JP2004215512A - 中通し竿 - Google Patents
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Abstract
【課題】釣糸挿通操作を円滑に為しえる中通し竿を提供する。
【解決手段】この中通し竿の元上竿2の周面には軸方向にスライド移動自在にゴムリング10が装着されている。ゴムリング10は、元上竿2の径変化を利用して、元上竿2の軸方向の一定の範囲においてのみスライド移動する。最も竿元側にゴムリング10が位置するのは、元上竿2の竿元側端部の底栓11が元竿1の釣糸導入口6付近に位置する状態まで元上竿2を元竿1内に収納した仮収納位置に於いて、ゴムリング10が元竿1の穂先側端部に当接するような位置である。
【選択図】 図3
【解決手段】この中通し竿の元上竿2の周面には軸方向にスライド移動自在にゴムリング10が装着されている。ゴムリング10は、元上竿2の径変化を利用して、元上竿2の軸方向の一定の範囲においてのみスライド移動する。最も竿元側にゴムリング10が位置するのは、元上竿2の竿元側端部の底栓11が元竿1の釣糸導入口6付近に位置する状態まで元上竿2を元竿1内に収納した仮収納位置に於いて、ゴムリング10が元竿1の穂先側端部に当接するような位置である。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中通し竿、特に振出形式で連結され内部に釣糸を挿通可能な中通し竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の振出式の中通し竿は、内部に釣糸通路を有する穂先竿・中竿等及び元上竿と、これらの竿体の竿元側に連結され各竿体を順次内部に収納可能な元竿とを備えている。この元竿は、外周面に設けられリールを取り付け可能なリールシートと、リールシートの穂先側に設けられた釣糸導入口とを有している。そして、竿元側端部には栓状の尻栓が装着されている。また、その他の各竿体の竿元側端部には軸方向に貫通する貫通孔を有する底栓が装着されている。そして、穂先竿の穂先側端部にはトップガイドが装着されている。
【0003】
このような従来の中通し竿では、使用時には各竿体を順次穂先側へ引き出して固定して1本の釣竿として使用する。そして、元竿の外周面に設けられたリールからの釣糸は、釣糸導入口から竿体内の釣糸通路に導入され、各竿体の底栓の貫通孔を挿通しつつ順次穂先側の竿体へ導かれ、穂先竿の穂先側先端に設けられたトップガイドから外部に導かれる。
【0004】
この種の中通し竿において、釣糸導入口から釣糸通路に釣糸を導入して釣糸通路に釣糸を通すために(以下「釣糸挿通操作」という)糸通し具が用いられる。一般的な糸通し具は、複数の金属素線をより合わせて形成したワイヤからなる。このワイヤの後端には釣糸を係止するための釣糸係止部が設けられ、またワイヤの先端にはワイヤの素線が広がるのを防止するためのキャップが固定されている。
【0005】
このような糸通し具を用いて釣糸挿通操作をおこなう際には、まず、釣糸導入口の形成された元竿の穂先側に元上竿を引き出した状態で連結する。そして、糸通し具の糸係止部に釣糸を係止して釣糸導入口よりキャップを挿入する。順次穂先側にワイヤを送って、元上竿の底栓から元上竿内へと糸通し具を挿入し、穂先側から導出する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−116286(図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の中通し竿において、小さな釣糸導入口から竿体内をのぞき込み、糸通し具の先端を元上竿の釣糸通路に直接挿入するのは、初心者にとって困難な場合がある。特に、夜間に釣りを行う場合などにあっては、釣糸導入口内は目視しにくく、糸通し具を上手く元上竿内へ挿入しがたい。特に、釣糸導入口が元竿の穂先側端部より一定の軸方向距離を隔てて元竿の周面に形成されているような釣竿では、元竿の穂先側に元上竿を引き出した状態に於いて元上竿の竿元側端部と釣糸導入口との距離が離れるので、釣糸挿通操作が煩雑になる。
【0008】
