JP2004218549A - ガスタービンプラント - Google Patents

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JP2004218549A JP2003007579A JP2003007579A JP2004218549A JP 2004218549 A JP2004218549 A JP 2004218549A JP 2003007579 A JP2003007579 A JP 2003007579A JP 2003007579 A JP2003007579 A JP 2003007579A JP 2004218549 A JP2004218549 A JP 2004218549A
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Masahiko Yamada
正彦 山田
Tsuneo Hijikata
常夫 土方
Yasunori Iwai
保憲 岩井
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Abstract

【課題】バイオマスを燃料として用い、そのバイオマスを完全燃焼させるとともに、完全燃焼させたバイオマスによる燃焼ガスの高温に対処させる燃焼器を備えたガスタービンプラントを提供する。
【解決手段】本発明によるガスタービンプラントは、バイオマスを燃料として用い、そのバイオマスを圧縮機1からの圧縮空気とともに燃焼器13に供給して燃焼ガスを生成し、生成した燃焼ガスをガスタービン28で膨張仕事をさせて動力を発生させるガスタービンプラントにおいて、前記圧縮機1からの燃焼用空気として用いる圧縮空気を前記ガスタービン28からの排ガスを加熱源として熱交換する再生器5を備えるとともに、前記燃焼器13の内壁を耐火物14で構成した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンプラントに係り、特に燃料としてバイオマス(生物資源)を使用し、そのバイオマスを燃焼させて燃焼ガスを生成し、生成した燃焼ガスに膨張仕事をさせるガスタービンプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電力生成分野には、地球温暖化防止のために、再生可能なエネルギの使用の増加が強く求められている。
【0003】
再生可能なエネルギのうち、バイオマスは、これまでエネルギ利用されずに焼却されたものであり、朽ちていた資源をエネルギとして利用でき、その分、化石燃料の消費を抑制できる代替エネルギとして有効な手段である。
【0004】
バイオマスを燃料として用いた代表的発電設備には、バイオマスをボイラで燃焼させ、その熱源を利用して蒸気を発生させ、発生させた蒸気を蒸気タービンに供給し、動力を得るものがある。
【0005】
しかし、発電設備に燃料として用いるバイオマスは、質量当りの発熱量が化石燃料より低く、密度も一般に低いため、同一の発熱量を得るためのかさが化石燃料よりかなり大きい。
【0006】
また、バイオマスは、各地に広く分布しているものの、化石燃料のように一個所から大量に得られることが少なく、収集および運搬に多くの費用がかかる特性がある。
【0007】
このため、大規模なバイオマス発電設備を作っても、広範囲な燃料供給面積を必要とし、運用費用が大きくなる。逆に、規模を小さくするとボイラ発電設備では効率が低下するので、やはり運用費用が大きくなる。
【0008】
また、最近では、ガス化したバイオマスをガスエンジンやガスタービンプラントの燃料とする発電方法が研究されている。
【0009】
しかし、バイオマスをガス化する場合、ガス化設備にコストがかかり、さらにガス化すると、その変換効率が発電効率に掛け合わされるため、高い効率が本質的に得られ難い。
【0010】
このように摸索の中、バイオマスを燃料として燃焼ガスを生成し、生成した燃焼ガスを直接、タービンに供給するバイオマス直接燃焼ガスタービンプラントが、例えば特表平7−508816号公報(特許公報1参照)に開示されている。
【0011】
バイオマスを燃料とするガスタービンプラントを設計する場合、バイオマスによる高温燃焼ガスに対処する燃焼器の設計、燃焼灰のタービン翼への付着防止、タービン翼への灰付着を防止するためのタービン入口燃焼ガス温度低減化に伴う発電効率の低下防止策、負荷消失時のガスタービンロータ(回転軸)のオーバスピード防止策などの解決策が一つの考え方として上述の特表平7−508816号公報に提案されている。
【0012】
【特許公報1】
特表平7−508816号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特表平7−508816号公報によれば、バイオマスによる高温燃焼ガスの対処策に燃焼用空気を予熱させることが示されており、実施例として燃焼室を耐火レンガで構成し、耐火レンガの周囲に燃焼用空気を流し、その熱交換で空気温度を上げることが示されている。
【0014】
燃焼器を耐火レンガで構成すると、その内面は高温になり、レンガからの放射熱により燃焼が促進される。
【0015】
また、耐火レンガの周囲に燃焼用空気を流すと、燃焼用空気の温度は高くなるものの、耐火レンガは熱伝導が低く、燃焼用空気との熱交換させるだけの熱貫流率を高めるために薄くせざるを得ず、耐火レンガの強度を考えると現実的でない。
【0016】
