JP2004215894A - ゴルフシャフト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維強化樹脂層20を積層してなるゴルフシャフトであって、繊維強化樹脂層20はゴルフシャフトの全長にわたり卷回配置されたバイアス層7とストレート層9、後端5を始点として、ゴルフシャフトの一部に配置された補強層8を含む。前記補強層8は、内側から高弾性率炭素の繊維補強プリプレグ8a、高強度炭素繊維の補強プリプレグ8bの順で卷回してなるものである。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブに装着されるゴルフシャフトに関するものであり、さらに詳細には、軽量で、かつ、後端側の剛性を高めた構成とすることによりゴルフクラブに組み付けた時の振りぬき易さを向上させたゴルフシャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフシャフトは、クラブヘッドが装着される先端からグリップが装着される後端までその外径が漸増するテーパー状の形状とされており、しかもその長さ方向に亙る曲げ剛性の分布は、クラブヘッドが装着される先端から約40mm程度の長さの部分を含む300mm程度の先端領域に最も低い値があり、ここから後端に向かっては、漸次増加しているものが一般的である。
従来から、ヘッドスピードが遅い、あるいは非力なゴルファーに対しては、全長に渡ってやわらかいゴルフシャフトが良いとされている。非力なゴルファーにとっては全長に渡ってやわらかいゴルフシャフトを使うことによりヘッドスピードが上がるとされているためである。
近年の傾向として、ゴルファーの年齢層は高齢化に向かっている。このようなゴルファーは、比較的ヘッドスピードが遅く、また、体がかたいのでスウィング時に体のひねりが作り難いため、ヘッドスピードが遅い割には、テークバックからダウンスイングへの切り返しが速いという特徴があるスィングとなる。
【0003】
このような、ゴルファーには、非力であるためゴルフシャフトは軽い必要がある。同時に、前述したように、軟らかいゴルフシャフトで切り返しが早いので、スィングの切り返し時に後端部に大きな曲げモーメントがかかるため、後端部付近の曲げ剛性を高めたゴルフシャフトが必要である。
ここでスィング中のシャフトのたわみ量を測定する為、本発明人が発明した特許第3061640号のフレックス選定装置を使用した。それにより求めたスィング中のシャフト最大たわみ量とヘッドスピードの関係を図6に示す。この図から分かるように、ヘッドスピードが40m/S以下でもシャフト撓み量が多いゴルファーが存在することがわかる。
これらゴルファーがタイミングを取りやすいように全長にわたりかたいシャフトを使用するとヘッドスピードが更に減少するデメリットが発生する。
従来は、このように軽くて後端側の曲げ剛性を高くしたゴルフシャフトには、シャフト軸方向に対して平行に配したストレート層の弾性率を上げて全長をかたくするか、後端付近に強化繊維をシャフト中心軸に平行に配したストレート層を使用する方法が用いられてきた。
【0004】
例えば、シャフト本体の後端側に複数の補助プリプレグシートを卷回し、前記複数のプリプレグシートの弾性率は、後端側になるに従い高くなるゴルフシャフトの発明が開示されている(例えば特許文献1)。この考案のシャフトは、握持部の剛性を高めることが出来る。
また、高剛性のシャフトとするためにグリップ側を補強する繊維強化樹脂製ゴルフシャフトが開示されている(例えば特許文献2)。この発明のシャフトは、シャフト全長の曲げ剛性を高めるために有効である。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第2607671号
【0006】
【特許文献2】
特許登録第2615287号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実用新案登録第2607671号の発明は、補強層を多数使用すれば強度や剛性は上がるものの、補強層の質量が増大して、シャフトの質量が重くなるという問題を有している。
また、特許第2615287号の発明は、シャフト全体の剛性を上げるためにグリップ端の補強に高強度炭素繊維を使用してグリップ端の座屈強度を高めているので、グリップ側の剛性については、十分に高くすることが出来ないという問題点を有している。
