JP2004217466A - Carbon fiber, carbon fiber bundle for carbon composite material and method of manufacturing the same - Google Patents

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carbon fiber
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Yuki Matsuura
友樹 松浦
Yoshibumi Nakayama
義文 中山
Masanobu Kobayashi
正信 小林
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a carbon fiber bundle by which a carbon-carbon composite material having high interlaminar shear strength is obtained without deteriorating the tensile strength and a method for the same. <P>SOLUTION: The carbon fiber bundle for the carbon-carbon composite material structured by sticking a sizing agent to a carbon fiber bundle in which the average surface roughness Ra of a single fiber is 1-20 nm and the strand strength is at least 4 GPa so that the residual carbon ratio of the sizing agent is 0.1-2 wt.% is obtained by sticking the sizing agent to the carbon fiber bundle in which the average surface roughness of a single fiber is 1-20 nm and the strand strength is at least 4 GPa and heat treating at 300-700°C. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素繊維と炭素との複合材料を製造するときに用いる炭素繊維束に関する。また、そのような炭素繊維束を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素繊維・炭素複合材料、すなわち炭素繊維と炭素との複合材料(以下、C/Cコンポジットという)は、よく知られているように、一般に、炭素繊維にフェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチ等の炭素化可能物質(バインダ)を含浸したり、炭素繊維とこれらのバインダとを混合し、加熱、加圧成形した後、不活性ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気の下で焼成してバインダを炭素化し、さらに必要に応じて黒鉛化することによって製造されている。化学気相蒸着法を用いて炭素繊維間に熱分解炭素を充填する方法もある。そして、そのようなC/Cコンポジットは、金属材料等には期待できない軽量性、耐熱性、比強度を有することから、各種の構造材、摩擦材、導電材等として用いられている。
【0003】
ところで、C/Cコンポジットの力学的特性は、焼成によりバインダを炭素化して炭素マトリクスを形成する炭素化工程に大きく依存する。この炭素化工程においては、バインダの体積が炭素化に伴って大きく収縮するため、得られる炭素マトリックスと炭素繊維との間に熱応力が発生する。この熱応力は、炭素マトリックスと炭素繊維との結合力が大きいほど大きく、その大きな熱応力によって炭素マトリックスと炭素繊維との界面に亀裂ができ、さらにその亀裂が急激に成長して界面が剥離してしまうという現象が起こりやすい。そのため、層間剪断強度を改善しようとすると引張強度の低下が起こる。
【0004】
このような問題を解決しようとして、炭素繊維として、表面酸化処理を施していないものを用いたり(たとえば、特許文献1参照)、表面酸化処理を施した後に不活性ガス雰囲気の下に1,500℃以上の温度で加熱処理したものを用いることが提案されている(たとえば、特許文献2参照)。これらは、炭素繊維の表面の、炭素マトリックスとの接着に寄与する官能基をもたない炭素繊維を用いることで炭素マトリックスと炭素繊維との界面の結合力を低下させ、もって炭素化工程における熱応力を界面の部分的な剥離によって緩和させようというもので、界面での大きなクラックの生成が防止されることから引張強度が向上するといわれている。しかしながら、これらの方法によると、引張強度は向上するものの層間剪断強度が大きく低下するので、得られるC/Cコンポジットは、層間剪断強度が特に要求される構造材のような用途には向かない。
【0005】
また、炭素繊維の表面に、サイジング剤として、フェノール樹脂等を付着させたり(たとえば、特許文献3、特許文献4参照)、炭素化率の低いポリマーを付着させたり(たとえば、特許文献5参照)、芳香族化合物を付着させたりして(たとえば、特許文献6参照)、バインダとの濡れ性を向上させ、もってC/Cコンポジットの力学的特性を向上させようとすることも知られている。しかしながら、これらサイジング剤の付与によっても、C/Cコンポジットの引張強度や層間剪断強度は大きくは向上せず、やはり構造材のような用途に適用するには十分でない。
【0006】
一方、特定の残炭率を有するバインダを用いることで、得られるC/Cコンポジットの力学的特性を向上させようとする試みもある(たとえば、特許文献7参照)。この方法は、炭素マトリックスの高密度化を図ることで引張強度や曲げ強度を向上させようというものであるが、やはり層間剪断強度の向上には十分でない。
【0007】
このように、C/Cコンポジットにおいては、引張強度を向上させようとすると層間剪断強度が低下し、層間剪断強度を向上させようとすると引張強度が低下するので、双方を同時に満足させることはなかなか難しい。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−157139号公報(請求項1〜3)
【0009】
【特許文献2】
特開昭59−107913号公報(請求項1)
【0010】
【特許文献3】
特開昭63−107862号公報(請求項1、2)
【0011】
【特許文献4】
特公平5−67592号公報(請求項1、2)
【0012】
【特許文献5】
特開平2−167859号公報(請求項1、2)
【0013】
【特許文献6】
特開平4−209872号公報(請求項1、2)
【0014】
【特許文献7】
特開平5−229868号公報(請求項1、2)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術の上述した問題点を解決し、引張強度を低下させることなく高い層間剪断強度のC/Cコンポジットを得ることができる炭素繊維束と、そのような炭素繊維束を製造する方法を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束に、サイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着していることを特徴とする炭素繊維・炭素複合材料用炭素繊維束を提供する。