燃焼灰のタービン翼への付着防止のためにはタービン入口温度を低くすることが有効であることはこの特許でも示されているが、効率が低下する。そこでこの特許ではバイオマス燃料に添加剤を入れることを提案しており、その実施例として水酸化カルシウムの1%程度の混入を示している。
【0017】
しかし、バイオマス直接燃焼ガスタービンの燃料供給量は、多量であり、その1%の水酸化カルシウムを投入すると、その運転費用が高騰し、現実的でない。
【0018】
また、水酸化カルシウムを製造するために発生する二酸化炭素を考慮すると、バイオマス利用の意義が薄れる。
【0019】
添加剤なしにタービン入口燃焼ガス温度を下ると、発電効率は十数パーセント低くなり、木材の破砕などの補機動力を考慮すると、十パーセント前半の大変低い効率になる。
【0020】
また、上述の発明によれば、タービン翼への灰付着防止策として粉砕したアプリコットあるいはウォールナットの殻による洗浄が示されている。
【0021】
通常のガスタービンは吸い込み空気にこの種の殻を混ぜて圧縮機、燃焼器を通過してタービンまで達するが、バイオマスガスタービンの場合は燃焼器の下流に灰分離のための除塵装置があり、タービンまで達する事ができない。
【0022】
負荷消失時のガスタービンロータのオーバスピード防止策として、上述の発明によれば、燃焼室を減圧させる解放バルブを備えることが提案されている。具体的には、圧縮機の吐出空気流路に解放バルブが設けられている。
【0023】
しかし、このような手段では、実際の運転の場合、解放バルブを開くと、燃焼器内の高温燃焼ガスが逆流し、約三百数十℃の空気に対応した設計しかしていない圧縮機の吐出空気供給系統では対処できない。この位置で解放バルブを使用するには、燃焼器の外筒から解放バルブまでの間に介装した構成部品の耐高温化対策が必要とされ、その分コスト的に不利益になる。
【0024】
他方、この種の他の発明として、例えば国際出願特許WO 00/60225号公報が開示されている。
【0025】
この発明によれば、バイオマスの燃えるメカニズムが詳述されており、バイオマスの細胞内のゲルが高温燃焼ガス場で急激に蒸発し、細胞膜を破壊して粉々になり、非常に短い燃焼時間で燃焼することが記載されている。これを実現する手法として、この発明では、2次燃料での加熱やバイオマス粒子の燃焼が100ms以内になるよう燃焼室を構成すること、燃焼室を金属で作製し、耐火物を2mm以内の内貼あるいは耐火物なしの構成が提案されている。
【0026】
また、この発明によれば、構成と効果との因果関係が必ずしも充分に示されていないものの、再生器を備えることが提案されている。
【0027】
しかし、この発明が抱える問題点は、灰の粒子の大部分が1μm以下の粒径になると述べられている事にある。すなわち、木質燃料の組成分析をすると、燃焼ガスには約2パーセントの灰分が含まれており、燃焼すると、その灰分を捕集しないで下流側に流すと煤塵になる。
【0028】
簡単な燃料計算をすると、そのの濃度は1g/Nmにもなり、ガスタービンの排出基準である0.05g/Nmを遥かに上回る。
【0029】
このため、煤塵の捕集が必要とされるが、タービン入口側では高温であり、この高温に対処できる選択肢としてサイクロンセパレータしかない。
【0030】
このような事情から、上述の発明は、サイクロンセパレータを選択したと思われる。
【0031】
しかし、サイクロンセパレータは、一般に3〜5μm以上の粒径の粒子しか捕集できない。
【0032】
したがって、この発明ではほとんど全ての灰分が煤塵としてタービンを通過して出口に出てしまう。もっとも、ガスタービン出口で粒径3〜5μm以下の煤塵を捕集するには、電気集塵器やバグフィルタの使用も考えられるが、費用、圧力損失や保守性を考慮すると得策ではない。
【0033】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、バイオマスによる高温燃焼ガスに充分対処し得る燃焼器を備えたガスタービンプラントを提供することを目的とする。
【0034】
また、本発明による他の目的は、燃え難いバイオマスを確実に燃焼させ、かつ適正なバイオマスの大きさにし、構成機器の大きさや重量の無駄を排除するガスタービンプラントを提供することにある。
【0035】
また、本発明による他の目的は、バイオマスからより多くのエネルギを取り出して動力発生源とするガスタービンプラントを提供することにある。
【0036】
また、本発明による他の目的は、バイオマスを燃焼させたときに発生する排ガス中の煤塵をより少なくさせたガスタービンプラントを提供することにある。
【0037】
また、本発明による他の目的は、バイオマスによる高温燃焼ガスに対し、ガスタービンに耐久性を持たせて寿命を長くするガスタービンプラントを提供することにある。
【0038】
また、本発明による他の目的は、バイオマスを負荷に対応して高い燃焼効率で確実に燃焼させるガスタービンプラントを提供することにある。
【0039】
また、本発明による他の目的は、再生可能エネルギではない化石燃料である補助燃料の使用量を削減してバイオマス燃料を確実に燃焼させることにある。
【0040】
また、本発明による他の目的は、バイオマスによる燃焼ガス中に含まれる窒素酸化物の濃度を低減させるガスタービンプラントを提供することにある。
【0041】
また、本発明による他の目的は、自己着火しやすいバイオマスを燃焼器に供給する前に着火させることなく、燃焼器内で確実に着火させるガスタービンプラントを提供することにある。
