JP2004216778A - 画像形成装置及びこの画像形成装置におけるコマンド制御方法 - Google Patents

画像形成装置及びこの画像形成装置におけるコマンド制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紙無しエラーにより両面印刷が中断したときの迅速な再開と、効率的な出力結果の取得を可能とする。
【解決手段】紙無しエラーがメカ制御部21からエンジン送受信制御部12へ送られると、このエンジン送受信制御部12で代替用紙が存在するか否かが探索される。探索の結果、存在しないときは、エンジンコマンド制御部22で、コマンドキュー30にキューイングされている印刷開始コマンドのうち、1ページ前のコマンドが探索され、この1ページ前のコマンドがコマンドキューの先頭へとリンクが再設定される。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタやデジタル複合機等に代表される画像形成装置及びこの画像形成装置におけるコマンド制御方法に関し、特に、両面印刷機能により複数枚の両面印刷を可能とする画像形成装置及びこの画像形成装置におけるコマンド制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画像形成装置は、この画像形成装置上の液晶表示パネル(印刷設定パネル)で入力された印刷処理情報、あるいは外部装置から送信されてきた印刷処理情報にもとづいて、取り込み部(たとえば、スキャナ部等)で取り込まれた画像データあるいは外部装置から送信されてきた画像データを画像形成し、用紙に印字する装置である。
【0003】
近年、この画像形成装置においては、複数枚の用紙に連続して印刷する場合(複数印刷)の印刷処理の高速化がすすめられており、この実現を図る技術が種々提案されている。
例えば、用紙mの印刷終了後から、次の用紙m+1の印刷開始コマンドの処理により給紙するまでの処理時間を短くする技術が提案されている。これにより、現在の印刷処理の終了時と次の印刷処理の開始時との時間間隔を短縮できるため、複数印刷の高速化が可能となる。
【0004】
ところが、この方法は、用紙の大きさや紙搬送装置の速度により、自ずと短縮できる時間に限界があった(用紙の大きさが時間短縮に限界をもたらす理由としては、給紙された用紙がセンサを通過し終わった時点で次のページの印刷開始コマンドを処理する画像形成装置において、その給紙開始からセンサ通過後までの時間を短縮できないことによる)。
そこで、他の方法として、用紙m(又は、ページm)の印刷終了を待たずに、次の用紙m+1(又は、ページm+1)の印刷開始コマンドをバッファに登録し給紙を実行する方法(先行給紙方法)が提案されている。
【0005】
この先行給紙方法によれば、用紙m(又は、ページm)の印刷が終了したか否かに関係なく、次のページ処理の可能になった時点で次のページの給紙を行うことができるため、印字終了を受けてから印字開始コマンドを発行するまでの時間が不要となる。このことから、複数印刷の高速化をさらに図ることができる。
そして、この先行給紙方法を用いることにより、印刷開始コマンドにもとづいて給紙を制御する印刷エンジンのメカ制御部においては、この印刷エンジンの有する印刷処理スピードを本来発揮可能なスピードに近づけることもできる。
【0006】
ところで、一般に、画像形成装置は、両面印刷機能、すなわち、用紙の表面と裏面とにそれぞれ印字する機能を備えている。
この両面印刷機能を実現するため、画像形成装置1は、図8に示すように、スイッチバック機構2と、用紙反転機構(反転機構)3とを有している。
このような構成において、用紙カセット4から送出された用紙は、転写機構5により、まず一方の面(A面)に画像が印刷される。そして、この用紙は、スイッチバック機構2を介して用紙反転機構3へ送られ、転写機構5により、さらに他方の面(B面)に画像が印刷される。こうして両面とも印刷された用紙は、外部へ排出される。
【0007】
従来、このような両面印刷機能を有する画像形成装置において、両面印刷を複数枚連続して行なう場合は、図9に示すように、1枚目のA面→1枚目のB面→2枚目のA面→2枚目のB面→・・・→n枚目のA面→n枚目のB面の順で印刷処理が行なわれていた。