【0017】
また、本発明は、上記目的を達成するために、単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束にサイジング剤を付着せしめた後、300〜700℃の範囲内の温度で加熱処理し、サイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着している炭素繊維束を得ることを特徴とする炭素繊維・炭素複合材料用炭素繊維束の製造方法を提供する。
【0018】
上記において、単繊維の表面の平均粗さRaは、単繊維の表面の凹凸の程度を表す指標である。この平均粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した600×600nmの3次元表面形状の像について、単繊維の丸みを3次曲面で近似し、得られた3次元表面形状の像から算出した算術平均粗さである。炭素繊維束にサイジング剤が付着している場合には、アセトン等の有機溶媒でサイジング剤を除去した後に測定する。
【0019】
また、ストランド強度とは、炭素繊維束に下記の組成の樹脂を含浸し、130℃で35分間加熱処理して樹脂を硬化させた後、JIS R 7601に規定される方法に準拠して測定した引張強度である。
【0020】
脂環式エポキシ樹脂(エポキシ当量131〜143) 100重量部
3フッ化ホウ素モノエチルアミン 3重量部
アセトン 4重量部
さらに、サイジング剤の残炭物の付着量とは、炭素繊維束にサイジングを付着せしめ、300〜700℃の温度で加熱処理してサイジング剤を炭素化して得られた炭素繊維束の重量からサイジングを付着させる前の炭素繊維束の重量を減じ、これをサイジングを付着させる前の炭素繊維束の重量で除した値の百分率である。
【0021】
上述の、単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束にサイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着している炭素繊維束と、焼成により炭素マトリクスを形成するバインダとを含む成形材料を加熱、加圧成形し、得られた成形体を非酸化性雰囲気下で焼成してバインダを炭素化すれば、C/Cコンポジットを得ることができる。炭素化の後、さらに黒鉛化することもできる。なお、加熱、加圧成形後に、バインダをアフターキュアしてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のC/Cコンポジット用炭素繊維束においては、いわゆる原料炭素繊維束として、単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束を用いる。
【0023】
炭素繊維束としては、レーヨン系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ピッチ系繊維等の原料繊維を加熱処理して炭素化したものや、さらに高温で加熱処理して黒鉛化したものを用いることができる。なかでも、高強度のものが得やすい、アクリロニトリル系繊維を原料繊維とするものが好ましい。
【0024】
炭素繊維束は、表面処理は必須ではないが、サイジング剤との濡れ性を向上させることができるという意味では、X線光電子分光法によって測定される表面酸素濃度比O/Cが、0.05〜0.25の範囲になるように酸化処理しておくのが好ましい。
【0025】
そのような炭素繊維束の単繊維の表面の平均粗さRaは、1〜20nmの範囲内にある。単繊維の表面の平均粗さRaが1nmよりも小さいようなものは、表面が平滑すぎて、高い層間剪断強度を有するC/Cコンポジットが得られない。また、20nmを超えるようなものは、表面の凹凸が大きすぎて、C/Cコンポジットとしたときにアンカー効果によって炭素マトリクスとの物理的接着力が高くなりすぎ、C/Cコンポジットの引張強度を低下させる。それゆえ、本発明においては、単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にある炭素繊維束を選択して使用する。より好ましい平均粗さRaの範囲は1〜15nmであり、さらに好ましい範囲は1〜10nmである。
【0026】
また、炭素繊維束は、ストランド強度が少なくとも4GPaであるものを用いる。ストランド強度が4GPaよりも低いようなものは、C/Cコンポジットそのものの強度が低くなりすぎる。それゆえ、本発明においては、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束を選択して使用する。より好ましくは、ストランド強度が少なくとも4.5GPaである炭素繊維束を用いる。なお、ストランド強度の上限には制限はないが、ストランド強度があまり高いものは高価であるので、7GPa程度までのものを用いるのが好ましい。
【0027】
上述の炭素繊維束には、サイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着している。残炭物が0.1重量%に満たないと、単繊維の表面の凹凸の形成が不十分になって層間剪断強度が低くなる。また、2重量%を超えると、層間剪断強度が高くなりすぎて引張強度の低下が大きくなる。それゆえ、本発明においては、残炭物の付着量を0.1〜2重量%の範囲内として引張強度と層間剪断強度との両立を図るようにしている。
【0028】
サイジング剤としては、300〜700℃で加熱処理すると炭素化する、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミオ等の熱可塑性樹脂や、コールタールピッチ、石油ピッチ等のピッチを用いることができる。特に、C/Cコンポジットにおいてバインダとして使用され、しかも、水を溶媒として使用できるフェノール樹脂が好ましい。
【0029】
炭素繊維束に対するサイジング剤の付着量は、0.4〜3重量%の範囲内とするのが好ましい。0.4重量%未満である場合には、単繊維の表面の凹凸の形成が不十分になることがある。また、3重量%を超えると、C/Cコンポジットににボイドができることがある。さらに好ましい範囲は0.5〜2重量%である。
【0030】
サイジング剤の残炭物を炭素繊維束の表面に残存させるためには、上述したようなサイジング剤を付着せしめた炭素繊維束を、300〜700℃の範囲内の温度で加熱処理すればよい。温度が300℃よりも低いと、C/Cコンポジットとするときにサイジング剤から発生するガスの量が多くなってC/Cコンポジットにボイドができることがあり、また、700℃を超えると、残炭物を介して単繊維同士が接合して炭素繊維束が剛直になり、C/Cコンポジットとするときのプロセス性が悪くなることがある。加熱処理は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましいが、空気等の酸化性ガス雰囲気下で行ってもよい。
【0031】
また、加熱時間は、あまり短いと、C/Cコンポジットとするときにサイジング剤から発生するガスの量が多くなってC/Cコンポジットにボイドができることがあり、また、あまり長いと、残炭物を介して単繊維同士が接合して炭素繊維束が剛直になり、C/Cコンポジットとするときのプロセス性が悪くなることがあるので、数分から数十分程度、通常、1〜20分程度とする。
【0032】
