JP2004216643A - 車両灯具用樹脂レンズおよびその成形方法 - Google Patents

車両灯具用樹脂レンズおよびその成形方法 Download PDF

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Abstract

【目的】レンズ全体が加飾されて立体感(奥行き感)をもつ車両灯具用樹脂レンズおよびその成形方法の提供。
【解決手段】レンズ本体12の裏面側にレンズ構成樹脂と親和性を有する樹脂製加飾フィルム18をインサート成形により一体化した車両灯具用樹脂レンズにおいて、加飾フィルム18がレンズ脚部16を横切ってレンズ本体12外周縁まで延在するように構成した。レンズ本体12の裏側に設けた加飾フィルム18はレンズ脚部16を横切ってレンズ本体12の外周縁まで延在し、即ち、レンズ外周縁部(フランンジ部)14を含むレンズ本体12の裏面側全体に加飾フィルム18が設けられて、レンズ本体12全体において加飾フィルム18の模様や色が立体的に見えるので、模様や色を統一したレンズ10全体に奥行き感が醸し出されて、灯具の見映えが非常によい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インサート成形によりレンズ本体の裏面側にレンズ構成樹脂と親和性を有する樹脂製加飾フィルムを一体化した車両灯具用樹脂レンズおよびその成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下記に示す特許文献1,2には、この種の従来技術が開示されている。
【0003】
図11は、特許文献1に示すレンズの断面図で、このレンズは、インサート成形によりレンズ本体1の前面側に加飾フィルム2が一体化された構造で、レンズ本体1の前面の略全体を加飾できるという点では好ましい。しかし、レンズ本体1の前面側に加飾フィルム2が存在するため、加飾フィルム2の模様や色に立体感(奥行き感)がなく見映えが悪いし、加飾フィルム2に傷がつき易く耐候性や耐久性で不安がある。
【0004】
前記したレンズ(特許文献1)の問題を改善するものとして特許文献2が提案されている。図12は、特許文献2に示すレンズの断面図で、このレンズは、インサート成形によりレンズ本体1の裏面側に加飾フィルム2が一体化された構造で、レンズ本体1の裏面側に加飾フィルム2が存在するため、レンズ本体1で光が屈折するというレンズ効果により加飾フィルム2の模様や色に立体感(奥行き感)が出て見映えがよく、加飾フィルム2に傷がつき難く耐候性や耐久性にも優れている。
【特許文献1】特開平2−128101号(明細書第7〜8頁、第1図A、C)
【特許文献2】特開平3−1919号(明細書第6頁、第2図)
【発明の解決しようとする課題】
しかし、レンズ本体1の外周縁部寄り背面側にはレンズ脚部3が突出しており、前記した第2の従来技術(特許文献2)では、加飾フィルム2を設ける領域はレンズ脚部3より内側に限られる。このため、加飾フィルム2によって加飾された領域1aの周りに、レンズ外周縁部に沿って帯状の非加飾領域1bが出現して、見映えが悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、レンズ全体が加飾されて立体感(奥行き感)をもつ車両灯具用樹脂レンズおよびその成形方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】
前記目的を達成するために、請求項1に係る車両灯具用樹脂レンズにおいては、レンズ本体の裏面側にレンズ構成樹脂と親和性を有する樹脂製加飾フィルムをインサート成形により一体化した車両灯具用樹脂レンズにおいて、前記加飾フィルムがレンズ脚部を横切ってレンズ本体外周縁まで延在するように構成した。
【0007】
(作用)レンズ本体裏側に設けられている加飾フィルムはレンズ脚部を横切ってレンズ本体の外周縁まで延在し、即ち、レンズ外周縁部を含むレンズ本体の裏面側全体に加飾フィルムが設けられて、レンズ本体全体において加飾フィルムの模様や色が立体的に見えて、レンズ全体に奥行き感を醸し出す。
【0008】
なお、樹脂製加飾フィルムは、レンズ構成樹脂と親和性を有することから、インサート成形されることで、レンズ構成樹脂との境界面において互いに溶融し接合一体化されて、レンズ本体の裏側表面を構成する。
【0009】
