜線部分は背景部1aを示しており、白抜き部分および符号1eに示す網点ハッチ部分は目盛り文字部を示している。目盛り文字部1b〜1eのうち白抜き部分(符号1b〜1d)と網点ハッチ部分(符号1e)とは異なる色に形成されており、本実施形態では白抜き部分が白色に発光し、網点ハッチ部分が赤色に発光するように形成されている。因みに、背景部1aは黒色に着色されている。
【0033】
また、表示板1のうち表示部2、3、4に相当する部分には、貫通穴1fが形成されており、回動して各目盛り1bを指し示す指針の回転軸が、貫通穴1fに挿入配置されるようになっている。
【0034】
図2は図1のA−A断面図であり、表示板1は、光沢調整層11、基板12、電荷調整層13、トナー層14、接着層15および保護シート16を、表面側(視認者の視点側)から順に積層して構成されている。
【0035】
光沢調整層11は基板12の表面に形成されて、表示板1の表面の光沢を調整するためのものである。この光沢調整層11は、インキによるスクリーン印刷やトナーによる電子写真印刷等により印刷して形成されている。
【0036】
基板12は透光性の樹脂であり、基板12には、所定の透光性、耐熱性および強度が満たす材質が望ましく、本実施形態ではPET(ポリエチレンテレフタレート)を採用している。PETの具体例としては東レ「ルミラー」が挙げられる。なお、基板12の他の材質例として、PVC(ポリ塩化ビニル)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)等が挙げられる。但し、寸法安定性および価格の面からPETの方が好ましい。
【0037】
基板12の厚み寸法は75μm〜500μmから選択して好適であり、本実施形態では、約100μmまたは約125μmの厚み寸法のPETを採用している。
【0038】
電荷調整層13は、基板12の裏面に形成されて、トナー層14を形成するにあたりトナー粒子の転写を良好にするためのものである。電荷調整層13の材質例として、電荷調整剤4級アンモニウム塩、イミダゾール金属錯体類、サリチル酸金属錯体類、有機ホウ素類などを、ポリエステル樹脂に添加したものが挙げられる。本実施形態では数μm塗布して電荷調整層13を形成している。
【0039】
トナー層14は、電荷調整層13を介して基板12の裏面に電子写真印刷法により形成されており、トナー粒子が厚く転写された不透光印刷部14aおよびトナー粒子が薄く転写された透光印刷部14b、14cを有している。不透光印刷部14aは背景部1aを表示し、透光印刷部14b、14cは目盛り文字部1b〜1eを表示している。本実施形態では、不透光印刷部14aの厚さは約20μmとなっている。
【0040】
なお、トナー層14を印刷形成する電子写真印刷機には、黒色トナーの転写ドラムが2本、赤色トナーの転写ドラムが1本、および白色トナーの転写ドラムが1本備えられている。本実施形態では富士ゼロックス(株)製CDT60を用いてトナー層14を形成した。
【0041】
透光印刷部14b、14cは、赤色トナーまたは白色トナーが1層だけ転写されて溶融定着して形成されている。不透光印刷部14aは黒色トナーを2本の転写ドラムにより2層転写されて溶融定着して形成されている。これにより、電子写真印刷方式によりシアン、マゼンダ、イエローの3原色と黒色を用いてフルカラーを表現する際の黒トナー単独の場合の透過濃度不足を解消できると共に、背景部1aにおけるピンホールの発生数を大幅に低減できる。
【0042】
なお、本実施形態では基板12の裏面にトナー層14を形成しているため、印刷される画像は、透光性の基板12を介して視認されるように逆像で印刷されている。
【0043】
トナー粒子は、結着樹脂と着色剤とを主成分として構成されている。当該結着樹脂としては、スチレン系、モノオレフィン系、ビニルエステル系、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル系、ビニルエーテル系、或いはビニルケトン系等の単独重合体、又は上記スチレン系、モノオレフィン系、ビニルエステル系、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル系、ビニルエーテル系及びビニルケトン系のうちの少なくとも二つ以上からなる共重合体が挙げられる。
【0044】
