JP2004217582A - 9h−プリン誘導体 - Google Patents
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Abstract
【課題】TNF−αの産生阻害作用とPDE4阻害作用を有する化合物を提供する。
【解決手段】次の一般式
【化1】
(式中、R1は水素原子,水酸基,アルキル基,シクロアルキル基,アリール基を,R2は水素原子,アルキル基を、R3は水素原子,ハロゲン原子,アルコキシ基,シクロアルキルオキシ基,ビシクロアルキルオキシ基,アリールオキシ基,アラルキルオキシ基又はアリールチオ基又はNR5R6で示される基を表し、R4は水素原子,アルキル基,ベンジル基又はアセチル基を、mは0から3の整数を、XはCHで示される基又は窒素原子を表し、R5及びR6は水素原子,アルキル基等を表す。)
で示される9H−プリン誘導体又はその塩は、優れたTNF−αの産生阻害作用及びPDE4阻害作用を有し、TNF−α介在性又はPDE4が関与する疾患の予防又は治療剤として極めて有用である。
【選択図】なし
【解決手段】次の一般式
【化1】
(式中、R1は水素原子,水酸基,アルキル基,シクロアルキル基,アリール基を,R2は水素原子,アルキル基を、R3は水素原子,ハロゲン原子,アルコキシ基,シクロアルキルオキシ基,ビシクロアルキルオキシ基,アリールオキシ基,アラルキルオキシ基又はアリールチオ基又はNR5R6で示される基を表し、R4は水素原子,アルキル基,ベンジル基又はアセチル基を、mは0から3の整数を、XはCHで示される基又は窒素原子を表し、R5及びR6は水素原子,アルキル基等を表す。)
で示される9H−プリン誘導体又はその塩は、優れたTNF−αの産生阻害作用及びPDE4阻害作用を有し、TNF−α介在性又はPDE4が関与する疾患の予防又は治療剤として極めて有用である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は強力な腫瘍壊死因子(TNF)−α産生阻害作用及びホスホジエステラーゼIV(PDE4)阻害作用を有し、ヒト又は動物におけるTNF−α介在性疾患又はPDE4が関与する疾患の予防及び/又は治療のための医薬として有用である新規な9H−プリン誘導体、又はその塩に関するものである。
これらTNF−α介在性疾患又はPDE4が関与する疾患としては、例えば、慢性炎症性疾患(例えば、リューマチ性関節炎,変形性関節炎等),アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎,接触性皮膚炎,喘息,敗血症,敗血症性ショック,各種自己免疫性疾患[自己免疫血液疾患(例えば、溶血性貧血,再生不良性貧血,特発性血小板減少症等),自己免疫性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎,クローン病等),自己免疫性角膜炎(例えば、乾性角結膜炎,春季結膜炎等),内分泌性眼障害,グレーブス病,サルコイドーシス,多発性硬化症,全身性エリテマトーデス,多発性軟骨炎,強皮症,活動性慢性肝炎,重症筋無力症,乾癬,間隙性肺線維症等],糖尿病,癌悪液質,エイズ悪液質等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
本発明化合物と同じような薬理作用をもつPDE4阻害剤としては、例えば、特開昭50−157360号公報に開示された4−[(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ)ベンジル]−2−オキソピロリジン(一般名:ロリプラム)が、特異的なPDE4阻害剤として知られており、その他にも、ロリプラムと同様の(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ)ベンジル基を分子内に含有することを構造上の特徴とする化合物が、例えば、特開平4−253945号公報,特表平6−504782号公報,特表平8−501318号公報等にPDE4阻害剤として開示されている。
本発明化合物と同様の9H−プリン骨格を有するPDE4阻害剤としては、特開平11−222488号公報に、9−[(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ)ベンジル]−6,8−ジメチル−2−[3−(4−ピリジル)プロピルオキシ]−9H−プリン等が開示されているが、前述のPDE4阻害剤と同様に、分子内に(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ)ベンジル基を有する化合物である。
更に、上記知見の他にTNF−α産生阻害作用を有する9H−プリン誘導体は全く知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、優れたTNF−α産生阻害作用及びPDE4阻害作用を有し、医薬として有用である新規な化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この様な課題を解決すべく鋭意研究した結果、上述の9H−プリン誘導体とは異なり、9位に(4−ピペリジル)アルキル基あるいは(1−ピペラジニル)アルキル基を有する新規な9H−プリン誘導体が、優れたTNF−α産生阻害作用及びPDE4阻害作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
即ち、本発明は次の一般式(I)
【化2】
(式中、R1は水素原子,水酸基,置換基を有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R2は水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表し、R3は水素原子,ハロゲン原子,置換基を有してもよいアルコキシ基,置換基を有してもよいシクロアルキルオキシ基,置換基を有してもよいビシクロアルキルオキシ基,置換基を有してもよいアリールオキシ基,置換基を有してもよいアラルキルオキシ基,置換基を有してもよいアリールチオ基又はNR5R6で示される基を表し、R4は水素原子,アルキル基,ベンジル基又はアセチル基を表し、mは0から3の整数を表し、XはCHで示される基又は窒素原子を表し、R5は水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表し、R6は水素原子,置換基を有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基,置換基を有してもよいアラルキル基,置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアシル基を表すか、又は、R5とR6は隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有してもよく、更に窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の複素環基を形成してもよい。)
で示される新規な9H−プリン誘導体、又はその塩に関するものである。
【0006】
本発明の第二の態様によれば、前記一般式(I)で示される化合物中、R2が置換基を有してもよいアルキル基である化合物及び/又は、R3がNR5R6で示される基である新規な9H−プリン誘導体、又はその塩が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の前記一般式(I)で示される化合物について具体的に説明する。
前記一般式(I)において、R1,R2,R5又はR6で示される置換基を有してもよいアルキル基のアルキル基又はR4で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,n−ペンチル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,tert−ペンチル基,n−ヘキシル基,イソヘキシル基,1,3−ジメチルブチル基,n−ヘプチル基等が挙げられ、R1又はR6で示される置換基を有してもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロヘプチル基等が挙げられる。
【0008】
前記一般式(I)において、R1又はR6で又は示される置換基を有してもよいアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル基,1−ナフチル基,2−ナフチル基,2−ピリジル基,3−ピリジル基,4−ピリジル基,2−ピラジニル基,2−ピリミジニル基,4−ピリミジニル基,5−ピリミジニル基,3−ピリダジニル基,4−ピリダジニル基,1−ピロリル基,2−ピロリル基,3−ピロリル基,1−イミダゾリル基,2−イミダゾリル基,4−イミダゾリル基,1−ピラゾリル基,3−ピラゾリル基,4−ピラゾリル基,5−ピラゾリル基,2−フリル基,3−フリル基,2−チエニル基,3−チエニル基,2−オキサゾリル基,4−オキサゾリル基,5−オキサゾリル基,2−チアゾリル基,4−チアゾリル基,5−チアゾリル基,キノリル基,イソキノリル基,インドリジニル基等が挙げられる。
【0009】
前記一般式(I)において、R3で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子が挙げられ、R3で示される置換基を有してもよいアルコキシ基のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基,エトキシ基,n−プロポキシ基,イソプロポキシ基,n−ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブトキシ基,tert−ブトキシ基,n−ペンチルオキシ基,ネオペンチルオキシ基,tert−ペンチルオキシ基,イソペンチルオキシ基,n−ヘキシルオキシ基,イソヘキシルオキシ基,1−(エチル)プロピルオキシ基,n−ヘプチルオキシ基,2−メチル−1−(1−メチルエチル)プロピルオキシ基等が挙げられる。
【0010】
前記一般式(I)において、R3で示される置換基を有してもよいシクロアルキルオキシ基のシクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロプロピルオキシ基,シクロブチルオキシ基,シクロペンチルオキシ基,シクロヘキシルオキシ基,シクロヘプチルオキシ基等が挙げられ、R3で示される置換基を有してもよいビシクロアルキルオキシ基のビシクロアルキルオキシ基としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルオキシ基,ビシクロ[2.2.2]オクチルオキシ基,ビシクロ[3.2.1]オクチルオキシ基等が挙げられ、R3で示される置換基を有してもよいアリールオキシ基のアリールオキシ基としては、例えば、上述のアリール基を有するアリールオキシ基が挙げられ、一例としては、フェノキシ基,1−ナフチルオキシ基,2−ピリジルオキシ基,2−チエニルオキシ基,2−フリルオキシ基等が挙げられる。
【0011】
前記一般式(I)において、R3で示される置換基を有してもよいアラルキルオキシ基のアラルキルオキシ基としては、例えば、上述のアリール基を有するアリールアルキルオキシ基が挙げられ、一例としては、ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基,フェニルプロピルオキシ基,1−(フェニル)エチルオキシ基,2−ピリジルメチルオキシ基,3−ピリジルメチルオキシ基,4−ピリジルメチルオキシ基,2−フリルメチルオキシ基,3−フリルメチルオキシ基,2−チエニルメチルオキシ基,3−チエニルメチルオキシ基,2−(2−ピリジル)エチルオキシ基,2−(3−ピリジル)エチルオキシ基,2−(4−ピリジル)エチルオキシ基,2−(2−フリル)エチルオキシ基,2−(3−フリル)エチルオキシ基,2−(2−チエニル)エチルオキシ基,2−(3−チエニル)エチルオキシ基,3−(2−チエニル)プロピルオキシ基等が挙げられ、R3で示される置換基を有してもよいアリールチオ基のアリールチオ基としては、例えば、上述のアリール基を有するアリールチオ基が挙げられ、一例としては、フェニルチオ基,1−ナフチルチオ基,2−ピリジルチオ基,2−チエニルチオ基,2−フリルチオ基等が挙げられる。
【0012】
前記一般式(I)において、R6で示される置換基を有してもよいアラルキル基のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基,フェネチル基,1−(フェニル)エチル基,フェニルプロピル基,1−ナフチルメチル基,2−ナフチルメチル基,2−ピリジルメチル基,3−ピリジルメチル基,4−ピリジルメチル基,2−フリルメチル基,3−フリルメチル基,2−チエニルメチル基,3−チエニルメチル基,2−(2−ピリジル)エチル基,2−(3−ピリジル)エチル基,2−(4−ピリジル)エチル基,2−(2−フリル)エチル基,2−(3−フリル)エチル基,2−(2−チエニル)エチル基,2−(3−チエニル)エチル基,3−(2−チエニル)プロピル基,キノリルメチル基等が挙げられ、R6で示される置換基を有してもよいアシル基のアシル基としては、例えば、アセチル基,プロピオニオニル基,ベンゾイル基,ナフトイル基,テノイル基,フロイル基,シクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
【0013】
前記一般式(I)において、NR5R6で示される基のうち、R5とR6は隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有してもよく、更に窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の複素環基を形成する場合の、隣接する窒素原子と一緒になって更に窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の複素環基としては、例えば、1−アジリジニル基,1−アゼチジニル基,1−ピロリジニル基,ピペリジノ基,1−ピペラジニル基,モルホリノ基,4−チオモルホリニル基,1−イミダゾリジニル基,1−ピラゾリジニル基,1−ピロリル基,1−イミダゾリル基,1−ピラゾリジル基,1−インドリル基,2−イソインドリル基等が挙げられる。
【0014】
又、本発明の前記一般式(I)において、ある官能基につき「置換基を有してもよい」という場合には、これらの基に置換可能な基であればいかなるものでもよく、置換基の個数、種類及び置換位置は特に限定されず、2個以上の置換基が存在する場合には、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。置換可能な基としては、例えば、フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子のハロゲン原子、水酸基、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,n−ペンチル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,n−ヘキシル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基,トリクロロメチル基,トリブロモメチル基,ペンタフルオロエチル基,ペンタクロロエチル基,ペンタブロモエチル基等のハロゲノアルキル基、ヒドロキシメチル基,ヒドロキシエチル基,ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基、フェニル基,ナフチル基,ピリジル基等のアリール基、メトキシ基,エトキシ基,n−プロポキシ基,イソプロポキシ基,n−ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブトキシ基,tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、シクロプロピルオキシ基,シクロブチルオキシ基,シクロペンチルオキシ基,シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基、フェノキシ基,ピリジルオキシ基,ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、アミノ基,メチルアミノ基,エチルアミノ基,n−プロピルアミノ基,イソプロピルアミノ基,シクロプロピルアミノ基,シクロブチルアミノ基,シクロペンチルアミノ基,シクロヘキシルアミノ基,ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,アニリノ基,ピリジルアミノ基,ベンジルアミノ基,ジベンジルアミノ基,アセチルアミノ基,トリフルオロアセチルアミノ基,tert−ブトキシカルボニルアミノ基,ベンジルオキシカルボニルアミノ基,ベンズヒドリルアミノ基,トリフェニルメチルアミノ基等の置換基を有してもよいアミノ基、メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,n−プロポキシカルボニル基,n−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
【0015】
尚、本明細書において、「アリール基」,「アリールオキシ基」,「アラルキルオキシ基」,「アリールチオ基」,「アラルキル基」,「アシル基」又は「隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有してもよく、窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の複素環基」における環の置換/結合部位としては、上記に一部を例示したが、特に置換/結合部位を限定しない限り、環構成成分中置換/結合可能な元素であればいかなる位置で置換/結合してもよい基を包含する概念として用いる。
【0016】
本発明の前記一般式(I)で示される化合物は必要に応じて塩、好ましくは薬理学的に許容しうる塩に変換することも、又は生成した塩から遊離塩基に変換することもできる。本発明化合物の塩としては、酸付加塩が挙げられ、例えば、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸,燐酸等の鉱酸塩、又は、ギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,イソ吉草酸,ピバル酸,トリフルオロ酢酸,アクリル酸,オレイン酸,マレイン酸,フマル酸,クエン酸,シュウ酸,コハク酸,酒石酸,リンゴ酸,マロン酸,乳酸,グルタル酸,セバシン酸,グルコン酸,エナント酸,カプリル酸,ノナン酸,カプリン酸,ラウリン酸,パルミチン酸,ミリスチン酸,ステアリン酸,ヘプタデカン酸,ウンデカン酸,マンデル酸,グリコール酸,ソルビン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,安息香酸,フタル酸,テレフタル酸,ケイ皮酸,p−トルエンスルホン酸,ニコチン酸,ピクリン酸,アジピン酸,アスパラギン酸,グルタミン酸,10−カンファースルホン酸及びこれらの光学活性体等の有機酸塩が挙げられる。
【0017】
本発明の前記一般式(I)で示される化合物中、不斉炭素を有する化合物には光学異性体が存在し得るが、本発明にはこれら光学活性体及びその混合物,ラセミ体並びにそれらの塩も包含される。
【0018】
本発明の前記一般式(I)で示される化合物又はその塩は、製造条件により任意の結晶形,任意の水和物又は任意の溶媒和物として存在することができるが、これらの結晶形,水和物又は溶媒和物及びそれらの混合物も本発明の範囲に包含される。
【0019】
本発明の前記一般式(I)で示される化合物として、例えば、下記の化合物及びそれらの塩を具体的に挙げることができるが、本発明はこれらの特定の例に限定されることはない。
(1) 2−イソプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(2) 2−イソプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(3) 2−イソプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(4) 2−イソプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(5) 2−tert−ブチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(6) 2−tert−ブチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(7) 2−tert−ブチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(8) 2−tert−ブチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(9) 6−メチル−2−tert−ペンチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(10) 6−メチル−2−tert−ペンチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(11) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−tert−ペンチルアミノ−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(12) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−tert−ペンチルアミノ−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(13) 2−ジエチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(14) 2−ジエチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(15) 2−ジエチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(16) 2−ジエチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(17) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(18) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(19) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(20) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