請求項2においては、金型に設けたレンズ成形用キャビティ内にレンズ構成樹脂と親和性を有する樹脂製加飾フィルムをインサートし、前記キャビティに溶融樹脂を射出充填して、レンズ本体の裏面側に加飾フィルムを一体化する車両灯具用樹脂レンズの成形方法において、前記キャビティがレンズ脚部に対応するキャビティ部分とレンズ本体に対応するキャビティ部分に分離されるように、前記加飾フィルムをレンズ本体の裏側に対応する金型成形面に沿って配設し、前記加飾フィルムによって分離画成されたそれぞれのキャビティ部分にほぼ同時に充填されるように溶融樹脂をそれぞれ射出するように構成した。
【0010】
また、金型には、レンズ脚部に対応するキャビティ部分とレンズ本体に対応するキャビティ部分にそれぞれ樹脂を射出するゲートを設ける必要があるが、ゲートを設ける位置としては以下のような構成が考えられる。
【0011】
まず、第1の実施例のように、固定側金型にレンズ本体の意匠面がくるようにキャビティを設け(可動側金型にレンズ脚部に対応するキャビティ部分を設け)、金型のパーティングラインに沿った位置に、レンズ本体に対応するキャビティ部分に樹脂を射出するサイドゲートを設け、可動側金型に、レンズ脚部に対応するキャビティ部分に樹脂を射出するスライド式のトンネルゲートを設けた構成がある。
【0012】
また、第2の実施例のように、可動側金型にレンズ本体の意匠面がくるようにキャビティを設け(固定側金型にレンズ脚部に対応するキャビティ部分を設け)、金型のパーティングラインに沿った位置に、レンズ本体に対応するキャビティ部分に樹脂を射出するサイドゲートを設け、固定側金型に、レンズ脚部に対応するキャビティ部分に樹脂を射出するダイレクトゲートを設けた構成がある。
【0013】
さらに、第3の実施例のように、固定側金型にレンズ本体の意匠面がくるようにキャビティを設け(可動側金型にレンズ脚部に対応するキャビティ部分を設け)、可動側金型に、レンズ脚部に対応するキャビティ部分に樹脂を射出するスライド式のトンネルゲートを設け、固定側金型に、レンズ本体に対応するキャビティ部分に樹脂を射出するダイレクトゲートを設けた構成がある。
【0014】
(作用)金型に設けたレンズ成形用キャビティは、インサートされた加飾フィルムによって、レンズ脚部に対応するキャビティ部分とレンズ本体に対応するキャビティ部分に分離画成されており、それぞれのキャビティ部分に溶融樹脂を射出充填することで、レンズ本体の裏面側に加飾フィルムが一体化されるとともに、レンズ脚部は加飾フィルムを介してレンズ本体に一体化される。
【0015】
レンズ本体およびレンズ脚部を構成するレンズ構成樹脂と加飾フィルム構成樹脂は親和性を有することから、レンズ脚部と加飾フィルムとレンズ本体はそれぞれの境界面で溶着一体化されるので、レンズ本体とレンズ脚部間の溶着接合部における強度が弱いということはない。
【0016】
また、レンズ成形用キャビティに溶融樹脂を射出充填する際には、レンズ脚部に対応するキャビティ部分とレンズ本体に対応するキャビティ部分にほぼ同時に充填が完了するように溶融樹脂を射出するので、キャビティを横切って廷在するる加飾フィルムに作用する樹脂圧力はレンズ脚部側(レンズ脚部に対応するキャビティ部分側)とレンズ本体側(レンズ本体に対応するキャビティ部分側)でほぼ同一となり、加飾フィルムが破れたり捩れたり変形したりすることがない。
【0017】
請求項3においては、請求項2に記載の車両灯具用樹脂レンズの成形方法において、前記加飾フィルムを、前記レンズ本体の裏面形状に倣うように予め成形されたプレフォームフィルムで構成するようにした。
【0018】
(作用)加飾フィルム(プレフォームフィルム)は、レンズ本体の裏面形状に倣う形状に予め成形されているので、加飾フィルム(プレフォームフィルム)を金型にセットし易いし、レンズ本体の裏側に対応する金型成形面に沿って加飾フィルム(プレフォームフィルム)を配設すれば、金型に設けたレンズ成形用キャビティをレンズ脚部に対応するキャビティ部分とレンズ本体に対応するキャビティ部分に分離画成する所定の適正位置となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの一実施例であるテールアンドストップランプ用のアウターレンズの縦断面図である。
【0021】
アウターレンズ10は、後方に開口する容器形状に形成されて、前面側にはランプ点灯時に機能色である赤色に発光する発光部として作用する意匠面部13と意匠面部13の外周縁に沿って帯状に延びるフランジ部14からなるレンズ本体12と、レンズ本体12のフランジ部14付根位置からレンズ本体側面壁12aと面一に後方(背後方向)に延出し、例えばランプボディ20側のシール溝22と係合するレンズ脚部16で構成されている。
【0022】
レンズ10全体(レンズ10を構成するレンズ本体12とレンズ脚部16)は、クリアーなアクリル樹脂(PMMA)で構成されているが、レンズ本体12の裏面側全域に赤色を帯びたアクリル樹脂(PMMA)製加飾フィルム(例えば、0.3mm厚)18がインサート成形により一体化されて、ランプの非点灯時にはレンズ本体12全体が赤く見えるし、ランプの点灯時にはレンズ本体12全体が赤く発光するように構成されている。
【0023】
即ち、レンズ脚部16は、レンズ本体12のフランジ部14に連成されているが、レンズ本体12の裏面側に設けられた加飾フィルム18は、このレンズ脚部16を横切ってレンズ本体12(フランジ部14)の外周縁まで延在した構造で、レンズ本体12全体において加飾フィルム18の赤色がレンズ本体12のレンズ効果で立体的に見えるため、レンズ10全体に奥行き感が出て、点灯時および非点灯時のいずれの場合も見映えがよい。
【0024】
また、ランプ点灯時には、レンズ本体12の意匠面部13のみならずフランジ部14も幾分発光するので、それだけ発光面積が大きく遠方からの視認性も良い。
【0025】
図2〜4は本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの成形方法を適用した射出成形装置の第1の実施例であって、図2は、図1に示すアウターレンズ10を成形する射出成形装置に用いる金型の要部縦断面図、図3は加飾フィルムをセットする際の同金型の要部縦断面図、図4は射出成形終了後に型開きした同金型の要部縦断面図である。
【0026】
これらの図に示すように、射出成形装置は、射出機(図示せず)の樹脂注入ノズルから樹脂が注入される側の固定側金型100と、固定側金型100に対向して接近離反方向(図2,3左右方向)に摺動可能な可動側金型200で主として構成された金型装置を備える。なお、可動側金型200は、図示しない金型駆動機構である油圧シリンダによって駆動する。
【0027】
金型装置を構成する固定側金型100と可動側金型200間には、図1に示すテールアンドストップランプ用アウターレンズ10を成形するためのキャビティC(図2参照)が設けられている。キャビティCは、レンズ意匠面部13側が固定側金型100側となるように形成されており、可動側金型200には、レンズ10の内側成形用の成形面212aを形成した入れ子212が固定されている。
【0028】
キャビティCは、アクリル樹脂製加飾フィルム18をレンズ本体12の裏面側(図1参照)に対応する金型成形面212aに沿って配設することで、レンズ脚部16に対応するキャビティ部分C1とレンズ本体12に対応するキャビティ部分C2とに分離できるように構成されている。即ち、加飾フィルム18は、レンズ本体12の裏面形状に倣うように予め成形されたプレフォームフィルムで構成されており、皺を発生させることなくレンズ本体12の裏側に対応する金型成形面212aに沿って簡単にセットすることができる。また、加飾フィルム18の周縁部は、レンズ本体12のフランジ部14より一回り大きく形成されており、加飾フィルム18をセットし、金型100,200を型締めすることで、キャビティCがレンズ脚部16に対応するキャビティ部分C1とレンズ本体12に対応するキャビティ部分C2とに分離画成された形態となる。
【0029】
また、金型100,200には、サイドゲート31とスライド式トンネルゲート41の2つのゲートが設けられて、トンネルゲート41から第1のキャビティ部分C1に、サイドゲート31から第2のキャビティ部分C2にそれぞれ溶融アクリル樹脂が射出されるように構成されている。
【0030】
サイドゲート31は、金型のパーティングラインPL位置に設けられて、キャビティCにおけるフランジ部14外周端に相当する位置からキャビティ部分C2に樹脂を射出する射出口で、パーティングラインPLに沿って設けた樹脂供給路であるランナ32の先端部に設けられており、サイドゲート31から加飾フィルム18に沿って射出された溶融樹脂は、加飾フィルム18を金型成形面212aに押し付けるようにしてキャビティ部分C2内に充填される。
【0031】
トンネルゲート41は、可動側金型200に組み付けられてパーティングラインPLに沿ってスライド可能なスライド金型40に設けられて、キャビティ部分C1に樹脂を射出する射出口で、パーティングラインPLに沿って設けた樹脂供給路であるランナ42の先端部に設けられており、溶融樹脂はトンネルゲート41からキャビティ部分C1の延在方向と略直交する方向に射出される。
【0032】
キャビティ部分C1,C2に充填されたアクリル樹脂とアクリル樹脂製加飾フィルム18とは、互いに親和性を有することから、それぞれの境界面において溶融一体化されて、強固に接合された形態となる。
