JP2004215517A - Alzheimer's disease-related gene, protein and their uses - Google Patents

Alzheimer's disease-related gene, protein and their uses Download PDF

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宏人 駒野
Asano Asami
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a gene exasperating the production of amyloid-β protein, to provide the protein, and to provide their uses. <P>SOLUTION: The gene exasperating the production of the amyloid-β protein. The protein or its salt encoded in the gene. An antibody against the protein. A diagnostic agent or medicine containing the antibody. A method for screening a compound effective for treating Alzheimer's disease with the protein or the like. A kit used for screening the compound effective for treating Alzheimer's disease, and containing the protein or the like. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルツハイマー病の発症・進展に深くかわっているアミロイドβタンパク(Aβ)の産生を制御する遺伝子、タンパク質、その用途等に関する。具体的には本発明は、Aβの産生を制御する遺伝子、その遺伝子にコードされるタンパク質、該タンパク質に対する抗体、該タンパク質またはその抗体等を含有してなる医薬、さらにはアルツハイマー病の診断方法、予防・治療方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルツハイマー病患者脳の病理学的特徴として、神経細胞の脱落に加えて、老人斑、神経原線維変化の蓄積が知られている。これらのうち、アルツハイマー病における最初期の病理変化は老人斑の形成であり、その主要構成成分がAβであることから、Aβの産生あるいは分解の異常がアルツハイマー病の発症・進展に深くかわっていると考えられている。Aβは前駆体タンパク質(βAPP)からβ−セクレターゼとγ−セクレターゼにより切断され産生される。β−セクレターゼについては、既に新規アスパラギン酸プロテアーゼであることが同定された(Neuron 27, 419−422, 2000)。一方、γ−セクレターゼについては、家族性アルツハイマー病(FAD)原因遺伝子、プレセニリンあるいはプレセニリンを含む複合体がその活性発現に関与していることが明らかにされている(Neuron 27,419−422, 2000)。また、最近、プレセニリンと複合体を形成し、βAPPのプロセシングに関与する新規膜貫通型糖タンパク質としてニカストリン(Nicastrin)が報告された(Nature 407, 48−54, 2000)。
【非特許文献1】
Trends in Cell Biology, 8, 447−453, 1998
【非特許文献2】
Touchot, N et al., FEBS Lett., 256, 79−84, 1989
【非特許文献3】
Seki N. et al., J. Hum. Genet., 45, 38−42, 2000
【非特許文献4】
Lelias J.M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 90, 1479−1483, 1993
【非特許文献5】
Adra C.N., et al., Genomics, 24, 188−190, 1994
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、γ−セクレターゼについては、その実体の詳細は不明である(Neuron 27, 419−422, 2000)。γ−セクレターゼ活性は抗プレセニリン抗体によって巨大な分子量のフラクションに回収され、その活性の制御には、プレセニリンN端およびC端フラグメント複合体の安定化因子など、多くの未同定の因子が関与し得ると考えられる。さらに、βAPPのプロセシングは、粗面小胞体、ゴルジ体などから細胞膜上へ輸送される分泌経路、細胞膜上、さらに、細胞内に再取り込みされた後のエンドソーム内で引き起こされることから(Trends in CellBiology 8, 447−453, 1998)、βAPPの細胞内輸送系に関与する様々な因子もAβの産生に影響し得ると考えられる。そこで、これらの因子を遺伝子として同定することは、Aβの産生を抑制する薬剤の開発やアルツハイマー病の診断薬など、新しい医薬への応用を図ることができることから、極めて重要なことと考えられる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、Aβの産生を制御する遺伝子を探索するため、βAPPフラグメントからAβの産生が促進されることにより薬剤耐性遺伝子の発現が亢進するよう設計された細胞株を考案し、これを用いたアルツハイマー病関連遺伝子のスクリーニング方法について、既に特許出願をした(PCT/JP02/00836、2002年2月1日出願)。本発明者は、このスクリーニング法を用いてさらに研究した結果、新たに5種のアルツハイマー病関連遺伝子を特定することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、
(1)Aβの産生を亢進する、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするタンパク質またはその塩、
(2)Aβの産生を亢進する、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列からなるタンパク質またはその塩、
(3)上記(1)または(2)記載のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩、
(4)上記(1)もしくは(2)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(5)DNAである上記(4)記載のポリヌクレオチド、
(6)配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表される塩基配列を含有するDNA、
(7)上記(6)記載のDNAを含有する組換えベクター、
(8)上記(7)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(9)上記(1)もしくは(2)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドに対する抗体、
(10)上記(9)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(11)アルツハイマー病の診断薬である上記(10)記載の診断薬、
(12)上記(9)記載の抗体を含有してなる医薬、
(13)アルツハイマー病の治療・予防剤である上記(12)記載の医薬、
(14)上記(4)記載のポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド、
(15)配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表される塩基配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA、
(16)上記(4)記載のポリヌクレオチドまたはその一部と相補的な塩基配列を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(17)配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表される塩基配列を含有するDNAまたはその一部と相補的な塩基配列を含有してなるアンチセンスDNA、
(18)上記(1)もしくは(2)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、Aβの産生を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(19)上記(1)もしくは(2)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してなる、Aβの産生を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(20)上記(18)記載のスクリーニング方法または上記(19)記載のスクリーニング用キットを用いて得られる、Aβの産生を阻害する化合物またはその塩、
(21)上記(4)もしくは(14)記載のポリヌクレオチド;上記(15)記載のDNA;または配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表される塩基配列を含有するDNAを含有してなる診断薬、
(22)アルツハイマー病の診断薬である上記(21)記載の診断薬、
(23)上記(14)記載のポリヌクレオチド;または上記(15)記載のDNAを含有してなる医薬、
(24)アルツハイマー病の治療・予防剤である上記(23)記載の医薬、
(25)上記(1)もしくは(2)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドの活性を阻害する化合物またはその塩を含有してなるアルツハイマー病の治療・予防剤、
(26)アルツハイマー病患者に上記(1)もしくは(2)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドの活性を阻害する化合物またはその塩を投与することを特徴とするアルツハイマー病の予防・治療方法、
(27)アルツハイマー病の治療・予防剤を製造するための上記(1)もしくは(2)記載のタンパク質もしくは上記(3)記載の部分ペプチドの活性を阻害する化合物またはその塩の使用、
(28)配列番号:7で表わされるアミノ酸配列からなるタンパク質またはその塩等を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
(ペプチド、タンパク質、その部分ペプチドまたはそれらの塩)
本発明のペプチド、タンパク質またはその塩は、ヒトまたは温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)由来のあらゆる細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01など)やあらゆる組織由来するタンパク質であってもよく、組換えタンパク質であってもよく、また合成タンパク質であってもよい。
本発明のタンパク質は、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質である。
実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。さらに、本発明のタンパク質は配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。実質的に同質の活性としては、Aβの産生において配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるタンパク質と同質の影響を与えるものであれば、他の活性は異なっていてもかまわない。
【0007】
また、本発明のタンパク質としては、▲1▼配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、▲2▼配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、▲3▼配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または▲4▼それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタンパク質なども用いられる。
具体的には、本発明のタンパク質としては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質、配列番号:7で表わされるアミノ酸配列、配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質などが好ましく用いられる。
【0008】
本明細書におけるタンパク質は、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をはじめとする本発明のタンパク質は、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)の何れであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
本発明のタンパク質がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、本発明のタンパク質には、上記したタンパク質において、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC2−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチルなどのC2−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
【0009】
本発明のタンパク質の部分ペプチド(以下、部分ペプチドと略記する場合がある)としては、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドと実質的に同一のアミノ酸配列であれば何れのものであってもよい。本発明の部分ペプチドのアミノ酸の数は、例えば、前記した配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされる構成アミノ酸配列のうち少なくとも5個以上、好ましくは20個以上、より好ましくは100個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。
実質的に同一のアミノ酸配列とは、これらアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。
【0010】
また、本発明の部分ペプチドは、上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、本発明の部分ペプチドは、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)のいずれであってもよい。ここで、エステルにおけるRは上記と同意義を示す。
さらに、本発明の部分ペプチドには、前記した本発明のタンパク質と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したGlnがピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドの塩としては、酸または塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0011】
前記した本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をはじめとする、本発明のスクリーニング方法で得られたDNAにコードされるペプチド、タンパク質(以下、ペプチドも含めてタンパク質と略記する)またはその塩は、前述したヒトやその他の哺乳動物の細胞または組織から公知のペプチドまたはタンパク質の精製方法によって製造することもできるし、後述する本発明のタンパク質をコードするDNAで形質転換された形質転換体を培養することによっても製造することができる。また、後述のタンパク質合成法またはこれに準じて製造することもできる。
ヒトやその他の哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトやその他の哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、得られた抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより、本発明のタンパク質を精製単離することができる。
【0012】
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩またはそのアミド体の合成には、通常市販のタンパク質合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするタンパク質の配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からタンパク質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のタンパク質またはそのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
【0013】
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、タンパク質縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はタンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することができる。
【0014】
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0015】
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
【0016】
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しうる。
タンパク質のアミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド(タンパク質)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたタンパク質とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去したタンパク質とを製造し、この両タンパク質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護タンパク質を精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗タンパク質を得ることができる。この粗タンパク質は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のタンパク質のアミド体を得ることができる。
タンパク質のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、タンパク質のアミド体と同様にして、所望のタンパク質のエステル体を得ることができる。
【0017】
本発明のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断することによって製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のタンパク質を構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の▲1▼〜▲5▼に記載された方法が挙げられる。
▲1▼M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966年)
▲2▼SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
▲3▼泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年)
▲4▼矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タンパク質の化学IV、 205、(1977年)
▲5▼矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成 広川書店
また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。
【0018】
(ポリヌクレオチドまたはDNA)
本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下に説明する本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドと同様に調製することができる。
本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)を含有するものであればいかなるものであってもよい。該ポリヌクレオチドとしては、本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(即ち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(即ち、非コード鎖)であってもよい。
本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAとしては、染色体DNA、染色体DNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織より全RNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
具体的には、本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAとしては、例えば、それぞれ配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質のAβ産生亢進活性を有するタンパク質をコードするDNAであれば何れのものでもよい。
配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表わされる塩基配列とハイブリダイズできる塩基配列としては、例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列などが用いられる。
【0019】
ハイブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、Molecular Cloning 2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、下記の本発明の部分ペプチドをコードするDNAを包含するだけではなく、RNAをも包含する意味で用いられる。
本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の実験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載の方法またはそれに準じた方法により、本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質のmRNAを定量することができる。
なお、本発明のDNAは、PCT/JP02/00836に開示されているスクリーニング方法および後述の参考例1〜5に記載の方法によって取得されたものである。
【0020】
(アンチセンス)
本発明に従えば、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質遺伝子の複製又は発現を阻害することのできるアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)を、クローン化したあるいは配列が決定された配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDNAの塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうしたポリヌクレオチド(核酸)は、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質の遺伝子のRNAとハイブリダイズすることができ、該RNAの合成又は機能を阻害することができるか、あるいは配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質関連RNAとの相互作用を介して配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質遺伝子の発現を調節・制御することができる。配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質関連RNAの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、及び配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質関連RNAと特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、生体内及び生体外で配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、また病気などの治療又は診断に有用である。そうしたポリヌクレオチドは、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質遺伝子の5’端ヘアピンループ、5’端6−ベースペア・リピート、5’端非翻訳領域、ポリペプチド翻訳開始コドン、タンパク質コード領域、ORF翻訳終止コドン、3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、及び3’端ヘアピンループを好ましい対象領域として選択し調製しうるが、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
【0021】
目的核酸と対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドとの関係、あるいは、対象物とハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係は、「アンチセンス」であるということができる。アンチセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、D−リボースを含有しているポリヌクレオチド、プリン又はピリミジン塩基のN−グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販のタンパク質、核酸及び合成配列特異的な核酸ポリマー)又は特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それらは、二本鎖DNA、一本鎖DNA、二本鎖RNA、一本鎖RNA、さらにDNA:RNAハイブリッドであることができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合又は硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例えばタンパク質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有しているもの、インターカレート化合物(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」及び「核酸」とは、プリン及びピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリン及びピリミジン、アシル化されたプリン及びピリミジン、あるいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌクレオチド及び修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
【0022】
本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうした修飾は当該分野で数多く知られており。例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. ed., Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993 などに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形態で与えられることができうる。こうして付加形態で用いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。その他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。該核酸は公知の各種の方法で細胞に適用できる。
【0023】
本発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、染色体DNA、染色体DNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりmRNA画分を調製したものを用いて直接RT−PCR法によって増幅することもできる。
具体的には、本発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または(2)配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質のAβ産生亢進活性を有するタンパク質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表わされる塩基配列の部分塩基配列とハイブリダイズできる塩基配列としては、例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表わされる塩基配列の部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列などが用いられる。
【0024】
本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチド(以下、本発明のタンパク質と略記する場合がある)を完全にコードするDNAのクローニングの手段としては、本発明のタンパク質の部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のタンパク質の一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別することができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、Molecular Cloning 2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab.Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
【0025】
DNAの塩基配列の置換は、公知のキット、例えば、MutanTM−G(宝酒造)、MutanTM−K(宝酒造)などを用いて、Gapped duplex法やKunkel法などの公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができる。
クローン化された本発明のタンパク質をコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
【0026】
(発現ベクター)
本発明のタンパク質の発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のタンパク質をコードするDNAを含むDNA(例えば、cDNA)から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV−TKプロモーターなどが挙げられる。
これらのうち、CMVプロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPプロモーター、lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
【0027】
発現ベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Ampと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)等が挙げられる。特に、CHO(dhfr)細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択できる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のタンパク質のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
【0028】
(形質転換体)
このようにして構築された本発明のタンパク質をコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造することができる。
宿主としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌の具体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA,60巻,160(1968)〕,JM103〔Nucleic Acids Research,9巻,309(1981)〕,JA221〔Journal of Molecular Biology,120巻,517(1978)〕,HB101〔Journal of Molecular Biology,41巻,459(1969)〕,C600〔Genetics,39巻,440(1954)〕などが用いられる。
バチルス属菌としては、例えば、バチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔Gene,24巻,255(1983)〕,207−21〔Journal of Biochemistry,95巻,87(1984)〕などが用いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などが用いられる。
【0029】
昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、ヨトウガの幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestrabrassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、カイコ由来株化細胞(Bombyx mori N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、In Vivo, 13, 213−217,(1977))などが用いられる。
昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、Nature,315巻,592(1985)〕。
動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7、Vero、チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr)細胞と略記)、マウスL細胞、マウスAtT−20、マウスミエローマ細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用いられる。
【0030】
エシェリヒア属菌を形質転換するには、例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,69巻,2110(1972)やGene,17巻,107(1982)などに記載の方法に従って行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、例えば、Molecular & General Genetics,168巻,111(1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、Methods in Enzymology,194巻,182−187(1991)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,75巻,1929(1978)などに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、Bio/Technology, 6, 47−55(1988)などに記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8新細胞工学実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤社発行)、Virology,52巻,456(1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、本発明のタンパク質をコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0031】
エシェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),Journal of Experiments in Molecular Genetics,431−433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地(Bostian, K. L. ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77巻,4505(1980))や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地(Bitter, G. A. ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,81巻,5330(1984))が挙げられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0032】
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grace’s Insect Medium(Grace, T.C.C., Nature, 195, 788 (1962))に非働化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔Science,122巻,501(1952)〕,DMEM培地〔Virology,8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地〔The Journal of the American Medical Association,199巻,519(1967)〕,199培地〔Proceeding of the Society for the Biological Medicine,73巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞膜に本発明のタンパク質を生成せしめることができる。
【0033】
(タンパク質の分離精製)
上記培養物から本発明のタンパク質を分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうことができる。
本発明のタンパク質を培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により本発明のタンパク質の粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に本発明のタンパク質が分泌される場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。
このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる本発明のタンパク質の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
【0034】
このようにして得られる本発明のタンパク質が遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生する本発明のタンパク質を、精製前または精製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。
このようにして生成する本発明のタンパク質またはその塩の活性は、標識したリガンドとの結合実験、特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイ、酵素活性、シグナル情報伝達活性、物質輸送活性、物質透過活性、Aβ産生亢進活性などにより測定することができる。
【0035】
(抗体)
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略記する場合がある)に対する抗体は、本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。
本発明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはその塩(以下、本発明のタンパク質と略記する場合もある)に対する抗体は、本発明のタンパク質を抗原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
【0036】
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a)モノクロナール抗体産生細胞の作製
本発明のタンパク質は、哺乳動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化タンパク質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔Nature、256巻、495頁(1975年)〕に従い実施することができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくは、PEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
【0037】
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質の抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したタンパク質を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの選別は、公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができるが、通常はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0038】
