JP2004218468A - エンジンのオイル供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オイル供給装置1において、機械式オイルポンプ2から吐出されるオイルを移送する第1オイル通路21と、電動式オイルポンプ3から吐出されるオイルを移送する第2オイル通路22とは、各々の下流側開口端にあたる部位(接続点)Pで集合通路23に接続される。第2オイル通路22の第2オイルポンプ3下流には、第2オイルポンプ3から接続点Pに向かうオイルの流れを許容する一方、その逆流を規制する逆止弁22aが設けられている。第2オイル通路22におけるオイルポンプ3及び逆止弁22a間の所定部位(接続点)Rには、分岐通路25が接続されている。分岐通路25は、エンジンの構成要素13にオイルを移送するための通路であり、その通路途中にオリフィス25aを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの各種構成要素にオイルを供給するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に内燃機関には、例えばバルブタイミング可変機構(吸排気バルブの動作特性を可変制御する機構)等に作動用のオイルを供給したり、クランクシャフトに駆動連結するタイミングチェーンや、機関燃焼室を構成するシリンダ及びピストン間の摺接部位等に潤滑用のオイルを供給するためのオイル供給装置が搭載される。
【0003】
従来、この種のオイル供給装置として、クランクシャフトの回転力を利用して駆動される機械式オイルポンプと、機械式オイルポンプとは独立に電子制御装置等の指令に基づいて駆動される電動式オイルポンプとを併せ備えた装置が知られている。このような装置構成では、2種のオイルポンプを適宜使い分けることにより、エンジンの各種構成要素にオイルを供給する(特許文献1)。
【0004】
ここで、機械式オイルポンプは、クランクシャフトの回転力を利用して駆動されるため、その使用条件がエンジンの回転数がある程度高くなっている場合に限定されるが、比較的多量の(高圧の)オイルを効率的に供給することができる。一方、電動式オイルポンプは、エネルギーの変換効率の観点から機械式オイルポンプに劣るものの、エンジンの運転状態に関わらず所望の時期にオイル供給を行うことができる。このため、上記2種のオイルポンプを備えた装置構成を活用し、例えば、エンジンの回転数が極めて低い領域等、機械式オイルポンプによるオイルの供給能力が不足する条件下でのみ、電動式オイルポンプを駆動する制御を行えば、エンジンの運転状態に関わらず、エンジンの各種構成要素に対し、効率的にオイルを供給することができる。
【0005】
【特許文献1】
実開平4−132414号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1に記載された装置も含め、2種のオイルポンプを備えたオイル供給装置では、各オイルポンプからエンジンの各種構成要素にオイルを移送する通路構造と、この通路構造を介して移送されるオイルの流路を適宜切り替えるための装置とが必要になる。
【0007】
例えば上記特許文献1に記載されたオイル供給装置は、オイルの流路を適宜切り替えるために、電子制御によって通路構造の所定部位を開閉し、オイル流路を切り替える構成を採用している。
【0008】
ところが、このような電子制御弁の採用は、装置構成の複雑化や製造コストの高騰を招くことになる。
【0009】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、装置構成の複雑化や製造コストの高騰を招くことなく、エンジンの各構成要素に対するオイル供給を、必要に応じて効率的に行える装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、(1)エンジンによって駆動される第1オイルポンプと電動式の第2オイルポンプとを備えて、エンジンを構成する要素にオイルを供給するオイル供給装置であって、前記第1オイルポンプから供給されるオイルを移送する第1オイル通路と、前記第1オイル通路の途中に設けられ前記第1オイルポンプから供給されるオイルの逆流を規制する第1逆止弁と、前記第2オイルポンプから供給されるオイルを移送する第2オイル通路と、前記第2オイル通路の途中に設けられ前記第2オイルポンプから供給されるオイルの逆流を規制する第2逆止弁と、前記第1オイル通路及び前記第2オイル通路が集合することによって形成され、前記第1オイル通路及び前記第2オイル通路を通じて供給されるオイルを、当該エンジンを構成する少なくとも一つの要素を駆動するオイルとして移送する集合通路と、前記第2オイルポンプ及び前記第2逆止弁の間で前記第2のオイル通路の途中から分岐し、前記第2オイル通路を通じて供給されるオイルを、当該エンジンを構成する少なくとも一つの要素を潤滑するオイルとして分岐通路と、を備えることを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、比較的多量(大きな圧力)の駆動用オイルを必要とする構成要素や、特定の条件下で比較的少量の潤滑用オイルを必要とする構成要素に対し、第1オイルポンプと第2オイルポンプの特性を効率良く活用してオイル供給を行うことができる。この結果、第1オイルポンプや第2オイルポンプに要求される吐出能力をより小さな値に設定できるようになる(各ポンプを小型化することができる)。
【0012】
また、オイルの流路構造が、第1オイルポンプによって供給されるオイルを主として利用するものと、第2オイルポンプによって供給されるオイルを主として利用するものとの間で切り替わる際、第2オイルポンプの下流に発生する過剰なオイル圧が発生しても、過剰なオイルが分岐通路を通じて逃げることになる。したがって、第2オイルポンプに過剰な負荷がかかることもない。
【0013】
さらに、このように状況に応じて適宜切り替わるオイルの流路構造を、例えば複数の電子制御弁を使用する複雑な構成や制御を伴うことなく、簡易且つ安価に構築することができる。
【0014】
(2)所定の条件下で、前記第2オイルポンプを逆転駆動する制御手段を備えることとしてもよい。
【0015】
(3)前記第2オイルポンプ内のオイル流路に空気が滞留していることに起因する現象を検出する検出手段を備えて、且つ、前記制御手段は、前記現象が検出された場合に前記第2オイルポンプを逆転駆動することとしてもよい。
【0016】
(4)また、前記第2オイル通路の前記第2オイルポンプ下流から分岐し、該第2オイル通路からオイルをリリーフするリリーフ通路を備えることとしてもよい。
【0017】
上記各構成によれば、空気の混入による第2オイルポンプの不具合を、効果的に防止又は解消することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を車載内燃機関のオイル供給装置に適用した第1の実施の形態について説明する。
【0019】
〔オイル供給装置の基本構成〕
図1には、本実施の形態にかかるオイル供給装置の概略構成を示す。同図1に示すように、オイル供給装置1は、図示しない車載内燃機関(以下、エンジンという)の出力によって駆動される機械式のオイルポンプ(第1オイルポンプ)2、電動モータによって駆動される電動式のオイルポンプ(第2オイルポンプ)3、オイルパン4から第1オイルポンプ2によって汲み上げられるオイルや同じくオイルパン4から第2オイルポンプ3によって汲み上げられるオイルをエンジンの各種構成要素11、12、13に移送するための各種通路、第2オイルポンプ3の動作状態を制御する電子制御装置(ECU)50等を備える。ECU50は、所定のドライバ回路(図示略)を通じて第2オイルポンプ3と電気的に接続されている。
【0020】
〔オイル供給の対象〕
概ね内燃機関(エンジン)の始動に伴って作動し、エンジンの運転中、比較的高い圧力の作動油の継続的な供給を要求する要素が、エンジンの構成要素11となり得る。本実施の形態では、油圧駆動されることにより、エンジンの吸排気バルブの動作特性(バルブタイミング)を連続的に変更することのできる機構として周知のバルブタイミング可変機構を、構成要素11として採用する。
【0021】
一方、エンジンの運転中、比較的低い圧力の潤滑油の継続的な供給を要求する要素が、エンジンの構成要素12、13となり得る。本実施の形態では、吸気カムシャフトや排気カムシャフトをエンジンのクランクシャフトに駆動連結するタイミングチェーンにオイル(潤滑油)を噴射供給する装置として周知のチェーンジェットを構成要素12として採用する。
【0022】