【0033】
また、キャビティ部分C1,C2に射出充填された樹脂の圧力が異なることでキャビティ部分C1,C2を隔てる加飾フィルム18が変形したり破損したりしないようにするために、キャビティ部分C1およびキャビティ部分C2への樹脂の充填がほぼ同時に終了するように、溶融樹脂の射出流量が調整されている。即ち、レンズ脚部16に対応するキャビティ部分C1の容積は、レンズ本体12に対応するキャビティ部分C2の容積より小さいので、キャビティ部分C1への単位時間当たりの射出量がキャビティ部分C2への単位時間当たりの射出量より小さくなるようにサイドゲート31とトンネルゲート41の開口面積を調整することで、キャビティ部分C1およびキャビティ部分C2にほぼ同時に樹脂の射出を開始した後、ほぼ同時に樹脂の充填が終了するように構成されている。また、バルブピンを有するホットチップを使用してキャビティ部分C1への射出開始のタイミングを遅らせることで、キャビティ部分C1およびキャビティ部分C2にほぼ同時に樹脂の充填が終了するように構成してもよい。
【0034】
次に、アウターレンズ10を射出成形する様子を図2,3,4に基づいて説明する。
【0035】
まず、図3に示すように、金型100,200を開き、加飾フィルム18を可動側金型200の入れ子212に被せるようにして所定位置にセットする。次いで、図2に示すように、可動側金型100を固定側金型200に接近させて型締めする。次に、トンネルゲート41およびサイドゲート31からキャビティ部分C1およびキャビティ部分C2に溶融樹脂を射出する。キャビティ部分C1およびキャビティ部分C2への樹脂の充填が終了すると、保圧工程、冷却工程、型開き工程(図4参照)を経て成形品であるアウターレンズ10を取り出す。
【0036】
なお、金型から取り出したアウターレンズ10には、トンネルゲート41に対応するゲート跡16a1やランナ41に対応するバリ16a2やサイドゲート31およびランナ32に対応するバリ16bが付着しているので、これらをアウターレンズ10から切断除去する。
【0037】
図5および図6は、本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの成形方法を適用した射出成形装置の第2の実施例を示し、図5は図1に示すアウターレンズを成形する射出成形装置に用いる金型の要部縦断面図、図6は加飾フィルムをセットする際の同金型の要部縦断面図である。
【0038】
前記した第1の実施例では、固定側金型100にレンズ本体12の意匠面部13側がくるようにキャビティCが設けられていたが、この第2の実施例では、可動側金型200にレンズ本体12の意匠面部13側がくるようにキャビティCが設けられている。
【0039】
そして、金型100,200のパーティングラインPLに沿って設けた樹脂供給路であるランナ32とサイドゲート31を介して、レンズ本体12に対応するキャビティ部分C2に樹脂が射出されるように構成されている点は、前記第1の実施例と同様である。
【0040】
しかし、レンズ脚部16に対応するキャビティ部分C1への樹脂の射出は、固定側金型100内に設けたダイレクトゲート51で構成されている。即ち、固定側金型100内に配設されたホットランナ52の先端に、キャビティ部分C1に開口しシャットオフピン53により開閉可能なダイレクトゲート51が設けられている。
【0041】
その他は前記第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことで重複した説明は省略する。
【0042】
図7および図8は、本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの成形方法を適用した射出成形装置の第3の実施例を示し、図7は図1に示すアウターレンズを成形する射出成形装置に用いる金型の要部縦断面図、図8は加飾フィルムをセットする際の同金型の要部縦断面図である。
【0043】
この第3の実施例では、前記した第1の実施例と同様に、固定側金型100にレンズ本体12の意匠面部13側がくるようにキャビティCが設けられるとともに、可動側金型200に組み付けたスライド金型40のトンネルゲート41を介して、レンズ脚部16に対応する対応キャビティ部分C1に樹脂が射出されるように構成されている。
【0044】