【0020】
(21) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−2−(1−ピロリジニル)−9H−プリン
(22) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−2−(1−ピロリジニル)−9H−プリン
(23) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−2−(1−ピロリジニル)−9H−プリン
(24) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−2−(1−ピロリジニル)−9H−プリン
(25) 6−メチル−2−メチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(26) 2−ベンゾイルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(27) 2−(1,3−ジメチルブチルアミノ)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(28) 2−ジメチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(29) 2−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(30) 2−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(31) 2−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(32) 2−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(33) 2−アニリノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(34) 6−メチル−2−フェネチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(35) 2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(36) (S)−6−メチル−8−フェニル−2−(1−フェニルエチル)アミノ−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(37) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−2−(4−ピリジルメチル)アミノ−9H−プリン
(38) 2−(1−アゼチジニル)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(39) 6−メチル−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(40) 2−(2,5−ジメチル−1−ピロリジニル)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
【0021】
(41) 2−(3−ヒドロキシプロピル)アミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(42) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−フェノキシ−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(43) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−(4−ピペリジル)−9H−プリン
(44) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[3−(4−ピペリジル)プロピル]−9H−プリン
(45) 2−シクロプロピルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(46) 2−メトキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(47) 2−n−ブトキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(48) 2−シクロヘキシルオキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(49) 2−exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルオキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(50) 2−ベンジルオキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(51) 2−(1−イミダゾリル)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(52) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−2−(1−ピロリル)−9H−プリン
(53) 6−メチル−2−(4−メチルフェノキシ)−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(54) 6−メチル−8−フェニル−2−フェニルチオ−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(55) 8−n−ブチル−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(56) 8−シクロヘキシル−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(57) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−8−(2−ピロリル)−9H−プリン
(58) 2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(59) 2−アミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(60) 2−アセチルアミノ−8−ヒドロキシ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
【0022】
(61) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(62) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(1−メチル−4−ピペリジル)エチル]−8−フェニル−9H−プリン
(63) 9−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン
(64) 9−[2−(1−アセチル−4−ピペリジル)エチル]−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン
(65) 2−(R)−2−ヒドロキシメチル−1−ピロリジニル)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(66) 2−シクロプロピルアミノ−6−エチル−8−(2−ヒドロキシフェニル)−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(67) 6−n−ブチル−2−シクロプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(68) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−6−トリフルオロメチル−9H−プリン
(69) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−8−(2−チエニル)−9H−プリン
(70) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−メトキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(71) 2−シクロプロピルアミノ−8−(6−フルオロ−2−メトキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(72) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−イミダゾリル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(73) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]−2−(4−チオモルホリニル)−9H−プリン
【0023】
本発明の前記一般式(I)で示される新規な9H−プリン誘導体は、例えば、以下の方法により製造することができるが、本発明化合物の製造方法はこれらの方法に限定されるわけではない。
【0024】
本発明化合物の第一の製造方法として、前記一般式(I)の化合物のうち、R4が水素原子である化合物は、以下の様にして製造することができる。
【化3】
(式中、R1,R2,R3,m及びXは前述と同意義を表し、Zはハロゲン原子を表し、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表す。)
【0025】
即ち、工程1においては、一般式(II)の化合物を酢酸や硫酸等の存在下又は非存在下、濃硝酸や発煙硝酸等のニトロ化剤を用いて、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(III)の化合物を得ることができる。
【0026】
工程2においては、一般式(III)の化合物を適当なハロゲン化剤、例えば、オキシ塩化リン,塩化チオニル,ホスゲン,塩化オキサリル,五塩化リン,臭化チオニル,三臭化リン,五臭化リン等を用いて、トルエン等の溶媒の存在下又は非存在下、ジメチルアニリン,ジエチルアニリン等の塩基の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(IV)の化合物を得ることができる。
【0027】
工程3においては、次の一般式(IX)で示されるアミン
【化4】
(式中、Boc,X及びmは前述と同意義を表す。)
と一般式(IV)の化合物を、N,N−ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラン又はトルエン等の溶媒中、トリエチルアミン,炭酸カリウム等の塩基の存在下又は非存在下に、−10℃から室温の間で反応することにより、一般式(V)の化合物を得ることができる。
【0028】
工程4においては、一般式(V)の化合物を適当な還元法、例えば、白金,ラネーニッケル,パラジウム炭素等の金属触媒を用いた接触還元法、塩化ニッケルと水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元法、鉄粉と塩酸を用いた還元法等でニトロ基を還元して、一般式(VI)の化合物を得ることができる。
還元反応は、水,メタノール,エタノール,テトラヒドロフラン等の溶媒又はこれらの混合溶媒中、0℃から溶媒の還流温度の間で行うことができる。
【0029】
工程5においては、一般式(VI)の化合物と、次の一般式(X),(XI)又は(XII)
R1C(OR)3 (X)
R1COY (XI)
(R1CO)2O (XII)
(式中、Rは低級アルキル基を表し、Yはハロゲン原子を表し、R1は前述の定義から水酸基を除く以外は、前述と同意義を表す。)
で示される化合物を、トリエチルアミン,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン,ピリジン,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の塩基触媒、又は塩酸,硫酸,p−トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下又は非存在下、N,N−ジメチルホルムアミド,1,2−ジクロロエタン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,キシレン,トルエン等の溶媒の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(VII)の化合物を得ることができる。
【0030】
又、工程5に代わる別の方法として、工程6において一般式(VI)の化合物と次の一般式(XIII)
R1CHO (XIII)
(式中、R1は前述の定義から水酸基を除く以外は、前述と同意義を表す。)
で示される化合物を、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンの存在下、アセトニトリル,1,4−ジオキサン,テトラヒドロフラン,1,2−ジクロロエタン,トルエン,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン等の溶媒中、0℃から溶媒の還流温度の間で反応することにより、一般式(VII)の化合物を得ることができる。
【0031】
更に、工程5又は6に代わる別の方法として、工程7において一般式(VI)の化合物をホスゲン,トリホスゲン等の試薬と、トリエチルアミン,N,N−ジイソプロピルエチルアミン,ピリジン,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の塩基の存在下、テトラヒドロフラン,酢酸エチル,塩化メチレン,1,2−ジクロロエタン等の溶媒中で、0℃から溶媒の還流温度の間で反応することにより、R1が水酸基である一般式(VII)の化合物を得ることができる。
【0032】
工程8においては、一般式(VII)の化合物と、次の一般式(XIV)
R5R6NH (XIV)
(式中、R5は前述と同意義を、R6は前述の定義から置換基を有してもよいアシル基を除く以外は、前述と同意義を表す。)
で示される化合物を、トリエチルアミン,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン,ピリジン,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水素化ナトリウム等の塩基の存在下あるいは非存在下、メタノール,エタノール,プロパノール,2−プロパノール,ブタノール,N,N−ジメチルホルムアミド,1,2−ジクロロエタン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,キシレン,トルエン等の溶媒の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0033】
又、工程8に代わる別の方法として、工程9において一般式(VII)の化合物と次の一般式(XV)又は(XVI)
R7OH (XV)
R8SH (XVI)
(式中、R7は置換基を有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基,置換基を有してもよいビシクロアルキル基,置換基を有してもよいアラルキル基,置換基を有してもよいアリール基を表し、R8は置換基を有してもよいアリール基を表す。)
で示される化合物を、水素化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化ナトリウム等の塩基の存在下、テトラヒドロフラン,N,N−ジメチルホルムアミド,トルエン等の溶媒の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0034】
更に、工程8又は9に代わる別の方法として工程10において、一般式(VII)の化合物を、白金,ラネーニッケル,パラジウム炭素等の金属触媒を用いて、メタノール,エタノール等のアルコール系溶媒又はテトラヒドロフラン等の溶媒中、水素気流下,常温から200℃の間で、常圧又は加圧下で反応を行うことにより、R3が水素原子である一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0035】
工程11においては、一般式(VIII)の化合物を、塩酸,塩化水素酢酸エチル溶液,塩化水素エタノール溶液,硫酸,臭化水素酸,トリフルオロ酢酸,p−トルエンスルホン酸,メタンスルホン酸等の酸を用いて、酢酸エチル,塩化メチレン,1,2−ジクロロエタン,1,4−ジオキサン,メタノール,エタノール,プロパノール,N,N−ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラン,水,又はこれらの混合溶媒等の溶媒中で、0℃から溶媒の還流温度の間で反応することにより、R4が水素原子である一般式(I)の化合物を得ることができる。
尚、前記一般式(I)のうち、R3がハロゲン原子である化合物は、工程12において、一般式(VII)の化合物を、工程8,9又は10を経ることなく、工程11と同様の条件で反応を行うことによって製造することができる。
【0036】
本発明化合物の第二の製造方法として、前記一般式(I)の化合物のうち、R4が水素原子で、R3が水素原子又はハロゲン原子ではない化合物は、以下の様にして製造することができる。
【化5】
(式中、R1,R2,m,X,Z及びBocは前述と同意義を表し、R3は前述の定義から水素原子及びハロゲン原子を除く以外は、前述と同意義を表す。)
【0037】
工程13においては、第一の製造方法で得られる一般式(V)の化合物と、前記一般式(XIV)で示される化合物を、第一の製造方法の工程8と同様の反応を行うことにより、一般式(XVII)の化合物を得ることができる。
【0038】
又、工程13に代わる別の方法として、工程14において一般式(V)の化合物と前記一般式(XV)又は(XVI)で示される化合物を、第一の製造方法の工程9と同様の反応を行うことにより、一般式(XVII)の化合物を得ることができる。
【0039】
工程15においては、一般式(XVII)の化合物を第一の製造方法の工程4と同様の反応を行うことにより、一般式(XVIII)の化合物を得ることができる。
【0040】
工程16においては、一般式(XVIII)の化合物と、前記一般式(X),(XI)又は(XII)で示される化合物を、第一の製造方法の工程5と同様の反応を行うことにより、一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0041】
又、工程16に代わる別の方法として、工程17において一般式(XVIII)の化合物と前記一般式(XIII)で示される化合物を、第一の製造方法の工程6と同様の反応を行うことにより、一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0042】
更に、工程16又は17に代わる別の方法として、工程18において一般式(XVIII)の化合物を、第一の製造方法の工程7と同様の反応を行うことにより、R1が水酸基である一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0043】
工程19においては、一般式(VIII)の化合物を、第一の製造方法の工程11と同様の反応を行うことにより、R4が水素原子で、R3が水素原子又はハロゲン原子ではない一般式(I)の化合物を得ることができる。
【0044】
本発明化合物の第三の製造方法として、前記一般式(I)の化合物のうち、R4が水素原子でR3がNHR6’で示される基(ただし、R6’は水素原子又は置換基を有してもよいアシル基を表す。)である化合物は、以下の様にして製造することができる。
【化6】
(式中、R1,R2,m,X及びBocは前述と同意義を表し、Acylは置換基を有してもよいアシル基を表す。)
【0045】