これは、一般的な炭素繊維が、高強度と高弾性率の特性を兼ね備えていないことによるものである。
本発明はかかる問題点に着目してなされたもので、ゴルフシャフトの質量増を出来る限り抑え、後端側の握持する部分の曲げ剛性を高くして、軽量で、かつ、早い切り返しに適したゴルフシャフトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための、本発明の請求項1の手段は、繊維強化樹脂プリプレグの強化繊維をシャフト中心軸方向に対し所定の角度をもって配置されたバイアス層と、シャフト中心軸方向に略平行に配置されたストレート層と、ゴルフシャフトの長さ方向の一部に配置された補強層とを含む繊維強化樹脂層を積層してなるゴルフシャフトであって、前記補強層は前記強化繊維の特性が異なる複数のストレート層を含み、前記ストレート層の繊維強化樹脂プリプレグの強化繊維は高弾性率炭素繊維と高強度炭素繊維を含み、前記高弾性率炭素繊維強化樹脂プリプレグは、前記高強度炭素繊維強化樹脂プリプレグの内側に配置したゴルフシャフトである。
【0009】
請求項2の手段は、請求項1記載のゴルフシャフトにおいて、前記高弾性率炭素繊維プリプレグのシャフト中心軸方向の長さは、その外側に配置した前記高強度炭素繊維プリプレグのシャフト中心軸方向の長さよりも長い構成のゴルフシャフトである。
【0010】
請求項3の手段は、請求項1または2記載のゴルフシャフトにおいて、前記高弾性率炭素繊維プリプレグと前記高強度炭素繊維プリプレグは、ゴルフシャフトの後端から200mm以上350mm以下の範囲に配設された構成のゴルフシャフトである。
【0011】
請求項4の手段は、請求項1、2または3記載のゴルフシャフトにおいて、前記高弾性率炭素繊維プリプレグの強化繊維の引張り弾性率は400GPa以上800GPa以下であり、前記高強度炭素繊維プリプレグの強化繊維の圧縮強度は1300MPa以上である構成のゴルフシャフトである。
【0012】
本発明は、その質量が45インチ長さ換算で30g以上55g以下の軽量のゴルフシャフトにおいて、ゴルフシャフトの総質量をそれほど増加させることなく後端側の曲げ剛性を補強することで、その後端部での曲げ変形を抑え、スイング時の切り返しの速いゴルファーにとってタイミングをとりやすく、かつ、飛距離の増大を実現させたゴルフシャフトである。
本発明のゴルフシャフトは、その質量が30g以下である場合には、シャフトの肉厚が薄肉となり、補強層の繊維強化樹脂プリプレグを配設した場合に、その配設した補強の先端側端面における曲げ剛性の変位、及び肉厚の変位による集中応力によりその部分での折損の恐れがあり、ゴルフシャフトとしての所望の曲げ剛性、強度の達成が非常に困難である。
55g以上であるとグリップした時の「重さ感」に影響する1次モーメントの値が大きくなる為、軽さを感じなれなくなる。
前記1次モーメントは(クラブ質量:M)×(そのクラブでの重心位置:r)で表され、この時、Mは、ゴルフヘッド質量、グリップ質量、ゴルフシャフト質量が大きく影響する。
【0013】
すなわち、振りやすさを表す1次モーメント(M・r)を小さくするには、ゴルフヘッド、ゴルフシャフトの質量を軽くすることが影響する。しかし、ゴルフヘッド質量をあまりに軽くするとボール初速に悪影響を及ぼすので、結果、(M・r)を小さくするには、ゴルフシャフト質量を軽くすることが重要な要素になる。
グリップや、ゴルフシャフトの後端側を重くするとrは小さくなるが、後端を中心に回転させる動作であるワッグル時に感じる重さが大きくなるため、ゴルフシャフト質量を、特に後端側に付加する質量を極力減らすことが必要になる。ワッグル時に感じる重さはゴルフシャフトの後端周りのクラブ慣性モーメントで代用できる。
【0014】
本発明のゴルフシャフトでは、ゴルフシャフトの先端から300mmまでの範囲の曲げ剛性の最小値Bに対する、後端から250mm〜350mmの範囲の曲げ剛性の最大値Aの比率は4〜6倍、さらに好ましくは6倍に限りなく近い値であるのが良い。
本発明のゴルフシャフトでは、ゴルフシャフトの先端から300mmまでの範囲に曲げ剛性の最小値を設けることで先端側のしなりを大きくして、打球の飛び出し角度をあげて飛距離アップを図っている。また、後端からグリップとして握る長さ約200mmの位置から350mmの範囲にゴルフシャフトの曲げ剛性分布の設計の最終位置としており、この2点の曲げ剛性値を規定することにより、本発明のゴルフシャフトの特性を表すことが可能になる。