さて、上述の、単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束にサイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着している炭素繊維束と、焼成すると炭素マトリクスを形成するバインダとを複合し、窒素ガス雰囲気等の不活性雰囲気下にて500〜2,000℃程度の温度範囲で焼成してバインダを炭素化すると、C/Cコンポジットが得られる。さらに高い2,000〜3,000℃程度の温度範囲で焼成して黒鉛化してもよい。
【0033】
炭素繊維束とバインダとの複合は、長い炭素繊維束の集合体にバインダを含浸することによることもできるし、炭素繊維束を短くカットし、バインダと混合することによることもできる。
【0034】
バインダとしては、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂や、コールタールピッチ、石油ピッチ等のピッチを用いることができる。なかでも、フェノール樹脂が一般的である。
【0035】
【実施例および比較例】
以下に示す実施例および比較例において、単繊維の表面の平均粗さRa、ストランド強度、炭素繊維の表面酸素濃度比O/C、C/Cコンポジットの引張強度、C/Cコンポジットの層間剪断強度は、次のようにして測定した。
単繊維の表面の平均粗さRaの測定:
上述の方法によった。炭素繊維束は長さ3mmにカットして試料とし、これを銀ペーストでシリコンウエハ上に固定し、原子間力顕微鏡によって各単繊維の中央部において3次元表面形状の像を得た。原子間力顕微鏡としては、米国デジタルインストルメンツ社製“NanoScope”IIIaのディメンジョン3000ステージシステムを用いた。測定条件は次のとおりである。
【0036】
走査モード:タッピングモード
探針 :シリコンカンチレバー
走査範囲 :0.6×0.6μm
走査速度 :0.3Hz
ピクセル数:512×512
測定環境 :室温、大気中
各試料について、単繊維1本につき1か所から得られた像について、繊維断面の丸みを3次曲面で近似し、得られた像全体を対象に平均粗さRaを求め、単繊維5本について平均した。
ストランド強度の測定:
上述の方法によった。樹脂としては、次のものを用いた。
【0037】
脂環式エポキシ樹脂:ユニオンカーバイド社製ERL−4221
3フッ化ホウ素モノエチルアミン:ステラケミファ株式会社製
アセトン:和光純薬工業株式会社製
炭素繊維の表面酸素濃度比O/C:
株式会社島津製作所製X線光電子分光装置ESCA−750を用いて測定した。炭素繊維束は長さ3mmにカットして試料とし、これをステンレス製の試料支持台上に拡げて並べた。光電子脱出角度は90゜とし、X線源としてはMgKα1,2を用い、試料チャンバ内は減圧度1.33×10−6Paに維持した。測定時の帯電に伴うピークの補正として、C1Sの主ピークの結合エネルギー値を284.6eVに合わせた。C1Sピーク面積は、282〜296eVの範囲で直線のベースラインを引くことによって求め、O1Sピーク面積は、528〜540eVの範囲で直線のベースラインを引くことによって求めた。表面酸素濃度比O/Cは、上記C1Sピーク面積に対するO1Sピーク面積の比を装置に固有の感度補正値で割ることによって算出される原子数比であるが、上記装置の感度補正値は2.85であった。
C/Cコンポジットの引張強度の測定:
米国インストロン社製万能試験機4208型を用いて測定した。得られた一方向C/Cコンポジットから、ダイヤモンドカッタを用いて繊維軸方向に長さ50±1mm、幅10±1mm、厚み2±0.2mmの板片を切り出し、板片の両端部に長さ方向中央部10mmの部分を残して厚み1mmのアルミニウム製タブを接着し、試験片とした。試験速度は0.5mm/分とした。N数は5個とし、その平均値を求めた。
C/Cコンポジットの層間剪断強度の測定:
米国インストロン社製万能試験機4208型を用いて測定した。得られた一方向C/Cコンポジットから、ダイヤモンドカッタを用いて繊維軸方向に長さ14±1mm、幅10±1mm、厚み2±0.2mmの試験片を切り出し、この試験片について、JIS K 7078に規定される方法に準拠し、支点間距離10mm、試験速度1mm/分で測定した。
(実施例1)
単繊維の表面の平均粗さRaが5.1mm、ストランド強度が4.9GPa、表面酸素濃度比O/Cが0.09のポリアクリロニトリル系炭素繊維束(単繊維径6.9μm、フィラメント数12,000本)に、サイジング剤として住友ベークライト株式会社製フェノール樹脂“スミライトレジン”PR−50087を付着せしめ、乾燥した後、窒素ガス雰囲気の下に650℃の温度で10分間加熱処理した。得られた炭素繊維束の残炭物の付着量は、1.2重量%であった。
【0038】
次に、この炭素繊維束の多数本を一方向に引き揃えて金型に入れ、バインダとして上記レゾール系フェノール樹脂を含浸し、150℃、10MPaにて加熱、加圧成形して、レゾール系フェノール樹脂を硬化させ、厚みが2mmの成形板を得た。
【0039】
次に、この成形板を空気中にて3℃/時の昇温速度で250℃まで加熱してレゾール系フェノール樹脂をアフターキュアした後、窒素ガス雰囲気中にて15℃/時の昇温速度で1,000℃まで加熱してバインダを炭素化し、さらに、15℃/時の昇温速度で2,000℃まで加熱して24時間保持し、黒鉛化した。かくして得られた一方向C/Cコンポジットは、
繊維重量含有率:55%
引張強度 :572MPa
層間剪断強度 :13.4MPa
であった。
(実施例2)
サイジング剤を付着せしめた後の加熱処理を450℃、10分間としたほかは実施例1と全く同様にして、一方向C/Cコンポジットを得た。残炭物の付着量は1.3重量%であった。この一方向C/Cコンポジットは、
繊維重量含有率:55%
引張強度 :565MPa
層間剪断強度 :13.4MPa
であった。
(実施例3)
サイジング剤を住友ベークライト株式会社製フェノール樹脂“スミライトレジン”PR−53123に変えたほかは実施例1と全く同様にして、一方向C/Cコンポジットを得た。残炭物の付着量は0.8重量%であった。この一方向C/Cコンポジットは、
繊維重量含有率:55%
引張強度 :568MPa
層間剪断強度 :13.2MPa
であった。
(実施例4)
単繊維の表面の平均粗さRaが18nm、ストランド強度が4.5GPaの炭素繊維束を用いたほかは実施例1と全く同様にして、一方向C/Cコンポジットを得た。残炭物の付着量は1.2重量%であった。この一方向C/Cコンポジットは、
繊維重量含有率:55%
引張強度 :480MPa
層間剪断強度 :13.9MPa
であった。
(比較例1)
サイジング剤を付着せしめなかったほかは実施例1と全く同様にして、一方向C/Cコンポジットを得た。この一方向C/Cコンポジットは、
繊維重量含有率:55%
引張強度 :578MPa
層間剪断強度 :9.8MPa
であった。
(比較例2)
サイジング剤を付着せしめた炭素繊維束を250℃で10分間加熱処理して残炭物の付着量が2.2重量%の炭素繊維束を得たほかは実施例1と全く同様にして、一方向C/Cコンポジットを得た。この一方向C/Cコンポジットは、
繊維重量含有率:55%
引張強度 :380MPa
層間剪断強度 :8.0MPa
であった。なお、層間破壊は起こらず、曲げ破壊が起きた。
(比較例3)
サイジング剤をエポキシ樹脂(吉村油化学株式会社製“ユカレジン”KE−002)に変えたほかは実施例1と全く同様にして、一方向C/Cコンポジットを得た。残炭率の付着量は0.08重量%であった。この一方向C/Cコンポジットは、
繊維重量含有率:55%
引張強度 :570MPa
層間剪断強度 :10.3MPa