即ち、出発原料として一般式(XIX)で示される化合物を用いて、工程20においては、第一の製造方法の工程1と同様の方法で反応を行い、工程21においては、一般式(XX)で示される化合物を、無水酢酸,塩化アセチル,塩化ベンゾイル等の適当なアシル化試薬を用いて、N,N−ジメチルホルムアミド,塩化メチレン,テトラヒドロフラン,トルエン,ピリジン,ニトロベンゼン,1,2−ジクロロエタン,1,4−ジオキサン,メタノール,エタノール,プロパノール、又はこれらの混合溶媒等の溶媒の存在下又は非存在下、トリエチルアミン,炭酸カリウム等の塩基の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(XXI)の化合物へと変換し、更に工程22〜28においては、それぞれ第一の製造方法の工程2〜7及び11と同様の反応を行うことにより、R3がNHR6’で示される基(ただし、R6’は前述と同意義を表す。)である一般式(I)の化合物を得ることができる。
【0046】
本発明化合物の第四の製造方法として、前記一般式(I)の化合物のうち、R4がアルキル基,ベンジル基又はアセチル基である化合物は、R4が水素原子である一般式(I)の化合物を、例えば、ハロゲン化アルキル,塩化ベンジル,臭化ベンジル等のアルキル化試薬又は塩化アセチル,無水酢酸等のアセチル化試薬を用いて、N,N−ジメチルホルムアミド,塩化メチレン,テトラヒドロフラン,トルエン,ピリジン,ニトロベンゼン,1,2−ジクロロエタン,1,4−ジオキサン,メタノール,エタノール,プロパノール又はこれらの混合溶媒等の溶媒の存在下又は非存在下、トリエチルアミン,炭酸カリウム等の塩基の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより合成することができる。
【0047】
本発明化合物の製造方法において、前記一般式(II)〜(IV)又は(XIX)〜(XXI)で示される化合物は、一部は市販されている化合物であり、又、その他は、例えば、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry),66巻,5723頁(2001年),特開平8−269279号公報,特表2001−519437号公報等に開示されている化合物であり、これらの文献に記載の方法に従って製造することができる。又、前記一般式(IX)で示される化合物も、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry),40巻,1779頁(1997年),特開2000−169462号公報等に記載の方法に従って製造することができる。
尚、一部新規の化合物については参考例にその合成法を記載した。
【0048】
この様にして製造される前記一般式(I)で示される新規な9H−プリン誘導体、又はその塩を有効成分とする医薬は、通常、カプセル剤,錠剤,細粒剤,顆粒剤,散剤,シロップ剤,ドライシロップ剤,液剤等の経口投与製剤、あるいは注射剤,坐剤,点眼剤,眼軟膏剤,点耳剤,点鼻剤,外皮用剤,吸入剤等の非経口投与製剤として投与される。これらの製剤は、本発明の前記一般式(I)で示される化合物、その塩、その水和物、その溶媒和物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、薬理学的,製剤学的に許容しうる1種又は2種以上の添加物を加え、常法により製造できる。例えば、経口投与製剤及び坐剤にあっては、賦形剤(乳糖,D−マンニトール,トウモロコシデンプン,結晶セルロース等),崩壊剤(カルボキシメチルセルロース,カルボキシメチルセルロースカルシウム,部分アルファー化デンプン,クロスカルメロースナトリウム,クロスポピドン等),結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリビニルピロリドン等),滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム,タルク,硬化油,ジメチルポリシロキサン,含水二酸化ケイ素,軽質無水ケイ酸,カルナウバロウ等),コーティング剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース,白糖,酸化チタン等),可塑剤(クエン酸トリエチル,ポリエチレングリコール,グリセリン脂肪酸エステル等),基剤(ポリエチレングリコール,ハードファット等)等の製剤用成分が、注射剤,点眼剤,点耳剤等にあっては水性あるいは用時溶解型剤型を構成しうる溶解剤ないし溶解補助剤(注射用水,生理食塩水,プロピレングリコール等),pH調節剤(無機又は有機の酸あるいは塩基),等張化剤(塩化ナトリウム,ブドウ糖,グリセリン等),安定化剤(安息香酸,クエン酸,亜硫酸水素ナトリウム等)等の製剤用成分が、又、眼軟膏剤,外皮用剤にあっては、軟膏剤,クリーム剤,貼付剤として適切な製剤用成分(白色ワセリン,マクロゴール,グリセリン,流動パラフィン,グリセリン脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール脂肪酸エステル,カルボキシビニルポリマー,アクリル系粘着剤,ゴム系粘着剤,シリコン樹脂,綿布等)が、吸入剤にあっては噴射剤(二酸化炭素,プロパン,窒素等),溶解補助剤(エタノール,プロピレングリコール等),界面活性剤(トリオレイン酸ソルビタン等),賦形剤(乳糖等)が使用される。
【0049】
本発明化合物のヒトに対する投与量は、患者の症状にもよるが、例えば、通常成人の場合、一日量として、経口投与で0.1〜1000mg程度、非経口投与で0.01〜500mg程度を1日1回又は数回に分けて投与することができる。もっとも、その投与量は治療又は予防の目的、疾患の部位や種類、患者の年齢や症状などに応じて、適宜増減することが望ましい。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例によって説明するが、本発明はこれらの例の特定の細部に限定されるものではない。
尚、明細書中の略語はそれぞれ次の意味を表す。Boc: tert−ブトキシカルボニル, Ph:フェニル,Me:メチル,Et:エチル,iso−Pr:イソプロピル,n−Pr:n−プロピル,tert−Bu:tert−ブチル,n−Bu:n−ブチル,Ac:アセチル,DMSO−d6:ジメチルスルホキシド−d6,aq.:水性,ATR:全反射測定法
【0051】
参考例1
4−[2−[(2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
2,4−ジクロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン14.0gのテトラヒドロフラン100ml溶液に、氷冷攪拌下、4−(2−アミノエチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル23.0gのテトラヒドロフラン40ml溶液を滴下し、次いで、トリエチルアミン10.3mlを滴下して、氷冷下で1.5時間攪拌した。反応混合物に飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:3)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、12.5gの黄色結晶を得た。ジイソプロピルエーテルから再結晶して、融点79.5〜80℃の淡黄色結晶を得た。
元素分析値 C17H26ClN5O4
理論値(%) C,51.06; H,6.55; N,17.51
実験値(%) C,51.06; H,6.49; N,17.57
【0052】
参考例1の方法に従って、参考例2〜10の化合物を得た。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
参考例11
4−[2−[(2−tert−ブチルアミノ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.50gのブタノール15ml溶液に、tert−ブチルアミン1.6mlを加えて、封管中、100℃で5日間攪拌した。溶媒を留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:3)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄橙色液体1.67gを得た。
NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:1.10−1.23(2H,m),1.35−1.43(1H,m),1.45(9H,s),1.46(9H,s),1.60−1.74(4H,m),2.63(3H,s),2.66−2.77(2H,m),3.60(2H,q,J=7.5Hz),4.00−4.20(2H,m),5.49(1H,s),8.82(1H,brs)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:3353,1690,1565,1364
マススペクトルm/z:435(M+−1)
【0056】
参考例11の方法に従って、参考例12〜22の化合物を得た。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
参考例23
4−[2−[(6−メチル−5−ニトロ−2−フェノキシピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.50g,フェノール3.53g及び85%水酸化カリウム0.64gの混合物を、80℃で1時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を2M水酸化ナトリウム水溶液と飽和食塩水で順次洗浄し、脱水後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:3)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、淡黄色結晶1.37gを得た。ジイソプロピルエーテルから再結晶して、融点131〜132.5℃の淡黄色針状晶を得た。
元素分析値 C23H31N5O5
理論値(%) C,60.38; H,6.83; N,15.31
実験値(%) C,60.34; H,6.76; N,15.39
【0061】
参考例24
4−[2−[(2−アセチルアミノ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
N−(4−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−2−イル)アセトアミド5.87gと炭酸カリウム5.63gのN,N−ジメチルホルムアミド35ml懸濁液に、氷冷下、4−(2−アミノエチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル9.88gのN,N−ジメチルホルムアミド21ml溶液を加え、60℃で3.5時間攪拌した。反応混合物に氷水とジイソプロピルエーテルを加えて攪拌し、析出した結晶を濾取し、水とジイソプロピルエーテルで順次洗浄して、褐色結晶8.56gを得た。酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して、融点120〜124℃の褐色結晶を得た。
元素分析値 C19H30N6O5
理論値(%) C,54.02; H,7.16; N,19.89
実験値(%) C,53.82; H,7.05; N,19.59
【0062】
参考例24の方法に従って、参考例25の化合物を得た。
【0063】
参考例25
4−[2−[(2−ベンゾイルアミノ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
性状:黄色結晶(再結晶溶媒:AcOEt−iso−Pr2O)
融点152〜153℃
元素分析値 C24H32N6O5
理論値(%) C,59.49; H,6.66; N,17.34
実験値(%) C,59.15; H,6.56; N,17.19
【0064】
参考例26
4−[2−[(5−アミノ−2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
塩化ニッケル・6水和物3.42gのメタノール290ml溶液中に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.54gを添加した後、4−[2−[(2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル11.5gのテトラヒドロフラン60ml溶液を加えた。続いて、水素化ホウ素ナトリウム3.06gを少量ずつ添加し、室温で30分間攪拌した。反応混合物から不溶物を濾去し、濾液を濃縮した後、残渣に10%塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液は飽和食塩水で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルとジエチルエーテルの混液で洗浄して8.16gの淡褐色結晶を得た。酢酸エチルから再結晶して、融点166〜167℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C17H28ClN5O2
理論値(%) C,55.20; H,7.63; N,18.93
実験値(%) C,54.93; H,7.49; N,18.66
【0065】
参考例26の方法に従って、参考例27〜46の化合物を得た。
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
参考例47
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(5−アミノ−2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル5.05g及びオルト安息香酸トリエチル4.3mlのトルエン50ml溶液に、還流下、ピリジニウムp−トルエンスルホネート0.34gを少量ずつ加入し、2時間還流した。溶媒を留去し、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して、無色結晶として中間体である4−[2−[[2−クロロ−5−(α―エトキシベンジリデン)アミノ−6−メチルピリミジン−4−イル]アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル6.66gを得た。この中間体のトルエン100ml溶液に、還流下、無水p−トルエンスルホン酸0.23gを少量ずつ加え、2時間還流した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:2→1:1)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、残渣をジイソプロピルエーテルとn−ヘプタンの混液で洗浄して4.47gの無色結晶を得た。ジイソプロピルエーテルとn−ヘプタンの混液から再結晶して、融点123.5〜124℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C24H30ClN5O2
理論値(%) C,63.22;H,6.63;N,15.36
実験値(%) C,63.13;H,6.60;N,15.33
【0071】
参考例48
4−[2−[2−クロロ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9H−プリン−9−イル]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(5−アミノ−2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル2.00g,サリチルアルデヒド0.92g及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン0.25gのテトラヒドロフラン30ml溶液を、室温で3日間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を、酢酸エチル−n−ヘプタン(1:2)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色液体として中間体である4−[2−[[2−クロロ−5−(2−ヒドロキシベンジリデン)アミノ−6−メチルピリミジン−4−イル]アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.73gを得た。次に、この中間体全量と2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン0.08gのテトラヒドロフラン26ml溶液を、4日間還流した。反応混合物に酢酸エチルを加えて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を、酢酸エチル−n−ヘプタン(1:1)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、淡褐色液体0.76gを得た。ジイソプロピルエーテルから結晶化し、酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して、融点166.5〜167.5℃の淡黄色結晶を得た。
元素分析値 C24H30ClN5O3
理論値(%) C,61.07;H,6.41;N,14.84
実験値(%) C,60.79;H,6.38;N,14.67
【0072】
参考例49
4−[2−[2−tert−ブチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9H−プリン−9−イル]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(5−アミノ−2−tert−ブチルアミノ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.10g,サリチルアルデヒド0.35ml及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン0.06gのテトラヒドロフラン20ml溶液を室温で2日間攪拌後、更に50℃で5日間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で順次洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を、酢酸エチル−n−ヘプタン(1:4)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色液体1.16gを得た。
NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:1.16−1.34(3H,m),1.46(9H,s),1.51(9H,s),1.66−1.79(2H,m),1.90(2H,q,J=7.5Hz),2.62(3H,s),2.64−2.73(2H,m),4.00−4.18(2H,m),4.45(2H,t,J=7.5Hz),5.20(1H,s),6.97(1H,td,J=8.5,1Hz),7.14(1H,dd,J=8.5,1Hz),7.36(1H,td,J=8.5,1Hz),7.62(1H,dd,J=8.5,1Hz),12.63(1H,brs)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:1688
マススペクトルm/z:509(M++1)
【0073】
参考例47〜49の方法に従って、参考例50〜96の化合物を得た。
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】
【表14】
【0079】
【表15】
【0080】
【表16】
【0081】
【表17】
【0082】
【表18】
【0083】
【表19】
【0084】
【表20】
【0085】
【表21】
【0086】
【表22】
【0087】
参考例97
4−[2−(2−アセチルアミノ−8−ヒドロキシ−6−メチル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(2−アセチルアミノ−5−アミノ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.60g,トリエチルアミン0.58ml及びテトラヒドロフラン5mlの混合物に、氷冷下、トリホスゲン0.18gのテトラヒドロフラン4ml溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物に氷水を加え、析出結晶を濾取し、水及びジエチルエーテルで順次洗浄して、褐色結晶0.26gを得た。酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して、融点222〜227℃の淡褐色結晶を得た。
NMRスペクトル δ(DMSO−d6)ppm:0.94−1.06(2H,m),1.28−1.44(1H,m),1.38(9H,s),1.64(2H,q,J=7Hz),1.69−1.77(2H,m),2.15(3H,s),2.35(3H,s),2.57−2.70(2H,m),3.79(2H,t,J=7Hz),3.84−3.93(2H,m),9.99(1H,s),11.18(1H,s)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:3212,1682,1663,1610
マススペクトルm/z:417(M+−1)
【0088】
参考例98
