JP2004216412A - かしめ加工ハウジング - Google Patents
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Abstract
【課題】安定したかしめ加工により、2つの部材間の嵌合強度を高めたかしめ加工ハウジングを提供する。
【解決手段】アッパーハウジング13とロアハウジング12とをかしめ加工によって嵌合されるかしめ加工ハウジングにおいて、折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなすアッパーハウジング13の端面周縁部13cを凸状の曲面形状(R形状)に形成してある。これにより、かしめ治具により折曲加工する際に両者が滑らかに当たるため、ばりが発生しにくく、安定したかしめ加工が可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】アッパーハウジング13とロアハウジング12とをかしめ加工によって嵌合されるかしめ加工ハウジングにおいて、折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなすアッパーハウジング13の端面周縁部13cを凸状の曲面形状(R形状)に形成してある。これにより、かしめ治具により折曲加工する際に両者が滑らかに当たるため、ばりが発生しにくく、安定したかしめ加工が可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はかしめ加工ハウジングに関し、特に、第1の部材とその端面周縁部をかしめ治具により折曲加工することにより嵌合して一体化される第2の部材とで構成されるかしめ加工ハウジングに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車輌用エアコンでは、動力源であるエンジンの回転数が一定でないことから、一般的に負荷に応じた冷凍能力の制御は、圧縮機の冷媒吐出容量を可変にする可変容量圧縮機が用いられている。可変容量圧縮機の容量を変化させる装置として、制御を圧縮機の中だけで行う内部可変制御方式の圧力制御弁(例えば、特許文献1参照。)と、各種センサ出力の演算結果に基づいて電気的に制御する外部可変制御方式の圧力制御弁とが知られており、内部可変制御方式の圧力制御弁には、圧力を感知して弁部を制御するパワーエレメントのハウジングにかしめ加工ハウジングが使用されている。
【0003】
図3は、内部可変制御方式の可変容量圧縮機用の圧力制御弁の従来例を示す断面図である。
この可変容量圧縮機用の圧力制御弁は、弁部1とこの弁部1を駆動制御するパワーエレメント2とからなっている。弁部1は、ボディ3の先端部に設けられたストレーナ4を介して可変容量圧縮機の吐出室に連通されることにより、吐出圧力Pdを導入するポート5と、可変容量圧縮機のクランク室に連通されて制御された圧力、すなわちクランク室内圧力Pcを出力するポート6と、可変容量圧縮機の吸入室に連通されて吸入圧力Psを受けるポート7とを備え、吐出圧力Pdのポート5とクランク室内圧力Pcのポート6とを連通する冷媒流路には、ボディ3と一体に形成された弁座に吐出圧力Pdのポート5の側から着座するようボール弁体8が配置されている。このボール弁体8は、スプリング9によって閉弁方向に付勢されており、このスプリング9のばね荷重は、ポート5に螺着されたアジャストねじ10によって調整される。また、ボディ3の軸線位置には、ボール弁体8に当接して制御駆動するシャフト11が軸線方向に進退自在に保持されている。
【0004】
パワーエレメント2は、ロアハウジング12と、アッパーハウジング13と、これらロアハウジング12及びアッパーハウジング13によって囲まれる空間を仕切るダイヤフラム14と、このダイヤフラム14を両面から挾持するよう配置された2つのディスク15,16と、ディスク16を弁部1側へ付勢するコイルスプリング17とからなっている。弁部1側のディスク15には、吸入圧力Psのポート7と弁部1側のダイヤフラム室とを連通する連通孔18を介して延びるシャフト11の端面に当接している。
【0005】
ここで、弁部1及びパワーエレメント2は、別体に組み立てられ、ロアハウジング12の下端部及びボディ3の上端部に螺刻されたねじ部19によって、図3に示す状態に螺着される。また、アッパーハウジング13は、その端面周縁部をロアハウジング12の周縁部に対してかしめ加工により接合することによって、パワーエレメント2として組み立てられる。
【0006】
図4は、従来の可変容量圧縮機用の圧力制御弁のかしめ部先端の一部分を拡大して示す断面図である。図4において、可変容量圧縮機用の圧力制御弁は、アッパーハウジング13の筒状垂下部が、折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなし、真空容器内でロアハウジング12の鍔状の端面と嵌合される。このアッパーハウジング13の筒状垂下部は、その端面周縁部の外側形状が45°の角度にカットされたC面13aをなしている。パワーエレメント2の組み立て時のかしめ加工では、円筒形のかしめ治具によってアッパーハウジング13の筒状垂下部を図の下方から押圧することによって、その端面が折曲加工される。これにより、アッパーハウジング13の筒状垂下部は、ロアハウジング12の鍔状の端面との間にダイヤフラム14を両面から挾み込んだ状態で嵌合される。かしめ加工されたハウジングの接合部は、その後、はんだ付けまたはろう付けされ、図3に示すように全周が封止される。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−349279号公報(段落番号〔0011〕〜〔0014〕、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の圧力制御弁は、折曲加工されるアッパーハウジング13の端面がC面13aに形成されていたため、かしめ治具が当接する接触面では、押圧時にばりが発生していた。特に、アッパーハウジング13が表面メッキ加工された鉄によって形成されている場合には、かしめ治具と接触するメッキ面が剥がれ易くなるという問題があった。