であった。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係るC/Cコンポジット用炭素繊維束は、単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束に、サイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着しているものであるから、実施例と比較例との対比からも明らかなように、引張強度を低下させることなく高い層間剪断強度のC/Cコンポジットを得ることができるようになる。また、そのようなC/Cコンポジット用炭素繊維束は、単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束にサイジング剤を付着せしめた後、300〜700℃の範囲内の温度で加熱処理することによって容易に得られる。
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a carbon fiber bundle used for producing a composite material of carbon fiber and carbon. The invention also relates to a method for producing such a carbon fiber bundle.
[0002]
[Prior art]
As is well known, a carbon fiber / carbon composite material, that is, a composite material of carbon fiber and carbon (hereinafter, referred to as a C / C composite) is generally made of carbon fiber such as phenol resin, furan resin, and pitch. After impregnating a oxidizable substance (binder), mixing carbon fiber and these binders, heating and pressing, and firing under a non-oxidizing atmosphere such as an inert gas atmosphere, the binder is carbonized. And, if necessary, by graphitization. There is also a method of filling pyrolytic carbon between carbon fibers using a chemical vapor deposition method. Such C / C composites are used as various structural materials, friction materials, conductive materials, and the like because they have light weight, heat resistance, and specific strength that cannot be expected from metal materials and the like.
[0003]
By the way, the mechanical properties of the C / C composite greatly depend on the carbonization process of carbonizing the binder by firing to form a carbon matrix. In this carbonization step, since the volume of the binder shrinks significantly with the carbonization, thermal stress is generated between the obtained carbon matrix and carbon fibers. This thermal stress increases as the bonding force between the carbon matrix and the carbon fiber increases, and the large thermal stress causes a crack at the interface between the carbon matrix and the carbon fiber, and the crack grows rapidly and the interface peels off. Is easy to happen. Therefore, an attempt to improve the interlaminar shear strength results in a decrease in tensile strength.
[0004]
In order to solve such a problem, carbon fibers that have not been subjected to a surface oxidation treatment may be used (for example, see Patent Document 1), or may be subjected to 1,500 under an inert gas atmosphere after the surface oxidation treatment. It has been proposed to use a material subjected to a heat treatment at a temperature of not less than ° C (for example, see Patent Document 2). These reduce the bonding force at the interface between the carbon matrix and the carbon fiber by using a carbon fiber having no functional group that contributes to adhesion to the carbon matrix on the surface of the carbon fiber, thereby reducing the heat in the carbonization step. It is intended to relieve the stress by partial exfoliation at the interface, and it is said that the formation of large cracks at the interface is prevented, thereby improving the tensile strength. However, according to these methods, the tensile strength is improved, but the interlaminar shear strength is greatly reduced, so that the resulting C / C composite is not suitable for applications such as structural materials that require interlaminar shear strength.
