【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腫瘍性低リン血性骨軟化症の患者から見出されたMEPE蛋白質の新規用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
腫瘍性低リン血性骨軟化症(oncogenic hypophosphatemic osteomalacia; OHO)は主に骨(良性骨芽細胞腫、骨化性間葉腫)、軟部組織(血管腫、線維腫)などの中胚葉性の腫瘍が原因となり、腎から顕著にリンが漏出し低リン血症、骨軟化症をきたす疾患である(Tumor associated rickets and osteomalacia Favus MJ (ed) アメリカン・ソサイアティー・フォア・ボーン・ミネラル・リサーチ(AMERICAN SOCIETY FOR BONE MINERAL RESEARCH), 184−188, 1990)。OHOは腫瘍の摘出によりその症状が完全に消失すること、OHO患者の腫瘍をヌードマウスに移植または腫瘍抽出液をラットに持続投与することにより低リン血症が誘導されたこと(ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(JOURNAL OF CLINICAL ENDOCRINOLOGY AND METABOLISM)67, 46−53, 1988;ジャーナル・オブ・ペディアトリックス(JOURNAL OF PEDIATRICS)91, 56−60, 1977)などから、OHOの病因として腫瘍が過剰に分泌する液性リン利尿因子の存在が示唆された。近年この因子は「フォスファトニン(Phosphatonin)」と呼ばれ、ヒトあるいは動物の培養腎臓細胞を用いた実験系において腎近位尿細管のNa+−Pi輸送担体によるリン再吸収を抑制することが示唆された(プロシーディングズ・オブ・アソシエーション・オブ・アメリカン・フィジシャンズ(PROCEEDINGS OF ASSOCIATION OF AMERICAN PHYSICIANS)107, 1296−1305, 1995;ボーン(BONE), 18, 159−169, 1996)。
WO01/98495号では、MEPEと命名されたフォスファトニン候補遺伝子の構造が明らかにされ、また調製した組換え型MEPE標品には正常ヒト近位尿細管上皮細胞(RPTEC, BioWhittaker社)に対するリン酸取り込み阻害活性が僅かながら認められることが報告されている。しかし、Shimadaらの研究(Pro.NAS U.S.A. 98 6500−6505, 2001)などから、現在ではFGF−23と命名された別の液性因子が「フォスファトニン(Phosphatonin)」と呼ばれるべき機能を有するタンパク質であることが明確になってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、MEPEの新規用途を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、MEPEタンパクにフォスファトニン作用とは異なる別の生理機能が備わっていることを予想し、鋭意検討を重ねた結果、MEPEタンパクが予想外にもフォスファトニン作用とは明らかに異なる骨分化促進作用を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる骨分化促進剤、
(2)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(1)記載の剤、
(3)骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症または歯周病の予防・治療剤、外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、または顎堤形成および口蓋裂の修復剤である上記(1)記載の剤、
(4)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる骨分化促進剤、
(5)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(4)記載の剤、
(6)骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症または歯周病の予防・治療剤、外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、または顎堤形成および口蓋裂の修復剤である上記(4)記載の剤、
(7)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の診断剤、
(8)骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症または動脈硬化症の診断剤である上記(7)記載の剤、
(9)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる骨分化抑制剤、
(10)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(9)記載の剤、
(11)歯周病、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症または動脈硬化症の予防・治療剤である上記(9)記載の剤、
(12)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の診断剤、
(13)骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症または動脈硬化症の診断剤である上記(12)記載の剤、
(14)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるポリヌクレオチドを含有してなる骨分化抑制剤、
(15)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(14)記載の剤、
(16)歯周病、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症または動脈硬化症の予防・治療剤である上記(14)記載の剤、
(17)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩のレセプタータンパク質に対するアゴニストを含有してなる骨分化促進剤、
(18)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(17)記載の剤、
(19)骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症または歯周病の予防・治療剤、外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、または顎堤形成および口蓋裂の修復剤である上記(17)記載の剤、
(20)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその塩のレセプタータンパク質に対するアンタゴニストを含有してなる骨分化抑制剤、
(21)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(20)記載の剤、
(22)歯周病、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症または動脈硬化症の予防・治療剤である上記(20)記載の剤、
(23)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩とレセプタータンパク質との結合後の細胞内シグナル伝達を促進する化合物またはその塩を含有してなる骨分化促進剤、
(24)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(23)記載の剤、
(25)骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症または歯周病の予防・治療剤、外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、または顎堤形成および口蓋裂の修復剤である上記(23)記載の剤、
(26)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩とレセプタータンパク質との結合後の細胞内シグナル伝達を阻害する化合物またはその塩を含有してなる骨分化抑制剤、
(27)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(26)記載の剤、
(28)歯周病、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症または動脈硬化症の予防・治療剤である上記(26)記載の剤、
(29)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩を分解するプロテイナーゼを阻害する作用を有する化合物またはその塩を含有してなる骨分化促進剤、
(30)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(29)記載の剤、
(31)骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症または歯周病の予防・治療剤、外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、または顎堤形成および口蓋裂の修復剤である上記(29)記載の剤、
(32)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩を分解するプロテイナーゼを促進する作用を有する化合物またはその塩を含有してなる骨分化抑制剤、
(33)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(32)記載の剤、
(34)歯周病、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症または動脈硬化症の予防・治療剤である上記(32)記載の剤、
(35)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩の発現量を増加する化合物またはその塩を含有してなる骨分化促進剤、
(36)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(35)記載の剤、
(37)骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症または歯周病の予防・治療剤、外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、または顎堤形成および口蓋裂の修復剤である上記(35)記載の剤、
(38)▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列または▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と、同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質、その部分ペプチドまたはその塩の発現量を減少させる化合物またはその塩を含有してなる骨分化抑制剤、
(39)代謝性骨疾患または代謝性軟骨疾患の予防・治療剤である上記(38)記載の剤、および
(40)歯周病、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症または動脈硬化症の予防・治療剤である上記(38)記載の剤を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるタンパク質(以下、MEPEと略記する場合がある)は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質、さらに好ましくは配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質であり、公知のタンパク質である(WO01/98495号)。
本発明のMEPEは、例えば、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、ウマ、サルなど)のあらゆる細胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)、またはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底核、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸、十二指腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などに由来するタンパク質であってもよく、また合成タンパク質であってもよい。
【0007】
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列と約40%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号:1と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と約40%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
【0008】
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する本発明のMEPEとしては、上記のとおり配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列を含有するMEPEと実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。
配列番号:1と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する本発明のMEPEとしては、上記のとおり配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、骨分化促進作用、などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質であることを示す。したがって、骨分化促進作用、などが同等(例、約0.5〜2倍程度)であることが好ましいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
また、本発明のMEPEには、▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、▲2▼配列番号:1の17番目から525番目のアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、▲3▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含まれる。
また、本発明のMEPEには、▲1▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、▲2▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、▲3▼配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有するタンパク質などのいわゆるムテインも含まれる。
上記のようにアミノ酸配列が欠失または置換されている場合、その欠失または置換の位置としては、特に限定されない。
【0009】
本明細書におけるタンパク質は、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するMEPEをはじめとする、本発明のMEPEは、C末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO−)、アミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)のいずれであってもよい。
ここでエステル基のRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
本発明のMEPEがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明のタンパク質に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、本発明のMEPEには、上記したMEPEにおいて、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
より具体的には、本発明のMEPEとしては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列を有するヒトOHO患者腫瘍由来のタンパク質、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するヒトOHO患者腫瘍由来のタンパク質などが好適である。
なお、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の17番目から525番目のアミノ酸配列は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列から分泌シグナル配列を除いた配列である。
【0010】
本発明のMEPEの部分ペプチドとしては、前記した本発明のMEPEと同質の活性、例えば、骨分化促進作用、などを有するペプチドであれば何れのものであってもよい。
具体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第17番目〜525番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチド、第17番目〜330番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチド、第331番目〜525番目のアミノ酸配列を有する部分ペプチドなどが好ましく用いられる。
【0011】
さらに、本発明の部分ペプチドとしては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するペプチドと実質的に同質の活性を有する部分ペプチドが好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、骨分化促進作用、などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質であることを示す。したがって、骨分化促進作用、が同等(例、約0.5〜2倍程度)であることが好ましいが、これらの活性の程度やタンパク質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
また、これら本発明の部分ペプチドには、本発明のMEPEの(拮抗)阻害型である、すなわち、本発明のMEPEの有する活性を阻害する活性を有するものも含まれる。
【0012】
さらに、本発明の部分ペプチドには、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と約40%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するタンパク質の部分ペプチドが用いられ、より具体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有するタンパク質の部分ペプチドなども含まれる。
さらに、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の第17番目〜525番目のアミノ酸配列、第17番目〜330番目のアミノ酸配列または第331番目〜525番目のアミノ酸配列(以下、これらをアミノ酸配列Aと略記する)と約40%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する部分ペプチドが用いられ、より具体的には、アミノ酸配列A中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、アミノ酸配列Aに1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、アミノ酸配列A中の1または2個以上(例えば1〜80個、好ましくは1〜20個程度、より好ましくは1〜9個程度、さらに好ましくは数個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有する部分ペプチドなども含まれる。
【0013】
また、本発明の部分ペプチドはC末端がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO−)、アミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)の何れであってもよい。本発明の部分ペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明の部分ペプチドに含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、本発明の部分ペプチドには、上記したMEPEと同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したGlnがピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
本発明のMEPEまたはその部分ペプチドの塩としては、酸または塩基との生理学的に許容される塩が挙げられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0014】
本発明のMEPEまたはその塩は、上記したヒトや哺乳動物の細胞または組織から自体公知のレセプター蛋白質の精製方法によって製造することもできるし、後に記載する本発明のMEPEをコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによっても製造することができる。また、後に記載する蛋白質合成法またはこれに準じて製造することもできる。
ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
【0015】
本発明のMEPEもしくはその部分ペプチドまたはその塩またはそのアミド体の合成には、通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質の配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂から蛋白質を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質またはそのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、蛋白質合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するか、または、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
【0016】
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、蛋白質縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度は蛋白質結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することができる。
【0017】
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0018】
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
【0019】
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しうる。
蛋白質のアミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド(蛋白質)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いた蛋白質とC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去した蛋白質とを製造し、この両蛋白質を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護蛋白質を精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗蛋白質を得ることができる。この粗蛋白質は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の蛋白質のアミド体を得ることができる。
蛋白質のエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、蛋白質のアミド体と同様にして、所望の蛋白質のエステル体を得ることができる。
【0020】
本発明のMEPEの部分ペプチドまたはその塩は、自体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明のMEPEを適当なペプチダーゼで切断することによって製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のMEPEを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下のa)〜e)に記載された方法が挙げられる。
a)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966年)
b)SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
c)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年)
d)矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 蛋白質の化学IV、 205、(1977年)
e)矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成 広川書店
また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られる部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。
【0021】
本発明のMEPEをコードするポリヌクレオチドとしては、上記した本発明のMEPEをコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)を含有するものであればいかなるものであってもよい。該ポリヌクレオチドとしては、本発明のMEPEをコードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(すなわち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(すなわち、非コード鎖)であってもよい。
本発明のMEPEをコードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の実験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載の方法またはそれに準じた方法により、本発明のMEPEのmRNAを定量することができる。
本発明のMEPEをコードするDNAとしては、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、上記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅することもできる。具体的には、本発明のMEPEをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:2で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:2で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のMEPEと実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有するレセプター蛋白質をコードするDNAであれば何れのものでもよい。
配列番号:2で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:2で表わされる塩基配列と約85%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0022】
ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
該ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するマウスMEPEをコードするDNAとしては、配列番号:2で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
本発明のMEPEをコードするDNAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、下記の本発明の部分ペプチドをコードするDNAを包含するだけではなく、RNAをも包含する意味で用いられる。
本発明に従えば、MEPE遺伝子の複製または発現を阻害することのできるアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)を、クローン化した、あるいは決定されたMEPEをコードするDNAの塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうしたポリヌクレオチド(核酸)は、MEPE遺伝子のRNAとハイブリダイズすることができ、該RNAの合成または機能を阻害することができるか、あるいはMEPE関連RNAとの相互作用を介してMEPE遺伝子の発現を調節・制御することができる。MEPE関連RNAの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、およびMEPE関連RNAと特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、生体内および生体外でMEPE遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、また病気などの治療または診断に有用である。用語「対応する」とは、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列または核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。ヌクレオチド、塩基配列または核酸とペプチド(蛋白質)との間で「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)の配列またはその相補体から誘導される指令にあるペプチド(蛋白質)のアミノ酸を通常指している。MEPE遺伝子の5’端ヘアピンループ、5’端6−ベースペア・リピート、5’端非翻訳領域、ポリペプチド翻訳開始コドン、蛋白質コード領域、ORF翻訳開始コドン、3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、および3’端ヘアピンループは好ましい対象領域として選択しうるが、MEPE遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
【0023】
目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドとの関係は、対象物とハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係は、「アンチセンス」であるということができる。アンチセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、D−リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)または特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それらは、2本鎖DNA、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RNA、さらにDNA:RNAハイブリッドであることができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例えば蛋白質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有しているもの、インターカレント化合物(例えば、アクリジン、プソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピリミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジン、あるいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
【0024】
本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうして修飾は当該分野で数多く知られており、例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. ed., Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993 などに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形態で与えられることができうる。こうして付加形態で用いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。その他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいはG蛋白質共役型レセプター蛋白質の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に適用できる。
【0025】
本発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、上記した本発明の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、上記した細胞・組織由来のcDNA、上記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、上記した細胞・組織よりmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
具体的には、本発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または(2)配列番号:2で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のMEPEと実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有するレセプター蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
配列番号:2で表わされる塩基配列ハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:2で表わされる塩基配列と約85%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0026】
本発明のMEPEまたはその部分ペプチド(以下、本発明のMEPEと略記する場合がある)を完全にコードするDNAのクローニングの手段としては、本発明のMEPEの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のMEPEの一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別することができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
【0027】
DNAの塩基配列の変換は、PCRや公知のキット、例えば、MutanTM−super Express Km(宝酒造(株))、MutanTM−K(宝酒造(株))などを用いて、ODA−LA PCR法、Gapped duplex法、Kunkel法などの自体公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができる。
クローン化されたMEPEをコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
本発明のMEPEの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のMEPEをコードするDNAから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
【0028】
ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322、pBR325、pUC12、pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110、pTP5、pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV−TKプロモーターなどが挙げられる。
これらのうち、CMVプロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
【0029】
発現ベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐性)等が挙げられる。特に、CHO(dhfr−)細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択できる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のレセプター蛋白質のN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のMEPEをコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造することができる。
【0030】
宿主としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌の具体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research),9巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology),120巻,517(1978)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用いられる。
バチルス属菌としては、例えば、バチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R−,NA87−11A,DKD−5D、20B−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア パストリス(Pichia pastoris)などが用いられる。
【0031】
昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM 細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Vivo),13, 213−217,(1977))などが用いられる。
昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(1985)〕。
動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr−)細胞と略記)、マウスL細胞,マウスAtT−20、マウスミエローマ細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用いられる。
【0032】
エシェリヒア属菌を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1982)などに記載の方法に従って行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular & General Genetics),168巻,111(1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メッソズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),194巻,182−187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978)などに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology), 6, 47−55(1988)などに記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8新細胞工学実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、MEPEをコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体が得られる。
宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0033】
エシェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Experiments in Molecular Genetics),431−433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリル アクリル酸のような薬剤を加えることができる。
宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0034】
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grace’s Insect Medium(Grace, T.C.C., ネイチャー(Nature), 195, 788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Journal of the American Medical Association)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medicine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外に本発明のMEPEを生成せしめることができる。
【0035】
上記培養物から本発明のMEPEを分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうことができる。
本発明のMEPEを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によりMEPEの粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にMEPEが分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。
このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるMEPEの精製は、自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的新和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
【0036】
かくして得られるMEPEが遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生するMEPEを、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。
かくして生成する本発明のMEPEの活性は、特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより測定することができる。
【0037】
本発明で用いられるMEPEに対する抗体は、本発明のMEPEを認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。
本発明のMEPEに対する抗体は、本発明のMEPEを抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
【0038】
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a)モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のMEPEは、哺乳動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。用いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原を免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化レセプター蛋白質と抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256巻、495頁(1975年)〕に従い実施することができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0などが挙げられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくは、PEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好ましくは約30〜37℃で約1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
【0039】
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、レセプター蛋白質の抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したレセプター蛋白質を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができるが、通常はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0040】
(b)モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
【0041】
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法にしたがって製造することができる。例えば、免疫抗原(MEPE抗原)とキャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のMEPEに対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造できる。
哺乳動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことができる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0042】
本発明のMEPEは、後述する実施例で証明されているとおり、骨分化促進作用を有している。したがって、本発明のMEPE、MEPEをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略記する場合がある)、MEPEに対する抗体(以下、本発明の抗体と略記する場合がある)、本発明のDNAに対するアンチセンスDNA(以下、本発明のアンチセンスDNAと略記する場合がある)は、以下の用途を有している。
【0043】
(1)本発明のMEPEの機能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤本発明のMEPEは骨分化促進作用を有しているので、本発明のMEPEまたはそれをコードするポリヌクレオチド(例、DNA等)などに異常があったり、欠損している場合あるいは発現量が異常に減少している場合、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患などの種々の疾病が発症する。
したがって、生体内において本発明のMEPEが減少しているために、骨分化作用が期待できない(MEPEの欠乏症)患者がいる場合に、a)本発明のMEPEを該患者に投与し該MEPEの量を補充したり、b)(イ)本発明のMEPEをコードするDNAを該患者に投与し発現させることによって、あるいは(ロ)対象となる細胞に本発明のMEPEをコードするDNAを挿入し発現させた後に、該細胞を該患者に移植することなどによって、患者の体内におけるMEPEの量を増加させ、骨分化作用を充分に発揮させることができる。
したがって、a)本発明のMEPEまたはb)MEPEをコードするDNAを、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患、具体的には、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。さらには、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、顎堤形成および口蓋裂の修復剤などとしても使用することができる。
本発明のMEPEを上記予防・治療剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化することができる。
一方、本発明のDNAを上記予防・治療剤として使用する場合は、本発明のDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施することができる。本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
例えば、a)本発明のMEPEまたはb)本発明のDNAは、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、a)本発明のMEPEまたはb)本発明のDNAを生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
【0044】
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
【0045】
また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
本発明のMEPEの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、骨粗鬆症患者(60kgとして)においては、一日につき約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、骨粗鬆症患者(60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
本発明のDNAの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、骨粗鬆症患者(60kgとして)においては、一日につき約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、骨粗鬆症患者(60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0046】
(2)遺伝子診断剤
本発明のDNAおよびアンチセンスDNAは、プローブとして使用することにより、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)における本発明のMEPEまたはその部分ペプチドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。
本発明のDNAまたはアンチセンスDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America),第86巻,2766〜2770頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションによりMEPEの発現低下が検出された場合やPCR−SSCP法によりDNAの突然変異が検出された場合は、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患、具体的には、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患である可能性が高い、あるいは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
一方、ノーザンハイブリダイゼーションによりMEPEの発現過多が検出された場合は、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患、具体的には、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症、動脈硬化症などの疾患である可能性が高い、あるいは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
【0047】
(3)本発明の抗体を用いる診断方法
本発明の抗体は、本発明のMEPEを特異的に認識することができるので、被検液中のMEPEの検出や中和に使用することができる。
すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化されたMEPEとを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化されたMEPEの割合を測定することを特徴とする被検液中のMEPEの定量法、および
(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中のMEPEの定量法を提供する。
【0048】
上記(ii)の定量法においては、一方の抗体がMEPEのN端部を認識する抗体で、他方の抗体がMEPEのC端部に反応する抗体であることが望ましい。
また、MEPEに対するモノクローナル抗体を用いてMEPEの定量を行うことができるほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab’)2、Fab’、あるいはFab画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いるMEPEの定量法は、特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、MEPE量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
【0049】
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常MEPEあるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられる。
サンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の本発明のMEPE量を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
【0050】
本発明のサンドイッチ法によるMEPEの測定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、MEPEの結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、MEPEのC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる。
競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のMEPEの測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。
例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D : Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E : Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I : Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。
以上のようにして、本発明の抗体を用いることによって、本発明のMEPEを感度良く定量することができる。
【0051】
したがって、本発明の抗体を用いてMEPEの濃度を定量することによって、MEPEの濃度の減少が検出された場合、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患、具体的には、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患である可能性が高い、あるいは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
一方、MEPEの濃度の増加が検出された場合には、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患、具体的には、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症、動脈硬化症などの疾患である可能性が高い、あるいは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
【0052】
(4)医薬候補化合物のスクリーニング
(A)レセプターアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法
本発明のMEPEは、骨細胞、骨組織などに存在すると考えられるレセプター(未知タンパク質)に特異的に結合することができるので、本発明のMEPEと該レセプターを用いたリガンド・レセプター結合アッセイ系を構築することによって、本発明のMEPEと同様の作用を有する医薬候補化合物のスクリーニングや、本発明のMEPEの作用を阻害する医薬候補化合物のスクリーニングを行なうことができる。すなわち、本発明は、本発明のMEPEを用いるレセプターアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法を提供する。
より具体的には、本発明は、
(1)(i)レセプターまたはその部分ペプチドに、本発明のMEPEを接触させた場合と(ii)レセプターまたはその部分ペプチドに、本発明のMEPE等および試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを特徴とするレセプターアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法、および
(2)(i)レセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分に、本発明のMEPE等を接触させた場合と(ii)レセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分に、本発明のMEPEおよび試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを特徴とするレセプターアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法を提供する。
【0053】
具体的には、本発明のスクリーニング方法においては、(i)と(ii)の場合における、例えば、レセプターまたはレセプターを含有する細胞等に対する本発明のMEPEの結合量、該レセプターを含有する細胞におけるレセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下など)、骨分化促進作用などを測定して、比較することを特徴とするものである。
より具体的には、本発明は、
(1a)(i)標識した本発明のMEPEを、レセプターまたはその部分ペプチドに接触させた場合と、(ii)標識した本発明のMEPEおよび試験化合物を、レセプターまたはその部分ペプチドに接触させた場合における、標識した本発明のMEPEの該レセプターまたはその部分ペプチドまたはそれらの塩に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするレセプターアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法、
