JP2004215739A - プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】その先端を内視鏡の鉗子チャネル内において一定の位置に保つことができるプローブを、提供する。
【解決手段】プローブは、ファイババンドルFと、このファイアバンドルFの先端に固定された略筒状の口金21と、その後端に固定された略管状のコネクタ25と、口金21の後端とコネクタ25の先端においてファイババンドルFを覆うチューブTと、このチューブT内において口金21の後端面とコネクタ25の先端面との間に敷設された配管38とから、構成されている。この口金21の外周面には、その全周にわたって、環状の溝45が形成されており、この溝45の両縁の間に掛け渡されるように、伸縮性を有する環状シートからなるバルーン22が設置されている。また、口金21内部には、溝45内部と配管38とを連通させる孔23が形成されている。また、コネクタ25内部には、その外面と配管38とを連通させる孔31、33、34が形成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】プローブは、ファイババンドルFと、このファイアバンドルFの先端に固定された略筒状の口金21と、その後端に固定された略管状のコネクタ25と、口金21の後端とコネクタ25の先端においてファイババンドルFを覆うチューブTと、このチューブT内において口金21の後端面とコネクタ25の先端面との間に敷設された配管38とから、構成されている。この口金21の外周面には、その全周にわたって、環状の溝45が形成されており、この溝45の両縁の間に掛け渡されるように、伸縮性を有する環状シートからなるバルーン22が設置されている。また、口金21内部には、溝45内部と配管38とを連通させる孔23が形成されている。また、コネクタ25内部には、その外面と配管38とを連通させる孔31、33、34が形成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子内視鏡と併用され、その電子内視鏡の観察対象部位へ励起光を導くプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直接には視線の届かないような生体内を目視によって確認するため、電子内視鏡(以下、内視鏡と略する)による観察が行われている。そして、その観察の際、励起光光源装置及びプローブを併用することにより、内視鏡観察だけでは得られない二次的な情報を得て、診断が行われている。
【0003】
この二次的な情報を得るための原理について説明する。生体組織に対して紫外光(励起光)が照射されると、この生体組織は励起されて蛍光(自家蛍光)を発するが、被検体が正常な生体組織である場合と、被検体が病変の生じた生体組織である場合とでは、その蛍光の強度が異なる。即ち、被検体として正常組織を検査した場合、生体組織が発する蛍光のうちの緑色帯域の強度が、被検体として病変した生体組織を検査した場合よりもかなり大きくなる。励起光光源装置及びプローブは、上述のような特性を利用して、生体組織における病変の有無を診断するために利用される。
【0004】
このような励起光光源装置は、励起光を発生して、プローブの基端面に導入する構成を有している。また、プローブは、多数の可撓性を有する照明用光ファイバを束ねてなるファイババンドルを軟性チューブによって被覆した構成を有している。そして、プローブは、その基端に設けられたコネクタが励起光光源装置に接続されることにより、そのファイババンドルの基端に導入された励起光を導光して、その先端から射出する。
【0005】
実際にこれら励起光光源装置及びプローブを用いた診断を行うには、術者は、内視鏡の鉗子チャネルにプローブを挿通し、内視鏡の体腔内挿入部の先端面からプローブの先端を若干突出させる。この状態で、術者は、内視鏡の体腔内挿入部の先端面を被検体に対向させ、励起光光源装置を起動して、励起光をプローブファイババンドルに導入する。すると、ファイババンドルによって導光された励起光は、プローブの先端から射出され、被検体の測定対象部位に照射される。その結果、被検体の生体組織が励起されて自家蛍光を発し、この蛍光が内視鏡に入射する。そして、内視鏡に入射した光(検出光)のうち特定波長成分(上述した緑色帯域の成分)のみが、波長選択フィルターによって抽出された後に、内視鏡に内蔵された撮像素子によって画像信号に変換され、その画像信号が処理されることによって、病変の有無の判定に供されるデータが生成される。
【0006】
また、プローブが受光系のファイババンドルをも内蔵している場合には、生体組織から発した蛍光は、この受光系のファイババンドルに入射する。そして、受光系のファイババンドルの先端に取り付けられた検出装置内において、入射した光のうち特定波長成分のみが波長選択フィルターによって抽出された後に光電変換され、その結果得られた光強度信号が処理されることによって、病変の有無の判定に供されるデータが生成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プローブの外径は、内視鏡の鉗子チャネルの内径に比べてかなり小さく形成しないとならないので、プローブの先端が鉗子チャネル内で径方向及び軸方向に自由に移動してしまう問題がある。