(b)モノクロナール抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
【0039】
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法にしたがって製造することができる。例えば、免疫抗原(本発明のタンパク質抗原)とキャリアータンパク質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のタンパク質に対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアータンパク質との複合体に関し、キャリアータンパク質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことができる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0040】
以下に、本発明のAβの産生を亢進するDNA(本発明のDNA)、そのDNAと相補的な塩基配列を有するアンチセンスDNA、そのDNAを含有する組換えベクターによる形質変換体、そのDNAがコードするタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩(本発明のタンパク質)および本発明の抗体の用途等を説明する。
(1)アルツハイマー病の組織マーカー
本発明のタンパク質は、アルツハイマー病患者の脳にも発現しているため、アルツハイマー病の組織マーカーとして使用することができる。また、本発明のタンパク質に選択的に結合するペプチド、タンパク質もしくはDNAの検出または分取にも利用できる。
(2)本発明のタンパク質が関与する各種疾病の治療・予防剤
本発明のAβ産生を亢進する作用を有するタンパク質について、そのドミナントネガテイブ体はアルツハイマー病の治療・予防剤等の医薬として使用することができる。
上記ドミナントネガテイブ体は、そのアミノ酸配列の一部が置換もしくは欠失したもの、そのアミノ酸配列にアミノ酸が付加したもの、または置換、欠失、付加が組み合わさったもののいずれであってもよく、Aβ産生を亢進する作用が損失または減弱しているものである。
このドミナントネガテイブ体は、通常の遺伝子工学的手法により作製することができる。例えば、本発明のタンパク質をコードするDNAの塩基配列を公知のキット、例えば、MutanTM−G(宝酒造)、MutanTM−K(宝酒造)などを用いて、Gapped duplex法やKunkel法などの公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って変換した後、上記の本発明のタンパク質の製造法に準じて製造することができる。
また、Aβ産生を亢進する作用が損失または減弱していることは、ドミナントネガテイブ体またはそれをコードするDNAのAβ産生を亢進する作用を本発明のスクリーニング方法で確認することによって行うことができる。
【0041】
(3)アルツハイマー病に対する医薬候補化合物のスクリーニング法
本発明のAβ産生を亢進する作用を有するタンパク質の機能(活性)を阻害する化合物またはその塩は、アルツハイマー病の治療・予防剤等の医薬として使用できる。したがって、本発明のタンパク質およびそのDNAは、本発明のタンパク質の機能(活性)を阻害する化合物またはその塩のスクリーニングのための試薬として有用である。
すなわち、本発明は、本発明のタンパク質、そのDNA、そのDNAと相補的に結合するアンチセンスDNA、そのDNAを含有する組換えベクターで形質転換された形質変換体、または本発明の抗体を用いることを特徴とする本発明のタンパク質の機能(活性)を阻害する化合物(以下、阻害剤と略記する場合がある)のスクリーニング方法を提供する。
また、本発明のスクリーニング用キットは、本発明のタンパク質、そのDNA、そのDNAと相補的に結合するアンチセンスDNA、そのDNAを含有する組換えベクターで形質転換された形質変換体、または本発明の抗体等を含有するものである。
上記スクリーニング方法として、具体的には、次のようなものが挙げられる。
【0042】
(3−1)本発明のタンパク質と組織、細胞、またはそれらの膜画分との反応を阻害する化合物のスクリーニング方法
(i)本発明のタンパク質が作用する組織、細胞またはそれらの膜画分に、本発明のタンパク質を接触させた場合と(ii)本発明のタンパク質が作用する組織、細胞またはそれらの膜画分に、本発明のタンパク質および試験化合物を接触させた場合との比較を行うことを特徴とする本発明のタンパク質と組織、細胞またはそれらの膜画分との反応性を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法があげられる。
上記の細胞には株化細胞を用いても良いし、初代培養系を用いても良い。
細胞または組織としては、ヒトやその他の温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サル等)の細胞(例えば、神経細胞、内分泌細胞、神経内分泌細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、肝細胞、脾細胞、メサンギウム細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球、樹状細胞)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞等、もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、唾液腺、末梢血、前立腺、睾丸(精巣)、卵巣、胎盤、子宮、骨、軟骨、関節、骨格筋等を用いても良い。
【0043】
本発明のスクリーニング方法においては、上記した反応性としては、結合量、細胞刺激活性、組織刺激活性などを測定して比較する。結合量を測定する場合、ビアコアなどの測定機器や標識リガンドが用いられる場合もある。後者の場合、例えば、〔H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕、蛍光色素、蛍光タンパク質、ビオチン、β−ガラクトシダーゼやパーオキシダーゼなどの酵素、フラッグなどのタグと呼ばれるペプチドなどで標識された本発明のタンパク質を利用することができる。
本発明の配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質の結合量を調べる場合、それぞれ、タンパクX、GABARAPL1、GATE−16、それらの類似タンパク質、あるいはPEN−2を含有する組織、細胞、その膜画分あるいは粗精製画分などを用いても良い。また、細胞刺激活性としては、細胞の生化学的な変化を伴うものであればどのようなものでも良いが、例えば、アラキドン酸代謝物、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+の遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞外液のpHの低下、細胞膜電位変動、Kチャンネル機能、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、オートファゴソーム形成、神経突起の伸長または崩壊などが挙げられる。組織刺激活性としては、組織の生化学あるいは生理学的な変化を伴うものであればどのようなものでも良いが、例えば、収縮や弛緩活性を挙げることができる。
【0044】
(3−2)本発明のタンパク質の酵素活性に対する阻害剤のスクリーニング法
本発明のタンパク質が酵素活性を有する場合または酵素活性に何らかの関係を有する場合、その活性を指標として、本発明のタンパク質の酵素活性を阻害する化合物(以下、阻害剤と略記する)をスクリーニングできる。
【0045】
(3−3)形質転換体を用いた、本発明のタンパク質の活性に対する阻害剤のスクリーニング法
本発明のタンパク質またはその部分ペプチドをコードするDNAを含有する組換えベクターによる形質転換体を用いて、導入された該DNAに起因する形質転換体の生化学的な変化を指標として、本発明のタンパク質の活性の阻害剤をスクリーニングできる。
形質転換体としては、酵母や細胞が好ましく用いられるが、細胞を用いる場合、親株として、株化細胞を用いても、初代培養系を用いても、さらに、上記(3−1)記載の種々の細胞を用いても良い。上記の導入された該DNAに起因する形質転換体の生化学的な変化の指標としては、検出可能であればどのようなものも指標として用いることが可能である。例えば、該形質転換体が特有に産生している物質(例えば、Aβ)の産生を指標とすることができる。
Aβの測定法には種々の方法が用いられるが、Aβ特異的抗体を用いる免疫化学的方法を用いることが好ましい。これらの方法には、免疫沈降法、ウエスタンブロッテイング、酵素免疫測定法、サンドイッチ型酵素免疫測定法あるいはそれらの組み合わせ方法が用いられる。形質転換体を作製する親株としては、内在性にβAPPを発現しているものでも、あるいは外来性にβAPPあるいはそのフラグメントを導入したものでも、内在性にγ−セクレターゼ活性を有するものでも、プレセニリンなどの導入でγ−セクレターゼ活性を導入したものでも、検出に十分なAβ産生量を示すものであれば、いずれも用いることができる。導入するβAPPやプレセニリンはFAD由来の変異を有していてもかまわない。また、本発明者が作製した、βAPPフラグメントからのAβの産生が促進されることによりピューロマイシンなどの薬剤耐性遺伝子の発現が亢進するよう設計された細胞株を親株として用いた場合、Aβの測定以外にも、ピューロマイシンなどの薬剤耐性を指標として、化合物のスクリーニングを実施することができる。
【0046】
導入された該DNAに起因する形質転換体が特有に産生している物質として、Aβ以外にも例えば、分泌型APPを用いても良い。また、Aβの中でも特にAβ42に注目することもできる。
さらに、上記の導入された該DNAに起因する形質転換体の生化学的な変化の指標として、例えば、アラキドン酸代謝物、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+の遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞外液のpHの低下、細胞膜電位変動、Kチャンネル機能、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性化、オートファゴソーム形成、神経突起の伸長または崩壊などを測定しても良い。
【0047】
(3−4)本発明のタンパク質の発現を阻害する化合物のスクリーニング法
本発明のタンパク質、そのDNA、そのDNAと相補的に結合するアンチセンスDNA、そのDNAを含有する組換えベクターによる形質変換体、または本発明の抗体は、本発明のタンパク質の発現を阻害する化合物のスクリーニング法に用いることができる。
用いる材料としては、本発明のタンパク質を発現している細胞が用いられるが、組織、動物などを用いても良い。その際、株化細胞を用いても、初代培養系を用いても、さらに、上記(3−1)記載の種々の細胞や組織を用いても良い。上記動物には、後述するレポータージーンを導入したノックアウト動物も含まれる。本発明のタンパク質の発現量は抗体などを用いて免疫化学的方法などの公知の方法により測定することもできるし、本発明のタンパク質のmRNAをノザンハイブリダイゼーション法、RT−PCRやTaqMan PCR法を用いて、公知の方法により測定することもできる。
さらに、本発明のタンパク質をコードする遺伝子のプロモーター領域(促進プロモーター、抑制プロモーターなど)とレポーター遺伝子を組み合わせ、プロモーター活性を促進または阻害する化合物をレポータージーンアッセイによりスクリーニングすることができる。その際、親株としては、株化細胞を用いても、初代培養系を用いても、さらに、上記(3−1)記載の種々の細胞を用いても良い。レポーター遺伝子としては、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、成長因子、β−グルクロニダーゼ、アルカリホスファターゼ、Green fluorescent protein(GFP)およびβ−ラクタマーゼなどが好んで用いられる。これらレポーター遺伝子のベクター構築やアッセイ法は公知の技術に従うことができる(例えばMolecular Biotechnology 13, 29−43, 1999)。
【0048】
(4)本発明の抗体を用いる診断剤
本発明の抗体を作製し、各種疾病、とりわけアルツハイマー病の診断に用いることができる。また、それらの抗体を用いて、本発明のタンパク質を定量できるほか、組織染色等による検出を行うこともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab’)、Fab’、あるいはFab画分を用いてもよい。抗体はモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト−マウスキメラ抗体、ヒト抗体、遺伝子工学的に作製されたヒト抗体でも構わない。ヒト抗体は、ヒトミエローマ細胞を用いた細胞融合法やヒトイムノグロブリン遺伝子を導入されたマウスに免疫し、そのマウスの免疫担当細胞をミエローマ細胞と細胞融合することにより作製できる(K. Tomizuka et. Al. Proc. Natl. Acad. Sci. 97, 722−727, 2000)。遺伝子工学的に作製されたヒト抗体には、V領域とV領域を架橋した単鎖抗体も含まれる。
本発明の抗体を用いる本発明のタンパク質の定量法は、特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、本発明のタンパク質量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられる。これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のポリペプチドの測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書等を参照することができる。
【0049】
例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)等を参照することができる。
【0050】
(5)本発明の抗体を含有する医薬
本発明のAβ産生を亢進する作用を有するタンパク質の活性を中和する作用を有する本発明の抗体は、例えば、当該タンパク質の発現過多に起因する疾患、とりわけアルツハイマー病の治療・予防剤等の医薬として使用することができる。抗体はモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト−マウスキメラ抗体、ヒト抗体、遺伝子工学的に作製されたヒト抗体でも構わない。ヒト抗体は、ヒトミエローマ細胞を用いた細胞融合法やヒトイムノグロブリン遺伝子を導入されたマウスに免疫し、そのマウスの免疫担当細胞をミエローマ細胞と細胞融合することにより作製できる。遺伝子工学的に作製されたヒト抗体には、V領域とV領域を架橋した単鎖抗体も含まれる。
【0051】
(6)本発明のタンパク質のワクチン
本発明のタンパク質、それ自身、あるいはキャリアータンパク質とともにワクチンとして免疫し、アルツハイマー病の進展抑制剤あるいは治療剤として用いることができる。キャリアータンパク質としては、生体に対して安全性が高ければどのようなキャリアータンパク質も用いることが可能であるが、例えば、破傷風毒素などが用いられる。
【0052】
(7)本発明のタンパク質に関連した遺伝子診断法
本発明のタンパク質をコードするDNA(プロモーター領域、エクソン、イントロンを含む)またはmRNAの性状に関する情報は、それらの異常(遺伝子異常)が見出された場合、例えばアルツハイマー病に関連した該DNAまたは該mRNAの損傷、突然変異、発現低下、コピー数の増加、発現過多等の異常を検出することを具現化することになるので、遺伝子診断を行う際に有用である。mRNAに関してはスプライシングバリアントの発現増加や低下、或いはmRNAエディティング(C. M. Niswender et. Al. Ann. N. Y. Acad. Sci. 861, 38−48, 1998)による変異導入も考慮される。また染色体上の座位に関する情報は本発明のDNAが関与する遺伝病の研究にも利用できる。本発明のタンパク質をコードするDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(Genomics,第5巻,874〜879頁(1989年)、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,第86巻,2766〜2770頁(1989年)、DNAマイクロアレイ(Science,第270巻,467〜470頁(1995年)、或いはその他の方法(実験医学18巻14号、1894−1906頁、2000年)等により実施することができる。上記のいずれかの手法により該遺伝子の発現増加或いは低下、DNAの突然変異が検出された場合は、各種疾病、とりわけアルツハイマー病に関して罹り易いとか、アルツハイマー病である可能性が高い、等の診断を行うことができる。
特に近年、疾患関連遺伝子を探索する上で非常に重要なツールとしてSNPs(single nucleotide polymorphisms、一塩基多型)と呼ばれる多型マーカーが登場し、疾患へのなり易さ(なり難さ)を規定していたり、薬剤に対する応答性の違い・副作用の違いにも影響するものとしてにわかに注目を集めている。
SNPsのタイピング法としては、その具体的な目的に応じて、直接塩基配列決定法、Invader法、Sniper法、MALDI−TOF/MS法、オリゴSNPチップ法などが挙げられる(実験医学18巻12号、2000年)。
こうした手法により見出された本発明のタンパク質をコードするDNA(プロモーター領域、エクソン、イントロンを含む)に存在するSNPsは、それ自体単独で、或いは他の遺伝子上のSNPsや本発明のDNAと併せて解析することにより、アルツハイマー病に対する罹りやすさの判定や発症時期の予測、或いはアルツハイマー病の診断に有用である。
【0053】
(8)本発明のタンパク質に関連したアンチセンスDNAを含有する医薬
Aβ産生を亢進する本発明のタンパク質をコードするDNAまたはその一部と相補的な塩基配列を含み、当該DNAに相補的に結合し、当該DNAの発現を抑制することができるアンチセンスDNAは、生体内における当該DNAまたはそれにコードされるタンパク質の機能を抑制することができるので、例えば、Aβ産生を亢進するタンパク質の発現過多に起因する疾患、例えば、アルツハイマー病の治療・予防剤として使用することができる。
例えば、該アンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター等の適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って投与することができる。該アンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤等の生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。あるいは、エアロゾル化して吸入剤として気管内に投与することもできる。
さらに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。
【0054】
(9)DNA導入動物を用いたアルツハイマー病の予防・治療薬の評価法
本発明は、外来性の本発明のタンパク質をコードするDNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)またはその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を用いたアルツハイマー病の予防・治療薬の評価法を提供する。
すなわち、本発明は、
(1)本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、
(2)非ヒト哺乳動物がげっ歯動物である第(1)記載の動物、
(3)げっ歯動物がマウスまたはラットである第(2)記載の動物、および
(4)本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換えベクターを提供するものである。
本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、本発明のDNA導入動物と略記する)は、未受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞等に対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法等により目的とするDNAを導入することによって作出することができる。また、該DNA導入方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞等に目的とする本発明の外来性DNAを導入し、細胞培養、組織培養等に利用することもでき、さらに、これら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融合法により融合させることにより本発明のDNA導入動物を作出することもできる。
【0055】
非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラット等が用いられる。なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57BL/6系統,DBA2系統等、交雑系として、B6C3F系統,BDF系統,B6D2F系統,BALB/c系統,ICR系統等)またはラット(例えば、Wistar,SD等)等が好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒト等が挙げられる。
本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩基配列に変異(例えば、突然変異等)が生じたもの、具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換等が生じたDNA等が用いられ、また、異常DNAも含まれる。
該異常DNAとしては、異常な本発明のタンパク質を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発明のタンパク質の機能を抑制するタンパク質を発現させるDNA等が用いられる。
本発明の外来性DNAは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物に導入するにあたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発明のヒトDNAを導入する場合、これと相同性が高い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス等)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンストラクト(例、ベクター等)を対象哺乳動物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによって本発明のDNAを高発現するDNA導入哺乳動物を作出することができる。
【0056】
本発明のタンパク質の発現ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプラスミド、λファージ等のバクテリオファージ、モロニー白血病ウィルス等のレトロウィルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルス等の動物ウイルス等が用いられる。なかでも、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミド等が好ましく用いられる。
上記のDNA発現調節を行うプロモーターとしては、例えば、▲1▼ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイルス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイルス、ポリオウイルス等)に由来するDNAのプロモーター、▲2▼各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス等)由来のプロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、タンパク質鎖延長因子1α(EF−1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブリン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VNP)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケファリンA、バソプレシン等のプロモーター等が用いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサイトメガロウイルスプロモーター、ヒトタンパク質鎖延長因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモーター等が好適である。
【0057】
上記ベクターは、DNA導入哺乳動物において目的とするmRNAの転写を終結する配列(一般にターミネターと呼ばれる)を有していることが好ましく、例えば、ウィルス由来および各種哺乳動物由来の各DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミアンウィルスのSV40ターミネーター等が用いられる。その他、目的とする外来性DNAをさらに高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部等をプロモーター領域の5’上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流に連結することも目的により可能である。
該翻訳領域は導入動物において発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通常のDNA工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの導入は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在することは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを有する。
【0058】
本発明の外来性正常DNAを導入させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの導入は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有する。
導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを過剰に有するように繁殖継代することができる。
本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に本発明のタンパク質の機能亢進症、や、本発明のタンパク質が関連する疾患、例えばアルツハイマー病あるいはアルツハイマー病様病態(例えば、Aβの脳内沈着、PHF−タウ、神経細胞死など)を発症することがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の正常DNA導入動物、その組織およびその細胞を用いて、本発明のタンパク質の機能亢進症や、本発明のタンパク質が関連する疾患、例えばアルツハイマー病あるいはアルツハイマー病様病態(例えば、Aβの脳内沈着、PHF−タウ、神経細胞死など)の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行うことが可能であり、さらに、アルツハイマー病の治療・予防薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
【0059】
一方、本発明の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科として用いることができる。プロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞段階における本発明の異常DNAの導入は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に本発明のタンパク質の機能不活性型不応症となることがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の異常DNA導入動物、その組織およびその細胞を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討や治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。
また、具体的な利用可能性としては、本発明の異常DNA高発現動物は、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症における本発明の異常タンパク質による正常タンパク質の機能阻害(dominant negative作用)を解明するモデルとなる。本発明のタンパク質はAβ産生に密接に関係しており、その発現亢進はAβの産生亢進に繋がっている。一方、この事実は、正常範囲の発現量のタンパク質が、βAPPを含有するγ−セクレターゼ複合体の生理的な役割にも関与している可能性を示唆するものであり、本発明のタンパク質の異常DNA導入動物、およびその組織あるいは細胞は、アルツハイマー病の治療・予防薬の検討に有用である。
【0060】
また、上記2種類の本発明のDNA導入動物のその他の利用可能性として、例えば、
▲1▼組織培養のための細胞源としての使用、
▲2▼本発明のDNA導入動物の組織中のDNAもしくはRNAを直接分析するか、またはDNAにより発現された本発明のタンパク質組織を分析することによる、本発明のタンパク質により特異的に発現あるいは活性化する本発明のタンパク質との関連性についての解析、
▲3▼DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
▲4▼上記▲3▼記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤のスクリーニング、および
▲5▼本発明の変異タンパク質の単離精製およびその抗体作製等が考えられる。
さらに、本発明のDNA導入動物を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症等を含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の臨床症状を調べることができ、また、本発明のタンパク質に関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的疾患の研究および治療に貢献することができる。
【0061】
また、本発明のDNA導入動物から各臓器を取り出し、細切後、トリプシン等のタンパク質(タンパク質)分解酵素により、遊離したDNA導入細胞の取得、その培養またはその培養細胞の系統化を行うことが可能である。さらに、本発明のタンパク質産生細胞の特定化、Aβ産生、アポトーシス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけるシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べること等ができ、本発明のタンパク質およびその作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、本発明のDNA導入動物を用いて、本発明のタンパク質の機能不活性型不応症を含む、本発明のタンパク質に関連する疾患の治療薬の開発を行うために、上述の検査法および定量法等を用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供することが可能となる。また、本発明のDNA導入動物または本発明の外来性DNA発現ベクターを用いて、本発明のタンパク質が関連する疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能である。
【0062】
(10)ノックアウト動物を用いたアルツハイマー病の予防・治療薬の評価法
本発明は、本発明のタンパク質をコードするDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本発明のタンパク質をコードするDNA発現不全非ヒト哺乳動物を用いたアルツハイマー病の予防・治療薬の評価法を提供する。以下、本発明のタンパク質をコードするDNAを略して本発明のDNAと記載することがある。
すなわち、本発明は、
(1)本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、
(3)ネオマイシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、
(4)非ヒト哺乳動物がげっ歯動物である第(1)項記載の胚幹細胞、
(5)げっ歯動物がマウスである第(4)項記載の胚幹細胞、
(6)本発明のDNAが不活性化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、
(7)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がげっ歯動物である第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(9)げっ歯動物がマウスである第(8)項記載の非ヒト哺乳動物、および
(10)第(7)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAに人為的に変異を加えることにより、該DNAの発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしている本発明のタンパク質の活性を実質的に喪失させることにより、DNAが実質的に本発明のタンパク質の発現能を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記する)をいう。
非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
【0063】
本発明のDNAに人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA配列の一部または全部の削除、他DNAを挿入または置換させることによって行うことができる。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエクソンの機能を破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAを単離し、そのエクソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポーター遺伝子等を挿入することによりエクソンの機能を破壊するか、あるいはエクソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、ポリA付加シグナル等)を挿入し、完全なmRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同組換え法により該動物細胞の染色体に導入し、得られたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別することにより得ることができる。
【0064】
また、相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知のEvansとKaufmanの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得する等の目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善したBDFマウス(C57BL/6とDBA/2とのF)を用いて樹立したもの等も良好に用いうる。BDFマウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57BL/6マウスと戻し交配することでその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可能である点で有利に用い得る。
また、ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行うことが望ましい。
ES細胞の雌雄の判定方法としては、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例として挙げることができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするのに約10個の細胞数を要していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行うことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
【0065】
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バンディング法による染色体数の確認等により行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である細胞)に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましくは、約5%炭酸ガス、約95%空気または約5%酸素、約5%炭酸ガス、約90%空気)で約37℃で培養する等の方法で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA溶液(通常約0.001−0.5%トリプシン/約0.1−5mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/約1mM EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法等がとられる。このような継代は、通常1−3日毎に行うが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋等の種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J. EvansおよびM. H. Kaufman, Nature, 第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin, Proc. Natl. Acad. Sci.U.S.A., 第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschman ら、Journal of embryology and experimental morphology, 第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、インビトロにおける本発明のタンパク質の細胞生物学的検討において有用である。
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公知の方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区別することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
【0066】
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウトさせることができる。
本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法による解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定等により選別することにより得られる。このようにして得られた個体は、通常、本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体であり、本発明のタンパク質のヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本発明のタンパク質のホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異のあるものを選択することにより得られる。
【0067】
このようにして本発明のDNAがノックアウトされている個体は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックアウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。
本発明のタンパク質のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のタンパク質のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。
また、本発明のタンパク質のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のタンパク質により誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発明のタンパク質の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明および治療法の検討に有用である。
本発明のタンパク質はAβ産生に密接に関係しており、その発現亢進あるいは抑制はAβの産生亢進に繋がっている。一方、この事実は、正常範囲の発現量の本発明のタンパク質が、βAPPやプレセニリンを含有するγ−セクレターゼ複合体の生理的な役割にも関与している可能性を示唆するものであり、本発明のタンパク質のDNA発現不全非ヒト哺乳動物、およびその組織あるいは細胞は、アルツハイマー病の治療・予防薬の検討に有用である。
【0068】
(11)本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニング方法
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
具体的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
該スクリーニング方法において、試験動物に試験化合物を投与した場合、アルツハイマー病の改善が見られた場合、該試験化合物をアルツハイマー病に対して治療・予防効果を有する化合物として選択することができる。
【0069】
本発明のスクリーニング方法で得られた化合物またはそれから誘導される化合物(以下、本発明のスクリーニング方法で得られた化合物と略記する場合がある)は、塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例アルカリ金属)等との塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩等が用いられる。