【0009】
また、かしめ治具の側の接触面についても、アッパーハウジング13の端面周縁部からの応力を受けるから、繰り返してかしめ加工を行っていくうちに、その表面が変形する。したがって、円筒形状のアッパーハウジング13の全周を一様にかしめることが困難になる。
【0010】
図5は、別のかしめ部先端の形状を示す断面図である。このアッパーハウジング13は、端面が先端部分に向かって厚みが斬減するような、テーパ面13bとなっている。かしめ治具による折曲加工の角度が大きい場合には、C面13aをなす図4のものに比べると、かしめ加工が容易である。しかし、こうした利点はあるものの、かしめ治具と接触するメッキ面におけるばりの発生を防止することができないという点では、図4のものと同様であった。
【0011】
この発明の目的は、安定したかしめ加工により、2つの部材間の嵌合強度を高めるようにしたかしめ加工ハウジングを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の部材をその端面周縁部の折曲加工により第2の部材と嵌合させてなるかしめ加工ハウジングにおいて、前記折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなす前記第1の部材の端面周縁部の外側形状が、凸状の曲面に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この圧力制御弁では、かしめ治具と摺接する面が曲面に形成されていて、かしめ治具により折曲加工する際に両者が滑らかに当たるため、ばりが発生しにくく、安定したかしめ加工がなされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を可変容量圧縮機用の圧力制御弁のパワーエレメント用のハウジングに適用した場合を例に、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、この発明のかしめ部先端の形状を示す要部拡大断面図である。
圧力制御弁の全体構成は、図3に示す従来のものと同じであるが、ここでは、折曲加工されるアッパーハウジング13のかしめ部となる先端部分の端面周縁部13cの外側形状が凸状の曲面形状(いわゆるR形状)に形成されている点で異なる。
【0016】
アッパーハウジング13は、後述する円筒形状のかしめ型(かしめ治具)によりかしめ加工される。このアッパーハウジング13のかしめ部となる先端部分の端面周縁部13cがR形状であることにより、かしめ治具の押圧面と当接するときの接触抵抗が小さくなり、しかも、かしめ部の端面周縁部13cのかしめ治具の押圧面と当接する面積が徐々に増加しながら変形していく。したがって、かしめ治具が当接する端面周縁部13cに、ばりが発生しにくい利点がある。
【0017】
また、かしめ治具とかしめ部との接触時の抵抗は、従来の角形状のものと比較して減少するから、アッパーハウジング13が表面メッキ加工された鉄によって形成されている場合でも、メッキ面が剥がれにくくなって、パワーエレメント2を一様な外周形状に保つことができる。したがって、ばりの発生を防止できるだけでなく、可変容量圧縮機の所定の孔に弁部とともにCリングなどで挿入固定するとき、可変容量圧縮機内で確実に固定できる利点もある。
【0018】
図2は、かしめ治具を用いたかしめ加工の様子を示す要部拡大断面図である。円筒形状のかしめ治具20は、パワーエレメント2のハウジングと同径の傾斜したテーパ形状の内周面21を備えており、アッパーハウジング13に対してかしめ治具20を図2の下方から押圧することによって、かしめ治具20のテーパ形状の内周面21がアッパーハウジング13の端面周縁部13cを折曲加工する。これにより、アッパーハウジング13は、ダイヤフラム14をロアハウジング12の鍔状の端面との間に挟み込んだ状態で、ロアハウジング12と嵌合される。かしめ加工された接合部は、はんだ付け、又はろう付けされて図3に示すように全周が封止される。
【0019】
すなわち、アッパーハウジング13のかしめ部となる先端部分の端面周縁部13cがR形状に加工されているために、アッパーハウジング13側からかしめ治具20にかしめ応力が作用しても、かしめ治具20の内周面21の変形を最小限に抑えることができ、かしめ治具20が繰り返し使用される場合でも安定したかしめ加工が可能になる。したがって、かしめ治具20の耐久性が高まるとともに、かしめ治具20のメンテナンス性が向上する。
【0020】