このように、診断中にプローブが移動してしまうと、撮像素子や検出部による受光量が変化してしまうので、診断結果がその影響を受けてしまう他、プローブ内に受光系が並存しているタイプのプローブにおいては、測定対象部位が確定しないという問題も生じる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、診断中に、その先端を内視鏡の鉗子チャネル内において一定の位置に保つことができるプローブを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために案出された本発明によるプローブは、生体組織を励起して蛍光を生じさせる波長帯域の励起光を被検体へ導くためのプローブであって、その基端から入射された前記励起光を導光してその先端から射出する多数本の光ファイバーからなるファイババンドルと、前記ファイババンドルの先端に被せられた略筒状の形状を有する口金と、前記ファイババンドルの基端に被せられた略筒状の形状を有するコネクタと、前記口金と前記コネクタとの間において前記ファイババンドルの外周を被覆するチューブと、前記口金の外周面に、その全周にわたって設けられた環状のバルーンと、前記バルーン内に作動流体を導入するために、前記コネクタの外面からその内部を通ってその前端面に達し、前記チューブと前記ファイババンドルとの間を通り、前記口金の後端面からその内部を通って前記バルーンの内部に達する流体通路とを、備えたことを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明のプローブによれば、コネクタの外部から例えばポンプを用いて、流体通路に作動流体を注入すれば、その作動流体は、流体通路を通じて、バルーン内に導入される。その結果、口金の外周面の全周にわたって設けられた環状のバルーンが、全周にわたって均等に膨らむので、プローブの先端は、内視鏡の鉗子チャネルの開口近傍において、その開口の中心と同軸になるように固定され、軸方向においても径方向においても移動が防止される。
【0011】
本発明において、バルーンは、円筒面状の口金外周面に填められた円環状の風船であっても良いし、口金外周面にその全周にわたって形成された溝に填められた円環状の風船であっても良いし、口金外周面にその全周にわたって形成された溝両縁の間に掛け渡された状態で固定された筒状で伸縮性のあるシート部材であっても良い。前二者の場合には、流体通路は、バルーンを構成する円環状の風船の口に接続されている必要があるが、後者の場合には、流体通路は、口金外周面に形成された溝内に開口しているだけで良い。
【0012】
この流体通路は、前記コネクタ及び前記口金内に夫々形成された孔,及び、前記チューブ内において前記コネクタの前端面に開口した孔と前記口金の後端面に開口した孔とを連結する管とから、構成されても良い。なお、チューブが伸縮性のない強靱な部材から構成されるのであれば、このチューブ内部の空間全体が、流体通路に兼用されても良い。さらに、コネクタ及び口金内に形成された孔が十分な内径を有しているのであれば、この孔内に管そのものが挿通され、この一本の管を通じてコネクタの外面とバルーンの内部とが直接連通されるのであっても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、本実施形態のプローブを備えた内視鏡システムを模式的に示す概略構成図である。この内視鏡システムは、電子内視鏡1,光源プロセッサ装置2,励起光光源装置3,及びプローブPから、構成されている。
【0015】
まず、電子内視鏡(以下、内視鏡と略記)1について、説明する。図1には、この内視鏡1の詳細な形状は図示されていないが、この内視鏡1は、生体内に挿入される可撓管状の挿入部を、有している。この挿入部の先端には湾曲部が組み込まれており、この湾曲部の先端には、硬質部材製の先端構成部が固定されている。また、挿入部の基端には操作部が連結されている。この操作部には、湾曲部を湾曲操作するためのダイヤル及び各種操作スイッチ(いずれも図示略)が、設けられている。
【0016】
この内視鏡1の先端構成部には、少なくとも3つの貫通孔が穿たれており、そのうちの一対の貫通孔には、配光レンズ11及び対物レンズ12が夫々填め込まれている。他の1つの貫通孔は、鉗子孔13として利用される。具体的には、この鉗子孔13と操作部に開けられた開口(鉗子口14)とを結ぶ細管が、内視鏡1内を引き通されており、この細管が鉗子チャネルとして利用される。
【0017】
さらに、内視鏡1は、可視光を被検体へ導くライトガイド15を、有している。このライトガイド15は、光ファイバが多数束ねられてなるファイババンドルである。そして、このライトガイド15は、その先端面が配光レンズ11に対向した状態で、内視鏡(挿入部、操作部)1内を引き通され、その基端が、操作部の側面から延びるライトガイド可撓管内を通って、その基端に設けられたコネクタの端面から突出している。
【0018】
さらに、内視鏡1は、CCDエリアセンサである撮像素子16を、有している。この撮像素子16の撮像面は、内視鏡1の先端構成部が被検体に対向配置されたときに対物レンズ12が当該被検体の像を結ぶ位置の近傍に、配置されている。そして、撮像素子16は、被検体像に基づく画像データを取得して、ライトガイド15と並行してコネクタ端面まで延びる信号線17へ送出する。なお、対物レンズ12及び撮像素子16間の光路中に、紫外光を遮断して可視光を透過させる励起光カットフィルタ(図示せず)が、挿入されている。
<励起光光源装置>
次に、図5を参照して励起光光源装置3について説明する。図5は励起光光源装置3の概略図である。この励起光光源装置3は、生体組織を励起して蛍光を生じさせる波長帯域(紫外帯域)の励起光を発する励起光源52と、この励起光源52からの光を収束させる収束レンズ51と、これら励起光源52及び収束レンズ51を収容する筐体53とから、構成されている。なお、この筐体53には、収束レンズ51による励起光の収束点にその基端面が合致するようにプローブPの基端を保持するコネクタ受け53aが、設けられている。
<プローブ>
プローブPは、その基端が励起光光源装置3のコネクタ受け53aに装着された時に、収束レンズ51によって収束された励起光を、導光する機能を有している。このプローブPは、図2に示されるように、多数本の光ファイバの両端のみを直線状に固定してなるファイババンドルFと、このファイババンドルFの先端を覆う硬質部材製部品である口金21と、ファイババンドルFの基端近傍を覆う硬質部材製部品であるコネクタ25と、口金21とコネクタ25との間においてファイババンドルFの外周を被覆するチューブTとを、有している。
【0019】