(i)本発明のタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩、もしくは(ii)本発明のスクリーニング方法で得られる本発明のタンパク質の機能を阻害する化合物もしくはそれから誘導される化合物またはその塩を含有する医薬は、それ自体または適当な医薬組成物として投与することができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。このような組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
すなわち、例えば、経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等があげられる。このような組成物は公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウム等が用いられる。
また、例えば非経口投与に適する剤形としては、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉注射剤、腹腔内注射剤など)、外用剤(例、経鼻投与剤、経皮投与剤、軟膏剤など)、座剤(例、直腸剤、膣座剤など)、徐放剤(例、徐放性マイクロカプセルなど)、ペレット、点滴剤などが用いられる。
【0070】
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル等)に対して投与することができる。
上記タンパク質または化合物の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルート等により差異はあるが、例えば、アルツハイマー病の治療目的で該化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.01〜1000mg、好ましくは約0.1〜1000mg、さらに好ましくは約1.0〜200mg、より好ましくは約1.0〜50mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患等によっても異なるが、例えば、アルツハイマー病の治療目的で該化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0071】
本発明のタンパク質に対するドミナントネガテイブ体または本発明のタンパク質に対する抗体を含有する上記疾患の治療・予防剤は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医薬組成物として、哺乳動物(例、ヒト、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル等)に対して経口的または非経口的に投与することができる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルート等によっても異なるが、例えば、本発明のドミナントネガテイブ体や抗体を1回量として、通常0.001〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.01〜10mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよい。
本発明のタンパク質AまたはBに対するドミナントネガテイブ体または本発明のタンパク質AまたはBに対する抗体を含有する医薬は、前記のスクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬と同様にして製造することができる。
本発明のタンパク質をコードするDNA、本発明のタンパク質に対するドミナントネガテイブ体をコードするDNAまたは本発明のタンパク質に対するアンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター等の適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って投与することができる。該ポリヌクレオチドまたはアンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤等の生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。あるいは、エアロゾル化して吸入剤として気管内に投与することもできる。
これらDNAまたはアンチセンスDNAの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、本発明のDNAまたはアンチセンスDNAを吸入剤として気管内に局所投与する場合、一般的に成人(体重60kg)においては、一日につき該DNAまたはアンチセンスDNAを約0.1〜100mg投与する。
【0072】
本明細書において、塩基やアミノ酸等を略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸
cDNA :相補的デオキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グアニン
C :シトシン
RNA :リボ核酸
mRNA :メッセンジャーリボ核酸
dATP :デオキシアデノシン三リン酸
dTTP :デオキシチミジン三リン酸
dGTP :デオキシグアノシン三リン酸
dCTP :デオキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジアミン四酢酸
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0073】
Gly :グリシン
Ala :アラニン
Val :バリン
Leu :ロイシン
Ile :イソロイシン
Ser :セリン
Thr :スレオニン
Cys :システイン
Met :メチオニン
Glu :グルタミン酸
Asp :アスパラギン酸
Lys :リジン
Arg :アルギニン
His :ヒスチジン
Phe :フェニルアラニン
Tyr :チロシン
Trp :トリプトファン
Pro :プロリン
Asn :アスパラギン
Gln :グルタミン
pGlu :ピログルタミン酸
Hse :ホモセリン
【0074】
また、本明細書中で繁用される置換基、保護基および試薬を下記の記号で表記する。
Me :メチル基
Et :エチル基
Bu :ブチル基
Ph :フェニル基
TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
Tos :p−トルエンスルフォニル
CHO :ホルミル
Bzl :ベンジル
Cl−Bzl :2,6−ジクロロベンジル
Bom :ベンジルオキシメチル
Z :ベンジルオキシカルボニル
Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル
Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル
Boc :t−ブトキシカルボニル
DNP :ジニトロフェニル
Trt :トリチル
Bum :t−ブトキシメチル
Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール
HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−
1,2,3−ベンゾトリアジン
HONB :1−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0075】
本願明細書の配列表の配列番号は以下の配列を示す。
[配列番号:1]
タンパクXのアミノ酸配列を示す。
[配列番号:2]
タンパクXをコードするcDNAの塩基配列を示す。
[配列番号:3]
GABARAPL1のアミノ酸配列を示す。
[配列番号:4]
GABARAPL1をコードするcDNAの塩基配列を示す。
[配列番号:5]
GATE−16のアミノ酸配列を示す。
[配列番号:6]
GATE−16をコードするcDNAの塩基配列を示す。
[配列番号:7]
GATE−16 variantのアミノ酸配列を示す。
[配列番号:8]
GATE−16 variant DNAの塩基配列を示す。
[配列番号:9]
実施例1で用いたセンスプライマーの塩基配列を示す。
[配列番号:10]
実施例1で用いたアンチセンスプライマーの塩基配列を示す。
[配列番号:11]
参考例1で用いたセンスプライマーの塩基配列を示す。
[配列番号:12]
参考例1で用いたアンチセンスプライマーの塩基配列を示す。
[配列番号:13]
マウスNotch 1の細胞内ドメイン(NICD)のアミノ酸配列を示す。
[配列番号:14]
参考例1で用いたセンスプライマーの塩基配列を示す。
[配列番号:15]
参考例1で用いたアンチセンスプライマーの塩基配列を示す。
[配列番号:16]
参考例1で用いられたDNAオリゴマーの塩基配列を示す。
[配列番号:17]
参考例1で用いられたDNAオリゴマーの塩基配列を示す。
[配列番号:18]
ヒトPEN−2をコードするcDNAの塩基配列を示す。
[配列番号:19]
ヒトPEN−2のアミノ酸配列を示す。
【0076】
後述の参考例1で得られたプラスミドをpCxNC53NICDを保持する形質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5α/pCxNC53NICDは、2001年7月26日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7676として寄託され、さらに、2001年6月19日から大阪府大阪市十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16651として寄託されている。
後述の参考例2で得られたプラスミドpHESpacを保持する形質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5α/pHESpacは、2001年7月26日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7677として寄託され、さらに、2001年6月19日から大阪府大阪市十三本町2丁目17番85号(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16652として寄託されている。
【0077】
【実施例】
以下に、参考例および実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0078】
参考例1 キメラタンパク質C53NICDをコードするDNAの作製
AβのN末端からγ−セクレターゼ切断部位を含むAPP細胞膜領域までのAPPフラグメントのN末端にメチオニンを付加したC53(配列番号:10)をコードするDNAをヒトAPP cDNA(Kang J. et al., Nature 32, 733−736, 1987)を鋳型にPCR法により作製した。配列番号:11で示したオリゴDNAをセンス鎖プライマーとして、配列番号:12で表されるオリゴDNAをアンチセンス鎖プライマーとして用いた。その際、マウスNotch 1の細胞内ドメイン(NICD)(配列番号:13)をコードするDNA断片とのキメラDNAを調製するため、5’側に、KpnI部位、3’側にXbaI部位を導入した。
NICDをコードするDNA断片は、マウスNotch 1 cDNA(Amo FFet al.,Genomics 15, 259−264, 1993)を鋳型にPCR法により以下の方法で調製した。まず、配列番号:14で示したオリゴDNAをセンス鎖プライマー、配列番号:15で表されるオリゴDNAをアンチセンス鎖プライマーとしてPCR法を行うことにより、NICDのN末端からC端側の途中までをコードする短いDNA断片(928bp)を調製した。この断片は、5’側に人工的にXbaI部位を付加しており、また、3’側にはマウスNotch 1 cDNA配列由来のNotI部位を含んでいる。
次に、これにC53をコードするDNA断片をXbaIでつなげ、このキメラDNA断片を、あらかじめKpnIとNotI部位を導入したpCxN(Niwa Het al., Gene 108:193, 1991)に、この部位で挿入した。これにより、C53およびNICDのC端側の途中までをコードしたキメラDNAを含むプラスミドpCxNC53NICDΔCを調製した。
次に、完全長のNICDをコードするDNA断片を調製するため、あらかじめクローニングしたNICDコード領域を含むマウスNotch 1 cDNAのSspI−HindIII断片より、NotI−NotI DNA断片を調製し、これをpCxNC53NICDΔCのNotI部位に挿入した。これにより、C53NICDをコードするキメラDNAが調製され、このキメラDNAを含むプラスミドをpCxNC53NICDと命名した。なお、ベクターとして用いたpCxN(Niwa H et al., Gene 108:193, 1991)は、β−アクチンのプロモーター、ネオマイシン耐性遺伝子をもつプラスミドであるが、pCxNC53NICDを調製するため、pCxNのEcoRI部位に配列番号:16および配列番号:17のDNAオリゴマーを挿入することにより、新たにKpnIとNotI部位を導入して使用した。
【0079】
参考例2 HES−1をプロモーターとするピューロマイシン耐性遺伝子(pac: puromycin−N−acetyl−transferase gene)の作製
HES−1プロモーター(配列番号:18)(Takebayashi K., et al. J Biol Chem .269(7):5150−6, 1994)は、マウス染色体を鋳型とし、PCR法でKpnIとHindIII部位を付加し増幅し調製した。次に、これを、ベクターPGV−B(東洋ビーネット株式会社より購入。TOYO B−Net Co., LTD)のKpnIとHindIII部位に挿入した。このプラスミドをpGV−B−HES−1と命名した。一方、ピューロマイシン耐性遺伝子は、pPUR(クローンテック社)より、制限酵素HindIIIとBamHIでピューロマイシン耐性遺伝子をコードするDNA断片を切り出し調製した。このDNA断片をpGV−B−HES−1のHindIIIとBamHI部位に挿入し、完成したプラスミドをpHESpacと命名した。
【0080】
参考例3 ピューロマイシン耐性遺伝子およびC53NICD cDNA(およびヒトプレセニリン1 cDNA)を恒常的に発現する細胞株:A5−9細胞(およびA5−9−PS1)の樹立
マウスpro−B細胞由来の細胞株、BaF/3細胞(Palacios, R., et al., Cell 41:727, 1985)に上記の構築したプラスミドをエレクトロポレーション法により遺伝子導入した。細胞はネオマイシンおよびピューロマイシン耐性を指標に選択した。得られた形質変換体をA5−9細胞と命名した。さらに、A5−9細胞にヒトプレセニリン1 cDNAを導入した。ヒトプレセニリン1 cDNAは、ヒト脳より調製したcDNAよりPCR法で調製し(Sudoh, S. et al., J. Neurochem. 71:1535, 1998)、SRαプロモーター(Takebe,Y., Mol. Cell.Biol. 8:466, 1988)とハイグロマイシン耐性遺伝子をもつベクターに挿入したのち、エレクトロポレーション法によりA5−9細胞に遺伝子導入した。細胞はハイグロマイシン耐性を指標に選択した。得られた形質変換体をA5−9−PS1細胞と命名した。
【0081】
参考例4 ヒトcDNAライブラリーの作製とA5−9あるいはA5−9−PS1細胞へのトランスフェクション
ヒトcDNAライブラリーは、ヒト海馬由来のmRNA(クローンテック社)より、ギブコ社から市販されているcDNA合成キット(SuperScriptTM Choicesystem)を用いてcDNAを合成し調製した。得られたcDNAは、BstXIアダプター(インビトロゲン社)を付け、レトロウイルスベクター、pMX(Onishi, M. et al., Exp. Hematol. 24:324, 1996)のBstXI部位に導入した。このライブラリーをパッケージング細胞であるPhnenix−Eco細胞にトランスフェクトし、ヒトcDNAライブラリーを含むウイルスを産生させた(Xu X. et al., Nature Genetics. 27:23−29, 2001; Hitoshi Y. et al., Immunity. 8:461−471, 1998 )。このウイルスを既に報告されている方法にしたがい(Kitamura, K. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 92:9146, 1995)、A5−9細胞あるいはA5−9−PS1細胞(それぞれ4×106細胞数)に感染させた。感染効率は、GFP(Green fluoressence protein)をコードするcDNAを同時に感染させて、GFPを発現している細胞の蛍光で解析した。その結果、感染効率はほぼ25%であった。
【0082】
参考例5 Aβ産生を上げる細胞の選択
上記参考例4記載の、レトロウイルスによる感染によりヒト海馬cDNAライブラリーを遺伝子導入されたA5−9細胞あるいはA5−9−PS1細胞を、高濃度のピューロマイシン(A5−9細胞は25μg/ml;A5−9−PS1細胞は9μg/ml)存在下で培養することにより、ピューロマイシン耐性能を獲得した細胞を選択した。用いたピューロマイシン濃度は、親株であるA5−9細胞およびA5−9−PS1細胞が死滅するピューロマイシン最低濃度が、それぞれ20μg/mlおよび5μg/mlであることから決定した。次に、それらの細胞が産生するAβを、高感度ウエスタンブロッティング法(Ida N. et al., J. Biol. Chem. 271:22908, 1996)を用いて測定した。即ち、Aβの検出は、3日間の培養(初期細胞濃度2×10細胞/ml、3ml培地)で培地に分泌されるAβを抗Aβモノクローナル抗体6E10で免疫沈降し、その沈降物を抗Aβ抗体を用いる高感度ウエスタンブロッティング法で検出した。Aβ産生量の比較は、ウエスタンブロッティング法で検出されるAβのバンドの強度を親株の産生するAβ量と比較して判定した。PS1を過剰発現していないA5−9細胞では、16クローンのピューロマイシン耐性細胞が、また、PS1を過剰発現しているA5−9−PS1細胞では、2回のトランスフェクションの結果、合計約60クローンのピューロマイシン耐性細胞が得られた。それらのうち、A5−9細胞では5クローンが、A5−9−PS1では、25クローンがAβ40の産生を上げていることがわかった。
【0083】
実施例1
A5−9を親株とした「アルツハイマー関連遺伝子のスクリーニング方法」(PCT/JP02/00836および上記参考例1〜5参照)により、Aβの産生を上昇するcDNAとして、GATE−16(オリジナル名、GEF2:accession no. AJ010569)に相当するcDNA、GABARAPL1をコードするcDNA、および、機能不明なタンパクXをコードするcDNA(accession no. NP_071360)を同定した。ここで同定したGATE−16は、公知のGATE−16のアミノ酸配列44番目のイソロイシンがアスパラギン酸に置換されていた。以降、これをGATE−16 variant I44Dと表記する。また、GABARAPL1は、ヒト海馬由来のcDNAライブラリーを鋳型として、配列番号:9で表されるセンスプライマーおよび配列番号:10で表されるアンチセンスプライマーを用いたPCR法により、そのcDNAを単離した。
上記のGATE−16、GABARAPL1およびタンパクXについてAβの産生の影響を調べた。その結果を表1および表2に示す。
【0084】
【表1】

Figure 2004215517
【0085】
【表2】
Figure 2004215517
【0086】
その結果、表1に示したように、GATE−16は対照の約2倍のAβ産生増加を示し、GABARAPL1も比較的弱いがAβ産生増加を示した。GATE−16およびGABARAPL1は酵母のオートファージに必要な因子のホモローグであることから、これらの結果は、酵母のオートファジーあるいはそれと類似した細胞内輸送経路が、Aβ産生に関与していることを示唆するものである。また、タンパクXは、85個のアミノ酸よりなる機能不明なタンパクである。この遺伝子を細胞に導入すると、Aβ42の増加率のほうが、Aβ40に比べ高かった(表2)。Aβ42の毒性がAβ40より高いことが知られているが、タンパクXの作用を抑制することにより、Aβ42の産生を抑制できる可能性がある。
以上の結果より、GATE−16、GABARAPL1およびタンパクXはAβの産生を上昇させるため、アルツハイマー病の診断薬として有用である。
【0087】
実施例2
プレセニリンと相互作用し、Notchシグナルに関与するいくつかの因子が、線虫を用いた遺伝学的手法により同定されている(Francis,R. et el., Dev. Cell 3: 85−97, 2002)。また、RNA interference suppression(RNAi)法を用いて、(1)これらの因子がAβ産生に必要なプレセニリン複合体の構成タンパク質であること、(2)これらの因子を欠損すると機能的なプレセニリン複合体が構成されず、Aβ産生が減少することも報告された。本発明では、これらの因子のうちヒトPEN−2遺伝子(accession no. AF220053)(配列番号:18)について検討したところ、表3に示したように、その遺伝子産物(配列番号:19)がAβ産生促進因子であることを見出した。さらに、ヒトPEN−2遺伝子を過剰発現させるとAβ産生を著しく上昇させ、特にAβ42の上昇率がAβ40に比べ著しく高くなることを見出した。この結果は、PEN−2の作用を阻害することにより、Aβ産生ばかりでなくAβ42産生を選択的に抑制できる可能性を示すものである。
以上の結果から、ヒトPEN−2もまた、アルツハイマー病の診断薬として有用である。
【0088】
【表3】
Figure 2004215517
【0089】
【発明の効果】
本発明によって、Aβの産生を制御する遺伝子、すなわちアルツハイマー病関連遺伝子あるいはアルツハイマー病関連候補遺伝子が提供される。それらの遺伝子、それらの遺伝子と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド、それらの遺伝子を含有する組換えベクターによる形質変換体、それらのcDNAがコードするタンパク質、あるいは該タンパク質に対する抗体を用いたアルツハイマー病の診断方法、治療方法および予防方法等が提供される。さらに、該遺伝子、該遺伝子と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド、該遺伝子を含有する組換えベクターによる形質変換体、それらのcDNAがコードするタンパク質、あるいは該タンパク質に対する抗体等を用いたアルツハイマー病の診断剤、治療・予防剤等が提供される。
【0090】
【配列表】
Figure 2004215517
Figure 2004215517
Figure 2004215517
Figure 2004215517
Figure 2004215517
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Figure 2004215517
Figure 2004215517
Figure 2004215517
Figure 2004215517
Figure 2004215517
Figure 2004215517
Figure 2004215517
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to genes and proteins that control the production of amyloid β protein (Aβ) that is deeply involved in the onset and progression of Alzheimer's disease, and uses thereof. Specifically, the present invention relates to a gene controlling Aβ production, a protein encoded by the gene, an antibody against the protein, a drug containing the protein or the antibody thereof, and a method for diagnosing Alzheimer's disease. It relates to prevention and treatment methods.
[0002]
[Prior art]
As pathological features of the brain of Alzheimer's disease patients, accumulation of senile plaques and neurofibrillary tangles are known in addition to the loss of nerve cells. Among these, the earliest pathological change in Alzheimer's disease is the formation of senile plaques, and the main component is Aβ, so that abnormal production or degradation of Aβ is deeply involved in the onset and progression of Alzheimer's disease It is believed that. Aβ is produced by cleavage of β-secretase and γ-secretase from a precursor protein (βAPP). β-secretase has already been identified as a novel aspartic protease (Neuron 27, 419-422, 2000). On the other hand, it has been revealed that familial Alzheimer's disease (FAD) -causing gene, presenilin or a complex containing presenilin is involved in the expression of γ-secretase (Neuron 27, 419-422, 2000). ). Recently, Nicastrin has been reported as a novel transmembrane glycoprotein that forms a complex with presenilin and is involved in the processing of βAPP (Nature 407, 48-54, 2000).
[Non-patent document 1]
Trends in Cell Biology, 8, 447-453, 1998.
[Non-patent document 2]
Touchot, N et al. , FEBS Lett. , 256, 79-84, 1989.
[Non-Patent Document 3]
Seki N. et al. et al. , J. et al. Hum. Genet. , 45, 38-42, 2000
[Non-patent document 4]
Lelias J. M. et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. , 90, 1479-1483, 1993.
[Non-Patent Document 5]
Adra C .; N. , Et al. , Genomics, 24, 188-190, 1994.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the details of γ-secretase are unknown (Neuron 27, 419-422, 2000). Gamma-secretase activity is recovered by anti-presenilin antibodies in large molecular weight fractions, and regulation of that activity may involve many unidentified factors, such as the stabilizing factor of the presenilin N- and C-terminal fragment complexes. it is conceivable that. Furthermore, the processing of βAPP is caused by the secretory pathway transported from the rough endoplasmic reticulum, the Golgi apparatus, etc. to the cell membrane, on the cell membrane, and in the endosome after reuptake into cells (Trends in CellBiology). 8, 447-453, 1998), and it is thought that various factors involved in the intracellular transport system of βAPP may also influence the production of Aβ. Therefore, it is considered that identification of these factors as genes is extremely important because they can be applied to new drugs such as the development of drugs that suppress Aβ production and diagnostic drugs for Alzheimer's disease.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors devised a cell line designed to enhance the expression of a drug resistance gene by promoting the production of Aβ from a βAPP fragment in order to search for a gene that controls the production of Aβ. A patent application has already been filed for the screening method for the Alzheimer's disease-related gene (PCT / JP02 / 00836, filed February 1, 2002). As a result of further studies using this screening method, the present inventors succeeded in specifying five new Alzheimer's disease-related genes, and completed the present invention.
[0005]
That is, the present invention
(1) It is characterized by containing an amino acid sequence identical or substantially identical to the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5 or SEQ ID NO: 19, which enhances Aβ production. A protein or a salt thereof,
(2) a protein comprising an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19, or a salt thereof, which enhances Aβ production;
(3) a partial peptide of the protein according to (1) or (2) or a salt thereof,
(4) a polynucleotide containing a polynucleotide encoding the protein of (1) or (2) or the partial peptide of (3),
(5) the polynucleotide according to (4), which is a DNA;
(6) a DNA containing the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18,
(7) a recombinant vector containing the DNA according to (6),
(8) a transformant transformed with the recombinant vector according to (7),
(9) an antibody against the protein according to (1) or (2) or the partial peptide according to (3),
(10) a diagnostic agent comprising the antibody of the above (9),
(11) The diagnostic agent according to (10) above, which is a diagnostic agent for Alzheimer's disease.
(12) a medicine comprising the antibody according to (9),
(13) the medicament according to the above (12), which is a therapeutic / prophylactic agent for Alzheimer's disease;
(14) a polynucleotide that hybridizes with the polynucleotide according to (4) under conditions of high stringency,
(15) a DNA that hybridizes under high stringent conditions with a DNA containing the base sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8, or SEQ ID NO: 18,
(16) an antisense polynucleotide comprising a nucleotide sequence complementary to the polynucleotide of (4) or a part thereof,
(17) It contains a DNA containing the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18 or a nucleotide sequence complementary to a part thereof Antisense DNA,
(18) A method for screening a compound inhibiting Aβ production or a salt thereof, comprising using the protein according to (1) or (2) or the partial peptide according to (3) or a salt thereof,
(19) a kit for screening a compound inhibiting Aβ production or a salt thereof, comprising the protein according to (1) or (2) or the partial peptide according to (3) or a salt thereof;
(20) a compound or a salt thereof that inhibits Aβ production, obtained by using the screening method according to (18) or the screening kit according to (19);
(21) the polynucleotide according to (4) or (14); the DNA according to (15); or SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8, or SEQ ID NO: 18. A diagnostic agent comprising a DNA containing the represented base sequence,
(22) The diagnostic agent according to (21), which is a diagnostic agent for Alzheimer's disease.
(23) a pharmaceutical comprising the polynucleotide according to (14); or the DNA according to (15),
(24) the medicament according to the above (23), which is a therapeutic / prophylactic agent for Alzheimer's disease;
(25) A therapeutic or prophylactic agent for Alzheimer's disease, comprising a compound or a salt thereof that inhibits the activity of the protein of (1) or (2) or the partial peptide of (3),
(26) Prevention / treatment of Alzheimer's disease, which comprises administering to a patient with Alzheimer's disease a compound or a salt thereof that inhibits the activity of the protein of (1) or (2) or the partial peptide of (3). Method,
(27) Use of a compound or a salt thereof that inhibits the activity of the protein of (1) or (2) or the partial peptide of (3) for producing a therapeutic / prophylactic agent for Alzheimer's disease,
(28) A protein comprising the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 7, or a salt thereof, and the like.
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
(Peptides, proteins, their partial peptides or their salts)
The peptide, protein or salt thereof of the present invention can be prepared from any cells (eg, retinal cells, hepatocytes, etc.) derived from humans or warm-blooded animals (eg, guinea pig, rat, mouse, chicken, rabbit, pig, sheep, cow, monkey, etc.). , Spleen cells, nerve cells, glial cells, pancreatic β cells, bone marrow cells, mesangial cells, Langerhans cells, epidermal cells, epithelial cells, endothelial cells, fibroblasts, fiber cells, muscle cells, fat cells, immune cells (eg, Macrophages, T cells, B cells, natural killer cells, mast cells, neutrophils, basophils, eosinophils, monocytes), megakaryocytes, synovial cells, chondrocytes, osteocytes, osteoblasts, osteoclasts Cells, breast cells, hepatocytes or stromal cells, or precursors of these cells, stem cells or cancer cells) or any tissue in which those cells are present, such as the brain, (E.g., retina, olfactory bulb, amygdala, basal ganglia, hippocampus, thalamus, hypothalamus, cerebral cortex, medulla, cerebellum), spinal cord, pituitary, stomach, pancreas, kidney, liver, gonads, thyroid, gall bladder , Bone marrow, adrenal gland, skin, muscle, lung, digestive tract (eg, large intestine, small intestine), blood vessels, heart, thymus, spleen, submandibular gland, peripheral blood, prostate, testicle, ovary, placenta, uterus, bone, joint, Skeletal muscle or the like, or cells of the blood system or cultured cells thereof (for example, MEL, M1, CTLL-2, HT-2, WEHI-3, HL-60, JOSK-1, K562, ML-1, MOLT-3, MOLT-4, MOLT-10, CCRF-CEM, TALL-1, Jurkat, CCRT-HSB-2, KE-37, SKW-3, HUT-78, HUT-102, H9, U937, THP-1, HEL, JK-1, CMK, KO-812, MEG-01) and proteins derived from any tissue, a recombinant protein, or a synthetic protein.