(2a)(i)標識した本発明のMEPEを、レセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分に接触させた場合と、(ii)標識した本発明のMEPEおよび試験化合物を、レセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分に接触させた場合における、標識した本発明のMEPEの該細胞またはその細胞膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とするレセプターアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法、および
(2b)(i)本発明のMEPEを、レセプターを含有する細胞に接触させた場合と、(ii)本発明のMEPEおよび試験化合物を、レセプターを含有する細胞に接触させた場合における、レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などを測定し、比較することを特徴とするレセプターアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法を提供する。
【0054】
上記の(1a)または(2a)のスクリーニング方法において、レセプターに結合して、本発明のMEPEとレセプターとの結合を阻害する化合物がレセプターアゴニストまたはアンタゴニストとして選択できる。
上記(2b)のスクリーニング方法において、レセプターに結合し、該レセプターを含有する細胞におけるレセプターを介する細胞刺激活性を促進する活性、骨分化促進作用などを有する化合物をレセプターアゴニストとして選択することができ、一方、MEPEの細胞刺激活性、骨分化促進作用などを阻害する化合物をレセプターアンタゴニストとして選択することができる。
また、上記の(1a)または(2a)のスクリーニング方法において、本発明のMEPEとレセプターとの結合を阻害する活性が認められた試験化合物の中で、骨分化促進作用などの活性を有する化合物をレセプターアゴニストとして選択することができ、これらの活性を有しない化合物をレセプターアンタゴニストとして選択することができる。
【0055】
本発明のスクリーニング方法に用いられるレセプターとしてはヒトあるいは温血動物の骨組織、骨細胞に発現しているレセプター(未知タンパク質)などが用いられる。
これらのレセプターおよび本発明のMEPEに対するレセプターは、自体公知のタンパク質の精製方法に従って入手することができ、また、自体公知の遺伝子工学的手法に従って該レセプターをコードするDNAをクローニングした後、前記した本発明のMEPEの発現方法に従って目的とするレセプターを入手することもできる。
該レセプターの部分ペプチドとしては、全長レセプターを適当に切断して得られる部分ペプチドを用いることができる。
標識した本発明のMEPEとしては、例えば、〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した本発明のMEPEなどを用いることができる。
【0056】
本発明のスクリーニング方法に用いられる上記レセプターを含有する細胞としては、前記した本発明のMEPEを発現させるために用いる宿主細胞として列記したものと同様のものを用いることができるが、なかでも、CHO細胞などが好ましい。レセプターを含有する細胞は、レセプターをコードするDNAを用いて、自体公知の方法、例えば、前記した本発明のMEPEの発現方法などに従って製造することができる。また、上記レセプターを含有する細胞として、間葉系幹細胞などの初代培養細胞を用いることもできる。
本発明のスクリーニング方法において、レセプターを含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化することができる。固定化方法は、それ自体公知の方法に従って行うことができる。
【0057】
上記レセプターを含有する細胞の細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)のよる破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000rpm〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現したレセプターまたは本発明のMEPEと、細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
該レセプターを含有する細胞やその細胞膜画分中のレセプターの量は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、105〜107分子であるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
【0058】
試験化合物としては、例えばタンパク質、タンパク、非タンパク質性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
本発明のスクリーニング方法において、本発明のMEPEとレセプターとの反応は、通常約37℃で数時間行なうことができる。
具体的には、上記の(1a)または(2a)のスクリーニング方法を実施するには、まず、本発明のレセプターを含有する細胞またはその細胞膜画分、あるいはレセプターまたはその部分ペプチドを、スクリーニングに適したバッファーに懸濁することによりレセプター標品を調製する。バッファーには、pH約4〜10(望ましくは、pH約6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどの、本発明のMEPEとレセプターとの結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによるレセプターやリガンドの分解を抑える目的で、PMSF、ロイペプチン、バシトラシン、アプロチニン、E−64(タンパク質研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。一方、細胞が固定化細胞の場合、培養器に固定化させたまま、つまり細胞を生育させた状態で、あるいはグルタルアルデヒドやパラホルムアルデヒドで固定した細胞を用いて、本発明のMEPE等とレセプターを結合させることができる。
【0059】
この場合、該緩衝液は培地やハンクス液などが用いられる。そして、0.01ml〜10mlの該レセプター溶液に、一定量(例えば、2000Ci/mmolの場合、約10000cpm〜1000000cpm)の標識した本発明のMEPE等(例えば、〔125I〕で標識した本発明のMEPE)を添加し、同時に10−4M〜10−10Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識の本発明のMEPEを加えた反応チューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは30分から3時間行なう。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性(例えば、〔125I〕の量)を液体シンチレーションカウンターまたはγ−カウンターで測定する。濾過には、マニホールドやセルハーベスターを用いることができるが、セルハーベスターを用いることが効率を上げるために望ましい。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)が、例えばカウント(B0−NSB)の50%以下になる試験化合物をアゴニストまたはアンタゴニスト候補化合物として選択することができる。
【0060】
また、上記(2b)のスクリーニング方法を実施するためには、レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などの活性を公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って測定することができる。
具体的には、まず、レセプターを含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニングを行なうにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
【0061】
骨分化促進作用は、骨分化の形態観察や、骨分化マーカーであるアルカリフォスファターゼ遺伝子などをPCR法などで検出することにより測定することができる。
これらの測定に用いる細胞としては例えば先述の間葉系幹細胞などの初代培養細胞が挙げられる。
上記(2b)のスクリーニング方法において、試験化合物を添加した際にレセプターを含有する細胞が、該レセプターを介する細胞刺激活性上昇、骨分化促進作用、などを示した場合、該試験化合物をレセプターアゴニスト候補化合物として選択することができる。一方、試験化合物を添加した際にレセプターを含有する細胞が、該レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用などの作用を示さなかった場合、該試験化合物をレセプターアンタゴニスト候補化合物として選択することができる。
【0062】
本発明のスクリーニング用キットは、本発明のMEPE、好ましくはさらに、レセプターを含有する細胞もしくはその細胞膜画分等を含有するものである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
〔スクリーニング用試薬〕
▲1▼測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks’ Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたもの。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。
▲2▼レセプター標品
本発明のMEPEに対するレセプターなどを含有するCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。
▲3▼標識した本発明のMEPE標品
本発明のMEPE、その部分ペプチドまたはそれらの塩を〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識したもの。
▲4▼本発明のMEPE標準液
本発明のMEPE、その部分ペプチドまたはそれらの塩を0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含むPBSで0.1mMとなるように溶解し、−20℃で保存したもの。
【0063】
〔測定法〕
▲1▼12穴組織培養用プレートにて培養した組換え型レセプターを含有するCHO細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。
▲2▼10−3〜10−10Mの試験化合物溶液を5μl加えた後、5nMの標識した本発明のMEPEを5μl加え、室温にて1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物のかわりに10−4Mの本発明のMEPEを5μl加えておく。
▲3▼反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄する。細胞に結合した標識した本発明のMEPEを0.5mlの0.2N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA(和光純薬製)と混合する。
▲4▼液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding(PMB)を次の式〔数1〕で求める。なお、〔125I〕で標識されている場合は、液体シンチレーターと混合することなしに直接ガンマーカウンターで測定できる。
【0064】
[数1]
PMB=100×(B−NSB)/(B0−NSB)
PMB:Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の結合量
NSB:Non−specific Binding(非特異的結合量)
B0 :最大結合量
【0065】
以上のとおり、本発明のMEPEはレセプターアゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングするための試薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、本発明のMEPEとレセプターとの結合を阻害する化合物であり、具体的には、該レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などの作用を有する化合物またはその塩(いわゆる、レセプターアゴニスト)、あるいは該レセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下など)、骨分化促進作用、などの作用を有しない化合物またはその塩(いわゆる、レセプターアンタゴニスト)である。
【0066】
レセプターアゴニストは、本発明のMEPEが有する生理活性の全部または一部を有しているので、該生理活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用である。例えば、レセプターアゴニストは、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患、具体的には、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。さらには、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、顎堤形成および口蓋裂の修復剤などとしても使用することができる。
一方、レセプターアンタゴニストは、本発明のMEPEが有する生理活性の全部または一部を抑制することができるので、該生理活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用である。例えば、レセプターアゴニストは、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症、動脈硬化症などの疾患の予防・治療剤などの医薬として有用である。
【0067】
(B)本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼ促進薬または阻害薬のスクリーニング方法およびスクリーニング用キット
本発明のMEPEまたはその塩は生体内に存在するプロテイナーゼによって切断され、失活すると考えられる。したがって、本発明のMEPEおよび本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを用いることによって、本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを促進または阻害する活性を有する化合物を選択することができる。
該プロテイナーゼを阻害する活性を有する化合物は、生体内における本発明のMEPEの失活を防ぐことにより、細胞間接触に依存しないMEPEの活性を促進することができるので、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患、具体的には、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。さらには、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、顎堤形成および口蓋裂の修復剤などとしても使用することができる。
一方、該プロテイナーゼを促進する活性を有する化合物は、本発明のMEPEの活性を阻害することができるので、例えば、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症、動脈硬化症などの疾患の予防・治療剤などの医薬として使用することができる。
すなわち、本発明は、本発明のMEPEを用いることを特徴とする本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0068】
より具体的には、本発明は、
(1)(i)本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼと本発明のMEPEとをインキュベートした後、レセプターを含有する細胞に接触させた場合と、
(ii)本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼおよび試験化合物と本発明のMEPEとをインキュベートした後、レセプターを含有する細胞に接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
具体的には、本発明のスクリーニング方法においては、(i)と(ii)の場合における、例えば、レセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下など)、骨分化促進作用、などの活性を測定して、比較することを特徴とするものである。
【0069】
より具体的には、本発明は、
(1a)(i)本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼと本発明のMEPEとをインキュベートした後、レセプターを含有する細胞に接触させた場合と、
(ii)本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼおよび試験化合物と本発明のMEPEとをインキュベートした後、レセプターを含有する細胞に接触させた場合における、レセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下など)、骨分化促進作用、などの活性を測定し、比較することを特徴とする本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0070】
上記のスクリーニング方法において、該レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などの活性を促進する試験化合物を本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを阻害する活性を有する化合物またはその塩として選択することができ、一方、該レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などの活性を阻害する試験化合物を本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを促進する活性を有する化合物またはその塩として選択することができる。
本発明のスクリーニング方法に用いられるレセプターとしては、ヒトあるいは温血動物の骨組織、骨細胞に発現しているレセプター(未知タンパク質)が用いられる。
本発明のMEPEに対するレセプターは、自体公知のタンパク質の精製方法に従って入手することができ、また、自体公知の遺伝子工学的手法に従って該レセプターをコードするDNAをクローニングした後、前記した本発明のMEPEの発現方法に従って目的とするレセプターを入手することもできる。
本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼとしては、例えば、亜鉛メタロペプチダーゼなどが用いられる。
【0071】
本発明のスクリーニング方法に用いられる上記レセプターを含有する細胞としては、前記した本発明のMEPEを発現させるために用いる宿主細胞として列記したものと同様のものを用いることができるが、なかでも、CHO細胞などが好ましい。レセプターを含有する細胞は、レセプターをコードするDNAを用いて、自体公知の方法、例えば、前記した本発明のMEPEの発現方法などに従って製造することができる。また、上記レセプターを含有する細胞として、間葉系幹細胞などの初代培養細胞を用いることもできる。
【0072】
本発明のスクリーニング方法において、レセプターを含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化することができる。固定化方法は、それ自体公知の方法に従って行うことができる。
上記レセプターを含有する細胞の細胞膜画分としては、前記したものと同様のものを用いることができる。
試験化合物としては、例えばタンパク質、タンパク、非タンパク質性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
本発明のスクリーニング方法において、プロテイナーゼと本発明のMEPEとのインキュベートは、通常数時間、約37℃で行なうことができる。また、この反応混合物とレセプターを含有する細胞との反応は、通常数時間、約37℃で行なうことができる。
レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などの測定は前記と同様にして行なうことができる。
【0073】
本発明のスクリーニング用キットは、本発明のMEPEおよび本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを、好ましくはさらに、レセプターを含有する細胞を含有するものである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
〔スクリーニング用試薬〕
▲1▼測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks’ Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたもの。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。
▲2▼レセプター標品
本発明のMEPEに対するレセプターなどを含有するCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。
▲3▼本発明のMEPE標品
本発明のMEPE、その部分ペプチドまたはそれらの塩
▲4▼本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼ標品
本発明のMEPEを分解するプロテナーゼ
【0074】
〔測定法〕
▲1▼本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼと本発明のMEPEとを約37℃で数時間インキュベートする。
▲2▼本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼおよび試験化合物と本発明のMEPEとを約37℃で数時間インキュベートする。
▲3▼上記▲1▼および▲2▼で得られる反応混合物を、それぞれ本発明のMEPEに対するレセプターを含有する細胞と約37℃で数時間培養する。
▲4▼次いで、該レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などを前記の方法に従って測定する。
【0075】
以上のとおり、本発明のMEPEは本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩をスクリーニングするための試薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、
▲1▼本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを阻害し、該プロテイナーゼによる本発明のMEPEの失活を抑制する化合物、
▲2▼本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを促進し、該プロテイナーゼによる本発明のMEPEの失活を促進する化合物である。
したがって、本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを阻害する化合物は、細胞間接触に依存しない本発明のMEPEによる該レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などの活性を促進することができ、例えば代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患)の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。さらには、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、顎堤形成および口蓋裂の修復剤などとしても使用することができる。
一方、本発明のMEPEを分解するプロテイナーゼを促進する化合物は、本発明のMEPEによる該レセプターを介する細胞刺激活性、骨分化促進作用、などの活性を阻害することができ、例えば、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症、動脈硬化症などの疾患の予防・治療剤などの医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場合、前記したレセプターアゴニスト/アンタゴニストと同様にして実施することができる。
【0076】
(C)本発明のMEPEとレセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法
本発明のMEPEは、ヒトあるいは温血動物の骨組織、骨細胞に発現しているレセプター(未知タンパク質)に特異的に結合することができるので、本発明のMEPEと該レセプターを用いたリガンド・レセプター結合アッセイ系を構築することによって、本発明のMEPEが該レセプターに結合した後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニングを行なうことができる。
すなわち、本発明は、本発明のMEPEを用いることを特徴とする本発明のMEPEとレセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
より具体的には、本発明は、
(1)(i)レセプターを含有する細胞に、本発明のMEPEを接触させた場合と(ii)レセプターを含有する細胞に、本発明のMEPEおよび試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする本発明のMEPEとレセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩のクリーニング方法を提供する。
【0077】
具体的には、本発明のスクリーニング方法においては、(i)と(ii)の場合における、例えば本発明のMEPEとレセプターが結合した後の細胞内シグナル伝達などを測定して、比較することを特徴とするものである。
より具体的には、本発明は、
(1a)(i)本発明のMEPEを、レセプターを含有する細胞に接触させた場合と、(ii)本発明のMEPEおよび試験化合物を、レセプターを含有する細胞に接触させた場合における、レセプターを介する細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴とする本発明のMEPEとレセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
【0078】
上記(1a)のスクリーニング方法において、本発明のMEPEとレセプターとの結合を阻害せず、本発明のMEPEによる該レセプターを介する細胞刺激活性を促進する化合物を、本発明のMEPEとレセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を促進する化合物またはその塩として選択することができる。一方、本発明のMEPEとレセプターとの結合を阻害せず、本発明のMEPEによる該レセプターを介する細胞刺激活性を阻害する作用を有する化合物を、本発明のMEPEとレセプターとの結合後の細胞内シグナル伝達を阻害する化合物またはその塩として選択することができる。
すなわち、本スクリーニング方法は、本発明のMEPEとレセプターとの結合に影響を与えず、レセプター結合後の細胞内シグナル伝達を調節(促進または抑制)する化合物を選択する方法であるので、本スクリーニング方法に用いる試験化合物としては、前記したレセプターアゴニスト/アンタゴニストのスクリーニング方法において、レセプターアゴニストまたはアンタゴニストとして選択されなかった化合物を用いるのが望ましい。
【0079】
本発明のスクリーニング方法に用いられるレセプターとしては、ヒトあるいは温血動物の骨組織、骨細胞に発現しているレセプター(未知タンパク質)などが用いられる。
本発明のMEPEに対するレセプターは、自体公知のタンパク質の精製方法に従って入手することができ、また、自体公知の遺伝子工学的手法に従って該レセプターをコードするDNAをクローニングした後、前記した本発明のMEPEの発現方法に従って目的とするレセプターを入手することもできる。
該レセプターの部分ペプチドとしては、全長レセプターを適当に切断して得られる部分ペプチドを用いることができる。
本発明のスクリーニング方法に用いられる上記レセプターを含有する細胞としては、前記した本発明のMEPEを発現させるために用いる宿主細胞として列記したものと同様のものを用いることができるが、なかでも、CHO細胞などが好ましい。レセプターを含有する細胞は、レセプターをコードするDNAを用いて、自体公知の方法、例えば、前記した本発明のMEPEの発現方法などに従って製造することができる。また、上記レセプターを含有する細胞として、間葉系幹細胞などの初代培養細胞を用いることもできる。
【0080】
本発明のスクリーニング方法において、レセプターを含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化することができる。固定化方法は、それ自体公知の方法に従って行うことができる。
上記レセプターを含有する細胞の細胞膜画分としては、前記と同様のものが用いられる。
試験化合物としては、例えば、タンパク質、タンパク、非タンパク質性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
本発明のスクリーニング方法において、本発明のMEPEとレセプターを含有する細胞との反応は、通常約37℃で数時間行なうことができる。
上記(1a)のスクリーニング方法において、本発明のMEPEによる該レセプターを介する細胞刺激活性の測定は前記と同様にして行なうことができる。
上記(1a)のスクリーニング方法において、試験化合物を添加した際に、本発明のMEPEによるレセプターを介する細胞刺激活性が促進された場合、該試験化合物をレセプター結合後の細胞内シグナル伝達を促進する化合物またはその塩として選択することができる。一方、試験化合物を添加した際に、本発明のMEPEによるレセプターを介する細胞刺激活性が阻害された場合、該試験化合物をレセプター結合後の細胞内シグナル伝達を促進する化合物またはその塩化合物として選択することができる。
【0081】
本発明のスクリーニング用キットは、本発明のMEPEを、好ましくはさらに、レセプターを含有する細胞を含有するものである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
〔スクリーニング用試薬〕
▲1▼測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks’ Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたもの。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。
▲2▼レセプター標品
本発明のMEPEに対するレセプターを含有するCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。
▲3▼本発明のMEPE標品
本発明のMEPE、その部分ペプチドまたはそれらの塩
〔測定法〕
細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+濃度の変動、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、pHの低下など)を前記の方法に従って測定する。
【0082】
以上のとおり、本発明のMEPEはレセプター結合後の細胞内シグナル伝達を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリーニングするための試薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、本発明のMEPEとレセプターが結合した後のレセプターを介する細胞刺激活性を促進する化合物またはその塩、あるいは該細胞刺激活性を阻害する化合物またはその塩である。
本発明のMEPEとレセプターが結合した後の細胞内シグナル伝達を促進する化合物またはその塩は、例えば、例えば代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患)の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。さらには、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、顎堤形成および口蓋裂の修復剤などとしても使用することができる。
一方、本発明のMEPEとレセプターが結合した後の細胞内シグナル伝達を阻害する化合物またはその塩は、例えば、例えば、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症、動脈硬化症などの疾患の予防・治療剤などの安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場合、前記したレセプターアゴニスト/アンタゴニストと同様にして実施することができる。
【0083】
(D)本発明のMEPEの発現量を変化させる化合物を含有する医薬
本発明のDNAは、プローブとして用いることにより、本発明のMEPEの発現量を変化させる化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、例えば、(i)非ヒト哺乳動物のa)血液、b)特定の臓器、c)臓器から単離した組織もしくは細胞、または(ii)形質転換体等に含まれる本発明のMEPEのmRNA量を測定することによる、本発明のMEPEの発現量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
【0084】
本発明のMEPEのmRNA量の測定は具体的には以下のようにして行なう。
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には骨疾患モデルラット、マウス、ウサギなど)に対して、薬剤(例えば、免疫調節薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれる本発明のMEPEのmRNAは、例えば、通常の方法により細胞等からmRNAを抽出し、例えば、TaqManPCRなどの手法を用いることにより定量することができ、自体公知の手段によりノザンブロットを行うことにより解析することもできる。
(ii)本発明のMEPEを発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、該形質転換体に含まれる本発明のMEPEのmRNAを同様にして定量、解析することができる。
【0085】
本発明のMEPEの発現量を変化させる化合物のスクリーニングは、
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12時間前、より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは一定時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、細胞に含まれる本発明のMEPEのmRNA量を定量、解析することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後(1日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日後、より好ましくは2日後〜3日後)、該形質転換体に含まれる本発明のMEPEのmRNA量を定量、解析することにより行なうことができる。
【0086】
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、本発明のMEPEの発現量を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)本発明のMEPEの発現量を増加させる化合物、(ロ)本発明のMEPEの発現量を減少させる化合物である。
該化合物としては、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
したがって、上記スクリーニング方法で得られる化合物は、
▲1▼本発明のMEPEの発現量を増加し、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患)を予防・治療する化合物、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復する化合物、人工関節を安定にする化合物、歯周疾患における歯周組織欠損を修復する化合物、人工歯根を安定にする化合物、顎堤形成および口蓋裂を修復する化合物、
▲2▼本発明のMEPEの発現量を減少させ、本発明のMEPEの発現過多に起因する疾患、具体的には、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症)、動脈硬化症を予防・治療する化合物である。
したがって、上記スクリーニング方法で得られる本発明のMEPEの発現量を増加する化合物は、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患)の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。さらには、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、顎堤形成および口蓋裂の修復剤などとしても使用することができる。
一方、上記スクリーニング方法で得られる本発明のMEPEの発現量を減少させる化合物は、本発明のMEPEの発現過多に起因する疾患(例、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症、動脈硬化症)の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場合、前記したレセプターアゴニスト/アンタゴニストと同様にして実施することができる。
【0087】
(5)本発明のMEPEに対する抗体を含有してなる医薬
本発明のMEPEに対する抗体の中和活性とは、該MEPEの骨分化促進作用を不活性化する活性を意味する。従って、該抗体が中和活性を有する場合は、該MEPEの骨分化促進作用を不活性化することができる。
したがって、本発明のMEPEに対する中和抗体は、MEPEの過剰発現などに起因する疾患、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症)、動脈硬化症などの予防・治療剤として用いることができる。
上記予防・治療剤は、前記したレセプターアンタゴニストを含有する医薬と同様にして製造し、使用することができる。
【0088】
(6)本発明のアンチセンスDNAを含有してなる医薬
本発明のアンチセンスDNAは、MEPEの過剰発現などに起因する疾患、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症)、動脈硬化症などの予防・治療剤として用いることができる。
例えば、該アンチセンスDNAを用いる場合、該アンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施することができる。該アンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
さらに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。
上記予防・治療剤は、前記した本発明のMEPEをコードするポリヌクレオチドを含有する医薬と同様にして製造し、使用することができる。
【0089】
(7)本発明のDNA導入動物の用途
本発明は、外来性の本発明のDNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)またはその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する場合がある)を有する非ヒト哺乳動物の新規用途を提供する。
本発明で使用される非ヒト哺乳動物は、
〔1〕本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、
〔2〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔1〕記載の動物、
〔3〕ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第〔2〕記載の動物である。
本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、本発明のDNA転移動物と略記する)は、未受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法などにより目的とするDNAを転移することによって作出することができる。また、該DNA転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞などに目的とする本発明の外来性DNAを転移し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融合法により融合させることにより本発明のDNA転移動物を作出することもできる。
非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1系統,BALB/c系統,ICR系統など)またはラット(例えば、Wistar,SDなど)などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
【0090】
本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換などが生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含まれる。
該異常DNAとしては、異常な本発明のMEPEを発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発明のMEPEの機能を抑制するMEPEを発現させるDNAなどが用いられる。
本発明の外来性DNAは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同性が高い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによって本発明のDNAを高発現するDNA転移哺乳動物を作出することができる。
【0091】
本発明のMEPEの発現ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリオファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなどの動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミドなどが好ましく用いられる。
上記のDNA発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、▲1▼ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイルス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモーター、▲2▼各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のプロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、ペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブリン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VNP)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサイトメガロウイルスプロモーター、ヒトペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、DNA転移哺乳動物において目的とするメッセンジャーRNAの転写を終結する配列(一般にターミネターと呼ばれる)を有していることが好ましく、例えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミアンウイルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
【0092】
その他、目的とする外来性DNAをさらに高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部などをプロモーター領域の5’上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流 に連結することも目的により可能である。
正常な本発明のMEPEの翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公知の方法により調製された相補DNAを原料として取得することが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記の細胞または組織より得られた正常なMEPEの翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製することができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通常のDNA工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在することは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを有する。
本発明の外来性正常DNAを転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有する。
導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを過剰に有するように繁殖継代することができる。
【0093】
本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に本発明のMEPEの機能亢進症を発症することがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、本発明のMEPEの機能亢進症や、本発明のMEPEが関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、本発明の外来性正常DNAを転移させた哺乳動物は、本発明のMEPEの増加症状を有することから、本発明のMEPEに関連する疾患、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症)、動脈硬化症に対する治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
一方、本発明の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科として用いることができる。プロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞段階における本発明の異常DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
【0094】
本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に本発明のMEPEの機能不活性型不応症(例、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患)となることがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、本発明のMEPEの機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、具体的な利用可能性としては、本発明の異常DNA高発現動物は、本発明のMEPEの機能不活性型不応症における本発明の異常MEPEによる正常MEPEの機能阻害(dominant negative作用)を解明するモデルとなる。
また、本発明の外来異常DNAを転移させた哺乳動物は、本発明のMEPEの増加症状を有することから、本発明のMEPEまたはの機能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。
さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、本発明のMEPEの機能不活性型不応症を含む、本発明のMEPEに関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供することが可能となる。また、本発明のDNA転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクターを用いて、本発明のMEPEが関連する疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能である。
【0095】
(6)ノックアウト動物
本発明で用いられる非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、
〔1〕本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
〔2〕該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化された第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔3〕ネオマイシン耐性である第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔4〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔5〕ゲッ歯動物がマウスである第〔4〕項記載の胚幹細胞、
〔6〕本発明のDNAが不活性化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、
〔7〕該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる第〔6〕項記載の非ヒト哺乳動物、
〔8〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔6〕項記載の非ヒト哺乳動物、
〔9〕ゲッ歯動物がマウスである第〔8〕項記載の非ヒト哺乳動物である。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしている本発明のMEPEの活性を実質的に喪失させることにより、DNAが実質的に本発明のMEPEの発現能を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記する)をいう。
非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
本発明のDNAに人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入または置換させることによって行なうことができる。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。
【0096】
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別することにより得ることができる。
また、相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知 EvansとKaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善したBDF1マウス(C57BL/6とDBA/2とのF1)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。BDF1マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57BL/6マウスとバッククロスすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可能である点で有利に用い得る。
また、ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
【0097】
ES細胞の雌雄の判定方法としては、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例としてあげることができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするのに約106個の細胞数を要していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バンディング法による染色体数の確認等により行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である細胞)に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA溶液(通常0.001−0.5%トリプシン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。このような継代は、通常1〜3日毎に行なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschman ら、ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、インビトロにおける本発明のMEPEまたは本発明のMEPEの細胞生物学的検討において有用である。
【0098】
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区別することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウトさせることができる。
本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法による解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定等により選別することにより得られる。このようにして得られた個体は、通常、本発明のMEPEのヘテロ発現不全個体であり、本発明のMEPEのヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本発明のMEPEのホモ発現不全個体を得ることができる。
【0099】
卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明のDNAがノックアウトされている個体は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックアウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。
また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のMEPEにより誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発明のMEPEの生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用である。
【0100】
(6a)本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニング方法
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患)に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
具体的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0101】
該スクリーニング方法において、試験動物に試験化合物を投与した場合、例えば、該試験動物の骨粗鬆症の症状が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%以上改善した場合、該試験化合物を上記の疾患に対して治療・予防効果を有する化合物として選択することができる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のMEPEの欠損や損傷などによって引き起こされる上記疾患に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として使用することができる。さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸など)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記したレセプターアゴニストを含有する医薬と同様にして製造し、使用することができる。
【0102】
(6b)本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニング方法
本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
上記スクリーニング方法において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられる。
試験化合物としては、前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、前記と同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
本発明のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレースすることにより、プロモーターの活性を検出することができる。
例えば、本発明のMEPEをコードするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発明のMEPEの発現する組織で、本発明のMEPEの代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することにより、簡便に本発明のMEPEの動物生体内における発現状態を観察することができる。具体的には、本発明のMEPE欠損マウスまたはその組織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコードするmRNAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物である。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
【0103】
本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、本発明のMEPEの発現を促進し、該MEPEの機能を促進することができるので、例えば、本発明のMEPEの機能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤などの医薬として使用することができる。具体的には、該化合物は、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患)の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。さらには、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、顎堤形成および口蓋裂の修復剤などとしても使用することができる。
一方、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、本発明のMEPEの発現を阻害し、該MEPEの機能を阻害することができるので、例えば、本発明のMEPEの発現過多に関連する疾患などの予防・治療剤などの医薬として有用である。具体的には、該化合物は、例えば、硬直性脊髄炎、骨大理石病、脊柱靭帯骨化症、動脈硬化症などの疾患の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。
さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記したレセプターアゴニストまたはアンタゴニストを含有する医薬と同様にして製造し、使用することができる。
【0104】