口金21は、概略円筒状の形状を有しており、その外周における基端近傍の径が、その先端の径よりも小さくなるように、且つ、チューブTの内径よりもわずかに大きくなるように、形成されている。このように形成された口金21の基端側外周には、チューブTの先端側が被せられている。また、口金21の外周面における基端近傍と先端との間には、その中心軸を含む縦断面が矩形状である円環状の溝45が、口金21の周方向に沿って形成されている。この円環状の溝45の基端側の壁面には、2つの開口43,44が形成されており、その開口43,44は口金21の長手方向に沿って形成された孔23,24を介して口金21の基端面に形成された開口に夫々通じている。なお、この孔23,24は、プローブPの中心軸に対して互いに軸対象になるように配置されている。その孔23,24の基端側の開口には、可撓性を有する配管38,39が夫々接続されている。また、円環状の溝45の両壁面の縁同士の間には、空気を通さない材質であって伸縮性を有する例えば、シリコーンゴム製の円筒状のシートであるバルーン22が、張られている。そして、このバルーン22の先端及び基端は、円環状の溝45の縁の全周にわたって、夫々、気密に固定されている。このため、円環状の溝45とバルーン22との間に形成される空間Sからは、空気が漏れないようになっている。
【0020】
コネクタ25は、筐体53のコネクタ受け53aに挿入されて保持されるべくその基端側に形成された円筒状の挿入部26と、チューブTの基端を固定するためにその先端側に形成された略円筒状の固定部27とがそれらよりも更に大径な円筒状のツマミ部25aを介して一体に連結された構造を、有している。
【0021】
挿入部26の基端には、開口が形成されており、その開口には、励起光を透過させるカバーガラス37が嵌め込まれている。このため、コネクタ25がコネクタ受けに接続された状態において、励起光がカバーガラス37を透過してファイババンドルFの基端に入射する。
【0022】
固定部27は、より詳細には、コネクタ25を先端側から見たときにファイババンドルFを包囲するように形成された筒状の内壁28と、この内壁28の径方向外側を包囲するように形成された筒状の外壁29とから、構成されている。内壁28は、その外径がチューブTの内径よりもわずかに大きくなるように形成されている。また、この内壁28と外壁29との間は、溝30として形成されており、その溝30の幅はチューブTの肉厚とほぼ同じになっている。そして、この溝30にチューブTの基端が挿入されることによってチューブTが固定される。なお、内壁28の先端面には、コネクタ25の中心軸に対して軸対象となるように開口が形成されており、その開口には配管38,39の他端が夫々接続されている。そして、この開口は、内壁28の内部において軸方向に形成された孔31,32,ツマミ部25a内において両孔31,32を連通させるために周方向に形成された孔33及びツマミ部25a内において径方向に形成された孔34を介して、コネクタ25の外周面に形成された開口42に通じている。
【0023】
なお、ツマミ部25aには、プローブP内へ空気を供給するポンプ54が、配管55を介して装着されている。具体的には、ポンプ54には配管55の一端が接続されており、その配管55の他端が、ツマミ部25aの外周面に形成された開口42に対して、止め具56によって着脱自在に接続されている。このポンプ54には、その起動電源投入のためのスイッチ(図示せず)及び動作モードを空気の流入又は流出に切り替えるモード切替スイッチ(図示せず)が、設けられている。
<光源プロセッサ装置>
次に、図1を参照して光源プロセッサ装置2について説明する。この光源プロセッサ装置2は、可視光を射出する通常光源ユニット18と、画像信号を処理するビデオプロセッサ19と、通常光源ユニット18及びビデオプロセッサ19を収容する筐体20とを、備えている。なお、筐体20に形成されたソケットに、内視鏡1のライトガイド可撓管の末端に形成されたコネクタが接続されると、ライトガイド15の基端が通常光源ユニット18に接続されるとともに、信号線17を介して撮像素子16がビデオプロセッサ19に接続される。このように接続された状態において、通常光源ユニット18から可視光が発せられると、その光はライトガイド15に導入され、ライトガイド15の先端面から射出され、配光レンズ11により拡散されて、被検体を照明する。
【0024】
ビデオプロセッサ19は、通常光源ユニット18からの可視光が被検体へ照射されたときに撮像素子16で得られた画像信号、又は励起光光源装置3からの励起光が被検体へ照射されたときに撮像素子16で得られた画像信号を処理することによって、可視光の反射光により形成される被検体の可視画像と励起光の照射により生じた自家蛍光によって形成された被検体の蛍光画像とを図示せぬモニタに表示する。さらに、ビデオプロセッサ19は両画像信号を処理することによって(即ち、両画像のレベルを一致させた後に、可視画像よりも蛍光画像の方が暗い部分を病変部位として抽出し、可視画像中において特定色にて表示することによって)診断用画像を生成する。
【0025】
なお、ビデオプロセッサ19には、通常光源ユニット18,励起光光源装置3,及び外部スイッチ(図示せず)が、電気的に夫々接続されている。そして、ビデオプロセッサ19は、外部スイッチが投入されるたびに、通常光源ユニット18又は励起光光源装置3のいずれか一方を起動状態から停止させるとともに、もう一方を停止状態から起動させる。例えば、外部スイッチが投入されると、通常光源ユニット18を停止し、励起光光源装置3を作動させる。
<実施形態の動作>
以下、本実施形態の動作について説明する。
【0026】
術者は、まず、光源プロセッサ装置2を起動させ、内視鏡1の挿入部を生体内に挿入し、その先端構成部を、観察対象となる部位に対向させる。
【0027】
この光源プロセッサ装置2が作動すると、モニタには、内視鏡1の先端構成部が対向した領域が、画像として表示される。術者は、この画像を見て、生体内の状態を観察することができる。
【0028】
さらに、術者は、画像の観察を通じて選択した部位に対して、励起光光源装置3を利用した診断を行う。具体的には、まず、術者は、励起光光源装置3のプローブPの先端を、内視鏡1の操作部の鉗子口14内へ挿入し、挿入部の先端における鉗子孔13から突出させた状態で、ポンプ54のモード切替スイッチを流入モードに切り替え、さらに、ポンプ54の起動スイッチを投入する。
【0029】