一方、レンズ本体12に対応するキャビティ部分C2への樹脂の射出は、固定側金型100内に設けたダイレクトゲート51で構成されている。即ち、固定側金型100内に配設されたホットランナ52の先端に、シャットオフピン53により開閉可能なダイレクトゲート51が設けられ、ホットランナ52に導かれた溶融樹脂がダイレクトゲート51からキャビティ部分C2に射出される。
【0045】
その他は前記第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことで重複した説明は省略する。
【0046】
なお、前記した実施例では、赤色を帯びた加飾フィルム18を成形一体化したテールアンドストップランプ用のアウターレンズ10および同レンズ10の射出成形方法について説明したが、本発明は、アンバー色を帯びた加飾フィルムを成形一体化したターンシグナルランプ用のアウターレンズおよび同レンズの射出成形方法にも適用することができる。
【0047】
また、インサート成形によりレンズに一体化する加飾フィルム18としては、着色フィルムに限られるものではなく、所定の模様を印刷したフィルムであってもよく、例えば、所定部位に水玉模様や縞模様を印刷した加飾フィルム18を成形一体化したヘッドランプ用の前面レンズや前面カバーおよび同前面レンズや前面カバーの成形方法に適用することもできる等、レンズは標識灯用のアウターレンズに限られるものではない。
【0048】
また、前記した実施例では、レンズと加飾フィルムが互いに親和性を有するアクリル樹脂で構成されている場合について説明したが、これに限られるものではなく、レンズと加飾フィルムが例えばポリカーボネイト樹脂(PC)で構成されている場合、あるいはレンズがアクリル樹脂であって加飾フィルムがABS樹脂の場合等、レンズと加飾フィルムが互いに親和性を有する樹脂の組合せで構成されていればよい。
【0049】
図9は、本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの第2の実施例であるテールアンドストップランプ用のアウターレンズの要部縦断面図である。
【0050】
この実施例では、所定の模様を印刷した赤色の加飾フィルム18Aがインサート成形によりアクリル樹脂製アウターレンズに一体化されており、非点灯時に、フランジ部14を通して加飾フィルム18Aに施されている模様が透けて見えるので、それだけ斬新さがあって、差別化を図ることができる。
【0051】
即ち、加飾フィルム18Aは、前記第1の実施例の場合と同様、プレフォームフィルムで構成されているが、レンズ本体12に対応する赤色を帯びたアクリル樹脂製フィルム本体18aと、レンズ本体12のフランジ部14に対応する所定の模様の印刷層18bと、印刷層18bを覆うクリアーなアクリル樹脂製カバー層(接着層)18cとを積層一体化した構造で、加飾フィルム18Aとレンズ本体12およびレンズ脚部16との接合強度を確保できるようになっている。
【0052】
特に、加飾フィルム18Aにおける印刷層18bは、溶融樹脂と直接接触しないように表裏両面が樹脂層で覆われているため、印刷層18bの模様がくずれたり、にじんだりすることがない。
【0053】
図10は、本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの第3の実施例であるテールアンドストップランプ用のアウターレンズの要部縦断面図である。
【0054】
図9に示す実施例では、レンズ本体12およびレンズ脚部16がアクリル樹脂で構成されるとともに、加飾フィルム18Aのフィルム本体18aおよびカバー層18cがレンズ本体12およびレンズ脚部16と親和性を有するアクリル樹脂で構成されていたが、この第3の実施例では、レンズ本体12Aおよびレンズ脚部16Aが互いに親和性を有するが相異なる樹脂で構成されるとともに、加飾フィルム18Bのフィルム本体18a1がレンズ本体12A(を構成する樹脂)と親和性を有する樹脂で構成され、加飾フィルム18Bの印刷層18b1を覆うカバー層(接着層)18c1がフィルム本体18a1(を構成する樹脂)およびレンズ脚部16A(を構成する樹脂)と親和性を有する樹脂で構成されている。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る車両灯具用樹脂レンズによれば、レンズ外周縁部を含むレンズ本体全体において加飾フィルムの模様や色が立体的に見えるので、模様や色を統一したレンズ全体に奥行き感が醸し出されて、灯具の見映えが非常によい。
【0056】
請求項2に係る車両灯具用樹脂レンズの成形方法によれば、加飾フィルムによって分離画成されたレンズ脚部に対応するキャビティ部分とレンズ本体に対応するキャビティ部分にそれぞれ溶融樹脂を射出充填することで、レンズ脚部を横切ってレンズ本体外周縁まで延在する加飾フィルムをレンズ本体の裏側に一体化した見映えのよい車両灯具用樹脂レンズを成形できる。