4−[2−(6−メチル−2−メチルアミノ−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.50g及び40%メチルアミンメタノール溶液5mlの混合物を、封管中100℃で7時間攪拌した。反応混合物の溶媒を留去し、残渣に水とジイソプロピルエーテルを加えて、析出した結晶を濾取し、水及びジイソプロピルエーテルで順次洗浄して、淡褐色結晶0.49gを得た。酢酸エチルから再結晶して、融点152.5〜154℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C25H34N6O2
理論値(%) C,66.64; H,7.61; N,18.65
実験値(%) C,66.40; H,7.51; N,18.74
【0089】
参考例99
4−[2−(2−イソプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.40g,イソプロピルアミン1.49ml及びブタノール4mlの混合物を、封管中100℃で2日間攪拌した。反応混合物の溶媒を留去し、残渣に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:1)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色液体0.39gを得た。
NMRスペクトル δ(DMSO−d6)ppm:0.84−0.96(2H,m),1.15−1.28(1H,m),1.19(6H,d,J=6.5Hz),1.36(9H,s),1.42−1.51(2H,m),1.57(2H,q,J=7.5Hz),2.48−2.60(2H,m),2.51(3H,s),3.74−3.83(2H,m),4.02−4.14(1H,m),4.20(2H,t,J=7.5Hz),6.61(1H,d,J=8Hz),7.51−7.59(3H,m),7.71−7.77(2H,m)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:3355,1686
マススペクトルm/z:479(M++1)
【0090】
参考例98〜99の方法に従って、参考例100〜143の化合物を得た。
【0091】
【表23】
【0092】
【表24】
【0093】
【表25】
【0094】
【表26】
【0095】
【表27】
【0096】
【表28】
【0097】
【表29】
【0098】
【表30】
【0099】
【表31】
【0100】
参考例144
4−[2−(2−メトキシ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
メタノール20ml中に、氷冷攪拌下、60%水素化ナトリウム0.18gを少量ずつ加えた。混合物を室温で20分間攪拌した後、氷冷攪拌下、4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.40gを少量ずつ加え、2時間還流した。反応後溶媒を留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で順次洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルとn−ヘプタンの混液で洗浄して、無色結晶0.35gを得た。ジイソプロピルエーテルから再結晶して、融点129〜130℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C25H33N5O3
理論値(%) C,66.50; H,7.37; N,15.51
実験値(%) C,66.46; H,7.21; N,15.42
【0101】
参考例145
4−[2−(6−メチル−2−フェネチルオキシ−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
フェネチルアルコール0.32gのテトラヒドロフラン4ml溶液中に、氷冷攪拌下、60%水素化ナトリウム0.11gを加えた。混合物を50℃で20分間攪拌した後、4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.40gを加え、1時間還流した。反応混合物を室温まで冷却した後氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で順次洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:2)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色液体0.42gを得た。
NMRスペクトル δ(DMSO−d6)ppm:0.83−0.95(2H,m),1.16−1.29(1H,m),1.36(9H,s),1.41−1.50(2H,m),1.58(2H,q,J=7.5Hz),2.45−2.60(2H,m),2.65(3H,s),3.09(2H,t,J=7Hz),3.73−3.83(2H,m),4.28(2H,t,J=7.5Hz),4.58(2H,t,J=7Hz),7.19−7.27(1H,m),7.28−7.37(4H,m),7.56−7.62(3H,m),7.75−7.81(2H,m)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:1687
マススペクトルm/z:542(M++1)
【0102】
参考例146
4−[2−[2−(1−イミダゾリル)−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
60%水素化ナトリウム0.05gのN,N−ジメチルホルムアミド2.5ml懸濁液中に、イミダゾール0.09gを加え、混合物を室温で30分間攪拌した後、4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.50gを少量ずつ加え、50℃で2時間攪拌した。反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルを溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジエチルエーテルで洗浄して、淡黄色結晶0.36gを得た。酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して、融点134〜135℃の淡黄色結晶を得た。
元素分析値 C27H33N7O2
理論値(%) C,66.51; H,6.82; N,20.11
実験値(%) C,66.43; H,6.84; N,20.27
【0103】
参考例144〜146の方法に従って、参考例147〜158の化合物を得た。
【0104】
【表32】
【0105】
【表33】
【0106】
【表34】
【0107】
参考例159
4−[2−(6−メチル−2−フェノキシ−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.40g,フェノール0.83g及び85%水酸化カリウム0.15gの混合物を、100℃で3時間攪拌した。反応混合物に冷却後水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を2M水酸化ナトリウム水溶液,水及び飽和食塩水で順次洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルとn−ヘプタン(1:1)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジイソプロピルエーテルとn−ヘプタンの混液で洗浄して、淡褐色結晶0.39gを得た。ジイソプロピルエーテルから再結晶して、融点140.5〜142℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C30H35N5O3
理論値(%) C,70.15;H,6.87;N,13.63
実験値(%) C,70.09;H,6.88;N,13.62
【0108】
参考例159の方法に従って、参考例160〜165の化合物を得た。
【0109】
【表35】
【0110】
【表36】
【0111】
参考例166
4−[2−(6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.50g,トリエチルアミン0.17mlのメタノール20ml溶液に5%パラジウム炭素触媒0.10gを加えて、水素気流下、室温で4時間接触還元を行った。触媒を濾去後、溶媒を留去して、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、脱水後、溶媒を留去して、無色液体0.44gを得た。
NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:1.00−1.10(2H,m),1.24−1.35(1H,m),1.43(9H,s),1.47−1.56(2H,m),1.73(2H,q,J=7.5Hz),2.50−2.60(2H,m),2.90(3H,s),3.93−4.06(2H,m),4.40(2H,t,J=7.5Hz),7.54−7.61(3H,m),7.70−7.75(2H,m),8.85(1H,s)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:1686
マススペクトルm/z:422(M++1)
【0112】
参考例167
1−[9−[2−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)エチル]−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸
1−[9−[2−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)エチル]−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸エチル0.50g,2M水酸化ナトリウム水溶液1.0mlのエタノール10ml溶液を、50℃で30分間攪拌した。反応後溶媒を留去し、残渣に水を加えて、氷冷下、6M塩酸でpHを2に調整し、析出結晶を濾取して、淡黄色結晶0.40gを得た。更に結晶をN,N−ジメチルホルムアミドと水の混液から再結晶して、融点118〜120℃の無色針状晶を得た。
元素分析値 C30H40N6O4・H2O
理論値(%) C,63.58;H,7.47;N,14.83
実験値(%) C,63.45;H,7.19;N,15.03
【0113】
参考例168
4−(3−アミノプロピル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−(2−シアノエチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル22.6gの5%アンモニアメタノール溶液450mlにラネーニッケル4.6mlを加えて、水素気流下、40℃,50kg/cm2で2日間接触還元を行った。触媒を濾去後、溶媒を留去して、淡緑色液体23.2gを得た。
NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:1.02−1.17(4H,m),1.33−1.54(3H,m),1.46(9H,s),1.55−1.71(4H,m),2.60−2.80(4H,m),4.00−4.17(2H,m)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:3375,1684
マススペクトルm/z:243(M++1)
【0114】
実施例1
6−メチル−2−メチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン・2塩酸塩
4−[2−(6−メチル−2−メチルアミノ−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.44g及び塩化水素エタノール溶液5mlの混合物を、室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を2−プロパノールと酢酸エチルで洗浄し、析出した結晶を濾取して、0.39gの淡褐色結晶を得た。2−プロパノールから再結晶して、融点180〜190℃の淡褐色結晶を得た。
元素分析値 C20H26N6・2HCl・7/2H2O
理論値(%) C,49.38; H,7.25; N,17.28
実験値(%) C,49.51; H,6.94; N,17.46
【0115】
実施例2
2−ベンゾイルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
4−[2−[2−ベンゾイルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9H−プリン−9−イル]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.33gの1,2−ジクロロエタン1.7ml溶液に、室温攪拌下トリフルオロ酢酸1.1mlを加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物にジエチルエーテルを加え、析出結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、炭酸水素ナトリウムを加えてpH9とし、1,2−ジクロロエタンとメタノールの混液で抽出した。抽出液を脱水し、溶媒を留去して、残渣を酢酸エチルで洗浄して、0.23gの黄褐色結晶を得た。2−プロパノールから再結晶して、融点169.5〜171℃の淡黄色結晶を得た。
元素分析値 C26H28N6O2・1/2H2O
理論値(%) C,67.08; H,6.28; N,18.05
実験値(%) C,67.20; H,6.32; N,17.80
【0116】
実施例1〜2の方法に従って、実施例3〜118の化合物を得た。
【0117】
【表37】
【0118】
【表38】
【0119】
【表39】
【0120】
【表40】
【0121】
【表41】
【0122】
【表42】
【0123】
【表43】
【0124】
【表44】
【0125】
【表45】
【0126】
【表46】
【0127】
【表47】
【0128】
【表48】
【0129】
【表49】
【0130】
【表50】
【0131】
【表51】
【0132】
【表52】
【0133】
【表53】
【0134】
【表54】
【0135】
実施例119
9−[2−(1−n−ブチル−4−ピペリジル)エチル]−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン・2フマル酸塩
2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン0.30gと炭酸カリウム0.55gのN,N−ジメチルホルムアミド3ml懸濁液に室温攪拌下、臭化n−ブチル0.10mlのN,N−ジメチルホルムアミド1ml溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、脱水後、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルとn−ヘプタン(1:1)を溶出溶媒としたアルミナカラムクロマトグラフィーで精製して、0.31gの淡黄色液体を得た。常法により、フマル酸塩とし、メタノールから再結晶して、融点218〜220℃(分解)の無色結晶を得た。
元素分析値 C26H36N6・2C4H4O4
理論値(%) C,61.43;H,6.67;N,12.64
実験値(%) C,61.21;H,6.59;N,12.67
【0136】
実施例119の方法に従って、実施例120〜122の化合物を得た。
【0137】
【表55】
【0138】
以下、本発明化合物の優れた効果の一例として、ヒト細胞におけるTNF−αの産生阻害作用及びPDE4阻害作用の試験結果を示す。
【0139】
[試験例1:ヒト細胞におけるTNF−αの産生阻害作用]
1.培養用の血液細胞の調製
健康な成人志願者に静脈穿刺して、ノボ・ヘパリン注1000(Novo Nordisk社製)を170μl 含有するプラスチック試験管中へ全血を約50ml採取した。これから末梢血単核細胞(PBMC:Peripheral Blood Mononuclear Cell )をLeucoPREP(商品名)(Becton Dickinson社製)細胞分離管によって調製し、2mM L−グルタミン(Life Technologies 社製)、2.5U/mlペニシリン−2.5μg/mlストレプトマイシン溶液(Life Technologies社製)を含有し、10%牛胎児血清(Intergen Company社製)を添加したRPMI−1640 培地(日水製薬株式会社製)中で、細胞密度1×106個/mlとなるように培養した。
【0140】
2.被験化合物の調製
被験化合物は滅菌超純水やジメチルスルホキシドあるいは0.1M塩酸で可能な限り20μMとなるよう溶解してから生理食塩水で系列希釈して用いた。化合物は10−11M〜10−5Mの濃度範囲で試験した。
【0141】
3.細胞の薬物処置
予め10μlの被験化合物を添加した96穴(平底)Micro Test III(商品名) tissue culture plate(Becton Dickinson社製)細胞培養用プレートに、先に調製した培地中のPBMC180μlを添加した。その30分後更に、20μg/mlのリポポリサッカライド(LPS)10μlを添加し、プレートにプラスチック製の蓋をして、5%二酸化炭素雰囲気において37℃で16時間インキュベートした。
【0142】
4.ヒトTNF−αの定量
サンドイッチ法によるエンザイムイムノアッセイ法を構築して培養上清中のヒトTNF−αを定量した。96ウェルのマイクロタイタープレートに希釈した抗サイトカイン抗体(捕捉抗体、又は一次抗体)を入れ、コーティングとした。ウェルの洗浄後、培養上清を適宜希釈してウェルに入れインキュベーションした。その後、サイトカインに対する検出抗体(又は二次抗体)、検出抗体に対するHRP(西洋わさびペルオキシターゼ;horseradish peroxidase)抱合抗体(又は三次抗体)を、洗浄工程を挟みながら順次入れた。最終洗浄後、各ウェルにテトラメチルベンジジン溶液(DAKO社製)を入れ発色反応を開始した。0.5M硫酸で発色反応を停止した後、各ウェルの450nmでの吸光度をM−Vmax(商品名)マイクロプレートリーダー(Molecular Devices社製)で測定した。サイトカインの濃度は定量ソフトウェアSoftmax(商品名)(Molecular Devices社製)で組換えサイトカインを標準品として使った検量線と比較して決定した。ヒトTNF−αの定量にはモノクローナル抗ヒトTNF−α(ENDOGEN社製)、ポリクローナルウサギ抗ヒトTNF−α(Pharma Biotechnologie Hannover社製)、ペルオキシダーゼ抱合ロバ抗ウサギIgG(Jackson ImmunoRes. Labs社製)、組換えヒトTNF−α(INTERGEN社製)をそれぞれ、捕捉、検出、HRP抱合抗体及び検量線用の標準品に用いた。
各被験化合物の活性は、LPSと被験化合物で処理したときのサイトカインの誘導量を、50%抑制する濃度IC50値(nM)で表した。
結果を表56に示す。
【0143】
【表56】
【0144】
[試験例2:PDE4阻害作用]
1.ヒト由来PDE4の粗精製
PDE4はヒト単球系培養細胞であるU937細胞より粗精製した。U937細胞を1μMサルブタモールと30μMロリプラムで37℃,4時間,5%二酸化炭素雰囲気下で刺激した。回収した細胞はダルベッコりん酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、懸濁緩衝液[50mMトリス,0.25Mショ糖,0.1mMエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)4酢酸,1mMジチオスレイトール,1μg/mlロイペプチン,0.2mMフェニルメタンスルホニルフルオリド,1μMペプスタチンA,2mMベンザミジン、pH7.5]で懸濁し、超音波ホモジナイザーを用いて破砕した。細胞破砕液を100,000g,30分,4℃で遠心し、上清を平衡緩衝液で平衡化させた強陰イオン交換カラム(リソース−Qカラム(商品名);Pharmacia Biotech社製)に添加した。平衡緩衝液[50mMトリス,0.1mMエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)4酢酸,1mMジチオスレイトール,1μg/mlロイペプチン,0.2mMフェニルメタンスルホニルフルオリド,1μMペプスタチンA,2mMベンザミジン、pH7.5]でカラムを洗浄後、40分間で0〜2.0M酢酸ナトリウムの濃度勾配で溶出を行った。溶出液は2.0mlずつの分画に分けて回収し、各分画のPDE4活性を測定した。PDE4活性のある分画を回収し、一定活性になるよう平衡緩衝液で希釈して、これをPDE4酵素溶液とした。
【0145】
2.被験化合物の調製
被験化合物は、精製水やジメチルスルホキシドあるいは0.1M塩酸で可能な限り20μMになるよう溶解してから、精製水で系列希釈して用いた。
【0146】
3.PDE4活性測定
反応緩衝液(最終濃度50mMトリス,5mM塩化マグネシウム)の5倍濃度液20μl,精製水50μl,被験化合物10μl,PDE4酵素溶液10μl及びサイクリックアデノシン3’,5’−1リン酸基質溶液10μlを1.5mlマイクロチューブに添加し、30℃で20分間反応させた。反応を止めるため、95〜100℃で5分間加熱した後、氷上で冷却した。反応液に3mg/mlヘビ毒(ガラガラヘビ由来)を10μlずつ加え、30℃で20分間反応させた。反応後、強陰イオン交換樹脂(AG−1/X8レジン(商品名);Bio−Rad社製)を200μlずつ加え、20分間静置させた。バイアルに上清50μlと液体シンチレーションカウンター用カクテル剤(アクアゾール−2(商品名);Packard社製)5mlを加え、一晩置いた後、液体シンチレーションカウンターで測定を行った。