このポンプ54が作動すると、作動流体としての空気がポンプ54から送り出され、その空気が配管55を経てプローブP内へ流入し、孔34、33を経て、配管38,39へ流入する。この配管38,39内に流入した空気は、口金21に形成された孔23,24を夫々通過し、この孔23,24の開口43,44から、円環状の溝45とバルーン22との間に形成された空間Sへ夫々流入する。すると、この空間Sに流入した空気によって、空間S内の圧力が高まるので、円環状の溝45の両壁面に固定されたバルーン22の中間部分は、図3に示されるように、プローブPの径方向外側へ張り出すようにして膨らむ。この結果、プローブPの先端は、図4に示されるように、その径方向外側へ張り出したバルーン22の中央付近によって、内視鏡1の鉗子チャネルの内周面に保持される。このため、プローブPの先端は、その径方向及び軸方向に自由に動かないようになる。ちなみに、バルーン22が膨らみきると、そのバルーン22内の圧力がポンプ54内において検出され、図示せぬ制御回路によって空間Sへの空気の流入が停止される。この状態において、診断の準備が完了する。
【0030】
さらに、術者は、外部スイッチを投入することにより、通常光源ユニット18を停止させ、且つ、励起光光源装置3を起動させ、診断を開始する。
この励起光光源装置3が作動すると、励起光源52から励起光が発せられ、その光は収束レンズ51を経て、プローブPに導かれ、被検体の測定対象部位へ射出される。すると、被検体に照射された励起光の一部がこの被検体の表面によって反射されるとともに、被検体から自家蛍光が発せられ、この励起光及び自家蛍光は、対物レンズ12から内視鏡1内に入射する。そして、この内視鏡1内に入射された光のうち、自家蛍光成分のみが、励起光カットフィルタを透過し、その光が撮像素子16の撮像面に被検体の像を結ぶ。撮像素子16は、この被検体の蛍光画像を撮像し、撮像によって得られた画像信号(各画素の受光量を夫々表す信号)を出力する。このようにして、撮像素子16から出力された画像信号は、信号線17を経て、ビデオプロセッサ19へ送られる。
【0031】
ビデオプロセッサ19は、その画像信号のレベルを、その直前に得ていた可視画像信号のレベルに一致させ、前者によって表される受光量が後者によって表される受光量よりも小さい画素を、病変が生じている可能性が高い箇所を示すものとして抽出し、抽出した画素の可視画像における色を特定色に変換することによって診断用画像データを生成する。そして、診断用画像データを図示せぬモニタに出力することによって、可視画像内において病変部である可能性の高い箇所が特定色で表された画像を表示させる。以上のようにして診断が行われるが、この診断の間中、プローブPの先端は、内視鏡1の鉗子チャネル内において、一定の位置を維持している。そのため、被検体の測定対象部位への励起光の照射量、ひいては、撮像素子16における自家蛍光の受光量が大きく変化しなくなるので、診断用画像(即ち、診断結果)が安定する。換言すると、その診断用画像(即ち、診断結果)には、プローブPの移動による影響が生じないのである。
【0032】
この診断後、プローブPを鉗子チャネルから取り外したいとき、術者は、ポンプ54のモード切替スイッチを、流出モードに切り替える。すると、プローブP内の空気の流れがバルーン22の膨張時とは逆転し、空間S内の空気はプローブP外へ流出するため、バルーン22がしぼむ。このとき、プローブPの先端の拘束状態が解かれる。このため、術者は、プローブPを、鉗子チャネルから抜去することができる。なお、ツマミ部25aの外周面に形成された開口42と口金21の外周面に形成された円環状の溝45の壁面に形成された開口43,44との間を通じる孔23,24,31,32,33,34及び配管38,39が、いずれも、プローブP内(口金22内、チューブTの内側又はコネクタ25内)に配置されているので、プローブPがコンパクトになっており、プローブPの挿抜時、これらの配管38,39等がプローブPの挿抜の邪魔にならない。従って、プローブPは楽に挿抜できる。
【0033】
なお、本実施形態のプローブPの変形例として、例えば、プローブ内に受光系のファイババンドルが並存しているタイプのプローブ(即ち、プローブ内に、被検体からの自家蛍光を導くファイババンドルが設けられており、被検体から生じた自家蛍光を、そのプローブの先端から、プローブ内へ入射させるようにしたタイプのもの)を用いてもよい。この場合も、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
また、本実施形態では、バルーン22を膨らませるための作動流体として、空気を用いた場合について説明したが、これに代えて、その作動流体として、生体に対して不活性なガスや、生理食塩水等の液体を用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明のプローブによると、流体通路を通じて作動流体をコネクタ外面からバルーン内へ導入すれば、口金の外周においてバルーンが環状に膨らむので、その先端が、内視鏡の鉗子チャネル内において保持され得る。その結果、プローブの先端が鉗子チャネル内において径方向及び軸方向へ移動することが、防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるプローブが用いられた内視鏡システムの構成図
【図2】プローブの要部縦断面図
【図3】バルーンが最大まで膨らんだ状態を示すプローブの要部断面図
【図4】プローブの先端が鉗子チャネル内に保持された状態を示す透視斜視図
【図5】光源の構成図
【符号の説明】
21 口金
22 バルーン
25 コネクタ
38 配管
39 配管
F ファイババンドル
P プローブ
T チューブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子内視鏡と併用され、その電子内視鏡の観察対象部位へ励起光を導くプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直接には視線の届かないような生体内を目視によって確認するため、電子内視鏡(以下、内視鏡と略する)による観察が行われている。そして、その観察の際、励起光光源装置及びプローブを併用することにより、内視鏡観察だけでは得られない二次的な情報を得て、診断が行われている。