このように、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有用であり、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献することができる。
また、本発明のMEPEのプロモーター領域を含有するDNAを使って、その下流に種々のタンパクをコードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成すれば、特異的にそのMEPEを合成させ、その生体での作用を検討することも可能となる。さらに上記プロモーター部分に適当なレポータ遺伝子を結合させ、これが発現するような細胞株を樹立すれば、本発明のMEPEそのものの体内での産生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。
【0105】
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸
cDNA :相補的デオキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グアニン
C :シトシン
RNA :リボ核酸
mRNA :メッセンジャーリボ核酸
dATP :デオキシアデノシン三リン酸
dTTP :デオキシチミジン三リン酸
dGTP :デオキシグアノシン三リン酸
dCTP :デオキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジアミン四酢酸
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0106】
Gly :グリシン
Ala :アラニン
Val :バリン
Leu :ロイシン
Ile :イソロイシン
Ser :セリン
Thr :スレオニン
Cys :システイン
Met :メチオニン
Glu :グルタミン酸
Asp :アスパラギン酸
Lys :リジン
Arg :アルギニン
His :ヒスチジン
Phe :フェニルアラニン
Tyr :チロシン
Trp :トリプトファン
Pro :プロリン
Asn :アスパラギン
Gln :グルタミン
pGlu :ピログルタミン酸
* :終止コドンに対応する
Me :メチル基
Et :エチル基
Bu :ブチル基
Ph :フェニル基
TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
【0107】
また、本明細書中で繁用される置換基、保護基および試薬を下記の記号で表記する。
Tos :p−トルエンスルフォニル
CHO :ホルミル
Bzl :ベンジル
Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル
Bom :ベンジルオキシメチル
Z :ベンジルオキシカルボニル
Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル
Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル
Boc :t−ブトキシカルボニル
DNP :ジニトロフェノール
Trt :トリチル
Bum :t−ブトキシメチル
Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル
HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール
HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン
HONB :1−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0108】
本明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
配列番号:1
本発明のMEPEのアミノ酸配列を示す。
配列番号:2
本発明のMEPEをコードするcDNAの塩基配列を示す。
【0109】
【実施例】
以下に参考例および実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子は、モレキュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載されている方法に従った。
【0110】
参考例1 組換え型MEPE−FLAG の昆虫細胞における分泌発現
WO01/98495号の実施例6に記載のベクター pT−PHOSF−11 から BamHI およびSal I で切り出したMEPE構造遺伝子と同じ制限酵素処理をしたpFastBac1を用いてligation反応を行い、JM109コンピテントセルに形質転換した。得られた形質転換(JM109/pFastBac−PHOSF)からプラスミドDNAを調製し、塩基配列の確認を行った。その後、Bacmidおよびhelper存在下で pFastBac−PHOSFを MAX Efficiency DH10Bacに形質転換しBacmid−PHOSFを含む大腸菌コロニーを得た。さらにその形質転換体からBacmid−PHOSFを調製し、CELLFECTIN試薬存在下で昆虫細胞SF+株に形質転換し、組換え型 MEPE−FLAG発現用のバキュロウイルスを取得した。
【0111】
参考例2 昆虫細胞由来の組換え型MEPE−FLAG の精製
昆虫細胞SF+株の培養を6 Lスケールで行い、参考例1得たバキュロウイルスのストックを添加することにより組換え型 MEPE−FLAGの分泌発現を誘導した。その結果、培養上清中には分子量65kDaのバンドがwestern blottingで明確に確認できたので、発現量が最大となるところで培養をストップした。
昆虫細胞由来の組換え型MEPE−FLAG の精製は、WO01/98495号の実施例7に記載の方法に準じて行った。昆虫細胞のバキュロウイルス感染後の培養上清各1Lを、50mM Tris−HCl(pH 8.0)で平衡化した抗MEPE抗体カラム(5 ml)に4.5ml/分の流速で吸着させた。次に0.5 M NaCl, Tris−HCl(pH 8)で洗浄した後、0.5 M NaCl, 0.1 M glycine(pH 3.0)で抗体カラムに吸着したMEPEを溶出させ、1M Tris−HCl(pH 8.0)で中和した。溶出液を限外濾過膜(ビバスピン20 分画分子量10K)(ザルトリウス (株))で濃縮後、PBSにバッファー置換し最終標品とした。昆虫細胞のバキュロウイルス感染後の培養上清6Lから、組換え型 MEPE−FLAG標品 18mg を取得した。本標品のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った結果では、65kDaの蛋白バンドを示しその下に分解物のバンドが薄く検出されるものの、本標品が極めて高純度であることが分かった。(図1)。
【0112】
実施例1 組換え型MEPE−FLAG の骨分化促進作用の測定
組換え型 MEPE−FLAGの正常ヒト間葉系幹細胞に対する骨分化促進作用(細胞内アルカリホスファターゼ濃度、カルシウム吸着)について検討を行った。
正常ヒト間葉系幹細胞(hMSC, BioWhittaker社)を間葉系幹細胞増殖培地 (MSCGM, BioWhittaker社)を用いて24ウェルプレート(3.1 x 104/ well)で24時間培養後、500 ng/ mLのMEPE−FLAGを添加し(未分化条件)、週2回500 ng/ mLのMEPE−FLAGを含むMSCGMで培地交換を行った。細胞内アルカリホスファターゼは、細胞をPBSで洗浄し、lysis buffer ( 20mM Tris, 0.5 mM MgCl2, 0.1 mM ZnCl2, 0.1 % Triton−X)で溶解後、アルカリ性ホスファBテスト−ワコー(和光純薬)を用いて測定した。
また、同様の実験を分化誘導培地(0.1 mM dexamethasone, 0.05 mM ascorbicacid−2−phosphate, 10 mM b−glycerophosphateを含むMSCGM)を用いて行った。
MEPE−FLAG添加3、7、10、13日目に細胞内アルカリホスファターゼ濃度を測定した結果、未分化条件において経時的にMEPE−FLAGは細胞内アルカリホスファターゼの生成を有意に上昇させ(図2)、また、分化誘導条件においても10日目までMEPE−FLAGによる有意な上昇が認められた(図3)。
カルシウム吸着はhMSCをMSCGMで6ウェルプレート(1.5 x 105 / well)24時間培養後、5〜500 ng / mLのMEPE−FLAGを含む分化誘導培地で上記と同様に培養し、細胞をPBSで洗浄後、0.5 N HClでカルシウムを抽出し、カルシウムCテスト−ワコー(和光純薬)を用いて測定した。分化誘導14日目に測定した結果、対照群に比べてMEPE−FLAGは5〜500 ng / mLの範囲内で濃度依存的に細胞吸着カルシウムを有意に上昇させた(図4)。
【0113】
【発明の効果】
本発明のMEPE、その部分ペプチドまたはその塩、または本発明のMEPEもしくはその部分ペプチドをコードするDNAは、例えば、代謝性骨疾患、代謝性軟骨疾患(例、骨粗鬆症、骨折、再骨折、骨軟化症、骨ベーチェット病、くる病、腎性骨異栄養症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、歯周病などの疾患)の予防および/または治療剤などの低毒性で安全な医薬として使用することができる。さらには、多発性骨髄腫、肺癌および乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤、人工関節の安定化剤、歯周疾患における歯周組織欠損の修復剤、人工歯根の安定化剤、顎堤形成および口蓋裂の修復剤などとしても使用することができる。
【0114】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】昆虫細胞由来の組換え型MEPE精製標品のSDS−PAGEの結果を示す。
【図2】組換え型 MEPE−FLAGによる正常ヒト間葉系幹細胞に対する細胞内アルカリホスファターゼ産生促進作用を増殖培地で調べた結果を示す。横軸は培養時間(日)を、縦軸は細胞内アルカリホスファターゼ活性(IU/well×103)を示す。−○−はコントロールを、−●−はMEPEを500ng/mL添加した時の結果を示す。
【図3】組換え型 MEPE−FLAGによる正常ヒト間葉系幹細胞に対する細胞内アルカリホスファターゼ産生促進作用を分化誘導培地で調べた結果を示す。横軸は培養時間(日)を、縦軸は細胞内アルカリホスファターゼ活性(IU/well×103)を示す。−○−はコントロールを、−●−はMEPEを500ng/mL添加した時の結果を示す。
【図4】組換え型 MEPE−FLAGによる正常ヒト間葉系幹細胞におけるカルシウム吸着促進作用を分化誘導培地で調べた結果を示す。横軸はMEPEの濃度(ng/mL)を、縦軸は細胞吸着カルシウム濃度(μg/well)を示す。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel use of the MEPE protein found in patients with neoplastic hypophosphatemic osteomalacia.
[0002]
[Prior art]
Neoplastic hypophosphatemic osteomalacia (ONCO) is mainly a mesodermal tumor such as bone (benign osteoblastoma, ossified mesenchymal) and soft tissue (angioma, fibroma) Is a disease that causes remarkable leakage of phosphorus from the kidney to cause hypophosphatemia and osteomalacia (Tumor associated rickets and osteomalasia Fabus MJ (ed) American Society for Bone Mineral Research (AMERICAN SOCIETY) FOR BONE MINERAL RESEARCH), 184-188, 1990). OHO completely eliminated its symptoms by removing the tumor, and induced hypophosphatemia by transplanting the tumor of an OHO patient into a nude mouse or continuously administering a tumor extract to rats (Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism (JOURNAL OF CLINICAL ENDOCRINOLOGY AND METABOLISM) 67, 46-53, 1988; Journal of Pediatrics (JOURNAL OF PEDIATRICS) 91, 56-60, 1977, et al. As a result, the presence of humoral phosphorus diuretic factor excessively secreted by the tumor was suggested. In recent years, this factor has been called “Phosphatonin”, and in experimental systems using cultured human or animal kidney cells, Na in renal proximal tubules has been identified. + -It has been suggested to suppress phosphorus reabsorption by a Pi transporter (PROCEEDINGS OF ASSOCIATION OF AMERICAN PHYSCIANS) 107, 1296-1305, 1995; Bone (BONE) ), 18, 159-169, 1996).
In WO 01/98495, the structure of a phosphatonin candidate gene named MEPE was clarified, and the prepared recombinant MEPE preparation contained phosphorus against normal human proximal tubular epithelial cells (RPTEC, BioWhittaker). It has been reported that acid uptake inhibitory activity is slightly observed. However, according to the study of Shimada et al. (Pro. NAS USA 98 6500-6505, 2001), another humoral factor that is now named FGF-23 is called “Phosphatonin”. It is becoming clear that the protein has a function to be called.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a new use of MEPE.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have predicted that MEPE protein has another physiological function different from phosphatonin action, and as a result of intensive studies, it has been found that MEPE protein unexpectedly has phosphatonin action. Have different activities of promoting bone differentiation, and have completed the present invention.
[0005]
That is, the present invention
(1) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Bone differentiation promoting agent comprising a protein, a partial peptide thereof or a salt thereof,
(2) the agent according to the above (1), which is a prophylactic / therapeutic agent for a metabolic bone disease or a metabolic cartilage disease;
(3) A preventive / therapeutic agent for osteoporosis, bone fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis or periodontal disease, after surgery The agent according to the above (1), which is a bone tissue repair agent, a stabilizer for artificial joints, a repair agent for periodontal tissue defects in periodontal disease, a stabilizer for artificial roots, or a repair agent for ridge formation and cleft palate. ,
(4) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as the amino acid sequence from the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 A bone differentiation promoting agent comprising a polynucleotide containing a polynucleotide encoding a protein or a partial peptide thereof,
(5) The agent according to the above (4), which is a prophylactic / therapeutic agent for a metabolic bone disease or a metabolic cartilage disease.
(6) A preventive / therapeutic agent for osteoporosis, bone fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis or periodontal disease, after surgery The agent according to the above (4), which is a bone tissue repair agent, a stabilizer for artificial joints, a repair agent for periodontal tissue defects in periodontal disease, a stabilizer for artificial roots, or a repair agent for ridge formation and cleft palate. ,
(7) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as amino acid sequence 17 to 525 of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 A diagnostic agent for metabolic bone disease or metabolic cartilage disease comprising a polynucleotide containing a polynucleotide encoding a protein or a partial peptide thereof,
(8) osteoporosis, bone fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease, ankylosing myelitis, osteoporosis, The agent according to the above (7), which is a diagnostic agent for spinal ligament ossification or arteriosclerosis,
(9) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as amino acid sequence 17 to 525 of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Bone differentiation inhibitor comprising an antibody to a protein, a partial peptide thereof or a salt thereof,
(10) The agent according to the above (9), which is a prophylactic / therapeutic agent for a metabolic bone disease or a metabolic cartilage disease.
(11) The agent according to the above (9), which is a prophylactic / therapeutic agent for periodontal disease, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification or arteriosclerosis,
(12) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as amino acid sequence 17 to 525 of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 A diagnostic agent for metabolic bone disease or metabolic cartilage disease comprising an antibody against a protein, a partial peptide thereof, or a salt thereof,
(13) osteoporosis, bone fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease, stiff myelitis, osteoarthritis, The agent according to the above (12), which is a diagnostic agent for spinal ligament ossification or arteriosclerosis,
(14) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as amino acid sequence 17 to 525 of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 A bone differentiation inhibitor comprising a polynucleotide comprising a polynucleotide comprising a polynucleotide or a part thereof which is complementary to a polynucleotide comprising a polynucleotide encoding a protein or a partial peptide thereof,
(15) The agent according to the above (14), which is a prophylactic / therapeutic agent for metabolic bone disease or metabolic cartilage disease.
(16) The agent according to the above (14), which is a prophylactic / therapeutic agent for periodontal disease, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification or arteriosclerosis.
(17) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as the amino acid sequence from the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 A bone differentiation promoting agent comprising an agonist for a receptor protein or a receptor protein thereof,
(18) the agent according to the above (17), which is a prophylactic / therapeutic agent for metabolic bone disease or metabolic cartilage disease;
(19) A preventive / therapeutic agent for osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis or periodontal disease, after surgery The agent according to the above (17), which is a bone tissue repair agent, a stabilizer for artificial joints, a repair agent for periodontal tissue defects in periodontal disease, a stabilizer for artificial roots, or a repair agent for ridge formation and cleft palate. ,
(20) (1) contains an amino acid sequence identical or substantially identical to the amino acid sequence from the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 A bone differentiation inhibitor comprising an antagonist to a receptor protein of a protein or a salt thereof,
(21) the agent according to the above (20), which is a prophylactic / therapeutic agent for metabolic bone disease or metabolic cartilage disease;
(22) the agent according to the above (20), which is a prophylactic / therapeutic agent for periodontal disease, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification or arteriosclerosis;
(23) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Bone promoting agent comprising a compound that promotes intracellular signal transduction after binding of a protein, a partial peptide thereof or a salt thereof to a receptor protein or a salt thereof,
(24) the agent according to the above (23), which is a prophylactic / therapeutic agent for a metabolic bone disease or a metabolic cartilage disease;
(25) A preventive or therapeutic agent for osteoporosis, bone fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis or periodontal disease, after surgery The agent according to the above (23), which is a bone tissue repair agent, a stabilizer for an artificial joint, a repair agent for a periodontal tissue defect in periodontal disease, a stabilizer for an artificial root, or a repair agent for ridge formation and cleft palate. ,
(26) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as amino acid sequence 17 to 525 of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Bone differentiation inhibitor comprising a compound or a salt thereof that inhibits intracellular signal transduction after binding between a protein to be bound, a partial peptide thereof or a salt thereof and a receptor protein,
(27) the agent according to the above (26), which is a prophylactic / therapeutic agent for a metabolic bone disease or a metabolic cartilage disease;
(28) The agent according to the above (26), which is a preventive / therapeutic agent for periodontal disease, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification or arteriosclerosis,
(29) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as amino acid sequence 17 to 525 of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Protein, a partial peptide or a compound having an action of inhibiting a proteinase that degrades a salt thereof or a bone differentiation promoting agent comprising the salt thereof,
(30) The agent according to the above (29), which is a prophylactic / therapeutic agent for metabolic bone disease or metabolic cartilage disease,
(31) A preventive / therapeutic agent for osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis or periodontal disease, after surgery The agent according to the above (29), which is a bone tissue repair agent, a stabilizer for artificial joints, a repair agent for periodontal tissue defects in periodontal disease, a stabilizer for artificial dental roots, or a repair agent for ridge formation and cleft palate. ,
(32) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as amino acid sequence 17 to 525 of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Bone differentiation inhibitor comprising a compound having a function of promoting a proteinase that degrades a proteinase, a partial peptide thereof or a salt thereof, or a salt thereof,
(33) the agent according to the above (32), which is a prophylactic / therapeutic agent for a metabolic bone disease or a metabolic cartilage disease;
(34) The agent according to the above (32), which is a prophylactic / therapeutic agent for periodontal disease, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification, or arteriosclerosis.
(35) (1) contains the same or substantially the same amino acid sequence as the amino acid sequence from the 17th to the 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Bone differentiation promoting agent comprising a compound or a salt thereof, which increases the expression level of a protein to be expressed, a partial peptide thereof or a salt thereof,
(36) the agent according to the above (35), which is a prophylactic / therapeutic agent for a metabolic bone disease or a metabolic cartilage disease;
(37) A preventive or therapeutic agent for osteoporosis, bone fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis or periodontal disease, after surgery The agent according to the above (35), which is a bone tissue repair agent, a stabilizer for an artificial joint, a repair agent for a periodontal tissue defect in a periodontal disease, a stabilizer for an artificial root, or a repair agent for ridge formation and cleft palate. ,
(38) (1) containing the same or substantially the same amino acid sequence as amino acid sequence 17 to 525 of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (2) the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Bone differentiation inhibitor comprising a compound or a salt thereof that reduces the expression level of a protein to be expressed, a partial peptide thereof or a salt thereof,
(39) The agent according to the above (38), which is a prophylactic / therapeutic agent for a metabolic bone disease or a metabolic cartilage disease, and
(40) The agent according to the above (38), which is a prophylactic / therapeutic agent for periodontal disease, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification, or arteriosclerosis.
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The protein used in the present invention (hereinafter, sometimes abbreviated as MEPE) is a protein having the same or substantially the same amino acid sequence as the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, more preferably SEQ ID NO: 1. It is a protein containing the same or substantially the same amino acid sequence as the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented, and is a known protein (WO01 / 98495).
The MEPE of the present invention can be used, for example, in any cells (eg, spleen cells, nerve cells, glial cells) of humans and warm-blooded animals (eg, guinea pigs, rats, mice, chickens, rabbits, pigs, sheep, cows, horses, monkeys, etc.). Cells, pancreatic β cells, bone marrow cells, mesangial cells, Langerhans cells, epidermal cells, epithelial cells, endothelial cells, fibroblasts, fiber cells, muscle cells, adipocytes, immune cells (eg, macrophages, T cells, B cells, Natural killer cells, mast cells, neutrophils, basophils, eosinophils, monocytes), megakaryocytes, synovial cells, chondrocytes, osteocytes, osteoblasts, osteoclasts, mammary cells, hepatocytes or Stromal cells, or precursors, stem cells, or cancer cells of these cells, or any tissue in which those cells are present, such as the brain, various parts of the brain (eg, olfactory bulb, amygdala, cerebrum) Basal nucleus, hippocampus, thalamus, hypothalamus, cerebral cortex, medulla, cerebellum), spinal cord, pituitary, stomach, pancreas, kidney, liver, gonad, thyroid, gall bladder, bone marrow, adrenal gland, skin, muscle, lung, digestive tract ( Eg, large intestine, small intestine, duodenum), blood vessels, heart, thymus, spleen, submandibular gland, peripheral blood, prostate, testis, ovary, placenta, uterus, bone, joint, skeletal muscle, etc. Or a synthetic protein.
[0007]
The amino acid sequence substantially the same as the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 includes, for example, the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1. Amino acid sequences having homology of about 40% or more, preferably 60% or more, more preferably about 80% or more, still more preferably about 90% or more, and most preferably about 95% or more.
The amino acid sequence substantially the same as SEQ ID NO: 1 is, for example, about 40% or more, preferably 60% or more, more preferably about 80% or more, and still more preferably about the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1. Amino acid sequences having 90% or more, most preferably about 95% or more homology, and the like can be mentioned.
[0008]
As described above, MEPE of the present invention containing an amino acid sequence substantially identical to the 17th to 525th amino acid sequences of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Has an amino acid sequence substantially identical to the amino acid sequence from the 525th position to the 525th position, and has substantially the same activity as MEPE containing the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1. Proteins and the like are preferred.
The MEPE of the present invention containing an amino acid sequence substantially identical to SEQ ID NO: 1 has an amino acid sequence substantially identical to the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 as described above, and A protein having an activity substantially equivalent to that of the protein containing the amino acid sequence represented by
Substantially the same activity includes, for example, a bone differentiation promoting action. Substantially the same indicates that their activities are the same in nature. Therefore, it is preferable that the bone differentiation promoting action is the same (eg, about 0.5 to 2 times), but the quantitative factors such as the degree of these activities and the molecular weight of the protein may be different.
In the MEPE of the present invention, (1) one or two or more amino acids (for example, 1 to 80, preferably 1 to 20) in the 17th to 525th amino acid sequences of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Amino acid sequence in which about 1 to 9 amino acids have been deleted, more preferably about 1 to 9 amino acids, and still more preferably 1 or 2 amino acids. Or an amino acid sequence to which two or more (for example, 1 to 80, preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 9, and still more preferably several (1 or 2)) amino acids have been added; ▼ One or two or more amino acids in the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 (eg, about 1 to 80, preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 9) More preferably also includes so-called muteins such as proteins containing the amino acid sequence represented several (1 or 2)) are substituted with other amino acids.
In the MEPE of the present invention, (1) one or more (for example, about 1 to 80, preferably about 1 to 20, more preferably 1 to 9) amino acids in the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Amino acid sequence in which several (1 or 2) amino acids have been deleted, more preferably 1 or 2 or more (for example, 1 to 80, preferably 1 to 80) in the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1. An amino acid sequence to which about 1 to 20, more preferably about 1 to 9, and still more preferably several (one or two) amino acids have been added; (3) one amino acid in the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 Or, two or more (eg, about 1 to 80, preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 9, and still more preferably several (1 or 2)) amino acids have been substituted with other amino acids. Amino acid sequence So-called muteins such as proteins having also included.
When the amino acid sequence is deleted or substituted as described above, the position of the deletion or substitution is not particularly limited.
[0009]
In the protein in the present specification, the left end is the N-terminus (amino terminus) and the right end is the C-terminus (carboxyl terminus) according to the convention of peptide labeling. The MEPE of the present invention, including the MEPE containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, has a carboxyl group (-COOH) and a carboxylate (-COO) − ), Amide (-CONH 2 ) Or an ester (—COOR).
Here, R in the ester group is, for example, C, such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl or n-butyl. 1-6 Alkyl groups such as C, cyclopentyl, cyclohexyl, etc. 3-8 Cycloalkyl groups such as phenyl, α-naphthyl and the like; 6-12 Aryl groups, for example phenyl-C such as benzyl, phenethyl, etc. 1-2 An alkyl group or α-naphthyl-C such as α-naphthylmethyl 1-2 C such as an alkyl group 7-14 In addition to aralkyl groups, pivaloyloxymethyl groups commonly used as oral esters are used.
When the MEPE of the present invention has a carboxyl group (or carboxylate) other than the C-terminus, a protein in which the carboxyl group is amidated or esterified is also included in the protein of the present invention. As the ester in this case, for example, the above-mentioned C-terminal ester and the like are used.
Furthermore, in the MEPE of the present invention, in the above MEPE, the amino group of the N-terminal methionine residue has a protecting group (for example, a C group such as a formyl group or an acetyl group). 1-6 Acyl group), a glutamyl group formed by cleavage of the N-terminal side in vivo and pyroglutamine oxidation, a substituent on the side chain of an amino acid in the molecule (for example, -OH, -SH, An amino group, an imidazole group, an indole group, a guanidino group, etc. are suitable protecting groups (for example, C, such as formyl group and acetyl group). 1-6 (Eg, an acyl group), or a complex protein such as a so-called glycoprotein to which a sugar chain is bound.
More specifically, as the MEPE of the present invention, for example, a protein derived from a human OHO patient tumor having the amino acid sequence from the 17th to the 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, represented by SEQ ID NO: 1 Proteins derived from human OHO patient tumors having an amino acid sequence are preferred.
The 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 is a sequence obtained by removing the secretory signal sequence from the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1.
[0010]
The partial peptide of MEPE of the present invention may be any peptide as long as it has the same activity as that of the MEPE of the present invention described above, for example, a bone differentiation promoting action.
Specifically, a partial peptide having the 17th to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, a partial peptide having the 17th to 330th amino acid sequence, and a 331th to 525th amino acid sequence A partial peptide having an amino acid sequence is preferably used.
[0011]
Further, the partial peptide of the present invention has substantially the same amino acid sequence as the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, and is substantially the same as the peptide containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1. Partial peptides having activity are preferred.
Examples of the substantially equivalent activity include a bone differentiation promoting action. Substantially the same indicates that their activities are the same in nature. Therefore, it is preferable that the bone differentiation promoting actions are equivalent (eg, about 0.5 to 2 times), but the quantitative factors such as the degree of these activities and the molecular weight of the protein may be different.
The partial peptides of the present invention also include those that are (antagonistic) inhibitory types of the MEPE of the present invention, that is, those having an activity of inhibiting the activity of the MEPE of the present invention.