以上では、この発明を可変容量圧縮機の機械式圧力制御弁のパワーエレメントのハウジング部に適用した場合について説明したが、電子式圧力制御弁のヨーク部のかしめ加工される部材や、プレッシャセンサエレメントのハウジング部をコネクタ部にかしめ加工される折曲加工部にも同様に適用できる。また、かしめ加工が施される部材の材料としては、鉄の表面をメッキ加工したものに限らず、電子式圧力制御弁のヨーク部などでは鋼材のメッキ品や、銅系材の材料のものであってもよく、さらにはプレッシャセンサエレメントのハウジング部などではアルミ部材についても適用できる。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明のかしめ加工ハウジングによれば、折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなす第1の部材の端面周縁部の外側形状を凸状の曲面に形成したことにより、かしめ治具の押圧面との当接が滑らかに行われるため、安定したかしめ加工ができ、2つの部材間の嵌合強度を高めることができて、製品の信頼性が高くなり、性能が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のかしめ部先端の形状を示す要部拡大断面図である。
【図2】かしめ治具を用いたかしめ加工の様子を示す要部拡大断面図である。
【図3】内部可変制御方式の可変容量圧縮機用の圧力制御弁の従来例を示す断面図である。
【図4】従来の可変容量圧縮機用の圧力制御弁のかしめ部先端の一部分を拡大して示す断面図である。
【図5】別のかしめ部先端の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弁部
2 パワーエレメント
3 ボディ
4 ストレーナ
5,6,7 ポート
8 ボール弁体
9 スプリング
10 アジャストねじ
11 シャフト
12 ロアハウジング
13 アッパーハウジング
13a C面
13b テーパ面
13c 曲面形状(R形状)の端面周縁部
14 ダイヤフラム
15,16 ディスク
17 コイルスプリング
18 連通孔
19 ねじ部
20 かしめ治具
21 かしめ治具の内周面
【発明の属する技術分野】
この発明はかしめ加工ハウジングに関し、特に、第1の部材とその端面周縁部をかしめ治具により折曲加工することにより嵌合して一体化される第2の部材とで構成されるかしめ加工ハウジングに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車輌用エアコンでは、動力源であるエンジンの回転数が一定でないことから、一般的に負荷に応じた冷凍能力の制御は、圧縮機の冷媒吐出容量を可変にする可変容量圧縮機が用いられている。可変容量圧縮機の容量を変化させる装置として、制御を圧縮機の中だけで行う内部可変制御方式の圧力制御弁(例えば、特許文献1参照。)と、各種センサ出力の演算結果に基づいて電気的に制御する外部可変制御方式の圧力制御弁とが知られており、内部可変制御方式の圧力制御弁には、圧力を感知して弁部を制御するパワーエレメントのハウジングにかしめ加工ハウジングが使用されている。
【0003】
図3は、内部可変制御方式の可変容量圧縮機用の圧力制御弁の従来例を示す断面図である。
この可変容量圧縮機用の圧力制御弁は、弁部1とこの弁部1を駆動制御するパワーエレメント2とからなっている。弁部1は、ボディ3の先端部に設けられたストレーナ4を介して可変容量圧縮機の吐出室に連通されることにより、吐出圧力Pdを導入するポート5と、可変容量圧縮機のクランク室に連通されて制御された圧力、すなわちクランク室内圧力Pcを出力するポート6と、可変容量圧縮機の吸入室に連通されて吸入圧力Psを受けるポート7とを備え、吐出圧力Pdのポート5とクランク室内圧力Pcのポート6とを連通する冷媒流路には、ボディ3と一体に形成された弁座に吐出圧力Pdのポート5の側から着座するようボール弁体8が配置されている。このボール弁体8は、スプリング9によって閉弁方向に付勢されており、このスプリング9のばね荷重は、ポート5に螺着されたアジャストねじ10によって調整される。また、ボディ3の軸線位置には、ボール弁体8に当接して制御駆動するシャフト11が軸線方向に進退自在に保持されている。
【0004】
パワーエレメント2は、ロアハウジング12と、アッパーハウジング13と、これらロアハウジング12及びアッパーハウジング13によって囲まれる空間を仕切るダイヤフラム14と、このダイヤフラム14を両面から挾持するよう配置された2つのディスク15,16と、ディスク16を弁部1側へ付勢するコイルスプリング17とからなっている。弁部1側のディスク15には、吸入圧力Psのポート7と弁部1側のダイヤフラム室とを連通する連通孔18を介して延びるシャフト11の端面に当接している。
【0005】
ここで、弁部1及びパワーエレメント2は、別体に組み立てられ、ロアハウジング12の下端部及びボディ3の上端部に螺刻されたねじ部19によって、図3に示す状態に螺着される。また、アッパーハウジング13は、その端面周縁部をロアハウジング12の周縁部に対してかしめ加工により接合することによって、パワーエレメント2として組み立てられる。
【0006】