【0003】
この二次的な情報を得るための原理について説明する。生体組織に対して紫外光(励起光)が照射されると、この生体組織は励起されて蛍光(自家蛍光)を発するが、被検体が正常な生体組織である場合と、被検体が病変の生じた生体組織である場合とでは、その蛍光の強度が異なる。即ち、被検体として正常組織を検査した場合、生体組織が発する蛍光のうちの緑色帯域の強度が、被検体として病変した生体組織を検査した場合よりもかなり大きくなる。励起光光源装置及びプローブは、上述のような特性を利用して、生体組織における病変の有無を診断するために利用される。
【0004】
このような励起光光源装置は、励起光を発生して、プローブの基端面に導入する構成を有している。また、プローブは、多数の可撓性を有する照明用光ファイバを束ねてなるファイババンドルを軟性チューブによって被覆した構成を有している。そして、プローブは、その基端に設けられたコネクタが励起光光源装置に接続されることにより、そのファイババンドルの基端に導入された励起光を導光して、その先端から射出する。
【0005】
実際にこれら励起光光源装置及びプローブを用いた診断を行うには、術者は、内視鏡の鉗子チャネルにプローブを挿通し、内視鏡の体腔内挿入部の先端面からプローブの先端を若干突出させる。この状態で、術者は、内視鏡の体腔内挿入部の先端面を被検体に対向させ、励起光光源装置を起動して、励起光をプローブファイババンドルに導入する。すると、ファイババンドルによって導光された励起光は、プローブの先端から射出され、被検体の測定対象部位に照射される。その結果、被検体の生体組織が励起されて自家蛍光を発し、この蛍光が内視鏡に入射する。そして、内視鏡に入射した光(検出光)のうち特定波長成分(上述した緑色帯域の成分)のみが、波長選択フィルターによって抽出された後に、内視鏡に内蔵された撮像素子によって画像信号に変換され、その画像信号が処理されることによって、病変の有無の判定に供されるデータが生成される。
【0006】
また、プローブが受光系のファイババンドルをも内蔵している場合には、生体組織から発した蛍光は、この受光系のファイババンドルに入射する。そして、受光系のファイババンドルの先端に取り付けられた検出装置内において、入射した光のうち特定波長成分のみが波長選択フィルターによって抽出された後に光電変換され、その結果得られた光強度信号が処理されることによって、病変の有無の判定に供されるデータが生成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、プローブの外径は、内視鏡の鉗子チャネルの内径に比べてかなり小さく形成しないとならないので、プローブの先端が鉗子チャネル内で径方向及び軸方向に自由に移動してしまう問題がある。このように、診断中にプローブが移動してしまうと、撮像素子や検出部による受光量が変化してしまうので、診断結果がその影響を受けてしまう他、プローブ内に受光系が並存しているタイプのプローブにおいては、測定対象部位が確定しないという問題も生じる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、診断中に、その先端を内視鏡の鉗子チャネル内において一定の位置に保つことができるプローブを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために案出された本発明によるプローブは、生体組織を励起して蛍光を生じさせる波長帯域の励起光を被検体へ導くためのプローブであって、その基端から入射された前記励起光を導光してその先端から射出する多数本の光ファイバーからなるファイババンドルと、前記ファイババンドルの先端に被せられた略筒状の形状を有する口金と、前記ファイババンドルの基端に被せられた略筒状の形状を有するコネクタと、前記口金と前記コネクタとの間において前記ファイババンドルの外周を被覆するチューブと、前記口金の外周面に、その全周にわたって設けられた環状のバルーンと、前記バルーン内に作動流体を導入するために、前記コネクタの外面からその内部を通ってその前端面に達し、前記チューブと前記ファイババンドルとの間を通り、前記口金の後端面からその内部を通って前記バルーンの内部に達する流体通路とを、備えたことを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明のプローブによれば、コネクタの外部から例えばポンプを用いて、流体通路に作動流体を注入すれば、その作動流体は、流体通路を通じて、バルーン内に導入される。その結果、口金の外周面の全周にわたって設けられた環状のバルーンが、全周にわたって均等に膨らむので、プローブの先端は、内視鏡の鉗子チャネルの開口近傍において、その開口の中心と同軸になるように固定され、軸方向においても径方向においても移動が防止される。
【0011】
本発明において、バルーンは、円筒面状の口金外周面に填められた円環状の風船であっても良いし、口金外周面にその全周にわたって形成された溝に填められた円環状の風船であっても良いし、口金外周面にその全周にわたって形成された溝両縁の間に掛け渡された状態で固定された筒状で伸縮性のあるシート部材であっても良い。前二者の場合には、流体通路は、バルーンを構成する円環状の風船の口に接続されている必要があるが、後者の場合には、流体通路は、口金外周面に形成された溝内に開口しているだけで良い。
【0012】
この流体通路は、前記コネクタ及び前記口金内に夫々形成された孔,及び、前記チューブ内において前記コネクタの前端面に開口した孔と前記口金の後端面に開口した孔とを連結する管とから、構成されても良い。なお、チューブが伸縮性のない強靱な部材から構成されるのであれば、このチューブ内部の空間全体が、流体通路に兼用されても良い。さらに、コネクタ及び口金内に形成された孔が十分な内径を有しているのであれば、この孔内に管そのものが挿通され、この一本の管を通じてコネクタの外面とバルーンの内部とが直接連通されるのであっても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は、本実施形態のプローブを備えた内視鏡システムを模式的に示す概略構成図である。この内視鏡システムは、電子内視鏡1,光源プロセッサ装置2,励起光光源装置3,及びプローブPから、構成されている。