ところが、こうした手順で印刷処理を行なう両面印刷においても、片面印刷と同じ印刷生産性を実現しようとすると、スイッチバック機構2と反転機構3で非常に高速に用紙を搬送する必要が生じていた。
【0008】
そこで、片面印刷で採用されていた先行給紙方法を応用した方法(用紙Aがスイッチバック機構から反転機構へ移動中に、次の用紙A+1の給紙を行い、用紙搬送の時間を次のページの印刷を行う方法)を用いることで、印刷の生産性を損なうことなく、用紙搬送の速度を抑えることができる(例えば、特許文献1参照。)。
この場合、各用紙の印刷順序は、1枚目A面→2枚目A面→1枚目B面→3枚目A面→2枚目B面→4枚目A面→3枚目B面→・・・のようになる(ここでは、説明を簡単にするために、画像形成装置内に用紙2枚を滞留できるものとしている。)。
【0009】
そして、これらのような印刷順序の制御は、通常、コントローラ部とエンジン部(エグゼキュータ)との間に設けられたコマンドキューでのキューイングを制御することによって行なわれる(例えば、特許文献2参照。)。
コントローラ部とエンジン部が単一のコマンドキューによって接続されている場合、エンジン部はキューイングされているコマンドのうち先頭に位置するコマンドを取り出して実行し、その実行が終了した時点(あるいは、次のコマンドが実行可能となった時点)で次のコマンドをキューから取り出して実行していく。この動作は、コマンドキューにキューイングされたコマンドが無くなるまで行なわれる。
【0010】
ここで、エンジン部がコマンドを実行中にエラーが発生した場合であって、このエラーがエンジン部のみで回復できないときには、コントローラ部にエラーの発生が通知される。
この通知を受けたコントローラ部は、コマンドの発行を一旦停止する。そして、その後にエラー回復の通知を受けると、コントローラ部は、コマンドの発行を再開する。
【0011】
ところが、エラー発生時点でコマンドキューに存在する各コマンドが、エラーの回復後には、もはや実行を必要としなくなる場合がある。
たとえば、給紙コマンドと幾つかの設定コマンドがコマンドキューにキューイングされる場合が相当する。
エンジン部でコマンドキューから取り出された給紙コマンドが実行され、この実行中に画像形成装置内で紙詰まりエラーが発生したとすると、幾つかの設定コマンドは、コマンドキュー内にリンクされたまま残る。画像形成装置側で詰まった紙が取り除かれて再びプリントを開始するためには、給紙コマンドを再発行する必要が生じるが、コントローラ部で給紙コマンドが再発行されても、この給紙コマンドはコマンドキューの最後尾にリンクされるため、それまでにリンクしていたコマンドとの実行順序が当初予定していた順序と逆になってしまう。
【0012】
つまり、給紙コマンドが実行された後に設定コマンドを実行すべきところ、実際には、設定コマンドを実行後に給紙コマンドが実行されることとなる。
この実行順序の逆転を防止するため、従来は、エラー発生時にコマンドキュー内のコマンドを消去(フラッシュ)し、新たに給紙コマンドと設定コマンドとを再発行してコマンドキューにキューイングする手法を用いていた。
【0013】
なお、この手法を用いた場合は、それら再発行したコマンドの伝送遅れが問題となるため、この問題を解決する他の手法として、特許文献2に記載の従来技術は、再発行されたコマンドがコマンドキューの先頭に位置すべきか否かを判定する判定手段と、そのコマンドをコマンドキューの先頭にリンクさせる制御手段とを設けた構成としている。この構成により、再発行したコマンドの伝送遅れを抑制できる。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−235992号公報(第2−3頁、図1−図3)
【特許文献2】
特開平10−240475号公報(第2−6頁)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像形成装置において新たなコマンドを再発行し、この新たなコマンドをコマンドキューの先頭にキューイングする処理は、紙詰まりエラーが発生した場合の対処方法としては適切であると考えられるものの、たとえば、そのエラーの発生原因が紙無し(給紙装置に用紙がセットされていない状態)の場合には、必ずしも適切な対処方法であるとは言えなかった。