また、エンジンのピストンコンロッド等に設けられ燃焼室を構成するシリンダ及びピストン間の摺接部位にオイル(潤滑油)を噴射供給する装置として周知のオイルジェットを構成要素13として採用する。
【0023】
〔オイル通路構造〕
第1オイル通路21は、オイルパン4から第1オイルポンプ2によって汲み上げられるオイルを移送するための通路である。第2オイル通路22は、オイルパン4から第2オイルポンプ3によって汲み上げられるオイルを移送するための通路である。
【0024】
第1オイル通路21及び第2オイル通路22は、各々の下流側開口端にあたる部位(接続点)Pで集合通路23に接続される。第1オイル通路21の第1オイルポンプ2下流には、第1オイルポンプ2から接続点Pに向かうオイルの流れを許容する一方、その逆流を規制する逆止弁21aが設けられている。第2オイル通路22の第2オイルポンプ3下流には、第2オイルポンプ3から接続点Pに向かうオイルの流れを許容する一方、その逆流を規制する逆止弁22aが設けられている。
【0025】
集合通路23は、エンジンの構成要素11にオイルを移送するための通路である。集合通路23の所定部位(接続点)Qには、分岐通路24が接続されている。分岐通路24は、エンジンの構成要素12にオイルを移送するための通路であり、その通路途中にオリフィス24aを備える。
【0026】
第2オイル通路22におけるオイルポンプ3及び逆止弁22a間の所定部位(接続点)Rには、分岐通路25が接続されている。分岐通路25は、エンジンの構成要素13にオイルを移送するための通路であり、その通路途中にオリフィス25aを備える。
【0027】
ECU50は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM、時間を計測するタイマカウンタ等の各部と、A/D変換器を含む外部入力回路と、外部出力回路とが双方向性バスにより接続されて構成される論理演算回路を備える。
【0028】
このように構成されたECU50は、第2オイルポンプ3の動作状態を制御する他、エンジンの運転状態を最適化するために必要な各種制御を行う。例えばエンジンの構成要素13に対するオイル供給が必要になると、ECU50の指令信号に基づき、ドライバ回路が所定の電流を第2オイルポンプに付与し、第2オイルポンプ3を駆動する。
【0029】
〔オイル供給装置の機能〕
上記のように構成されたオイル供給装置1は、オイルパン4に蓄えられたオイルを、エンジンの各構成要素11,12,13等に適宜供給する。ここで、各通路21,22,23等内におけるオイルの流れ方向や圧力は、第1オイルポンプ2の駆動源であるエンジンの回転数と、第2オイルポンプ3に対するECU50の指令内容とによって略一義的に決定づけられる。
【0030】
エンジンの高回転時:
例えば図2は、オイル供給装置1内のオイルの流れであって、特に、エンジンの回転数が比較的高い条件下におけるオイルの流れを模式的に示す略図である。同図2に示すように、エンジンの回転数が比較的高い場合、クランクシャフトの回転に連動し、第1オイルポンプ2が十分に大きな流量及び圧力のオイルをその下流に供給する。このとき、ECU50は第2オイルポンプ3を停止させておく。この結果、逆止弁21aは開いた状態、逆止弁22aは閉じた状態となる。すなわち、第1オイルポンプ2の機能に基づき構成要素(バルブタイミング可変機構)11及び構成要素(チェーンジェット)12にオイルが供給される一方、構成要素(ピストンジェット)13にはオイルが供給されない。
【0031】
エンジンの低回転時:
また、図3には、エンジンの回転数が比較的低い条件下におけるオイルの流れを模式的に示す。同図3に示すように、エンジンの回転数が比較的低い場合、第1オイルポンプ2があまり大きな流量及び圧力のオイルをその下流に供給することができない。このとき、ECU50は第2オイルポンプ3を作動させる。この結果、逆止弁21aは閉じた状態、逆止弁22aは開いた状態となる。すなわち、第2オイルポンプ3の機能に基づき、バルブタイミング可変機構11及びチェーンジェット12、ピストンジェット13の全てにオイルが供給される。
【0032】
急加速時:
図4には、エンジンの回転数が急激に上昇した瞬間におけるオイルの流れを模式的に示す。同図4に示すように、エンジンの回転数が急激に上昇した場合、第1オイルポンプ2によって吐出されるオイルの流量及び圧力が急上昇する。すると、第2オイル通路22内の逆止弁22a下流における圧力が高まり、逆止弁22aのバネ力と第2オイルポンプ3から吐出されるオイルの圧力との総和に打ち勝つことで、逆止弁22aが閉弁する。