また、元上竿の竿元側端部に装着される底栓には種々の種類があり、釣糸が挿通する貫通孔の形状大きさ等も種々のものがある。このような底栓の形状の相違によっても、糸通し具の元上竿内への挿通作業性が左右される。
本発明の課題は、釣糸挿通操作を円滑に為しえる中通し竿を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明1の中通し竿は、リールからの釣糸が竿体内部を挿通する中通し竿であって、リールからの釣糸を内部に導入するための釣糸導入口が周面に形成さており、穂先側端部内周面が嵌合雌部になっている第1竿体と、第1竿体の穂先側に振出形式に連結され、竿元側端部外周面が前記嵌合雌部に嵌着可能な嵌合雄部になっている第2竿体と、第2竿体の竿元側端部が第1竿体の釣糸導入口付近に位置する状態まで第2竿体を第1竿体内に収納した仮収納位置において、第2竿体の位置決めをする位置決め手段とを備える。
【0010】
この中通し竿において釣糸挿通操作を行う場合にも、従来の一般的な糸通し具を用いる。まず、第1竿体の穂先側に第2竿体を引きだして連結した状態から幾分第2竿体を第1竿体内に収納し、位置決め手段によって、第2竿体の竿元側端部を第1竿体の釣糸導入付近に位置させる(仮収納状態)。そして、糸通し具の糸係止部に釣糸を係止し、第1竿体の釣糸導入口から糸通し具のキャップを挿入する。第2竿体の竿元側端部が釣糸導入口付近に位置しており、ユーザは釣糸導入口から第2竿体の竿元側端部を目視しながら釣糸挿通操作を行うことができる。
【0011】
発明2の中通し竿は、発明1の中通し竿であって、第2竿体の周面に軸方向にスライド移動自在に装着されるリング部材を備えている。このリング部材は、第2竿体の竿元側端部が第1竿体の釣糸導入口付近に位置する状態まで第2竿体が第1竿体内に収納された仮収納位置に於いて第1竿体の穂先側端部に当接するような第2竿体の軸方向位置より穂先側において、第2竿体周面をスライド移動可能である。このリング部材が位置決め手段である。
【0012】
この中通し竿において釣糸挿通操作を行う場合にも、従来の一般的な糸通し具を用いる。まず、第2竿体をその周面にあるリング部材ができるだけ竿元側にスライド移動した状態としておく。そして、第2竿体を第1竿体の内部に振出式に収納する。リング部材は第1竿体の穂先側端面に当接し、第2竿体の竿元側端部を第1竿体の釣糸導入口付近に位置することになる(仮収納状態)。この状態において、糸通し具の糸係止部に釣糸を係止し、第1竿体の釣糸導入口から糸通し具のキャップを挿入する。第2竿体の竿元側端部が釣糸導入口付近に位置しており、ユーザは釣糸導入口から第2竿体の竿元側端部を目視しながら釣糸挿通操作を行うことができる。
【0013】
なお、使用時においては第2竿体を完全に第1竿体の穂先側に引き出して連結する。また、収納時にあっては、リング部材を第2竿体の穂先側にスライド移動させて、第2竿体を第1竿体内に完全に収納する。
発明3の中通し竿は、発明2の中通し竿であって、リング部材はゴム製のリングである。
【0014】
この中通し竿では、リング部材がゴムリングであり、第1竿体の穂先側端面や第2竿体の周面を傷つけてしまうようなこともない。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(中通し竿について)
図1に示すように、本発明の第1実施形態を採用した中通し竿は、元竿1と元竿1の穂先側に順次振出形式で連結される元上竿2,中竿3,穂先竿4とを有している。各竿体は繊維強化樹脂から構成される先細り筒状部材であり、内部に釣糸を挿通するために釣糸通路を有している。
【0016】
元竿1は、周面に形成されたリールRを脱着自在に取り付け可能なリールシート5と、リールシート5の穂先側の周面に形成された釣糸導入口6と、釣糸導入口6付近に固定されリールRからの釣糸Lを釣糸挿入口6へ導くための釣糸導入ガイド7と、竿元側端部に脱着自在に装着される尻栓8とを有している。
元竿1の穂先側端部内周面は振出形式で竿体同士を連結するために嵌合雌部となっている(図2参照)。この嵌合雌部は他の部分より厚肉且つ小径化させてもよい。また、元竿1の竿元側端部内周面には直接ねじ溝などが形成されており、尻栓8はここに脱着自在に螺着している。
【0017】