【0015】
まず、電子内視鏡(以下、内視鏡と略記)1について、説明する。図1には、この内視鏡1の詳細な形状は図示されていないが、この内視鏡1は、生体内に挿入される可撓管状の挿入部を、有している。この挿入部の先端には湾曲部が組み込まれており、この湾曲部の先端には、硬質部材製の先端構成部が固定されている。また、挿入部の基端には操作部が連結されている。この操作部には、湾曲部を湾曲操作するためのダイヤル及び各種操作スイッチ(いずれも図示略)が、設けられている。
【0016】
この内視鏡1の先端構成部には、少なくとも3つの貫通孔が穿たれており、そのうちの一対の貫通孔には、配光レンズ11及び対物レンズ12が夫々填め込まれている。他の1つの貫通孔は、鉗子孔13として利用される。具体的には、この鉗子孔13と操作部に開けられた開口(鉗子口14)とを結ぶ細管が、内視鏡1内を引き通されており、この細管が鉗子チャネルとして利用される。
【0017】
さらに、内視鏡1は、可視光を被検体へ導くライトガイド15を、有している。このライトガイド15は、光ファイバが多数束ねられてなるファイババンドルである。そして、このライトガイド15は、その先端面が配光レンズ11に対向した状態で、内視鏡(挿入部、操作部)1内を引き通され、その基端が、操作部の側面から延びるライトガイド可撓管内を通って、その基端に設けられたコネクタの端面から突出している。
【0018】
さらに、内視鏡1は、CCDエリアセンサである撮像素子16を、有している。この撮像素子16の撮像面は、内視鏡1の先端構成部が被検体に対向配置されたときに対物レンズ12が当該被検体の像を結ぶ位置の近傍に、配置されている。そして、撮像素子16は、被検体像に基づく画像データを取得して、ライトガイド15と並行してコネクタ端面まで延びる信号線17へ送出する。なお、対物レンズ12及び撮像素子16間の光路中に、紫外光を遮断して可視光を透過させる励起光カットフィルタ(図示せず)が、挿入されている。
<励起光光源装置>
次に、図5を参照して励起光光源装置3について説明する。図5は励起光光源装置3の概略図である。この励起光光源装置3は、生体組織を励起して蛍光を生じさせる波長帯域(紫外帯域)の励起光を発する励起光源52と、この励起光源52からの光を収束させる収束レンズ51と、これら励起光源52及び収束レンズ51を収容する筐体53とから、構成されている。なお、この筐体53には、収束レンズ51による励起光の収束点にその基端面が合致するようにプローブPの基端を保持するコネクタ受け53aが、設けられている。
<プローブ>
プローブPは、その基端が励起光光源装置3のコネクタ受け53aに装着された時に、収束レンズ51によって収束された励起光を、導光する機能を有している。このプローブPは、図2に示されるように、多数本の光ファイバの両端のみを直線状に固定してなるファイババンドルFと、このファイババンドルFの先端を覆う硬質部材製部品である口金21と、ファイババンドルFの基端近傍を覆う硬質部材製部品であるコネクタ25と、口金21とコネクタ25との間においてファイババンドルFの外周を被覆するチューブTとを、有している。
【0019】
口金21は、概略円筒状の形状を有しており、その外周における基端近傍の径が、その先端の径よりも小さくなるように、且つ、チューブTの内径よりもわずかに大きくなるように、形成されている。このように形成された口金21の基端側外周には、チューブTの先端側が被せられている。また、口金21の外周面における基端近傍と先端との間には、その中心軸を含む縦断面が矩形状である円環状の溝45が、口金21の周方向に沿って形成されている。この円環状の溝45の基端側の壁面には、2つの開口43,44が形成されており、その開口43,44は口金21の長手方向に沿って形成された孔23,24を介して口金21の基端面に形成された開口に夫々通じている。なお、この孔23,24は、プローブPの中心軸に対して互いに軸対象になるように配置されている。その孔23,24の基端側の開口には、可撓性を有する配管38,39が夫々接続されている。また、円環状の溝45の両壁面の縁同士の間には、空気を通さない材質であって伸縮性を有する例えば、シリコーンゴム製の円筒状のシートであるバルーン22が、張られている。そして、このバルーン22の先端及び基端は、円環状の溝45の縁の全周にわたって、夫々、気密に固定されている。このため、円環状の溝45とバルーン22との間に形成される空間Sからは、空気が漏れないようになっている。
【0020】
コネクタ25は、筐体53のコネクタ受け53aに挿入されて保持されるべくその基端側に形成された円筒状の挿入部26と、チューブTの基端を固定するためにその先端側に形成された略円筒状の固定部27とがそれらよりも更に大径な円筒状のツマミ部25aを介して一体に連結された構造を、有している。
【0021】
挿入部26の基端には、開口が形成されており、その開口には、励起光を透過させるカバーガラス37が嵌め込まれている。このため、コネクタ25がコネクタ受けに接続された状態において、励起光がカバーガラス37を透過してファイババンドルFの基端に入射する。
【0022】
固定部27は、より詳細には、コネクタ25を先端側から見たときにファイババンドルFを包囲するように形成された筒状の内壁28と、この内壁28の径方向外側を包囲するように形成された筒状の外壁29とから、構成されている。内壁28は、その外径がチューブTの内径よりもわずかに大きくなるように形成されている。また、この内壁28と外壁29との間は、溝30として形成されており、その溝30の幅はチューブTの肉厚とほぼ同じになっている。そして、この溝30にチューブTの基端が挿入されることによってチューブTが固定される。なお、内壁28の先端面には、コネクタ25の中心軸に対して軸対象となるように開口が形成されており、その開口には配管38,39の他端が夫々接続されている。そして、この開口は、内壁28の内部において軸方向に形成された孔31,32,ツマミ部25a内において両孔31,32を連通させるために周方向に形成された孔33及びツマミ部25a内において径方向に形成された孔34を介して、コネクタ25の外周面に形成された開口42に通じている。