[0005]
Further, a phenol resin or the like is attached as a sizing agent to the surface of the carbon fiber (for example, see Patent Documents 3 and 4), or a polymer having a low carbonization ratio is attached (for example, see Patent Document 5). It is also known that an aromatic compound is attached (for example, see Patent Document 6) to improve the wettability with a binder, thereby improving the mechanical properties of the C / C composite. However, even with the addition of these sizing agents, the tensile strength and interlaminar shear strength of the C / C composite are not significantly improved, and are not sufficient for application to applications such as structural materials.
[0006]
On the other hand, there is an attempt to improve the mechanical properties of the obtained C / C composite by using a binder having a specific residual carbon ratio (for example, see Patent Document 7). Although this method is intended to improve tensile strength and bending strength by increasing the density of the carbon matrix, it is still not sufficient for improving interlayer shear strength.
[0007]
As described above, in the C / C composite, when the tensile strength is to be improved, the interlaminar shear strength is decreased, and when the interlaminar shear strength is to be improved, the tensile strength is decreased. difficult.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-6-157139 (Claims 1 to 3)
[0009]
[Patent Document 2]
JP-A-59-107913 (Claim 1)
[0010]
[Patent Document 3]
JP-A-63-107862 (Claims 1 and 2)
[0011]
[Patent Document 4]
Japanese Patent Publication No. 5-67592 (Claims 1 and 2)
[0012]
[Patent Document 5]
JP-A-2-167859 (claims 1 and 2)
[0013]
[Patent Document 6]
JP-A-4-209872 (claims 1 and 2)
[0014]
[Patent Document 7]
JP-A-5-229868 (Claims 1 and 2)
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above-mentioned problems of the prior art, and to provide a carbon fiber bundle capable of obtaining a C / C composite having a high interlaminar shear strength without lowering the tensile strength, and a carbon fiber bundle such as this. To provide a method for producing the same.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a carbon fiber bundle in which the average roughness Ra of the surface of a single fiber is in the range of 1 to 20 nm and the strand strength is at least 4 GPa, wherein the residual carbonization of the sizing agent is Provided is a carbon fiber bundle for a carbon fiber / carbon composite material, wherein the carbon fiber bundle is attached in a range of 0.1 to 2% by weight.
[0017]
According to the present invention, in order to achieve the above object, a sizing agent is attached to a carbon fiber bundle having an average roughness Ra of a single fiber within a range of 1 to 20 nm and a strand strength of at least 4 GPa. Thereafter, a heat treatment is performed at a temperature in the range of 300 to 700 ° C. to obtain a carbon fiber bundle to which the residual carbon of the sizing agent is attached in the range of 0.1 to 2% by weight. A method for producing a carbon fiber bundle for a carbon composite material is provided.
[0018]
In the above description, the average roughness Ra of the surface of the single fiber is an index indicating the degree of unevenness of the surface of the single fiber. This average roughness Ra is obtained by approximating the roundness of a single fiber with a cubic curved surface for an image of a 600 × 600 nm three-dimensional surface shape measured using an atomic force microscope (AFM). Is the arithmetic average roughness calculated from the image of FIG. When the sizing agent is attached to the carbon fiber bundle, the measurement is performed after removing the sizing agent with an organic solvent such as acetone.
[0019]
The strand strength was measured by impregnating a carbon fiber bundle with a resin having the following composition, heating the resin at 130 ° C. for 35 minutes to cure the resin, and following the method specified in JIS R 7601. The tensile strength.
[0020]
Alicyclic epoxy resin (Epoxy equivalents 131 to 143) 100 parts by weight 3 parts by weight of boron trifluoride monoethylamine 3 parts by weight of acetone 4 parts by weight The weight of the carbon fiber bundle before the sizing is attached is subtracted from the weight of the carbon fiber bundle obtained by carbonizing the sizing agent by heating at a temperature of 300 to 700 ° C. It is the percentage of the value divided by the weight of the fiber bundle.
[0021]
The above-mentioned average roughness Ra of the surface of the single fiber is in the range of 1 to 20 nm, and the residual carbonaceous material of the sizing agent is in the range of 0.1 to 2% by weight in the carbon fiber bundle having a strand strength of at least 4 GPa. The molding material containing the carbon fiber bundle adhered by the above and a binder that forms a carbon matrix by firing is heated and pressed, and the obtained molded body is fired in a non-oxidizing atmosphere to carbonize the binder. Then, a C / C composite can be obtained. After carbonization, it can be further graphitized. After the heating and pressure molding, the binder may be after-cured.
[0022]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
In the carbon fiber bundle for C / C composite of the present invention, as a so-called raw carbon fiber bundle, a carbon fiber bundle having an average roughness Ra of the surface of a single fiber in a range of 1 to 20 nm and a strand strength of at least 4 GPa. Is used.
[0023]
As the carbon fiber bundle, a fiber obtained by heating a raw material fiber such as a rayon-based fiber, a polyacrylonitrile-based fiber, or a pitch-based fiber to be carbonized, or a carbonized fiber obtained by further performing a heat treatment at a high temperature can be used. Above all, it is preferable to use acrylonitrile-based fibers as raw material fibers, since high-strength fibers can be easily obtained.