釣糸導入口6は周方向においてリールシート5が形成されている側に形成される軸方向に長い長孔であって、必要に応じてその開口に合致する硬質リングがはめ込まれている。例えば、この硬質リングはセラミックスなどから形成されており、釣糸導入口6の形状に合わせたフランジなどを形成し、このフランジを釣糸導入口6にはめ込んで接着剤などで固定してもよい。
【0018】
釣糸導入ガイド7は、釣糸導入口6を軸方向に跨ぐように元竿1の周面に配置される金属又は合成樹脂等からなる部材であって、硬質のガイドリングを備えており、このガイドリングで釣糸Lを案内している。
図2に示すように、元上竿2は、元竿1の穂先側に振出形式で連結される先細り筒状部材であり、その内部は釣糸Lが挿通可能な釣糸通路となっている。竿元側端部外周面は上述の元竿1の嵌合雌部に嵌着可能な嵌合雄部となっている。
【0019】
元上竿2の竿元側端部内周面にはねじ溝が直接形成されてナット部分となっており、ここに底栓11が脱着自在に装着されている。この底栓11は、合成樹脂等から形成される栓部材であり、外周面にねじ溝が形成されてボルト部分となっている。軸方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面にはセラミックスなどの硬質部材からなる案内リングもはめ込まれる。貫通孔の竿元側は竿元側開口ほど拡径する曲面となっており、後述の糸通し具が導入され易いようになっている。
【0020】
この元上竿2の周面には、ゴムリング10が軸方向にスライド移動可能に配置されている。ゴムリング10は周知のウレタンゴムやスチレンゴム等のゴム素材から形成される。元上竿2は先細り筒状体であり、その径変化を利用してゴムリング10は元上竿2の周面を軸方向の一定の範囲においてスライド移動する。具体的には、この一定の範囲とは、元上竿2の竿元側端部の底栓11が元竿1の釣糸導入口6の穂先側に位置する状態まで(図3参照)元上竿2を元竿1内に収納した仮収納位置に於いてゴムリング10が元竿1の穂先側端部に当接するような軸方向位置があり、この位置より穂先側の範囲である。
【0021】
なお、ゴムリング10が元上竿2の穂先側に抜け落ちてしまわないように、元上竿2の穂先側端部の周面に穂先リングを固定してもよい。この穂先リングを元上竿2に装着した場合には、ゴムリング10は上記所定の位置と穂先リングとの間の軸方向範囲において、元上竿2の周面をスライド移動することになる。
中竿3および穂先竿4も、元上竿2と同様の先細り筒状部材である。振り出し形式に連結するための嵌合部分もそれぞれの竿体に形成される。また、内部の釣糸通路の内周面(釣糸通路面)には軸方向に間隔を設けつつ螺旋状に連続する釣糸支持突起を形成してもよい(図示せず)。このような釣糸支持突起を利用して、釣糸と竿体内周面との接触面積を低減させることも可能である。また、穂先竿4の穂先側端部には脱着自在にトップガイド9も装着される。
【0022】
(糸通し具について)
次に、一般的な糸通し具の構造を簡単に説明する。
図5に示すように、糸通し具50は、線状の本体部51と、本体部51の先端に設けられたキャップ部52と、本体部51の後端に設けられ釣糸Lを係止可能な釣糸係止部53とを有している。
【0023】
本体部51は、複数の金属素線をよって形成されたワイヤまたは合成樹脂で形成された屈曲自在な線状部材である。金属ワイヤから形成される場合、その表面には合成樹脂によって表面コートが施される。また、商品イメージに合わせて様々な色彩や模様が施される。キャップ部52は、金属または合成樹脂からなる蓋付円筒型部材であって、本体部51の先端部分を収納するように配置されている。また、釣糸係止部53は、本体部51より小径のワイヤ等でリング状に形成されており、このリング状の部分に釣糸Lを係止可能である。これらは、穂先竿4の内径より小さく、中通し竿の内部の釣糸通路を挿通可能なものである。
【0024】
(釣糸挿通操作について)
この中通し竿において釣糸挿通操作を行う際には、以下のような手順で行う。