[0012]
Furthermore, the partial peptide of the present invention has an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 in an amount of about 40% or more, preferably 60% or more, more preferably about 80% or more, still more preferably about 90% or more, and most preferably A partial peptide of a protein having a homology of about 95% or more is used. More specifically, one or more (for example, 1 to 80, preferably 1 to 80) in the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 is used. About 20 amino acids, more preferably about 1 to 9 amino acids, and still more preferably several amino acids, the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or 2 or more amino acids (for example, 1 to 80 amino acids, Preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 9, and still more preferably several amino acids, an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1. Contains an amino acid sequence in which one or two or more (for example, 1 to 80, preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 9, and still more preferably several) amino acids have been substituted with other amino acids It also includes partial peptides of proteins to be processed.
Furthermore, the 17th to 525th amino acid sequence, the 17th to 330th amino acid sequence or the 331st to 525th amino acid sequence of the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 (hereinafter referred to as amino acid sequence A) Abbreviated) and a partial peptide having a homology of about 40% or more, preferably 60% or more, more preferably about 80% or more, still more preferably about 90% or more, and most preferably about 95% or more. Specifically, one or more (eg, about 1 to 80, preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 9, and still more preferably several) amino acids in the amino acid sequence A are deleted. 1 or 2 or more (for example, about 1 to 80, preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 9, and more preferably An amino acid sequence to which one or two or more amino acids are added (e.g., about 1 to 80, preferably about 1 to 20, more preferably about 1 to 9, and still more preferably ) Amino acids are substituted with other amino acids.
[0013]
The partial peptide of the present invention has a carboxyl group (—COOH) and a carboxylate (—COO) − ), Amide (-CONH 2 )) Or an ester (—COOR). When the partial peptide of the present invention has a carboxyl group (or carboxylate) other than the C-terminal, those in which the carboxyl group is amidated or esterified are also included in the partial peptide of the present invention. As the ester in this case, for example, the above-mentioned C-terminal ester and the like are used.
Further, the partial peptide of the present invention includes, as in the case of MEPE described above, one in which the amino group of the N-terminal methionine residue is protected with a protecting group, Also included are those in which the substituent on the side chain of the amino acid in the molecule is protected by an appropriate protecting group, or those in which a sugar chain is bonded, such as a so-called glycopeptide.
Examples of the salt of MEPE or a partial peptide thereof of the present invention include a physiologically acceptable salt with an acid or a base, and a physiologically acceptable acid addition salt is particularly preferable. Such salts include, for example, salts with inorganic acids (eg, hydrochloric acid, phosphoric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid) or organic acids (eg, acetic acid, formic acid, propionic acid, fumaric acid, maleic acid, succinic acid) Acids, tartaric acid, citric acid, malic acid, oxalic acid, benzoic acid, methanesulfonic acid, benzenesulfonic acid) and the like are used.
[0014]
The MEPE of the present invention or a salt thereof can be produced from the above-mentioned human or mammalian cell or tissue by a known method for purifying a receptor protein, or contains a DNA encoding the MEPE of the present invention described later. It can also be produced by culturing a transformant. Further, the protein can also be produced according to the protein synthesis method described later or according thereto.
When producing from human or mammalian tissues or cells, the homogenized human or mammalian tissues or cells are extracted with an acid or the like, and the extract is subjected to chromatography such as reverse phase chromatography or ion exchange chromatography. Can be purified and isolated.
[0015]
For the synthesis of the MEPE of the present invention, its partial peptide, its salt or its amide, a commercially available resin for protein synthesis can be used. Examples of such a resin include chloromethyl resin, hydroxymethyl resin, benzhydrylamine resin, aminomethyl resin, 4-benzyloxybenzyl alcohol resin, 4-methylbenzhydrylamine resin, PAM resin, and 4-hydroxymethylmethyl. Phenylacetamidomethyl resin, polyacrylamide resin, 4- (2 ′, 4′-dimethoxyphenyl-hydroxymethyl) phenoxy resin, 4- (2 ′, 4′-dimethoxyphenyl-Fmocaminoethyl) phenoxy resin, and the like. it can. Using such a resin, an amino acid having an α-amino group and a side chain functional group appropriately protected is condensed on the resin in accordance with the sequence of the target protein according to various known condensation methods. At the end of the reaction, the protein is cleaved from the resin, and at the same time, various protecting groups are removed. Further, an intramolecular disulfide bond formation reaction is carried out in a highly diluted solution to obtain a target protein or its amide.
Regarding the condensation of the above protected amino acids, various activating reagents that can be used for protein synthesis can be used, and carbodiimides are particularly preferable. As the carbodiimides, DCC, N, N′-diisopropylcarbodiimide, N-ethyl-N ′-(3-dimethylaminoprolyl) carbodiimide and the like are used. For activation by these, the protected amino acid is directly added to the resin together with a racemization inhibitor additive (for example, HOBt, HOOBt), or the protected amino acid is previously activated as a symmetric acid anhydride or a HOBt ester or a HOOBt ester. After that, it can be added to the resin.
[0016]
The solvent used for the activation of the protected amino acid and the condensation with the resin can be appropriately selected from solvents known to be usable for the protein condensation reaction. For example, acid amides such as N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N-methylpyrrolidone, halogenated hydrocarbons such as methylene chloride and chloroform, alcohols such as trifluoroethanol, and dimethyl sulfoxide. Sulfoxides, ethers such as pyridine, dioxane, and tetrahydrofuran, nitriles such as acetonitrile and propionitrile, esters such as methyl acetate and ethyl acetate, and appropriate mixtures thereof are used. The reaction temperature is appropriately selected from a range known to be usable for a protein bond formation reaction, and is usually appropriately selected from a range of about -20 ° C to 50 ° C. The activated amino acid derivative is usually used in a 1.5 to 4-fold excess. As a result of the test using the ninhydrin reaction, if the condensation is insufficient, sufficient condensation can be performed by repeating the condensation reaction without removing the protecting group. When a sufficient condensation cannot be obtained by repeating the reaction, the unreacted amino acid can be acetylated using acetic anhydride or acetylimidazole.
[0017]
Examples of the protecting group for the amino group of the raw material include, for example, Z, Boc, tertiarypentyloxycarbonyl, isobornyloxycarbonyl, 4-methoxybenzyloxycarbonyl, Cl-Z, Br-Z, adamantyloxycarbonyl, trifluoroacetyl , Phthaloyl, formyl, 2-nitrophenylsulfenyl, diphenylphosphinothioyl, Fmoc and the like.
The carboxyl group may be, for example, a linear, branched or cyclic alkyl ester such as an alkyl esterified ester (eg, methyl, ethyl, propyl, butyl, tertiary butyl, cyclopentyl, cyclohexyl, cycloheptyl, cyclooctyl, 2-adamantyl). ), Aralkyl esterification (eg, benzyl ester, 4-nitrobenzyl ester, 4-methoxybenzyl ester, 4-chlorobenzyl ester, benzhydryl esterification), phenacyl esterification, benzyloxycarbonyl hydrazide, tertiary butoxy It can be protected by carbonyl hydrazide, trityl hydrazide and the like.
The hydroxyl group of serine can be protected, for example, by esterification or etherification. As a group suitable for this esterification, for example, a lower alkanoyl group such as an acetyl group, an aroyl group such as a benzoyl group, and a group derived from carbonic acid such as a benzyloxycarbonyl group and an ethoxycarbonyl group are used. Examples of the group suitable for etherification include a benzyl group, a tetrahydropyranyl group, and a t-butyl group.
Examples of the protecting group for the phenolic hydroxyl group of tyrosine include Bzl, Cl 2 -Bzl, 2-nitrobenzyl, Br-Z, tert-butyl and the like are used.
As the imidazole protecting group for histidine, for example, Tos, 4-methoxy-2,3,6-trimethylbenzenesulfonyl, DNP, benzyloxymethyl, Bum, Boc, Trt, Fmoc and the like are used.
[0018]
Examples of the activated carboxyl group of the raw material include, for example, a corresponding acid anhydride, azide, active ester [alcohol (eg, pentachlorophenol, 2,4,5-trichlorophenol, 2,4-dinitrophenol, Cyanomethyl alcohol, paranitrophenol, HONB, N-hydroxysuccinimide, N-hydroxyphthalimide, and an ester with HOBt). As the activated amino group of the raw material, for example, a corresponding phosphoric amide is used.
As a method for removing (eliminating) the protecting group, for example, catalytic reduction in a hydrogen stream in the presence of a catalyst such as Pd-black or Pd-carbon, or hydrogen fluoride anhydride, methanesulfonic acid, trifluoromethane, etc. Acid treatment with dichloromethane, trifluoroacetic acid or a mixture thereof, base treatment with diisopropylethylamine, triethylamine, piperidine, piperazine, etc., reduction with sodium in liquid ammonia, and the like are also used. The elimination reaction by the above acid treatment is generally performed at a temperature of about -20 ° C to 40 ° C. In the acid treatment, for example, anisole, phenol, thioanisole, metacresol, paracresol, dimethylsulfide, 1,4 -Addition of a cation scavenger such as butanedithiol, 1,2-ethanedithiol and the like is effective. Further, the 2,4-dinitrophenyl group used as an imidazole protecting group of histidine is removed by thiophenol treatment, and the formyl group used as an indole protecting group of tryptophan is the above 1,2-ethanedithiol, 1,4-butane. In addition to deprotection by acid treatment in the presence of dithiol or the like, it is also removed by alkali treatment with dilute sodium hydroxide solution, dilute ammonia or the like.
[0019]
The protection of the functional group that should not be involved in the reaction of the raw materials, the protective group, the elimination of the protective group, the activation of the functional group involved in the reaction, and the like can be appropriately selected from known groups or known means.
As another method for obtaining an amide form of a protein, for example, after amidating and protecting the α-carboxyl group of the carboxy terminal amino acid, a peptide (protein) chain is extended to a desired chain length on the amino group side, and A protein from which only the protecting group for the N-terminal α-amino group of the peptide chain has been removed and a protein from which only the protecting group for the carboxyl group at the C-terminal has been removed, and these proteins are mixed in the above-mentioned mixed solvent. To condense. Details of the condensation reaction are the same as described above. After purifying the protected protein obtained by the condensation, all the protecting groups are removed by the above-mentioned method, and a desired crude protein can be obtained. The crude protein is purified by various known purification means, and the main fraction is freeze-dried to obtain an amide of the desired protein.
In order to obtain an ester of a protein, for example, after condensing the α-carboxyl group of the carboxy terminal amino acid with a desired alcohol to form an amino acid ester, an ester of the desired protein is obtained in the same manner as the amide of the protein be able to.
[0020]
The partial peptide of MEPE of the present invention or a salt thereof can be produced according to a peptide synthesis method known per se, or by cleaving MEPE of the present invention with an appropriate peptidase. As a method for synthesizing a peptide, for example, any of a solid phase synthesis method and a liquid phase synthesis method may be used. That is, the target peptide can be produced by condensing a partial peptide or amino acid capable of constituting the MEPE of the present invention with the remaining portion, and removing the protective group when the product has a protective group. Examples of the known condensation method and elimination of the protecting group include the methods described in the following a) to e).
a) M. Bodanszky and M.A. A. Ondetti, Peptide Synthesis, Interscience Publishers, New York (1966)
b) Schroeder and Luebke, The Peptide, Academic Press, New York (1965)
c) Nobuo Izumiya et al., Fundamentals and experiments of peptide synthesis, Maruzen Co., Ltd. (1975)
d) Haruaki Yajima and Shunpei Sakakibara, Laboratory of Biochemistry 1, Protein Chemistry IV, 205, (1977)
e) Supervision of Haruaki Yajima, Development of Continuing Drugs Volume 14 Peptide Synthesis Hirokawa Shoten
After the reaction, the partial peptide of the present invention can be purified and isolated by a combination of ordinary purification methods such as solvent extraction, distillation, column chromatography, liquid chromatography, and recrystallization. When the partial peptide obtained by the above method is in a free form, it can be converted to an appropriate salt by a known method, and when it is obtained in a salt, it can be converted to a free form by a known method. Can be.
[0021]
The polynucleotide encoding the MEPE of the present invention may be any polynucleotide containing the above-described nucleotide sequence (DNA or RNA, preferably DNA) encoding the MEPE of the present invention. The polynucleotide is DNA such as DNA or mRNA encoding the MEPE of the present invention, and may be double-stranded or single-stranded. In the case of double-stranded, it may be double-stranded DNA, double-stranded RNA or DNA: RNA hybrid. In the case of a single strand, it may be a sense strand (ie, a coding strand) or an antisense strand (ie, a non-coding strand).
Using the polynucleotide encoding the MEPE of the present invention, for example, the mRNA of the MEPE of the present invention can be obtained by the method described in the well-known experimental medicine special edition “New PCR and its Applications” 15 (7), 1997 or a method analogous thereto. It can be quantified.
The DNA encoding the MEPE of the present invention may be any of a genomic DNA, a genomic DNA library, the above-described cell / tissue-derived cDNA, the above-described cell / tissue-derived cDNA library, and a synthetic DNA. The vector used for the library may be any of bacteriophage, plasmid, cosmid, phagemid and the like. Alternatively, amplification can be directly performed by Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (hereinafter abbreviated as RT-PCR method) using a total RNA or mRNA fraction prepared from the above-described cells / tissues. Specifically, the DNA encoding the MEPE of the present invention includes, for example, a DNA containing the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2 or the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2 under high stringency conditions. Any DNA may be used as long as it encodes a receptor protein having a hybridizing base sequence and having substantially the same activity (eg, ligand binding activity, signal transduction action, etc.) as the MEPE of the present invention.
Examples of the DNA that can hybridize with the base sequence represented by SEQ ID NO: 2 include, for example, about 85% or more, preferably about 90% or more, more preferably about 95% or more homology with the base sequence represented by SEQ ID NO: 2. For example, DNA containing a base sequence having a property is used.
[0022]
Hybridization can be performed according to a method known per se or a method analogous thereto, for example, a method described in Molecular Cloning 2nd (J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989). . When a commercially available library is used, it can be performed according to the method described in the attached instruction manual. More preferably, it can be performed under high stringent conditions.
The high stringent conditions are, for example, conditions in which the sodium concentration is about 19 to 40 mM, preferably about 19 to 20 mM, and the temperature is about 50 to 70 ° C, preferably about 60 to 65 ° C. In particular, the case where the sodium concentration is about 19 mM and the temperature is about 65 ° C. is most preferable.
More specifically, as the DNA encoding mouse MEPE containing the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1, a DNA containing the base sequence represented by SEQ ID NO: 2 or the like is used.
The polynucleotide containing a part of the base sequence of the DNA encoding the MEPE of the present invention or a part of the base sequence complementary to the DNA includes the following DNAs encoding the partial peptide of the present invention. It is used to include not only RNA but also RNA.
According to the present invention, an antisense polynucleotide (nucleic acid) capable of inhibiting the replication or expression of the MEPE gene is designed based on the cloned or determined nucleotide sequence information of the DNA encoding MEPE, Can be synthesized. Such a polynucleotide (nucleic acid) can hybridize with the RNA of the MEPE gene, inhibit the synthesis or function of the RNA, or inhibit the expression of the MEPE gene through interaction with MEPE-related RNA. It can be adjusted and controlled. Polynucleotides that are complementary to a selected sequence of MEPE-related RNA and that can specifically hybridize to MEPE-related RNA are useful for regulating and controlling MEPE gene expression in vivo and in vitro. It is useful, and is useful for treating or diagnosing diseases and the like. The term “corresponding” means having homology or being complementary to a specific sequence of nucleotides, base sequences or nucleic acids including genes. "Corresponding" between a nucleotide, base sequence or nucleic acid and a peptide (protein) usually refers to the amino acid of the peptide (protein) as directed by the nucleotide (nucleic acid) sequence or its complement. . 5 ′ end hairpin loop of MEPE gene, 5 ′ end 6-base pair repeat, 5 ′ end untranslated region, polypeptide translation initiation codon, protein coding region, ORF translation initiation codon, 3 ′ end untranslated region, 3 ′ The terminal palindrome region, and the 3′-end hairpin loop may be selected as preferred regions of interest, but any region within the MEPE gene may be selected as a target.
[0023]
The relationship between the target nucleic acid and a polynucleotide complementary to at least a part of the target region can be said to be "antisense" if the relationship between the target nucleic acid and a polynucleotide capable of hybridizing with the target is. Antisense polynucleotides include polydeoxynucleotides containing 2-deoxy-D-ribose, polydeoxynucleotides containing D-ribose, N-glycosides of purine or pyrimidine bases and other types of polynucleotides. Other polymers with nucleotides or non-nucleotide backbones (eg, commercially available protein nucleic acids and synthetic sequence-specific nucleic acid polymers) or other polymers containing special bonds, provided that the polymers are found in DNA or RNA Base pairs and nucleotides having a configuration that allows base attachment). They can be double-stranded DNA, single-stranded DNA, double-stranded RNA, single-stranded RNA, and also DNA: RNA hybrids, and can be unmodified polynucleotides (or unmodified oligonucleotides), or even known. Such as labeled, capped, methylated, one or more naturally-occurring nucleotides replaced by analogs, intramolecular nucleotides Modified, such as those having uncharged bonds (eg, methylphosphonates, phosphotriesters, phosphoramidates, carbamates, etc.), charged or sulfur-containing bonds (eg, phosphorothioates, phosphorodithioates, etc.) ), Such as proteins (nucleases, nuclease inhibitors, toxic , Antibodies, signal peptides, poly-L-lysine, etc.) or sugars (for example, monosaccharides) having side chain groups, interacting compounds (for example, acridine, psoralen, etc.), chelates Those containing compounds (eg, metals, radioactive metals, boron, oxidizing metals, etc.), those containing alkylating agents, those having modified bonds (eg, α-anomeric nucleic acids, etc.) It may be. Here, "nucleoside", "nucleotide", and "nucleic acid" may include not only those containing purine and pyrimidine bases but also those having other modified heterocyclic bases. Such modifications may include methylated purines and pyrimidines, acylated purines and pyrimidines, or other heterocycles. Modified nucleotides and modified nucleotides may also be modified at the sugar moiety, e.g., where one or more hydroxyl groups have been replaced by halogens, aliphatic groups, etc., or by functional groups such as ethers, amines, etc. It may have been converted.
[0024]
The antisense polynucleotide (nucleic acid) of the present invention is RNA, DNA, or a modified nucleic acid (RNA, DNA). Specific examples of the modified nucleic acid include, but are not limited to, sulfur derivatives and thiophosphate derivatives of nucleic acids, and those that are resistant to degradation of polynucleoside amides and oligonucleoside amides. The antisense nucleic acid of the present invention can be preferably designed according to the following policy. That is, to make the antisense nucleic acid more stable in the cell, to make the antisense nucleic acid more cell permeable, to have a greater affinity for the target sense strand, and to be more toxic if it is toxic. Minimize the toxicity of sense nucleic acids.
Thus, many modifications are known in the art, for example, Kawakami et al. , Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp. 247, 1992; Vol. 8, pp. 395, 1992; T. Crooke et al. ed. , Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993.
The antisense nucleic acid of the present invention may contain altered or modified sugars, bases or bonds, may be provided in a special form such as liposomes or microspheres, may be applied by gene therapy, It could be provided in an added form. Thus, in the form of addition, polycations such as polylysine which acts to neutralize the charge of the phosphate skeleton, lipids which enhance the interaction with the cell membrane or increase the uptake of nucleic acids ( For example, hydrophobic substances such as phospholipid and cholesterol can be mentioned. Preferred lipids for addition include cholesterol and its derivatives (eg, cholesteryl chloroformate, cholic acid, etc.). These can be attached to the 3 'end or 5' end of the nucleic acid, and can be attached via a base, sugar, or intramolecular nucleoside bond. Other groups include cap groups specifically arranged at the 3 ′ end or 5 ′ end of a nucleic acid for preventing degradation by nucleases such as exonuclease and RNase. Such capping groups include, but are not limited to, hydroxyl-protecting groups known in the art, including glycols such as polyethylene glycol and tetraethylene glycol.
The inhibitory activity of an antisense nucleic acid can be examined using the transformant of the present invention, the in vivo or in vitro gene expression system of the present invention, or the in vivo or in vitro translation system of a G protein-coupled receptor protein. it can. The nucleic acid can be applied to cells by various methods known per se.
[0025]
The DNA encoding the partial peptide of the present invention may be any DNA containing the above-described nucleotide sequence encoding the partial peptide of the present invention. In addition, any of genomic DNA, genomic DNA library, cDNA derived from the above-described cells / tissues, cDNA library derived from the above-described cells / tissues, and synthetic DNA may be used. The vector used for the library may be any of bacteriophage, plasmid, cosmid, phagemid and the like. Alternatively, it can be directly amplified by Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction (hereinafter abbreviated as RT-PCR) using an mRNA fraction prepared from the above-described cells / tissues.
Specifically, the DNA encoding the partial peptide of the present invention includes, for example, (1) DNA having a partial nucleotide sequence of DNA having the nucleotide sequence represented by SEQ ID NO: 2, or (2) DNA having SEQ ID NO: 2 A receptor protein having a nucleotide sequence that hybridizes under high stringent conditions with the nucleotide sequence represented by the formula (I) and having substantially the same activity (eg, ligand binding activity, signal transduction activity, etc.) as the MEPE of the present invention. DNA having a partial base sequence of the DNA encoding is used.
The DNA capable of hybridizing the base sequence represented by SEQ ID NO: 2 includes, for example, about 85% or more, preferably about 90% or more, and more preferably about 95% or more homology with the base sequence represented by SEQ ID NO: 2. DNA containing a base sequence having
[0026]
As a means for cloning a DNA that completely encodes the MEPE of the present invention or a partial peptide thereof (hereinafter sometimes abbreviated as the MEPE of the present invention), a synthetic DNA primer having a partial base sequence of the MEPE of the present invention is used. Or amplification by a PCR method, or selection by hybridization with DNA incorporated into an appropriate vector and labeled with a DNA fragment or a synthetic DNA encoding a part or all of the MEPE region of the present invention. it can. Hybridization can be performed, for example, according to the method described in Molecular Cloning 2nd (J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989). When a commercially available library is used, it can be performed according to the method described in the attached instruction manual.
[0027]
Conversion of the base sequence of DNA can be performed by PCR or a known kit, for example, Mutan. TM -Super Express Km (Takara Shuzo Co., Ltd.), Mutan TM Using -K (Takara Shuzo Co., Ltd.) or the like, it can be carried out according to a method known per se such as the ODA-LA PCR method, the Gapped Duplex method, the Kunkel method, or a method analogous thereto.
The DNA encoding the cloned MEPE can be used as it is depending on the purpose, or can be used after digesting with a restriction enzyme or adding a linker, if desired. The DNA may have ATG as a translation initiation codon at the 5 'end and TAA, TGA or TAG as a translation termination codon at the 3' end. These translation initiation codon and translation termination codon can also be added using an appropriate synthetic DNA adapter.
For the MEPE expression vector of the present invention, for example, (a) a target DNA fragment is excised from DNA encoding the MEPE of the present invention, and (b) the DNA fragment is ligated downstream of a promoter in an appropriate expression vector. It can be manufactured by the following.
[0028]
Examples of the vector include plasmids derived from Escherichia coli (eg, pBR322, pBR325, pUC12, pUC13), plasmids derived from Bacillus subtilis (eg, pUB110, pTP5, pC194), plasmids derived from yeast (eg, pSH19, pSH15), λ phage, etc. In addition to animal viruses such as bacteriophage, retrovirus, vaccinia virus, and baculovirus, pA1-11, pXT1, pRc / CMV, pRc / RSV, pcDNAI / Neo, and the like are used.
The promoter used in the present invention may be any promoter as long as it is appropriate for the host used for gene expression. For example, when an animal cell is used as a host, SRα promoter, SV40 promoter, LTR promoter, CMV promoter, HSV-TK promoter and the like can be mentioned.
Among them, it is preferable to use the CMV promoter, SRα promoter and the like. When the host is Escherichia, trp promoter, lac promoter, recA promoter, λP L When the host is a bacterium belonging to the genus Bacillus, an SPO1 promoter, an SPO2 promoter, a penP promoter, and the like are preferable. When the host is a yeast, a PHO5 promoter, a PGK promoter, a GAP promoter, an ADH promoter, and the like are preferable. When the host is an insect cell, a polyhedrin promoter, a P10 promoter and the like are preferable.
[0029]
In addition to the above, an expression vector containing an enhancer, a splicing signal, a polyA addition signal, a selection marker, an SV40 replication origin (hereinafter sometimes abbreviated as SV40 ori), and the like may be used, if desired. it can. Examples of the selectable marker include a dihydrofolate reductase (hereinafter sometimes abbreviated as dhfr) gene [methotrexate (MTX) resistance] and an ampicillin resistance gene (hereinafter Amp). r Neomycin resistance gene (hereinafter Neo). r G418 resistance). In particular, CHO (dhfr − ) When the dhfr gene is used as a selection marker using cells, the target gene can be selected using a thymidine-free medium.
If necessary, a signal sequence suitable for the host is added to the N-terminal side of the receptor protein of the present invention. When the host is a genus Escherichia, a PhoA signal sequence, an OmpA signal sequence, or the like is used. When the host is a Bacillus genus, an α-amylase signal sequence, a subtilisin signal sequence, or the like is used. In some cases, MFα signal sequence, SUC2 signal sequence, etc., and when the host is an animal cell, insulin signal sequence, α-interferon signal sequence, antibody molecule, signal sequence, etc. can be used.
Using the vector containing the DNA encoding the MEPE of the present invention thus constructed, a transformant can be produced.
[0030]
As the host, for example, Escherichia, Bacillus, yeast, insect cells, insects, animal cells and the like are used.