【0042】
また、本発明による他の目的は、バイオマス燃焼後に生成される灰分がタービン翼等の構成部品に汚れを与えないようにするガスタービンプラントを提供することにある。
【0043】
また、本発明による他の目的は、例えバイオマス燃料の灰分によってタービンに汚れが付着しても、この汚れを除く方法を提供することにある。
【0044】
また、本発明による他の目的は、バイオマスを燃料として使用とき、二酸化炭素の濃度を表示できるようにしたガスタービンプラントを提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は燃焼器の内壁を耐火材で構成し、更に燃焼用空気をガスタービンの排ガスと熱交換する再生器で加熱する。こうする事により、金属製の燃焼器では到底耐える事のできない燃焼温度の高いバイオマス燃料を予熱空気と耐火材のからの放射熱で確実に燃焼させることができ、更に、灰分のタービン翼への付着を防止するために燃焼温度を低く下げざるを得ないが、これによる発電効率の低下という致命的な欠点を再生サイクルで高効率に保持できる。
【0046】
また、本発明で重要な科学的根拠として、煤塵を環境規制に適合するレベルまでサイクロンで捕集するためには、燃焼器内に燃焼ガスを一定時間保持し、灰分が互いに衝突し、成長させる必要があり、これを達成するには壁面温度を高く保持しなければ燃焼ガス温度が低下してしまう。そのために燃焼器を耐火物で構成する事が不可欠である。つまり、耐火物を用いた燃焼器と再生器は、単なる技術の組み合わせでは無く、バイオマスを燃料としてガスタービンを駆動し、環境規制を満足させ、高い発電効率を保持するためにはどちらも不可欠な発明の要素である。
【0047】
請求項2に記載の発明は、燃焼器の中間に少なくとも一つの絞り部を設け、その最下流の絞り部の上流側全体への空気流路と前記最下流絞り部の下流側への空気流路の流量配分を任意に制御できる機構を設けた請求項1のガスタービンで、更に請求項3に記載の発明は負荷に対して燃料流量を制御するのに対応して、前記絞り部上部の空気流量も概ね比例するよう、前記流量配分制御弁を制御する請求項2のガスタービンである。
【0048】
この構成にしてこのように弁を操作することで燃焼領域と希釈領域に配分される空気配分を変化させて、燃焼領域の燃焼温度をどの負荷に対してもいつも最適化して高い燃焼性を保持できる。
【0049】
請求項4から7に記載の発明は、ある一定の負荷まではバイオマス以外の液体もしくはガス状の燃料で助燃し、ある負荷を超えたとき、助燃燃料を切り、負荷を下げるときはある一定の負荷以上ではバイオマス燃料単独で燃焼し、ある負荷を下回ったとき、液体もしくはガス状の燃料での助燃を開始し、それぞれの切替負荷を燃焼用空気温度、燃焼空気圧力、燃焼器内壁温度、燃料含有湿分、バイオ燃料種別の内の一つもしくは複数を独立変数とする関数として与える制御をする請求項1のガスタービンである。
【0050】
これは、請求項1に示すように燃焼器内壁を耐火材にしてその放射と、再生器で予熱した空気でバイオマス燃料は助燃無しで燃焼できるようになり、再生可能エネルギでない助燃燃料の使用を削減する事ができる。
【0051】
本発明の組合せでなく、耐火材からの放射だけ、もしくは再生器からの予熱だけでも助燃無しで燃焼が可能であったが、急に負荷を下げる事が必要なときにバイオマス燃料を急に絞ると火が消える恐れがあった。しかし、本発明の請求項1の構成にすると、再熱器の熱容量のために急に負荷を絞っても燃焼用空気の温度はしばらく高く保持される。また、耐火壁の熱容量によりしばらく壁の温度も高い。その間に助燃燃料系の立ち上げが可能で火が消える事がない。つまり、請求項1で示されている耐火壁と再生器を具備していることが、助燃燃料を切っても安定燃焼し、更に急な負荷変動に対応するために不可欠な条件となっている。
【0052】
また、バイオマスの燃焼性に影響のある因子は燃焼用空気温度、燃焼空気圧力、燃焼器内壁温度、燃料含有湿分、バイオ燃料種別であることが調査の結果分かったため、これらの少なくとも一つを切替負荷を決める関数とする。
【0053】
請求項8に記載の発明は、燃焼器内の平均滞留時間を0.2秒以上0.8秒以下にした請求項1のガスタービンで、前記請求項1で示した灰分の粒子の衝突によりサイクロンセパレータで除塵可能なサイズまで成長するのに必要な時間を実験的に求めた結果得られた滞留時間である。
【0054】
請求項9に記載の発明は、木屑などのバイオマス燃料を破砕するときの粒子の大きさの目安として、個々の粒子の最も薄い方向の厚みが1.5mm以下になる様にした燃料を用いる請求項1のガスタービンで、請求項1のように構成したバイオマス燃料用ガスタービンでも、燃料サイズが大きければ完全燃焼する滞留時間が長くなるので、その適したサイズを限定する発明である。
【0055】
サイズはバイオマスの粒子の温度上昇に影響され、温度が概ね300℃を超えると自己着火温度を超え、揮発分に着火する。
【0056】
粒子の内部の加熱は最も条件の悪く時間のかかる場合を想定すると、粒子内部へは熱伝導で熱が伝わる場合である。この場合でも、粒子表面からの揮発分には、熱伝導の時間スケールに比べてほとんど遅れ時間無しに着火して、粒子の外表面は1500℃程度になり、その芯へ熱伝熱する。
【0057】
粒子の形状で、伝熱時間に影響するのは、最も薄い方向の厚みである。つまり、粒子の形状の滞留時間に最も影響するのは、最も薄い方向の厚みである事が明らかとなった。
【0058】