The protein of the present invention is a protein containing an amino acid sequence identical or substantially identical to the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, or SEQ ID NO: 19.
Examples of the substantially identical amino acid sequence include, for example, about 50% or more, preferably about 70% or more, of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, or SEQ ID NO: 19. Preferably, the amino acid sequence has about 80% or more, more preferably about 90% or more, and most preferably about 95% or more homology. Further, the protein of the present invention contains an amino acid sequence substantially identical to the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, or SEQ ID NO: 19; : 3, a protein having substantially the same activity as the protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 5 or SEQ ID NO: 19, and the like. Substantially the same activity may be any other activity as long as it has the same quality of effect as the protein represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, or SEQ ID NO: 19 in the production of Aβ. May be different.
[0007]
The protein of the present invention includes: (1) one or more (preferably 1 to 30) of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5 or SEQ ID NO: 19; About 2 amino acids, more preferably about 1 to 10, and still more preferably several (1 to 5) amino acids; (2) SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5 Alternatively, one or more (preferably about 1 to 30, more preferably about 1 to 10, and still more preferably several (1 to 5)) amino acids are added to the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 19. 1 or 2 or more (preferably, about 1 to 30 amino acids) in the amino acid sequence represented by the added amino acid sequence, (3) SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, or SEQ ID NO: 19. Preferably 1 to 0 mm, more preferably several (1-5) amino acids) are the amino acid sequence are substituted with other amino acids, or ▲ 4 ▼ like protein containing the amino acid sequence comprising a combination thereof may be used.
Specifically, the protein of the present invention includes a protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, a protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 3, and an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 5. A protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 7, a protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 19, and the like are preferably used.
[0008]
In the protein in this specification, the left end is the N-terminus (amino terminus) and the right end is the C-terminus (carboxyl terminus) in accordance with the convention of peptide labeling. The proteins of the present invention, including the protein having the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, or SEQ ID NO: 19, have a carboxyl group at the C-terminus (-COOH), a carboxylate ( -COO ), Amide (-CONH 2 )) Or an ester (—COOR).
Here, R in the ester is, for example, C, such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl or n-butyl. 1-6 Alkyl groups such as C, cyclopentyl, cyclohexyl, etc. 3-8 Cycloalkyl groups such as phenyl, α-naphthyl and the like; 6-12 Aryl groups, for example phenyl-C such as benzyl, phenethyl, etc. 1-2 An alkyl group or α-naphthyl-C such as α-naphthylmethyl 1-2 C such as an alkyl group 7-14 In addition to aralkyl groups, pivaloyloxymethyl groups commonly used as oral esters are used.
When the protein of the present invention has a carboxyl group (or carboxylate) other than the C-terminus, the protein of the present invention includes a carboxyl group amidated or esterified. As the ester in this case, for example, the above-mentioned C-terminal ester and the like are used.
Furthermore, in the protein of the present invention, the amino group of the methionine residue at the N-terminus in the above-mentioned protein may have a protecting group (for example, C-formyl group, acetyl or the like). 2-6 C such as alkanoyl group 1-6 Acyl group), a glutamyl group formed by cleavage of the N-terminal side in vivo and pyroglutamine oxidation, a substituent on the side chain of an amino acid in the molecule (for example, -OH, -SH, An amino group, an imidazole group, an indole group, a guanidino group, etc. are suitable protecting groups (for example, formyl group, C 2-6 C such as alkanoyl group 1-6 (Eg, an acyl group), or a complex protein such as a so-called glycoprotein to which a sugar chain is bound.
[0009]
The partial peptide of the protein of the present invention (hereinafter, may be abbreviated as a partial peptide) may be any peptide having an amino acid sequence substantially the same as the partial peptide of the protein of the present invention. . The number of amino acids of the partial peptide of the present invention is, for example, at least five of the constituent amino acid sequences represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 described above. Thus, peptides having an amino acid sequence of preferably 20 or more, more preferably 100 or more are preferred.
A substantially identical amino acid sequence is defined as about 50% or more, preferably about 70% or more, more preferably about 80% or more, still more preferably about 90% or more, and most preferably about 95% or more, of these amino acid sequences. 1 shows an amino acid sequence having homology.
[0010]
Further, the partial peptide of the present invention has one or two or more (preferably about 1 to 10, more preferably several (1 to 5)) amino acids in the amino acid sequence, or One or more (preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 10, and still more preferably several (1 to 5)) amino acids are added to the amino acid sequence, or the amino acid One or more (preferably about 1 to 10, more preferably several, and still more preferably about 1 to 5) amino acids in the sequence may be substituted with another amino acid.
In the partial peptide of the present invention, the C-terminus has a carboxyl group (—COOH) and a carboxylate (—COO). ), Amide (-CONH 2 ) Or an ester (—COOR). Here, R in the ester is as defined above.
Further, similar to the above-described protein of the present invention, the partial peptide of the present invention includes those in which the amino group of the methionine residue at the N-terminus is protected by a protective group, and Gln formed by cleavage of the N-terminal side in vivo. Are pyroglutamine-oxidized, those in which the substituent on the side chain of the amino acid in the molecule is protected by an appropriate protecting group, and those in which a sugar chain is bonded, such as a so-called glycopeptide.
Examples of the salt of the protein of the present invention or a partial peptide thereof include a physiologically acceptable salt with an acid or a base, and a physiologically acceptable acid addition salt is particularly preferable. Examples of such salts include salts with inorganic acids (eg, hydrochloric acid, phosphoric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid) or organic acids (eg, acetic acid, formic acid, propionic acid, fumaric acid, maleic acid, succinic acid) And tartaric acid, citric acid, malic acid, oxalic acid, benzoic acid, methanesulfonic acid and benzenesulfonic acid).
[0011]
Obtained by the screening method of the present invention, including the above-mentioned protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19. A peptide, a protein (hereinafter abbreviated as a protein including a peptide) or a salt thereof encoded by the obtained DNA is produced from the aforementioned human or other mammalian cells or tissues by a known peptide or protein purification method. Alternatively, it can be produced by culturing a transformant transformed with a DNA encoding the protein of the present invention described below. Moreover, it can also be produced according to the protein synthesis method described below or according thereto.
When manufacturing from human or other mammalian tissues or cells, the homogenized human or other mammalian tissues or cells are extracted with an acid or the like, and the resulting extract is subjected to reverse phase chromatography, ion exchange. By combining chromatography such as chromatography, the protein of the present invention can be purified and isolated.
[0012]
For the synthesis of the protein of the present invention, its partial peptide, its salt or its amide, a commercially available resin for protein synthesis can be usually used. Examples of such a resin include chloromethyl resin, hydroxymethyl resin, benzhydrylamine resin, aminomethyl resin, 4-benzyloxybenzyl alcohol resin, 4-methylbenzhydrylamine resin, PAM resin, and 4-hydroxymethylmethyl. Phenylacetamidomethyl resin, polyacrylamide resin, 4- (2 ′, 4′-dimethoxyphenyl-hydroxymethyl) phenoxy resin, 4- (2 ′, 4′-dimethoxyphenyl-Fmocaminoethyl) phenoxy resin, and the like. it can. Using such a resin, an amino acid having an α-amino group and a side chain functional group appropriately protected is condensed on the resin in accordance with the sequence of the target protein according to various known condensation methods. At the end of the reaction, the protein is cleaved from the resin, and at the same time, various protecting groups are removed. Further, an intramolecular disulfide bond formation reaction is carried out in a highly diluted solution to obtain a target protein or an amide thereof.
For the condensation of the above protected amino acids, various activating reagents that can be used for protein synthesis can be used, and carbodiimides are particularly preferable. As the carbodiimides, DCC, N, N′-diisopropylcarbodiimide, N-ethyl-N ′-(3-dimethylaminoprolyl) carbodiimide and the like are used. For these activations, the protected amino acid was directly added to the resin together with a racemization inhibitor additive (for example, HOBt, HOOBt), or the protected amino acid was previously activated as a symmetric acid anhydride or HOBt ester or HOOBt ester. It can be added later to the resin.
[0013]
The solvent used for activating the protected amino acid or condensing with the resin can be appropriately selected from solvents known to be usable for the protein condensation reaction. For example, acid amides such as N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N-methylpyrrolidone, halogenated hydrocarbons such as methylene chloride and chloroform, alcohols such as trifluoroethanol, and dimethyl sulfoxide. Examples thereof include sulfoxides, ethers such as pyridine, dioxane, and tetrahydrofuran; nitriles such as acetonitrile and propionitrile; esters such as methyl acetate and ethyl acetate; and appropriate mixtures thereof. The reaction temperature is appropriately selected from a range known to be usable for a protein bond formation reaction, and is usually appropriately selected from a range of about -20 ° C to 50 ° C. The activated amino acid derivative is usually used in a 1.5 to 4-fold excess. As a result of the test using the ninhydrin reaction, if the condensation is insufficient, sufficient condensation can be performed by repeating the condensation reaction without removing the protecting group. When a sufficient condensation cannot be obtained by repeating the reaction, the unreacted amino acid can be acetylated using acetic anhydride or acetylimidazole.
[0014]
Examples of the protecting group for the amino group of the raw material include, for example, Z, Boc, tert-pentyloxycarbonyl, isobornyloxycarbonyl, 4-methoxybenzyloxycarbonyl, Cl-Z, Br-Z, adamantyloxycarbonyl, trifluoroacetyl , Phthaloyl, formyl, 2-nitrophenylsulfenyl, diphenylphosphinothioyl, Fmoc and the like.
The carboxyl group may be, for example, a linear, branched or cyclic alkyl ester such as an alkyl esterified ester (eg, methyl, ethyl, propyl, butyl, tertiary butyl, cyclopentyl, cyclohexyl, cycloheptyl, cyclooctyl, 2-adamantyl). ), Aralkyl esterification (eg, benzyl ester, 4-nitrobenzyl ester, 4-methoxybenzyl ester, 4-chlorobenzyl ester, benzhydryl esterification), phenacyl esterification, benzyloxycarbonylhydrazide, tertiary butoxy It can be protected by carbonylhydrazide, tritylhydrazide and the like.
The hydroxyl group of serine can be protected, for example, by esterification or etherification. As a group suitable for this esterification, for example, a lower alkanoyl group such as an acetyl group, an aroyl group such as a benzoyl group, and a group derived from carbonic acid such as a benzyloxycarbonyl group and an ethoxycarbonyl group are used. Examples of a group suitable for etherification include a benzyl group, a tetrahydropyranyl group, and a t-butyl group.
Examples of the protecting group for the phenolic hydroxyl group of tyrosine include Bzl, Cl 2 -Bzl, 2-nitrobenzyl, Br-Z, tert-butyl and the like are used.
As the imidazole protecting group for histidine, for example, Tos, 4-methoxy-2,3,6-trimethylbenzenesulfonyl, DNP, benzyloxymethyl, Bum, Boc, Trt, Fmoc and the like are used.
[0015]
Examples of the activated carboxyl group of the raw material include, for example, a corresponding acid anhydride, azide, active ester [alcohol (eg, pentachlorophenol, 2,4,5-trichlorophenol, 2,4-dinitrophenol, Cyanomethyl alcohol, paranitrophenol, HONB, N-hydroxysuccinimide, N-hydroxyphthalimide, and an ester with HOBt). As the activated amino group of the raw material, for example, a corresponding phosphoric amide is used.
As a method for removing (eliminating) the protecting group, for example, catalytic reduction in a hydrogen stream in the presence of a catalyst such as Pd-black or Pd-carbon, or hydrogen fluoride anhydride, methanesulfonic acid, trifluoromethane, etc. Acid treatment with dichloromethane, trifluoroacetic acid or a mixture thereof, base treatment with diisopropylethylamine, triethylamine, piperidine, piperazine, etc., reduction with sodium in liquid ammonia, and the like are also used. The elimination reaction by the above-mentioned acid treatment is generally performed at a temperature of about -20 ° C to 40 ° C. -Addition of a cation scavenger such as butanedithiol, 1,2-ethanedithiol and the like is effective. Further, the 2,4-dinitrophenyl group used as an imidazole protecting group of histidine is removed by thiophenol treatment, and the formyl group used as an indole protecting group of tryptophan is the above 1,2-ethanedithiol, 1,4-butane. In addition to deprotection by acid treatment in the presence of dithiol or the like, it is also removed by alkali treatment with dilute sodium hydroxide solution, dilute ammonia or the like.
[0016]
The protection of the functional group that should not be involved in the reaction of the raw materials, the protective group, the elimination of the protective group, the activation of the functional group involved in the reaction, and the like can be appropriately selected from known groups or known means.
As another method for obtaining an amide form of a protein, for example, first, after protecting the α-carboxyl group of the carboxy terminal amino acid by amidation, the peptide (protein) chain is extended to a desired chain length on the amino group side, A protein from which only the protecting group for the N-terminal α-amino group of the peptide chain is removed and a protein from which only the protecting group for the carboxyl group at the C-terminus are removed, and these proteins are mixed in a mixed solvent as described above. To condense. Details of the condensation reaction are the same as described above. After purifying the protected protein obtained by the condensation, all the protecting groups are removed by the above-mentioned method to obtain a desired crude protein. The crude protein is purified by various known purification means, and the main fraction is freeze-dried to obtain an amide of the desired protein.
In order to obtain an ester of a protein, for example, after condensing the α-carboxyl group of the carboxy terminal amino acid with a desired alcohol to form an amino acid ester, an ester of the desired protein is obtained in the same manner as the amide of the protein be able to.
[0017]
The partial peptide of the protein of the present invention or a salt thereof can be produced according to a known peptide synthesis method, or by cleaving the protein of the present invention with an appropriate peptidase. As a method for synthesizing a peptide, for example, any of a solid phase synthesis method and a liquid phase synthesis method may be used. That is, the target peptide can be produced by condensing a partial peptide or amino acid capable of constituting the protein of the present invention with the remaining portion, and when the product has a protecting group, removing the protecting group. Known condensation methods and elimination of protecting groups include, for example, the methods described in the following (1) to (5).
{1} M. Bodanszky and M.A. A. Ondetti, Peptide Synthesis, Interscience Publishers, New York (1966)
(2) Schroeder and Luebke, The Peptide, Academic Press, New York (1965)
(3) Nobuo Izumiya et al., Fundamentals and experiments of peptide synthesis, Maruzen Co., Ltd. (1975)
(4) Haruaki Yajima and Shunpei Sakakibara, Biochemistry Laboratory Course 1, Protein Chemistry IV, 205, (1977)
▲ 5 Supervised by Haruaki Yajima, Development of Continuing Drugs Volume 14 Peptide Synthesis Hirokawa Shoten
After the reaction, the partial peptide of the present invention can be purified and isolated by a combination of ordinary purification methods such as solvent extraction, distillation, column chromatography, liquid chromatography, and recrystallization. When the partial peptide obtained by the above method is a free form, it can be converted to an appropriate salt by a known method, and conversely, when it is obtained by a salt, it can be converted to a free form by a known method. Can be.
[0018]
(Polynucleotide or DNA)
The polynucleotide encoding the protein of the present invention contains the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention described below. It can be prepared similarly to the polynucleotide encoding the protein.
The polynucleotide encoding the protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO :, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention is SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, any one containing a base sequence (DNA or RNA, preferably DNA) encoding a protein having the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19 Is also good. Examples of the polynucleotide include RNAs such as DNAs and mRNAs encoding proteins having an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention. And may be double-stranded or single-stranded. In the case of double-stranded, it may be double-stranded DNA, double-stranded RNA or DNA: RNA hybrid. In the case of a single strand, it may be a sense strand (ie, a coding strand) or an antisense strand (ie, a non-coding strand).
Examples of the DNA encoding the protein having the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention include chromosomal DNA and chromosomal DNA library And any of the above-described cell / tissue-derived cDNA, the above-described cell / tissue-derived cDNA library, and synthetic DNA. The vector used for the library may be any of bacteriophage, plasmid, cosmid, phagemid and the like. Alternatively, it can be directly amplified by Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (hereinafter abbreviated as RT-PCR method) using a preparation of a total RNA or mRNA fraction from the above-described cells / tissues.
Specifically, as the DNA encoding the protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention, for example, DNA containing the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18, or SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, respectively , A nucleotide sequence that hybridizes with the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18 under high stringency conditions, and has SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, Any DNA encoding a protein having an Aβ production enhancing activity substantially the same as the protein having the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19 It may be the one.
Examples of the base sequence capable of hybridizing with the base sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8, or SEQ ID NO: 18 include, for example, SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, About 70% or more, preferably about 80% or more, more preferably about 90% or more, and most preferably about 95% or more homology with the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18. And the like.
[0019]
Hybridization can be performed according to a known method or a method analogous thereto, for example, the method described in Molecular Cloning 2nd (J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989). When a commercially available library is used, it can be performed according to the method described in the attached instruction manual. More preferably, it can be carried out under high stringent conditions.
The high stringent conditions are, for example, conditions in which the sodium concentration is about 19 to 40 mM, preferably about 19 to 20 mM, and the temperature is about 50 to 70 ° C, preferably about 60 to 65 ° C. In particular, the case where the sodium concentration is about 19 mM and the temperature is about 65 ° C. is most preferable.
Part of the base sequence of DNA encoding a protein having the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention; The term "polynucleotide comprising a part of the complementary base sequence" is used not only to include DNA encoding the following partial peptide of the present invention but also to include RNA.
Using a polynucleotide encoding a protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention, for example, a known experiment According to the method described in the special edition of Medical Science “New PCR and its Applications” 15 (7), 1997 or a method analogous thereto, SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: of the present invention. : The mRNA of the protein containing the amino acid sequence represented by 19 can be quantified.
The DNA of the present invention has been obtained by the screening method disclosed in PCT / JP02 / 00836 and the method described in Reference Examples 1 to 5 described below.
[0020]
(Antisense)
According to the present invention, replication or expression of the protein gene containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 can be inhibited. The antisense polynucleotide (nucleic acid) contains the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19, which has been cloned or sequenced. It can be designed and synthesized based on the base sequence information of the DNA encoding the protein to be synthesized. Such a polynucleotide (nucleic acid) hybridizes with RNA of a gene of a protein containing an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19. Which can inhibit the synthesis or function of the RNA or contains the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19. Controls and regulates the expression of a protein gene containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19 through interaction with protein-related RNA can do. A polynucleotide complementary to a selected sequence of a protein-related RNA having an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19; 1, a polynucleotide capable of specifically hybridizing with a protein-related RNA containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19 can be used in vivo and in vivo. It is useful for regulating and controlling the expression of a protein gene containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19. It is useful for treating or diagnosing diseases and the like. Such a polynucleotide is a 5'-end 5'-end of the protein gene containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19. -Base pair repeat, 5 'untranslated region, polypeptide translation initiation codon, protein coding region, ORF translation stop codon, 3' untranslated region, 3 'palindromic region, and 3' hairpin loop are preferred Any region in the protein gene containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19 can be selected and prepared as a target region. Can be selected as
[0021]
The relationship between the target nucleic acid and a polynucleotide complementary to at least a part of the target region, or the relationship between the target nucleic acid and a polynucleotide capable of hybridizing with the target can be said to be “antisense”. Antisense polynucleotides are polydeoxynucleotides containing 2-deoxy-D-ribose, polynucleotides containing D-ribose, N-glycosides of purine or pyrimidine bases and other types of polynucleotides. Or other polymers having non-nucleotide backbones (eg, commercially available proteins, nucleic acids and synthetic sequence-specific nucleic acid polymers) or other polymers containing special bonds, provided that the polymers are found in DNA or RNA Base pairs and nucleotides having a configuration that allows base attachment). They can be double-stranded DNA, single-stranded DNA, double-stranded RNA, single-stranded RNA, and also DNA: RNA hybrids, and can also be unmodified polynucleotides (or unmodified oligonucleotides), or even known. Such as labeled, capped, methylated, one or more naturally-occurring nucleotides replaced by analogs, intramolecular nucleotides Modified, such as those with uncharged bonds (eg, methylphosphonates, phosphotriesters, phosphoramidates, carbamates, etc.), charged or sulfur-containing bonds (eg, phosphorothioates, phosphorodithioates, etc.) ), Such as proteins (nucleases, nuclease inhibitors, ibises) Having side chain groups such as carbohydrates, antibodies, signal peptides, poly-L-lysine, etc. and sugars (eg, monosaccharides), and those having intercalating compounds (eg, acridine, psoralen) Containing chelating compounds (eg, metals, radioactive metals, boron, oxidizing metals, etc.), those containing alkylating agents, those having modified bonds (eg, α-anomeric nucleic acids) Etc.). Here, "nucleoside", "nucleotide", and "nucleic acid" may include not only those containing purine and pyrimidine bases but also those having other modified heterocyclic bases. Such modifications may include methylated purines and pyrimidines, acylated purines and pyrimidines, or other heterocycles. Modified nucleotides and modified nucleotides may also be modified at the sugar moiety, for example, one or more hydroxyl groups are replaced with halogens, aliphatic groups, etc., or converted to functional groups such as ethers, amines, etc. May have been.
[0022]
The antisense polynucleotide (nucleic acid) of the present invention is RNA, DNA, or a modified nucleic acid (RNA, DNA). Specific examples of the modified nucleic acid include, but are not limited to, sulfur derivatives and thiophosphate derivatives of nucleic acids, and those that are resistant to degradation of polynucleoside amides and oligonucleoside amides. The antisense nucleic acid of the present invention can be preferably designed according to the following policy. That is, to make the antisense nucleic acid more stable in the cell, to make the antisense nucleic acid more cell permeable, to have a greater affinity for the target sense strand, and to be more toxic if it is toxic. Minimize the toxicity of sense nucleic acids.
Many such modifications are known in the art. For example, Kawakami et al. , Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992; Vol. 8, pp. 395, 1992; T. Crooke et al. ed. , Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993.