【0057】
特に、レンズ脚部とレンズ本体間に延在する加飾フィルムを破損変形等させることなく樹脂レンズを射出成形できるので、非常に見映えのよい車両灯具用樹脂レンズを成形できる。
【0058】
請求項3によれば、加飾フィルムを金型内所定位置に簡単にセットすることができるので、樹脂レンズの成形工程に要す時間が短縮される。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの一実施例である標識灯用のアウターレンズの縦断面図である。
【図2】本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの成形方法を適用した射出成形装置の第1の実施例であって、図1に示すアウターレンズを成形する射出成形装置に用いる金型の要部縦断面図である。
【図3】加飾フィルムをセットする際の同金型の要部縦断面図である。
【図4】射出成形終了後に型開きした同金型の要部縦断面図である。
【図5】本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの成形方法を適用した射出成形装置の第2の実施例であって、図1に示すアウターレンズを成形する射出成形装置に用いる金型の要部縦断面図である。
【図6】加飾フィルムをセットする際の同金型の要部縦断面図である。
【図7】本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの成形方法を適用した射出成形装置の第3の実施例であって、図1に示すアウターレンズを成形する射出成形装置に用いる金型の要部縦断面図である。
【図8】加飾フィルムをセットする際の同金型の要部縦断面図である。
【図9】本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの第2の実施例である標識灯用のアウターレンズの要部縦断面図である。
【図10】本発明に係る車両灯具用樹脂レンズの第3の実施例である標識灯用のアウターレンズの要部縦断面図である。
【図11】第1の従来技術である車両灯具用樹脂レンズの縦断面図である。
【図12】第2の従来技術である車両灯具用樹脂レンズの縦断面図である。
【符号の説明】
10 PC樹脂製アウターレンズ
12、12A レンズ本体
13 レンズ本体の意匠面部
14、14A レンズ本体のフランジ部
16、16A レンズ脚部
18、18A、18B 加飾フィルム(プレフォームフィルム)
18a,18a1 フィルム本体
18b,18b1 印刷層
18c,18c1 カバー層(接着層)
C レンズ成形用キャビティ
C1 レンズ脚部に対応するキャビティ部分
C2 レンズ本体に対応するキャビティ部分
31 樹脂射出口であるサイドゲート
32、42 樹脂供給路であるランナ
40 スライド金型
41 樹脂射出口であるトンネルゲート
42 樹脂供給路であるランナ
51 樹脂射出口であるダイレクトゲート
52 樹脂供給路であるホットランナ
53 シャットオフピン
100 固定側金型
200 可動側金型
212 入れ子

Claims (3)

  1. レンズ本体の裏面側にレンズ構成樹脂と親和性を有する樹脂製加飾フィルムをインサート成形により一体化した車両灯具用樹脂レンズにおいて、前記加飾フィルムは、レンズ脚部を横切ってレンズ本体外周縁まで延在することを特徴とする車両灯具用樹脂レンズ。
  2. 金型に設けたレンズ成形用キャビティ内にレンズ構成樹脂と親和性を有する樹脂製加飾フィルムをインサートし、前記キャビティに溶融樹脂を射出充填して、レンズ本体の裏面側に加飾フィルムを一体化する車両灯具用樹脂レンズの成形方法において、前記キャビティがレンズ脚部に対応するキャビティ部分とレンズ本体に対応するキャビティ部分に分離されるように、前記加飾フィルムをレンズ本体の裏側に対応する金型成形面に沿って配設し、前記加飾フィルムによって分離画成されたそれぞれのキャビティ部分にほぼ同時に充填されるように溶融樹脂をそれぞれ射出することを特徴とする車両灯具用樹脂レンズの成形方法。
  3. 前記加飾フィルムは、前記レンズ本体の裏面形状に倣うように予め成形されたプレフォームフィルムで構成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両灯具用樹脂レンズの成形方法。
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