Specific examples of the genus Escherichia include Escherichia coli K12 DH1 [Processings of the National Academy of Sciences of the USA (Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 60, 160 (1968)], JM103 [Nucleic Acids Research, 9, 309 (1981)], JA221 [Journal of Molecular Biology (Journal of Molecular Biology)]. 120, 517 (1978)], HB101 [Journal of Molecular Biology, 41, 459 (1969)], C600 [Genetics (Ge) netics), Vol. 39, 440 (1954)].
Examples of Bacillus bacteria include, for example, Bacillus subtilis MI114 [Gene, 24, 255 (1983)], 207-21 [Journal of Biochemistry, 95, 87 (1984)]. )] Is used.
Examples of yeast include, for example, Saccharomyces cerevisiae AH22, AH22R − , NA87-11A, DKD-5D, 20B-12, Schizosaccharomyces pombe NCYC1913, NCYC2036, Pichia pastoris and the like.
[0031]
When the virus is AcNPV, for example, when the virus is AcNPV, a cell line derived from a larva of night roth moth (Spodoptera frugiperda cell; Sf cell), MG1 cell derived from the midgut of Trichoplusia ni, and Hig derived from Trichoplusia ni egg. TM Cells, cells derived from Mamestra brassicae, cells derived from Estigmena acrea, and the like are used. When the virus is BmNPV, a silkworm-derived cell line (Bombyx mori N; BmN cell) or the like is used. As the Sf cells, for example, Sf9 cells (ATCC CRL 1711), Sf21 cells (Vaughn, JL, et al., In Vivo, 13, 213-217, (1977)) and the like are used. .
As insects, for example, silkworm larvae are used [Maeda et al., Nature, 315, 592 (1985)].
Examples of animal cells include monkey cells COS-7, Vero, Chinese hamster cells CHO (hereinafter abbreviated as CHO cells), and dhfr gene-deficient Chinese hamster cells CHO (hereinafter CHO (dhfr). − ) Cells), mouse L cells, mouse AtT-20, mouse myeloma cells, rat GH3, human FL cells, and the like.
[0032]
In order to transform Escherichia, for example, Procesings of the National Academy of Sciences of the USA (Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 69, 2110 ( 1972) and Gene, Vol. 17, 107 (1982).
Transformation of Bacillus spp. Can be performed, for example, according to the method described in Molecular & General Genetics, Vol. 168, 111 (1979).
To transform yeast, for example, Methods in Enzymology, 194, 182-187 (1991), Proceedings of the National Academy of Sciences of Science -The USA (Proc. Natl. Acad. Sci. USA), Vol. 75, 1929 (1978).
Insect cells or insects can be transformed, for example, according to the method described in Bio / Technology, 6, 47-55 (1988).
To transform animal cells, for example, see Cell Engineering Separate Volume 8, New Cell Engineering Experiment Protocol. 263-267 (1995) (published by Shujunsha) and Virology, Vol. 52, 456 (1973).
Thus, a transformant transformed with the expression vector containing the DNA encoding MEPE is obtained.
When culturing a transformant whose host is a genus Escherichia or Bacillus, a liquid medium is suitable as a medium used for the culturing, and a carbon source necessary for growth of the transformant is used therein. Nitrogen sources, inorganic substances, etc. are included. As a carbon source, for example, glucose, dextrin, soluble starch, sucrose, etc., as a nitrogen source, for example, ammonium salts, nitrates, corn steep liquor, peptone, casein, meat extract, soybean meal, potato extract and the like Examples of the inorganic or organic substance and the inorganic substance include calcium chloride, sodium dihydrogen phosphate, and magnesium chloride. In addition, yeast extract, vitamins, growth promoting factors and the like may be added. The pH of the medium is preferably about 5 to 8.
[0033]
Examples of a medium for culturing Escherichia include, for example, an M9 medium containing glucose and casamino acid [Miller, Journal of Experiments in Molecular Genetics]. , 431-433, Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972]. If necessary, an agent such as 3β-indolyl acrylic acid can be added in order to make the promoter work efficiently.
When the host is a bacterium belonging to the genus Escherichia, the cultivation is usually performed at about 15 to 43 ° C. for about 3 to 24 hours, and if necessary, aeration and stirring can be added.
When the host is a bacterium belonging to the genus Bacillus, the cultivation is usually carried out at about 30 to 40 ° C. for about 6 to 24 hours, and if necessary, aeration and stirring may be added.
When culturing a transformant in which the host is yeast, for example, Burkholder's minimum medium [Bostian, K. et al. L. Procurings of the National Academy of Sciences of the USA (Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 77, 4505 (1980)] and 0.5% casamino acid. SD medium containing [Bitter, G .; A. Processing of the National Academy of Sciences of the USA (Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 81, 5330 (1984)]. Preferably, the pH of the medium is adjusted to about 5-8. The cultivation is usually performed at about 20 ° C. to 35 ° C. for about 24 to 72 hours, and if necessary, aeration and stirring are added.
[0034]
When culturing an insect cell or a transformant whose host is an insect, the culture medium is immobilized as Grace's Insect Medium (Grace, TCC, Nature, 195, 788 (1962)). For example, those to which an additive such as 10% bovine serum or the like is appropriately added are used. The pH of the medium is preferably adjusted to about 6.2 to 6.4. The cultivation is usually performed at about 27 ° C. for about 3 to 5 days, and if necessary, aeration or stirring is added.
When culturing a transformant in which the host is an animal cell, examples of the medium include a MEM medium containing about 5 to 20% fetal bovine serum [Science, 122, 501 (1952)], a DMEM medium. [Virology, 8, 396 (1959)], RPMI 1640 medium [The Journal of the American Medical Association, 199, 519 (1967)], 199 medium. [Proceding of the Society for the Biological Medicine, Vol. 73, 1 (1950) [Proceding of the Society for the Biological Medicine] ], Such as is used. Preferably, the pH is between about 6 and 8. The cultivation is usually performed at about 30 ° C. to 40 ° C. for about 15 to 60 hours, and if necessary, aeration and stirring are added.
As described above, the MEPE of the present invention can be produced in the cells, in the cell membrane, or outside the cells of the transformant.
[0035]
The MEPE of the present invention can be separated and purified from the culture by, for example, the following method.
When extracting the MEPE of the present invention from the cultured cells or cells, after the culture, the cells or cells are collected by a known method, suspended in an appropriate buffer, and subjected to ultrasonic wave, lysozyme, and / or freeze-thawing. After the cells or cells are destroyed by the method described above, a method of obtaining a crude extract of MEPE by centrifugation or filtration is used as appropriate. In a buffer, a protein denaturant such as urea or guanidine hydrochloride, or Triton X-100 is used. TM And the like. When MEPE is secreted into the culture solution, after the culture, the supernatant is separated from the cells or cells by a method known per se, and the supernatant is collected.
The MEPE contained in the culture supernatant or extract obtained in this manner can be purified by appropriately combining known separation and purification methods. These known separation and purification methods include methods utilizing solubility such as salting out and solvent precipitation, dialysis, ultrafiltration, gel filtration, and SDS-polyacrylamide gel electrophoresis, mainly molecular weight. Method using difference in charge, method using charge difference such as ion exchange chromatography, method using specific novelty such as affinity chromatography, use of difference in hydrophobicity such as reversed-phase high-performance liquid chromatography And a method utilizing the difference in isoelectric points such as isoelectric focusing.
[0036]
When the MEPE thus obtained is obtained in a free form, it can be converted into a salt by a method known per se or a method analogous thereto, and conversely, when it is obtained as a salt, a method known per se or a method analogous thereto Can be converted to a free form or another salt.
The MEPE produced by the recombinant can be arbitrarily modified or the polypeptide can be partially removed by applying an appropriate protein modifying enzyme before or after purification. As the protein modifying enzyme, for example, trypsin, chymotrypsin, arginyl endopeptidase, protein kinase, glycosidase and the like are used.
The activity of the MEPE of the present invention thus produced can be measured by an enzyme immunoassay using a specific antibody or the like.
[0037]
The antibody against MEPE used in the present invention may be any of a polyclonal antibody and a monoclonal antibody as long as it can recognize the MEPE of the present invention.
The antibody against MEPE of the present invention can be produced by using the MEPE of the present invention as an antigen according to a method for producing an antibody or antiserum known per se.
[0038]
[Preparation of monoclonal antibody]
(A) Preparation of monoclonal antibody-producing cells
The MEPE of the present invention is administered to a mammal at a site where the antibody can be produced by administration, itself or together with a carrier and a diluent. Complete Freund's adjuvant or incomplete Freund's adjuvant may be administered in order to enhance the antibody-producing ability upon administration. Administration is usually performed once every 2 to 6 weeks, for a total of about 2 to 10 times. Examples of mammals to be used include monkeys, rabbits, dogs, guinea pigs, mice, rats, sheep and goats, and mice and rats are preferably used.
When producing monoclonal antibody-producing cells, a warm-blooded animal immunized with the antigen, for example, an individual having an antibody titer was selected from a mouse, and the spleen or lymph node was collected 2 to 5 days after the final immunization. By fusing the contained antibody-producing cells with myeloma cells, a monoclonal antibody-producing hybridoma can be prepared. The antibody titer in the antiserum can be measured, for example, by reacting a labeled receptor protein described below with the antiserum, and then measuring the activity of a labeling agent bound to the antibody. The fusion operation can be performed according to a known method, for example, the method of Kohler and Milstein [Nature, 256, 495 (1975)]. Examples of the fusion promoter include polyethylene glycol (PEG) and Sendai virus, but PEG is preferably used.
Examples of myeloma cells include NS-1, P3U1, SP2 / 0 and the like, and P3U1 is preferably used. The preferred ratio between the number of antibody-producing cells (spleen cells) and the number of myeloma cells used is about 1: 1 to 20: 1, and PEG (preferably PEG1000 to PEG6000) is added at a concentration of about 10 to 80%. Incubation at about 20 to 40 ° C., preferably about 30 to 37 ° C. for about 1 to 10 minutes allows efficient cell fusion.
[0039]
Various methods can be used to screen for monoclonal antibody-producing hybridomas. For example, a hybridoma culture supernatant is added to a solid phase (eg, a microplate) on which the antigen of the receptor protein is directly or adsorbed together with a carrier, and then radioactively. A method of detecting a monoclonal antibody bound to a solid phase by adding an anti-immunoglobulin antibody (anti-mouse immunoglobulin antibody is used when the cell used for cell fusion is a mouse) or protein A labeled with a substance or enzyme, A method in which a hybridoma culture supernatant is added to a solid phase to which an anti-immunoglobulin antibody or protein A is adsorbed, a receptor protein labeled with a radioactive substance or an enzyme is added, and a monoclonal antibody bound to the solid phase is detected. .
The selection of the monoclonal antibody can be carried out according to a method known per se or a method analogous thereto. Usually, it can be carried out in a medium for animal cells to which HAT (hypoxanthine, aminopterin, thymidine) is added. As a selection and breeding medium, any medium can be used as long as a hybridoma can grow. For example, RPMI 1640 medium containing 1 to 20%, preferably 10 to 20% fetal bovine serum, GIT medium (Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) containing 1 to 10% fetal bovine serum, or serum-free for hybridoma culture A medium (SFM-101, Nissui Pharmaceutical Co., Ltd.) or the like can be used. The culturing temperature is usually 20 to 40 ° C, preferably about 37 ° C. The culture time is usually 5 days to 3 weeks, preferably 1 week to 2 weeks. The culture can be usually performed under 5% carbon dioxide gas. The antibody titer of the hybridoma culture supernatant can be measured in the same manner as the measurement of the antibody titer in the antiserum described above.
[0040]
(B) Purification of monoclonal antibody
Monoclonal antibodies can be separated and purified by immunoglobulin separation and purification methods [eg, salting out, alcohol precipitation, isoelectric precipitation, electrophoresis, ion exchangers (eg, DEAE) adsorption / desorption method, ultracentrifugation method, gel filtration method, specific purification method in which an antibody alone is collected using an antigen-binding solid phase or an active adsorbent such as protein A or protein G, and the bond is dissociated to obtain the antibody. Can be performed according to
[0041]
(Preparation of polyclonal antibody)
The polyclonal antibody of the present invention can be produced according to a method known per se or a method analogous thereto. For example, a complex of an immunizing antigen (MEPE antigen) and a carrier protein is formed, a mammal is immunized in the same manner as in the above-described method for producing a monoclonal antibody, and an antibody-containing substance for MEPE of the present invention is collected from the immunized animal. The antibody can be produced by separating and purifying the antibody.
Regarding a complex of an immunizing antigen and a carrier protein used to immunize a mammal, the type of the carrier protein and the mixing ratio of the carrier and the hapten should be such that the antibody can be efficiently produced against the hapten immunized by crosslinking the carrier. Any kind may be cross-linked at any ratio. For example, bovine serum albumin, bovine thyroglobulin, keyhole limpet hemocyanin, etc. may be used in a weight ratio of about 0.1 to 20 with respect to 1 hapten. Preferably, a method of coupling at a ratio of about 1 to 5 is used.
Various coupling agents can be used for coupling the hapten and the carrier, and glutaraldehyde, carbodiimide, a maleimide active ester, an active ester reagent containing a thiol group or a dithioviridyl group, or the like is used.
The condensation product is administered to a warm-blooded animal itself or together with a carrier or diluent at a site where antibody production is possible. Complete Freund's adjuvant or incomplete Freund's adjuvant may be administered in order to enhance the antibody-producing ability upon administration. The administration can usually be performed once every about 2 to 6 weeks, for a total of about 3 to 10 times. The polyclonal antibody can be collected from the blood, ascites, etc., preferably from the blood of the mammal immunized by the above method.
The measurement of the polyclonal antibody titer in the antiserum can be performed in the same manner as the measurement of the antibody titer in the serum described above. The separation and purification of the polyclonal antibody can be performed according to the same immunoglobulin separation and purification method as the above-mentioned separation and purification of the monoclonal antibody.
[0042]
The MEPE of the present invention has a bone differentiation promoting action, as demonstrated in the examples described below. Therefore, the MEPE of the present invention, the DNA encoding the MEPE (hereinafter sometimes abbreviated as the DNA of the present invention), the antibody against MEPE (hereinafter sometimes abbreviated as the antibody of the present invention), and the DNA of the present invention Antisense DNA (hereinafter sometimes abbreviated as antisense DNA of the present invention) has the following uses.
[0043]
(1) Preventive and / or therapeutic agent for diseases associated with dysfunction of MEPE of the present invention Since MEPE of the present invention has an activity of promoting bone differentiation, MEPE of the present invention or a polynucleotide encoding the same (eg, , DNA, etc.), or when the expression level is abnormally reduced, various diseases such as metabolic bone disease and metabolic cartilage disease occur.
Therefore, when there is a patient in whom bone differentiation action cannot be expected (MEPE deficiency) due to a decrease in the MEPE of the present invention in vivo, a) administering the MEPE of the present invention to the patient, B) (a) administering the DNA encoding the MEPE of the present invention to the patient and expressing it, or (ii) inserting the DNA encoding the MEPE of the present invention into target cells and expressing the same. Then, by transplanting the cells into the patient, the amount of MEPE in the patient's body can be increased, and the bone differentiation action can be sufficiently exerted.
Therefore, a) the MEPE of the present invention or b) DNA encoding MEPE can be used to convert metabolic bone disease, metabolic cartilage disease, specifically osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets It can be used as a low-toxic and safe medicine such as an agent for preventing and / or treating diseases such as renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, and periodontal disease. Furthermore, bone tissue repair agents after surgical operations such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilizers for artificial joints, agents for repairing periodontal tissue defects in periodontal disease, stabilizers for artificial roots, ridges It can also be used as a repair agent for formation and cleft palate.
When the MEPE of the present invention is used as the above-mentioned prophylactic / therapeutic agent, it can be formulated according to conventional means.
On the other hand, when the DNA of the present invention is used as the above-mentioned prophylactic / therapeutic agent, the DNA of the present invention is used alone or after insertion into an appropriate vector such as a retrovirus vector, adenovirus vector, adenovirus associated virus vector, and the like. It can be implemented according to the means. The DNA of the present invention can be administered as it is or together with an auxiliary agent for promoting uptake, using a gene gun or a catheter such as a hydrogel catheter.
For example, a) the MEPE of the present invention or b) the DNA of the present invention may be orally administered as tablets, capsules, elixirs, microcapsules, etc., if necessary, or water or other pharmaceuticals. It can be used parenterally in the form of an injection, such as a sterile solution with an acceptable solution, or a suspension. For example, a) the MEPE of the present invention or b) the generally accepted formulation practice of the DNA of the present invention with known physiologically acceptable carriers, flavors, excipients, vehicles, preservatives, stabilizers, binders, etc. By mixing in the unit dosage form required. The amount of the active ingredient in these preparations is such that an appropriate dose in the specified range can be obtained.
[0044]
Examples of additives that can be incorporated into tablets, capsules, and the like include binders such as gelatin, corn starch, tragacanth, and acacia, excipients such as crystalline cellulose, corn starch, gelatin, and alginic acid. Useful bulking agents, lubricants such as magnesium stearate, sweeteners such as sucrose, lactose or saccharin, flavoring agents such as peppermint, reddish oil or cherry and the like are used. When the unit dosage form is a capsule, a liquid carrier such as oils and fats can be further contained in the above-mentioned type of material. Sterile compositions for injection can be formulated according to normal pharmaceutical practice such as dissolving or suspending the active substance in vehicles such as water for injection, and naturally occurring vegetable oils such as sesame oil, coconut oil and the like. As the aqueous solution for injection, for example, physiological saline, isotonic solution containing glucose and other adjuvants (eg, D-sorbitol, D-mannitol, sodium chloride, etc.) and the like are used. For example, alcohol (eg, ethanol), polyalcohol (eg, propylene glycol, polyethylene glycol), nonionic surfactant (eg, polysorbate 80) TM , HCO-50) and the like. As the oily liquid, for example, sesame oil, soybean oil and the like are used, and they may be used in combination with solubilizers such as benzyl benzoate and benzyl alcohol.
[0045]
The prophylactic / therapeutic agents include, for example, buffers (eg, phosphate buffer, sodium acetate buffer), soothing agents (eg, benzalkonium chloride, procaine hydrochloride, etc.), stabilizers (eg, human Serum albumin, polyethylene glycol, etc.), preservatives (eg, benzyl alcohol, phenol, etc.), antioxidants and the like may be added. The prepared injection solution is usually filled in a suitable ampoule.
The preparations obtained in this way are safe and have low toxicity, and should be administered to humans and mammals (eg, rats, mice, rabbits, sheep, pigs, cows, cats, dogs, monkeys, etc.). Can be.
The dose of the MEPE of the present invention varies depending on the administration subject, target organ, symptom, administration method and the like. However, in the case of oral administration, for example, in an osteoporosis patient (as 60 kg), about 0 per day is generally used. 0.1 mg to 100 mg, preferably about 1.0 to 50 mg, more preferably about 1.0 to 20 mg. When administered parenterally, the single dose varies depending on the administration subject, target organ, symptoms, administration method, and the like. For example, usually in the form of an injection, for example, in an osteoporosis patient (as 60 kg), It is convenient to administer about 0.01 to 30 mg, preferably about 0.1 to 20 mg, more preferably about 0.1 to 10 mg per day by intravenous injection. In the case of other animals, the amount can be administered in terms of 60 kg.
The dosage of the DNA of the present invention varies depending on the administration subject, target organ, condition, administration method, and the like. However, in the case of oral administration, for example, in an osteoporosis patient (as 60 kg), it is generally about 0 per day. 0.1 mg to 100 mg, preferably about 1.0 to 50 mg, more preferably about 1.0 to 20 mg. When administered parenterally, the single dose varies depending on the administration subject, target organ, symptoms, administration method, and the like. For example, usually in the form of an injection, for example, in an osteoporosis patient (as 60 kg), It is convenient to administer about 0.01 to 30 mg, preferably about 0.1 to 20 mg, more preferably about 0.1 to 10 mg per day by intravenous injection. In the case of other animals, the amount can be administered in terms of 60 kg.
[0046]
(2) Gene diagnostic agent
The DNA and antisense DNA of the present invention can be used as a probe to produce the MEPE of the present invention or a MEPE thereof in a human or mammal (eg, rat, mouse, rabbit, sheep, pig, cow, cat, dog, monkey, etc.). Since abnormality (gene abnormality) of DNA or mRNA encoding the partial peptide can be detected, for example, a gene such as damage, mutation or decrease in expression of the DNA or mRNA, and increase or excessive expression of the DNA or mRNA Useful as a diagnostic agent.
The above-described genetic diagnosis using the DNA or the antisense DNA of the present invention can be performed, for example, by the known Northern hybridization or PCR-SSCP method (Genomics, Vol. 5, pp. 874-879 (1989), Processing). Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, Vol. 86, pp. 2766-2770 (1986), pp. 86--2770, etc., in the Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. be able to.
For example, when a decrease in the expression of MEPE is detected by Northern hybridization or a DNA mutation is detected by the PCR-SSCP method, for example, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease, specifically, osteoporosis , Fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease, etc., or will be affected in the future It can be diagnosed that the probability is high.
On the other hand, when overexpression of MEPE is detected by Northern hybridization, for example, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease, specifically, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification, artery It can be diagnosed that the disease is likely to be a disease such as sclerosis, or that the disease is likely to be affected in the future.
[0047]
(3) Diagnostic method using the antibody of the present invention
Since the antibody of the present invention can specifically recognize the MEPE of the present invention, it can be used for detection and neutralization of MEPE in a test solution.
That is, the present invention
(I) reacting the antibody of the present invention with a test solution and labeled MEPE in a competitive manner, and measuring the ratio of labeled MEPE bound to the antibody; MEPE quantification method, and
(Ii) After reacting a test solution with the antibody of the present invention immobilized on a carrier and another labeled antibody of the present invention simultaneously or continuously, the activity of the labeling agent on the insolubilized carrier is measured. A method for quantifying MEPE in a test solution is provided.
[0048]
In the quantitative method (ii), it is preferable that one antibody is an antibody that recognizes the N-terminal of MEPE and the other antibody is an antibody that reacts with the C-terminal of MEPE.
In addition to quantifying MEPE using a monoclonal antibody against MEPE, detection by tissue staining or the like can also be performed. For these purposes, the antibody molecule itself may be used, and the F (ab ') 2 , Fab ′ or Fab fraction may be used.
The method for quantifying MEPE using the antibody of the present invention is not particularly limited, and the amount of an antibody, an antigen, or an antibody-antigen complex corresponding to the amount of an antigen (eg, the amount of MEPE) in a liquid to be measured is determined. Any measurement method may be used as long as it is detected by physical or physical means and calculated from a standard curve prepared using a standard solution containing a known amount of antigen. For example, nephelometry, competition method, immunometric method and sandwich method are suitably used, but it is particularly preferable to use the sandwich method described later in terms of sensitivity and specificity.
[0049]
As a labeling agent used in a measuring method using a labeling substance, for example, a radioisotope, an enzyme, a fluorescent substance, a luminescent substance and the like are used. As the radioisotope, for example, [ 125 I], [ 131 I], [ 3 H], [ 14 C] is used. As the above-mentioned enzyme, a stable enzyme having a large specific activity is preferable. For example, β-galactosidase, β-glucosidase, alkaline phosphatase, peroxidase, malate dehydrogenase and the like are used. As the fluorescent substance, for example, fluorescamine, fluorescein isothiocyanate and the like are used. As the luminescent substance, for example, luminol, a luminol derivative, luciferin, lucigenin and the like are used. Further, a biotin-avidin system can be used for binding the antibody or antigen to the labeling agent.
For the insolubilization of an antigen or an antibody, physical adsorption may be used, or a method using a chemical bond usually used for insolubilizing and immobilizing MEPE or an enzyme may be used. Examples of the carrier include insoluble polysaccharides such as agarose, dextran, and cellulose; synthetic resins such as polystyrene, polyacrylamide, and silicon; and glass.
In the sandwich method, the test solution is reacted with the insolubilized monoclonal antibody of the present invention (primary reaction), and further reacted with another labeled monoclonal antibody of the present invention (secondary reaction). By measuring the activity of the labeling agent, the amount of MEPE of the present invention in the test solution can be determined. The primary reaction and the secondary reaction may be performed in the reverse order, may be performed simultaneously, or may be performed at staggered times. The labeling agent and the method of insolubilization can be in accordance with those described above. In addition, in the immunoassay by the sandwich method, the antibody used for the solid phase antibody or the labeling antibody is not necessarily one kind, and a mixture of two or more kinds of antibodies is used for the purpose of improving measurement sensitivity and the like. You may.
[0050]
In the method for measuring MEPE by the sandwich method of the present invention, as the monoclonal antibody of the present invention used in the primary reaction and the secondary reaction, antibodies having different MEPE binding sites are preferably used. That is, when the antibody used in the primary reaction and the secondary reaction recognizes the C-terminal of MEPE, for example, the antibody used in the primary reaction is preferably the C-terminal. In addition, for example, an antibody that recognizes the N-terminal is used.
The monoclonal antibody of the present invention can be used in a measurement system other than the sandwich method, for example, a competition method, an immunometric method, a nephrometry, or the like.
In the competition method, after the antigen in the test solution and the labeled antigen are allowed to react competitively with the antibody, the unreacted labeled antigen (F) and the labeled antigen (B) bound to the antibody are separated. (B / F separation), the amount of any of B and F is measured, and the amount of antigen in the test solution is quantified. In this reaction method, a soluble antibody is used as the antibody, B / F separation is performed using polyethylene glycol, a liquid phase method using a second antibody against the antibody, or a solid phase antibody is used as the first antibody. A solid-phase method using a soluble antibody as the first antibody and using a solid-phased antibody as the second antibody is used.
In the immunometric method, the antigen in the test solution and the immobilized antigen are subjected to a competitive reaction with a fixed amount of the labeled antibody, and then the solid phase and the liquid phase are separated. And an excess amount of the labeled antibody, and then immobilized antigen is added to bind unreacted labeled antibody to the solid phase, and then the solid phase and the liquid phase are separated. Next, the amount of label in any phase is measured to determine the amount of antigen in the test solution.