図4は、従来の可変容量圧縮機用の圧力制御弁のかしめ部先端の一部分を拡大して示す断面図である。図4において、可変容量圧縮機用の圧力制御弁は、アッパーハウジング13の筒状垂下部が、折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなし、真空容器内でロアハウジング12の鍔状の端面と嵌合される。このアッパーハウジング13の筒状垂下部は、その端面周縁部の外側形状が45°の角度にカットされたC面13aをなしている。パワーエレメント2の組み立て時のかしめ加工では、円筒形のかしめ治具によってアッパーハウジング13の筒状垂下部を図の下方から押圧することによって、その端面が折曲加工される。これにより、アッパーハウジング13の筒状垂下部は、ロアハウジング12の鍔状の端面との間にダイヤフラム14を両面から挾み込んだ状態で嵌合される。かしめ加工されたハウジングの接合部は、その後、はんだ付けまたはろう付けされ、図3に示すように全周が封止される。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−349279号公報(段落番号〔0011〕〜〔0014〕、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の圧力制御弁は、折曲加工されるアッパーハウジング13の端面がC面13aに形成されていたため、かしめ治具が当接する接触面では、押圧時にばりが発生していた。特に、アッパーハウジング13が表面メッキ加工された鉄によって形成されている場合には、かしめ治具と接触するメッキ面が剥がれ易くなるという問題があった。
【0009】
また、かしめ治具の側の接触面についても、アッパーハウジング13の端面周縁部からの応力を受けるから、繰り返してかしめ加工を行っていくうちに、その表面が変形する。したがって、円筒形状のアッパーハウジング13の全周を一様にかしめることが困難になる。
【0010】
図5は、別のかしめ部先端の形状を示す断面図である。このアッパーハウジング13は、端面が先端部分に向かって厚みが斬減するような、テーパ面13bとなっている。かしめ治具による折曲加工の角度が大きい場合には、C面13aをなす図4のものに比べると、かしめ加工が容易である。しかし、こうした利点はあるものの、かしめ治具と接触するメッキ面におけるばりの発生を防止することができないという点では、図4のものと同様であった。
【0011】
この発明の目的は、安定したかしめ加工により、2つの部材間の嵌合強度を高めるようにしたかしめ加工ハウジングを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の部材をその端面周縁部の折曲加工により第2の部材と嵌合させてなるかしめ加工ハウジングにおいて、前記折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなす前記第1の部材の端面周縁部の外側形状が、凸状の曲面に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この圧力制御弁では、かしめ治具と摺接する面が曲面に形成されていて、かしめ治具により折曲加工する際に両者が滑らかに当たるため、ばりが発生しにくく、安定したかしめ加工がなされる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を可変容量圧縮機用の圧力制御弁のパワーエレメント用のハウジングに適用した場合を例に、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、この発明のかしめ部先端の形状を示す要部拡大断面図である。
圧力制御弁の全体構成は、図3に示す従来のものと同じであるが、ここでは、折曲加工されるアッパーハウジング13のかしめ部となる先端部分の端面周縁部13cの外側形状が凸状の曲面形状(いわゆるR形状)に形成されている点で異なる。
【0016】
アッパーハウジング13は、後述する円筒形状のかしめ型(かしめ治具)によりかしめ加工される。このアッパーハウジング13のかしめ部となる先端部分の端面周縁部13cがR形状であることにより、かしめ治具の押圧面と当接するときの接触抵抗が小さくなり、しかも、かしめ部の端面周縁部13cのかしめ治具の押圧面と当接する面積が徐々に増加しながら変形していく。したがって、かしめ治具が当接する端面周縁部13cに、ばりが発生しにくい利点がある。
【0017】
また、かしめ治具とかしめ部との接触時の抵抗は、従来の角形状のものと比較して減少するから、アッパーハウジング13が表面メッキ加工された鉄によって形成されている場合でも、メッキ面が剥がれにくくなって、パワーエレメント2を一様な外周形状に保つことができる。したがって、ばりの発生を防止できるだけでなく、可変容量圧縮機の所定の孔に弁部とともにCリングなどで挿入固定するとき、可変容量圧縮機内で確実に固定できる利点もある。
【0018】
図2は、かしめ治具を用いたかしめ加工の様子を示す要部拡大断面図である。円筒形状のかしめ治具20は、パワーエレメント2のハウジングと同径の傾斜したテーパ形状の内周面21を備えており、アッパーハウジング13に対してかしめ治具20を図2の下方から押圧することによって、かしめ治具20のテーパ形状の内周面21がアッパーハウジング13の端面周縁部13cを折曲加工する。これにより、アッパーハウジング13は、ダイヤフラム14をロアハウジング12の鍔状の端面との間に挟み込んだ状態で、ロアハウジング12と嵌合される。かしめ加工された接合部は、はんだ付け、又はろう付けされて図3に示すように全周が封止される。
【0019】
すなわち、アッパーハウジング13のかしめ部となる先端部分の端面周縁部13cがR形状に加工されているために、アッパーハウジング13側からかしめ治具20にかしめ応力が作用しても、かしめ治具20の内周面21の変形を最小限に抑えることができ、かしめ治具20が繰り返し使用される場合でも安定したかしめ加工が可能になる。したがって、かしめ治具20の耐久性が高まるとともに、かしめ治具20のメンテナンス性が向上する。
【0020】