【0016】
その理由として、たとえば、紙詰まりエラーの発生後と紙無しエラーの発生後とを比較した場合に、コマンドキューに残存するコマンドがそれぞれ異なることが挙げられる。
それらのうち、紙詰まりエラーの発生後においては、上述のように、給紙コマンドが取り出されて、設定コマンドがコマンドキュー内に残存することが考えられる。
この場合は、給紙コマンドを再発行しコマンドキューの先頭にキューイングすることで、給紙コマンド→設定コマンドの順で処理することが可能となる。
【0017】
これに対し、紙無しエラーの発生後においては、この紙無しエラーの発生前に給紙された用紙に対して給紙コマンドと設定コマンドとの双方が必ず実行されるため、コマンドキューから給紙コマンドが取り出されて設定コマンドのみ残存するということは起こり得なかった。
このように、コマンドキュー内は、次の用紙についての給紙コマンドと設定コマンドとの双方が残存しているか、それら給紙コマンドと設定コマンドとがまったく残存していないかのいずれかの状態であった。つまり、給紙コマンドが取り出されて設定コマンドだけ残存するという状態は起こり得なかった。
【0018】
このことから、複数枚の印刷が紙無しエラーの発生により中断した場合には、最後の用紙の印刷処理時にその中断があった場合を除き、コマンドキュー内は、すでに給紙コマンド→設定コマンドの順にキューイングされており、この順で処理することが可能となっていた。
このため、従来の画像形成装置で行なわれていたコマンドの再発行やこの再発行されたコマンドをコマンドキューの先頭にキューイングする処理を、紙無しエラー発生時にあえて行なう必要がなかった。
【0019】
ところが、複数枚の印刷が片面印刷ではなく両面印刷によって行なわれる場合において、紙無しエラーの発生時にコマンドの再発行やコマンドキューの先頭へのキューイングの処理を行わないこととすると、別の新たな問題が生じていた。
この複数枚の両面印刷において先行給紙方法が用いられる場合は、各用紙の印刷順序が、1枚目A面→2枚目A面→1枚目B面→3枚目A面→2枚目B面→4枚目A面→3枚目B面→・・・のようになっていた。
つまり、コマンドキューにおいてもこの順序と同様の順序でリンクして給紙コマンドと設定コマンドとがキューイングされていた。
【0020】
ここで、たとえば、2枚目A面の印刷を開始した時点で3枚目となるべき用紙がセットされていないことが判明したとすると、2枚目A面の印刷と1枚目B面の印刷とは行なわれるものの、3枚目A面の印刷が行なわれないこととなっていた。
そうすると、この3枚目A面の印刷が行われないために、次にキューイングされている2枚目B面の印刷が行なえなくなり、2枚目はA面のみ印刷された不完全なものとなっていた。
このままでは、その不完全な状態で2枚目が排出され、2枚目A面のコマンドを再発行してコマンドキューの先頭にキューイングすることが必要となり、コマンドの伝送遅れが生じる結果となっていた。そして、2枚目A面が結局二回印刷されるなど、非効率な出力結果となっていた。
【0021】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、紙無しエラーにより複数枚の両面印刷が中断した場合に、コマンドの伝送遅れが生じることなく、その中断した印刷処理を迅速に再開でき、かつ効率的で正確な出力結果を得ることを可能とする画像形成装置及びこの画像形成装置におけるコマンド制御方法の提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の請求項1記載の画像形成装置は、画像データにもとづいて画像を形成するとともに、印刷開始コマンドにもとづいて給紙を開始し、かつ、この給紙した用紙に画像を形成する制御手段を備えた画像形成装置であって、印刷開始コマンドが複数登録されるコマンドキューを有し、制御手段は、紙無しエラーにより複数枚の両面印刷が中断すると、この中断した出力結果にもとづき、コマンドキューにキューイングされた複数の印刷開始コマンドを並べ替えて再登録を行なうコマンド制御部を有した構成としてある。
【0023】