各被験化合物の活性は、PDE4活性を50%阻害する濃度:IC50値(nM)で表した。
【0147】
【表57】
【0148】
これらの結果から、本発明化合物は優れたTNF−αの産生阻害作用とPDE4阻害作用を有することが明らかである。
【0149】
【発明の効果】
本発明化合物は優れたTNF−αの産生阻害作用とPDE4阻害作用を有し、TNF−α介在性又はPDE4が関与する疾患の予防又は治療剤として極めて有用である
【発明の属する技術分野】
本発明は強力な腫瘍壊死因子(TNF)−α産生阻害作用及びホスホジエステラーゼIV(PDE4)阻害作用を有し、ヒト又は動物におけるTNF−α介在性疾患又はPDE4が関与する疾患の予防及び/又は治療のための医薬として有用である新規な9H−プリン誘導体、又はその塩に関するものである。
これらTNF−α介在性疾患又はPDE4が関与する疾患としては、例えば、慢性炎症性疾患(例えば、リューマチ性関節炎,変形性関節炎等),アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎,接触性皮膚炎,喘息,敗血症,敗血症性ショック,各種自己免疫性疾患[自己免疫血液疾患(例えば、溶血性貧血,再生不良性貧血,特発性血小板減少症等),自己免疫性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎,クローン病等),自己免疫性角膜炎(例えば、乾性角結膜炎,春季結膜炎等),内分泌性眼障害,グレーブス病,サルコイドーシス,多発性硬化症,全身性エリテマトーデス,多発性軟骨炎,強皮症,活動性慢性肝炎,重症筋無力症,乾癬,間隙性肺線維症等],糖尿病,癌悪液質,エイズ悪液質等が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
本発明化合物と同じような薬理作用をもつPDE4阻害剤としては、例えば、特開昭50−157360号公報に開示された4−[(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ)ベンジル]−2−オキソピロリジン(一般名:ロリプラム)が、特異的なPDE4阻害剤として知られており、その他にも、ロリプラムと同様の(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ)ベンジル基を分子内に含有することを構造上の特徴とする化合物が、例えば、特開平4−253945号公報,特表平6−504782号公報,特表平8−501318号公報等にPDE4阻害剤として開示されている。
本発明化合物と同様の9H−プリン骨格を有するPDE4阻害剤としては、特開平11−222488号公報に、9−[(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ)ベンジル]−6,8−ジメチル−2−[3−(4−ピリジル)プロピルオキシ]−9H−プリン等が開示されているが、前述のPDE4阻害剤と同様に、分子内に(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ)ベンジル基を有する化合物である。
更に、上記知見の他にTNF−α産生阻害作用を有する9H−プリン誘導体は全く知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、優れたTNF−α産生阻害作用及びPDE4阻害作用を有し、医薬として有用である新規な化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、この様な課題を解決すべく鋭意研究した結果、上述の9H−プリン誘導体とは異なり、9位に(4−ピペリジル)アルキル基あるいは(1−ピペラジニル)アルキル基を有する新規な9H−プリン誘導体が、優れたTNF−α産生阻害作用及びPDE4阻害作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
即ち、本発明は次の一般式(I)
【化2】
(式中、R1は水素原子,水酸基,置換基を有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R2は水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表し、R3は水素原子,ハロゲン原子,置換基を有してもよいアルコキシ基,置換基を有してもよいシクロアルキルオキシ基,置換基を有してもよいビシクロアルキルオキシ基,置換基を有してもよいアリールオキシ基,置換基を有してもよいアラルキルオキシ基,置換基を有してもよいアリールチオ基又はNR5R6で示される基を表し、R4は水素原子,アルキル基,ベンジル基又はアセチル基を表し、mは0から3の整数を表し、XはCHで示される基又は窒素原子を表し、R5は水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基を表し、R6は水素原子,置換基を有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基,置換基を有してもよいアラルキル基,置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアシル基を表すか、又は、R5とR6は隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有してもよく、更に窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の複素環基を形成してもよい。)
で示される新規な9H−プリン誘導体、又はその塩に関するものである。
【0006】
本発明の第二の態様によれば、前記一般式(I)で示される化合物中、R2が置換基を有してもよいアルキル基である化合物及び/又は、R3がNR5R6で示される基である新規な9H−プリン誘導体、又はその塩が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の前記一般式(I)で示される化合物について具体的に説明する。
前記一般式(I)において、R1,R2,R5又はR6で示される置換基を有してもよいアルキル基のアルキル基又はR4で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,n−ペンチル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,tert−ペンチル基,n−ヘキシル基,イソヘキシル基,1,3−ジメチルブチル基,n−ヘプチル基等が挙げられ、R1又はR6で示される置換基を有してもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基,シクロブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シクロヘプチル基等が挙げられる。
【0008】
前記一般式(I)において、R1又はR6で又は示される置換基を有してもよいアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル基,1−ナフチル基,2−ナフチル基,2−ピリジル基,3−ピリジル基,4−ピリジル基,2−ピラジニル基,2−ピリミジニル基,4−ピリミジニル基,5−ピリミジニル基,3−ピリダジニル基,4−ピリダジニル基,1−ピロリル基,2−ピロリル基,3−ピロリル基,1−イミダゾリル基,2−イミダゾリル基,4−イミダゾリル基,1−ピラゾリル基,3−ピラゾリル基,4−ピラゾリル基,5−ピラゾリル基,2−フリル基,3−フリル基,2−チエニル基,3−チエニル基,2−オキサゾリル基,4−オキサゾリル基,5−オキサゾリル基,2−チアゾリル基,4−チアゾリル基,5−チアゾリル基,キノリル基,イソキノリル基,インドリジニル基等が挙げられる。
【0009】
前記一般式(I)において、R3で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子が挙げられ、R3で示される置換基を有してもよいアルコキシ基のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基,エトキシ基,n−プロポキシ基,イソプロポキシ基,n−ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブトキシ基,tert−ブトキシ基,n−ペンチルオキシ基,ネオペンチルオキシ基,tert−ペンチルオキシ基,イソペンチルオキシ基,n−ヘキシルオキシ基,イソヘキシルオキシ基,1−(エチル)プロピルオキシ基,n−ヘプチルオキシ基,2−メチル−1−(1−メチルエチル)プロピルオキシ基等が挙げられる。
【0010】
前記一般式(I)において、R3で示される置換基を有してもよいシクロアルキルオキシ基のシクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロプロピルオキシ基,シクロブチルオキシ基,シクロペンチルオキシ基,シクロヘキシルオキシ基,シクロヘプチルオキシ基等が挙げられ、R3で示される置換基を有してもよいビシクロアルキルオキシ基のビシクロアルキルオキシ基としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルオキシ基,ビシクロ[2.2.2]オクチルオキシ基,ビシクロ[3.2.1]オクチルオキシ基等が挙げられ、R3で示される置換基を有してもよいアリールオキシ基のアリールオキシ基としては、例えば、上述のアリール基を有するアリールオキシ基が挙げられ、一例としては、フェノキシ基,1−ナフチルオキシ基,2−ピリジルオキシ基,2−チエニルオキシ基,2−フリルオキシ基等が挙げられる。
【0011】
前記一般式(I)において、R3で示される置換基を有してもよいアラルキルオキシ基のアラルキルオキシ基としては、例えば、上述のアリール基を有するアリールアルキルオキシ基が挙げられ、一例としては、ベンジルオキシ基,フェネチルオキシ基,フェニルプロピルオキシ基,1−(フェニル)エチルオキシ基,2−ピリジルメチルオキシ基,3−ピリジルメチルオキシ基,4−ピリジルメチルオキシ基,2−フリルメチルオキシ基,3−フリルメチルオキシ基,2−チエニルメチルオキシ基,3−チエニルメチルオキシ基,2−(2−ピリジル)エチルオキシ基,2−(3−ピリジル)エチルオキシ基,2−(4−ピリジル)エチルオキシ基,2−(2−フリル)エチルオキシ基,2−(3−フリル)エチルオキシ基,2−(2−チエニル)エチルオキシ基,2−(3−チエニル)エチルオキシ基,3−(2−チエニル)プロピルオキシ基等が挙げられ、R3で示される置換基を有してもよいアリールチオ基のアリールチオ基としては、例えば、上述のアリール基を有するアリールチオ基が挙げられ、一例としては、フェニルチオ基,1−ナフチルチオ基,2−ピリジルチオ基,2−チエニルチオ基,2−フリルチオ基等が挙げられる。
【0012】
前記一般式(I)において、R6で示される置換基を有してもよいアラルキル基のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基,フェネチル基,1−(フェニル)エチル基,フェニルプロピル基,1−ナフチルメチル基,2−ナフチルメチル基,2−ピリジルメチル基,3−ピリジルメチル基,4−ピリジルメチル基,2−フリルメチル基,3−フリルメチル基,2−チエニルメチル基,3−チエニルメチル基,2−(2−ピリジル)エチル基,2−(3−ピリジル)エチル基,2−(4−ピリジル)エチル基,2−(2−フリル)エチル基,2−(3−フリル)エチル基,2−(2−チエニル)エチル基,2−(3−チエニル)エチル基,3−(2−チエニル)プロピル基,キノリルメチル基等が挙げられ、R6で示される置換基を有してもよいアシル基のアシル基としては、例えば、アセチル基,プロピオニオニル基,ベンゾイル基,ナフトイル基,テノイル基,フロイル基,シクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
【0013】
前記一般式(I)において、NR5R6で示される基のうち、R5とR6は隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有してもよく、更に窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の複素環基を形成する場合の、隣接する窒素原子と一緒になって更に窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の複素環基としては、例えば、1−アジリジニル基,1−アゼチジニル基,1−ピロリジニル基,ピペリジノ基,1−ピペラジニル基,モルホリノ基,4−チオモルホリニル基,1−イミダゾリジニル基,1−ピラゾリジニル基,1−ピロリル基,1−イミダゾリル基,1−ピラゾリジル基,1−インドリル基,2−イソインドリル基等が挙げられる。
【0014】
又、本発明の前記一般式(I)において、ある官能基につき「置換基を有してもよい」という場合には、これらの基に置換可能な基であればいかなるものでもよく、置換基の個数、種類及び置換位置は特に限定されず、2個以上の置換基が存在する場合には、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。置換可能な基としては、例えば、フッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子のハロゲン原子、水酸基、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,n−ペンチル基,イソペンチル基,ネオペンチル基,n−ヘキシル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基,トリクロロメチル基,トリブロモメチル基,ペンタフルオロエチル基,ペンタクロロエチル基,ペンタブロモエチル基等のハロゲノアルキル基、ヒドロキシメチル基,ヒドロキシエチル基,ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基、フェニル基,ナフチル基,ピリジル基等のアリール基、メトキシ基,エトキシ基,n−プロポキシ基,イソプロポキシ基,n−ブトキシ基,イソブトキシ基,sec−ブトキシ基,tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、シクロプロピルオキシ基,シクロブチルオキシ基,シクロペンチルオキシ基,シクロヘキシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基、フェノキシ基,ピリジルオキシ基,ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、アミノ基,メチルアミノ基,エチルアミノ基,n−プロピルアミノ基,イソプロピルアミノ基,シクロプロピルアミノ基,シクロブチルアミノ基,シクロペンチルアミノ基,シクロヘキシルアミノ基,ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,アニリノ基,ピリジルアミノ基,ベンジルアミノ基,ジベンジルアミノ基,アセチルアミノ基,トリフルオロアセチルアミノ基,tert−ブトキシカルボニルアミノ基,ベンジルオキシカルボニルアミノ基,ベンズヒドリルアミノ基,トリフェニルメチルアミノ基等の置換基を有してもよいアミノ基、メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基,n−プロポキシカルボニル基,n−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
【0015】
尚、本明細書において、「アリール基」,「アリールオキシ基」,「アラルキルオキシ基」,「アリールチオ基」,「アラルキル基」,「アシル基」又は「隣接する窒素原子と一緒になって置換基を有してもよく、窒素原子,酸素原子,硫黄原子から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和又は不飽和の複素環基」における環の置換/結合部位としては、上記に一部を例示したが、特に置換/結合部位を限定しない限り、環構成成分中置換/結合可能な元素であればいかなる位置で置換/結合してもよい基を包含する概念として用いる。
【0016】
本発明の前記一般式(I)で示される化合物は必要に応じて塩、好ましくは薬理学的に許容しうる塩に変換することも、又は生成した塩から遊離塩基に変換することもできる。本発明化合物の塩としては、酸付加塩が挙げられ、例えば、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素酸,硫酸,硝酸,燐酸等の鉱酸塩、又は、ギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸,イソ酪酸,吉草酸,イソ吉草酸,ピバル酸,トリフルオロ酢酸,アクリル酸,オレイン酸,マレイン酸,フマル酸,クエン酸,シュウ酸,コハク酸,酒石酸,リンゴ酸,マロン酸,乳酸,グルタル酸,セバシン酸,グルコン酸,エナント酸,カプリル酸,ノナン酸,カプリン酸,ラウリン酸,パルミチン酸,ミリスチン酸,ステアリン酸,ヘプタデカン酸,ウンデカン酸,マンデル酸,グリコール酸,ソルビン酸,メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,安息香酸,フタル酸,テレフタル酸,ケイ皮酸,p−トルエンスルホン酸,ニコチン酸,ピクリン酸,アジピン酸,アスパラギン酸,グルタミン酸,10−カンファースルホン酸及びこれらの光学活性体等の有機酸塩が挙げられる。
【0017】
本発明の前記一般式(I)で示される化合物中、不斉炭素を有する化合物には光学異性体が存在し得るが、本発明にはこれら光学活性体及びその混合物,ラセミ体並びにそれらの塩も包含される。
【0018】
本発明の前記一般式(I)で示される化合物又はその塩は、製造条件により任意の結晶形,任意の水和物又は任意の溶媒和物として存在することができるが、これらの結晶形,水和物又は溶媒和物及びそれらの混合物も本発明の範囲に包含される。
【0019】
本発明の前記一般式(I)で示される化合物として、例えば、下記の化合物及びそれらの塩を具体的に挙げることができるが、本発明はこれらの特定の例に限定されることはない。
(1) 2−イソプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(2) 2−イソプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(3) 2−イソプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(4) 2−イソプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(5) 2−tert−ブチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(6) 2−tert−ブチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(7) 2−tert−ブチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(8) 2−tert−ブチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(9) 6−メチル−2−tert−ペンチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(10) 6−メチル−2−tert−ペンチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(11) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−tert−ペンチルアミノ−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(12) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−tert−ペンチルアミノ−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(13) 2−ジエチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(14) 2−ジエチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(15) 2−ジエチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(16) 2−ジエチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(17) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(18) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