The antisense nucleic acid of the present invention may contain altered or modified sugars, bases or bonds, may be provided in a special form such as liposomes or microspheres, may be applied by gene therapy, It could be provided in an added form. Thus, in the form of addition, polycations such as polylysine which acts to neutralize the charge of the phosphate skeleton, lipids which enhance the interaction with the cell membrane or increase the uptake of nucleic acids ( For example, hydrophobic substances such as phospholipid and cholesterol can be mentioned. Preferred lipids for addition include cholesterol and its derivatives (eg, cholesteryl chloroformate, cholic acid, etc.). These can be attached to the 3 'end or 5' end of the nucleic acid, and can be attached via a base, sugar, or intramolecular nucleoside bond. Other groups include cap groups specifically arranged at the 3 ′ end or 5 ′ end of a nucleic acid for preventing degradation by nucleases such as exonuclease and RNase. Such capping groups include, but are not limited to, hydroxyl-protecting groups known in the art, including glycols such as polyethylene glycol and tetraethylene glycol.
The inhibitory activity of the antisense nucleic acid can be measured by the transformant of the present invention, the in vivo or in vitro gene expression system of the present invention, or SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 7. It can be examined using an in vivo or in vitro translation system of the protein containing the amino acid sequence represented by No.:19. The nucleic acid can be applied to cells by various known methods.
[0023]
The DNA encoding the partial peptide of the present invention may be any DNA containing the above-described nucleotide sequence encoding the partial peptide of the present invention. Further, any of chromosomal DNA, chromosomal DNA library, cDNA derived from the above-described cells / tissues, cDNA library derived from the aforementioned cells / tissues, and synthetic DNA may be used. The vector used for the library may be any of bacteriophage, plasmid, cosmid, phagemid and the like. Alternatively, it can be directly amplified by RT-PCR using an mRNA fraction prepared from the cells and tissues described above.
Specifically, the DNA encoding the partial peptide of the present invention includes, for example, (1) a base represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8, or SEQ ID NO: 18 A DNA having a partial base sequence of the DNA having the sequence, or (2) a high stringency with the base sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18 A protein having a base sequence that hybridizes under the conditions and having an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention. For example, a DNA having a partial base sequence of a DNA encoding a protein having the same Aβ production enhancing activity may be used.
Examples of the nucleotide sequence that can hybridize with the partial nucleotide sequence of the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8, or SEQ ID NO: 18 include, for example, SEQ ID NO: 2, sequence A partial nucleotide sequence of the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18 and about 70% or more, preferably about 80% or more, more preferably about 90% or more, most preferably Is a nucleotide sequence having about 95% or more homology.
[0024]
A protein containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 or a partial peptide thereof (hereinafter, abbreviated as a protein of the present invention) (Sometimes) may be cloned by PCR using a synthetic DNA primer having a partial base sequence of the protein of the present invention, or by cloning the DNA incorporated into an appropriate vector. Selection can be carried out by hybridization with a DNA fragment encoding a part or all of the region of the protein of the present invention or labeled with a synthetic DNA. Hybridization can be performed, for example, according to the method described in Molecular Cloning 2nd (J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989). When a commercially available library is used, it can be performed according to the method described in the attached instruction manual.
[0025]
Substitution of a DNA base sequence can be performed by a known kit, for example, Mutan. TM -G (Takara Shuzo), Mutan TM Using -K (Takara Shuzo) or the like, it can be carried out according to a known method such as the Gapped Duplex method or the Kunkel method or a method analogous thereto.
The cloned DNA encoding the protein of the present invention can be used as it is depending on the purpose, or it can be used after digesting with a restriction enzyme or adding a linker, if desired. The DNA may have ATG as a translation initiation codon at the 5 'end and TAA, TGA or TAG as a translation termination codon at the 3' end. These translation initiation codon and translation termination codon can be added using an appropriate synthetic DNA adapter.
[0026]
(Expression vector)
The expression vector for the protein of the present invention is, for example, (a) cutting out a DNA fragment of interest from a DNA (for example, cDNA) containing a DNA encoding the protein of the present invention, and (b) converting the DNA fragment into an appropriate expression vector. It can be produced by ligating downstream of an internal promoter.
Examples of the vector include Escherichia coli-derived plasmids (eg, pBR322, pBR325, pUC12, pUC13), Bacillus subtilis-derived plasmids (eg, pUB110, pTP5, pC194), yeast-derived plasmids (eg, pSH19, pSH15), λ phage, and the like. In addition to animal viruses such as bacteriophage, retrovirus, vaccinia virus, and baculovirus, pA1-11, pXT1, pRc / CMV, pRc / RSV, pcDNAI / Neo, and the like are used.
The promoter used in the present invention may be any promoter as long as it is appropriate for the host used for gene expression. For example, when an animal cell is used as a host, SRα promoter, SV40 promoter, LTR promoter, CMV promoter, HSV-TK promoter and the like can be mentioned.
Among these, it is preferable to use the CMV promoter, SRα promoter and the like. When the host is Escherichia, trp promoter, lac promoter, recA promoter, λP L When the host is a bacterium belonging to the genus Bacillus, an SPO1 promoter, an SPO2 promoter, a penP promoter, and the like are preferable. When the host is a yeast, a PHO5 promoter, a PGK promoter, a GAP promoter, an ADH promoter, and the like are preferable. When the host is an insect cell, a polyhedrin promoter, a P10 promoter and the like are preferable.
[0027]
In addition to the above, an expression vector containing an enhancer, a splicing signal, a polyA addition signal, a selection marker, an SV40 replication origin (hereinafter sometimes abbreviated as SV40 ori), and the like may be used, if desired. it can. Examples of the selectable marker include a dihydrofolate reductase (hereinafter sometimes abbreviated as dhfr) gene [methotrexate (MTX) resistance] and an ampicillin resistance gene (hereinafter Amp). r Neomycin resistance gene (hereinafter Neo). r G418 resistance). In particular, CHO (dhfr ) When the dhfr gene is used as a selection marker using cells, the target gene can be selected using a thymidine-free medium.
If necessary, a signal sequence suitable for the host is added to the N-terminal side of the protein of the present invention. When the host is a genus Escherichia, a PhoA signal sequence, an OmpA signal sequence, or the like is used. In some cases, MFα signal sequence, SUC2 signal sequence, etc., and when the host is an animal cell, insulin signal sequence, α-interferon signal sequence, antibody molecule, signal sequence, etc. can be used.
[0028]
(Transformant)
A transformant can be produced using the vector containing the DNA encoding the protein of the present invention thus constructed.
As the host, for example, Escherichia, Bacillus, yeast, insect cells, insects, animal cells and the like are used.
Specific examples of Escherichia bacteria include Escherichia coli K12.DH1 [Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 60, 160 (1968)], JM103 [Nucleic Acids Research, 9, 309 (1981)], JA221 [Journal of Molecular Biology, 120, 517 (1978)], HB101 [Journalolgo olegolando]. Vol., 459 (1969)], C600 [Genetics, 39, 440 (1954)] and the like.
As the Bacillus sp., For example, Bacillus subtilis MI114 [Gene, 24, 255 (1983)], 207-21 [Journal of Biochemistry, 95, 87 (1984)] and the like are used. As yeast, for example, Saccharomyces cerevisiae AH22, AH22R , NA87-11A, DKD-5D, 20B-12, Schizosaccharomyces pombe NCYC1913, NCYC2036, Pichia pastoris and the like.
[0029]
When the virus is AcNPV, for example, when the virus is AcNPV, a cell line derived from the larva of Spodoptera litura (Spodoptera frugiperda cell; Sf cell), MG1 cell derived from the midgut of Trichoplusia ni, and Hig derived from egg of Trichoplusia ni ni. TM Cells, cells derived from Maestrabrassicae, cells derived from Estigmena acrea, and the like are used. When the virus is BmNPV, a silkworm-derived cell line (Bombyx mori N; BmN cell) or the like is used. As the Sf cells, for example, Sf9 cells (ATCC CRL 1711), Sf21 cells (Vaughn, JL, et al., In Vivo, 13, 213-217, (1977)) and the like are used.
As the insect, for example, a silkworm larva is used [Maeda et al., Nature, 315, 592 (1985)].
Examples of animal cells include monkey cells COS-7, Vero, Chinese hamster cells CHO (hereinafter abbreviated as CHO cells), and dhfr gene-deficient Chinese hamster cells CHO (hereinafter CHO (dhfr). ) Cells), mouse L cells, mouse AtT-20, mouse myeloma cells, rat GH3, human FL cells, and the like.
[0030]
For transformation of Escherichia, for example, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69, 2110 (1972), and Gene, 17, 107 (1982).
Bacillus spp. Can be transformed, for example, according to the method described in Molecular & General Genetics, vol. 168, 111 (1979).
To transform yeast, see, for example, Methods in Enzymology, Vol. 194, 182-187 (1991), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 75, 1929 (1978).
Insect cells or insects can be transformed, for example, according to the method described in Bio / Technology, 6, 47-55 (1988).
To transform animal cells, for example, see Cell Engineering Separate Volume 8, New Cell Engineering Experiment Protocol. 263-267 (1995) (published by Shujunsha) and Virology, Vol. 52, 456 (1973).
Thus, a transformant transformed with the expression vector containing the DNA encoding the protein of the present invention is obtained.
When culturing a transformant whose host is a genus Escherichia or Bacillus, a liquid medium is suitable as a medium used for the culturing, and among them, a carbon source necessary for growth of the transformant, Nitrogen sources, inorganic substances, etc. are contained. As a carbon source, for example, glucose, dextrin, soluble starch, sucrose, etc.As a nitrogen source, for example, ammonium salts, nitrates, corn steep liquor, peptone, casein, meat extract, soybean meal, potato extract and the like Examples of the inorganic or organic substance and the inorganic substance include calcium chloride, sodium dihydrogen phosphate, and magnesium chloride. In addition, yeast extract, vitamins, growth promoting factors and the like may be added. The pH of the medium is preferably about 5 to 8.
[0031]
As a medium for culturing the genus Escherichia, for example, an M9 medium containing glucose and casamino acids [Miller, Journal of Experiments in Molecular Genetics, 431-433, Cold Spring Harbor Laboratory, N.K., 1972] is preferable. . If necessary, an agent such as 3β-indolylacrylic acid can be added in order to make the promoter work efficiently. When the host is a bacterium belonging to the genus Escherichia, the cultivation is usually performed at about 15 to 43 ° C. for about 3 to 24 hours, and if necessary, aeration and stirring can be added.
When the host is a bacterium belonging to the genus Bacillus, the cultivation is usually performed at about 30 to 40 ° C. for about 6 to 24 hours, and if necessary, aeration and stirring may be added.
When culturing a transformant in which the host is yeast, for example, a Burkholder minimum medium (Bostian, KL et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77, 4505) 1980)) and an SD medium containing 0.5% casamino acid (Bitter, GA, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81, 5330 (1984)). Preferably, the pH of the medium is adjusted to about 5-8. The cultivation is usually performed at about 20 ° C. to 35 ° C. for about 24 to 72 hours, and if necessary, aeration or stirring is added.
[0032]
When culturing a transformant in which the host is an insect cell or an insect, the medium used is 10% inactivated by Grace's Insect Medium (Grace, TCC, Nature, 195, 788 (1962)). Those to which additives such as bovine serum are appropriately added are used. The pH of the medium is preferably adjusted to about 6.2 to 6.4. The cultivation is usually performed at about 27 ° C. for about 3 to 5 days, and if necessary, aeration and / or agitation are added.
When culturing a transformant in which the host is an animal cell, examples of the medium include a MEM medium containing about 5 to 20% fetal bovine serum [Science, Vol. 122, 501 (1952)], a DMEM medium [Virology, 8, 396 (1959)], RPMI 1640 medium [The Journal of the American Medical Association, Vol. Are used. Preferably, the pH is between about 6 and 8. The cultivation is usually performed at about 30 ° C. to 40 ° C. for about 15 to 60 hours, and if necessary, aeration and stirring are added.
As described above, the protein of the present invention can be produced on the cell membrane of the transformant.
[0033]
(Protein separation and purification)
The protein of the present invention can be separated and purified from the culture by, for example, the following method.
When extracting the protein of the present invention from the cultured cells or cells, after the culture, the cells or cells are collected by a known method, suspended in an appropriate buffer, and sonicated, lysozyme and / or freeze-thawed. After the cells or cells are destroyed by the method described above, a method of obtaining a crude extract of the protein of the present invention by centrifugation or filtration is used as appropriate. In a buffer, a protein denaturant such as urea or guanidine hydrochloride, or Triton X-100 is used. TM And the like. When the protein of the present invention is secreted into the culture solution, after completion of the culture, the supernatant is separated from the cells or cells by a known method, and the supernatant is collected.
Purification of the protein of the present invention contained in the thus obtained culture supernatant or extract can be carried out by appropriately combining known separation and purification methods. These known separation and purification methods include methods utilizing solubility such as salting out and solvent precipitation, dialysis, ultrafiltration, gel filtration, and SDS-polyacrylamide gel electrophoresis, mainly molecular weight. Using differences in charge, methods using charge differences such as ion exchange chromatography, methods using specific affinity such as affinity chromatography, and using differences in hydrophobicity such as reversed-phase high-performance liquid chromatography A method utilizing a difference between isoelectric points, such as an isoelectric focusing method, is used.
[0034]
When the thus-obtained protein of the present invention is obtained in a free form, it can be converted to a salt by a known method or a method analogous thereto, and conversely, when it is obtained in a salt, a known method is used. Alternatively, it can be converted to a free form or another salt by a method analogous thereto.
The protein of the present invention produced by the recombinant can be arbitrarily modified or partially removed by applying an appropriate protein modifying enzyme before or after purification. As the protein modifying enzyme, for example, trypsin, chymotrypsin, arginyl endopeptidase, protein kinase, glycosidase and the like are used.
The activity of the protein of the present invention or a salt thereof thus produced is determined by a binding experiment with a labeled ligand, an enzyme immunoassay using a specific antibody, an enzymatic activity, a signal transduction activity, a substance transport activity, a substance permeation activity, Aβ It can be measured by production enhancing activity or the like.
[0035]
(antibody)
An antibody against the protein of the present invention or a partial peptide thereof or a salt thereof (hereinafter, sometimes abbreviated as the protein of the present invention) may be polyclonal as long as it can recognize the protein of the present invention or a partial peptide thereof or a salt thereof. Any of an antibody and a monoclonal antibody may be used.
Antibodies against the protein of the present invention or its partial peptide or a salt thereof (hereinafter sometimes abbreviated as the protein of the present invention) are produced by using the protein of the present invention as an antigen according to a known antibody or antiserum production method. be able to.
[0036]
[Preparation of monoclonal antibody]
(A) Preparation of monoclonal antibody-producing cells
The protein of the present invention is administered to a mammal at a site capable of producing an antibody upon administration by itself or together with a carrier or diluent. Complete Freund's adjuvant or incomplete Freund's adjuvant may be administered in order to enhance the antibody-producing ability upon administration. Administration is usually performed once every 2 to 6 weeks, for a total of about 2 to 10 times. Examples of mammals to be used include monkeys, rabbits, dogs, guinea pigs, mice, rats, sheep and goats, and mice and rats are preferably used.
When producing monoclonal antibody-producing cells, a warm-blooded animal immunized with the antigen, for example, an individual having an antibody titer was selected from a mouse, and the spleen or lymph node was collected 2 to 5 days after the final immunization. By fusing the contained antibody-producing cells with myeloma cells, a monoclonal antibody-producing hybridoma can be prepared. The antibody titer in the antiserum can be measured, for example, by reacting a labeled protein described below with the antiserum, and then measuring the activity of a labeling agent bound to the antibody. The fusion operation can be carried out according to a known method, for example, the method of Kohler and Milstein [Nature, 256, 495 (1975)]. Examples of the fusion promoter include polyethylene glycol (PEG) and Sendai virus, but PEG is preferably used.
Examples of myeloma cells include NS-1, P3U1, SP2 / 0 and the like, and P3U1 is preferably used. The preferred ratio between the number of antibody-producing cells (spleen cells) and the number of myeloma cells used is about 1: 1 to 20: 1, and PEG (preferably PEG1000 to PEG6000) is added at a concentration of about 10 to 80%. Incubation at about 20 to 40 ° C., preferably about 30 to 37 ° C. for about 1 to 10 minutes allows efficient cell fusion.
[0037]
Various methods can be used for screening a monoclonal antibody-producing hybridoma. For example, a hybridoma culture supernatant is added to a solid phase (eg, a microplate) on which a protein antigen is directly or adsorbed together with a carrier, and then the radioactive substance is added. A method for detecting monoclonal antibodies bound to a solid phase by adding an anti-immunoglobulin antibody (anti-mouse immunoglobulin antibody is used when the cells used for cell fusion are mice) or protein A A method in which a hybridoma culture supernatant is added to a solid phase on which an immunoglobulin antibody or protein A is adsorbed, a protein labeled with a radioactive substance, an enzyme, or the like is added, and a monoclonal antibody bound to the solid phase is detected.
The selection of monoclonal antibody-producing hybridomas can be carried out according to a known method or a method analogous thereto. Usually, the selection can be carried out in a medium for animal cells to which HAT (hypoxanthine, aminopterin, thymidine) is added. As a selection and breeding medium, any medium can be used as long as the hybridoma can grow. For example, RPMI 1640 medium containing 1 to 20%, preferably 10 to 20% fetal bovine serum, GIT medium (Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) containing 1 to 10% fetal bovine serum, or serum-free for hybridoma culture A medium (SFM-101, Nissui Pharmaceutical Co., Ltd.) or the like can be used. The culturing temperature is usually 20 to 40 ° C, preferably about 37 ° C. The culturing time is usually 5 days to 3 weeks, preferably 1 week to 2 weeks. The culture can be usually performed under 5% carbon dioxide gas. The antibody titer of the hybridoma culture supernatant can be measured in the same manner as the measurement of the antibody titer in the antiserum described above.
[0038]
(B) Purification of monoclonal antibodies
Monoclonal antibodies can be separated and purified by immunoglobulin separation and purification methods [eg, salting out, alcohol precipitation, isoelectric precipitation, electrophoresis, ion exchangers (eg, DEAE) adsorption / desorption method, ultracentrifugation method, gel filtration method, specific purification method in which an antibody alone is collected using an antigen-binding solid phase or an active adsorbent such as protein A or protein G, and the bond is dissociated to obtain the antibody. Can be performed according to
[0039]
(Preparation of polyclonal antibody)
The polyclonal antibody of the present invention can be produced according to a known method or a method analogous thereto. For example, a complex of an immunizing antigen (the protein antigen of the present invention) and a carrier protein is formed, and a mammal is immunized in the same manner as in the above-described method for producing a monoclonal antibody. And can be produced by separating and purifying the antibody.
Regarding a complex of an immunizing antigen and a carrier protein used to immunize a mammal, the type of the carrier protein and the mixing ratio of the carrier and the hapten should be such that the antibody can be efficiently produced against the hapten immunized by crosslinking the carrier. Any kind may be cross-linked at any ratio. For example, bovine serum albumin, bovine thyroglobulin, keyhole limpet hemocyanin, etc. may be used in a weight ratio of about 0.1 to 20 with respect to 1 hapten. Preferably, a method of coupling at a ratio of about 1 to 5 is used.
Various coupling agents can be used for coupling the hapten and the carrier. For example, glutaraldehyde, carbodiimide, a maleimide active ester, an active ester reagent containing a thiol group or a dithioviridyl group, or the like is used.
The condensation product is administered to a warm-blooded animal itself or together with a carrier or diluent at a site where antibody production is possible. Complete Freund's adjuvant or incomplete Freund's adjuvant may be administered in order to enhance the antibody-producing ability upon administration. The administration can usually be performed once every about 2 to 6 weeks, for a total of about 3 to 10 times. The polyclonal antibody can be collected from the blood, ascites, etc., preferably from the blood of the mammal immunized by the above method.
The polyclonal antibody titer in the antiserum can be measured in the same manner as the measurement of the antibody titer in the serum described above. The separation and purification of the polyclonal antibody can be performed according to the same immunoglobulin separation and purification method as the above-mentioned separation and purification of the monoclonal antibody.
[0040]
Hereinafter, a DNA that enhances the production of Aβ of the present invention (a DNA of the present invention), an antisense DNA having a nucleotide sequence complementary to the DNA, a transformant containing a recombinant vector containing the DNA, The use of the encoded protein, its partial peptide or its salt (the protein of the present invention) and the antibody of the present invention will be described.
(1) Tissue markers for Alzheimer's disease
Since the protein of the present invention is also expressed in the brain of Alzheimer's disease patients, it can be used as a tissue marker for Alzheimer's disease. Further, the present invention can be used for detection or fractionation of a peptide, protein or DNA that selectively binds to the protein of the present invention.
(2) An agent for treating or preventing various diseases related to the protein of the present invention
The dominant-negative form of the protein having an action of enhancing Aβ production of the present invention can be used as a drug such as an agent for treating or preventing Alzheimer's disease.
The dominant-negative body may be any of those having a part of the amino acid sequence substituted or deleted, those having an amino acid added to the amino acid sequence, or those having a combination of substitution, deletion, and addition. The effect of enhancing production is lost or attenuated.
This dominant negative body can be prepared by a general genetic engineering technique. For example, the nucleotide sequence of the DNA encoding the protein of the present invention can be determined by using a known kit, for example, Mutan. TM -G (Takara Shuzo), Mutan TM Using -K (Takara Shuzo) or the like, the protein can be produced according to a known method such as the Gapped Duplex method or the Kunkel method or a method analogous thereto, and then produced according to the above-described method for producing the protein of the present invention.
In addition, the fact that the effect of enhancing Aβ production is lost or attenuated can be determined by confirming the effect of enhancing the Aβ production of a dominant negative body or a DNA encoding the same using the screening method of the present invention.
[0041]
(3) Screening method for drug candidate compounds against Alzheimer's disease
The compound or a salt thereof that inhibits the function (activity) of a protein having an action of enhancing Aβ production of the present invention can be used as a drug such as an agent for treating or preventing Alzheimer's disease. Therefore, the protein of the present invention and its DNA are useful as reagents for screening compounds or salts thereof that inhibit the function (activity) of the protein of the present invention.