特に、代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリエチレンやポリプロピレンのような単独重合体、又はスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。さらに、代表的な結着樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンやワックス類が挙げられる。これらのうちでも、特に、ポリエステル系の樹脂が結着樹脂として適している。
【0045】
黒トナー粒子を構成する黒色着色剤の代表的な例としてはカーボン−ブラックが挙げられる。白トナー粒子を構成する白色着色剤としては、酸化チタン、シリカ、酸化錫、酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等が挙げられるが、耐光性の観点から、酸化チタンが好ましい。
【0046】
なお、トナー粒子には、必要に応じて、ワックス等の添加剤や流動化剤等を含有させてもよい。当該ワックスとしては、低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン等のオレフィン系、カルナバ等の植物系、その他動物系、鉱物系等種々のものが挙げられる。当該流動化剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられる。また、トナー粒子の平均粒径は30μm〜40μmの範囲内の値とするのが好ましい。
【0047】
接着層15は、保護シート16の表面に塗布された透光性の接着樹脂から形成される。接着樹脂の塗布厚は20〜40μmが望ましい。接着樹脂の材質は後に詳述する。
【0048】
保護シート16は、基板12の裏面にトナー層14を覆うように密着して設けられた透光性の樹脂から形成されている。具体的形成方法を説明すると、接着樹脂が塗布乾燥された保護シート16を基板12の裏面に積層して積層体を構成し、当該積層体を1対のロールドラム間に挿入して積層方向に加圧しながら、ロールドラムにより所定温度で加熱する。これにより、接着樹脂が溶融して接着層15を形成し、当該接着層15を介してトナー層14と保護シート16とが密着する。
【0049】
本実施形態では、日立化成製のドライフィルムラミネータを用い、ロール温度(上記所定温度)130℃、ロール回転速度2m/分にて熱圧着することで、保護シート16を接着層15を介してトナー層14に密着させた。
【0050】
保護シート16の材質には基板10と同一の材質が採用されており、本実施形態ではPET(ポリエチレンテレフタレート)を採用している。これにより、バックライト型表示板1の反り変形抑制を図っている。
【0051】
保護シート16の厚み寸法は、薄すぎると熱圧着の際の伸びで破損してしまう恐れがあり、厚すぎると該表面に何がしかの印刷を施した際にトナー層14の表示内容と視差(視線方向距離差)を生じ意匠によっては不向きとなる。これらの点に鑑み、保護シート16には16μm〜125μmの範囲で厚み寸法を選択して好適である。本実施形態では、約38μmの厚み寸法のPETを採用している。
【0052】
保護シート16の裏面には導光板20が接触するように配置されている。導光板20はトナー層14の全面に対応して設けられているわけではなく、少なくとも不透光印刷部14b、14cに対向する部分に設けられている。
【0053】
導光板20は、樹脂製のケーシング30に設けられた開口部30aに組み付けられて、ケーシング30に支持されている。そして、導光板20と表示板1とは複数箇所にてネジ、ピン等の手段により固定されており、表示板1は導光板20に支持されている。導光板20の材質には、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が採用されている。
【0054】
ケーシング30には図示しないプリント回路基板が備えられており、当該プリント回路基板には発光ダイオード等からなるバックライトとしての光源40が実装されている。本実施形態では光源40を複数備えている。
【0055】
光源40は導光板20の裏面側に配置されており、光源40にて出射した光は導光板20の裏面から入射して表面から出射され、表示板1の裏面から表面を透過する。これにより表示板1は透過照明される。なお、導光板20に、光源40からの光を拡散して、表示板1にムラなく光を出射するようにする拡散機能を備えさせるようにして好適である。
【0056】
そして、本実施形態の車両用計器は、上述したバックライト型表示板1、導光板20、ケーシング30、光源40、およびプリント回路基板により構成されている。
【0057】