(19) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(20) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−9H−プリン
【0020】
(21) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−2−(1−ピロリジニル)−9H−プリン
(22) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−2−(1−ピロリジニル)−9H−プリン
(23) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−2−(1−ピロリジニル)−9H−プリン
(24) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(1−ピペラジニル)エチル]−2−(1−ピロリジニル)−9H−プリン
(25) 6−メチル−2−メチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(26) 2−ベンゾイルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(27) 2−(1,3−ジメチルブチルアミノ)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(28) 2−ジメチルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(29) 2−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(30) 2−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(31) 2−シクロヘキシルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(32) 2−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(33) 2−アニリノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(34) 6−メチル−2−フェネチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(35) 2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(36) (S)−6−メチル−8−フェニル−2−(1−フェニルエチル)アミノ−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(37) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−2−(4−ピリジルメチル)アミノ−9H−プリン
(38) 2−(1−アゼチジニル)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(39) 6−メチル−2−(4−メチル−1−ピペラジニル)−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(40) 2−(2,5−ジメチル−1−ピロリジニル)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
【0021】
(41) 2−(3−ヒドロキシプロピル)アミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(42) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−フェノキシ−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(43) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−(4−ピペリジル)−9H−プリン
(44) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[3−(4−ピペリジル)プロピル]−9H−プリン
(45) 2−シクロプロピルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(46) 2−メトキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(47) 2−n−ブトキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(48) 2−シクロヘキシルオキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(49) 2−exo−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルオキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(50) 2−ベンジルオキシ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(51) 2−(1−イミダゾリル)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(52) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−2−(1−ピロリル)−9H−プリン
(53) 6−メチル−2−(4−メチルフェノキシ)−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(54) 6−メチル−8−フェニル−2−フェニルチオ−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(55) 8−n−ブチル−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(56) 8−シクロヘキシル−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(57) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−8−(2−ピロリル)−9H−プリン
(58) 2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(59) 2−アミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(60) 2−アセチルアミノ−8−ヒドロキシ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
【0022】
(61) 6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(62) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(1−メチル−4−ピペリジル)エチル]−8−フェニル−9H−プリン
(63) 9−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン
(64) 9−[2−(1−アセチル−4−ピペリジル)エチル]−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン
(65) 2−(R)−2−ヒドロキシメチル−1−ピロリジニル)−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(66) 2−シクロプロピルアミノ−6−エチル−8−(2−ヒドロキシフェニル)−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(67) 6−n−ブチル−2−シクロプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(68) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−6−トリフルオロメチル−9H−プリン
(69) 2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−8−(2−チエニル)−9H−プリン
(70) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−メトキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(71) 2−シクロプロピルアミノ−8−(6−フルオロ−2−メトキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(72) 2−シクロプロピルアミノ−8−(2−イミダゾリル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
(73) 8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−メチル−1−ピペラジニル)エチル]−2−(4−チオモルホリニル)−9H−プリン
【0023】
本発明の前記一般式(I)で示される新規な9H−プリン誘導体は、例えば、以下の方法により製造することができるが、本発明化合物の製造方法はこれらの方法に限定されるわけではない。
【0024】
本発明化合物の第一の製造方法として、前記一般式(I)の化合物のうち、R4が水素原子である化合物は、以下の様にして製造することができる。
【化3】
(式中、R1,R2,R3,m及びXは前述と同意義を表し、Zはハロゲン原子を表し、Bocはtert−ブトキシカルボニル基を表す。)
【0025】
即ち、工程1においては、一般式(II)の化合物を酢酸や硫酸等の存在下又は非存在下、濃硝酸や発煙硝酸等のニトロ化剤を用いて、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(III)の化合物を得ることができる。
【0026】
工程2においては、一般式(III)の化合物を適当なハロゲン化剤、例えば、オキシ塩化リン,塩化チオニル,ホスゲン,塩化オキサリル,五塩化リン,臭化チオニル,三臭化リン,五臭化リン等を用いて、トルエン等の溶媒の存在下又は非存在下、ジメチルアニリン,ジエチルアニリン等の塩基の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(IV)の化合物を得ることができる。
【0027】
工程3においては、次の一般式(IX)で示されるアミン
【化4】
(式中、Boc,X及びmは前述と同意義を表す。)
と一般式(IV)の化合物を、N,N−ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラン又はトルエン等の溶媒中、トリエチルアミン,炭酸カリウム等の塩基の存在下又は非存在下に、−10℃から室温の間で反応することにより、一般式(V)の化合物を得ることができる。
【0028】
工程4においては、一般式(V)の化合物を適当な還元法、例えば、白金,ラネーニッケル,パラジウム炭素等の金属触媒を用いた接触還元法、塩化ニッケルと水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元法、鉄粉と塩酸を用いた還元法等でニトロ基を還元して、一般式(VI)の化合物を得ることができる。
還元反応は、水,メタノール,エタノール,テトラヒドロフラン等の溶媒又はこれらの混合溶媒中、0℃から溶媒の還流温度の間で行うことができる。
【0029】
工程5においては、一般式(VI)の化合物と、次の一般式(X),(XI)又は(XII)
R1C(OR)3 (X)
R1COY (XI)
(R1CO)2O (XII)
(式中、Rは低級アルキル基を表し、Yはハロゲン原子を表し、R1は前述の定義から水酸基を除く以外は、前述と同意義を表す。)
で示される化合物を、トリエチルアミン,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン,ピリジン,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の塩基触媒、又は塩酸,硫酸,p−トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下又は非存在下、N,N−ジメチルホルムアミド,1,2−ジクロロエタン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,キシレン,トルエン等の溶媒の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(VII)の化合物を得ることができる。
【0030】
又、工程5に代わる別の方法として、工程6において一般式(VI)の化合物と次の一般式(XIII)
R1CHO (XIII)
(式中、R1は前述の定義から水酸基を除く以外は、前述と同意義を表す。)
で示される化合物を、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンの存在下、アセトニトリル,1,4−ジオキサン,テトラヒドロフラン,1,2−ジクロロエタン,トルエン,N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン等の溶媒中、0℃から溶媒の還流温度の間で反応することにより、一般式(VII)の化合物を得ることができる。
【0031】
更に、工程5又は6に代わる別の方法として、工程7において一般式(VI)の化合物をホスゲン,トリホスゲン等の試薬と、トリエチルアミン,N,N−ジイソプロピルエチルアミン,ピリジン,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等の塩基の存在下、テトラヒドロフラン,酢酸エチル,塩化メチレン,1,2−ジクロロエタン等の溶媒中で、0℃から溶媒の還流温度の間で反応することにより、R1が水酸基である一般式(VII)の化合物を得ることができる。
【0032】
工程8においては、一般式(VII)の化合物と、次の一般式(XIV)
R5R6NH (XIV)
(式中、R5は前述と同意義を、R6は前述の定義から置換基を有してもよいアシル基を除く以外は、前述と同意義を表す。)
で示される化合物を、トリエチルアミン,N,N−ジイソプロピル−N−エチルアミン,ピリジン,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水素化ナトリウム等の塩基の存在下あるいは非存在下、メタノール,エタノール,プロパノール,2−プロパノール,ブタノール,N,N−ジメチルホルムアミド,1,2−ジクロロエタン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,キシレン,トルエン等の溶媒の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0033】
又、工程8に代わる別の方法として、工程9において一般式(VII)の化合物と次の一般式(XV)又は(XVI)
R7OH (XV)
R8SH (XVI)
(式中、R7は置換基を有してもよいアルキル基,置換基を有してもよいシクロアルキル基,置換基を有してもよいビシクロアルキル基,置換基を有してもよいアラルキル基,置換基を有してもよいアリール基を表し、R8は置換基を有してもよいアリール基を表す。)
で示される化合物を、水素化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化ナトリウム等の塩基の存在下、テトラヒドロフラン,N,N−ジメチルホルムアミド,トルエン等の溶媒の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0034】
更に、工程8又は9に代わる別の方法として工程10において、一般式(VII)の化合物を、白金,ラネーニッケル,パラジウム炭素等の金属触媒を用いて、メタノール,エタノール等のアルコール系溶媒又はテトラヒドロフラン等の溶媒中、水素気流下,常温から200℃の間で、常圧又は加圧下で反応を行うことにより、R3が水素原子である一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0035】
工程11においては、一般式(VIII)の化合物を、塩酸,塩化水素酢酸エチル溶液,塩化水素エタノール溶液,硫酸,臭化水素酸,トリフルオロ酢酸,p−トルエンスルホン酸,メタンスルホン酸等の酸を用いて、酢酸エチル,塩化メチレン,1,2−ジクロロエタン,1,4−ジオキサン,メタノール,エタノール,プロパノール,N,N−ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフラン,水,又はこれらの混合溶媒等の溶媒中で、0℃から溶媒の還流温度の間で反応することにより、R4が水素原子である一般式(I)の化合物を得ることができる。
尚、前記一般式(I)のうち、R3がハロゲン原子である化合物は、工程12において、一般式(VII)の化合物を、工程8,9又は10を経ることなく、工程11と同様の条件で反応を行うことによって製造することができる。
【0036】
本発明化合物の第二の製造方法として、前記一般式(I)の化合物のうち、R4が水素原子で、R3が水素原子又はハロゲン原子ではない化合物は、以下の様にして製造することができる。
【化5】
(式中、R1,R2,m,X,Z及びBocは前述と同意義を表し、R3は前述の定義から水素原子及びハロゲン原子を除く以外は、前述と同意義を表す。)
【0037】
工程13においては、第一の製造方法で得られる一般式(V)の化合物と、前記一般式(XIV)で示される化合物を、第一の製造方法の工程8と同様の反応を行うことにより、一般式(XVII)の化合物を得ることができる。
【0038】
又、工程13に代わる別の方法として、工程14において一般式(V)の化合物と前記一般式(XV)又は(XVI)で示される化合物を、第一の製造方法の工程9と同様の反応を行うことにより、一般式(XVII)の化合物を得ることができる。
【0039】
工程15においては、一般式(XVII)の化合物を第一の製造方法の工程4と同様の反応を行うことにより、一般式(XVIII)の化合物を得ることができる。
【0040】
工程16においては、一般式(XVIII)の化合物と、前記一般式(X),(XI)又は(XII)で示される化合物を、第一の製造方法の工程5と同様の反応を行うことにより、一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0041】
又、工程16に代わる別の方法として、工程17において一般式(XVIII)の化合物と前記一般式(XIII)で示される化合物を、第一の製造方法の工程6と同様の反応を行うことにより、一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0042】
更に、工程16又は17に代わる別の方法として、工程18において一般式(XVIII)の化合物を、第一の製造方法の工程7と同様の反応を行うことにより、R1が水酸基である一般式(VIII)の化合物を得ることができる。
【0043】
工程19においては、一般式(VIII)の化合物を、第一の製造方法の工程11と同様の反応を行うことにより、R4が水素原子で、R3が水素原子又はハロゲン原子ではない一般式(I)の化合物を得ることができる。
【0044】
本発明化合物の第三の製造方法として、前記一般式(I)の化合物のうち、R4が水素原子でR3がNHR6’で示される基(ただし、R6’は水素原子又は置換基を有してもよいアシル基を表す。)である化合物は、以下の様にして製造することができる。
【化6】
(式中、R1,R2,m,X及びBocは前述と同意義を表し、Acylは置換基を有してもよいアシル基を表す。)
【0045】
即ち、出発原料として一般式(XIX)で示される化合物を用いて、工程20においては、第一の製造方法の工程1と同様の方法で反応を行い、工程21においては、一般式(XX)で示される化合物を、無水酢酸,塩化アセチル,塩化ベンゾイル等の適当なアシル化試薬を用いて、N,N−ジメチルホルムアミド,塩化メチレン,テトラヒドロフラン,トルエン,ピリジン,ニトロベンゼン,1,2−ジクロロエタン,1,4−ジオキサン,メタノール,エタノール,プロパノール、又はこれらの混合溶媒等の溶媒の存在下又は非存在下、トリエチルアミン,炭酸カリウム等の塩基の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより、一般式(XXI)の化合物へと変換し、更に工程22〜28においては、それぞれ第一の製造方法の工程2〜7及び11と同様の反応を行うことにより、R3がNHR6’で示される基(ただし、R6’は前述と同意義を表す。)である一般式(I)の化合物を得ることができる。
【0046】
本発明化合物の第四の製造方法として、前記一般式(I)の化合物のうち、R4がアルキル基,ベンジル基又はアセチル基である化合物は、R4が水素原子である一般式(I)の化合物を、例えば、ハロゲン化アルキル,塩化ベンジル,臭化ベンジル等のアルキル化試薬又は塩化アセチル,無水酢酸等のアセチル化試薬を用いて、N,N−ジメチルホルムアミド,塩化メチレン,テトラヒドロフラン,トルエン,ピリジン,ニトロベンゼン,1,2−ジクロロエタン,1,4−ジオキサン,メタノール,エタノール,プロパノール又はこれらの混合溶媒等の溶媒の存在下又は非存在下、トリエチルアミン,炭酸カリウム等の塩基の存在下又は非存在下に、0℃から200℃の間で反応することにより合成することができる。