【0023】
なお、ツマミ部25aには、プローブP内へ空気を供給するポンプ54が、配管55を介して装着されている。具体的には、ポンプ54には配管55の一端が接続されており、その配管55の他端が、ツマミ部25aの外周面に形成された開口42に対して、止め具56によって着脱自在に接続されている。このポンプ54には、その起動電源投入のためのスイッチ(図示せず)及び動作モードを空気の流入又は流出に切り替えるモード切替スイッチ(図示せず)が、設けられている。
<光源プロセッサ装置>
次に、図1を参照して光源プロセッサ装置2について説明する。この光源プロセッサ装置2は、可視光を射出する通常光源ユニット18と、画像信号を処理するビデオプロセッサ19と、通常光源ユニット18及びビデオプロセッサ19を収容する筐体20とを、備えている。なお、筐体20に形成されたソケットに、内視鏡1のライトガイド可撓管の末端に形成されたコネクタが接続されると、ライトガイド15の基端が通常光源ユニット18に接続されるとともに、信号線17を介して撮像素子16がビデオプロセッサ19に接続される。このように接続された状態において、通常光源ユニット18から可視光が発せられると、その光はライトガイド15に導入され、ライトガイド15の先端面から射出され、配光レンズ11により拡散されて、被検体を照明する。
【0024】
ビデオプロセッサ19は、通常光源ユニット18からの可視光が被検体へ照射されたときに撮像素子16で得られた画像信号、又は励起光光源装置3からの励起光が被検体へ照射されたときに撮像素子16で得られた画像信号を処理することによって、可視光の反射光により形成される被検体の可視画像と励起光の照射により生じた自家蛍光によって形成された被検体の蛍光画像とを図示せぬモニタに表示する。さらに、ビデオプロセッサ19は両画像信号を処理することによって(即ち、両画像のレベルを一致させた後に、可視画像よりも蛍光画像の方が暗い部分を病変部位として抽出し、可視画像中において特定色にて表示することによって)診断用画像を生成する。
【0025】
なお、ビデオプロセッサ19には、通常光源ユニット18,励起光光源装置3,及び外部スイッチ(図示せず)が、電気的に夫々接続されている。そして、ビデオプロセッサ19は、外部スイッチが投入されるたびに、通常光源ユニット18又は励起光光源装置3のいずれか一方を起動状態から停止させるとともに、もう一方を停止状態から起動させる。例えば、外部スイッチが投入されると、通常光源ユニット18を停止し、励起光光源装置3を作動させる。
<実施形態の動作>
以下、本実施形態の動作について説明する。
【0026】
術者は、まず、光源プロセッサ装置2を起動させ、内視鏡1の挿入部を生体内に挿入し、その先端構成部を、観察対象となる部位に対向させる。
【0027】
この光源プロセッサ装置2が作動すると、モニタには、内視鏡1の先端構成部が対向した領域が、画像として表示される。術者は、この画像を見て、生体内の状態を観察することができる。
【0028】
さらに、術者は、画像の観察を通じて選択した部位に対して、励起光光源装置3を利用した診断を行う。具体的には、まず、術者は、励起光光源装置3のプローブPの先端を、内視鏡1の操作部の鉗子口14内へ挿入し、挿入部の先端における鉗子孔13から突出させた状態で、ポンプ54のモード切替スイッチを流入モードに切り替え、さらに、ポンプ54の起動スイッチを投入する。
【0029】
このポンプ54が作動すると、作動流体としての空気がポンプ54から送り出され、その空気が配管55を経てプローブP内へ流入し、孔34、33を経て、配管38,39へ流入する。この配管38,39内に流入した空気は、口金21に形成された孔23,24を夫々通過し、この孔23,24の開口43,44から、円環状の溝45とバルーン22との間に形成された空間Sへ夫々流入する。すると、この空間Sに流入した空気によって、空間S内の圧力が高まるので、円環状の溝45の両壁面に固定されたバルーン22の中間部分は、図3に示されるように、プローブPの径方向外側へ張り出すようにして膨らむ。この結果、プローブPの先端は、図4に示されるように、その径方向外側へ張り出したバルーン22の中央付近によって、内視鏡1の鉗子チャネルの内周面に保持される。このため、プローブPの先端は、その径方向及び軸方向に自由に動かないようになる。ちなみに、バルーン22が膨らみきると、そのバルーン22内の圧力がポンプ54内において検出され、図示せぬ制御回路によって空間Sへの空気の流入が停止される。この状態において、診断の準備が完了する。
【0030】
さらに、術者は、外部スイッチを投入することにより、通常光源ユニット18を停止させ、且つ、励起光光源装置3を起動させ、診断を開始する。
この励起光光源装置3が作動すると、励起光源52から励起光が発せられ、その光は収束レンズ51を経て、プローブPに導かれ、被検体の測定対象部位へ射出される。すると、被検体に照射された励起光の一部がこの被検体の表面によって反射されるとともに、被検体から自家蛍光が発せられ、この励起光及び自家蛍光は、対物レンズ12から内視鏡1内に入射する。そして、この内視鏡1内に入射された光のうち、自家蛍光成分のみが、励起光カットフィルタを透過し、その光が撮像素子16の撮像面に被検体の像を結ぶ。撮像素子16は、この被検体の蛍光画像を撮像し、撮像によって得られた画像信号(各画素の受光量を夫々表す信号)を出力する。このようにして、撮像素子16から出力された画像信号は、信号線17を経て、ビデオプロセッサ19へ送られる。
【0031】