【0033】
ECU50は、第2オイル通路22内の圧力が高まり、逆止弁22aのバネ力と第2オイルポンプ3から吐出されるオイルの圧力との総和に打ち勝つようになるタイミングを、例えばエンジンの回転数に基づいて把握し、逆止弁22aの閉弁と同時に第2オイルポンプ3を停止させる。しかしながら、逆止弁22aが閉弁するタイミングと第2オイルポンプ3が停止するタイミングとの間には必然的にタイムラグが生じる。この間、第2オイルポンプ3から吐出される余剰なオイルは、分岐通路25に放出される(逃げる)。このため、エンジンの回転数が急激に上昇しても、第2オイル通路22内の逆止弁22a下流における圧力が一時的に高まることはない。言い換えると、第2オイルポンプ3に過剰な負荷がかかることがない。
【0034】
高回転時におけるピストンジェットへのオイル供給:
図5に示すように、エンジンの回転数が比較的高い条件下では、第1オイルポンプ2の機能が高まり、第2オイル通路22の逆止弁22a下流に大きな圧力が付与される(逆止弁22aが閉弁状態となる)。このため、第2オイルポンプ3から吐出されるオイルは効率的に分岐通路25へ流れ込み、ピストンジェット13へ供給される。
【0035】
ピストンジェット13へのオイル供給の必要性が高まるのは、エンジンの回転数が比較的高くシリンダ及びピストンの間隙に多量の潤滑油が必要になる条件下(図5)や、エンジン始動時等、シリンダ及びピストンの間隙の潤滑油が不足する傾向にある条件下(図3)に概ね限定される。この点に関し、本実施の形態にかかるオイル供給装置1は、ECU50が必要に応じて第2オイルポンプ3を効率的に活用し、ピストンジェット13へのオイル供給を行う。
【0036】
このように、本実施の形態にかかるオイル供給装置1によれば、比較的多量(大きな圧力)の駆動用オイルを必要とする構成要素11や、特定の条件下で比較的少量の潤滑用オイルを必要とする構成要素12,13に対し、機械式オイルポンプ2と電動式オイルポンプ3の特性を効率良く活用してオイル供給を行うことができる。この結果、機械式オイルポンプ2や電動式オイルポンプ3に要求される吐出能力をより小さな値に設定できるようになる(各ポンプを小型化することができる)。
【0037】
また、オイルの流路構造が、電動式オイルポンプ3によって供給されるオイルを主として利用するものから、機械式オイルポンプ2によって供給されるオイルを主として利用するものに切り替わる際、電動式オイルポンプ3の下流に発生する過剰なオイル圧が発生しても、過剰なオイルが分岐通路25を通じて逃げることになる。したがって、電動式オイルポンプ3に過剰な負荷がかかることもない。
【0038】
また、オイルの流路構造が、機械式オイルポンプ2によって供給されるオイルを主として利用するものから、電動式オイルポンプ3によって供給されるオイルを主として利用するものに切り替わる際にも同様に、分岐通路25が、電動式オイルポンプ3の下流に発生する過剰なオイル圧を速やかに低減する機能を担う。
【0039】
さらに、このように状況に応じて適宜切り替わるオイルの流路構造を、例えば複数の電子制御弁を使用する複雑な構成や制御を伴うことなく、簡易且つ安価に構築することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に、本発明を車載内燃機関のオイル供給装置に適用した第2の実施の形態について、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。なお、第2の実施の形態にかかるオイル供給装置の構成部材のうち、第1の実施の形態と同等の構造や機能を有する構成部材については、同一の部材番号を用いることで、ここでの重複する説明は割愛する。
【0041】
図6には、第2の実施の形態にかかるオイル供給装置の概略構成を示す。同図2に示すように、本実施の形態にかかるオイル供給装置1Aは、分岐通路25途中のオリフィス25aに替え、接続点Rからピストンジェット13に向かうオイルの流れを許容する一方、その逆流を規制する逆止弁25bを備える点で、第1の実施の形態と異なる。
【0042】