【0047】
本発明化合物の製造方法において、前記一般式(II)〜(IV)又は(XIX)〜(XXI)で示される化合物は、一部は市販されている化合物であり、又、その他は、例えば、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry),66巻,5723頁(2001年),特開平8−269279号公報,特表2001−519437号公報等に開示されている化合物であり、これらの文献に記載の方法に従って製造することができる。又、前記一般式(IX)で示される化合物も、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry),40巻,1779頁(1997年),特開2000−169462号公報等に記載の方法に従って製造することができる。
尚、一部新規の化合物については参考例にその合成法を記載した。
【0048】
この様にして製造される前記一般式(I)で示される新規な9H−プリン誘導体、又はその塩を有効成分とする医薬は、通常、カプセル剤,錠剤,細粒剤,顆粒剤,散剤,シロップ剤,ドライシロップ剤,液剤等の経口投与製剤、あるいは注射剤,坐剤,点眼剤,眼軟膏剤,点耳剤,点鼻剤,外皮用剤,吸入剤等の非経口投与製剤として投与される。これらの製剤は、本発明の前記一般式(I)で示される化合物、その塩、その水和物、その溶媒和物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、薬理学的,製剤学的に許容しうる1種又は2種以上の添加物を加え、常法により製造できる。例えば、経口投与製剤及び坐剤にあっては、賦形剤(乳糖,D−マンニトール,トウモロコシデンプン,結晶セルロース等),崩壊剤(カルボキシメチルセルロース,カルボキシメチルセルロースカルシウム,部分アルファー化デンプン,クロスカルメロースナトリウム,クロスポピドン等),結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリビニルピロリドン等),滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム,タルク,硬化油,ジメチルポリシロキサン,含水二酸化ケイ素,軽質無水ケイ酸,カルナウバロウ等),コーティング剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロース,白糖,酸化チタン等),可塑剤(クエン酸トリエチル,ポリエチレングリコール,グリセリン脂肪酸エステル等),基剤(ポリエチレングリコール,ハードファット等)等の製剤用成分が、注射剤,点眼剤,点耳剤等にあっては水性あるいは用時溶解型剤型を構成しうる溶解剤ないし溶解補助剤(注射用水,生理食塩水,プロピレングリコール等),pH調節剤(無機又は有機の酸あるいは塩基),等張化剤(塩化ナトリウム,ブドウ糖,グリセリン等),安定化剤(安息香酸,クエン酸,亜硫酸水素ナトリウム等)等の製剤用成分が、又、眼軟膏剤,外皮用剤にあっては、軟膏剤,クリーム剤,貼付剤として適切な製剤用成分(白色ワセリン,マクロゴール,グリセリン,流動パラフィン,グリセリン脂肪酸エステル,ポリエチレングリコール脂肪酸エステル,カルボキシビニルポリマー,アクリル系粘着剤,ゴム系粘着剤,シリコン樹脂,綿布等)が、吸入剤にあっては噴射剤(二酸化炭素,プロパン,窒素等),溶解補助剤(エタノール,プロピレングリコール等),界面活性剤(トリオレイン酸ソルビタン等),賦形剤(乳糖等)が使用される。
【0049】
本発明化合物のヒトに対する投与量は、患者の症状にもよるが、例えば、通常成人の場合、一日量として、経口投与で0.1〜1000mg程度、非経口投与で0.01〜500mg程度を1日1回又は数回に分けて投与することができる。もっとも、その投与量は治療又は予防の目的、疾患の部位や種類、患者の年齢や症状などに応じて、適宜増減することが望ましい。
【0050】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例によって説明するが、本発明はこれらの例の特定の細部に限定されるものではない。
尚、明細書中の略語はそれぞれ次の意味を表す。Boc: tert−ブトキシカルボニル, Ph:フェニル,Me:メチル,Et:エチル,iso−Pr:イソプロピル,n−Pr:n−プロピル,tert−Bu:tert−ブチル,n−Bu:n−ブチル,Ac:アセチル,DMSO−d6:ジメチルスルホキシド−d6,aq.:水性,ATR:全反射測定法
【0051】
参考例1
4−[2−[(2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
2,4−ジクロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン14.0gのテトラヒドロフラン100ml溶液に、氷冷攪拌下、4−(2−アミノエチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル23.0gのテトラヒドロフラン40ml溶液を滴下し、次いで、トリエチルアミン10.3mlを滴下して、氷冷下で1.5時間攪拌した。反応混合物に飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:3)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、12.5gの黄色結晶を得た。ジイソプロピルエーテルから再結晶して、融点79.5〜80℃の淡黄色結晶を得た。
元素分析値 C17H26ClN5O4
理論値(%) C,51.06; H,6.55; N,17.51
実験値(%) C,51.06; H,6.49; N,17.57
【0052】
参考例1の方法に従って、参考例2〜10の化合物を得た。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
参考例11
4−[2−[(2−tert−ブチルアミノ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.50gのブタノール15ml溶液に、tert−ブチルアミン1.6mlを加えて、封管中、100℃で5日間攪拌した。溶媒を留去し、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:3)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄橙色液体1.67gを得た。
NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:1.10−1.23(2H,m),1.35−1.43(1H,m),1.45(9H,s),1.46(9H,s),1.60−1.74(4H,m),2.63(3H,s),2.66−2.77(2H,m),3.60(2H,q,J=7.5Hz),4.00−4.20(2H,m),5.49(1H,s),8.82(1H,brs)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:3353,1690,1565,1364
マススペクトルm/z:435(M+−1)
【0056】
参考例11の方法に従って、参考例12〜22の化合物を得た。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
参考例23
4−[2−[(6−メチル−5−ニトロ−2−フェノキシピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.50g,フェノール3.53g及び85%水酸化カリウム0.64gの混合物を、80℃で1時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を2M水酸化ナトリウム水溶液と飽和食塩水で順次洗浄し、脱水後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:3)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、淡黄色結晶1.37gを得た。ジイソプロピルエーテルから再結晶して、融点131〜132.5℃の淡黄色針状晶を得た。
元素分析値 C23H31N5O5
理論値(%) C,60.38; H,6.83; N,15.31
実験値(%) C,60.34; H,6.76; N,15.39
【0061】
参考例24
4−[2−[(2−アセチルアミノ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
N−(4−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−2−イル)アセトアミド5.87gと炭酸カリウム5.63gのN,N−ジメチルホルムアミド35ml懸濁液に、氷冷下、4−(2−アミノエチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル9.88gのN,N−ジメチルホルムアミド21ml溶液を加え、60℃で3.5時間攪拌した。反応混合物に氷水とジイソプロピルエーテルを加えて攪拌し、析出した結晶を濾取し、水とジイソプロピルエーテルで順次洗浄して、褐色結晶8.56gを得た。酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して、融点120〜124℃の褐色結晶を得た。
元素分析値 C19H30N6O5
理論値(%) C,54.02; H,7.16; N,19.89
実験値(%) C,53.82; H,7.05; N,19.59
【0062】
参考例24の方法に従って、参考例25の化合物を得た。
【0063】
参考例25
4−[2−[(2−ベンゾイルアミノ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
性状:黄色結晶(再結晶溶媒:AcOEt−iso−Pr2O)
融点152〜153℃
元素分析値 C24H32N6O5
理論値(%) C,59.49; H,6.66; N,17.34
実験値(%) C,59.15; H,6.56; N,17.19
【0064】
参考例26
4−[2−[(5−アミノ−2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
塩化ニッケル・6水和物3.42gのメタノール290ml溶液中に、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム0.54gを添加した後、4−[2−[(2−クロロ−6−メチル−5−ニトロピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル11.5gのテトラヒドロフラン60ml溶液を加えた。続いて、水素化ホウ素ナトリウム3.06gを少量ずつ添加し、室温で30分間攪拌した。反応混合物から不溶物を濾去し、濾液を濃縮した後、残渣に10%塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液は飽和食塩水で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルとジエチルエーテルの混液で洗浄して8.16gの淡褐色結晶を得た。酢酸エチルから再結晶して、融点166〜167℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C17H28ClN5O2
理論値(%) C,55.20; H,7.63; N,18.93
実験値(%) C,54.93; H,7.49; N,18.66
【0065】
参考例26の方法に従って、参考例27〜46の化合物を得た。
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
参考例47
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(5−アミノ−2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル5.05g及びオルト安息香酸トリエチル4.3mlのトルエン50ml溶液に、還流下、ピリジニウムp−トルエンスルホネート0.34gを少量ずつ加入し、2時間還流した。溶媒を留去し、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して、無色結晶として中間体である4−[2−[[2−クロロ−5−(α―エトキシベンジリデン)アミノ−6−メチルピリミジン−4−イル]アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル6.66gを得た。この中間体のトルエン100ml溶液に、還流下、無水p−トルエンスルホン酸0.23gを少量ずつ加え、2時間還流した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:2→1:1)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、残渣をジイソプロピルエーテルとn−ヘプタンの混液で洗浄して4.47gの無色結晶を得た。ジイソプロピルエーテルとn−ヘプタンの混液から再結晶して、融点123.5〜124℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C24H30ClN5O2
理論値(%) C,63.22;H,6.63;N,15.36
実験値(%) C,63.13;H,6.60;N,15.33
【0071】
参考例48
4−[2−[2−クロロ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9H−プリン−9−イル]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(5−アミノ−2−クロロ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル2.00g,サリチルアルデヒド0.92g及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン0.25gのテトラヒドロフラン30ml溶液を、室温で3日間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を、酢酸エチル−n−ヘプタン(1:2)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色液体として中間体である4−[2−[[2−クロロ−5−(2−ヒドロキシベンジリデン)アミノ−6−メチルピリミジン−4−イル]アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.73gを得た。次に、この中間体全量と2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン0.08gのテトラヒドロフラン26ml溶液を、4日間還流した。反応混合物に酢酸エチルを加えて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を、酢酸エチル−n−ヘプタン(1:1)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、淡褐色液体0.76gを得た。ジイソプロピルエーテルから結晶化し、酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して、融点166.5〜167.5℃の淡黄色結晶を得た。
元素分析値 C24H30ClN5O3
理論値(%) C,61.07;H,6.41;N,14.84
実験値(%) C,60.79;H,6.38;N,14.67
【0072】
参考例49
4−[2−[2−tert−ブチルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9H−プリン−9−イル]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(5−アミノ−2−tert−ブチルアミノ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.10g,サリチルアルデヒド0.35ml及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン0.06gのテトラヒドロフラン20ml溶液を室温で2日間攪拌後、更に50℃で5日間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と食塩水で順次洗浄後、脱水し、溶媒を留去した。得られた残渣を、酢酸エチル−n−ヘプタン(1:4)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色液体1.16gを得た。
NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:1.16−1.34(3H,m),1.46(9H,s),1.51(9H,s),1.66−1.79(2H,m),1.90(2H,q,J=7.5Hz),2.62(3H,s),2.64−2.73(2H,m),4.00−4.18(2H,m),4.45(2H,t,J=7.5Hz),5.20(1H,s),6.97(1H,td,J=8.5,1Hz),7.14(1H,dd,J=8.5,1Hz),7.36(1H,td,J=8.5,1Hz),7.62(1H,dd,J=8.5,1Hz),12.63(1H,brs)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:1688
マススペクトルm/z:509(M++1)
【0073】
参考例47〜49の方法に従って、参考例50〜96の化合物を得た。
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】
【表14】
【0079】
【表15】
【0080】
【表16】
【0081】
【表17】
【0082】
【表18】
【0083】
【表19】
【0084】
【表20】
【0085】
【表21】
【0086】
【表22】
【0087】
参考例97
4−[2−(2−アセチルアミノ−8−ヒドロキシ−6−メチル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−[(2−アセチルアミノ−5−アミノ−6−メチルピリミジン−4−イル)アミノ]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.60g,トリエチルアミン0.58ml及びテトラヒドロフラン5mlの混合物に、氷冷下、トリホスゲン0.18gのテトラヒドロフラン4ml溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した。反応混合物に氷水を加え、析出結晶を濾取し、水及びジエチルエーテルで順次洗浄して、褐色結晶0.26gを得た。酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して、融点222〜227℃の淡褐色結晶を得た。
NMRスペクトル δ(DMSO−d6)ppm:0.94−1.06(2H,m),1.28−1.44(1H,m),1.38(9H,s),1.64(2H,q,J=7Hz),1.69−1.77(2H,m),2.15(3H,s),2.35(3H,s),2.57−2.70(2H,m),3.79(2H,t,J=7Hz),3.84−3.93(2H,m),9.99(1H,s),11.18(1H,s)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:3212,1682,1663,1610
マススペクトルm/z:417(M+−1)
【0088】
参考例98
4−[2−(6−メチル−2−メチルアミノ−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.50g及び40%メチルアミンメタノール溶液5mlの混合物を、封管中100℃で7時間攪拌した。反応混合物の溶媒を留去し、残渣に水とジイソプロピルエーテルを加えて、析出した結晶を濾取し、水及びジイソプロピルエーテルで順次洗浄して、淡褐色結晶0.49gを得た。酢酸エチルから再結晶して、融点152.5〜154℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C25H34N6O2
理論値(%) C,66.64; H,7.61; N,18.65
実験値(%) C,66.40; H,7.51; N,18.74
【0089】
参考例99
4−[2−(2−イソプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.40g,イソプロピルアミン1.49ml及びブタノール4mlの混合物を、封管中100℃で2日間攪拌した。反応混合物の溶媒を留去し、残渣に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:1)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、無色液体0.39gを得た。