まず、図3に示すように、元上竿2の周面のゴムリング10をできるだけ竿元側にスライド移動させた状態としておく。そして、元上竿2をゴムリング10が元竿1の穂先側端部に当接するまで、元竿1の内部に振出式に収納する。すると、元上竿2の竿元側端部の底栓11が元竿1の釣糸導入口6の穂先側付近に位置することになる(仮収納状態)。この状態において、糸通し具50の釣糸係止部53に釣糸Lを係止し、元竿1の釣糸導入口6から糸通し具50のキャップ部52を挿入する。底栓11は釣糸導入口6の穂先側付近に位置しているので、ユーザは釣糸導入口6から底栓11を目視しながら釣糸挿通操作を行うことができ、底栓11へ直接的に糸通し具50のキャップ部52を挿入させることができる。
【0025】
釣糸挿通操作後の使用時においては、元上竿2を完全に元竿1の穂先側に引き出して、嵌合雌部と嵌合雄部とを嵌着させて相互に連結する(図2参照)。一方、釣りを終えるなどして釣竿を収納する際にあっては、ゴムリング10を元上竿2の穂先側にスライド移動させれば、元上竿2は元竿1内に完全に収納することもできる(図4参照)。
【0026】
[他の実施形態]
(a)変形例を図6に示す。
図6に示すように、この釣竿の元竿31の釣糸導入口36の穂先側の内周面にはリング40が装着されている。このリング40はスポンジゴム等から構成される。その内径は元上竿32の竿元側端部の外径に一致し若しくはやや小径程度である。このリング40は、元竿31を製造後に所定の位置に接着などで固定することもできる。若しくは、元竿31製造時に一体的に形成してもよい。例えば、芯材の所定位置に凹溝を形成してここにリング40を配置しておき、芯材及びリング40の外周にプリプレグ素材を巻回して焼成する。その後、芯材を引き抜けば、内周面の所定位置にリング40が配置された元竿31を製造できる。
【0027】
この中通し竿において釣糸挿通操作を行う際には、以下のような手順で行う。
まず、元上竿32をその竿元側端部がリング40に当接するまで、元竿1の内部に振出式に収納する。すると、元上竿32の竿元側端部が元竿31の釣糸導入口36の穂先側付近に位置することになる(仮収納状態)。この状態において、第1実施形態と同様に、糸通し具50で釣糸挿通操作を行う。
【0028】
釣糸挿通操作後の使用時においては、元上竿32を完全に元竿31の穂先側に引き出して、嵌合雌部と嵌合雄部とを嵌着させて相互に連結する。さらに、釣りを終えるなどして釣竿を収納する際にあっては、元上竿32をリング40の竿元側に押し込めば、リング40は自らの弾性で収縮し、元上竿32は元竿31内に完全に収納できる。
(b)上記各実施形態では、元竿に釣糸導入口がある場合を例示しているが、釣竿の種類にあっては元上竿に釣糸導入口が設けられている場合もある。この場合には、ゴムリングは元上竿の穂先側に連結される他の竿体の周面に装着することになる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の中通し竿では、釣糸挿通操作が円滑になしえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用した中通し竿の全体図。
【図2】図1の元竿1と元上竿2との連結部分を示した断面図(元上竿2を元竿1の穂先側に完全に引き出した状態)。
【図3】図1の元竿1と元上竿2との連結部分を示した断面図(元上竿2を元竿1内に仮収納した状態)。
【図4】図1の元竿1と元上竿2との連結部分を示した断面図(元上竿2を元竿1内に収納してゆく状態)。
【図5】一般的な糸通し具50を示した図。
【図6】他の実施形態を示した図。
【符号の説明】
1,31 元竿
2,32 元上竿
10 ゴムリング
11 底栓
40 リング
50 糸通し具
【発明の属する技術分野】
本発明は、中通し竿、特に振出形式で連結され内部に釣糸を挿通可能な中通し竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の振出式の中通し竿は、内部に釣糸通路を有する穂先竿・中竿等及び元上竿と、これらの竿体の竿元側に連結され各竿体を順次内部に収納可能な元竿とを備えている。この元竿は、外周面に設けられリールを取り付け可能なリールシートと、リールシートの穂先側に設けられた釣糸導入口とを有している。そして、竿元側端部には栓状の尻栓が装着されている。また、その他の各竿体の竿元側端部には軸方向に貫通する貫通孔を有する底栓が装着されている。そして、穂先竿の穂先側端部にはトップガイドが装着されている。