画像形成装置をこのような構成とすると、紙無しエラーにより複数枚の両面印刷が中断した場合に、コマンドキューにキューイングされた複数の印刷開始コマンドが並べ替えられて再登録されるため、A面のみ印刷された非効率的な出力結果を回避できる。
具体的には、たとえば、2枚目A面の印刷を開始した時点で3枚目となるべき用紙がセットされていないことが判明したとすると、2枚目A面の印刷と1枚目B面の印刷とは行なわれるものの、3枚目A面の印刷は行なわれない。
【0024】
ここで、3枚目A面の印刷開始コマンドと、次にキューイングされている2枚目B面の印刷開始コマンドとを並べ替えて2枚目B面の印刷開始コマンドをコマンドキューの先頭にキューイングすると、A面がすでに印刷された2枚目のB面に続けて印刷することができる。
このため、A面のみ印刷されて排出されるといった非効率的な出力結果が回避され、紙無しエラーにより中断した印刷処理を効率的に再開できる。
【0025】
さらに、紙無しエラーにより両面印刷が中断して、コマンドキューにキューイングされている印刷開始コマンドの並べ替えが行なわれると、たとえば、2枚目B面の印刷開始コマンドが処理される。このため、2枚目B面の印刷開始コマンドを再発行して、この印刷開始コマンドをコマンドキューの先頭にキューイングするといった処理が必要でなくなる。
このため、コマンドの伝送遅れが生じなくなることから、中断した印刷処理の迅速な再開が可能となる。
【0026】
加えて、紙詰まりエラー発生時には、通常、ユーザが、詰まった紙を取り除き、さらに印刷開始ボタンを押すことによって、印刷を再開していた。
これに対し、紙無しエラーの場合は、ユーザが給紙装置(給紙カセット、給紙フィーダ、手差しトレイなど)に用紙を補給すれば、画像形成装置がその補給された用紙を自動検出した上で、印刷を再開することができた。
このため、紙無しエラーにより中断した印刷処理を再開する処理(中断再開処理)を迅速に行なうことができる。
【0027】
また、請求項2記載の画像形成装置は、コマンド制御部が、紙無しエラーにより複数枚の両面印刷が中断した場合であって、同じサイズの用紙が他の給紙装置にも無いときに、中断した出力結果に応じて、コマンドキューにキューイングされた複数の印刷開始コマンドを並べ替えて再登録を行なう構成としてある。
【0028】
画像形成装置をこのような構成とすれば、同じサイズの用紙が他の給紙装置にセットされている場合には、その給紙装置から用紙を給紙すれば印刷処理を中断する必要がなくなるため、紙無し状態検出時の復帰処理を迅速に行なうことができる。
そして、同じサイズの用紙が他の給紙装置にセットされていない場合には、中断した出力結果に応じて、コマンドキューにキューイングされた複数の印刷開始コマンドを並べ替えが行われるため、中断した印刷処理を迅速かつ効率的に再開できる。
【0029】
また、請求項3記載の画像形成装置は、コマンド制御部が、印刷のされていない面の印刷開始コマンドがコマンドキューの先頭にリンクするように並べ替えを行なう構成としてある。
【0030】
画像形成装置をこのような構成とすると、たとえば、2枚目A面の印刷を開始した時点で3枚目となるべき用紙がセットされていないことが判明した場合に、3枚目A面の印刷開始コマンドと、次にキューイングされている2枚目B面の印刷開始コマンドとを並べ替えて2枚目B面の印刷開始コマンドがコマンドキューの先頭にキューイングされるため、A面がすでに印刷された2枚目のB面に続けて印刷することができる。
これにより、紙無しエラーにより中断した両面印刷処理を効率的かつ正確に再開できる。
【0031】
また、請求項4記載の画像形成装置におけるコマンド制御方法は、画像データにもとづいて画像を形成する処理と、印刷開始コマンドにもとづいて給紙を開始する処理と、この給紙した用紙に画像を形成する処理とを有した画像形成装置におけるコマンド制御方法であって、紙無しエラーにより複数枚の両面印刷を中断させる処理と、この中断した出力結果にもとづき、コマンドキューにキューイングされた複数の印刷開始コマンドを並べ替えて再登録を行なう処理とを有した構成としてある。
【0032】
画像形成装置におけるコマンド制御方法をこのような構成とすれば、紙無しエラーにより複数枚の両面印刷が中断した場合に、その中断した出力結果にもとづき、コマンドキューにキューイングされた複数の印刷開始コマンドを並べ替えて再登録が行なれるため、改めて印刷開始コマンドを再発行し、この印刷開始コマンドをコマンドキューの先頭にキューイングする必要がなくなる。