次に、本実施形態の要部を説明すると、接着層15を形成する接着樹脂の材質は、上述した熱圧着における所定温度での接着樹脂の粘弾性が、所定温度でのトナーの粘弾性より低くなるように選定されている。
【0058】
これにより、上述の熱圧着する際には、トナー層14よりも接着層15の方が軟らかくなる。従って、熱圧着する際に、トナー層14の角部14Kが接着層15に押し潰されてしまうことを抑制でき、ひいてはトナー層14の表示内容が乱れてしまうことを抑制できる。
【0059】
さらに、上述のように熱圧着する際にはトナー層14よりも接着層15の方が軟らかくなるので、トナー層14と保護シート16との間に異物が噛み込んでしまった場合であっても、熱圧着する際に異物は接着層15の側にめり込んで埋没吸収される。よって、トナー層14には異物による影響が現れず、トナー層14の表示内容が乱れてしまうことを防止できる。
【0060】
ここで、90℃より低い温度でタック性が発現する接着樹脂を採用し、90℃より低い温度で熱圧着させようとすると、バックライト型表示板1の使用環境が、夏期炎天下の車室内のように高温の場合には、接着層15の著しい強度低下を招いてしまう。そこで、上記所定温度を90℃以上として熱圧着するような場合において、上述のようにトナーより低い粘弾性となる材質を接着樹脂に選定して好適である。
【0061】
また、接着樹脂の粘弾性が低すぎると、熱圧着時に接着樹脂が基板12と保護シート16の間からにじみ出て流出してしまう。一方、粘弾性が高すぎると、熱圧着する際にトナー層14よりも接着層15の方が軟らかくなるようにすることが困難となる。これらの点に鑑みて、所定温度での接着樹脂の粘弾性が10000Pa以上30000Pa以下となるようにして好適である。
【0062】
ところで、熱圧着するにあたり、保護シート16と基板12との間に空気が残存してしまうと、残存した空気塊が熱膨張することにより、トナー層14の変形による表示内容の乱れおよび接着層15での接着力低下といった不具合を招いてしまう。これに対し、接着樹脂にオレフィン系樹脂を採用すると、オレフィン系樹脂が空気を吸収し、吸収した空気を樹脂内部にて拡散する機能を発揮するため、好適である。なお、このような効果を発揮すべく、オレフィン系樹脂を50%以上接着樹脂に含ませるようにして好適である。
【0063】
オレフィン系樹脂にはポリエチレン、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂などが有効であった。また、オレフィン系樹脂の中でも酢酸ビニルを含む樹脂を採用すれば、トナー層14と接着層15との密着性を良好にでき、しかも、接着層15の耐熱性を高くでき、好適である。本実施形態ではエチレン酢酸ビニル共重合体を採用している。
【0064】
また、本実施形態によればトナー層14は保護シート16により保護されるので、ケーシング30や導光板20等の外部部材にトナー層14が接触してしまうことを防止でき、トナー層14の外部部材に対するブロッキングを回避できる。なお、保護シート16はトナー層14に接着層15を介して密着しているため、保護シート16に対するトナー層14のブロッキングは生じない。
【0065】
図3は、熱圧着における所定温度での粘弾性がトナーの粘弾性より高くなるようなポリエステル系の樹脂を接着樹脂として選定した比較例としての表示板と、本実施形態に係る表示板との性能を比較する図表であり、本発明者らの試験結果を示す。当該試験は、トナー層14と保護シート16との間に異物を混入させ、かつ、雰囲気温度90℃の状態で所定時間放置して行ったものである。
【0066】
図表に示すように、比較例としての表示板では、トナー層14のうち異物によりピンホール状に視認されてしまう不良箇所が多数見られるのに対し、本実施形態に係る表示板1では、このような不良個所をごく僅かにできることが確認された。
【0067】
また、比較例としての表示板では、保護シート16と基板12との間に残存した空気塊が熱膨張することにより、トナー層14を破損させてボイドとしての不良個所が発生してしまう。これに対し、本実施形態に係る表示板1では、このようなボイドによる不良個所は発生しないことが確認された。
【0068】