[0024]
Although the surface treatment of the carbon fiber bundle is not essential, the surface oxygen concentration ratio O / C measured by X-ray photoelectron spectroscopy is 0.05 in the sense that the wettability with the sizing agent can be improved. It is preferable to carry out the oxidation treatment so as to be in the range of ~ 0.25.
[0025]
The average roughness Ra of the surface of the single fiber of such a carbon fiber bundle is in the range of 1 to 20 nm. When the average roughness Ra of the surface of the single fiber is smaller than 1 nm, the surface is too smooth, and a C / C composite having high interlayer shear strength cannot be obtained. On the other hand, when the thickness exceeds 20 nm, the unevenness of the surface is too large, and when the C / C composite is formed, the physical adhesion to the carbon matrix becomes too high due to the anchor effect, and the tensile strength of the C / C composite is reduced. Lower. Therefore, in the present invention, the carbon fiber bundle having the average roughness Ra of the surface of the single fiber in the range of 1 to 20 nm is selected and used. A more preferable range of the average roughness Ra is 1 to 15 nm, and a still more preferable range is 1 to 10 nm.
[0026]
Further, a carbon fiber bundle having a strand strength of at least 4 GPa is used. When the strand strength is lower than 4 GPa, the strength of the C / C composite itself becomes too low. Therefore, in the present invention, a carbon fiber bundle having a strand strength of at least 4 GPa is selected and used. More preferably, a carbon fiber bundle having a strand strength of at least 4.5 GPa is used. Note that the upper limit of the strand strength is not limited. However, since one having too high strand strength is expensive, it is preferable to use one having a strand strength of up to about 7 GPa.
[0027]
Residual carbonaceous material of the sizing agent adheres to the carbon fiber bundle in the range of 0.1 to 2% by weight. If the residual carbon content is less than 0.1% by weight, the formation of irregularities on the surface of the single fiber becomes insufficient, and the interlayer shear strength decreases. On the other hand, if it exceeds 2% by weight, the interlaminar shear strength becomes too high and the decrease in tensile strength becomes large. Therefore, in the present invention, the balance between the tensile strength and the interlaminar shear strength is intended to be achieved by setting the amount of the residual charcoal deposited within the range of 0.1 to 2% by weight.
[0028]
As the sizing agent, carbonization occurs when heat-treated at 300 to 700 ° C., for example, a thermosetting resin such as a phenol resin, an epoxy resin, an alkyd resin, or a urethane resin, and a thermoplastic resin such as polyethylene, polyvinyl chloride, and polyamio. Alternatively, a pitch such as coal tar pitch or petroleum pitch can be used. In particular, a phenol resin that is used as a binder in a C / C composite and that can use water as a solvent is preferable.
[0029]
The amount of the sizing agent attached to the carbon fiber bundle is preferably in the range of 0.4 to 3% by weight. If the amount is less than 0.4% by weight, formation of irregularities on the surface of the single fiber may be insufficient. If it exceeds 3% by weight, voids may be formed in the C / C composite. A more preferred range is 0.5 to 2% by weight.
[0030]
In order to leave the residual carbonized material of the sizing agent on the surface of the carbon fiber bundle, the carbon fiber bundle to which the sizing agent has been attached as described above may be heat-treated at a temperature in the range of 300 to 700 ° C. If the temperature is lower than 300 ° C., the amount of gas generated from the sizing agent when forming a C / C composite may increase, and voids may be formed in the C / C composite. The single fibers are bonded to each other via an object, the carbon fiber bundle becomes rigid, and the processability when forming a C / C composite may be deteriorated. The heat treatment is preferably performed in an atmosphere of an inert gas such as nitrogen gas, but may be performed in an atmosphere of an oxidizing gas such as air.
[0031]
Further, if the heating time is too short, the amount of gas generated from the sizing agent when forming the C / C composite may increase, and voids may be formed in the C / C composite. The single fibers are bonded to each other via the carbon fiber bundle, and the carbon fiber bundle becomes rigid, and the processability when forming a C / C composite may be deteriorated. Therefore, it is about several minutes to several tens minutes, usually about 1 to 20 minutes. And
[0032]
Now, the above-mentioned average roughness Ra of the surface of the single fiber is in the range of 1 to 20 nm, and the residual carbon content of the sizing agent is 0.1 to 2% by weight in the carbon fiber bundle whose strand strength is at least 4 GPa. The carbon fiber bundle attached in the range is combined with a binder that forms a carbon matrix when fired, and fired in a temperature range of about 500 to 2,000 ° C. under an inert atmosphere such as a nitrogen gas atmosphere. Carbonizing the binder results in a C / C composite. It may be graphitized by firing at a higher temperature range of about 2,000 to 3,000 ° C.
[0033]
The composite of the carbon fiber bundle and the binder can be obtained by impregnating the aggregate of the long carbon fiber bundle with the binder, or by cutting the carbon fiber bundle into a short piece and mixing with the binder.
[0034]
As the binder, for example, a thermosetting resin such as a phenol resin, an epoxy resin, an alkyd resin, or a urethane resin, a thermoplastic resin such as polyethylene, polyvinyl chloride, or polyamide, or a pitch such as coal tar pitch or petroleum pitch is used. be able to. Above all, phenolic resins are common.
[0035]
[Examples and Comparative Examples]
In the following Examples and Comparative Examples, the average roughness Ra of the surface of the single fiber, the strand strength, the surface oxygen concentration ratio O / C of the carbon fiber, the tensile strength of the C / C composite, and the interlaminar shear strength of the C / C composite Was measured as follows.