このことから、コマンドの伝送遅れが生じることなく、その中断した印刷処理が迅速かつ効率的に再開可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の画像形成装置の実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
なお、図中のブロック構成は、本発明を説明する上での最小限の構成である。
【0034】
また、本実施形態の画像形成装置には、プリンタ(複写機),コピー機,ファクシミリ,スキャナ,デジタル複合装置を含む。
さらに、本実施形態の画像形成装置には、インクジェットプリンタ,昇華型熱転写方式プリンタ,ドットインパクトプリンタ,インクジェット式プリンタ,レーザプリンタ,溶融型熱転写方式プリンタなど、各種のプリンタ方式を備えたプリンタが含まれる。
【0035】
同図に示すように、画像形成装置1は、コントローラ部10と、エンジン部20と、コマンドキュー30とを有している。
コントローラ部10は、ホストコンピュータ(図示せず)からの画像データや各種情報を入力すると、画像データを画像処理して得られた印刷出力データをRAM(図示せず)に記憶する。つまり、コントローラ部10は、画像データにもとづいて画像を形成する機能を有することから、第一の制御手段を構成する。
【0036】
さらに、コントローラ部10は、RAMから印刷出力データを取り出す画像制御部11と、この画像制御部11からの印刷出力データをエンジン部12へ送るエンジン送受信制御部12とを有している。
これら画像制御部11とエンジン送受信制御部12とは、プリンタ記述言語(PDL)を制御する構成部分である。
【0037】
エンジン部12は、コントローラ部11から送られてきた印刷出力データに追跡パターンを付加して、画像出力手段(図示せず)へ送るメカ制御部21と、コントローラ部11から送られてきたエンジンコマンド(印刷開始コマンド)をコマンドキュー30へキューイング(登録)するとともに、このコマンドキュー30から取り出したエンジンコマンドをメカ制御部21へ送るエンジンコマンド制御部22とを有している。
【0038】
これらコントローラ部11とエンジン部12とは、分離された形で構成されており、互いにシリアル通信によりコミュニケーションを行っている。
つまり、エンジン部12は、印刷開始コマンドにより給紙される用紙に画像を形成する機能を有していることから、第二の制御手段を構成する。そして、第一の制御手段であるコントローラ部10と、第二の制御手段であるエンジン部20とを総称して制御手段という。
【0039】
コマンドキュー30は、エンジンコマンド制御部22によりエンジンコマンドが登録されるキューである。
このコマンドキュー30においては、エンジンコマンド制御部22により、コマンドの並べ替えも行なわれる。
【0040】
次に、本実施形態の画像形成装置における通常の印字動作について、図1を参照して説明する。
まず、原稿を読み取るスキャナ部などのリーダ(図示せず)から送られてきたイメージデータやホストI/F(図示せず)を介してホストコンピュータから送られてきたPDL(Page Description Language)が、画像制御部11で処理され、印刷出力データとしてエンジン送受信制御部12へ送られる。
【0041】
この印刷出力データには、ユーザの指定された用紙情報なども含まれている。このため、エンジン送受信制御部12においては、エンジン部20の現在の状態とユーザからの用紙情報にもとづいて、エンジン部20に対し、印刷要求コマンド(印刷開始コマンド)が発行される。
この発行された印刷要求コマンドが、エンジンコマンド制御部22を介してコマンドキュー30でキューイングされる。そして、メカ制御部21からの給紙可能状態に応じて、コマンドキュー30からエンジンコマンド制御部22へ印刷要求コマンドが取り出され、メカ制御部21へ給紙指示が送出される。
【0042】
次に、通常の印刷処理における制御信号(印字コマンドを含む)のやり取りについて、図2を参照して説明する。