In nephelometry, the amount of insoluble sediment produced as a result of an antigen-antibody reaction in a gel or in a solution is measured. Even when the amount of antigen in the test solution is small and only a small amount of sediment is obtained, laser nephrometry utilizing laser scattering is preferably used.
In applying these individual immunological measurement methods to the quantification method of the present invention, no special conditions, operations, and the like need to be set. The MEPE measurement system of the present invention may be constructed by adding ordinary technical considerations of those skilled in the art to ordinary conditions and operation methods in each method. For details of these general technical means, reference can be made to reviews, books, and the like.
For example, Hiroe Irie, "Radio Immunoassay" (Kodansha, published in 1974), Hiroshi Irie, "Radio Immunoassay" (Kodansha, published in 1974), Eiji Ishikawa et al., "Enzyme Immunoassay" (Medical Shoin, Showa Ed. Ishikawa et al., “Enzyme Immunoassay” (2nd edition) (Issue Shoin, 1982), Eiji Ishikawa et al. “Enzyme Immunoassay” (Third Edition), 3rd edition (Medical Shoin, Showa) 62)), "Methods in ENZYMOLOGY" Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A)), ibid., Vol. 73 (Immunochemical Technologies (Part B)), ibid., Vol. 74 (Immunochemical Technologies (Part C)), ibid., Vol. 84 (Immunochemical Technologies (Part D: Selected Immunoassays)), ibid., Vol. 92 (Immunochemical Technologies (Part E: Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods)), ibid., Vol. 121 (Immunochemical Techniques (Part I: Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies)) (all published by Academic Press) can be referred to.
As described above, the MEPE of the present invention can be quantified with high sensitivity by using the antibody of the present invention.
[0051]
Therefore, when a decrease in the concentration of MEPE is detected by quantifying the concentration of MEPE using the antibody of the present invention, for example, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease, specifically, osteoporosis, fracture, It is likely to be a disease such as refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease, or may be affected in the future It can be diagnosed as high.
On the other hand, when an increase in the concentration of MEPE is detected, for example, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease, specifically, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification, arteriosclerosis Can be diagnosed as having a high possibility of being a disease such as the above, or having a high possibility of becoming affected in the future.
[0052]
(4) Screening of drug candidate compounds
(A) Screening method for receptor agonist or antagonist
Since the MEPE of the present invention can specifically bind to a receptor (unknown protein) considered to be present in bone cells, bone tissue, and the like, the MEPE of the present invention and a ligand / receptor binding assay system using the receptor can be used. By constructing, screening of a drug candidate compound having an action similar to that of the MEPE of the present invention and screening of a drug candidate compound that inhibits the action of the MEPE of the present invention can be performed. That is, the present invention provides a method for screening for a receptor agonist or antagonist using the MEPE of the present invention.
More specifically, the present invention provides
(1) Comparison between (i) the case where the MEPE of the present invention is brought into contact with the receptor or its partial peptide and (ii) the case where the MEPE or the like and the test compound of the present invention are brought into contact with the receptor or its partial peptide. Screening method for a receptor agonist or antagonist characterized by performing
(2) The MEPE of the present invention and the test of (ii) the case where the MEPE or the like of the present invention is brought into contact with (i) the cell containing the receptor or the cell membrane fraction thereof and the (ii) the cell containing the receptor or the cell membrane fraction thereof. A method for screening for a receptor agonist or antagonist is provided, wherein the method is compared with the case of contacting with a compound.
[0053]
Specifically, in the screening method of the present invention, in the cases (i) and (ii), for example, the amount of the MEPE of the present invention bound to a receptor or a cell containing the receptor, Receptor-mediated cell stimulating activity (eg, arachidonic acid release, acetylcholine release, intracellular Ca 2+ Concentration fluctuation, intracellular cAMP production, intracellular cGMP production, inositol phosphate production, cell membrane potential fluctuation, intracellular protein phosphorylation, pH decrease, etc.) It is a feature.
More specifically, the present invention provides
(1a) When (i) the labeled MEPE of the present invention is brought into contact with the receptor or its partial peptide, and (ii) when the labeled MEPE of the present invention and the test compound are brought into contact with the receptor or its partial peptide. A method for screening a receptor agonist or antagonist, comprising measuring and comparing the amount of labeled MEPE of the present invention to the receptor or a partial peptide thereof or a salt thereof,
(2a) (i) the case where the labeled MEPE of the present invention is brought into contact with the cell containing the receptor or the cell membrane fraction thereof; and (ii) the case where the labeled MEPE of the present invention and the test compound are combined with the cell containing the receptor. Or a method of screening for a receptor agonist or antagonist, comprising measuring and comparing the amount of labeled MEPE of the present invention to the cell or its cell membrane fraction when contacted with the cell membrane fraction, and
(2b) The receptor in the case where (i) the MEPE of the present invention is brought into contact with a cell containing the receptor and the (ii) in the case where the MEPE of the present invention and a test compound are brought into contact with a cell containing the receptor, The present invention provides a method for screening for a receptor agonist or antagonist, which measures and compares cell-mediated cell stimulating activity, bone differentiation promoting action, and the like.
[0054]
In the above-mentioned screening method (1a) or (2a), a compound that binds to a receptor and inhibits the binding between MEPE and the receptor of the present invention can be selected as a receptor agonist or antagonist.
In the screening method of the above (2b), a compound that binds to a receptor and has an activity of promoting cell-stimulating activity via a receptor in a cell containing the receptor, an activity of promoting bone differentiation, and the like can be selected as a receptor agonist; On the other hand, a compound that inhibits the cell stimulating activity, bone differentiation promoting effect, and the like of MEPE can be selected as a receptor antagonist.
In the above-mentioned screening method (1a) or (2a), among the test compounds of the present invention which have been found to have an activity of inhibiting the binding of MEPE to a receptor, compounds having an activity such as a bone differentiation promoting action are used. Compounds without these activities can be selected as receptor agonists, and compounds without these activities can be selected as receptor antagonists.
[0055]
As the receptor used in the screening method of the present invention, a receptor (unknown protein) expressed in a bone tissue or a bone cell of a human or a warm-blooded animal is used.
These receptors and the MEPE receptor of the present invention can be obtained according to a protein purification method known per se, and after cloning a DNA encoding the receptor according to a known genetic engineering technique, The desired receptor can also be obtained according to the MEPE expression method of the present invention.
As the partial peptide of the receptor, a partial peptide obtained by appropriately cleaving the full-length receptor can be used.
Examples of the labeled MEPE of the present invention include, for example, [ 3 H], [ 125 I], [ 14 C], [ 35 S] or the like of the present invention can be used.
[0056]
As the cells containing the receptor used in the screening method of the present invention, those similar to those listed above as the host cells used for expressing the MEPE of the present invention can be used. Cells and the like are preferred. Cells containing the receptor can be produced using DNA encoding the receptor according to a method known per se, for example, the above-described method for expressing the MEPE of the present invention. Primary cells such as mesenchymal stem cells can also be used as the cells containing the receptor.
When cells containing a receptor are used in the screening method of the present invention, the cells can be immobilized with glutaraldehyde, formalin, or the like. The immobilization method can be performed according to a method known per se.
[0057]
The cell membrane fraction of the cells containing the receptor refers to a fraction containing a large amount of cell membrane obtained by crushing the cells and then using a method known per se. As a method for crushing the cells, a method of crushing the cells with a Potter-Elvehjem type homogenizer, crushing with a Waring blender or a polytron (manufactured by Kinematica), crushing with an ultrasonic wave, ejection of the cells from a thin nozzle while applying pressure by a French press or the like. Crushing and the like. For fractionation of cell membranes, fractionation by centrifugal force such as fractionation centrifugation or density gradient centrifugation is mainly used. For example, the cell lysate is centrifuged at a low speed (500 rpm to 3000 rpm) for a short time (generally about 1 to 10 minutes), and the supernatant is further centrifuged at a high speed (15000 to 30000 rpm) for usually 30 minutes to 2 hours. The precipitate is the membrane fraction. The membrane fraction is rich in the expressed receptor or the MEPE of the present invention and a large amount of membrane components such as cell-derived phospholipids and membrane proteins.
The amount of the receptor in the cell containing the receptor or in the cell membrane fraction thereof is 10 per cell. 3 -10 8 Preferably a molecule 5 -10 7 Preferably it is a molecule. The higher the expression level, the higher the ligand binding activity (specific activity) per membrane fraction, which makes it possible not only to construct a highly sensitive screening system, but also to measure a large number of samples in the same lot. .
[0058]
Test compounds include, for example, proteins, proteins, non-proteinaceous compounds, synthetic compounds, fermentation products, cell extracts, plant extracts, animal tissue extracts, and the like, and these compounds may be novel compounds. However, a known compound may be used.
In the screening method of the present invention, the reaction between the MEPE of the present invention and the receptor can usually be performed at about 37 ° C. for several hours.
Specifically, in order to carry out the above-mentioned screening method (1a) or (2a), first, a cell containing the receptor of the present invention or a cell membrane fraction thereof, or a receptor or a partial peptide thereof is suitable for screening. To prepare a receptor standard. The buffer may be any buffer that does not inhibit the binding of the MEPE of the present invention to the receptor, such as a phosphate buffer having a pH of about 4 to 10 (preferably, a pH of about 6 to 8) and a Tris-HCl buffer. . Further, in order to reduce non-specific binding, CHAPS, Tween-80 are used. TM Surfactants such as (Kao-Atlas), digitonin and deoxycholate can also be added to the buffer. Furthermore, for the purpose of suppressing the degradation of receptors and ligands by proteases, protease inhibitors such as PMSF, leupeptin, bacitracin, aprotinin, E-64 (produced by Protein Research Laboratories), and pepstatin can also be added. On the other hand, when the cells are immobilized cells, the MEPE or the like of the present invention and the receptor are fixed to the incubator, that is, while the cells are grown, or using cells fixed with glutaraldehyde or paraformaldehyde. Can be combined.
[0059]
In this case, a medium, Hank's solution, or the like is used as the buffer. Then, a fixed amount (for example, about 10,000 cpm to 1,000,000 cpm in the case of 2000 Ci / mmol) of the labeled MEPE of the present invention or the like (for example, [ 125 I] of the present invention labeled with [I]), -4 M-10 -10 M test compounds are allowed to coexist. A reaction tube containing a large excess of unlabeled MEPE of the present invention is also prepared to determine the amount of non-specific binding (NSB). The reaction is carried out at 0 ° C. to 50 ° C., preferably 4 ° C. to 37 ° C., for 20 minutes to 24 hours, preferably 30 minutes to 3 hours. After the reaction, the solution is filtered through a glass fiber filter paper or the like, washed with an appropriate amount of the same buffer, and then the radioactivity remaining on the glass fiber filter paper (for example, [ 125 Is measured with a liquid scintillation counter or a γ-counter. For filtration, a manifold or a cell harvester can be used, but it is desirable to use a cell harvester to increase efficiency. Count when there is no antagonist (B 0 ) Minus the amount of non-specific binding (NSB) (B 0 -NSB) as 100%, the specific binding amount (B-NSB) is, for example, the count (B 0 -NSB) can be selected as candidate agonist or antagonist compounds.
[0060]
In addition, in order to carry out the above-mentioned screening method (2b), activities such as receptor-mediated cell stimulating activity and bone differentiation promoting activity can be measured according to a known method or a method analogous thereto.
Specifically, first, cells containing the receptor are cultured in a multiwell plate or the like. Before performing screening, the cells were exchanged with a fresh medium or an appropriate buffer that was not toxic to cells, and a test compound was added and incubated for a certain period of time. The product is quantified according to the respective method. Substances used as indicators of cell stimulating activity (eg, arachidonic acid release, acetylcholine release, intracellular Ca 2+ Concentration fluctuation, intracellular cAMP production, intracellular cGMP production, inositol phosphate production, cell membrane potential fluctuation, intracellular protein phosphorylation, decrease in pH) The assay may be performed by adding an inhibitor to the degrading enzyme. In addition, the activity such as cAMP production suppression can be detected as a production suppression effect on cells whose basic production has been increased by forskolin or the like.
[0061]
The action of promoting bone differentiation can be measured by observing the morphology of bone differentiation and detecting an alkaline phosphatase gene or the like which is a bone differentiation marker by PCR or the like.
Examples of cells used for these measurements include primary cultured cells such as the aforementioned mesenchymal stem cells.
In the screening method of the above (2b), when the cells containing the receptor show an increase in cell stimulating activity mediated by the receptor, a promoting action on bone differentiation, etc. when the test compound is added, the test compound is a candidate receptor agonist. It can be selected as a compound. On the other hand, when the cells containing the receptor when the test compound is added do not show an activity such as a cell stimulating activity through the receptor or an action of promoting bone differentiation, the test compound may be selected as a receptor antagonist candidate compound. it can.
[0062]
The screening kit of the present invention contains the MEPE of the present invention, preferably a cell containing a receptor or a cell membrane fraction thereof.
Examples of the screening kit of the present invention include the following.
[Screening reagent]
(1) Measurement buffer and washing buffer
Hanks' Balanced Salt Solution (manufactured by Gibco) plus 0.05% bovine serum albumin (manufactured by Sigma). The solution may be sterilized by filtration through a 0.45 μm filter and stored at 4 ° C., or may be prepared at use.
(2) Receptor standard
CHO cells containing the receptor for MEPE of the present invention were placed in a 12-well plate at 5 × 10 5 5 Passage at 37 ° C, 5% CO 2 , Cultured at 95% air for 2 days.
{Circle around (3)} The labeled MEPE sample of the present invention
The MEPE of the present invention, a partial peptide thereof or a salt thereof [ 3 H], [ 125 I], [ 14 C], [ 35 S].
(4) MEPE standard solution of the present invention
MEPE of the present invention, a partial peptide thereof or a salt thereof is dissolved in PBS containing 0.1% bovine serum albumin (manufactured by Sigma) to a concentration of 0.1 mM and stored at −20 ° C.
[0063]
(Measurement method)
{Circle around (1)} CHO cells containing the recombinant receptor cultured on a 12-well tissue culture plate are washed twice with 1 ml of the measurement buffer, and 490 μl of the measurement buffer is added to each well.
▲ 2 ▼ 10 -3 -10 -10 After adding 5 μl of M test compound solution, 5 μl of 5 nM labeled MEPE of the present invention is added, and the mixture is reacted at room temperature for 1 hour. To determine the amount of non-specific binding, use 10 instead of test compound. -4 Add 5 μl of M MEPE of the invention.
{Circle around (3)} The reaction solution is removed and washed three times with 1 ml of a washing buffer. The labeled MEPE of the present invention bound to the cells is dissolved in 0.5 ml of 0.2N NaOH-1% SDS, and mixed with 4 ml of liquid scintillator A (manufactured by Wako Pure Chemical Industries).
{Circle around (4)} The radioactivity is measured using a liquid scintillation counter (manufactured by Beckman), and Percent Maximum Binding (PMB) is determined by the following equation (Equation 1). Note that [ 125 When labeled with [I], it can be measured directly with a gamma counter without mixing with a liquid scintillator.
[0064]
[Equation 1]
PMB = 100 × (B−NSB) / (B 0 -NSB)
PMB: Percent Maximum Binding
B: Binding amount when the sample was added
NSB: Non-specific Binding (Non-specific binding amount)
B 0 : Maximum binding amount
[0065]
As described above, the MEPE of the present invention is useful as a reagent for screening for a receptor agonist or antagonist.
The compound or a salt thereof obtained by using the screening method or the screening kit of the present invention is a compound that inhibits the binding between MEPE of the present invention and a receptor. A compound having an action such as differentiation promoting action or a salt thereof (so-called receptor agonist), or a cell stimulating activity via the receptor (eg, arachidonic acid release, acetylcholine release, intracellular Ca 2+ Compounds having no action such as concentration fluctuation, intracellular cAMP generation, intracellular cGMP generation, inositol phosphate production, cell membrane potential fluctuation, intracellular protein phosphorylation, pH reduction), bone differentiation promoting action, etc. Salts (so-called receptor antagonists).
[0066]
Since the receptor agonist has all or a part of the bioactivity of the MEPE of the present invention, it is useful as a safe and low-toxic drug according to the bioactivity. For example, receptor agonists, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease, specifically, osteoporosis, fracture, re-fracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, It can be used as a low-toxic and safe medicine such as an agent for preventing and / or treating diseases such as osteoarthritis and periodontal disease. Furthermore, bone tissue repair agents after surgical operations such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilizers for artificial joints, agents for repairing periodontal tissue defects in periodontal disease, stabilizers for artificial roots, ridges It can also be used as a repair agent for formation and cleft palate.
On the other hand, a receptor antagonist can suppress all or a part of the physiological activity of the MEPE of the present invention, and is therefore useful as a safe and low-toxic drug that suppresses the physiological activity. For example, a receptor agonist is useful as a medicament such as an agent for preventing or treating diseases such as ankylosing myelitis, osteopetrosis, ossification of the spinal ligament, and arteriosclerosis.
[0067]
(B) Screening method and screening kit for a proteinase promoter or inhibitor that degrades MEPE of the present invention
The MEPE of the present invention or a salt thereof is considered to be cleaved by a proteinase present in a living body and inactivated. Therefore, by using the MEPE of the present invention and the proteinase that degrades MEPE of the present invention, a compound having an activity of promoting or inhibiting the proteinase that degrades MEPE of the present invention can be selected.
Since the compound having an activity of inhibiting the proteinase can promote the activity of MEPE independent of cell-to-cell contact by preventing the inactivation of the MEPE of the present invention in vivo, for example, metabolic bone disease, Metabolic cartilage diseases, specifically diseases such as osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease Can be used as a low-toxicity and safe drug such as a prophylactic and / or therapeutic agent. Furthermore, bone tissue repair agents after surgical operations such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilizers for artificial joints, agents for repairing periodontal tissue defects in periodontal disease, stabilizers for artificial roots, ridges It can also be used as a repair agent for formation and cleft palate.
On the other hand, since the compound having the activity of promoting the proteinase can inhibit the activity of the MEPE of the present invention, for example, diseases such as ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification, arteriosclerosis, etc. It can be used as a medicament such as a prophylactic / therapeutic agent.
That is, the present invention provides a method of screening for a compound having an activity of promoting or inhibiting a proteinase that degrades MEPE of the present invention, or a salt thereof, using the MEPE of the present invention.
[0068]
More specifically, the present invention provides
(1) (i) a case where a proteinase that degrades MEPE of the present invention and a MEPE of the present invention are incubated and then contacted with a cell containing a receptor;
(Ii) The MEPE of the present invention, which is characterized in that after incubating the MEPE of the present invention with a proteinase and a test compound that degrades the MEPE of the present invention and then contacting it with a cell containing a receptor, Provided is a method for screening for a compound having an activity of promoting or inhibiting a degrading proteinase or a salt thereof.
Specifically, in the screening method of the present invention, in the cases (i) and (ii), for example, cell stimulating activity via a receptor (eg, arachidonic acid release, acetylcholine release, intracellular Ca 2+ Changes in concentration, production of intracellular cAMP, production of intracellular cGMP, production of inositol phosphate, fluctuation of cell membrane potential, phosphorylation of intracellular protein, decrease in pH, etc.) It is characterized by doing.
[0069]
More specifically, the present invention provides
(1a) (i) a case where a proteinase that degrades MEPE of the present invention and a MEPE of the present invention are incubated and then contacted with a cell containing a receptor;
(Ii) a cell stimulating activity via a receptor (eg, arachidonic acid release, etc.) when a proteinase and a test compound that degrades MEPE of the present invention are incubated with the MEPE of the present invention and then contacted with cells containing the receptor. Acetylcholine release, intracellular Ca 2+ Changes in concentration, production of intracellular cAMP, production of intracellular cGMP, production of inositol phosphate, fluctuation of cell membrane potential, phosphorylation of intracellular protein, decrease of pH, etc.) and the activity of promoting bone differentiation. The present invention also provides a method for screening a compound having an activity of promoting or inhibiting a proteinase that degrades MEPE of the present invention or a salt thereof.
[0070]
In the above-mentioned screening method, a test compound which promotes cell stimulating activity, bone differentiation promoting activity, etc. mediated by the receptor is selected as a compound having an activity of inhibiting the proteinase that degrades MEPE of the present invention or a salt thereof. On the other hand, it is possible to select a test compound that inhibits cell stimulating activity, bone differentiation promoting activity, etc. through the receptor as a compound having an activity of promoting a proteinase that degrades MEPE of the present invention or a salt thereof. it can.
As a receptor used in the screening method of the present invention, a receptor (unknown protein) expressed in a bone tissue or a bone cell of a human or a warm-blooded animal is used.
The receptor for MEPE of the present invention can be obtained according to a protein purification method known per se, and after cloning a DNA encoding the receptor according to a known genetic engineering technique, the above-mentioned MEPE of the present invention can be obtained. The desired receptor can also be obtained according to the expression method.
As the proteinase that degrades MEPE of the present invention, for example, zinc metallopeptidase is used.
[0071]
As the cells containing the receptor used in the screening method of the present invention, those similar to those listed above as the host cells used for expressing the MEPE of the present invention can be used. Cells and the like are preferred. Cells containing the receptor can be produced using DNA encoding the receptor according to a method known per se, for example, the above-described method for expressing the MEPE of the present invention. Primary cells such as mesenchymal stem cells can also be used as the cells containing the receptor.
[0072]
When cells containing a receptor are used in the screening method of the present invention, the cells can be immobilized with glutaraldehyde, formalin, or the like. The immobilization method can be performed according to a method known per se.
As the cell membrane fraction of the cells containing the receptor, the same ones as described above can be used.
Test compounds include, for example, proteins, proteins, non-proteinaceous compounds, synthetic compounds, fermentation products, cell extracts, plant extracts, animal tissue extracts, and the like, and these compounds may be novel compounds. However, a known compound may be used.
In the screening method of the present invention, the incubation of the proteinase with the MEPE of the present invention can be usually performed for several hours at about 37 ° C. The reaction between the reaction mixture and the cells containing the receptor can usually be performed at about 37 ° C. for several hours.
The measurement of the cell stimulating activity through the receptor, the action of promoting bone differentiation, and the like can be performed in the same manner as described above.
[0073]
The screening kit of the present invention contains the MEPE of the present invention and a proteinase that degrades the MEPE of the present invention, and preferably further contains a cell containing a receptor.
Examples of the screening kit of the present invention include the following.
[Screening reagent]
(1) Measurement buffer and washing buffer
Hanks' Balanced Salt Solution (manufactured by Gibco) plus 0.05% bovine serum albumin (manufactured by Sigma). The solution may be sterilized by filtration through a 0.45 μm filter and stored at 4 ° C., or may be prepared at use.
(2) Receptor standard
CHO cells containing the receptor for MEPE of the present invention were placed in a 12-well plate at 5 × 10 5 5 Passage at 37 ° C, 5% CO 2 , Cultured at 95% air for 2 days.
(3) MEPE standard of the present invention
MEPE of the present invention, a partial peptide thereof or a salt thereof
{Circle around (4)} Proteinase preparation for decomposing MEPE of the present invention
Proteinase that degrades MEPE of the present invention
[0074]
(Measurement method)
{Circle around (1)} A proteinase that degrades MEPE of the present invention and MEPE of the present invention are incubated at about 37 ° C. for several hours.
{Circle around (2)} Incubate the MEPE of the present invention with a proteinase and a test compound that degrade MEPE of the present invention at about 37 ° C. for several hours.
(3) The reaction mixture obtained in (1) and (2) above is cultured for several hours at about 37 ° C. with cells containing the receptor for MEPE of the present invention.
{Circle around (4)} Next, the cell stimulating activity via the receptor, the action of promoting bone differentiation, and the like are measured according to the above-mentioned methods.
[0075]
As described above, the MEPE of the present invention is useful as a reagent for screening a compound having an activity of promoting or inhibiting a proteinase that degrades the MEPE of the present invention or a salt thereof.
Compounds or salts thereof obtained by using the screening method or screening kit of the present invention,
(1) a compound that inhibits a proteinase that degrades the MEPE of the present invention and suppresses the inactivation of the MEPE of the present invention by the proteinase;
{Circle around (2)} A compound that promotes a proteinase that degrades the MEPE of the present invention, and promotes inactivation of the MEPE of the present invention by the proteinase.
Accordingly, the compound that inhibits the proteinase that degrades MEPE of the present invention can promote activities such as cell stimulating activity through the receptor, bone stimulating activity, etc., by the MEPE of the present invention, independent of cell-cell contact, For example, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease (eg, osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease ) Can be used as a low-toxic and safe medicament such as a preventive and / or therapeutic agent for such diseases. Furthermore, bone tissue repair agents after surgical operations such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilizers for artificial joints, agents for repairing periodontal tissue defects in periodontal disease, stabilizers for artificial roots, ridges It can also be used as a repair agent for formation and cleft palate.
On the other hand, the compound of the present invention that promotes the proteinase that degrades MEPE can inhibit the MEPE of the present invention, such as cell stimulating activity via the receptor, promoting bone differentiation, and the like. For example, ankylosing myelitis It is useful as a medicament such as an agent for preventing or treating diseases such as bone marble disease, ossification of the spinal ligament, and arteriosclerosis.
When a compound obtained by using the screening method or the screening kit of the present invention is used as the above-mentioned therapeutic / prophylactic agent, it can be carried out in the same manner as the above-mentioned receptor agonist / antagonist.