例えば図7(エンジンの回転数が比較的高い条件下)に示すように、第2の実施の形態のオイル供給装置1Aの構成によっても、第1の実施の形態のオイル供給装置1と同様、エンジンの回転数に関わらず、ECU50が必要に応じて第2オイルポンプ3を駆動することにより、ピストンジェット13に対し効率的にオイル供給を行うことができる。
【0043】
さらに、逆止弁25bを分岐通路25途中に設けたことにより、例えば電動式オイルポンプ3の停止期間等において、第2オイル通路22における逆止弁22a上流のオイルの圧力の低下を抑制し、第2オイルポンプ3への空気の混入をより確実に防止することができる。
【0044】
(第3の実施の形態)
次に、本発明を車載内燃機関のオイル供給装置に適用した第3の実施の形態について、第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0045】
第3の実施の形態は、第2の実施の形態と同一のハードウエア構成を用いて行う特定の制御構造に関する。
【0046】
すなわち、図8に示すように、第3の実施の形態においてオイル供給装置(1A)は、電動オイルポンプ3へ空気が混入した場合、一時的に、第2オイルポンプ3を逆転駆動した後、改めて順転駆動する。第2オイルポンプ3の逆転により、第2オイル通路22内の第2オイルポンプ3及び逆止弁22a間に負圧(吸引力)が発生する。この状態で第2オイルポンプ3を順転駆動すれば、第2オイルポンプ3内の空気が速やかにその下流へ引き込まれる(第2オイルポンプ3から抜ける)。
【0047】
このような制御構造を採用することにより、電動オイルポンプ3へ空気が混入し、そのポンプ機能に不具合が生じた場合、これを速やかに解消することができる。
【0048】
なお、電動オイルポンプ3への空気混入の有無の判断は、例えば電動オイルポンプ3にかかる力学的な負荷をECU50を通じてモニタすることにより行えばよい。
【0049】
(第4の実施の形態)
次に、本発明を車載内燃機関のオイル供給装置に適用した第4の実施の形態について、第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0050】
図9に示すように、第4の実施の形態にかかるオイル供給装置は、第2オイル通路22の逆止弁22a下流における所定部位(接続点S)に接続される分岐通路26を備える点で、第2の実施の形態と異なる。分岐通路26は、その通路途中にオリフィス25aを備え、エンジンの構成要素14にオイルを移送するための通路として活用する。構成要素14は、例えばクランクシャフトの軸受けを潤滑する要素であってもよい。
【0051】
このような装置構成によれば、第1オイルポンプ2から吐出されるオイルの一部が分岐通路26を通じてリリーフされる(逃がされる)ため、逆止弁22aの開弁を阻む力として作用する逆止弁22a下流のオイル圧が半減する。このため、逆止弁22a自体の開弁圧を比較的小さな値(例えば逆止弁25bの開弁圧より小さな値)に設定しておけば、第2オイルポンプ3に空気が混入しても、あまり大きな電力(駆動力)を要することなく、空気を追い出すことができる。
【0052】
すなわち、空気の混入による第2オイルポンプ3の不具合を、効果的に防止又は解消することができる。
【0053】
(第5の実施の形態)
次に、本発明を車載内燃機関のオイル供給装置に適用した第5の実施の形態について、第2の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0054】
図10に示すように、第4の実施の形態にかかるオイル供給装置1Cは、分岐通路25の逆止弁25b上流に接続されるリリーフ通路27を備える点で第2の実施の形態と異なる。分岐通路25とリリーフ通路27との接続点には、電子制御式の三方弁25cが設けられる。三方弁25cは、ECU50の指令信号に基づいて作動し、通路25A及び通路25Bが連通して形成される第1のオイル流路と、通路25Aおよびリリーフ通路27が連通して形成される第2のオイル流路とを切り替える機能を有する。
【0055】
ECU50は、ピストンジェット13等へのオイル供給が必要な場合、三方弁25cを操作して第1のオイル流路を形成して、第2オイルポンプ3を駆動する。また、電動オイルポンプ3へ空気が混入した場合、三方弁25cを操作して第2のオイル流路を形成して、第2オイルポンプ3を駆動する。これによりオイルパン4、第2オイルポンプ3,接続点R、三方弁25c、オイルパン4に亘る循環路が形成される。この結果、第2オイルポンプ3は比較的小さな駆動力で、混入した空気を追い出すことができる。