【0003】
このような従来の中通し竿では、使用時には各竿体を順次穂先側へ引き出して固定して1本の釣竿として使用する。そして、元竿の外周面に設けられたリールからの釣糸は、釣糸導入口から竿体内の釣糸通路に導入され、各竿体の底栓の貫通孔を挿通しつつ順次穂先側の竿体へ導かれ、穂先竿の穂先側先端に設けられたトップガイドから外部に導かれる。
【0004】
この種の中通し竿において、釣糸導入口から釣糸通路に釣糸を導入して釣糸通路に釣糸を通すために(以下「釣糸挿通操作」という)糸通し具が用いられる。一般的な糸通し具は、複数の金属素線をより合わせて形成したワイヤからなる。このワイヤの後端には釣糸を係止するための釣糸係止部が設けられ、またワイヤの先端にはワイヤの素線が広がるのを防止するためのキャップが固定されている。
【0005】
このような糸通し具を用いて釣糸挿通操作をおこなう際には、まず、釣糸導入口の形成された元竿の穂先側に元上竿を引き出した状態で連結する。そして、糸通し具の糸係止部に釣糸を係止して釣糸導入口よりキャップを挿入する。順次穂先側にワイヤを送って、元上竿の底栓から元上竿内へと糸通し具を挿入し、穂先側から導出する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−116286(図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の中通し竿において、小さな釣糸導入口から竿体内をのぞき込み、糸通し具の先端を元上竿の釣糸通路に直接挿入するのは、初心者にとって困難な場合がある。特に、夜間に釣りを行う場合などにあっては、釣糸導入口内は目視しにくく、糸通し具を上手く元上竿内へ挿入しがたい。特に、釣糸導入口が元竿の穂先側端部より一定の軸方向距離を隔てて元竿の周面に形成されているような釣竿では、元竿の穂先側に元上竿を引き出した状態に於いて元上竿の竿元側端部と釣糸導入口との距離が離れるので、釣糸挿通操作が煩雑になる。
【0008】
また、元上竿の竿元側端部に装着される底栓には種々の種類があり、釣糸が挿通する貫通孔の形状大きさ等も種々のものがある。このような底栓の形状の相違によっても、糸通し具の元上竿内への挿通作業性が左右される。
本発明の課題は、釣糸挿通操作を円滑に為しえる中通し竿を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明1の中通し竿は、リールからの釣糸が竿体内部を挿通する中通し竿であって、リールからの釣糸を内部に導入するための釣糸導入口が周面に形成さており、穂先側端部内周面が嵌合雌部になっている第1竿体と、第1竿体の穂先側に振出形式に連結され、竿元側端部外周面が前記嵌合雌部に嵌着可能な嵌合雄部になっている第2竿体と、第2竿体の竿元側端部が第1竿体の釣糸導入口付近に位置する状態まで第2竿体を第1竿体内に収納した仮収納位置において、第2竿体の位置決めをする位置決め手段とを備える。
【0010】
この中通し竿において釣糸挿通操作を行う場合にも、従来の一般的な糸通し具を用いる。まず、第1竿体の穂先側に第2竿体を引きだして連結した状態から幾分第2竿体を第1竿体内に収納し、位置決め手段によって、第2竿体の竿元側端部を第1竿体の釣糸導入付近に位置させる(仮収納状態)。そして、糸通し具の糸係止部に釣糸を係止し、第1竿体の釣糸導入口から糸通し具のキャップを挿入する。第2竿体の竿元側端部が釣糸導入口付近に位置しており、ユーザは釣糸導入口から第2竿体の竿元側端部を目視しながら釣糸挿通操作を行うことができる。
【0011】
発明2の中通し竿は、発明1の中通し竿であって、第2竿体の周面に軸方向にスライド移動自在に装着されるリング部材を備えている。このリング部材は、第2竿体の竿元側端部が第1竿体の釣糸導入口付近に位置する状態まで第2竿体が第1竿体内に収納された仮収納位置に於いて第1竿体の穂先側端部に当接するような第2竿体の軸方向位置より穂先側において、第2竿体周面をスライド移動可能である。このリング部材が位置決め手段である。
【0012】