更に、バイオマスの例として木材に関して典型的な温度伝導率を用いて非定常熱伝導計算をした。図2にその結果を示す。横軸は木屑の厚みで、縦軸は木屑の中心が300℃になる時間を表す。厚さ1.5mmのとき、約0.6秒で芯の温度が300℃を超え、請求項8に示す滞留時間0.8秒とほぼ同レベルの時間で加熱され得ることが分かる。
【0059】
これらの検討結果より、厚みが1.5mm以下であれば使用上充分な燃焼効率が得られる。これは、粒子のサイズが例え長い方向が10mmを超えるようなものであっても、最も薄い方向が1.5mm以下であれば燃料となり得ることを示しており、木材などのバイオマス燃料は繊維に対して直角方向に切るより平行方向に切る方が小さな力ですむ。粉砕方法をこれに適した物を選ぶことで動力の節約になり、発電端効率を高める事になる。
【0060】
請求項10に記載の発明は、燃焼器内2箇所に絞り部を設け、再生器からの高圧空気空気を、絞り部の最上流と中間部の比は固定した配分で供給し、最下流部だけ空気配分を変える弁を持つ請求項2のガスタービンで、前記請求項2に示すガスタービンよりさらに形状を限定している。
【0061】
バイオマス燃料は最上流に供給され、そこで燃焼用空気の一部と、酸素の不足した燃料過濃燃焼をして絞り部を通過し、次の燃焼用空気と混合し完全燃焼する。更に最後の絞り部を通過して希釈空気と混合してサイクロンセパレータ入口温度になる。
【0062】
こうすることで、バイオマス燃料に含まれる窒素化合物の酸化反応が緩やかになり、前記燃料過濃燃焼で発生したアンモニアやシアンが、同じく前記燃料過濃燃焼で発生した一酸化窒素と反応して窒素分子になり、この方法を取らない場合より窒素酸化物の発生量が低下する。
【0063】
しかし、バイオマス燃料流量が負荷変化により減少したとき、燃焼域で適性な空気量が供給されないと燃料過濃条件や完全燃焼条件が成立しない。そこで各燃焼室への空気配分の制御が必要になるが、燃料過濃条件に必要な燃空比と、完全燃焼に必要な燃空比は概ね決まっており、それぞれの燃空比の比が空気配分比となるのでこれも固定される。そこで、本発明では、最上流部と中間部への供給空気比を固定し、制御を簡素化する事ができる。
【0064】
請求項11に記載の発明は、圧縮機吐出空気を分岐し、一方は再生器へ、もう一方は大気と熱交換して冷却し、粉体燃料搬送用空気とバイオマス燃料昇圧容器供給空気の両方もしくは一方に用いた請求項1のガスタービンで、木材の自然発火を抑制する発明である。
【0065】
乾燥した木材の自己着火温度は木材の種類などの幅があるが、例えば松材で228℃〜264℃と言われており、一方、ガスタービン圧縮機吐出温度は二百数十℃〜三百数十℃である。再生器を通過すると約400℃〜約600℃程度になるため、再生器で加熱された空気を搬送用もしくは燃料昇圧容器供給空気として用いると自然発火する危険性があるので再生器供給前の空気を分岐して用いる。
【0066】
それでも自然発火温度より高い場合があるので冷却する必要がある。しかし、この冷却の温度低下分は高々100℃であり、量的にも少ないので、別系統の冷媒との熱交換をしなくても、大気との自然対流冷却もしくはファンを設けた強制対流冷却で充分まかなえる。
【0067】
請求項12に記載の発明は、燃焼器からタービン入口の間に分岐を設け、分岐した支流に弁を設け、その先を大気に開放した請求項1のガスタービンで、負荷消失時に過回転になることの防止策として燃焼室を減圧させる解放バルブの位置を限定しており、放出されるガスはこの場合燃焼ガスになるが、その部分は燃焼ガスが通過することを想定して設計されており、何ら問題はない。
【0068】
請求項13に記載の発明は、木屑などのバイオマス燃料を燃焼させた燃焼ガスでタービンを駆動するガスタービンにおいて、灰分を分離するサイクロンセパレータを具備し、圧縮機吐出部とタービン入口部を連通する流路を設け、その間に弁もしくは着脱可能な仕切りを設けたガスタービンで、前記弁もしくは仕切りはガスタービンの洗浄運転の時に用いる。
【0069】
通常の運転時はこの弁は閉めきっており、仕切りの場合は取りつけて連通しないようにしておき、ガスタービンが汚れのために効率が低下してきたときに、停止状態でこの弁を開放、もしくは仕切りを取り外す。そして起動モーターでガスタービンを回し、燃料は投入しないでおき、圧縮機の空気取り入れ口からアプリコットまたはウォールナットの殻を空気流に乗せて流し込む、これらの殻はガスタービンの金属の部品より柔らかいので部品を傷つけないが、圧縮機翼やタービン翼に堆積した汚れと高速度で衝突し、汚れを削り空気流に乗せて殻と伴に排出される。
【0070】
この発明の連通流路がないと圧縮機から混入した殻が燃焼器に流入し、サイクロンセパレータで捕集され、タービン翼まで達する事ができない。バイオマス燃料の灰分等で汚れたタービン翼の洗浄のためにはこの連通する流路が必要であり、通常運転時には連通を塞ぐ必要があるので弁もしくは着脱可能な仕切りが必要となる。
【0071】
請求項14に記載の発明は、発電出力から燃料消費量を概略計算してそこから求められる二酸化炭素削減量を表示する発電装置である。
【0072】