Measurement of the average roughness Ra of the surface of the single fiber:
According to the method described above. The carbon fiber bundle was cut into a sample having a length of 3 mm, which was fixed on a silicon wafer with a silver paste, and an image of a three-dimensional surface shape was obtained at the center of each single fiber by an atomic force microscope. As an atomic force microscope, a dimension 3000 stage system of "NanoScope" IIIa manufactured by Digital Instruments Co., Ltd., USA was used. The measurement conditions are as follows.
[0036]
Scanning mode: Tapping mode probe: Silicon cantilever Scanning range: 0.6 × 0.6 μm
Scanning speed: 0.3Hz
Number of pixels: 512 × 512
Measurement environment: At room temperature and in the atmosphere, for each image obtained from one location per single fiber, the roundness of the fiber cross section was approximated by a cubic curved surface, and the average roughness Ra was applied to the entire obtained image. Was calculated and averaged for 5 single fibers.
Measurement of strand strength:
According to the method described above. The following resin was used.
[0037]
Alicyclic epoxy resin: ERL-4221 manufactured by Union Carbide
Boron trifluoride monoethylamine: Stella Chemifa Co., Ltd. acetone: Wako Pure Chemical Industries, Ltd. carbon fiber surface oxygen concentration ratio O / C:
The measurement was performed using an X-ray photoelectron spectrometer ESCA-750 manufactured by Shimadzu Corporation. The carbon fiber bundle was cut to a length of 3 mm to obtain a sample, which was spread and arranged on a stainless steel sample support. The photoelectron escape angle was 90 °, MgKα1,2 was used as the X-ray source, and the inside of the sample chamber was maintained at a reduced pressure of 1.33 × 10 −6 Pa. As the correction of the peak due to the measurement time of the charging, the combined binding energy of the main peak of C 1S to 284.6 eV. The C 1S peak area was determined by drawing a linear base line in the range of 282 to 296 eV, and the O 1S peak area was determined by drawing a linear base line in the range of 528 to 540 eV. Surface oxygen concentration ratio O / C is the atomic ratio calculated by dividing by the inherent sensitivity correction value to the device the ratio of the O 1S peak area to the C 1S peak area, the sensitivity correction value of the apparatus It was 2.85.
Measurement of tensile strength of C / C composite:
The measurement was performed using a universal tester Model 4208 manufactured by Instron, USA. From the obtained one-way C / C composite, a plate piece having a length of 50 ± 1 mm, a width of 10 ± 1 mm, and a thickness of 2 ± 0.2 mm is cut out in the fiber axis direction using a diamond cutter, and long ends are formed at both ends of the plate piece. An aluminum tab having a thickness of 1 mm was bonded to the test piece except for a central portion of 10 mm in the length direction to obtain a test piece. The test speed was 0.5 mm / min. The number of N was set to 5, and the average value was calculated.
Measurement of interlaminar shear strength of C / C composite:
The measurement was performed using a universal tester Model 4208 manufactured by Instron, USA. From the obtained one-way C / C composite, a test piece having a length of 14 ± 1 mm, a width of 10 ± 1 mm, and a thickness of 2 ± 0.2 mm was cut out in the fiber axis direction using a diamond cutter. The measurement was performed at a distance between fulcrums of 10 mm and a test speed of 1 mm / min in accordance with the method specified in No. 7078.
(Example 1)
Polyacrylonitrile-based carbon fiber bundle (single fiber diameter: 6.9 μm, number of filaments: 12) having an average surface roughness Ra of 5.1 mm, a strand strength of 4.9 GPa, and a surface oxygen concentration ratio O / C of 0.09. 2,000 pieces), a phenolic resin “Sumilite Resin” PR-50087 manufactured by Sumitomo Bakelite Co., Ltd. was adhered as a sizing agent, dried, and then heat-treated at 650 ° C. for 10 minutes in a nitrogen gas atmosphere. The amount of residual carbon deposited on the obtained carbon fiber bundle was 1.2% by weight.
[0038]
Next, a large number of the carbon fiber bundles are aligned in one direction, placed in a mold, impregnated with the above-mentioned resole phenol resin as a binder, heated at 150 ° C. and 10 MPa, and pressure-formed to form a resole phenol. The resin was cured to obtain a molded plate having a thickness of 2 mm.
[0039]
Next, the molded plate is heated in air to 250 ° C. at a rate of 3 ° C./hour to after-cure the resole phenol resin, and then heated at a rate of 15 ° C./hour in a nitrogen gas atmosphere. At 1000 ° C. to carbonize the binder, and further heated to 2,000 ° C. at a heating rate of 15 ° C./hour, held for 24 hours, and graphitized. The one-way C / C composite thus obtained is
Fiber weight content: 55%
Tensile strength: 572MPa
Interlaminar shear strength: 13.4 MPa
Met.
(Example 2)
A unidirectional C / C composite was obtained in exactly the same manner as in Example 1 except that the heat treatment after the sizing agent was applied was 450 ° C. for 10 minutes. The amount of the residual coal deposited was 1.3% by weight. This one-way C / C composite is
Fiber weight content: 55%
Tensile strength: 565MPa
Interlaminar shear strength: 13.4 MPa
Met.
(Example 3)
A one-way C / C composite was obtained in exactly the same manner as in Example 1, except that the sizing agent was changed to Sumitomo Bakelite Co., Ltd. phenolic resin "Sumilite Resin" PR-53123. The amount of the residual carbon deposited was 0.8% by weight. This one-way C / C composite is
Fiber weight content: 55%
Tensile strength: 568MPa
Interlaminar shear strength: 13.2 MPa
Met.