NMRスペクトル δ(DMSO−d6)ppm:0.84−0.96(2H,m),1.15−1.28(1H,m),1.19(6H,d,J=6.5Hz),1.36(9H,s),1.42−1.51(2H,m),1.57(2H,q,J=7.5Hz),2.48−2.60(2H,m),2.51(3H,s),3.74−3.83(2H,m),4.02−4.14(1H,m),4.20(2H,t,J=7.5Hz),6.61(1H,d,J=8Hz),7.51−7.59(3H,m),7.71−7.77(2H,m)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:3355,1686
マススペクトルm/z:479(M++1)
【0090】
参考例98〜99の方法に従って、参考例100〜143の化合物を得た。
【0091】
【表23】
【0092】
【表24】
【0093】
【表25】
【0094】
【表26】
【0095】
【表27】
【0096】
【表28】
【0097】
【表29】
【0098】
【表30】
【0099】
【表31】
【0100】
参考例144
4−[2−(2−メトキシ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
メタノール20ml中に、氷冷攪拌下、60%水素化ナトリウム0.18gを少量ずつ加えた。混合物を室温で20分間攪拌した後、氷冷攪拌下、4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.40gを少量ずつ加え、2時間還流した。反応後溶媒を留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で順次洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテルとn−ヘプタンの混液で洗浄して、無色結晶0.35gを得た。ジイソプロピルエーテルから再結晶して、融点129〜130℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C25H33N5O3
理論値(%) C,66.50; H,7.37; N,15.51
実験値(%) C,66.46; H,7.21; N,15.42
【0101】
参考例145
4−[2−(6−メチル−2−フェネチルオキシ−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
フェネチルアルコール0.32gのテトラヒドロフラン4ml溶液中に、氷冷攪拌下、60%水素化ナトリウム0.11gを加えた。混合物を50℃で20分間攪拌した後、4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.40gを加え、1時間還流した。反応混合物を室温まで冷却した後氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で順次洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−n−ヘプタン(1:2)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色液体0.42gを得た。
NMRスペクトル δ(DMSO−d6)ppm:0.83−0.95(2H,m),1.16−1.29(1H,m),1.36(9H,s),1.41−1.50(2H,m),1.58(2H,q,J=7.5Hz),2.45−2.60(2H,m),2.65(3H,s),3.09(2H,t,J=7Hz),3.73−3.83(2H,m),4.28(2H,t,J=7.5Hz),4.58(2H,t,J=7Hz),7.19−7.27(1H,m),7.28−7.37(4H,m),7.56−7.62(3H,m),7.75−7.81(2H,m)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:1687
マススペクトルm/z:542(M++1)
【0102】
参考例146
4−[2−[2−(1−イミダゾリル)−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
60%水素化ナトリウム0.05gのN,N−ジメチルホルムアミド2.5ml懸濁液中に、イミダゾール0.09gを加え、混合物を室温で30分間攪拌した後、4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.50gを少量ずつ加え、50℃で2時間攪拌した。反応混合物に氷水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルを溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジエチルエーテルで洗浄して、淡黄色結晶0.36gを得た。酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混液から再結晶して、融点134〜135℃の淡黄色結晶を得た。
元素分析値 C27H33N7O2
理論値(%) C,66.51; H,6.82; N,20.11
実験値(%) C,66.43; H,6.84; N,20.27
【0103】
参考例144〜146の方法に従って、参考例147〜158の化合物を得た。
【0104】
【表32】
【0105】
【表33】
【0106】
【表34】
【0107】
参考例159
4−[2−(6−メチル−2−フェノキシ−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.40g,フェノール0.83g及び85%水酸化カリウム0.15gの混合物を、100℃で3時間攪拌した。反応混合物に冷却後水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を2M水酸化ナトリウム水溶液,水及び飽和食塩水で順次洗浄後、脱水して、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルとn−ヘプタン(1:1)を溶出溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、ジイソプロピルエーテルとn−ヘプタンの混液で洗浄して、淡褐色結晶0.39gを得た。ジイソプロピルエーテルから再結晶して、融点140.5〜142℃の無色結晶を得た。
元素分析値 C30H35N5O3
理論値(%) C,70.15;H,6.87;N,13.63
実験値(%) C,70.09;H,6.88;N,13.62
【0108】
参考例159の方法に従って、参考例160〜165の化合物を得た。
【0109】
【表35】
【0110】
【表36】
【0111】
参考例166
4−[2−(6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−[2−(2−クロロ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.50g,トリエチルアミン0.17mlのメタノール20ml溶液に5%パラジウム炭素触媒0.10gを加えて、水素気流下、室温で4時間接触還元を行った。触媒を濾去後、溶媒を留去して、残渣に水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、脱水後、溶媒を留去して、無色液体0.44gを得た。
NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:1.00−1.10(2H,m),1.24−1.35(1H,m),1.43(9H,s),1.47−1.56(2H,m),1.73(2H,q,J=7.5Hz),2.50−2.60(2H,m),2.90(3H,s),3.93−4.06(2H,m),4.40(2H,t,J=7.5Hz),7.54−7.61(3H,m),7.70−7.75(2H,m),8.85(1H,s)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:1686
マススペクトルm/z:422(M++1)
【0112】
参考例167
1−[9−[2−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)エチル]−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸
1−[9−[2−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジル)エチル]−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン−2−イル]ピペリジン−4−カルボン酸エチル0.50g,2M水酸化ナトリウム水溶液1.0mlのエタノール10ml溶液を、50℃で30分間攪拌した。反応後溶媒を留去し、残渣に水を加えて、氷冷下、6M塩酸でpHを2に調整し、析出結晶を濾取して、淡黄色結晶0.40gを得た。更に結晶をN,N−ジメチルホルムアミドと水の混液から再結晶して、融点118〜120℃の無色針状晶を得た。
元素分析値 C30H40N6O4・H2O
理論値(%) C,63.58;H,7.47;N,14.83
実験値(%) C,63.45;H,7.19;N,15.03
【0113】
参考例168
4−(3−アミノプロピル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
4−(2−シアノエチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル22.6gの5%アンモニアメタノール溶液450mlにラネーニッケル4.6mlを加えて、水素気流下、40℃,50kg/cm2で2日間接触還元を行った。触媒を濾去後、溶媒を留去して、淡緑色液体23.2gを得た。
NMRスペクトル δ(CDCl3)ppm:1.02−1.17(4H,m),1.33−1.54(3H,m),1.46(9H,s),1.55−1.71(4H,m),2.60−2.80(4H,m),4.00−4.17(2H,m)
IRスペクトル ν(ATR)cm−1:3375,1684
マススペクトルm/z:243(M++1)
【0114】
実施例1
6−メチル−2−メチルアミノ−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン・2塩酸塩
4−[2−(6−メチル−2−メチルアミノ−8−フェニル−9H−プリン−9−イル)エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.44g及び塩化水素エタノール溶液5mlの混合物を、室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を2−プロパノールと酢酸エチルで洗浄し、析出した結晶を濾取して、0.39gの淡褐色結晶を得た。2−プロパノールから再結晶して、融点180〜190℃の淡褐色結晶を得た。
元素分析値 C20H26N6・2HCl・7/2H2O
理論値(%) C,49.38; H,7.25; N,17.28
実験値(%) C,49.51; H,6.94; N,17.46
【0115】
実施例2
2−ベンゾイルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン
4−[2−[2−ベンゾイルアミノ−8−(2−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−9H−プリン−9−イル]エチル]−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル0.33gの1,2−ジクロロエタン1.7ml溶液に、室温攪拌下トリフルオロ酢酸1.1mlを加え、室温で30分間攪拌した。反応混合物にジエチルエーテルを加え、析出結晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、炭酸水素ナトリウムを加えてpH9とし、1,2−ジクロロエタンとメタノールの混液で抽出した。抽出液を脱水し、溶媒を留去して、残渣を酢酸エチルで洗浄して、0.23gの黄褐色結晶を得た。2−プロパノールから再結晶して、融点169.5〜171℃の淡黄色結晶を得た。
元素分析値 C26H28N6O2・1/2H2O
理論値(%) C,67.08; H,6.28; N,18.05
実験値(%) C,67.20; H,6.32; N,17.80
【0116】
実施例1〜2の方法に従って、実施例3〜118の化合物を得た。
【0117】
【表37】
【0118】
【表38】
【0119】
【表39】
【0120】
【表40】
【0121】
【表41】
【0122】
【表42】
【0123】
【表43】
【0124】
【表44】
【0125】
【表45】
【0126】
【表46】
【0127】
【表47】
【0128】
【表48】
【0129】
【表49】
【0130】
【表50】
【0131】
【表51】
【0132】
【表52】
【0133】
【表53】
【0134】
【表54】
【0135】
実施例119
9−[2−(1−n−ブチル−4−ピペリジル)エチル]−2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9H−プリン・2フマル酸塩
2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−8−フェニル−9−[2−(4−ピペリジル)エチル]−9H−プリン0.30gと炭酸カリウム0.55gのN,N−ジメチルホルムアミド3ml懸濁液に室温攪拌下、臭化n−ブチル0.10mlのN,N−ジメチルホルムアミド1ml溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、脱水後、溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルとn−ヘプタン(1:1)を溶出溶媒としたアルミナカラムクロマトグラフィーで精製して、0.31gの淡黄色液体を得た。常法により、フマル酸塩とし、メタノールから再結晶して、融点218〜220℃(分解)の無色結晶を得た。
元素分析値 C26H36N6・2C4H4O4
理論値(%) C,61.43;H,6.67;N,12.64
実験値(%) C,61.21;H,6.59;N,12.67
【0136】
実施例119の方法に従って、実施例120〜122の化合物を得た。
【0137】
【表55】
【0138】
以下、本発明化合物の優れた効果の一例として、ヒト細胞におけるTNF−αの産生阻害作用及びPDE4阻害作用の試験結果を示す。
【0139】
[試験例1:ヒト細胞におけるTNF−αの産生阻害作用]
1.培養用の血液細胞の調製
健康な成人志願者に静脈穿刺して、ノボ・ヘパリン注1000(Novo Nordisk社製)を170μl 含有するプラスチック試験管中へ全血を約50ml採取した。これから末梢血単核細胞(PBMC:Peripheral Blood Mononuclear Cell )をLeucoPREP(商品名)(Becton Dickinson社製)細胞分離管によって調製し、2mM L−グルタミン(Life Technologies 社製)、2.5U/mlペニシリン−2.5μg/mlストレプトマイシン溶液(Life Technologies社製)を含有し、10%牛胎児血清(Intergen Company社製)を添加したRPMI−1640 培地(日水製薬株式会社製)中で、細胞密度1×106個/mlとなるように培養した。
【0140】
2.被験化合物の調製
被験化合物は滅菌超純水やジメチルスルホキシドあるいは0.1M塩酸で可能な限り20μMとなるよう溶解してから生理食塩水で系列希釈して用いた。化合物は10−11M〜10−5Mの濃度範囲で試験した。
【0141】
3.細胞の薬物処置
予め10μlの被験化合物を添加した96穴(平底)Micro Test III(商品名) tissue culture plate(Becton Dickinson社製)細胞培養用プレートに、先に調製した培地中のPBMC180μlを添加した。その30分後更に、20μg/mlのリポポリサッカライド(LPS)10μlを添加し、プレートにプラスチック製の蓋をして、5%二酸化炭素雰囲気において37℃で16時間インキュベートした。
【0142】
4.ヒトTNF−αの定量
サンドイッチ法によるエンザイムイムノアッセイ法を構築して培養上清中のヒトTNF−αを定量した。96ウェルのマイクロタイタープレートに希釈した抗サイトカイン抗体(捕捉抗体、又は一次抗体)を入れ、コーティングとした。ウェルの洗浄後、培養上清を適宜希釈してウェルに入れインキュベーションした。その後、サイトカインに対する検出抗体(又は二次抗体)、検出抗体に対するHRP(西洋わさびペルオキシターゼ;horseradish peroxidase)抱合抗体(又は三次抗体)を、洗浄工程を挟みながら順次入れた。最終洗浄後、各ウェルにテトラメチルベンジジン溶液(DAKO社製)を入れ発色反応を開始した。0.5M硫酸で発色反応を停止した後、各ウェルの450nmでの吸光度をM−Vmax(商品名)マイクロプレートリーダー(Molecular Devices社製)で測定した。サイトカインの濃度は定量ソフトウェアSoftmax(商品名)(Molecular Devices社製)で組換えサイトカインを標準品として使った検量線と比較して決定した。ヒトTNF−αの定量にはモノクローナル抗ヒトTNF−α(ENDOGEN社製)、ポリクローナルウサギ抗ヒトTNF−α(Pharma Biotechnologie Hannover社製)、ペルオキシダーゼ抱合ロバ抗ウサギIgG(Jackson ImmunoRes. Labs社製)、組換えヒトTNF−α(INTERGEN社製)をそれぞれ、捕捉、検出、HRP抱合抗体及び検量線用の標準品に用いた。
各被験化合物の活性は、LPSと被験化合物で処理したときのサイトカインの誘導量を、50%抑制する濃度IC50値(nM)で表した。
結果を表56に示す。
【0143】
【表56】
【0144】
[試験例2:PDE4阻害作用]
1.ヒト由来PDE4の粗精製
PDE4はヒト単球系培養細胞であるU937細胞より粗精製した。U937細胞を1μMサルブタモールと30μMロリプラムで37℃,4時間,5%二酸化炭素雰囲気下で刺激した。回収した細胞はダルベッコりん酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、懸濁緩衝液[50mMトリス,0.25Mショ糖,0.1mMエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)4酢酸,1mMジチオスレイトール,1μg/mlロイペプチン,0.2mMフェニルメタンスルホニルフルオリド,1μMペプスタチンA,2mMベンザミジン、pH7.5]で懸濁し、超音波ホモジナイザーを用いて破砕した。細胞破砕液を100,000g,30分,4℃で遠心し、上清を平衡緩衝液で平衡化させた強陰イオン交換カラム(リソース−Qカラム(商品名);Pharmacia Biotech社製)に添加した。平衡緩衝液[50mMトリス,0.1mMエチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)4酢酸,1mMジチオスレイトール,1μg/mlロイペプチン,0.2mMフェニルメタンスルホニルフルオリド,1μMペプスタチンA,2mMベンザミジン、pH7.5]でカラムを洗浄後、40分間で0〜2.0M酢酸ナトリウムの濃度勾配で溶出を行った。溶出液は2.0mlずつの分画に分けて回収し、各分画のPDE4活性を測定した。PDE4活性のある分画を回収し、一定活性になるよう平衡緩衝液で希釈して、これをPDE4酵素溶液とした。
【0145】
2.被験化合物の調製
被験化合物は、精製水やジメチルスルホキシドあるいは0.1M塩酸で可能な限り20μMになるよう溶解してから、精製水で系列希釈して用いた。
【0146】
3.PDE4活性測定
反応緩衝液(最終濃度50mMトリス,5mM塩化マグネシウム)の5倍濃度液20μl,精製水50μl,被験化合物10μl,PDE4酵素溶液10μl及びサイクリックアデノシン3’,5’−1リン酸基質溶液10μlを1.5mlマイクロチューブに添加し、30℃で20分間反応させた。反応を止めるため、95〜100℃で5分間加熱した後、氷上で冷却した。反応液に3mg/mlヘビ毒(ガラガラヘビ由来)を10μlずつ加え、30℃で20分間反応させた。反応後、強陰イオン交換樹脂(AG−1/X8レジン(商品名);Bio−Rad社製)を200μlずつ加え、20分間静置させた。バイアルに上清50μlと液体シンチレーションカウンター用カクテル剤(アクアゾール−2(商品名);Packard社製)5mlを加え、一晩置いた後、液体シンチレーションカウンターで測定を行った。
各被験化合物の活性は、PDE4活性を50%阻害する濃度:IC50値(nM)で表した。
【0147】
【表57】
【0148】
これらの結果から、本発明化合物は優れたTNF−αの産生阻害作用とPDE4阻害作用を有することが明らかである。
【0149】
【発明の効果】
本発明化合物は優れたTNF−αの産生阻害作用とPDE4阻害作用を有し、TNF−α介在性又はPDE4が関与する疾患の予防又は治療剤として極めて有用である
Claims (3)
- 次の一般式
で示される9H−プリン誘導体、又はその塩。 - R2が置換基を有してもよいアルキル基である請求項1に記載の化合物、又はその塩。
- R3がNR5R6で示される基である請求項1又は2に記載の化合物、又はその塩。
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