コントローラ部10のエンジン送受信部12では、一枚分(両面)のページが準備できたところで印刷要求PD(印刷開始コマンド)が発行される。
この発行された印刷要求PD1が、エンジン部20のエンジンコマンド制御部22へ送られる(ステップ10)。そして、印刷要求PD1は、エンジンコマンド制御部22を介してコマンドキュー30へ送られ登録される。
【0043】
その後も、エンジンコマンド制御部22は、エンジン送受信制御部20から次々に送られてくる印刷要求PD(印刷要求PD1,PD2,PD3,・・・)をコマンドキュー30に登録する(ステップ11,ステップ12)。この次々に印刷要求PDを登録する処理は、先行給紙方法を用いることで実現可能である。
そのため、エンジン送受信制御部12は、画像制御部11での処理が完了次第、メカ制御部21の動作の経過に関係なく印刷要求PD2,PD3,・・・を発行することができる。
【0044】
一方、エンジンコマンド制御部22において、メカ制御部21からの給紙状態によりコマンドキュー30から印刷要求PD1が取り出される。ここで、給紙開始要求PSO1が初期状態であるため、メカ制御部21に異常が無い限りメカ制御部21に引き渡される(ステップ13)。
給紙開始要求PSO1を受けたメカ制御部21において、用紙カセット4からの給紙が実行される。給紙が正常に完了し、次の用紙の給紙が可能になった時点で給紙終了PSE1が発行される(ステップ14)。
【0045】
給紙終了PSE1を受けたエンジンコマンド制御部22において、コマンドキュー30内に印刷要求PD2があることが確認され、給紙開始要求PSO2が発行され、メカ制御部21へ引き渡される(ステップ15)。
これにより、メカ制御動作と印刷要求が連動することになり、適切な紙間で給紙することが可能となる。
その後は、給紙開始要求PSO2を受けたメカ制御部21において、カセットから用紙の給紙が実行される。そして、給紙が正常に完了し、次の用紙の給紙が可能になった時点で給紙終了PSE2が発行される(ステップ16)。
【0046】
次に、両面印刷における印字開始動作とコマンドキューの状態について説明する。
ここでは、例として、図3に示すような構成を備えた画像形成装置1を用いて説明する。
まず、用紙カセット4aから送出された用紙1の表面(A面)が、転写機構5により印刷され、スイッチバック機構2を介して用紙反転機構3へ送られる。
これらスイッチバック機構2及び反転機構3の搬送経路は通常長いことから、用紙1が反転機構3を移動中に、用紙2が用紙カセット4aから給紙され、用紙2のA面が転写機構5で印刷される。そして、用紙1の裏面(B面)が印刷され、排出される。
【0047】
続いて、用紙2が反転機構3を移動中、用紙3が給紙され、この表面(A面)が転写機構5で印刷される。そして、用紙3がスイッチバック機構2へ送られると、用紙2の裏面(B面)が印刷され、排出される。
さらに、用紙3が反転機構3を移動中、用紙4が給紙され、この表面(A面)が印刷される。そして、用紙4がスイッチバック機構2へ送られると、用紙3の裏面(B面)が印刷されて、排出される。
このように、表面が印刷された用紙mが反転機構3を移動中、次の用紙m+1の表面が印刷されることで、複数枚の印刷の高速化が可能となる(先行給紙方法)。
【0048】
この先行給紙方法により複数枚の両面印刷を実行する場合の、コマンドキュー30にキューイングされた印字コマンドと転写機構5への給紙位置との関係は、図4に示すようになる。
すなわち、「用紙1A面」の印刷開始コマンドが実行されるときは、用紙カセット4a(カセット上段)から転写機構5へ給紙される。次いで、「用紙2A面」の印刷開始コマンドが実行されるときは、用紙カセット4a(カセット上段)から転写機構5へ給紙される。
さらに、「用紙1B面」の印刷開始コマンドが実行されるときは、反転機構3から転写機構5へ給紙される。続いて、「用紙3A面」の印刷開始コマンドが実行されるときは、用紙カセット4a(カセット上段)から転写機構5へ給紙される。
【0049】
このように、用紙のA面を印刷するときは、用紙カセット4から転写機構5へ給紙される。これに対し、用紙のB面を印刷するときは、用紙カセット4ではなく、反転機構3から転写機構5へ給紙される。
なお、A面,B面どちらを先に印刷するかは、設計上任意に選択できる。