バイオマスの利用は、地球温暖化防止の目的である事が多く、その関心はその運転によりどれだけの削減効果があったかであり、その場で表示する要求は大きい。そこで、予め単位電力量を従来の燃料で発電した場合の二酸化炭素発生量を求めておき、発電した電力量にその量を掛けることで容易にその表示が可能である。表示は単位時間当たりの削減量でも、これまでその装置で削減した累積量でも良い。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるガスタービンプラントの実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0074】
図1は、本発明によるガスタービンプラントの第1実施形態を示す概略系統図である。
【0075】
圧縮機1で大気2から吸引した空気は、ここで圧縮されて圧縮空気3となる。この圧縮空気3の大部分は、燃焼用空気4となり再生器5を通過して高温燃焼用空気6になる。
【0076】
この高温燃焼用空気6のうち、一部が補助燃料用空気調整弁7を通って補助燃焼用空気8になり、別の一部が燃料過濃燃焼用空気9になり、さらに別の一部が燃料希薄燃焼用空気10になり、残りが希釈空気調整弁11を通って希釈空気12になってそれぞれ燃焼器13に供給される。
【0077】
燃焼器13は、例えば東芝セラミックス製の商品名でTOCAST等の耐火材14で構成され、最上流側に補助燃焼用燃焼器15を、その下流側に燃料過濃燃焼室16、第1絞り部17、燃料希薄燃焼室18、第2絞り部19、希釈室20を順次直列に配置し、それぞれの供給空気を連通させる構成になっている。これらは燃料過濃燃焼室16にバイオマス燃料が供給され、第2絞り部19に達するまでの、供給空気の流量配分、室内のガス温度、圧力から算出される滞溜時間がどんな運転でも0.2秒から0.8秒になるように容積が設定されている。
【0078】
希釈室20は、その底部から灰の一部と起動時のドレンを排出させる排出弁22と、外部に排出させる排出系23とを備えている。また、希釈室20は、燃焼ガスをインコネル等の耐熱合金製のサイクロンセパレータ24に供給する燃焼ガス系21を備えている。なお、燃料ガス系21は、分岐系32を備え、この分岐系32に高温用解放弁31を介装させて、その先端を大気に開放させている。
【0079】
サイクロンセパレータ24は、燃焼器13の希釈室20から燃焼ガス系21を通して供給される燃焼ガスのうち、灰分を分離し、分離した灰分を灰分排出弁25を通して系外系26に排出する。
【0080】
サイクロンセパレータ24で取り残された微少で、かつ微細な灰分は、燃焼ガスとともに燃焼ガス供給配管27を通してタービン28に供給され、ここで膨張仕事をした後、再生器5の熱源として供給され、圧縮機1からの燃焼用空気4と熱交換して加熱させた後、大気放出系30から大気に放出される。
【0081】
タービン28は、燃焼ガスに膨張仕事をさせ、その際に発生する動力(回転トルク)で圧縮機1を駆動するとともに、残りの動力で発電機29を駆動し、電力を発生させる。
【0082】
ところで、本発明によるガスタービンプラントは、燃料として用いるバイオマスを粉砕するが、その際、バイオマスの粒子の大きさを、その薄い方向の厚みが1.5mm以下にして燃料容器40に蓄えている。そして、燃料容器40に蓄えられるバイオマスは、モータ41で駆動する搬送機42で搬送され、燃料入口弁43を通して昇圧用燃料容器44に供給される。そのとき、昇圧用燃料容器44は、出口側に設けた連絡弁45を閉じている。
【0083】
昇圧用燃料容器44は、バイオマスが満杯になると、モータ41を停止させ、燃料入口弁43を閉じる。
【0084】
一方、昇圧用燃料容器44は、連絡弁45を介装させて高圧燃料容器46に接続する。この高圧燃料容器46は、出口側に燃料回転供給装置47を備え、燃料回転供給装置47を回転させることによりバイオマス燃料供給系57を通して燃焼器13の燃料過濃燃焼室16に粒状のバイオマスが供給される。
【0085】
その際、バイオマス燃料供給系57には、圧縮機1からの圧縮空気がユーティリティ用空気48として第1分岐空気供給管34および調整弁53を備えた第3分岐空気供給管54を介して供給される。また、ユーティリティ用空気48は、第1分岐空気供給管34から分岐し、圧力調整弁56を備えた第2分岐空気供給管55を通して昇圧用燃料容器44に供給される。
【0086】
第1分岐空気供給管34は、ファン50で吸込んだ空気でユーティリティ用空気48を強制対流冷却させる空冷熱交換器49と、ユーティリティ用空気48の圧力損失分を補って昇圧させるブースタ圧縮機51を備えている。なお、ブースタ圧縮機51は、モータ52で駆動される。
【0087】
他方、燃焼室13の頭部側に設けた補助燃料用燃焼器15は、起動から中間負荷まで用いるもので、例えば灯油等の補助燃料が使用される。
【0088】
そして、補助燃料用燃焼器15は、灯油等の燃料を蓄える燃料タンク60、燃料を昇圧する燃料ボンプ61、流量を調整する流量調整弁62を備えるとともに、燃料ポンプ61からの燃料が過分のときに燃料タンク60側に戻すリリーフ弁63を備える。
【0089】
圧縮機1の出口には、タービン28の入口と接続するタービン入口弁33を備えている。このタービン入口弁33は、ガスタービンが運転されていないとき、開放して、起動モータ(図示せず)によって圧縮機1とタービン28を回転させ、圧縮機1で吸込む大気2にアプリコットやウォールナット等の殻を混入させ、タービン28に収容するタービン翼(図示せず)に付着した灰等の不純物を除去できる構成になっている。
【0090】
また、圧縮機1は、発電機29を備え、この発電機29の発電出力を電力量計70で検出し、検出した発電出力から燃料消費量を算出し、算出した燃料消費量から二酸化炭素濃度を求めて表示する表示装置71を備えている。