以上では、この発明を可変容量圧縮機の機械式圧力制御弁のパワーエレメントのハウジング部に適用した場合について説明したが、電子式圧力制御弁のヨーク部のかしめ加工される部材や、プレッシャセンサエレメントのハウジング部をコネクタ部にかしめ加工される折曲加工部にも同様に適用できる。また、かしめ加工が施される部材の材料としては、鉄の表面をメッキ加工したものに限らず、電子式圧力制御弁のヨーク部などでは鋼材のメッキ品や、銅系材の材料のものであってもよく、さらにはプレッシャセンサエレメントのハウジング部などではアルミ部材についても適用できる。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明のかしめ加工ハウジングによれば、折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなす第1の部材の端面周縁部の外側形状を凸状の曲面に形成したことにより、かしめ治具の押圧面との当接が滑らかに行われるため、安定したかしめ加工ができ、2つの部材間の嵌合強度を高めることができて、製品の信頼性が高くなり、性能が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のかしめ部先端の形状を示す要部拡大断面図である。
【図2】かしめ治具を用いたかしめ加工の様子を示す要部拡大断面図である。
【図3】内部可変制御方式の可変容量圧縮機用の圧力制御弁の従来例を示す断面図である。
【図4】従来の可変容量圧縮機用の圧力制御弁のかしめ部先端の一部分を拡大して示す断面図である。
【図5】別のかしめ部先端の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弁部
2 パワーエレメント
3 ボディ
4 ストレーナ
5,6,7 ポート
8 ボール弁体
9 スプリング
10 アジャストねじ
11 シャフト
12 ロアハウジング
13 アッパーハウジング
13a C面
13b テーパ面
13c 曲面形状(R形状)の端面周縁部
14 ダイヤフラム
15,16 ディスク
17 コイルスプリング
18 連通孔
19 ねじ部
20 かしめ治具
21 かしめ治具の内周面
Claims (3)
- 第1の部材をその端面周縁部の折曲加工により第2の部材と嵌合させてなるかしめ加工ハウジングにおいて、
前記折曲加工におけるかしめ治具との摺接面をなす前記第1の部材の端面周縁部の外側形状が、凸状の曲面に形成されていることを特徴とするかしめ加工ハウジング。 - 前記第1の部材が円筒形状の第1のハウジングであり、前記第2の部材が円筒形状の第2のハウジングであって、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとの間にダイヤフラムを挟み込んだ状態で前記第1のハウジングの前記端面周縁部をかしめ加工することによって構成される、圧力制御弁の弁部を制御するパワーエレメント用のハウジングであることを特徴とする請求項1記載のかしめ加工ハウジング。
- 前記第1の部材がプレッシャセンサエレメントを収容する円筒形状のハウジングであり、前記第2の部材が円筒形状のコネクタ部であって、前記ハウジングが前記コネクタ部にかしめ加工される折曲加工部を有していることを特徴とする請求項1記載のかしめ加工ハウジング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003005384A JP2004216412A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | かしめ加工ハウジング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003005384A JP2004216412A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | かしめ加工ハウジング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004216412A true JP2004216412A (ja) | 2004-08-05 |
Family
ID=32896050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003005384A Pending JP2004216412A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | かしめ加工ハウジング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004216412A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017155830A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 株式会社鷺宮製作所 | 容量調整弁 |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003005384A patent/JP2004216412A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017155830A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 株式会社鷺宮製作所 | 容量調整弁 |
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