また、両面印刷の順序は、エンジン送受信部12で決定され、図4に示すように、コマンドキュー30内に登録される。
【0050】
次に、複数枚を印刷処理する途中で紙無しエラーが発生した場合について、図5を参照して説明する。
エンジン送受信制御部12からエンジンコマンド制御部22へ印刷要求PDが順次送られる(ステップ20〜ステップ23)。
エンジンコマンド制御部22において、受け取った印刷要求PDがコマンドキュー30に登録される。
【0051】
さらに、エンジンコマンド制御部22において、メカ制御部21からの給紙状態によりコマンドキュー30から印刷要求が取り出され、給紙開始要求PSO1がメカ制御部21に引き渡される(ステップ24)。
この給紙開始要求PSO1を受けたメカ制御部21において、カセットから用紙の給紙が実行される。給紙が正常に完了し、次の用紙の給紙が可能になった時点で給紙終了PSE1が発行される(ステップ25)。
これら給紙開始要求PSO及び給紙終了PSEの送受信は、エンジンコマンド制御部22において印刷要求PD2がコマンドキュー30から取り出された後においても行なわれる(ステップ26,ステップ27)。
【0052】
続いて、エンジンコマンド制御部22において、印刷要求PD3がコマンドキュー30から取り出される。
ここで、用紙3の給紙時に紙無しが検出されたときは、用紙2を給紙完了した時点で、メカ制御部21からエンジン送受信制御部12へ、紙無しエラーの通知(紙無し異常)が発行される(ステップ28,ステップ29)。
【0053】
紙無しエラー通知を受け取ったエンジン送受信制御部12において、代替となる用紙が他の給紙装置(たとえば、他の用紙カセット,給紙フィーダ,手差しトレイなど)に存在するか否かが、ユーザ指定情報とエンジン状態とによって探索される。
探索の結果、代替用紙が検出された場合は、印字制御情報に給紙位置のみ変更を行うように、給紙位置情報がエンジンコマンド制御部22へ再度送信される(給紙位置変更、ステップ30)。
【0054】
この場合、両面印刷における反転機構3からの給紙動作のため、多少の時間的余裕があることから、印刷要求を再送しても問題はない。
エンジンコマンド制御部22においては、コマンドキューが維持されたまま、給紙位置が変更されたものであるため、引き続き給紙動作が行われ、連続して印刷を動作させることができる(ステップ31)。
【0055】
一方、エンジン送受信制御部12で代替給紙ができないと判断された場合は、給紙位置情報を送信することなく正常状態として画像制御部11からのデータが処理される。
この場合、エンジンコマンド制御部22においては、給紙情報が更新されないため、図6に示すように、用紙3の給紙開始要求PSO3に対して給紙異常を受け取ることになる(ステップ41,ステップ42)。
【0056】
ここで、エンジンコマンド制御部22において、コマンドキュー30内のコマンドが探索される。
コマンドキュー30にキューイングされた印刷開始コマンドは、探索前においては、図7(a)に示すように、たとえば、「用紙3A面」→「用紙2B面」→「用紙4A面」→「用紙3B面」→「用紙5A面」→・・・であるものとする。そして、この探索は、給紙異常を検出したNページ目(たとえば、3ページ目)から1ページ前のN−1ページ目(たとえば、2ページ目)の「用紙N−1ページ目のB面」の印刷開始コマンドが見つかるまで行なわれる。
【0057】
探索の結果、見つかった「用紙N−1ページ目のB面」の印刷開始コマンドが、コマンドキュー30の先頭へとリンクが再設定される。つまり、同図(b)に示すように、「用紙N−1ページ目のB面」である「用紙2B面」の印刷開始コマンドと、「用紙Nページ目のA面」である「用紙3A面」の印刷開始コマンドとが並べ替えられる。このコマンドキュー30内の並べ替えが完了したところで、再度給紙が行なわれる。
【0058】
その結果、「用紙2B面」の印刷開始コマンドが実行され画像形成装置1内から用紙2が排出されると、コマンドキュー30内は、同図(c)に示すように、「用紙3A面」→「用紙4A面」→「用紙3B面」→「用紙4A面」→・・・の順にキューイングされる。これにより、次回再開する場合も既に高速の両面印刷コマンドがコマンドキュー30内に形成されることになる。