【0091】
本発明によるガスタービンプラントは、上述に示す構成を備えることによって以下に示す作用効果を奏する。
【0092】
先ず、燃焼器13は、耐火材14で製作しているので、バイオマスの高い燃焼温度に対しても充分な耐久性がある。
【0093】
また、耐火材14の内面は高温になっているので、バイオマスの熱を放熱させることもなく、バイオマスの燃焼を促進させる。
【0094】
そして、バイオマスの細胞中の液体成分が沸騰することによる細胞膜破壊によって生じるサブミクロンの灰が熱を失わないまま燃料過濃燃焼室16から第2絞り部19までに0.2秒から0.8秒の滞溜時間保持されるので、灰同士の衝突により灰の粒径が成長し、5マイクロメートル以上になる。
【0095】
灰がこのように大きくなると、サイクロンセパレータ24で捕集が充分可能になり、大部分の灰を除去することができる。さらに、タービン28の出口側は再生器5を備えたので、高温燃焼用空気6の温度が五百数十℃になり、バイオマスの燃焼をより一層促進させる。
【0096】
また、再生器5を備えて高温燃焼用空気6の再生を行うので、タービン28の入口燃焼ガス温度950°以下であっても高い発電効率を維持することができ、同一量のバイオマスからより多くの動力が得られ、二酸化炭素削減に貢献する。
【0097】
このとき、供給されるバイオマスは、最も薄い方向の厚みが1.5mm以下に粉砕されているので、燃焼器13の燃料過濃燃焼室16、燃料希薄燃焼室18内に滞溜する0.8秒の間に完全燃焼する。
【0098】
一方、燃焼器13には、入口側から出口側に向って順次、燃料過濃燃焼室16、第1絞り部17、燃料希薄燃焼室18、第2絞り部19、希釈室20が設けられる。この第2絞り部19と希釈部20のそれぞれに供給される希釈空気12は、希釈空気調整弁11の開閉制御により燃料過濃燃焼用空気9および燃料希薄燃焼用空気10との配分が調整される。すなわち、負荷が高く燃料供給量が多いとき、希釈空気調整弁11が絞られ、燃料過濃燃料用空気9および燃料希薄燃焼用空気10が増加する。逆に、負荷が低く燃料供給量が少なくなるとき、希釈空気調整弁11が開口され、燃料過濃燃焼用空気9および燃料希薄燃焼用空気10が減少する。
【0099】
したがって、燃料供給量と燃焼用空気量とが概ね比例関係を持たせて制御されるので、バイオマスの燃焼温度がほぼ一定に維持され、安定した燃焼ガスを生成することができる。
【0100】
さらに、第1絞り部17の上流側の燃料過濃燃焼室16には、供給されるバイオマスに対し、必要な空気の0.7倍の空気を燃料過濃燃焼用空気9として供給される。また、その下流側の燃料希薄燃焼室18には、必要な空気の0.55倍の空気を燃料希薄燃焼用空気10として供給される。
【0101】
したがって、燃料過濃燃焼室16では空気過剰率0.7(当量比1.4)として、また、燃料希薄燃焼室18では空気過剰率1.25(当量比0.8)としてバイオマスを燃焼させることができる。燃料供給量が変化しても希釈空気調整弁11の開閉制御で、各燃焼室16,18の空気過剰率を一定に維持させることができる。
【0102】
なお、各燃焼室16,18の空気過剰率を一定に維持させることにより、バイオマス中に含まれる窒素化合物は燃料過濃燃焼室16で一部が一酸化窒素に、また一部がアンモニアとシアンになる。さらに、燃料希薄燃焼室18では、一酸化窒素とアンモニア、あるいは一酸化窒素とシアンが化合して窒素になる。したがって、窒素酸化物の発生が抑制される。
【0103】
ユーティリティ用空気48は、圧縮機1の圧縮空気3から分流されるので、温度が二百数十℃になる。しかし、ユーティリティ用空気48は空冷燃焼器49のファン50で強制対流冷却させるので、容易に約200℃程度に冷却することができる。この場合、ユーティリティ用空気48の圧力損失分は、ブースト圧縮機51で圧縮比を1.2程度にするので、温度上昇があまりない。このため、ユーティリティ用空気48を第3分岐空気供給管54を介して燃料回転供給装置47に供給しても、また第2分岐空気供給管55を介して昇圧用燃料容器44に供給しても、例えば木材等のバイオマスの自己発火温度である二百数十℃より低く抑えているので、着火することがなく、安全に運転を行うことができる。
【0104】
ところで、電力系統が何らかの事情で負荷消失が発生した場合、ガスタービンはオーバスピードになる。
【0105】
しかし、この場合、燃料ガス系21から分岐する分岐系32の高温用解放弁31を開口させ、高温の燃焼ガスを大気に放出させるので、ガスタービンのオーバスピードを容易に防止することができる。弁がサイクロンセパレータ24の入口を分岐した部分にあるため、高温ガスが流れる部分であり、高温配管系統の仕様そのままで使用できる。
【0106】
圧縮機1の出口側とタービン28の入口側とはタービン入口弁33に介装させて接続しているので、負荷運転でないとき、タービン入口弁33を開口し、圧縮機1側からアプリコットやウォールナット等の殻を投入すれば、タービン28に付着した灰分を容易に除去することができる。
【0107】
また、発電機29に電力量計70を設け、この電力量計70から検出した発電量を基にバイオマスの消費量を算出し、算出したバイオマスの消費量から二酸化炭素濃度を求めて表示装置71に表示するので、二酸化炭素濃度を容易に目視確認することができる。
【0108】
図3は、本発明によるガスタービンプラントの第2実施形態を示す概略系統図である。なお、図1と同一対象部分には同一符号を付し、その重複説明を省略する。