【0015】
曲げ剛性値Bに対する曲げ剛性値Aの比率が4以下である場合はフレックスが全長に硬いか軟らかいかであり、硬い場合には、このシャフトをヘッドスピードが40m/s以下のように非力なゴルファーが振った場合、ただ硬いフィーリングのシャフトになるし、軟らかい場合には、しなりを大きくして、打球の飛び出し角度をあげることが可能であるが、テークバックからダウンスイングへの切り返しが速いゴルファーにとってタイミングが取り難くなる。
しかし、倍率を高めすぎると補強端付近で撓みを感じ、これが違和感につながる為、6倍以下が望ましい。
【0016】
本発明のゴルフシャフトにおいては、前記曲げ剛性を得る為には後端側に補強層を配置し、前記補強層の繊維強化樹脂プリプレグの構成を改良することで達成できる。
すなわち、補強層の繊維強化プリプレグに高弾性率炭素繊維プリプレグと高強度炭素繊維プリプレグを用い、その強化繊維をシャフト中心軸方向に配置し、かつ、高弾性率炭素繊維プリプレグを、高強度炭素繊維プリプレグの内側に配置することで達成できる。
また、前記内側に配置した高弾性率炭素繊維プリプレグのシャフト中心軸方向の配置長さを、外側の高強度炭素繊維プリプレグの配置長さより長くする。
これは、スィング中のゴルフシャフトにかかる曲げモーメントが後端側から中央部になるに従い小さくなる為に、高弾性率炭素繊維プリプレグを長く配置することが、少ないプリプレグの使用量で後端側の剛性を高めるために最も効果的で、しかも、グリップを握った時の「しっかり感」が体感できる。
そして、前記高弾性率炭素繊維プリプレグの外側に高強度炭素繊維プリプレグを配置することで、スイング中に後端側に集中する応力に対し、強度を向上させる。
【0017】
しかし、補強層の前記繊維強化樹脂プリプレグの占める重量の割合が多くなると、前記配置された繊維強化樹脂プリプレグの先端側の端面での応力集中による破壊が懸念されるため、前記繊維強化樹脂プリプレグの質量の割合は3%以上、10%以下が望ましい。
3%以下であると、グリップ側における所望の曲げ剛性値の達成が困難であり、10%以上となると、ゴルフシャフトの後端側が重くなり、ゴルフクラブの2次モーメントが大きくなる傾向になるため好ましくない。
【0018】
本発明のゴルフシャフトを構成する繊維強化樹脂プリプレグに用いられる合成樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられるが、強度や剛性設計の点から熱硬化性樹脂、中でもエポキシ樹脂が好ましい。
強化繊維としては、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維などが用いられるが、軽量で高性能であることから、炭素繊維が好ましい。
特に、高強度炭素繊維プリプレグの強化繊維としては圧縮強度が1300MPa以上のものであり、高弾性率炭素繊維プリプレグの強化繊維としては引張弾性率400GPa以上800GPa以下とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態のゴルフシャフトを説明する図であり、ゴルフシャフト1は、その先端側にはゴルフヘッド2が、後端側にはグリップ3が装着されている。
ゴルフシャフト1は全長が1150mmであり、図2に示すようにその先端4から後端5に向かって漸次外径が大きくなるテーパー状を有していて、その重さは30g〜55gである。
このようなゴルフシャフト1は、強化繊維として炭素繊維を、合成樹脂としてエポキシ樹脂を用いた繊維強化樹脂プリプレグをゴルフシャフト成形用のマンドレル6に卷回積層して形成した繊維強化樹脂層20を有した構成となっている。
【0020】