That is, the present invention uses the protein of the present invention, its DNA, an antisense DNA that complementarily binds to the DNA, a transformant transformed with a recombinant vector containing the DNA, or the antibody of the present invention. A method for screening a compound that inhibits the function (activity) of the protein of the present invention (hereinafter, may be abbreviated as an inhibitor) is provided.
In addition, the screening kit of the present invention includes a protein of the present invention, its DNA, an antisense DNA that complementarily binds to the DNA, a transformant transformed with a recombinant vector containing the DNA, or the present invention. And the like.
Specific examples of the above screening method include the following.
[0042]
(3-1) A method for screening a compound that inhibits the reaction between the protein of the present invention and a tissue, a cell, or a membrane fraction thereof
(I) the case where the protein of the present invention is brought into contact with the tissue, cell or membrane fraction thereof on which the protein of the present invention acts; and (ii) the tissue, cell or membrane fraction thereof on which the protein of the present invention acts. A compound or a salt thereof that inhibits the reactivity of the protein of the present invention with a tissue, a cell or a membrane fraction thereof, which is compared with a case where the protein of the present invention and a test compound are brought into contact with each other. Screening methods.
Cell lines may be used as the above cells, or a primary culture system may be used.
Examples of cells or tissues include human and other warm-blooded animals (eg, guinea pigs, rats, mice, chickens, rabbits, pigs, sheep, cows, monkeys, etc.) (eg, neurons, endocrine cells, neuroendocrine cells, Glial cells, pancreatic β cells, bone marrow cells, hepatocytes, spleen cells, mesangial cells, epidermal cells, epithelial cells, endothelial cells, fibroblasts, fiber cells, muscle cells, adipocytes, immune cells (eg, macrophages, T cells , B cells, natural killer cells, mast cells, neutrophils, basophils, eosinophils, monocytes, dendritic cells), megakaryocytes, synovial cells, chondrocytes, osteocytes, osteoblasts, osteoclasts Cells, mammary gland cells, or stromal cells, or precursor cells, stem cells, or cancer cells of these cells, or any tissue in which these cells are present, such as the brain, various parts of the brain (eg, olfactory bulb, amygdala, Basal sphere, hippocampus, thalamus, hypothalamus, cerebral cortex, medulla, cerebellum), spinal cord, pituitary, stomach, pancreas, kidney, liver, gonad, thyroid, gallbladder, bone marrow, adrenal gland, skin, muscle, lung, digestive tract (Eg, large intestine, small intestine), blood vessels, heart, thymus, spleen, salivary gland, peripheral blood, prostate, testicle (testis), ovary, placenta, uterus, bone, cartilage, joint, skeletal muscle, and the like may be used.
[0043]
In the screening method of the present invention, as the above-mentioned reactivity, the amount of binding, cell stimulating activity, tissue stimulating activity and the like are measured and compared. When measuring the amount of binding, a measuring device such as Biacore or a labeled ligand may be used. In the latter case, for example, [ 3 H], [ 125 I], [ 14 C], [ 35 S], a fluorescent dye, a fluorescent protein, biotin, an enzyme such as β-galactosidase or peroxidase, or a protein of the present invention labeled with a peptide called a tag such as a flag.
When examining the binding amount of the protein having the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7, or SEQ ID NO: 19 of the present invention, protein X, GABARAPL1, Tissues and cells containing GATE-16, their analogous proteins, or PEN-2, and their membrane fractions or crudely purified fractions may also be used. The cell stimulating activity may be any as long as it involves a biochemical change in the cell. For example, arachidonic acid metabolite, acetylcholine release, intracellular Ca 2+ Release, intracellular cAMP production, intracellular cGMP production, inositol phosphate production, decrease in extracellular fluid pH, cell membrane potential fluctuation, K + Examples include channel functions, intracellular protein phosphorylation, activation of c-fos, autophagosome formation, neurite outgrowth or collapse, and the like. The tissue stimulating activity may be any activity as long as it involves a biochemical or physiological change in the tissue, and examples thereof include contraction and relaxation activities.
[0044]
(3-2) Screening method for inhibitor of enzyme activity of protein of the present invention
When the protein of the present invention has an enzyme activity or has any relationship with the enzyme activity, compounds that inhibit the enzyme activity of the protein of the present invention (hereinafter abbreviated as inhibitors) can be screened using the activity as an index.
[0045]
(3-3) Method for screening for inhibitor of activity of protein of the present invention using transformant
Using a transformant with a recombinant vector containing a DNA encoding the protein of the present invention or a partial peptide thereof, the biochemical change of the transformant caused by the introduced DNA is used as an indicator, and Inhibitors of the activity of the protein can be screened.
As the transformant, yeast and cells are preferably used. When cells are used, cell lines or primary culture systems may be used as parent strains, and further, various cells described in the above (3-1) may be used. May be used. As an index of the biochemical change of the transformant caused by the introduced DNA, any detectable index can be used as the index. For example, the production of a substance (for example, Aβ) uniquely produced by the transformant can be used as an index.
Although various methods are used for measuring Aβ, it is preferable to use an immunochemical method using an Aβ-specific antibody. These methods include immunoprecipitation, western blotting, enzyme immunoassay, sandwich enzyme immunoassay, or a combination thereof. The parent strain for producing the transformant may be one that endogenously expresses βAPP, one that exogenously introduces βAPP or a fragment thereof, one that has endogenous γ-secretase activity, presenilin, etc. Any of those into which γ-secretase activity has been introduced by introducing γ-secretase can be used as long as they show sufficient Aβ production for detection. ΒAPP or presenilin to be introduced may have a mutation derived from FAD. When a cell line prepared by the present inventors and designed to enhance the expression of a drug resistance gene such as puromycin by promoting the production of Aβ from the βAPP fragment was used as a parent strain, the measurement of Aβ was performed. Alternatively, compound screening can be performed using drug resistance such as puromycin as an index.
[0046]
As a substance specifically produced by the transformant resulting from the introduced DNA, for example, secretory APP may be used in addition to Aβ. Further, among Aβ, Aβ42 can be particularly noticed.
Further, as an indicator of the biochemical change of the transformant caused by the introduced DNA, for example, arachidonic acid metabolite, acetylcholine release, intracellular Ca 2+ Release, intracellular cAMP production, intracellular cGMP production, inositol phosphate production, decrease in extracellular fluid pH, cell membrane potential fluctuation, K + Channel function, phosphorylation of intracellular protein, activation of c-fos, autophagosome formation, neurite outgrowth or collapse, and the like may be measured.
[0047]
(3-4) Screening method for compound that inhibits expression of protein of the present invention
The protein of the present invention, its DNA, an antisense DNA that binds complementarily to the DNA, a transformant using a recombinant vector containing the DNA, or a compound that inhibits the expression of the protein of the present invention Can be used for the screening method.
As the material to be used, cells expressing the protein of the present invention are used, but tissues, animals, and the like may be used. At that time, a cell line, a primary culture system, or various cells or tissues described in (3-1) above may be used. The above-mentioned animals include knockout animals into which a reporter gene described below has been introduced. The expression level of the protein of the present invention can be measured by a known method such as an immunochemical method using an antibody or the like, or the mRNA of the protein of the present invention can be measured by Northern hybridization, RT-PCR or TaqMan PCR. And can be measured by a known method.
Furthermore, the promoter region (promoter promoter, repressor promoter, etc.) of the gene encoding the protein of the present invention can be combined with a reporter gene, and compounds that promote or inhibit the promoter activity can be screened by a reporter gene assay. At that time, as the parent strain, a cell line, a primary culture system, or various cells described in the above (3-1) may be used. As the reporter gene, chloramphenicol acetyltransferase (CAT), β-galactosidase, luciferase, growth factor, β-glucuronidase, alkaline phosphatase, Green fluorescein protein (GFP) and β-lactamase are preferably used. Vector construction and assay of these reporter genes can be performed according to a known technique (for example, Molecular Biotechnology 13, 29-43, 1999).
[0048]
(4) Diagnostic agent using the antibody of the present invention
The antibody of the present invention can be prepared and used for diagnosis of various diseases, especially Alzheimer's disease. In addition to using these antibodies, the protein of the present invention can be quantified, and can also be detected by tissue staining or the like. For these purposes, the antibody molecule itself may be used, and the F (ab ') 2 , Fab ′ or Fab fraction may be used. The antibody may be a monoclonal antibody, a polyclonal antibody, a human-mouse chimeric antibody, a human antibody, or a genetically engineered human antibody. Human antibodies can be prepared by a cell fusion method using human myeloma cells or by immunizing a mouse into which a human immunoglobulin gene has been introduced, and fusing the immunocompetent cells of the mouse with myeloma cells (K. Tomizuka et. Al. Proc. Natl. Acad. Sci. 97, 722-727, 2000). Genetically engineered human antibodies include V H Region and V L Also included are single-chain antibodies with cross-linked regions.
The method for quantifying the protein of the present invention using the antibody of the present invention is not particularly limited, and may be an antibody, an antigen, or an antibody-antigen corresponding to the amount of the antigen in the liquid to be measured (eg, the amount of the protein of the present invention). Any measurement method may be used as long as the amount of the complex is detected by chemical or physical means, and this is calculated from a standard curve prepared using a standard solution containing a known amount of antigen. . For example, nephelometry, a competitive method, an immunometric method, and a sandwich method are suitably used. In applying these individual immunological measurement methods to the quantification method of the present invention, no special conditions, operations, and the like need to be set. What is necessary is just to construct the measuring system of the polypeptide of the present invention by adding ordinary technical considerations of those skilled in the art to ordinary conditions and operation methods in each method. For details of these general technical means, reference can be made to reviews and books.
[0049]
For example, Hiroe Irie, "Radio Immunoassay" (Kodansha, published in 1974), Hiroshi Irie, "Radio Immunoassay" (Kodansha, published in 1974), Eiji Ishikawa et al., "Enzyme Immunoassay" (Medical Shoin, Showa Ed. Ishikawa et al., “Enzyme Immunoassay” (2nd edition) (Issue Shoin, 1982), Eiji Ishikawa et al. “Enzyme Immunoassay” (Third Edition), 3rd edition (Medical Shoin, Showa) 62)), "Methods in ENZYMOLOGY" Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A)), ibid., Vol. 73 (Immunochemical Technologies (Part B)), ibid., Vol. 74 (Immunochemical Technologies (Part C)), ibid., Vol. 84 (Immunochemical Technologies (Part D: Selected Immunoassays)), ibid., Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Part E: Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods)), ibid., Vol. 121 (Immunochemical Techniques (Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies)) (above, published by Academic Press).
[0050]
(5) Drug containing the antibody of the present invention
The antibody of the present invention, which has the action of neutralizing the activity of the protein having the action of enhancing Aβ production of the present invention, can be used as, for example, a medicament such as an agent for treating or preventing a disease caused by overexpression of the protein, especially Alzheimer's disease. Can be used as The antibody may be a monoclonal antibody, a polyclonal antibody, a human-mouse chimeric antibody, a human antibody, or a genetically engineered human antibody. Human antibodies can be prepared by a cell fusion method using human myeloma cells or by immunizing a mouse into which a human immunoglobulin gene has been introduced, and fusing the immunocompetent cells of the mouse with myeloma cells. Genetically engineered human antibodies include V H Region and V L Also included are single-chain antibodies with cross-linked regions.
[0051]
(6) Vaccine of the protein of the present invention
It can be immunized as a vaccine with the protein of the present invention itself or with a carrier protein, and used as an agent for suppressing the progress of Alzheimer's disease or a therapeutic agent. As the carrier protein, any carrier protein can be used as long as it is highly safe for the living body. For example, tetanus toxin and the like are used.
[0052]
(7) Gene diagnosis method relating to the protein of the present invention
Information on the properties of the DNA (including the promoter region, exons, and introns) or the mRNA encoding the protein of the present invention may be obtained when such abnormalities (genetic abnormalities) are found, for example, when the DNA or Alzheimer's disease-related abnormalities are found. It is useful for performing genetic diagnosis because it can be used to detect abnormalities such as mRNA damage, mutation, decreased expression, increased copy number, and excessive expression. With respect to mRNA, increased or decreased expression of splicing variants, or mutagenesis by mRNA editing (CM Nisender et. Al. Ann. NY Acad. Sci. 861, 38-48, 1998) are also considered. . In addition, information on loci on the chromosome can be used for studying genetic diseases involving the DNA of the present invention. The above-mentioned genetic diagnosis using the DNA encoding the protein of the present invention can be performed, for example, by the known Northern hybridization or PCR-SSCP method (Genomics, Vol. 5, pp. 874-879 (1989), Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 86, 2766-2770 (1989), DNA microarray (Science, 270, 467-470 (1995)), or other methods (Experimental Medicine 18:14) , Pp. 1894-1906, 2000), etc. If any of the above-described methods detect an increase or decrease in the expression of the gene or a mutation in the DNA, various diseases may occur. Especially Toka susceptible respect Alzheimer's disease, is likely to be Alzheimer's disease, it can be diagnosed like.
In particular, in recent years, polymorphic markers called SNPs (single nucleotide polymorphisms) have emerged as a very important tool in searching for disease-related genes, and define the susceptibility to disease (probability of becoming a disease). And is also attracting attention as a factor that affects differences in responsiveness and side effects to drugs.
Examples of the typing method of SNPs include a direct nucleotide sequencing method, an Invader method, a Sniper method, a MALDI-TOF / MS method, an oligo SNP chip method, and the like, depending on the specific purpose (Experimental Medicine Vol. 18, No. 12). , 2000).
The SNPs present in the DNA (including the promoter region, exons, and introns) encoding the protein of the present invention found by such a technique can be used alone or in combination with SNPs on other genes or the DNA of the present invention. This analysis is useful for determining the susceptibility to Alzheimer's disease, predicting the onset time, or diagnosing Alzheimer's disease.
[0053]
(8) A medicine containing antisense DNA related to the protein of the present invention
An antisense DNA comprising a DNA encoding the protein of the present invention that promotes Aβ production or a base sequence complementary to a part thereof and binding to the DNA complementarily and capable of suppressing the expression of the DNA, Since the function of the DNA or the protein encoded by the DNA in the living body can be suppressed, it is used as an agent for treating or preventing a disease caused by excessive expression of a protein that enhances Aβ production, for example, Alzheimer's disease. Can be.
For example, the antisense DNA can be administered alone or after insertion into an appropriate vector such as a retrovirus vector, an adenovirus vector, an adenovirus associated virus vector or the like, and then administered according to a conventional method. The antisense DNA can be administered as it is or in the form of a formulation together with a physiologically acceptable carrier such as an adjuvant for promoting uptake, and can be administered using a gene gun or a catheter such as a hydrogel catheter. Alternatively, it can be aerosolized and administered as an inhalant into the trachea.
Furthermore, the antisense DNA can also be used as a diagnostic oligonucleotide probe for examining the presence of the DNA of the present invention in tissues or cells and the state of its expression.
[0054]
(9) Method for evaluating drug for preventing or treating Alzheimer's disease using DNA-introduced animal
The present invention relates to a non-protein having a DNA encoding an exogenous protein of the present invention (hereinafter abbreviated as the exogenous DNA of the present invention) or a mutant DNA thereof (sometimes abbreviated as the exogenous mutant DNA of the present invention). Provided is a method for evaluating a preventive / therapeutic agent for Alzheimer's disease using a human mammal.
That is, the present invention
(1) a non-human mammal having the exogenous DNA of the present invention or a mutant DNA thereof,
(2) the animal according to (1), wherein the non-human mammal is a rodent;
(3) the animal according to (2), wherein the rodent is a mouse or a rat;
(4) It is intended to provide a recombinant vector containing the exogenous DNA of the present invention or its mutant DNA and capable of being expressed in mammals.
Non-human mammals having the exogenous DNA of the present invention or the mutant DNA thereof (hereinafter abbreviated as the DNA-transfected animal of the present invention) can be used for non-fertilized eggs, fertilized eggs, germ cells including spermatozoa and their progenitor cells, and the like. And preferably at the stage of embryonic development in non-human mammal development (more preferably at the stage of single cells or fertilized eggs and generally before the 8-cell stage), the calcium phosphate method, the electric pulse method, the lipofection method, the agglutination method, It can be produced by introducing a target DNA by a microinjection method, a particle gun method, a DEAE-dextran method, or the like. Further, by the DNA introduction method, the exogenous DNA of the present invention can be introduced into somatic cells, organs of living organisms, tissue cells, and the like, and used for cell culture, tissue culture, and the like. The DNA-transfected animal of the present invention can also be produced by fusing the above-mentioned germ cells with a known cell fusion method.
[0055]
As the non-human mammal, for example, cow, pig, sheep, goat, rabbit, dog, cat, guinea pig, hamster, mouse, rat and the like are used. Among them, rodents, which are relatively short in ontogeny and biological cycle in terms of the preparation of diseased animal model systems, and are easy to breed, especially mice (for example, hybrids such as C57BL / 6 strain, DBA2 strain, etc. as pure strains) B6C3F as a system 1 System, BDF 1 System, B6D2F 1 Strain, BALB / c strain, ICR strain, etc.) or rat (eg, Wistar, SD etc.) is preferred.
"Mammals" in a recombinant vector that can be expressed in mammals include humans and the like in addition to the above-mentioned non-human mammals.
The exogenous DNA of the present invention refers not to the DNA of the present invention originally possessed by non-human mammals, but to the DNA of the present invention once isolated and extracted from the mammal.
As the mutant DNA of the present invention, those having a mutation (eg, mutation) in the base sequence of the original DNA of the present invention, specifically, base addition, deletion, substitution with another base, etc. The resulting DNA or the like is used, and also includes abnormal DNA.
The abnormal DNA means a DNA that expresses an abnormal protein of the present invention. For example, a DNA that expresses a protein that suppresses the function of the normal protein of the present invention is used.
The exogenous DNA of the present invention may be derived from a mammal that is the same or different from the animal of interest. When introducing the DNA of the present invention into a target animal, it is generally advantageous to use the DNA as a DNA construct linked downstream of a promoter capable of being expressed in animal cells. For example, when the human DNA of the present invention is introduced, DNA derived from various mammals (eg, rabbits, dogs, cats, guinea pigs, hamsters, rats, mice, etc.) having the DNA of the present invention having high homology thereto is expressed. Highly expressing the DNA of the present invention by microinjecting a DNA construct (eg, vector, etc.) in which the human DNA of the present invention is bound downstream of various promoters that can be made into a fertilized egg of a target mammal, for example, a mouse fertilized egg. DNA-introduced mammals can be created.
[0056]
Examples of expression vectors for the protein of the present invention include plasmids derived from Escherichia coli, plasmids derived from Bacillus subtilis, plasmids derived from yeast, bacteriophages such as λ phage, retroviruses such as Moloney leukemia virus, animal viruses such as vaccinia virus or baculovirus. Are used. Among them, a plasmid derived from Escherichia coli, a plasmid derived from Bacillus subtilis or a plasmid derived from yeast are preferably used.
Examples of the promoter that regulates the DNA expression include, for example, a promoter of a DNA derived from a virus (eg, Simian virus, cytomegalovirus, Moloney leukemia virus, JC virus, breast cancer virus, polio virus, etc.); ▼ Promoters derived from various mammals (human, rabbit, dog, cat, guinea pig, hamster, rat, mouse, etc.), for example, albumin, insulin II, uroplakin II, elastase, erythropoietin, endothelin, muscle creatine kinase, glial fibrillary acid Protein, glutathione S-transferase, platelet-derived growth factor β, keratins K1, K10 and K14, collagen types I and II, cyclic AMP-dependent protein kinase βI subunit, dystrophin , Tartrate-resistant alkaline phosphatase, atrial natriuretic factor, endothelial receptor tyrosine kinase (commonly abbreviated as Tie2), sodium potassium adenosine 3 kinase (Na, K-ATPase), neurofilament light chain, metallothionein I and IIA , Metalloproteinase 1 tissue inhibitor, MHC class I antigen (H-2L), H-ras, renin, dopamine β-hydroxylase, thyroid peroxidase (TPO), protein chain elongation factor 1α (EF-1α), β actin, α and β myosin heavy chains, myosin light chains 1 and 2, myelin basic protein, thyroglobulin, Thy-1, immunoglobulin, heavy chain variable region (VNP), serum amyloid P component, myoglobin, troponin C, smooth muscle α activator , Preproenkephalin A, promoters such as vasopressin are used. Among them, a cytomegalovirus promoter that can be highly expressed throughout the body, a promoter of human protein chain elongation factor 1α (EF-1α), human and chicken β-actin promoters and the like are preferable.
[0057]
The vector preferably has a sequence that terminates the transcription of the target mRNA in a DNA-transfected mammal (generally called a terminator). For example, the sequence of each DNA derived from a virus and from various mammals is used. Preferably, a Simian virus SV40 terminator or the like is used. In addition, a splicing signal of each DNA, an enhancer region, a part of an intron of eukaryotic DNA, and the like are placed 5 ′ upstream of the promoter region, between the promoter region and the translation region, or between the translation region for the purpose of further expressing the desired foreign DNA. It is also possible to connect 3 ′ downstream of the above depending on the purpose.
The translation region can be prepared as a DNA construct that can be expressed in an introduced animal by a usual DNA engineering technique in which the translation region is ligated downstream of the promoter and, if desired, upstream of the transcription termination site.
Introduction of the exogenous DNA of the present invention at the fertilized egg cell stage is ensured to be present in all germ cells and somatic cells of the target mammal. The presence of the exogenous DNA of the present invention in the germinal cells of the produced animal after the introduction of the DNA means that all progeny of the produced animal will retain the exogenous DNA of the present invention in all of the germ cells and somatic cells. means. The progeny of such animals that have inherited the exogenous DNA of the present invention have the exogenous DNA of the present invention in all of their germinal and somatic cells.
[0058]
The non-human mammal into which the exogenous normal DNA of the present invention has been introduced can be subcultured in a normal breeding environment as an animal having the DNA after confirming that the exogenous DNA is stably retained by mating. .
Introduction of the exogenous DNA of the present invention at the fertilized egg cell stage is ensured to be present in excess in all germ cells and somatic cells of the target mammal. Excessive presence of the exogenous DNA of the present invention in the germinal cells of the produced animal after DNA introduction means that all the offspring of the produced animal have the exogenous DNA of the present invention in all of their germinal and somatic cells. Means Progeny of such animals that have inherited the exogenous DNA of the present invention have an excess of the exogenous DNA of the present invention in all of their germinal and somatic cells.