この中通し竿において釣糸挿通操作を行う場合にも、従来の一般的な糸通し具を用いる。まず、第2竿体をその周面にあるリング部材ができるだけ竿元側にスライド移動した状態としておく。そして、第2竿体を第1竿体の内部に振出式に収納する。リング部材は第1竿体の穂先側端面に当接し、第2竿体の竿元側端部を第1竿体の釣糸導入口付近に位置することになる(仮収納状態)。この状態において、糸通し具の糸係止部に釣糸を係止し、第1竿体の釣糸導入口から糸通し具のキャップを挿入する。第2竿体の竿元側端部が釣糸導入口付近に位置しており、ユーザは釣糸導入口から第2竿体の竿元側端部を目視しながら釣糸挿通操作を行うことができる。
【0013】
なお、使用時においては第2竿体を完全に第1竿体の穂先側に引き出して連結する。また、収納時にあっては、リング部材を第2竿体の穂先側にスライド移動させて、第2竿体を第1竿体内に完全に収納する。
発明3の中通し竿は、発明2の中通し竿であって、リング部材はゴム製のリングである。
【0014】
この中通し竿では、リング部材がゴムリングであり、第1竿体の穂先側端面や第2竿体の周面を傷つけてしまうようなこともない。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(中通し竿について)
図1に示すように、本発明の第1実施形態を採用した中通し竿は、元竿1と元竿1の穂先側に順次振出形式で連結される元上竿2,中竿3,穂先竿4とを有している。各竿体は繊維強化樹脂から構成される先細り筒状部材であり、内部に釣糸を挿通するために釣糸通路を有している。
【0016】
元竿1は、周面に形成されたリールRを脱着自在に取り付け可能なリールシート5と、リールシート5の穂先側の周面に形成された釣糸導入口6と、釣糸導入口6付近に固定されリールRからの釣糸Lを釣糸挿入口6へ導くための釣糸導入ガイド7と、竿元側端部に脱着自在に装着される尻栓8とを有している。
元竿1の穂先側端部内周面は振出形式で竿体同士を連結するために嵌合雌部となっている(図2参照)。この嵌合雌部は他の部分より厚肉且つ小径化させてもよい。また、元竿1の竿元側端部内周面には直接ねじ溝などが形成されており、尻栓8はここに脱着自在に螺着している。
【0017】
釣糸導入口6は周方向においてリールシート5が形成されている側に形成される軸方向に長い長孔であって、必要に応じてその開口に合致する硬質リングがはめ込まれている。例えば、この硬質リングはセラミックスなどから形成されており、釣糸導入口6の形状に合わせたフランジなどを形成し、このフランジを釣糸導入口6にはめ込んで接着剤などで固定してもよい。
【0018】
釣糸導入ガイド7は、釣糸導入口6を軸方向に跨ぐように元竿1の周面に配置される金属又は合成樹脂等からなる部材であって、硬質のガイドリングを備えており、このガイドリングで釣糸Lを案内している。
図2に示すように、元上竿2は、元竿1の穂先側に振出形式で連結される先細り筒状部材であり、その内部は釣糸Lが挿通可能な釣糸通路となっている。竿元側端部外周面は上述の元竿1の嵌合雌部に嵌着可能な嵌合雄部となっている。
【0019】
元上竿2の竿元側端部内周面にはねじ溝が直接形成されてナット部分となっており、ここに底栓11が脱着自在に装着されている。この底栓11は、合成樹脂等から形成される栓部材であり、外周面にねじ溝が形成されてボルト部分となっている。軸方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面にはセラミックスなどの硬質部材からなる案内リングもはめ込まれる。貫通孔の竿元側は竿元側開口ほど拡径する曲面となっており、後述の糸通し具が導入され易いようになっている。
【0020】
この元上竿2の周面には、ゴムリング10が軸方向にスライド移動可能に配置されている。ゴムリング10は周知のウレタンゴムやスチレンゴム等のゴム素材から形成される。元上竿2は先細り筒状体であり、その径変化を利用してゴムリング10は元上竿2の周面を軸方向の一定の範囲においてスライド移動する。具体的には、この一定の範囲とは、元上竿2の竿元側端部の底栓11が元竿1の釣糸導入口6の穂先側に位置する状態まで(図3参照)元上竿2を元竿1内に収納した仮収納位置に於いてゴムリング10が元竿1の穂先側端部に当接するような軸方向位置があり、この位置より穂先側の範囲である。
【0021】