【0109】
本実施形態は、起動から定格運転まで、あるいは負荷降下運転のとき、燃料の燃焼性の安定化を図ったもので、再生器5からの高温燃焼用空気6を燃焼器13に供給する高温燃焼用空気供給系6に燃焼用空気温度計81と燃焼用空気圧力計82とを備えている。
【0110】
また、燃焼器13には、耐火材14の内壁温度を検出する燃焼器内壁温度計83が設けられている。
【0111】
また、燃料容器40には、バイオマスの湿分を検出する燃料湿度計84が設けられている。
【0112】
一方、燃焼用空気温度計81、燃焼用空気圧力計82、燃焼器内壁温度計83、燃焼湿度計84のそれぞれから検出された信号を基に演算する制御装置80は、これらの信号のほかに、例えば松や杉等のバイオマスの種別の情報を出力する燃料種別情報部85からの信号と、発電機29の出力を検出する電力量計70からの信号とを受けており、演算結果を高圧燃料容器46の燃料回転供給装置47に駆動力信号として、また補助燃料用燃焼器15の流量調整弁62および補助燃料用空気調整弁7の弁開閉信号としてそれぞれ与える構成になっている。
【0113】
他方、ガスタービンは、着火から負荷上昇まで、補助燃料用燃焼器15で燃焼ガスを生成し、この間、燃料タンク60から例えば灯油等の燃料が供給され、中間負荷で灯油等とバイオマスとの混燃焼を行っている。
【0114】
負荷が高くなると、再生器5から供給される高温燃焼用空気6の温度と圧力が高くなる。また、燃焼器13の耐火材14の内壁温度も高くなり、バイオマスの燃焼安定性が増してくる。
【0115】
しかし、バイオマスの燃焼性は、上述の温度、圧力のほかに、燃料の湿分や燃料の種別にも影響される。
【0116】
このため、制御装置80は、燃焼用空気温度計81からの検出信号、燃焼用空気圧力計82からの検出信号、燃焼器内壁温度計83からの検出信号、燃料湿度計84からの検出信号、電力量計70からの検出信号のそれぞれに燃料種別情報部85からのデータベースを照合し、得られた基準と比較し、バイオマス単独燃焼が可能と判断された場合、流量調整弁62に閉止信号を与えるとともに、燃料回転供給装置47に燃料増量駆動信号を与える。
【0117】
バイオマス単独燃焼中、例えばガスタービンに負荷降下指令があった場合、制御装置80は、燃料回転供給装置47にバイオマス供給量低減信号を与えて燃焼器13へのバイオマスの供給量を低減させる。
【0118】
この間、燃焼器13を耐火材で構成し、再生器5を備えているため、これらの熱容量のため、数十秒間バイオマス燃料を低減直後も燃焼用空気温度と燃焼器内壁温度がしばらく高い温度を保持しており、通常では燃焼性が悪くなる条件でも燃焼が維持される。この数十秒間の間に灯油燃料系を立ち上げ、燃料タンク60から灯油等の燃料が補助燃料用燃焼器15に供給される。
【0119】
このように、本実施形態は、起動運転から定格運転まで、あるいは負荷降下運転時、灯油等とバイオマスとの二種類の燃料を巧みに使い分けて燃焼ガス生成の燃焼性の安定化を図る手段を備えているので、ガスタービンに安定した運転を行うことができる。
【0120】
また、本実施形態は、ガスタービンプラントの運転状態のほとんどを占める定格運転においてバイオマス単独燃焼が達成できるので、灯油等の燃料が少なくなり、その分、二酸化炭素の発生を低く抑えることができる。
【0121】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明によるガスタービンプラントによれば、圧縮機からの燃焼用空気として用いる圧縮空気をより一層高温にして燃焼器に供給する再生器を備えるとともに、燃焼器をより一層高温の燃焼ガスに対処できる耐火物で構成したので、より一層高温の圧縮空気と耐火物からの熱とで燃料として使用するバイオマスを確実に燃焼させることができる。
【0122】
また、本発明におけるガスタービンプラントによれば、再生器の働きにより、生成時の燃焼ガス温度を低くして灰分のタービン翼への付着を防止しても発電効率を高く維持させたまま運転を行うことができる。
【0123】
また、本発明におけるガスタービンプラントによれば、燃焼器内で滞留時間を適正に維持できるので灰の粒子がサイクロンセパレータで捕集できるまで成長し、排出される煤塵濃度を低くする事ができる。
【0124】
また、本発明によるガスタービンプラントによれば、バイオマスを燃焼させる燃焼器とバイオマス以外の燃料、例えば灯油等を燃焼させる補助燃料用燃焼器と備えるとともに、各燃焼器に供給するより一層高温化させた燃焼用空気としての圧縮空気を調整する手段を備え、運転状態に応じて各燃料および燃焼用空気を適正に調整するので、各運転に見合う適正な燃焼ガスの生成の下、ガスタービンに安定な運転を行わせることができ、更に再生可能でない二酸化炭素の発生を抑制する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガスタービンプラントの第1実施形態を示す概略系統図。
【図2】燃料として使用するバイオマスのうち、木屑を例に採った場合の木屑の中心が温度300℃になるまでの時間を示す木屑厚み分布線図。
【図3】本発明によるガスタービンプラントの第2実施形態を示す概略系統図。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 大気
3 圧縮空気
4 燃焼用空気
5 再生器
6 高温燃焼用空気
7 補助燃焼用空気調整弁
8 補助燃焼用空気