ここで、本実施形態に係るバックライト型表示板1の製造工程を簡単に説明する。はじめに、電子写真印刷機により、基板12にトナー粒子を転写する。次に、熱可塑性の接着樹脂が塗布された保護フィルム16を基板12のトナー側に載せて積層体を構成する。次に、ドライフィルムラミネータにて、ヒータ等により加熱された一対のロールで積層体の両面を挟んでプレスしつつ、当該ロールで積層体を加熱する。すると、トナー粒子が溶融して基板12に定着すると同時に、接着樹脂が軟化して不透光印刷部14aと透光印刷部14b、14cとの段差に流動する。すなわち、透光印刷部14b、14cと保護フィルム16との間の隙間に接着樹脂が流動して、隙間が接着樹脂により充填される。そして、接着樹脂は保護シート16およびトナー層14と密着して固化して、接着層15を形成する。
【0069】
(他の実施形態)
上記実施形態では、黒色トナーの転写ドラムが2本、赤色トナーの転写ドラムが1本、および白色トナーの転写ドラムが1本備えられた電子写真印刷機を用いてトナー層14を形成しているが、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック等のトナーを使ったフルカラー対応の電子写真印刷機を用いてトナー層14を形成してもよい。
【0070】
また、本発明に係る接着層15を形成する接着樹脂において、異種のオレフィン系樹脂同士をブレンドさせて接着樹脂を構成してもよいし、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などが50%を超えない範囲でオレフィン系樹脂にブレンドさせて接着樹脂を構成してもよい。これらのようにブレンドすることは、接着樹脂の粘度調整、密着性調整、吸湿、エア吸収特性の観点から適宜有効であった。さらに、同様の目的で、有機フィラー、無機フィラーなどをオレフィン系樹脂に適宜混合して接着樹脂を構成することも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るバックライト型表示板を表面側(車室内側)から見た正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2のバックライト型表示板の効果を説明する図である。
【符号の説明】
1…バックライト型表示板、12…基板、14…トナー層、
15…接着層、BL…光源。

Claims (9)

  1. トナーで印刷されたトナー層(14)を有する透光性の基板(12)と、
    透光性の接着樹脂からなる接着層(15)を介して前記基板(12)に所定温度で熱圧着され、前記トナー層(14)を覆う透光性の保護シート(16)とから構成され、
    前記基板(12)に対して視点の反対側に配置された光源(40)により、前記トナー層(14)による表示内容が透過照明されるようになっており、
    前記所定温度での前記接着樹脂の粘弾性が、前記所定温度での前記トナーの粘弾性より低くなるように、前記接着樹脂の材質が選定されていることを特徴とするバックライト型表示板。
  2. 前記所定温度を90℃以上としたことを特徴とする請求項1に記載のバックライト型表示板。
  3. 前記所定温度での前記接着樹脂の粘弾性が、10000Pa以上30000Pa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のバックライト型表示板。
  4. 前記接着樹脂には、オレフィン系樹脂が少なくとも含まれていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のバックライト型表示板。
  5. 前記オレフィン系樹脂には、酢酸ビニルが少なくとも含まれていることを特徴とする請求項4に記載のバックライト型表示板。
  6. 前記保護シート(16)および前記基板(12)を同一の材質で形成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のバックライト型表示板。
  7. 前記基板(12)の材質にポリエチレンテレフタレートを選定したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載のバックライト型表示板。
  8. 前記保護シート(16)および前記基板(12)の少なくとも一方には、前記トナー層(14)とは別の印刷が施されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載のバックライト型表示板。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載のバックライト型表示板(1)および前記光源(40)を備えることを特徴とするバックライト型表示装置。
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