なお、ゴムリング10が元上竿2の穂先側に抜け落ちてしまわないように、元上竿2の穂先側端部の周面に穂先リングを固定してもよい。この穂先リングを元上竿2に装着した場合には、ゴムリング10は上記所定の位置と穂先リングとの間の軸方向範囲において、元上竿2の周面をスライド移動することになる。
中竿3および穂先竿4も、元上竿2と同様の先細り筒状部材である。振り出し形式に連結するための嵌合部分もそれぞれの竿体に形成される。また、内部の釣糸通路の内周面(釣糸通路面)には軸方向に間隔を設けつつ螺旋状に連続する釣糸支持突起を形成してもよい(図示せず)。このような釣糸支持突起を利用して、釣糸と竿体内周面との接触面積を低減させることも可能である。また、穂先竿4の穂先側端部には脱着自在にトップガイド9も装着される。
【0022】
(糸通し具について)
次に、一般的な糸通し具の構造を簡単に説明する。
図5に示すように、糸通し具50は、線状の本体部51と、本体部51の先端に設けられたキャップ部52と、本体部51の後端に設けられ釣糸Lを係止可能な釣糸係止部53とを有している。
【0023】
本体部51は、複数の金属素線をよって形成されたワイヤまたは合成樹脂で形成された屈曲自在な線状部材である。金属ワイヤから形成される場合、その表面には合成樹脂によって表面コートが施される。また、商品イメージに合わせて様々な色彩や模様が施される。キャップ部52は、金属または合成樹脂からなる蓋付円筒型部材であって、本体部51の先端部分を収納するように配置されている。また、釣糸係止部53は、本体部51より小径のワイヤ等でリング状に形成されており、このリング状の部分に釣糸Lを係止可能である。これらは、穂先竿4の内径より小さく、中通し竿の内部の釣糸通路を挿通可能なものである。
【0024】
(釣糸挿通操作について)
この中通し竿において釣糸挿通操作を行う際には、以下のような手順で行う。
まず、図3に示すように、元上竿2の周面のゴムリング10をできるだけ竿元側にスライド移動させた状態としておく。そして、元上竿2をゴムリング10が元竿1の穂先側端部に当接するまで、元竿1の内部に振出式に収納する。すると、元上竿2の竿元側端部の底栓11が元竿1の釣糸導入口6の穂先側付近に位置することになる(仮収納状態)。この状態において、糸通し具50の釣糸係止部53に釣糸Lを係止し、元竿1の釣糸導入口6から糸通し具50のキャップ部52を挿入する。底栓11は釣糸導入口6の穂先側付近に位置しているので、ユーザは釣糸導入口6から底栓11を目視しながら釣糸挿通操作を行うことができ、底栓11へ直接的に糸通し具50のキャップ部52を挿入させることができる。
【0025】
釣糸挿通操作後の使用時においては、元上竿2を完全に元竿1の穂先側に引き出して、嵌合雌部と嵌合雄部とを嵌着させて相互に連結する(図2参照)。一方、釣りを終えるなどして釣竿を収納する際にあっては、ゴムリング10を元上竿2の穂先側にスライド移動させれば、元上竿2は元竿1内に完全に収納することもできる(図4参照)。
【0026】
[他の実施形態]
(a)変形例を図6に示す。
図6に示すように、この釣竿の元竿31の釣糸導入口36の穂先側の内周面にはリング40が装着されている。このリング40はスポンジゴム等から構成される。その内径は元上竿32の竿元側端部の外径に一致し若しくはやや小径程度である。このリング40は、元竿31を製造後に所定の位置に接着などで固定することもできる。若しくは、元竿31製造時に一体的に形成してもよい。例えば、芯材の所定位置に凹溝を形成してここにリング40を配置しておき、芯材及びリング40の外周にプリプレグ素材を巻回して焼成する。その後、芯材を引き抜けば、内周面の所定位置にリング40が配置された元竿31を製造できる。
【0027】
この中通し竿において釣糸挿通操作を行う際には、以下のような手順で行う。
まず、元上竿32をその竿元側端部がリング40に当接するまで、元竿1の内部に振出式に収納する。すると、元上竿32の竿元側端部が元竿31の釣糸導入口36の穂先側付近に位置することになる(仮収納状態)。この状態において、第1実施形態と同様に、糸通し具50で釣糸挿通操作を行う。
【0028】