【0056】
すなわち、空気の混入による第2オイルポンプ3の不具合を、効果的に防止又は解消することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、機械式オイルポンプと電動式オイルポンプの特性を効率良く活用してオイル供給を行うことができる。この結果、装置構成の複雑化や製造コストの高騰を招くことなく、エンジンの各構成要素に対するオイル供給を、必要に応じて効率的に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるオイル供給装置を概略的に示す構成図。
【図2】同実施の形態において、エンジンの回転数が比較的高い条件下におけるオイル供給装置内のオイル流路を模式的に示す略図。
【図3】エンジンの回転数が比較的低い条件下におけるオイル供給装置内のオイル流路を模式的に示す略図。
【図4】エンジンの回転数が急激に上昇する瞬間におけるオイル供給装置内のオイル流路を模式的に示す略図。
【図5】エンジンの回転数が比較的高い条件下でピストンジェットにオイル供給を行う場合におけるオイル供給装置内のオイル流路を模式的に示す略図。
【図6】本発明の第2の実施の形態にかかるオイル供給装置を概略的に示す構成図。
【図7】同実施の形態において、エンジンの回転数が比較的高い条件下におけるオイル供給装置内のオイル流路を模式的に示す略図。
【図8】本発明の第3の実施の形態において、電動オイルポンプへ空気が混入した場合における同電動式オイルポンプの動作を模式的に示す略図。
【図9】本発明の第4の実施の形態にかかるオイル供給装置を概略的に示す構成図。
【図10】本発明の第5の実施の形態にかかるオイル供給装置を概略的に示す構成図。
【符号の説明】
1 オイル供給装置
2 第1オイルポンプ(機械式オイルポンプ)
3 第2オイルポンプ(電動式オイルポンプ)
4 オイルパン
11 エンジンの構成要素(バルブタイミング可変機構等)
12 エンジンの構成要素(チェーンジェット等)
13 エンジンの構成要素(ピストンジェット等)
21 第1オイル通路
21a,22a 逆止弁
22 第2オイル通路
23 集合通路
24,25 分岐通路
24a,25a オリフィス
Claims (4)
- エンジンによって駆動される第1オイルポンプと電動式の第2オイルポンプとを備えて、エンジンを構成する要素にオイルを供給するオイル供給装置であって、
前記第1オイルポンプから供給されるオイルを移送する第1オイル通路と、
前記第1オイル通路の途中に設けられ前記第1オイルポンプから供給されるオイルの逆流を規制する第1逆止弁と、
前記第2オイルポンプから供給されるオイルを移送する第2オイル通路と、
前記第2オイル通路の途中に設けられ前記第2オイルポンプから供給されるオイルの逆流を規制する第2逆止弁と、
前記第1オイル通路及び前記第2オイル通路が集合することによって形成され、前記第1オイル通路及び前記第2オイル通路を通じて供給されるオイルを、当該エンジンを構成する少なくとも一つの要素を駆動するオイルとして移送する集合通路と、
前記第2オイルポンプ及び前記第2逆止弁の間で前記第2のオイル通路の途中から分岐し、前記第2オイル通路を通じて供給されるオイルを、当該エンジンを構成する少なくとも一つの要素を潤滑するオイルとして分岐通路と、
を備えることを特徴とするエンジンのオイル供給装置。 - 所定の条件下で、前記第2オイルポンプを逆転駆動する制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載のエンジンのオイル供給装置。
- 前記第2オイルポンプ内のオイル流路に空気が滞留していることに起因する現象を検出する検出手段を備えて、且つ、
前記制御手段は、前記現象が検出された場合に前記第2オイルポンプを逆転駆動することを特徴とする請求項2記載のエンジンのオイル供給装置。 - 前記第2オイル通路の前記第2オイルポンプ下流から分岐し、該第2オイル通路からオイルをリリーフするリリーフ通路を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエンジンのオイル供給装置。
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