(Example 4)
A unidirectional C / C composite was obtained in exactly the same manner as in Example 1 except that a carbon fiber bundle having an average roughness Ra of a single fiber surface of 18 nm and a strand strength of 4.5 GPa was used. The amount of the residual carbon deposited was 1.2% by weight. This one-way C / C composite is
Fiber weight content: 55%
Tensile strength: 480MPa
Interlaminar shear strength: 13.9 MPa
Met.
(Comparative Example 1)
A unidirectional C / C composite was obtained in exactly the same manner as in Example 1 except that no sizing agent was attached. This one-way C / C composite is
Fiber weight content: 55%
Tensile strength: 578MPa
Interlaminar shear strength: 9.8 MPa
Met.
(Comparative Example 2)
The carbon fiber bundle to which the sizing agent was adhered was heat-treated at 250 ° C. for 10 minutes to obtain a carbon fiber bundle having a residual carbon content of 2.2% by weight. A direction C / C composite was obtained. This one-way C / C composite is
Fiber weight content: 55%
Tensile strength: 380MPa
Interlaminar shear strength: 8.0 MPa
Met. It should be noted that no interlaminar fracture occurred and bending fracture occurred.
(Comparative Example 3)
A one-way C / C composite was obtained in exactly the same manner as in Example 1 except that the sizing agent was changed to an epoxy resin ("Yukaresin" KE-002, manufactured by Yoshimura Oil Chemical Co., Ltd.). The attached amount of the residual carbon ratio was 0.08% by weight. This one-way C / C composite is
Fiber weight content: 55%
Tensile strength: 570MPa
Interlaminar shear strength: 10.3 MPa
Met.
[0040]
【The invention's effect】
The carbon fiber bundle for C / C composite according to the present invention is characterized in that the average roughness Ra of the surface of a single fiber is in the range of 1 to 20 nm and the strand strength is at least 4 GPa. Since the material adheres in the range of 0.1 to 2% by weight, it is clear from the comparison between the examples and the comparative examples that the C having a high interlayer shear strength without lowering the tensile strength. / C composite can be obtained. Further, in such a carbon fiber bundle for C / C composite, a sizing agent is attached to a carbon fiber bundle having an average roughness Ra of a surface of a single fiber in a range of 1 to 20 nm and a strand strength of at least 4 GPa. After that, it can be easily obtained by performing a heat treatment at a temperature in the range of 300 to 700 ° C.

Claims (5)

単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束に、サイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着していることを特徴とする炭素繊維・炭素複合材料用炭素繊維束。Residual carbonaceous material of the sizing agent adheres to a carbon fiber bundle having an average roughness Ra of a single fiber within a range of 1 to 20 nm and a strand strength of at least 4 GPa within a range of 0.1 to 2% by weight. A carbon fiber bundle for a carbon fiber / carbon composite material, comprising: 単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaである炭素繊維束にサイジング剤を付着せしめた後、300〜700℃の範囲内の温度で加熱処理し、サイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着している炭素繊維束を得ることを特徴とする炭素繊維・炭素複合材料用炭素繊維束の製造方法。After applying a sizing agent to a carbon fiber bundle having an average roughness Ra of 1 to 20 nm in the surface of the single fiber and a strand strength of at least 4 GPa, heat treatment is performed at a temperature in the range of 300 to 700 ° C. A method for producing a carbon fiber bundle for a carbon fiber / carbon composite material, wherein a carbon fiber bundle to which a residual carbon content of a sizing agent is attached in a range of 0.1 to 2% by weight is obtained. 単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaであり、かつ、サイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着している炭素繊維束と、焼成により炭素マトリクスを形成するバインダとを含む成形材料を加熱、加圧成形し、得られた成形体を非酸化性雰囲気下で焼成してバインダを炭素化することを特徴とする炭素繊維・炭素複合材料の製造方法。The average roughness Ra of the surface of the single fiber is in the range of 1 to 20 nm, the strand strength is at least 4 GPa, and the residual carbon of the sizing agent adheres in the range of 0.1 to 2% by weight. A molding material containing a carbon fiber bundle and a binder that forms a carbon matrix by firing is heated and pressed, and the obtained molded body is fired in a non-oxidizing atmosphere to carbonize the binder. Method for producing carbon fiber / carbon composite material. 単繊維の表面の平均粗さRaが1〜20nmの範囲内にあり、ストランド強度が少なくとも4GPaであり、かつ、サイジング剤の残炭物が0.1〜2重量%の範囲内で付着している炭素繊維束と、焼成により炭素マトリクスを形成するバインダとを含む成形材料を加熱、加圧成形し、得られた成形体を非酸化性雰囲気下で焼成してバインダを黒鉛化することを特徴とする炭素繊維・炭素複合材料の製造方法。The average roughness Ra of the surface of the single fiber is in the range of 1 to 20 nm, the strand strength is at least 4 GPa, and the residual carbon of the sizing agent adheres in the range of 0.1 to 2% by weight. A molding material containing a carbon fiber bundle and a binder that forms a carbon matrix by firing is heated and pressed, and the obtained molded body is fired in a non-oxidizing atmosphere to graphitize the binder. Method for producing carbon fiber / carbon composite material. 請求項3または4に記載の方法によって製造された炭素繊維・炭素複合材料。A carbon fiber / carbon composite material produced by the method according to claim 3.
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