ビデオプロセッサ19は、その画像信号のレベルを、その直前に得ていた可視画像信号のレベルに一致させ、前者によって表される受光量が後者によって表される受光量よりも小さい画素を、病変が生じている可能性が高い箇所を示すものとして抽出し、抽出した画素の可視画像における色を特定色に変換することによって診断用画像データを生成する。そして、診断用画像データを図示せぬモニタに出力することによって、可視画像内において病変部である可能性の高い箇所が特定色で表された画像を表示させる。以上のようにして診断が行われるが、この診断の間中、プローブPの先端は、内視鏡1の鉗子チャネル内において、一定の位置を維持している。そのため、被検体の測定対象部位への励起光の照射量、ひいては、撮像素子16における自家蛍光の受光量が大きく変化しなくなるので、診断用画像(即ち、診断結果)が安定する。換言すると、その診断用画像(即ち、診断結果)には、プローブPの移動による影響が生じないのである。
【0032】
この診断後、プローブPを鉗子チャネルから取り外したいとき、術者は、ポンプ54のモード切替スイッチを、流出モードに切り替える。すると、プローブP内の空気の流れがバルーン22の膨張時とは逆転し、空間S内の空気はプローブP外へ流出するため、バルーン22がしぼむ。このとき、プローブPの先端の拘束状態が解かれる。このため、術者は、プローブPを、鉗子チャネルから抜去することができる。なお、ツマミ部25aの外周面に形成された開口42と口金21の外周面に形成された円環状の溝45の壁面に形成された開口43,44との間を通じる孔23,24,31,32,33,34及び配管38,39が、いずれも、プローブP内(口金22内、チューブTの内側又はコネクタ25内)に配置されているので、プローブPがコンパクトになっており、プローブPの挿抜時、これらの配管38,39等がプローブPの挿抜の邪魔にならない。従って、プローブPは楽に挿抜できる。
【0033】
なお、本実施形態のプローブPの変形例として、例えば、プローブ内に受光系のファイババンドルが並存しているタイプのプローブ(即ち、プローブ内に、被検体からの自家蛍光を導くファイババンドルが設けられており、被検体から生じた自家蛍光を、そのプローブの先端から、プローブ内へ入射させるようにしたタイプのもの)を用いてもよい。この場合も、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0034】
また、本実施形態では、バルーン22を膨らませるための作動流体として、空気を用いた場合について説明したが、これに代えて、その作動流体として、生体に対して不活性なガスや、生理食塩水等の液体を用いてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明のプローブによると、流体通路を通じて作動流体をコネクタ外面からバルーン内へ導入すれば、口金の外周においてバルーンが環状に膨らむので、その先端が、内視鏡の鉗子チャネル内において保持され得る。その結果、プローブの先端が鉗子チャネル内において径方向及び軸方向へ移動することが、防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であるプローブが用いられた内視鏡システムの構成図
【図2】プローブの要部縦断面図
【図3】バルーンが最大まで膨らんだ状態を示すプローブの要部断面図
【図4】プローブの先端が鉗子チャネル内に保持された状態を示す透視斜視図
【図5】光源の構成図
【符号の説明】
21 口金
22 バルーン
25 コネクタ
38 配管
39 配管
F ファイババンドル
P プローブ
T チューブ
Claims (4)
- 生体組織を励起して蛍光を生じさせる波長帯域の励起光を被検体へ導くためのプローブであって、
その基端から入射された前記励起光を導光してその先端から射出する多数本の光ファイバーからなるファイババンドルと、
前記ファイババンドルの先端に被せられた略筒状の形状を有する口金と、
前記ファイババンドルの基端に被せられた略筒状の形状を有するコネクタと、
前記口金と前記コネクタとの間において前記ファイババンドルの外周を被覆するチューブと、
前記口金の外周面に、その全周にわたって設けられた環状のバルーンと、
前記バルーン内に作動流体を導入するために、前記コネクタの外面からその内部を通ってその前端面に達し、前記チューブと前記ファイババンドルとの間を通り、前記口金の後端面からその内部を通って前記バルーンの内部に達する流体通路と
を備えたことを特徴とするプローブ。 - 前記口金の外周面には、その全周にわたって溝が形成されており、
前記バルーンは、前記口金の外周面に形成された溝に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1記載のプローブ。 - 前記バルーンは、前記口金の外周面に形成された溝の両縁の間に掛け渡された状態で固定された筒状で伸縮性のあるシート部材からなり、
前記流体通路は、前記口金の後端面からその内部を通り、前記溝内に達している
ことを特徴とする請求項2記載のプローブ。 - 前記流体通路は、前記コネクタ及び前記口金内に夫々形成された孔,及び、前記コネクタの前端面に開口した前記孔と前記口金の後端面に開口した前記孔とを連結する管から、構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のプローブ。
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JP2009279168A (ja) * | 2008-05-22 | 2009-12-03 | Fujinon Corp | 蛍光内視鏡装置および励起光ユニット |
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CN105013071A (zh) * | 2015-07-10 | 2015-11-04 | 沈涛 | 一种用于食道镜套囊的医用手动泵 |
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2003
- 2003-01-10 JP JP2003004097A patent/JP2004215739A/ja active Pending
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