9 燃料過濃燃焼用空気
10 燃料希薄燃焼用空気
11 希釈空気調整弁
12 希釈空気
13 燃焼器
14 耐火材
15 補助燃料用燃焼器
16 燃料過濃燃焼室
17 第1絞り部
18 燃料希薄燃焼室
19 第2絞り部
20 希釈室
21 燃焼ガス系
22 排出弁
23 排出系
24 サイクロンセパレータ
25 灰分排出弁
26 灰分排出系
27 燃焼ガス供給配管
28 タービン
29 発電機
30 大気放出系
31 高温用解放弁
32 分岐系
33 タービン入口弁
34 第1分岐空気供給管
40 燃焼容器
41 モータ
42 搬送機
43 燃料入口弁
44 昇圧用燃料容器
45 連絡弁
46 高圧燃料容器
47 燃料回転供給装置
48 ユーティリティ用空気
49 空冷熱交換器
50 ファン
51 ブースタ圧縮機
52 モータ
53 調整弁
54 第3分岐空気供給管
55 第2分岐空気供給管
56 圧力調整弁
57 バイオマス燃料供給系
60 燃料タンク
61 燃料ポンプ
62 流量調整弁
63 リリーフ弁
70 電力量計
71 表示装置
80 制御装置
81 燃焼用空気温度計
82 燃焼用空気圧力計
83 燃焼器内壁温度計
84 燃料温度計
85 燃料種別情報部

Claims (14)

  1. バイオマスを燃料として用い、そのバイオマスを圧縮機からの圧縮空気とともに燃焼器に供給して燃焼ガスを生成し、生成した燃焼ガスをタービンで膨張仕事をさせて動力を発生させるガスタービンプラントにおいて、前記圧縮機からの燃焼用空気として用いる圧縮空気を前記ガスタービンからの排ガスを加熱源として熱交換する再生器を備えるとともに、前記燃焼器の内壁を耐火物で構成したことを特徴とするガスタービンプラント。
  2. 燃焼器は、少なくとも一つ以上の絞り部を備える一方、その最下流の絞り部を基点として上流側の空気量と下流側の空気量との流量配分を可変に制御する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
  3. 燃焼器は、負荷に対して燃料流量を制御するのに対応して、前記絞り部上部の空気流量も概ね比例するよう、前記流量配分制御弁を制御することを特徴とする請求項2のガスタービンプラント。
  4. 燃焼器は、ガスタービンが予め定められた負荷になるまでバイオマス以外の燃料を助燃させ、ガスタービンが予め定められた負荷になったとき、助燃燃料を遮断する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
  5. 燃焼器は、ガスタービンが予め定められた負荷以上のとき、燃料としてバイオマスを単独で使用し、ガスタービンが予め定められた負荷よりも低下したとき、前記バイオマス以外の燃料を助燃させる手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
  6. 助燃燃料を遮断する制御は、燃焼用空気の温度、燃焼用空気の圧力、燃焼器の内壁温度、燃料含有湿分、バイオマスの種別のうち、少なくとも一つ以上の独立変数を関数として用いることを特徴とする請求項4記載のガスタービンプラント。
  7. 助燃燃料の投入を開始させる制御は、燃焼用空気の温度、燃焼用空気の圧力、燃焼器の内壁温度、燃料含有湿分、バイオマスの種別のうち、少なくとも一つ以上の独立変数を関数として用いることを特徴とする請求項5記載のガスタービンプラント。
  8. 燃焼器は、バイオマスの平均滞溜時間を0.2秒以上、0.8秒以下に設定したことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
  9. バイオマスは、破砕するときの粒子の大きさを、その薄い方向の厚みが1.5mm以下に設定したことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
  10. 燃焼器は、二つの絞り部を備える一方、再生器から供給される圧縮空気のうち、前記絞り部の最上流側と中間部との比を予め定められた固定配分で前記圧縮空気を供給するとともに、前記絞り部の最下流側に供給する圧縮空気の配分を可変にする手段を備えたことを特徴とする請求項2記載のガスタービンプラント。
  11. 圧縮機は、吐出される圧縮空気を分流し、一方を再生器へ、残りの一方を大気と熱交換して冷却し、粉体燃料搬送用空気とバイオマスの燃料昇圧容器供給空気とのうち、少なくともいずれか一方に供給する構成にしたことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
  12. 燃焼器は、タービン入口側との間に分岐管を設けるとともに分岐管の支流側に弁を設け、その下流側を大気に開放させる構成にしたことを特徴とする請求項1記載のガスタービンプラント。
  13. 木屑などのバイオマス燃料を燃焼させた燃焼ガスでタービンを駆動するガスタービンにおいて、燃焼器とタービンの間に灰分を分離するサイクロンセパレータを具備したもので、圧縮機吐出部とタービン入口部を連通する流路を設け、その間に弁もしくは着脱可能な仕切りを設けたことを特徴とするガスタービンプラント。
  14. ガスタービンは、発電機を備えるとともに、前記発電機の発電出力から燃料消費量を算出し、算出した燃料消費量から二酸化炭素濃度を求めて表示する表示装置を備えたことを特徴とするガスタービンプラント。
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