繊維強化樹脂層20は、たとえば、図3に示すようにシャフト中心軸10に対して繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維が左右に±30°〜±65°の角度を有するように配置したバイアスプリプレグ7a、7bで、ゴルフシャフトの全長にわたり2〜4回卷回配置したバイアス層7と、後端5を始点として、繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維がシャフト中心軸方向10に略平行に配置された補強プリプレグ8a、8bを含む補強層8と、繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維をシャフト中心軸10方向に略平行となるように配置したストレートプリプレグ9aで、ゴルフシャフトの全長にわたり各1〜2回卷回配置されたストレート層9を含む。前記補強プリプレグ8aは、シャフト中心軸方向の長辺の長さを後端から400mm、短辺の長さは300mmとし、前記後端を始点として1回卷回配置している。この補強プリプレグ8aは強化繊維として高弾性率炭素繊維を用いている。
【0021】
前記補強プリプレグ8bは、シャフト中心軸方向の長辺の長さを後端から300mm、短辺の長さを200mmとし、前記後端を始点として1回卷回配置している。この補強プリプレグ8bは強化繊維として高強度炭素繊維を用いている。この補強プリプレグ8a、8bは、内側から高弾性率炭素繊維の補強プリプレグ8a、高強度炭素繊維の補強プリプレグ8bの順で卷回するもので、バイアスプリプレグ7a、7bの外側に続けて卷回しても良いし、高強度炭素繊維の補強プリプレグ8bを後述するストレート層の外側に卷回積層することとしても良い。
【0022】
前記補強プリプレグ8bの炭素繊維の圧縮強度はストレートプリプレグ9aの強度の同等以上でないと、逆に強度が下がる傾向になるため、前記圧縮強度は、1300MPa以上であることが必要である。1300MPa以上で圧縮強度が高ければ高いほど有効であり、圧縮強度が1300MPa以下であると、高弾性率補強プリプレグ8aを強度面で補強出来ないため好ましくない。
【0023】
この他に、先端側には、ゴルフシャフトのEI分布の設計により後端側と同様に補強層8を設ける構成としても良い。また、繊維強化樹脂プリプレグの炭素繊維がシャフト中心軸10方向に対して90°方向に配置されたフープ層を設ける構成としても良い。このフープ層を設ける場合には、前記ストレート層9を前記した卷回数よりも少なくしてフープ層に変える。
【0024】
前記したプリプレグを、それぞれマンドレル6に卷回積層後、ラッピングテープを巻き締め、加圧加熱して樹脂を硬化させて一体化し、その後ラッピングテープを除去し、マンドレルを引き抜き、表面を研磨・加飾してゴルフシャフト1としている。
本発明のゴルフシャフト1は、このような構成とすることにより、軽量でありながら後端側の曲げ剛性を大きく設定できるので、グリップを握った時の「しっかり感」が体感できる。
【0025】
【実施例】
本発明の実施例1、2および、比較例1〜5について説明する。前記実施例1、2のゴルフシャフトに用いる繊維強化樹脂プリプレグの仕様を表1に、比較例1〜5のゴルフシャフトに用いる繊維強化樹脂プリプレグの仕様を表2に示す。また、これらゴルフシャフトの長さ、質量、曲げ強度、曲げ剛性の特性を表3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
本実施例1では、表1の実施例1に示すプリプレグを用いて、図3に示すようにその内側からバイアス層(7)、高弾性率炭素繊維の補強層(8)、ストレート層(9)、高強度炭素繊維の補強層(8)の積層構成とした。また、その質量は50gとした。
実施例2では、表1の実施例2に示すプリプレグを用いて、図4に示すようにその内側からバイアス層(7)、高弾性率炭素繊維の補強層(8)、ストレート層(9)、高弾性率炭素繊維の補強層(8)、ストレート層(9)、高強度炭素繊維の補強層(8)の積層構成とした。補強層(8)の強化繊維が高弾性率炭素繊維プリプレグ8aは、内側になるほど高弾性率の炭素繊維プリプレグで、かつ、長く配設されていれば、本発明の目的を達成できる。
比較例1〜5のゴルフシャフトは、全長に配置する繊維強化樹脂プリプレグと補強層の繊維強化プリプレグとの積層順序は実施例1と同様とし、補強層の高弾性率炭素繊維プリプレグと高強度炭素プリプレグの配置順序、長さを表1に比較例として示す構成とした。
表3に前記仕様により形成されたゴルフシャフトの特性を示す。前記表3において、後端側(後端から300mmの位置)の曲げ強度は、製品安全協会のゴルフクラブ用シャフトの3点曲げ試験を採用した。
後端側(後端から300mmの位置)の曲げ剛性は前記3点曲げ試験での変位−荷重の傾きから以下の計算式により求めた。
【0030】