ここで、コマンドキュー30が用紙を補給すると、コマンドの再送無しに給紙動作が可能となる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、紙無しエラーにより両面印刷が中断したときに、出力結果にもとづいて、コマンドキューにキューイングされている印刷開始コマンドの並べ替えが行なわれるため、A面のみ印刷されて排出されるといった出力結果を回避できる。このため、中断した印刷処理を再開する際に効率的かつ無駄のない出力を得ることができる。
また、このときに、新たな印刷開始コマンドを再発行し、この新たな印刷開始コマンドをコマンドキューの先頭に登録する処理を行なう必要がなくなることから、中断した印刷処理を迅速に再開できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置における制御手段の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の画像形成装置における通常の印刷動作を示す動作手順図である。
【図3】本発明の画像形成装置の構成及び用紙の流れを示す構成概略図である。
【図4】両面印刷を先行給紙方法で行なった場合における、コマンドキューにキューイングされた印刷開始コマンドと転写機構への給紙位置との関係を示す対応図である。
【図5】本発明の画像形成装置における給紙位置変更を伴う動作を示す動作手順図である。
【図6】本発明の画像形成装置における給紙異常を伴う動作を示す動作手順図である。
【図7】コマンドキューにおける印刷開始コマンドの並べ替えの具体例を示す模式図である。
【図8】本発明の画像形成装置の構成を示す構成概略図である。
【図9】従来の画像形成装置における両面印刷の順序を示す模式図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 スイッチバック機構
3 用紙反転機構
4 用紙カセット
5 転写機構
10 コントローラ部
11 画像制御部
12 エンジン送受信制御部
20 エンジン部
21 メカ制御部
22 エンジンコマンド制御部
30 コマンドキュー

Claims (4)

  1. 画像データにもとづいて画像を形成するとともに、印刷開始コマンドにもとづいて給紙を開始し、かつ、この給紙した用紙に前記画像を形成する制御手段を備えた画像形成装置であって、
    前記印刷開始コマンドが複数登録されるコマンドキューを有し、
    前記制御手段は、
    紙無しエラーにより複数枚の両面印刷が中断すると、この中断した出力結果にもとづき、前記コマンドキューにキューイングされた前記複数の印刷開始コマンドを並べ替えて再登録を行なうコマンド制御部を有した
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記コマンド制御部が、
    前記紙無しエラーにより前記複数枚の両面印刷が中断した場合であって、同じサイズの用紙が他の給紙装置にも無いときに、前記中断した出力結果に応じて、前記コマンドキューにキューイングされた前記複数の印刷開始コマンドを並べ替えて前記再登録を行なう
    ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記コマンド制御部が、
    印刷のされていない面の印刷開始コマンドがコマンドキューの先頭にリンクするように前記並べ替えを行なう
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 画像データにもとづいて画像を形成する処理と、
    印刷開始コマンドにもとづいて給紙を開始する処理と、
    この給紙した用紙に前記画像を形成する処理とを有した画像形成装置におけるコマンド制御方法であって、
    紙無しエラーにより複数枚の両面印刷を中断させる処理と、
    この中断した出力結果にもとづき、コマンドキューにキューイングされた前記複数の印刷開始コマンドを並べ替えて再登録を行なう処理とを有した
    ことを特徴とする画像形成装置におけるコマンド制御方法。
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