釣糸挿通操作後の使用時においては、元上竿32を完全に元竿31の穂先側に引き出して、嵌合雌部と嵌合雄部とを嵌着させて相互に連結する。さらに、釣りを終えるなどして釣竿を収納する際にあっては、元上竿32をリング40の竿元側に押し込めば、リング40は自らの弾性で収縮し、元上竿32は元竿31内に完全に収納できる。
(b)上記各実施形態では、元竿に釣糸導入口がある場合を例示しているが、釣竿の種類にあっては元上竿に釣糸導入口が設けられている場合もある。この場合には、ゴムリングは元上竿の穂先側に連結される他の竿体の周面に装着することになる。
【0029】
【発明の効果】
本発明の中通し竿では、釣糸挿通操作が円滑になしえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用した中通し竿の全体図。
【図2】図1の元竿1と元上竿2との連結部分を示した断面図(元上竿2を元竿1の穂先側に完全に引き出した状態)。
【図3】図1の元竿1と元上竿2との連結部分を示した断面図(元上竿2を元竿1内に仮収納した状態)。
【図4】図1の元竿1と元上竿2との連結部分を示した断面図(元上竿2を元竿1内に収納してゆく状態)。
【図5】一般的な糸通し具50を示した図。
【図6】他の実施形態を示した図。
【符号の説明】
1,31 元竿
2,32 元上竿
10 ゴムリング
11 底栓
40 リング
50 糸通し具
Claims (3)
- リールからの釣糸が竿体内部を挿通する中通し竿であって、
リールからの釣糸を内部に導入するための釣糸導入口が周面に形成さており、穂先側端部内周面が嵌合雌部になっている第1竿体と、
前記第1竿体の穂先側に振出形式に連結され、竿元側端部外周面が前記嵌合雌部に嵌着可能な嵌合雄部になっている第2竿体と、
前記第2竿体の竿元側端部が前記第1竿体の釣糸導入口付近に位置する状態まで前記第2竿体を前記第1竿体内に収納した仮収納位置において、前記第2竿体の位置決めをする位置決め手段と、
を備えた中通し竿。 - 前記第2竿体の周面に軸方向にスライド移動自在に装着されるリング部材を備え、
前記リング部材は、前記第2竿体の竿元側端部が前記第1竿体の釣糸導入口付近に位置する状態まで前記第2竿体が前記第1竿体内に収納された仮収納位置に於いて前記第1竿体の穂先側端部に当接するような前記第2竿体の軸方向位置より穂先側において、前記第2竿体周面をスライド移動可能であり、
このリング部材が前記位置決め手段である、請求項1に記載の中通し竿。 - 前記リング部材はゴム製のリングである、請求項2に記載の中通し竿。
Priority Applications (1)
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JP2003003398A JP2004215512A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 中通し竿 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003003398A JP2004215512A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 中通し竿 |
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JP2004215512A true JP2004215512A (ja) | 2004-08-05 |
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ID=32894677
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003003398A Pending JP2004215512A (ja) | 2003-01-09 | 2003-01-09 | 中通し竿 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004215512A (ja) |
-
2003
- 2003-01-09 JP JP2003003398A patent/JP2004215512A/ja active Pending
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