【数1】
EI=W/δ×L3・・・・・式(1)
【0031】
前記式(1)において、EI:曲げ剛性、W:荷重、δ:たわみ量、L:スパンである。
【0032】
次に前記によって求めた実施例と比較例の曲げ剛性値と3点曲げ強度の値をそれぞれグラフ上にプロットしたものを図5に示す。同時にこれらのデータに対し、1次式で近似する。その1次式に対し、実施例1、2は曲げ剛性値に対して曲げ強度が高いことがわかる。
よって、実施例1、2は、軽量でかつ強度を有し、後端側の剛性の高いゴルフシャフトとなった。
【0033】
【発明の効果】
本発明のゴルフシャフトによれば、質量が35g〜55gの軽量ゴルフシャフトであって、後端から200mm〜350mmの範囲の曲げ剛性の最大値Aを、先端から300mmまでの範囲の曲げ剛性の最小値Bに対して4〜6倍とした構成とすることにより、このようなゴルフシャフトを組み付けたゴルフクラブでは、ヘッドスピードが遅いゴルファーにとって、ゴルフシャフト全体としては軟らかく、同時にグリップを握る部分の曲げ剛性を高くすることで、先端側のしなりを大きくして打球の飛び出し角度をあげて飛距離アップを図りつつ、グリップを握った時の「しっかり感」が体感できてタイミングがとりやすいゴルフクラブとすることが出来る。
また、このようなゴルフシャフトとするために、補強層の繊維強化樹脂プリプレグの強化繊維に高弾性率炭素繊維と高強度炭素繊維を用い、前記高弾性率炭素繊維プリプレグを高強度炭素繊維プリプレグの内側に配置し、しかもその配置長さを、前記高弾性率炭素繊維プリプレグの長さを高強度炭素繊維プリプレグの長さよりも長くした構成としたことにより、少ない補強プリプレグの使用量で、その配置効果をより高めたゴルフシャフトとすることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフシャフトを装着したゴルフクラブの説明図。
【図2】本発明の一実施形態のゴルフシャフトを説明する図。
【図3】実施例1のゴルフシャフトに用いる繊維強化プリプレグを説明する図。
【図4】実施例2のゴルフシャフトに用いる繊維強化プリプレグを説明する図。
【図5】実施例と比較例の曲げ剛性値と3点曲げ強度の値をそれぞれプロットしたグラフ。
【図6】スィング中のゴルフシャフトの最大たわみ量とヘッドスピードの関係を表すグラフ。
【符号の説明】
1 ゴルフシャフト
2 ゴルフヘッド
3 グリップ
4 先端
5 後端
6 マンドレル
7 バイアス層
7a バイアスプリプレグ
7b バイアスプリプレグ
8 補強層
8a 補強プリプレグ
8b 補強プリプレグ
9 ストレート層
9a ストレートプリプレグ
10 シャフト中心軸
20 繊維強化樹脂層
Claims (4)
- 繊維強化樹脂プリプレグの強化繊維をシャフト中心軸方向に対し所定の角度をもって配置されたバイアス層と、シャフト中心軸方向に略平行に配置されたストレート層と、繊維強化樹脂プリプレグをゴルフシャフトの長さ方向の一部に配置された補強層とを含む繊維強化樹脂層を積層してなるゴルフシャフトであって、前記補強層は、前記強化繊維の特性が異なる複数のストレート層を含み、前記ストレート層の繊維強化樹脂プリプレグの強化繊維には高弾性率炭素繊維と高強度炭素繊維を含み、前記高弾性率炭素繊維強化樹脂プリプレグは、前記高強度炭素繊維強化樹脂プリプレグの内側に配置したことを特徴とするゴルフシャフト。
- 前記高弾性率炭素繊維プリプレグのシャフト中心軸方向の長さは、その外側に配置した前記高強度炭素繊維プリプレグのシャフト中心軸方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1記載のゴルフシャフト。
- 前記高弾性率炭素繊維プリプレグと前記高強度炭素繊維プリプレグは、ゴルフシャフトの後端から200mm以上350mm以下の範囲に配設されたことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフシャフト。
- 前記高弾性率炭素繊維プリプレグの強化繊維の引張り弾性率は400GPa以上800GPa以下であり、前記高強度炭素繊維プリプレグの強化繊維の圧縮強度は1300MPa以上であることを特徴とする請求項1、2また3記載のゴルフシャフト。
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