By obtaining a homozygous animal having the introduced DNA on both homologous chromosomes and mating the male and female animals, all offspring can be bred to have the DNA in excess.
The non-human mammal having the normal DNA of the present invention has a high level of expression of the normal DNA of the present invention, and eventually promotes the function of the endogenous normal DNA, so that hyperactivity of the protein of the present invention ultimately occurs. Or a disease associated with the protein of the present invention, such as Alzheimer's disease or Alzheimer's disease-like pathology (eg, Aβ deposition in brain, PHF-tau, neuronal cell death, etc.), and used as a pathological model animal can do. For example, using the normal DNA-introduced animal of the present invention, its tissue, and its cells, hyperactivity of the protein of the present invention and diseases associated with the protein of the present invention, such as Alzheimer's disease or Alzheimer's disease-like pathology (eg, Aβ Elucidation of pathological mechanisms of brain deposition, PHF-tau, neuronal cell death, etc.) and investigation of treatment methods for these diseases, and screening tests for therapeutic / prophylactic drugs for Alzheimer's disease. Is also available.
[0059]
On the other hand, a non-human mammal having the exogenous abnormal DNA of the present invention can be subcultured in an ordinary breeding environment as an animal having the DNA after confirming that the exogenous DNA is stably maintained by mating. Furthermore, the desired foreign DNA can be incorporated into the above-described plasmid and used as a source material. The DNA construct with the promoter can be prepared by a usual DNA engineering technique. Introduction of the abnormal DNA of the present invention at the fertilized egg cell stage is ensured to be present in all germ cells and somatic cells of the target mammal. The presence of the abnormal DNA of the present invention in the germinal cells of the produced animal after the introduction of the DNA means that all the offspring of the produced animal have the abnormal DNA of the present invention in all of its germ cells and somatic cells. The offspring of such animals that have inherited the exogenous DNA of the present invention have the abnormal DNA of the present invention in all of their germinal and somatic cells. A homozygous animal having the introduced DNA on both homologous chromosomes is obtained, and by crossing these male and female animals, it is possible to breed the cells so that all offspring have the DNA.
The non-human mammal having the abnormal DNA of the present invention, in which the abnormal DNA of the present invention is highly expressed, inhibits the function of the endogenous normal DNA, and finally the functionally inactive form of the protein of the present invention. It can be refractory and can be used as a model animal for the disease. For example, using the abnormal DNA-introduced animal of the present invention, its tissue, and its cells, to elucidate the pathological mechanism of the function-inactive refractory of the protein of the present invention, to examine a method of treating this disease, and to conduct a therapeutic drug screening test. Is also available.
Further, as a specific possibility, the abnormal DNA-highly expressing animal of the present invention exhibits a function of inhibiting the normal protein function (dominant negative action) by the abnormal protein of the present invention in the inactive refractory disease of the protein of the present invention. A model to elucidate. The protein of the present invention is closely related to Aβ production, and its increased expression leads to enhanced Aβ production. On the other hand, this fact suggests that the protein expressed in the normal range may be involved in the physiological role of the βAPP-containing γ-secretase complex. The DNA-introduced animal and its tissue or cells are useful for studying a therapeutic / prophylactic agent for Alzheimer's disease.
[0060]
In addition, other possible uses of the two kinds of the DNA-introduced animals of the present invention include, for example,
(1) Use as a cell source for tissue culture,
{Circle around (2)} Specific expression or activity of the protein of the present invention by directly analyzing DNA or RNA in the tissue of the animal into which the DNA of the present invention has been introduced, or by analyzing the protein tissue of the present invention expressed by DNA. Analysis of the relationship with the protein of the present invention,
{Circle around (3)} The cells of a tissue having DNA are cultured by standard tissue culture techniques, and these are used to study the function of cells from tissues that are generally difficult to culture.
(4) screening for a drug that enhances the function of the cell by using the cell described in (3) above, and
{Circle around (5)} Isolation and purification of the mutant protein of the present invention and production of its antibody can be considered.
Furthermore, using the DNA-introduced animal of the present invention, it is possible to examine the clinical symptoms of diseases related to the protein of the present invention, including the inactive refractory type of the protein of the present invention, etc. More detailed pathological findings in each organ of the disease model related to the disease can be obtained, which can contribute to the development of a new treatment method, and further to the research and treatment of a secondary disease caused by the disease.
[0061]
It is also possible to take out each organ from the DNA-introduced animal of the present invention, cut it into small pieces, and then use a proteinase such as trypsin to obtain the released DNA-introduced cells, culture them, or systematize the cultured cells. It is possible. Furthermore, the protein producing cell of the present invention can be identified, Aβ production, apoptosis, the relationship with differentiation or proliferation, or the signal transduction mechanism thereof can be examined, and their abnormalities can be examined. It is an effective research material for elucidating the action.
Further, in order to develop a therapeutic agent for a disease associated with the protein of the present invention, including a functionally inactive refractory disease of the protein of the present invention, using the DNA-transfected animal of the present invention, It is possible to provide an effective and rapid screening method for a therapeutic agent for the disease by using a method or the like. In addition, using the DNA-introduced animal of the present invention or the exogenous DNA expression vector of the present invention, it is possible to examine and develop a DNA treatment method for a disease associated with the protein of the present invention.
[0062]
(10) Method of evaluating preventive / therapeutic agent for Alzheimer's disease using knockout animal
The present invention relates to a prophylactic / therapeutic agent for Alzheimer's disease using a non-human mammalian embryonic stem cell in which the DNA encoding the protein of the present invention is inactivated and a non-human mammal deficient in expression of the DNA encoding the protein of the present invention. Provides an evaluation method. Hereinafter, the DNA encoding the protein of the present invention may be abbreviated as the DNA of the present invention.
That is, the present invention
(1) a non-human mammalian embryonic stem cell in which the DNA of the present invention has been inactivated,
(2) the embryonic stem cell according to (1), wherein the DNA is inactivated by introducing a reporter gene (eg, a β-galactosidase gene derived from Escherichia coli);
(3) the embryonic stem cell according to (1), which is neomycin-resistant;
(4) the embryonic stem cell according to (1), wherein the non-human mammal is a rodent;
(5) The embryonic stem cell according to (4), wherein the rodent is a mouse,
(6) a non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention, wherein the DNA is inactivated;
(7) The DNA is inactivated by introducing a reporter gene (eg, a β-galactosidase gene derived from Escherichia coli), and the reporter gene can be expressed under the control of a promoter for the DNA of the present invention (6). The non-human mammal according to the item,
(8) the non-human mammal according to (6), wherein the non-human mammal is a rodent;
(9) the non-human mammal according to (8), wherein the rodent is a mouse; and
(10) A method for screening a compound or a salt thereof that promotes or inhibits promoter activity on DNA of the present invention, which comprises administering a test compound to the animal according to (7) and detecting expression of a reporter gene. I will provide a.
A non-human mammalian embryonic stem cell in which the DNA of the present invention has been inactivated is an artificially mutated DNA of the present invention possessed by the non-human mammal, which suppresses the expression ability of the DNA, or By substantially eliminating the activity of the protein of the present invention encoded by the DNA, the DNA does not substantially have the ability to express the protein of the present invention (hereinafter, referred to as the knockout DNA of the present invention. A) embryonic stem cells of non-human mammals (hereinafter abbreviated as ES cells).
As the non-human mammal, the same one as described above is used.
[0063]
The method of artificially mutating the DNA of the present invention can be carried out, for example, by deleting a part or all of the DNA sequence and inserting or substituting another DNA by a genetic engineering technique. With these mutations, for example, the knockout DNA of the present invention may be prepared by shifting the codon reading frame or disrupting the function of the promoter or exon.
Specific examples of the non-human mammalian embryonic stem cells in which the DNA of the present invention has been inactivated (hereinafter abbreviated as the DNA-inactivated ES cells of the present invention or the knockout ES cells of the present invention) include, for example, The DNA of the present invention possessed by a non-human mammal is isolated, and its exon portion is a drug resistance gene represented by a neomycin resistance gene or a hygromycin resistance gene, or lacZ (β-galactosidase gene), cat (chloramphenicol acetyl). The exon function is destroyed by inserting a reporter gene or the like represented by a transferase gene), or a DNA sequence that terminates gene transcription (for example, a polyA addition signal) is inserted into an intron between exons. Results in the inability to synthesize complete mRNA A DNA strand having a DNA sequence constructed so as to disrupt the gene (hereinafter abbreviated as a targeting vector) is introduced into the chromosome of the animal cell by, for example, homologous recombination, and the obtained ES cell is subjected to the DNA of the present invention. The DNA sequence on or near the probe is analyzed by Southern hybridization analysis or the PCR method using the DNA sequence on the targeting vector and the DNA sequence of the neighboring region other than the DNA of the present invention used for the preparation of the targeting vector as primers, It can be obtained by selecting the knockout ES cells of the present invention.
[0064]
As the original ES cells for inactivating the DNA of the present invention by the homologous recombination method or the like, for example, those already established as described above may be used, or according to the known method of Evans and Kaufman. May be newly established. For example, in the case of mouse ES cells, currently, 129-line ES cells are generally used. For example, for the purpose of obtaining ES cells in which BDF is clearly known, for example, BDF in which the number of eggs collected from C57BL / 6 mice or C57BL / 6 has been improved by hybridization with DBA / 2 1 Mouse (F of C57BL / 6 and DBA / 2) 1 ) Can also be used favorably. BDF 1 In addition to the advantage that the number of eggs collected and the eggs are robust, the mice have C57BL / 6 mice as a background, and thus, the ES cells obtained using the C57BL / 6 mice were used to produce C57BL / 6 mice. It can be used advantageously in that it is possible to replace its genetic background with C57BL / 6 mice by backcrossing with / 6 mice.
In addition, when ES cells are established, blastocysts 3.5 days after fertilization are generally used. In addition, a large number of blastocysts can be efficiently obtained by collecting embryos at the 8-cell stage and culturing them up to blastocysts. Early embryos can be obtained.
Although either male or female ES cells may be used, male ES cells are generally more convenient for producing a germline chimera. It is also desirable to discriminate between males and females as soon as possible in order to reduce complicated culture labor.
As a method of determining the sex of ES cells, for example, a method of amplifying and detecting a gene in the sex-determining region on the Y chromosome by PCR can be mentioned. Using this method, conventionally, it has been necessary to carry out about 10 6 Since the number of ES cells was required, the number of ES cells of about 1 colony (approximately 50) was sufficient, so that the primary selection of ES cells in the initial stage of culture can be performed by sex discrimination. In addition, by enabling selection of male cells at an early stage, labor in the initial stage of culture can be significantly reduced.
[0065]
The secondary selection can be performed, for example, by confirming the number of chromosomes by the G-banding method. The number of chromosomes in the obtained ES cells is desirably 100% of the normal number. However, when it is difficult due to physical operations at the time of establishment, after knocking out the gene of the ES cells, the normal cells (for example, chromosomes in mice) are knocked out. It is desirable to clone again into cells (number 2n = 40).
The embryonic stem cell line obtained in this way usually has very good growth properties, but it must be carefully subcultured because it tends to lose its ontogenic ability. For example, on a suitable feeder cell such as STO fibroblast, in the presence of LIF (1-10000 U / ml) in a carbon dioxide incubator (preferably about 5% carbon dioxide, about 95% air or about 5% oxygen). And about 5% carbon dioxide gas, about 90% air) at about 37 ° C., and at the time of subculture, for example, trypsin / EDTA solution (usually about 0.001-0.5% trypsin / about A single cell is prepared by treatment with 0.1-5 mM EDTA (preferably, about 0.1% trypsin / about 1 mM EDTA) and seeded on a newly prepared feeder cell. Such passage is usually performed every 1 to 3 days. At this time, it is desired to observe the cells and, if any morphologically abnormal cells are found, discard the cultured cells.
ES cells are differentiated into various types of cells such as parietal muscle, visceral muscle, myocardium, etc. under appropriate conditions by monolayer culture up to high density or suspension culture until cell clumps are formed. [M. J. Evans and M.E. H. Kaufman, Nature, 292, 154, 1981; R. Martin, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 78, 7634, 1981; C. Doetschman et al., Journal of embryology and experimental morphology, Vol. 87, p. 27, 1985], and the DNA-deficient cell of the present invention obtained by differentiating the ES cell of the present invention is a cell culture of the protein of the present invention in vitro. Is useful in clinical studies.
The non-human mammal deficient in DNA expression of the present invention can be distinguished from a normal animal by measuring the mRNA level of the animal using a known method and indirectly comparing the expression level.
As the non-human mammal, those similar to the aforementioned can be used.
[0066]
The non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention is, for example, a DNA in which the targeting vector prepared as described above is introduced into a mouse embryonic stem cell or a mouse egg cell, and the DNA of the targeting vector of the present invention is inactivated by the introduction. The DNA of the present invention can be knocked out by homologous recombination in which the sequence replaces the DNA of the present invention on the chromosome of mouse embryonic stem cells or mouse egg cells by gene homologous recombination.
Cells in which the DNA of the present invention has been knocked out can be used as a DNA sequence on a Southern hybridization analysis or targeting vector using the DNA sequence on or near the DNA of the present invention as a probe, and the DNA of the present invention derived from the mouse used for the targeting vector. The determination can be made by analysis by a PCR method using a DNA sequence of a nearby region other than DNA as a primer. When a non-human mammalian embryonic stem cell is used, a cell line in which the DNA of the present invention has been inactivated by gene homologous recombination is cloned, and the cell is cultured at an appropriate time, for example, at the 8-cell stage of a non-human mammalian stem cell. The chimeric embryo is injected into an animal embryo or a blastocyst, and the produced chimeric embryo is transplanted into the uterus of the pseudopregnant non-human mammal. The produced animal is a chimeric animal composed of both cells having the normal DNA locus of the present invention and cells having the artificially mutated DNA locus of the present invention. When a part of the germ cells of the chimeric animal has the mutated DNA locus of the present invention, all the tissues are artificially mutated from the population obtained by crossing such a chimeric individual with a normal individual. It can be obtained by selecting individuals composed of cells having the added DNA locus of the present invention, for example, by judging coat color or the like. The individual thus obtained is usually an individual with a heterozygous expression of the protein of the present invention, which is crossed with an individual with a heterozygous expression of the protein of the present invention, and homozygous expression of the protein of the present invention from their offspring. Defective individuals can be obtained.
When an egg cell is used, for example, a transgenic non-human mammal having a targeting vector introduced into a chromosome can be obtained by injecting a DNA solution into a nucleus of an egg by a microinjection method, and these transgenic non-human mammals can be obtained. Compared to mammals, they can be obtained by selecting those having a mutation in the DNA locus of the present invention by homologous recombination.
[0067]
In this manner, the individual in which the DNA of the present invention has been knocked out can be bred in an ordinary breeding environment after confirming that the DNA of the animal obtained by the breeding is also knocked out.
Furthermore, the germline can be obtained and maintained in accordance with a conventional method. That is, by crossing male and female animals having the inactivated DNA, a homozygous animal having the inactivated DNA on both homologous chromosomes can be obtained. The obtained homozygous animal can be efficiently obtained by rearing the mother animal in such a manner that there are one normal animal and one homozygote. By mating male and female heterozygous animals, homozygous and heterozygous animals having the inactivated DNA are bred and subcultured.
A non-human mammalian embryonic stem cell in which the DNA of the protein of the present invention has been inactivated is extremely useful for producing a non-human mammal deficient in expression of the DNA of the protein of the present invention.
In addition, since non-human mammals deficient in DNA expression of the protein of the present invention lack various biological activities that can be induced by the protein of the present invention, diseases caused by inactivation of the biological activity of the protein of the present invention. It is useful for investigating the causes of these diseases and examining treatment methods.
The protein of the present invention is closely related to Aβ production, and its enhanced or suppressed expression leads to enhanced Aβ production. On the other hand, this fact suggests that the protein of the present invention having an expression level in the normal range may be involved in the physiological role of the γ-secretase complex containing βAPP or presenilin. The non-human mammal deficient in expression of the DNA of the protein of the present invention, and its tissues or cells are useful for studying a drug for treating or preventing Alzheimer's disease.
[0068]
(11) A method for screening a compound having a therapeutic / preventive effect against diseases caused by DNA deficiency or damage of the present invention
The non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention can be used for screening for a compound having a therapeutic / preventive effect against diseases caused by deficiency or damage of the DNA of the present invention.
That is, the present invention is characterized by administering a test compound to a non-human mammal deficient in expressing the DNA of the present invention, and observing and measuring a change in the animal. Provided is a method for screening a compound or a salt thereof having a therapeutic / prophylactic effect against a disease.
Examples of the non-human mammal deficient in expressing DNA of the present invention used in the screening method include the same ones as described above.
Test compounds include, for example, peptides, proteins, non-peptidic compounds, synthetic compounds, fermentation products, cell extracts, plant extracts, animal tissue extracts, plasma, and the like. These compounds are novel compounds. Or a known compound.
Specifically, a non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention is treated with a test compound, compared with a non-treated control animal, and tested using the change in each organ, tissue, disease symptoms, etc. of the animal as an index. Compounds can be tested for their therapeutic and prophylactic effects.
As a method of treating a test animal with a test compound, for example, oral administration, intravenous injection and the like are used, and it can be appropriately selected according to the symptoms of the test animal, the properties of the test compound, and the like. The dose of the test compound can be appropriately selected according to the administration method, the properties of the test compound, and the like.
In the screening method, when a test compound is administered to a test animal and Alzheimer's disease is improved, the test compound can be selected as a compound having a therapeutic / preventive effect on Alzheimer's disease.
[0069]
The compound obtained by the screening method of the present invention or a compound derived therefrom (hereinafter sometimes abbreviated as a compound obtained by the screening method of the present invention) may form a salt, As the salt, a salt with a physiologically acceptable acid (eg, an inorganic acid or an organic acid) or a base (eg, an alkali metal) is used, and a physiologically acceptable acid addition salt is particularly preferable. Such salts include, for example, salts with inorganic acids (eg, hydrochloric acid, phosphoric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid) or organic acids (eg, acetic acid, formic acid, propionic acid, fumaric acid, maleic acid, succinic acid) Acids, tartaric acid, citric acid, malic acid, oxalic acid, benzoic acid, methanesulfonic acid, benzenesulfonic acid) and the like are used.
(I) a drug containing the protein of the present invention, a partial peptide thereof or a salt thereof, or (ii) a compound inhibiting the function of the protein of the present invention obtained by the screening method of the present invention, a compound derived therefrom, or a salt thereof. Can be administered by itself or as a suitable pharmaceutical composition. The pharmaceutical composition used for the above administration contains the above or a salt thereof and a pharmacologically acceptable carrier, diluent or excipient. Such compositions are provided in dosage forms suitable for oral or parenteral administration.
That is, for example, compositions for oral administration include solid or liquid dosage forms, specifically tablets (including sugar-coated tablets and film-coated tablets), pills, granules, powders, capsules (soft capsules and the like). Syrup, emulsion, suspension and the like. Such a composition is produced by a known method and contains a carrier, diluent or excipient commonly used in the field of pharmaceuticals. For example, lactose, starch, sucrose, magnesium stearate and the like are used as carriers and excipients for tablets.
For example, dosage forms suitable for parenteral administration include injections (eg, subcutaneous injections, intravenous injections, intramuscular injections, intraperitoneal injections, etc.), external preparations (eg, nasal administration, transdermal) Administration agents, ointments, etc.), suppositories (eg, rectal, vaginal suppositories, etc.), sustained-release agents (eg, sustained-release microcapsules, etc.), pellets, drops and the like are used.
[0070]
Since the preparation thus obtained is safe and has low toxicity, it can be used, for example, in mammals (eg, human, rat, mouse, guinea pig, rabbit, sheep, pig, cow, horse, cat, dog, monkey, etc.). Can be administered.
The dose of the protein or compound may vary depending on the target disease, the subject of administration, the administration route, and the like. For example, when the compound is orally administered for the purpose of treating Alzheimer's disease, it is generally used in adults (with a body weight of 60 kg). Administers about 0.01 to 1000 mg, preferably about 0.1 to 1000 mg, more preferably about 1.0 to 200 mg, more preferably about 1.0 to 50 mg of the compound per day. In the case of parenteral administration, the single dose of the compound varies depending on the administration subject, target disease and the like. For example, the compound is usually administered in the form of an injection to an adult (60 kg) for the treatment of Alzheimer's disease. When administered to a subject, it is convenient to administer about 0.01 to 30 mg, preferably about 0.1 to 20 mg, more preferably about 0.1 to 10 mg of the compound per day by intravenous injection. . In the case of other animals, the amount can be administered in terms of 60 kg.
[0071]
The therapeutic or prophylactic agent for the above-mentioned diseases, which contains a dominant negative body against the protein of the present invention or an antibody against the protein of the present invention, can be used as a liquid or as a pharmaceutical composition in an appropriate dosage form, in mammals (eg, human, rat, etc.). , Rabbits, sheep, pigs, cattle, cats, dogs, monkeys and the like). The dose varies depending on the administration subject, target disease, symptoms, administration route and the like. For example, the dose of the dominant negative body or the antibody of the present invention as a single dose is usually about 0.001 to 20 mg / kg body weight, preferably 0 to 20 mg / kg body weight. It is convenient to administer about 0.01 to 10 mg / kg body weight, more preferably about 0.1 to 5 mg / kg body weight, by intravenous injection about 1 to 5 times a day, preferably about 1 to 3 times a day. is there. In the case of other parenteral administration and oral administration, an equivalent amount can be administered. If the symptoms are particularly severe, the dose may be increased according to the symptoms.
A medicament containing a dominant negative body against the protein A or B of the present invention or an antibody against the protein A or B of the present invention can be produced in the same manner as a medicament containing the compound obtained by the above-mentioned screening method or a salt thereof. Can be.
A DNA encoding the protein of the present invention, a DNA encoding a dominant-negative form of the protein of the present invention, or an antisense DNA against the protein of the present invention alone or in a suitable form such as a retrovirus vector, an adenovirus vector, an adenovirus associated virus vector, etc. After insertion into a suitable vector, it can be administered according to conventional means. The polynucleotide or antisense DNA can be administered as it is or in the form of a formulation together with a physiologically acceptable carrier such as an auxiliary agent for promoting uptake, and can be administered using a gene gun or a catheter such as a hydrogel catheter. Alternatively, it can be aerosolized and administered as an inhalant into the trachea.