[0076]
(C) A method for screening a compound or a salt thereof that promotes or inhibits intracellular signal transduction after binding of MEPE to a receptor of the present invention
Since the MEPE of the present invention can specifically bind to a receptor (unknown protein) expressed in bone tissue or bone cells of a human or a warm-blooded animal, the MEPE of the present invention and a ligand using the receptor may be used. By constructing a receptor binding assay system, a compound or a salt thereof that promotes or inhibits intracellular signal transduction after the MEPE of the present invention binds to the receptor can be screened.
That is, the present invention provides a method for screening a compound or a salt thereof that promotes or inhibits intracellular signal transduction after binding of a MEPE of the present invention to a receptor, characterized by using the MEPE of the present invention.
More specifically, the present invention provides
(1) A comparison is made between (i) the case where the MEPE of the present invention is brought into contact with the cell containing the receptor and (ii) the case where the MEPE of the present invention and the test compound are brought into contact with the cell containing the receptor. A method for cleaning a compound or a salt thereof which promotes or inhibits intracellular signal transduction after binding of MEPE to a receptor according to the present invention.
[0077]
Specifically, in the screening method of the present invention, in the cases (i) and (ii), for example, measurement and comparison of intracellular signal transduction after the binding of the MEPE of the present invention to the receptor and the like are performed. It is a feature.
More specifically, the present invention provides
(1a) The receptor in the case where (i) the MEPE of the present invention is brought into contact with a cell containing the receptor and the (ii) in the case where the MEPE of the present invention and a test compound are brought into contact with a cell containing the receptor, The present invention provides a method for screening a compound or a salt thereof that promotes or inhibits intracellular signal transduction after binding MEPE to a receptor, which comprises measuring and comparing cell-mediated cell stimulating activities.
[0078]
In the above-mentioned screening method (1a), a compound that does not inhibit the binding of the MEPE of the present invention to the receptor and promotes the cell stimulating activity of the MEPE of the present invention via the receptor can be used as the binding between the MEPE of the present invention and the receptor. It can be selected as a compound or a salt thereof that promotes the subsequent intracellular signal transduction. On the other hand, a compound which does not inhibit the binding between the MEPE of the present invention and the receptor and has the action of inhibiting the cell stimulating activity of the MEPE of the present invention via the receptor can be used in the cell after the binding of the MEPE of the present invention to the receptor. It can be selected as a compound that inhibits signal transduction or a salt thereof.
That is, the present screening method is a method for selecting a compound that does not affect the binding between MEPE of the present invention and a receptor and that modulates (promotes or suppresses) intracellular signal transduction after receptor binding. It is desirable to use a compound that has not been selected as a receptor agonist or antagonist in the receptor agonist / antagonist screening method described above.
[0079]
As a receptor used in the screening method of the present invention, a receptor (unknown protein) expressed in a bone tissue or a bone cell of a human or a warm-blooded animal is used.
The receptor for MEPE of the present invention can be obtained according to a protein purification method known per se, and after cloning a DNA encoding the receptor according to a known genetic engineering technique, the above-mentioned MEPE of the present invention can be obtained. The desired receptor can also be obtained according to the expression method.
As the partial peptide of the receptor, a partial peptide obtained by appropriately cleaving the full-length receptor can be used.
As the cells containing the receptor used in the screening method of the present invention, those similar to those listed above as the host cells used for expressing the MEPE of the present invention can be used. Cells and the like are preferred. Cells containing the receptor can be produced using DNA encoding the receptor according to a method known per se, for example, the above-described method for expressing the MEPE of the present invention. Primary cells such as mesenchymal stem cells can also be used as the cells containing the receptor.
[0080]
When cells containing a receptor are used in the screening method of the present invention, the cells can be immobilized with glutaraldehyde, formalin, or the like. The immobilization method can be performed according to a method known per se.
As the cell membrane fraction of the cell containing the receptor, the same one as described above is used.
Test compounds include, for example, proteins, proteins, non-proteinaceous compounds, synthetic compounds, fermentation products, cell extracts, plant extracts, animal tissue extracts, and the like. Or a known compound.
In the screening method of the present invention, the reaction between the MEPE of the present invention and cells containing the receptor can be usually performed at about 37 ° C. for several hours.
In the above screening method (1a), the MEPE of the present invention can be used to measure the cell stimulating activity via the receptor in the same manner as described above.
In the above-mentioned screening method (1a), when the test compound is added and the cell stimulating activity of the MEPE of the present invention via the receptor is promoted, the compound which promotes intracellular signal transduction after binding of the test compound to the receptor is added. Alternatively, it can be selected as a salt thereof. On the other hand, when the test compound is added and the cell stimulating activity of the MEPE of the present invention via the receptor is inhibited, the test compound is selected as a compound that promotes intracellular signal transduction after receptor binding or a salt compound thereof. be able to.
[0081]
The screening kit of the present invention contains the MEPE of the present invention, and preferably further contains cells containing a receptor.
Examples of the screening kit of the present invention include the following.
[Screening reagent]
(1) Measurement buffer and washing buffer
Hanks' Balanced Salt Solution (manufactured by Gibco) plus 0.05% bovine serum albumin (manufactured by Sigma). The solution may be sterilized by filtration through a 0.45 μm filter and stored at 4 ° C., or may be prepared at use.
(2) Receptor standard
CHO cells containing the receptor for MEPE of the present invention were placed in a 12-well plate at 5 × 10 5 5 Passage at 37 ° C, 5% CO 2 , Cultured at 95% air for 2 days.
(3) MEPE standard of the present invention
MEPE of the present invention, a partial peptide thereof or a salt thereof
(Measurement method)
Cell stimulating activity (eg, arachidonic acid release, acetylcholine release, intracellular Ca 2+ Concentration fluctuation, intracellular cAMP production, intracellular cGMP production, inositol phosphate production, cell membrane potential fluctuation, intracellular protein phosphorylation, pH decrease, etc.) are measured according to the above-mentioned methods.
[0082]
As described above, the MEPE of the present invention is useful as a reagent for screening a compound or a salt thereof that promotes or inhibits intracellular signal transduction after receptor binding.
A compound or a salt thereof obtained by using the screening method or the screening kit of the present invention is a compound or a salt thereof which promotes a cell stimulating activity via a receptor after the MEPE of the present invention binds to the receptor, or the cell stimulating activity. Or a salt thereof.
Compounds or salts thereof that promote intracellular signal transduction after the MEPE of the present invention binds to the receptor include, for example, metabolic bone diseases, metabolic cartilage diseases (eg, osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, Bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease, etc.) it can. Furthermore, bone tissue repair agents after surgical operations such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilizers for artificial joints, agents for repairing periodontal tissue defects in periodontal disease, stabilizers for artificial roots, ridges It can also be used as a repair agent for formation and cleft palate.
On the other hand, a compound or a salt thereof that inhibits intracellular signal transduction after the MEPE of the present invention binds to the receptor includes, for example, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification, arteriosclerosis, etc. It is useful as a safe and low toxic drug such as an agent for preventing or treating diseases.
When a compound obtained by using the screening method or the screening kit of the present invention is used as the above-mentioned therapeutic / prophylactic agent, it can be carried out in the same manner as the above-mentioned receptor agonist / antagonist.
[0083]
(D) a medicament containing a compound that changes the expression level of MEPE of the present invention
By using the DNA of the present invention as a probe, it can be used for screening a compound that changes the expression level of the MEPE of the present invention.
That is, the present invention includes, for example, the present invention contained in (i) a) blood of a non-human mammal, b) a specific organ, c) a tissue or cell isolated from an organ, or (ii) a transformant or the like. A method for screening a compound that changes the expression level of MEPE of the present invention by measuring the mRNA level of MEPE of the present invention.
[0084]
The measurement of the mRNA amount of MEPE of the present invention is specifically performed as follows.
(I) For normal or disease model non-human mammals (eg, mouse, rat, rabbit, sheep, pig, cow, cat, dog, monkey, etc., more specifically, bone disease model rats, mice, rabbits, etc.) After applying a drug (eg, an immunomodulator) or a physical stress (eg, immersion stress, electric shock, light / dark, low temperature, etc.), and after a certain period of time, blood or a specific organ (eg, brain, Liver, kidney, etc.), or tissues or cells isolated from an organ.
The mRNA of the MEPE of the present invention contained in the obtained cells can be quantified by, for example, extracting mRNA from cells or the like by a usual method and using, for example, a technique such as TaqMan PCR, and by a means known per se. It can also be analyzed by performing Northern blot.
(Ii) A transformant expressing the MEPE of the present invention is prepared according to the above method, and the mRNA of the MEPE of the present invention contained in the transformant can be quantified and analyzed in the same manner.
[0085]
Screening for a compound that changes the expression level of the MEPE of the present invention comprises:
(I) A given time (30 minutes to 24 hours, preferably 30 minutes to 12 hours, more preferably 1 hour) before giving a drug or physical stress to a normal or disease model non-human mammal Before to 6 hours before) or after a certain time (after 30 minutes to 3 days, preferably after 1 hour to 2 days, more preferably after 1 hour to 24 hours), or at the same time as the drug or physical stress. , And after a lapse of a certain time after the administration (30 minutes to 3 days, preferably 1 hour to 2 days, more preferably 1 hour to 24 hours), the amount of mRNA of MEPE of the present invention contained in the cells Can be performed by quantifying and analyzing
(Ii) When culturing the transformant according to a conventional method, the test compound is mixed in the medium, and after culturing for a certain period of time (1 day to 7 days, preferably 1 day to 3 days, more preferably 2 days to 3 days) Days after), the amount of mRNA of MEPE of the present invention contained in the transformant can be quantified and analyzed.
[0086]
The compound or a salt thereof obtained by using the screening method of the present invention is a compound having an action of changing the expression level of MEPE of the present invention, and specifically, (a) increasing the expression level of MEPE of the present invention. And (b) a compound that reduces the expression level of the MEPE of the present invention.
Such compounds include peptides, proteins, non-peptidic compounds, synthetic compounds, fermentation products, and the like, and these compounds may be novel compounds or known compounds.
Therefore, the compound obtained by the above screening method,
{Circle around (1)} The expression level of MEPE of the present invention is increased to increase metabolic bone disease and metabolic cartilage disease (eg, osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy) Compounds to prevent and treat rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease, etc.), compounds to repair bone tissue after surgery such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilize artificial joints Compounds, compounds that repair periodontal tissue defects in periodontal disease, compounds that stabilize artificial roots, compounds that repair ridge formation and cleft palate,
(2) Diseases caused by excessive expression of MEPE of the present invention by decreasing the expression level of MEPE of the present invention, specifically, metabolic bone diseases, metabolic cartilage diseases (eg, ankylosing myelitis, bone marble) Disease, ossification of the spinal ligament) and arteriosclerosis.
Therefore, compounds that increase the expression level of MEPE of the present invention obtained by the above screening method include, for example, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease (eg, osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet disease, Rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, diseases such as osteoarthritis, periodontal disease) and the like, and can be used as a low-toxicity and safe medicine such as a therapeutic agent. Furthermore, bone tissue repair agents after surgical operations such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilizers for artificial joints, agents for repairing periodontal tissue defects in periodontal disease, stabilizers for artificial roots, ridges It can also be used as a repair agent for formation and cleft palate.
On the other hand, a compound that reduces the expression level of MEPE of the present invention obtained by the above screening method is a disease caused by excessive expression of MEPE of the present invention (eg, stiff myelitis, osteopetrosis, vertebral ligament ossification, It can be used as a low-toxicity and safe medicine such as a preventive and / or therapeutic agent for arteriosclerosis).
When a compound obtained by using the screening method or the screening kit of the present invention is used as the above-mentioned therapeutic / prophylactic agent, it can be carried out in the same manner as the above-mentioned receptor agonist / antagonist.
[0087]
(5) A medicine containing the antibody against MEPE of the present invention
The neutralizing activity of the antibody against MEPE of the present invention means an activity of inactivating the bone differentiation promoting action of the MEPE. Therefore, when the antibody has a neutralizing activity, the action of the MEPE to promote bone differentiation can be inactivated.
Therefore, the neutralizing antibody against MEPE of the present invention can be used for diseases caused by overexpression of MEPE, for example, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease (eg, stiff myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification) ), And can be used as a prophylactic / therapeutic agent for arteriosclerosis.
The above-mentioned prophylactic / therapeutic agent can be produced and used in the same manner as the above-mentioned drug containing a receptor antagonist.
[0088]
(6) A medicine comprising the antisense DNA of the present invention
The antisense DNA of the present invention can be used for diseases caused by overexpression of MEPE, such as metabolic bone disease, metabolic cartilage disease (eg, ankylosing myelitis, osteopetrosis, spinal ligament ossification), arteriosclerosis It can be used as a prophylactic / therapeutic agent for diseases and the like.
For example, when using the antisense DNA, the antisense DNA can be used alone or after being inserted into an appropriate vector such as a retrovirus vector, an adenovirus vector, an adenovirus associated virus vector, and the like, followed by a conventional method. The antisense DNA can be administered as it is or in the form of a formulation together with a physiologically acceptable carrier such as an adjuvant for promoting uptake, and can be administered using a gene gun or a catheter such as a hydrogel catheter.
Furthermore, the antisense DNA can also be used as a diagnostic oligonucleotide probe for examining the presence of the DNA of the present invention in tissues or cells and the state of expression thereof.
The prophylactic / therapeutic agent can be produced and used in the same manner as the above-mentioned medicament containing the polynucleotide encoding the MEPE of the present invention.
[0089]
(7) Use of the DNA-introduced animal of the present invention
The present invention relates to a non-human mammal comprising a foreign DNA of the present invention (hereinafter abbreviated as the foreign DNA of the present invention) or a mutant DNA thereof (sometimes abbreviated as the foreign mutant DNA of the present invention). Provide new applications.
Non-human mammal used in the present invention,
[1] a non-human mammal having the exogenous DNA of the present invention or a mutant DNA thereof,
[2] the animal of [1], wherein the non-human mammal is a rodent;
[3] The animal according to [2], wherein the rodent is a mouse or a rat.
Non-human mammals having the exogenous DNA of the present invention or the mutant DNA thereof (hereinafter abbreviated as the DNA-transferred animal of the present invention) can be used for non-fertilized eggs, fertilized eggs, germ cells including spermatozoa and their progenitor cells, And preferably at the stage of embryonic development in non-human mammal development (more preferably at the stage of single cells or fertilized eggs and generally before the 8-cell stage), the calcium phosphate method, the electric pulse method, the lipofection method, the agglutination method, It can be produced by transferring a target DNA by a microinjection method, a particle gun method, a DEAE-dextran method, or the like. Further, by the DNA transfer method, the exogenous DNA of the present invention can be transferred to somatic cells, organs of living organisms, tissue cells, and the like, and can be used for cell culture, tissue culture, and the like. The DNA-transferred animal of the present invention can also be produced by fusing the above-mentioned germ cells with a cell fusion method known per se.
As the non-human mammal, for example, cow, pig, sheep, goat, rabbit, dog, cat, guinea pig, hamster, mouse, rat and the like are used. Among them, rodents, which are relatively short in ontogeny and biological cycle in terms of preparation of disease animal model systems, and are easy to breed, especially mice (for example, hybrids such as C57BL / 6 strain and DBA2 strain as pure strains) B6C3F as a system 1 System, BDF 1 System, B6D2F 1 Strain, BALB / c strain, ICR strain, etc.) or rat (eg, Wistar, SD etc.) is preferred.
"Mammals" in a recombinant vector that can be expressed in mammals include humans in addition to the above-mentioned non-human mammals.
[0090]
The exogenous DNA of the present invention refers to the DNA of the present invention once isolated and extracted from a mammal, not the DNA of the present invention originally possessed by a non-human mammal.
As the mutant DNA of the present invention, those having a mutation (for example, mutation) in the base sequence of the original DNA of the present invention, specifically, base addition, deletion, substitution with another base, etc. The resulting DNA or the like is used, and also includes abnormal DNA.
The abnormal DNA means a DNA that expresses the abnormal MEPE of the present invention, and for example, a DNA that expresses MEPE that suppresses the function of the normal MEPE of the present invention is used.
The exogenous DNA of the present invention may be derived from a mammal that is the same or different from the animal of interest. In transferring the DNA of the present invention to a target animal, it is generally advantageous to use the DNA as a DNA construct linked downstream of a promoter capable of being expressed in animal cells. For example, when the human DNA of the present invention is transferred, DNA derived from various mammals (eg, rabbits, dogs, cats, guinea pigs, hamsters, rats, mice, etc.) having the DNA of the present invention having high homology thereto is expressed. Highly expressing the DNA of the present invention by microinjecting a DNA construct (eg, vector, etc.) in which the human DNA of the present invention is bound downstream of various promoters that can be made into a fertilized egg of a target mammal, for example, a mouse fertilized egg. DNA-transferring mammals can be created.
[0091]
Examples of the MEPE expression vector of the present invention include Escherichia coli-derived plasmids, Bacillus subtilis-derived plasmids, yeast-derived plasmids, bacteriophages such as λ phage, retroviruses such as Moloney leukemia virus, and animal viruses such as vaccinia virus or baculovirus. Are used. Among them, a plasmid derived from Escherichia coli, a plasmid derived from Bacillus subtilis or a plasmid derived from yeast is preferably used.
Examples of the promoter for controlling the DNA expression include, but are not limited to, (1) a promoter of a DNA derived from a virus (eg, simian virus, cytomegalovirus, Moloney leukemia virus, JC virus, breast cancer virus, polio virus, etc.); ▼ Promoters derived from various mammals (human, rabbit, dog, cat, guinea pig, hamster, rat, mouse, etc.), for example, albumin, insulin II, uroplakin II, elastase, erythropoietin, endothelin, muscle creatine kinase, glial fibrillary acid Protein, glutathione S-transferase, platelet-derived growth factor β, keratins K1, K10 and K14, collagen types I and II, cyclic AMP-dependent protein kinase βI subunit, dystrophy Fin, tartrate-resistant alkaline phosphatase, atrial natriuretic factor, endothelial receptor tyrosine kinase (commonly abbreviated as Tie2), sodium potassium adenosine 3 kinase (Na, K-ATPase), neurofilament light chain, metallothionein I and IIA, metalloproteinase 1 tissue inhibitor, MHC class I antigen (H-2L), H-ras, renin, dopamine β-hydroxylase, thyroid peroxidase (TPO), peptide chain elongation factor 1α (EF-1α), β actin , Α and β myosin heavy chain, myosin light chain 1 and 2, myelin basic protein, thyroglobulin, Thy-1, immunoglobulin, heavy chain variable region (VNP), serum amyloid P component, myoglobin, troponin C, smooth muscle α A Chin, pre-pro-enkephalin A, such as a promoter, such as vasopressin is used. Among them, a cytomegalovirus promoter capable of high expression throughout the body, a human peptide chain elongation factor 1α (EF-1α) promoter, a human and chicken β-actin promoter, and the like are preferable.
The vector preferably has a sequence that terminates transcription of the target messenger RNA in a DNA-transferred mammal (generally called a terminator). For example, a sequence of each DNA derived from a virus and various mammals can be used. A simian virus SV40 terminator or the like is preferably used.
[0092]
In addition, a splicing signal of each DNA, an enhancer region, a part of an intron of a eukaryotic DNA, and the like are placed 5 ′ upstream of the promoter region, between the promoter region and the translation region, or between the translation region for the purpose of further expressing the desired foreign DNA. It is also possible to connect 3 ′ downstream of the above depending on the purpose.
The normal translation region of the MEPE of the present invention can be derived from liver, kidney, thyroid cells, fibroblast-derived DNA from humans or various mammals (eg, rabbits, dogs, cats, guinea pigs, hamsters, rats, mice, etc.) and commercially available From a variety of genomic DNA libraries, or as a starting material, a complementary DNA prepared by known methods from RNA derived from liver, kidney, thyroid cells, and fibroblasts. In addition, a translation region obtained by mutating a translation region of a normal MEPE obtained from the above-described cells or tissues by a point mutagenesis method can be used for the exogenous abnormal DNA.
The translation region can be prepared as a DNA construct that can be expressed in a transposed animal by a conventional DNA engineering technique in which it is ligated downstream of the above-mentioned promoter and, if desired, upstream of the transcription termination site.
Transfer of the exogenous DNA of the present invention at the fertilized egg cell stage is ensured to be present in all germ cells and somatic cells of the target mammal. The presence of the exogenous DNA of the present invention in the germinal cells of the produced animal after DNA transfer means that all the progeny of the produced animal retain the exogenous DNA of the present invention in all of the germinal cells and somatic cells. means. The offspring of such animals that have inherited the exogenous DNA of the present invention have the exogenous DNA of the present invention in all of their germ cells and somatic cells.
The non-human mammal to which the exogenous normal DNA of the present invention has been transferred can be subcultured in a normal breeding environment as an animal having the DNA after confirming that the exogenous DNA is stably retained by mating. .
Transfer of the exogenous DNA of the present invention at the fertilized egg cell stage is ensured to be present in excess in all germ cells and somatic cells of the target mammal. Excessive presence of the exogenous DNA of the present invention in germ cells of a produced animal after DNA transfer means that all offspring of the produced animal have an excessive amount of the exogenous DNA of the present invention in all of their germ cells and somatic cells. Means Progeny of such animals that have inherited the exogenous DNA of the present invention have an excess of the exogenous DNA of the present invention in all of their germinal and somatic cells.
By obtaining a homozygous animal having the introduced DNA on both homologous chromosomes and mating the male and female animals, all offspring can be bred to have the DNA in excess.
[0093]
The non-human mammal having the normal DNA of the present invention expresses the normal DNA of the present invention at a high level, and eventually promotes the hyperfunction of MEPE of the present invention by promoting the function of endogenous normal DNA. Occasionally, it can be used as a disease model animal. For example, using the normal DNA-transferred animal of the present invention, it is possible to elucidate the pathological mechanism of the hyperactivity of the MEPE of the present invention and the diseases associated with the MEPE of the present invention, and to examine a method of treating these diseases. It is possible.
In addition, since the mammal to which the exogenous normal DNA of the present invention has been transferred has an increased symptom of the MEPE of the present invention, diseases related to the MEPE of the present invention, such as metabolic bone disease and metabolic cartilage disease ( For example, ankylosing myelitis, osteopetrosis, ossification of the spinal ligament, and arteriosclerosis.
On the other hand, a non-human mammal having the exogenous abnormal DNA of the present invention can be subcultured in an ordinary breeding environment as an animal having the DNA after confirming that the exogenous DNA is stably maintained by mating. Furthermore, the desired foreign DNA can be incorporated into the above-described plasmid and used as a source material. The DNA construct with the promoter can be prepared by a usual DNA engineering technique. The transfer of the abnormal DNA of the present invention at the fertilized egg cell stage is ensured to be present in all germ cells and somatic cells of the target mammal. The presence of the abnormal DNA of the present invention in the germinal cells of the produced animal after DNA transfer means that all the offspring of the produced animal have the abnormal DNA of the present invention in all of its germ cells and somatic cells. The progeny of such animals that have inherited the exogenous DNA of the present invention have the abnormal DNA of the present invention in all of their germinal and somatic cells. A homozygous animal having the introduced DNA on both homologous chromosomes is obtained, and by crossing these male and female animals, it is possible to breed the cells so that all offspring have the DNA.
[0094]
The non-human mammal having the abnormal DNA of the present invention expresses the abnormal DNA of the present invention at a high level, and finally inhibits the function of endogenous normal DNA, thereby ultimately inactivating the MEPE of the present invention. Refractory (eg, osteoporosis, bone fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, metabolic bone disease such as periodontal disease, metabolism Cartilage disease), and can be used as a disease model animal. For example, using the abnormal DNA-transferred animal of the present invention, it is possible to elucidate the pathological mechanism of the MEPE of the present invention, and to investigate a method for treating this disease.
In addition, as a specific possibility, the abnormal DNA-highly expressing animal of the present invention shows that the abnormal MEPE of the present invention inhibits the function of normal MEPE (dominant negative action) in the inactive refractory disease of the MEPE of the present invention. A model to elucidate.
Further, since the mammal to which the foreign abnormal DNA of the present invention has been transferred has an increased symptom of the MEPE of the present invention, it can be used for a therapeutic drug screening test for MEPE of the present invention or a functionally inactive refractory disease. is there.
Further, in order to use the DNA transgenic animal of the present invention to develop a therapeutic agent for a disease associated with the MEPE of the present invention, including the inactive refractory MEPE of the present invention, the above-described test method and quantification method It is possible to provide an effective and rapid screening method for a therapeutic agent for the disease by using a method or the like. Further, using the transgenic animal of the present invention or the exogenous DNA expression vector of the present invention, it is possible to examine and develop a DNA treatment method for a disease associated with MEPE of the present invention.
[0095]
(6) Knockout animal
The non-human mammalian embryonic stem cells used in the present invention and the non-human mammal deficient in expressing the DNA of the present invention include:
[1] a non-human mammalian embryonic stem cell in which the DNA of the present invention has been inactivated,
[2] the embryonic stem cell according to [1], wherein the DNA is inactivated by introducing a reporter gene (eg, a β-galactosidase gene derived from Escherichia coli);
[3] the embryonic stem cell according to [1], which is neomycin-resistant;
[4] the embryonic stem cell according to [1], wherein the non-human mammal is a rodent;
[5] the embryonic stem cell of [4], wherein the rodent is a mouse;
[6] a non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention, wherein the DNA is inactivated;
[7] The DNA is inactivated by introducing a reporter gene (eg, a β-galactosidase gene derived from Escherichia coli), and the reporter gene can be expressed under the control of a promoter for the DNA of the present invention [6]. The non-human mammal according to the item,
[8] the non-human mammal according to [6], wherein the non-human mammal is a rodent;
[9] The non-human mammal according to [8], wherein the rodent is a mouse.
A non-human mammalian embryonic stem cell in which the DNA of the present invention has been inactivated is a DNA which is artificially mutated to the DNA of the present invention possessed by the non-human mammal to suppress the DNA expression ability, or By substantially losing the activity of the MEPE of the present invention encoded by the DNA, the DNA substantially does not have the ability to express the MEPE of the present invention (hereinafter, may be referred to as the knockout DNA of the present invention. ) Non-human mammalian embryonic stem cells (hereinafter abbreviated as ES cells).
As the non-human mammal, the same one as described above is used.
The method of artificially mutating the DNA of the present invention can be performed, for example, by deleting a part or all of the DNA sequence and inserting or substituting another DNA by a genetic engineering technique. With these mutations, the knockout DNA of the present invention may be prepared, for example, by shifting the codon reading frame or disrupting the function of the promoter or exon.
[0096]
Specific examples of the non-human mammalian embryonic stem cells in which the DNA of the present invention has been inactivated (hereinafter abbreviated as the DNA-inactivated ES cells of the present invention or the knockout ES cells of the present invention) include, for example, The DNA of the present invention possessed by a non-human mammal is isolated and its exon portion is a drug resistance gene typified by a neomycin resistance gene or a hygromycin resistance gene, or lacZ (β-galactosidase gene), cat (chloramphenicol acetyl). A reporter gene or the like typified by a transferase gene) to disrupt the exon function, or insert a DNA sequence that terminates gene transcription into an intron between exons (for example, a polyA addition signal); Inability to synthesize complete messenger RNA Thus, a DNA strand having a DNA sequence constructed so as to eventually destroy the gene (hereinafter abbreviated as a targeting vector) is introduced into the chromosome of the animal by, for example, homologous recombination, and the resulting ES cells PCR using the DNA sequence on or near the DNA of the present invention as a probe, and using the DNA sequence on the targeting vector and the DNA sequence in the neighboring region other than the DNA of the present invention used for the preparation of the targeting vector as primers And selecting the knockout ES cells of the present invention.
As the ES cells from which the DNA of the present invention is inactivated by the homologous recombination method or the like, for example, those already established as described above may be used, or according to the known Evans and Kaufma method. It may be a newly established one. For example, in the case of mouse ES cells, currently, 129-line ES cells are generally used. For example, for the purpose of obtaining ES cells in which BDF is clearly known, for example, BDF in which the number of eggs collected by C57BL / 6 mice or C57BL / 6 has been improved by hybridization with DBA / 2 1 Mouse (F of C57BL / 6 and DBA / 2) 1 ) Can also be used favorably. BDF 1 In addition to the advantage that the number of eggs collected and the eggs are robust, the mice have C57BL / 6 mice as a background, and thus, the ES cells obtained using the C57BL / 6 mice were used to produce C57BL / 6 mice. / 6 mice can be advantageously used in that the genetic background can be replaced by C57BL / 6 mice by backcrossing.
In addition, when ES cells are established, blastocysts 3.5 days after fertilization are generally used. In addition, a large number of blastocysts can be efficiently obtained by collecting embryos at the 8-cell stage and culturing them until blastocysts are used. Early embryos can be obtained.
Either male or female ES cells may be used, but generally male ES cells are more convenient for producing a germline chimera. It is also desirable to discriminate between males and females as soon as possible in order to reduce cumbersome culture labor.
[0097]
As a method for determining the sex of ES cells, for example, a method of amplifying and detecting a gene in a sex-determining region on the Y chromosome by a PCR method can be mentioned. If this method is used, it is conventionally necessary to perform about 10 karyotype analyses. 6 Since the number of ES cells is required, the number of ES cells of about 1 colony (approximately 50) is sufficient, so that primary selection of ES cells in the early stage of culture can be performed by discriminating between male and female. In addition, by enabling selection of male cells at an early stage, labor in the initial stage of culture can be significantly reduced.
The secondary selection can be performed, for example, by confirming the number of chromosomes by the G-banding method. The number of chromosomes in the obtained ES cells is desirably 100% of the normal number. However, when it is difficult due to physical operations at the time of establishment, after knocking out the gene of the ES cells, the normal cells (for example, chromosomes in mice) are knocked out. It is desirable to clone again into cells (number 2n = 40).
The embryonic stem cell line obtained in this way usually has very good growth properties, but it must be carefully subcultured because it tends to lose its ontogenic ability. For example, on a suitable feeder cell such as STO fibroblast, in the presence of LIF (1-10000 U / ml) in a carbon dioxide incubator (preferably, 5% carbon dioxide, 95% air or 5% oxygen, 5% The cells are cultured by a method such as culturing at about 37 ° C. in carbon dioxide gas and 90% air. At the time of subculture, for example, a trypsin / EDTA solution (usually 0.001-0.5% trypsin / 0.1-5 mM EDTA, Preferably, a method is used in which cells are converted into single cells by treatment with about 0.1% trypsin / 1 mM EDTA and seeded on newly prepared feeder cells. Such passage is usually carried out every 1 to 3 days. At this time, it is desirable to observe the cells and, if any morphologically abnormal cells are found, discard the cultured cells.
ES cells are differentiated into various types of cells, such as parietal muscle, visceral muscle, and cardiac muscle, by monolayer culture up to high density or suspension culture until cell clumps are formed under appropriate conditions. [M. J. Evans and M.E. H. Kaufman, Nature, 292, 154, 1981; R. Martin Proc. Of National Academy of Sciences USA (Proc. Natl. Acad. Sci. USA) 78, 7634, 1981; C. Doetschman et al., Journal of Embryology and Experimental Morphology, Vol. 87, p. 27, 1985], that the DNA-deficient cell of the present invention obtained by differentiating the ES cell of the present invention is characterized by in vitro The present invention is useful for the MEPE of the present invention or the cell biological examination of the MEPE of the present invention.
[0098]
The non-human mammal deficient in DNA expression of the present invention can be distinguished from a normal animal by measuring the mRNA level of the animal using a known method and indirectly comparing the expression level.
As the non-human mammal, those similar to the aforementioned can be used.
The non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention is, for example, a DNA in which the targeting vector prepared as described above is introduced into mouse embryonic stem cells or mouse egg cells, and the DNA of the targeting vector is inactivated by the introduction. The DNA of the present invention can be knocked out by homologous recombination in which the sequence replaces the DNA of the present invention on the chromosome of mouse embryonic stem cells or mouse egg cells by homologous recombination.
Cells in which the DNA of the present invention has been knocked out can be used as a DNA sequence on a Southern hybridization analysis or targeting vector using the DNA sequence on or near the DNA of the present invention as a probe, and the DNA of the present invention derived from the mouse used for the targeting vector. It can be determined by analysis by PCR using a DNA sequence of a nearby region other than DNA as a primer. When non-human mammalian embryonic stem cells are used, a cell line in which the DNA of the present invention has been inactivated by gene homologous recombination is cloned, and the cells are cultured at an appropriate time, for example, at the 8-cell stage of non-human mammalian cells. The chimeric embryo is injected into an animal embryo or blastocyst, and the resulting chimeric embryo is transplanted into the uterus of the pseudopregnant non-human mammal. The produced animal is a chimeric animal comprising both cells having the normal DNA locus of the present invention and cells having the artificially mutated DNA locus of the present invention. When a part of the germ cells of the chimeric animal has a mutated DNA locus of the present invention, all tissues are artificially mutated from a population obtained by crossing such a chimeric individual with a normal individual. It can be obtained by selecting individuals composed of cells having the added DNA locus of the present invention, for example, by judging coat color or the like. The individual obtained in this manner is usually an individual lacking the heterozygous expression of the MEPE of the present invention. The individuals heterozygously expressing the MEPE of the present invention are bred together, and homozygous expression of the MEPE of the present invention is obtained from their offspring. Defective individuals can be obtained.
[0099]
In the case of using an egg cell, for example, a transgenic non-human mammal having a targeting vector introduced into a chromosome can be obtained by injecting a DNA solution into a nucleus of an egg by a microinjection method, and these transgenic non-human mammals can be obtained. Compared to mammals, they can be obtained by selecting those having a mutation in the DNA locus of the present invention by homologous recombination.
In this manner, the individual in which the DNA of the present invention is knocked out can be bred in an ordinary breeding environment after confirming that the DNA of the animal obtained by the breeding is also knocked out.
Further, the acquisition and maintenance of the germ line may be performed according to a conventional method. That is, by crossing male and female animals having the inactivated DNA, a homozygous animal having the inactivated DNA on both homologous chromosomes can be obtained. The obtained homozygous animal can be efficiently obtained by rearing the mother animal in such a manner that there are one normal animal and one homozygote. By mating male and female heterozygous animals, homozygous and heterozygous animals having the inactivated DNA are bred and subcultured.
The non-human mammalian embryonic stem cells in which the DNA of the present invention has been inactivated are extremely useful for producing a non-human mammal deficient in expressing the DNA of the present invention.
In addition, since the non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention lacks various biological activities that can be induced by the MEPE of the present invention, a model of a disease caused by inactivation of the biological activity of the MEPE of the present invention. Therefore, it is useful for investigating the cause of these diseases and studying treatment methods.
[0100]
(6a) A method for screening a compound having a therapeutic / preventive effect on diseases caused by DNA deficiency or damage of the present invention
The non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention is a disease caused by deficiency or damage of the DNA of the present invention, for example, metabolic bone disease, metabolic cartilage disease (eg, osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia) And diseases such as bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, and periodontal disease).
That is, the present invention is characterized by administering a test compound to a non-human mammal deficient in expressing the DNA of the present invention, and observing and measuring a change in the animal. Provided is a method for screening a compound or a salt thereof having a therapeutic / prophylactic effect against a disease.
Examples of the non-human mammal deficient in expressing DNA of the present invention used in the screening method include the same as described above.
Test compounds include, for example, peptides, proteins, non-peptidic compounds, synthetic compounds, fermentation products, cell extracts, plant extracts, animal tissue extracts, plasma and the like. These compounds are novel compounds. Or a known compound.
Specifically, a non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention is treated with a test compound, compared with an untreated control animal, and tested using changes in each organ, tissue, disease symptoms, etc. of the animal as an index. The therapeutic / preventive effects of the compounds can be tested.
As a method of treating a test animal with a test compound, for example, oral administration, intravenous injection and the like are used, and it can be appropriately selected according to the symptoms of the test animal, the properties of the test compound, and the like. The dose of the test compound can be appropriately selected according to the administration method, the properties of the test compound, and the like.
[0101]
In the screening method, when a test compound is administered to a test animal, for example, when the osteoporosis symptom of the test animal is improved by about 10% or more, preferably about 30% or more, more preferably about 50% or more, the test is performed. The compound can be selected as a compound having a therapeutic / preventive effect on the above-mentioned diseases.
The compound obtained by using the screening method is a compound selected from the test compounds described above, and is a medicament such as a safe and low toxic therapeutic / prophylactic agent for the above-mentioned disease caused by deficiency or damage of MEPE of the present invention. Can be used as Furthermore, compounds derived from the compounds obtained by the above screening can be used in the same manner.
The compound obtained by the screening method may form a salt. Examples of the salt of the compound include physiologically acceptable acids (eg, inorganic acids, organic acids, etc.) and bases (eg, alkali metals, etc.). ) Is used, and a physiologically acceptable acid addition salt is particularly preferable. Such salts include, for example, salts with inorganic acids (eg, hydrochloric acid, phosphoric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid, etc.) or organic acids (eg, acetic acid, formic acid, propionic acid, fumaric acid, maleic acid, For example, salts with succinic acid, tartaric acid, citric acid, malic acid, oxalic acid, benzoic acid, methanesulfonic acid, benzenesulfonic acid, and the like are used.
A drug containing the compound or a salt thereof obtained by the screening method can be produced and used in the same manner as the drug containing a receptor agonist described above.
[0102]
(6b) Method for screening for a compound that promotes or inhibits the activity of a promoter for DNA of the present invention
The present invention provides a compound which promotes or inhibits the activity of a promoter for the DNA of the present invention, which comprises administering a test compound to a non-human mammal deficient in expressing the DNA of the present invention, and detecting the expression of a reporter gene, or a compound thereof. A method for screening a salt is provided.
In the above-mentioned screening method, the non-human mammal deficient in expression of DNA of the present invention may be a non-human mammal deficient in expression of DNA of the present invention in which the DNA of the present invention is inactivated by introducing a reporter gene, A reporter gene that can be expressed under the control of a promoter for the DNA of the present invention is used.
Examples of the test compound include the same compounds as described above.
As the reporter gene, the same one as described above is used, and a β-galactosidase gene (lacZ), a soluble alkaline phosphatase gene, a luciferase gene and the like are preferable.
In a non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention in which the DNA of the present invention is replaced with a reporter gene, since the reporter gene is under the control of the promoter for the DNA of the present invention, the expression of the substance encoded by the reporter gene is traced. By doing so, the activity of the promoter can be detected.
For example, when a part of the DNA region encoding the MEPE of the present invention is replaced with a β-galactosidase gene (lacZ) derived from Escherichia coli, the tissue that expresses the MEPE of the present invention should be used instead of the MEPE of the present invention. Β-galactosidase is expressed. Therefore, for example, the present invention can be easily performed by staining with a reagent serving as a substrate for β-galactosidase such as 5-bromo-4-chloro-3-indolyl-β-galactopyranoside (X-gal). Of MEPE in an animal body can be observed. Specifically, the MEPE-deficient mouse of the present invention or a tissue section thereof is fixed with glutaraldehyde or the like, washed with phosphate buffered saline (PBS), and then stained with X-gal at room temperature or around 37 ° C. After reacting for about 30 minutes to 1 hour, the β-galactosidase reaction may be stopped by washing the tissue specimen with a 1 mM EDTA / PBS solution, and coloration may be observed. Further, mRNA encoding lacZ may be detected according to a conventional method.
The compound or a salt thereof obtained by using the above-mentioned screening method is a compound selected from the above-mentioned test compounds, and is a compound that promotes or inhibits the promoter activity for the DNA of the present invention.
The compound obtained by the screening method may form a salt, and the salt of the compound may include a physiologically acceptable acid (eg, an inorganic acid) and a base (eg, an organic acid). And particularly preferably a physiologically acceptable acid addition salt. Such salts include, for example, salts with inorganic acids (eg, hydrochloric acid, phosphoric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid, etc.) or organic acids (eg, acetic acid, formic acid, propionic acid, fumaric acid, maleic acid, For example, salts with succinic acid, tartaric acid, citric acid, malic acid, oxalic acid, benzoic acid, methanesulfonic acid, benzenesulfonic acid, and the like are used.
[0103]
The compound or a salt thereof that promotes the promoter activity for the DNA of the present invention can promote the expression of the MEPE of the present invention and promote the function of the MEPE. It can be used as a medicament such as an agent for preventing and / or treating a disease. Specifically, the compound is used for metabolic bone disease, metabolic cartilage disease (eg, osteoporosis, fracture, refracture, osteomalacia, bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, It can be used as a low-toxic and safe medicament such as a preventive and / or therapeutic agent for osteoarthritis, periodontal disease, etc.). Furthermore, bone tissue repair agents after surgical operations such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilizers for artificial joints, agents for repairing periodontal tissue defects in periodontal disease, stabilizers for artificial roots, ridges It can also be used as a repair agent for formation and cleft palate.
On the other hand, a compound or a salt thereof that inhibits the promoter activity of the DNA of the present invention can inhibit the expression of the MEPE of the present invention and inhibit the function of the MEPE. It is useful as a medicament such as an agent for preventing or treating related diseases. Specifically, the compound is used as a low-toxic and safe drug such as an agent for preventing and / or treating diseases such as ankylosing myelitis, osteopetrosis, ossification of the spinal ligament, and arteriosclerosis. be able to.
Furthermore, compounds derived from the compounds obtained by the above screening can be used in the same manner.
A drug containing a compound or a salt thereof obtained by the screening method can be produced and used in the same manner as the drug containing a receptor agonist or antagonist described above.
[0104]
As described above, the non-human mammal deficient in expression of the DNA of the present invention is extremely useful for screening for a compound or a salt thereof that promotes or inhibits the activity of the promoter for the DNA of the present invention, It can greatly contribute to investigating the cause of various diseases caused by it or to develop preventive and therapeutic drugs.
Further, using a DNA containing the promoter region of the MEPE of the present invention, genes encoding various proteins are ligated downstream thereof and injected into egg cells of an animal to produce a so-called transgenic animal (gene-transferred animal). Once created, the MEPE can be specifically synthesized and its action in the living body can be examined. Furthermore, a low-molecular compound having an action of specifically promoting or suppressing the in vivo production ability of MEPE itself of the present invention can be obtained by binding a suitable reporter gene to the above promoter portion and establishing a cell line capable of expressing the same. Can be used as a search system.
[0105]
In the present specification and drawings, bases, amino acids, and the like are indicated by abbreviations based on the abbreviations by IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature or by abbreviations commonly used in the art, and examples thereof are described below. When an amino acid can have an optical isomer, the L-form is indicated unless otherwise specified.
DNA: deoxyribonucleic acid
cDNA: complementary deoxyribonucleic acid
A: Adenine
T: Thymine
G: Guanine
C: Cytosine
RNA: ribonucleic acid
mRNA: messenger ribonucleic acid
dATP: deoxyadenosine triphosphate
dTTP: deoxythymidine triphosphate
dGTP: deoxyguanosine triphosphate
dCTP: deoxycytidine triphosphate
ATP: Adenosine triphosphate
EDTA: Ethylenediaminetetraacetic acid
SDS: Sodium dodecyl sulfate
[0106]
Gly: glycine
Ala: Alanine
Val: Valine
Leu: Leucine
Ile: Isoleucine
Ser: Serine
Thr: Threonine
Cys: cysteine
Met: methionine
Glu: glutamic acid
Asp: Aspartic acid
Lys: lysine
Arg: Arginine
His: histidine
Phe: phenylalanine
Tyr: Tyrosine
Trp: Tryptophan
Pro: Proline
Asn: Asparagine
Gln: Glutamine
pGlu: pyroglutamic acid
*: Corresponds to the stop codon
Me: methyl group
Et: ethyl group
Bu: butyl group
Ph: phenyl group
TC: thiazolidine-4 (R) -carboxamide group
[0107]
Further, substituents, protecting groups and reagents frequently used in the present specification are represented by the following symbols.
Tos: p-toluenesulfonyl
CHO: Formyl
Bzl: benzyl
Cl 2 Bzl: 2,6-dichlorobenzyl
Bom: benzyloxymethyl
Z: benzyloxycarbonyl
Cl-Z: 2-chlorobenzyloxycarbonyl
Br-Z: 2-bromobenzyloxycarbonyl
Boc: t-butoxycarbonyl
DNP: dinitrophenol
Trt: Trityl
Bum: t-butoxymethyl
Fmoc: N-9-fluorenylmethoxycarbonyl
HOBt: 1-hydroxybenztriazole
HOOBt: 3,4-dihydro-3-hydroxy-4-oxo-1,2,3-benzotriazine
HONB: 1-hydroxy-5-norbornene-2,3-dicarboximide
DCC: N, N'-dicyclohexylcarbodiimide
[0108]
The sequence numbers in the sequence listing in the present specification indicate the following sequences.
SEQ ID NO: 1
1 shows the amino acid sequence of MEPE of the present invention.
SEQ ID NO: 2
1 shows the nucleotide sequence of cDNA encoding MEPE of the present invention.
[0109]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Reference Examples and Examples, but these examples do not limit the scope of the present invention. In addition, the gene using Escherichia coli followed the method described in Molecular cloning (Molecular cloning).
[0110]
Reference Example 1 Secretory expression of recombinant MEPE-FLAG in insect cells
A ligation reaction was performed using pFastBac1, which had been treated with the same restriction enzymes as the MEPE structural gene cut out from the vector pT-PHOSF-11 described in Example 6 of WO 01/98495 with BamHI and SalI, and transformed into JM109 competent cells. Converted. Plasmid DNA was prepared from the obtained transformation (JM109 / pFastBac-PHOSF), and the nucleotide sequence was confirmed. Then, in the presence of Bacmid and helper, pFastBac-PHOSF was transformed into MAX Efficiency DH10Bac to obtain an E. coli colony containing Bacmid-PHOSF. Further, Bacmid-PHOSF was prepared from the transformant, and transformed into insect cell SF + strain in the presence of CELLFECTIN reagent to obtain a baculovirus for expressing recombinant MEPE-FLAG.
[0111]
Reference Example 2 Purification of recombinant MEPE-FLAG derived from insect cells
The insect cell SF + strain was cultured on a 6 L scale, and the secretory expression of recombinant MEPE-FLAG was induced by adding the baculovirus stock obtained in Reference Example 1. As a result, a band with a molecular weight of 65 kDa was clearly confirmed in the culture supernatant by western blotting. Therefore, the culture was stopped when the expression level reached a maximum.
Purification of the recombinant MEPE-FLAG derived from insect cells was performed according to the method described in Example 7 of WO 01/98495. Each 1 L of the culture supernatant after baculovirus infection of insect cells was adsorbed onto an anti-MEPE antibody column (5 ml) equilibrated with 50 mM Tris-HCl (pH 8.0) at a flow rate of 4.5 ml / min. Next, after washing with 0.5 M NaCl, Tris-HCl (pH 8), MEPE adsorbed on the antibody column was eluted with 0.5 M NaCl, 0.1 M glycine (pH 3.0), and then 1 M Tris -Neutralized with HCl (pH 8.0). The eluate was concentrated with an ultrafiltration membrane (Vivaspin 20, fractionation molecular weight: 10K) (Sartorius Co., Ltd.), and the buffer was replaced with PBS to obtain a final sample. From 6 L of the culture supernatant after baculovirus infection of insect cells, 18 mg of a recombinant MEPE-FLAG standard was obtained. The result of SDS-polyacrylamide gel electrophoresis of this sample showed a protein band of 65 kDa, and a band of a decomposed product was faintly detected underneath, but it was found that this sample was extremely high in purity. . (FIG. 1).
[0112]
Example 1 Measurement of bone differentiation promoting action of recombinant MEPE-FLAG
The effect of recombinant MEPE-FLAG on promoting bone differentiation on normal human mesenchymal stem cells (intracellular alkaline phosphatase concentration, calcium adsorption) was examined.
Normal human mesenchymal stem cells (hMSC, BioWhittaker) were transformed into a 24-well plate (3.1 × 10 4) using a mesenchymal stem cell growth medium (MSCGM, BioWhittaker). 4 / Well) for 24 hours, 500 ng / mL MEPE-FLAG was added (undifferentiated conditions), and the medium was exchanged twice a week with MSCGM containing 500 ng / mL MEPE-FLAG. For intracellular alkaline phosphatase, the cells were washed with PBS, and lysis buffer (20 mM Tris, 0.5 mM MgCl 2). 2 , 0.1 mM ZnCl 2 , 0.1% Triton-X), and then measured using alkaline phospha B test-Wako (Wako Pure Chemical Industries, Ltd.).
The same experiment was performed using a differentiation-inducing medium (MSCGM containing 0.1 mM dexamethasone, 0.05 mM ascorbicacid-2-phosphate, and 10 mM b-glycerophosphate).
As a result of measuring the intracellular alkaline phosphatase concentration on days 3, 7, 10 and 13 when MEPE-FLAG was added, MEPE-FLAG significantly increased the production of intracellular alkaline phosphatase over time under undifferentiated conditions (FIG. 2). Also, in the differentiation-inducing conditions, a significant increase by MEPE-FLAG was observed until day 10 (FIG. 3).
Calcium adsorption was performed using MSCGM for hMSC in a 6-well plate (1.5 × 10 5 / Well) After culturing for 24 hours, the cells were cultured in a differentiation-inducing medium containing 5-500 ng / mL of MEPE-FLAG in the same manner as described above. After washing the cells with PBS, calcium was extracted with 0.5 N HCl, and C Test-measured using Wako (Wako Pure Chemical Industries, Ltd.). As a result of measurement on day 14 of differentiation induction, MEPE-FLAG significantly increased cell-adsorbed calcium in a concentration-dependent manner within the range of 5 to 500 ng / mL, as compared with the control group (FIG. 4).
[0113]
【The invention's effect】
The MEPE of the present invention, a partial peptide thereof or a salt thereof, or a DNA encoding the MEPE of the present invention or a partial peptide thereof may be, for example, a metabolic bone disease, a metabolic cartilage disease (eg, osteoporosis, fracture, refracture, bone softening) , Bone Behcet's disease, rickets, renal osteodystrophy, rheumatoid arthritis, osteoarthritis, periodontal disease, etc.) as low-toxic and safe drugs be able to. Furthermore, bone tissue repair agents after surgical operations such as multiple myeloma, lung cancer and breast cancer, stabilizers for artificial joints, agents for repairing periodontal tissue defects in periodontal disease, stabilizers for artificial roots, ridges It can also be used as a repair agent for formation and cleft palate.
[0114]
[Sequence list]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the results of SDS-PAGE of a purified recombinant MEPE sample derived from insect cells.
FIG. 2 shows the results of examining, in a growth medium, the action of recombinant MEPE-FLAG to promote intracellular alkaline phosphatase production on normal human mesenchymal stem cells. The horizontal axis represents the culture time (days), and the vertical axis represents the intracellular alkaline phosphatase activity (IU / well × 10 3 ). -○-indicates a control, and-●-indicates a result when 500 ng / mL of MEPE was added.
FIG. 3 shows the results of examining the action of recombinant MEPE-FLAG to promote intracellular alkaline phosphatase production on normal human mesenchymal stem cells in a differentiation-inducing medium. The horizontal axis represents the culture time (days), and the vertical axis represents the intracellular alkaline phosphatase activity (IU / well × 10 3 ). -○-indicates a control, and-●-indicates a result when 500 ng / mL of MEPE was added.
FIG. 4 shows the results of examining the action of recombinant MEPE-FLAG to promote calcium adsorption in normal human mesenchymal stem cells using a differentiation-inducing medium. The horizontal axis indicates the MEPE concentration (ng / mL), and the vertical axis indicates the cell-adsorbed calcium concentration (μg / well).