The dosage of these DNAs or antisense DNAs varies depending on the target disease, the administration subject, the administration route, and the like. For example, when the DNA or antisense DNA of the present invention is locally administered into the trachea as an inhalant, it is generally used. For an adult (body weight 60 kg), about 0.1 to 100 mg of the DNA or antisense DNA is administered per day.
[0072]
In the present specification, bases, amino acids, and the like are indicated by abbreviations based on the abbreviations by IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature or the abbreviations commonly used in the art, and examples thereof are described below. When an amino acid can have an optical isomer, the L-form is indicated unless otherwise specified.
DNA: deoxyribonucleic acid
cDNA: complementary deoxyribonucleic acid
A: Adenine
T: Thymine
G: Guanine
C: Cytosine
RNA: ribonucleic acid
mRNA: messenger ribonucleic acid
dATP: deoxyadenosine triphosphate
dTTP: deoxythymidine triphosphate
dGTP: deoxyguanosine triphosphate
dCTP: deoxycytidine triphosphate
ATP: Adenosine triphosphate
EDTA: Ethylenediaminetetraacetic acid
SDS: Sodium dodecyl sulfate
[0073]
Gly: glycine
Ala: Alanine
Val: Valine
Leu: Leucine
Ile: Isoleucine
Ser: Serine
Thr: Threonine
Cys: cysteine
Met: methionine
Glu: glutamic acid
Asp: Aspartic acid
Lys: lysine
Arg: Arginine
His: histidine
Phe: phenylalanine
Tyr: Tyrosine
Trp: Tryptophan
Pro: Proline
Asn: Asparagine
Gln: Glutamine
pGlu: pyroglutamic acid
Hse: homoserine
[0074]
Further, substituents, protecting groups and reagents frequently used in the present specification are represented by the following symbols.
Me: methyl group
Et: ethyl group
Bu: butyl group
Ph: phenyl group
TC: thiazolidine-4 (R) -carboxamide group
Tos: p-toluenesulfonyl
CHO: Formyl
Bzl: benzyl
Cl 2 -Bzl: 2,6-dichlorobenzyl
Bom: benzyloxymethyl
Z: benzyloxycarbonyl
Cl-Z: 2-chlorobenzyloxycarbonyl
Br-Z: 2-bromobenzyloxycarbonyl
Boc: t-butoxycarbonyl
DNP: dinitrophenyl
Trt: Trityl
Bum: t-butoxymethyl
Fmoc: N-9-fluorenylmethoxycarbonyl
HOBt: 1-hydroxybenztriazole
HOOBt: 3,4-dihydro-3-hydroxy-4-oxo-
1,2,3-benzotriazine
HONB: 1-hydroxy-5-norbornene-2,3-dicarboximide
DCC: N, N'-dicyclohexylcarbodiimide
[0075]
The sequence numbers in the sequence listing in the present specification indicate the following sequences.
[SEQ ID NO: 1]
1 shows the amino acid sequence of protein X.
[SEQ ID NO: 2]
1 shows the nucleotide sequence of cDNA encoding protein X.
[SEQ ID NO: 3]
2 shows the amino acid sequence of GABARAPL1.
[SEQ ID NO: 4]
1 shows the nucleotide sequence of cDNA encoding GABARAPL1.
[SEQ ID NO: 5]
2 shows the amino acid sequence of GATE-16.
[SEQ ID NO: 6]
1 shows the nucleotide sequence of cDNA encoding GATE-16.
[SEQ ID NO: 7]
2 shows the amino acid sequence of GATE-16 variant.
[SEQ ID NO: 8]
2 shows the base sequence of GATE-16 variant DNA.
[SEQ ID NO: 9]
2 shows the base sequence of the sense primer used in Example 1.
[SEQ ID NO: 10]
2 shows the base sequence of the antisense primer used in Example 1.
[SEQ ID NO: 11]
2 shows the base sequence of the sense primer used in Reference Example 1.
[SEQ ID NO: 12]
2 shows the base sequence of the antisense primer used in Reference Example 1.
[SEQ ID NO: 13]
2 shows the amino acid sequence of the intracellular domain (NICD) of mouse Notch 1.
[SEQ ID NO: 14]
2 shows the base sequence of the sense primer used in Reference Example 1.
[SEQ ID NO: 15]
2 shows the base sequence of the antisense primer used in Reference Example 1.
[SEQ ID NO: 16]
3 shows the base sequence of the DNA oligomer used in Reference Example 1.
[SEQ ID NO: 17]
3 shows the base sequence of the DNA oligomer used in Reference Example 1.
[SEQ ID NO: 18]
1 shows the nucleotide sequence of cDNA encoding human PEN-2.
[SEQ ID NO: 19]
2 shows the amino acid sequence of human PEN-2.
[0076]
The transformant Escherichia coli DH5α / pCxNC53NICD carrying pCxNC53NICD was transformed from the plasmid obtained in Reference Example 1 described below into 1-1-1, Higashi 1-chome, Tsukuba-shi, Ibaraki Prefecture from July 26, 2001 with the use of a central sixth ( Deposit No. FERM BP-7676 at the National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Patent Organism Depositary, Japan Postcode 305-8566), and from June 19, 2001, 2--17 Jusanhoncho, Osaka City, Osaka Prefecture. No. 85 (zip code 532-8686) and deposited at the Institute of Fermentation (IFO) under the deposit number IFO 16651.
The transformant Escherichia coli DH5α / pHESpac carrying the plasmid pHESpac obtained in Reference Example 2 described below has been used since July 26, 2001 at 1-1-1, Higashi, Tsukuba City, Ibaraki Prefecture, Chuo No. 6 (mail) No. 305-8566) and deposited at the National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Patent Organism Depositary, under the deposit number FERM BP-7677, and from June 19, 2001, 2-173-8, Jusanhoncho, Osaka City, Osaka Prefecture. No. (postal code 532-8686) and deposited at the Institute of Fermentation (IFO) under the deposit number IFO 16652.
[0077]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically with reference to Reference Examples and Examples, but the present invention is not limited thereto.
[0078]
Reference Example 1 Preparation of DNA Encoding Chimeric Protein C53NICD
A DNA encoding C53 (SEQ ID NO: 10) obtained by adding methionine to the N-terminus of an APP fragment from the N-terminus of Aβ to the APP cell membrane region containing a γ-secretase cleavage site was converted to human APP cDNA (Kang J. et al., Nature 32, 733-736, 1987) as a template. The oligo DNA represented by SEQ ID NO: 11 was used as a sense strand primer, and the oligo DNA represented by SEQ ID NO: 12 was used as an antisense strand primer. At that time, a KpnI site was introduced on the 5 ′ side and an XbaI site was introduced on the 3 ′ side to prepare a chimeric DNA with a DNA fragment encoding the intracellular domain (NICD) (SEQ ID NO: 13) of mouse Notch 1. .
A DNA fragment encoding NICD was prepared by a PCR method using mouse Notch 1 cDNA (Amo FF et al., Genomics 15, 259-264, 1993) as a template by the following method. First, by performing a PCR method using the oligo DNA represented by SEQ ID NO: 14 as a sense strand primer and the oligo DNA represented by SEQ ID NO: 15 as an antisense strand primer, from the N-terminus to the middle of the C-terminus of NICD Was prepared (928 bp). This fragment has an artificially added XbaI site on the 5 ′ side and a NotI site derived from the mouse Notch 1 cDNA sequence on the 3 ′ side.
Next, a DNA fragment encoding C53 was ligated to this with XbaI, and this chimeric DNA fragment was inserted into pCxN (Niwa He et al., Gene 108: 193, 1991) into which KpnI and NotI sites had been introduced in advance. did. Thus, a plasmid pCxNC53NICDΔC containing a chimeric DNA encoding C53 and a part of the C-terminal side of NICD was prepared.
Next, in order to prepare a DNA fragment encoding full-length NICD, a NotI-NotI DNA fragment was prepared from an SspI-HindIII fragment of mouse Notch1 cDNA containing a previously cloned NICD coding region, and the NotI-NotI DNA fragment of pCxNC53NICDΔC was used. Inserted into the site. Thus, a chimeric DNA encoding C53NICD was prepared, and a plasmid containing this chimeric DNA was designated as pCxNC53NICD. In addition, pCxN (Niwa H et al., Gene 108: 193, 1991) used as a vector is a plasmid having a β-actin promoter and a neomycin resistance gene. However, in order to prepare pCxNC53NICD, pCxN was placed in the EcoRI site of pCxN. KpnI and NotI sites were newly introduced and used by inserting the DNA oligomers of SEQ ID NO: 16 and SEQ ID NO: 17.
[0079]
Reference Example 2 Preparation of puromycin-N-acetyl-transferase gene (pac) using HES-1 as a promoter
The HES-1 promoter (SEQ ID NO: 18) (Takebayashi K., et al. J Biol Chem. 269 (7): 5150-6, 1994) uses a mouse chromosome as a template, and adds KpnI and HindIII sites by PCR. Amplified and prepared. Next, this was inserted into the KpnI and HindIII sites of the vector PGV-B (purchased from Toyo B-Net Co., Ltd .; TOYO B-Net Co., LTD). This plasmid was designated as pGV-B-HES-1. On the other hand, a puromycin resistance gene was prepared by cutting out a DNA fragment encoding the puromycin resistance gene from pUR (Clonetech) using restriction enzymes HindIII and BamHI. This DNA fragment was inserted into HindIII and BamHI sites of pGV-B-HES-1, and the completed plasmid was named pHESpac.
[0080]
Reference Example 3 Establishment of a cell line that constantly expresses a puromycin resistance gene and C53NICD cDNA (and human presenilin 1 cDNA): A5-9 cells (and A5-9-PS1)
The plasmid constructed above was transfected into a cell line derived from mouse pro-B cells, BaF / 3 cells (Palacios, R., et al., Cell 41: 727, 1985) by electroporation. Cells were selected based on neomycin and puromycin resistance. The obtained transformant was designated as A5-9 cell. Furthermore, human presenilin 1 cDNA was introduced into A5-9 cells. Human presenilin 1 cDNA was prepared from cDNA prepared from human brain by PCR (Sudoh, S. et al., J. Neurochem. 71: 1535, 1998), and SRα promoter (Takebe, Y., Mol. Cell. Biol. 8: 466, 1988) and a vector having a hygromycin resistance gene, and then transfected into A5-9 cells by electroporation. Cells were selected based on hygromycin resistance. The obtained transformant was designated as A5-9-PS1 cell.
[0081]
Reference Example 4 Preparation of human cDNA library and transfection into A5-9 or A5-9-PS1 cells
The human cDNA library was prepared by synthesizing cDNA from human hippocampus-derived mRNA (Clontech) using a cDNA synthesis kit (SuperScriptTM Choicesystem) commercially available from Gibco. The resulting cDNA was attached to a BstXI adapter (Invitrogen) and introduced into the BstXI site of a retroviral vector, pMX (Onishi, M. et al., Exp. Hematol. 24: 324, 1996). This library was transfected into a packaging cell, Phnenix-Eco cell, to produce a virus containing a human cDNA library (Xu X. et al., Nature Genetics. 27: 23-29, 2001; Hitachi Y). Et al., Immunity. 8: 461-471, 1998). The virus was isolated according to previously reported methods (Kitamura, K. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 92: 9146, 1995), A5-9 cells or A5-9-PS1 cells (4 each). × 106 cells). The infection efficiency was analyzed by the fluorescence of cells expressing GFP by simultaneously infecting cDNAs encoding GFP (Green Fluorescence Protein). As a result, the infection efficiency was approximately 25%.
[0082]
Reference Example 5 Selection of cells that increase Aβ production
A5-9 cells or A5-9-PS1 cells transfected with a human hippocampal cDNA library by infection with a retrovirus described in Reference Example 4 above were purified from puromycin (A5-9 cells at 25 μg / ml; A5-9-PS1 cells were cultured in the presence of 9 μg / ml) to select cells that had acquired puromycin resistance. The concentration of puromycin used was determined from the fact that the minimum concentrations of puromycin at which the parental A5-9 cells and A5-9-PS1 cells were killed were 20 μg / ml and 5 μg / ml, respectively. Next, Aβ produced by these cells was measured using a high-sensitivity western blotting method (Ida N. et al., J. Biol. Chem. 271: 22908, 1996). That is, the detection of Aβ was performed for 3 days of culture (initial cell concentration 2 × 10 5 Aβ secreted into the medium (cells / ml, 3 ml medium) was immunoprecipitated with an anti-Aβ monoclonal antibody 6E10, and the precipitate was detected by a high-sensitivity western blotting method using an anti-Aβ antibody. The comparison of the amount of Aβ production was determined by comparing the intensity of the Aβ band detected by the Western blotting method with the amount of Aβ produced by the parent strain. In A5-9 cells not overexpressing PS1, 16 puromycin-resistant cells were obtained. In A5-9-PS1 cells overexpressing PS1, two transfections resulted in a total of about 60. Clonal puromycin-resistant cells were obtained. Among them, it was found that 5 clones increased the production of Aβ40 in A5-9 cells and 25 clones in A5-9-PS1.
[0083]
Example 1
According to the “screening method for Alzheimer-related genes” using A5-9 as the parent strain (see PCT / JP02 / 00836 and Reference Examples 1 to 5), GATE-16 (original name, GEF2: accession no. AJ010569), a cDNA encoding GABARAPL1, and a cDNA encoding protein X of unknown function (accession NP_071360) were identified. In the GATE-16 identified here, isoleucine at the 44th amino acid sequence of the known GATE-16 was substituted with aspartic acid. Hereinafter, this is referred to as GATE-16 variant I44D. GABARAPL1 was isolated by a PCR method using a human hippocampus-derived cDNA library as a template and a sense primer represented by SEQ ID NO: 9 and an antisense primer represented by SEQ ID NO: 10. did.
The effects of Aβ production on GATE-16, GABARAPL1 and protein X described above were examined. The results are shown in Tables 1 and 2.
[0084]
[Table 1]
Figure 2004215517
[0085]
[Table 2]
Figure 2004215517
[0086]
As a result, as shown in Table 1, GATE-16 showed about twice as much increase in Aβ production as the control, and GABARAPL1 also showed Aβ production increase although it was relatively weak. Since GATE-16 and GABARAPL1 are homologues of factors required for yeast autophages, these results suggest that yeast autophagy or a similar intracellular transport pathway is involved in Aβ production. Is what you do. In addition, protein X is a protein of unknown function consisting of 85 amino acids. When this gene was introduced into cells, the increase rate of Aβ42 was higher than that of Aβ40 (Table 2). It is known that the toxicity of Aβ42 is higher than that of Aβ40, but there is a possibility that Aβ42 production can be suppressed by suppressing the action of protein X.
From the above results, GATE-16, GABARAPL1, and protein X increase the production of Aβ, and are therefore useful as diagnostic agents for Alzheimer's disease.
[0087]
Example 2
Several factors that interact with presenilin and are involved in the Notch signal have been identified by genetic techniques using nematodes (Francis, R. et el., Dev. Cell 3: 85-97, 2002). ). In addition, using the RNA interference suppression (RNAi) method, (1) that these factors are constituent proteins of the presenilin complex required for Aβ production, and (2) the presenilin complex that is functional when these factors are deleted Was not constructed and Aβ production was also reported to decrease. In the present invention, among these factors, the human PEN-2 gene (accession no. AF220053) (SEQ ID NO: 18) was examined. As shown in Table 3, the gene product (SEQ ID NO: 19) was Aβ It was found to be a production promoting factor. Furthermore, it was found that when the human PEN-2 gene was overexpressed, Aβ production was significantly increased, and in particular, the increase rate of Aβ42 was significantly higher than that of Aβ40. This result indicates that by inhibiting the action of PEN-2, it is possible to selectively suppress not only Aβ production but also Aβ42 production.
From the above results, human PEN-2 is also useful as a diagnostic agent for Alzheimer's disease.
[0088]
[Table 3]
Figure 2004215517
[0089]
【The invention's effect】
The present invention provides a gene that controls Aβ production, that is, an Alzheimer's disease-related gene or an Alzheimer's disease-related candidate gene. Diagnosis of Alzheimer's disease using those genes, nucleotides that specifically hybridize with those genes, transformants by recombinant vectors containing those genes, proteins encoded by those cDNAs, or antibodies against the proteins Methods, therapeutic methods, prophylactic methods and the like are provided. Furthermore, diagnosis of Alzheimer's disease using the gene, nucleotides that specifically hybridize with the gene, transformants with a recombinant vector containing the gene, proteins encoded by their cDNA, or antibodies against the protein, etc. Agents, therapeutic / prophylactic agents, etc. are provided.
[0090]
[Sequence list]
Figure 2004215517
Figure 2004215517
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Claims (28)

アミロイドβタンパク質(Aβ)の産生を亢進する、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするタンパク質またはその塩。Contains an amino acid sequence identical or substantially identical to the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5 or SEQ ID NO: 19, which enhances the production of amyloid β protein (Aβ) Or a salt thereof. アミロイドβタンパク質(Aβ)の産生を亢進する、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7または配列番号:19で表わされるアミノ酸配列からなるタンパク質またはその塩。A protein comprising an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, SEQ ID NO: 3, SEQ ID NO: 5, SEQ ID NO: 7 or SEQ ID NO: 19, or a salt thereof, which enhances the production of amyloid β protein (Aβ). 請求項1または請求項2記載のタンパク質の部分ペプチドまたはその塩。A partial peptide of the protein according to claim 1 or 2, or a salt thereof. 請求項1もしくは請求項2記載のタンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。A polynucleotide comprising a polynucleotide encoding the protein according to claim 1 or 2 or the partial peptide according to claim 3. DNAである請求項4記載のポリヌクレオチド。The polynucleotide according to claim 4, which is DNA. 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表される塩基配列を含有するDNA。DNA containing the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18. 請求項6記載のDNAを含有する組換えベクター。A recombinant vector containing the DNA according to claim 6. 請求項7記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体。A transformant transformed with the recombinant vector according to claim 7. 請求項1もしくは請求項2記載のタンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドに対する抗体。An antibody against the protein according to claim 1 or 2, or the partial peptide according to claim 3. 請求項9記載の抗体を含有してなる診断薬。A diagnostic agent comprising the antibody according to claim 9. アルツハイマー病の診断薬である請求項10記載の診断薬。The diagnostic agent according to claim 10, which is a diagnostic agent for Alzheimer's disease. 請求項9記載の抗体を含有してなる医薬。A medicament comprising the antibody according to claim 9. アルツハイマー病の治療・予防剤である請求項12記載の医薬。13. The medicament according to claim 12, which is an agent for treating or preventing Alzheimer's disease. 請求項4記載のポリヌクレオチドとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド。A polynucleotide that hybridizes with the polynucleotide of claim 4 under high stringency conditions. 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表される塩基配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA。A DNA that hybridizes under high stringent conditions to a DNA containing the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8, or SEQ ID NO: 18. 請求項4記載のポリヌクレオチドまたはその一部と相補的な塩基配列を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド。An antisense polynucleotide comprising a nucleotide sequence complementary to the polynucleotide according to claim 4 or a part thereof. 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表される塩基配列を含有するDNAまたはその一部と相補的な塩基配列を含有してなるアンチセンスDNA。Antibodies comprising a DNA comprising the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18 or a nucleotide sequence complementary to a part thereof Sense DNA. 請求項1もしくは請求項2記載のタンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする、アミロイドβタンパク質(Aβ)の産生を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。A method for screening a compound that inhibits the production of amyloid β protein (Aβ) or a salt thereof, comprising using the protein according to claim 1 or 2 or the partial peptide according to claim 3 or a salt thereof. 請求項1もしくは請求項2記載のタンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたはその塩を含有してなる、アミロイドβタンパク質(Aβ)の産生を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット。A kit for screening a compound that inhibits the production of amyloid β protein (Aβ) or a salt thereof, comprising the protein according to claim 1 or 2 or the partial peptide according to claim 3 or a salt thereof. 請求項18記載のスクリーニング方法または請求項19記載のスクリーニング用キットを用いて得られる、アミロイドβタンパク質(Aβ)の産生を阻害する化合物またはその塩。A compound that inhibits amyloid β protein (Aβ) production, or a salt thereof, obtained by using the screening method according to claim 18 or the screening kit according to claim 19. 請求項4もしくは請求項14記載のポリヌクレオチド;請求項15記載のDNA;または配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8または配列番号:18で表される塩基配列を含有するDNAを含有してなる診断薬。The polynucleotide according to claim 4 or claim 14; the DNA according to claim 15; or the base sequence represented by SEQ ID NO: 2, SEQ ID NO: 4, SEQ ID NO: 6, SEQ ID NO: 8 or SEQ ID NO: 18. A diagnostic agent comprising a DNA containing アルツハイマー病の診断薬である請求項21記載の診断薬。The diagnostic agent according to claim 21, which is a diagnostic agent for Alzheimer's disease. 請求項14記載のポリヌクレオチド;または請求項15記載のDNAを含有してなる医薬。A pharmaceutical comprising the polynucleotide according to claim 14 or the DNA according to claim 15. アルツハイマー病の治療・予防剤である請求項23記載の医薬。24. The medicament according to claim 23, which is a therapeutic / prophylactic agent for Alzheimer's disease. 請求項1もしくは請求項2記載のタンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドの活性を阻害する化合物またはその塩を含有してなるアルツハイマー病の治療・予防剤。An agent for treating or preventing Alzheimer's disease, comprising a compound or a salt thereof that inhibits the activity of the protein according to claim 1 or 2, or the partial peptide according to claim 3. アルツハイマー病患者に請求項1もしくは請求項2記載のタンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドの活性を阻害する化合物またはその塩を投与することを特徴とするアルツハイマー病の予防・治療方法。A method for preventing or treating Alzheimer's disease, which comprises administering to a patient with Alzheimer's disease a compound that inhibits the activity of the protein according to claim 1 or 2 or the partial peptide according to claim 3 or a salt thereof. アルツハイマー病の治療・予防剤を製造するための請求項1もしくは請求項2記載のタンパク質もしくは請求項3記載の部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩の使用。Use of a compound or a salt thereof that inhibits the activity of the protein of claim 1 or claim 2 or the partial peptide of claim 3 or a salt thereof for the manufacture of a therapeutic or prophylactic agent for Alzheimer's disease. 配列番号:7で表わされるアミノ酸配列からなるタンパク質またはその塩。A protein comprising an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 7, or a salt thereof.
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