JP2004214784A - 雑音抑圧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビデオカメラにおいて収音信号のSN比が小さい場合には雑音抑止用のディジタルフィルタのフィルタ係数を算出する回路に誤差が生じる。SN比が大きい場合と比べ、雑音抑圧効果が減じられるという問題点を解決すること。
【解決手段】雑音源2の近傍に参照マイクロホン3を設ける。音声収音用の主マイクロホン1の信号及び参照マイクロホン3の信号を適応型フィルタ4に与え、雑音の抑圧された音声信号に変換する。このとき、レベル検出回路6は主マイクロホン1の信号と適応型フィルタ4の信号を比較して信号レベル比αを出力する。雑音抑圧量制御回路7は信号レベル比αに基づいて固定周波数フィルタ5での雑音抑圧量を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラなどに内蔵され、収音すべき音声信号から機器筐体の雑音を除去する雑音抑圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、適応型雑音抑圧処理を用い、雑音環境下での音声の収音や、雑音に埋もれた微弱な音声信号の抽出を目的として、雑音抑圧装置が多用されるようになっている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
以下、従来の適応型雑音抑圧装置の一例について、図7を参照しながら説明する。図7は従来の適応型雑音抑圧装置の全体構成図である。ビデオカメラ内で発生する雑音源51の雑音を抑圧する適応型雑音抑圧装置として、主マイクロホン52,接話型の参照マイクロホン53,ディジタルフィルタ54、減算器55,フィルタ制御部56、SN比計算部57,修正利得計算部58などが設けられている。
【0004】
このような構成の適応型雑音抑圧装置の動作について説明する。参照マイクロホン53は雑音収音用のマイクロホンであり、接話型マイクロホンが用いられ、ビデオカメラの筐体内の雑音源51の近傍に配置される。参照マイクロホン53は接話型であるため、遠方からの音声信号に対しては感度が低く、雑音源51から発生する雑音のみを収音する。参照マイクロホン53の出力信号はディジタルフィルタ54に入力される。主マイクロホン52は収音対象の音声を収音するものであるが、ここでは雑音の重畳された音声が主マイクロホン52に入力される。
【0005】
減算器55は、主マイクロホン52の出力信号からディジタルフィルタ54の出力信号を減算する。SN比計算部57は、参照マイクロホン53の出力信号のパワーに対する主マイクロホン52の出力信号のパワーより、SN比Rを算出する。
【0006】
修正利得計算部58はSN比Rと適当に設定された規則とに従って、誤差修正利得γを算出する。γの算出方法の一例を図8に示す。図8において、Rmax とRmin は夫々ビデオカメラの動作状態で想定し得るSN比Rの最大値と最小値である。またγmax はRmin に対して設定されたγの最大値である。修正利得計算部58はSN比Rを入力とし、図8に示した関係によってγを算出する。フィルタ制御部56は、算出された誤差修正利得γに基づいてディジタルフィルタ54のフィルタ係数を更新する。
【0007】
以上のように従来の適応型雑音抑圧装置は、SN比Rが大きいときは誤差修正利得γを小さくし、SN比Rが小さいときは誤差修正利得γを大きくすることによって、SN比の変動に伴う雑音抑圧機能の収束時間の変化を低減していた。
【0008】
【特許文献1】
特許第3039051号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、SN比が小さい場合にはディジタルフィルタ54のフィルタ係数を算出する部分で誤差が生じ、SN比が大きい場合と比べ、雑音抑圧効果が減じられるという問題点があった。また前述した誤差が大きい場合には、本来雑音を抑圧するべき回路において雑音を付加してしまう可能性があるという問題点があった。
【0010】
特に、ビデオカメラの筐体内に納められた機構系から発生する雑音のみを抑圧対象とする場合、周囲から到来する音声はすべて所望の音声信号と見なす必要がある。この場合、収音時の実際の音声信号のレベル変動は激しい。更に、種々のビデオカメラの動作状態によって雑音の大きさは異なる。このようにSN比の変動の大きい場合には、従来の雑音抑圧方法では安定した雑音抑圧効果を得ることができないという問題を有していた。
【0011】
また、前記のような適応型のディジタルフィルタを用いて雑音抑圧を行う代わりに、固定周波数型のフィルタを用いて雑音抑圧を行う方法もある。固定周波数フィルタによる雑音抑圧では、主マイクロホンから収音される本来収音したい音声に対しても当該固定周波数では常時抑圧をかけているため、音質の劣化を招くという問題点があった。
【0012】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、主マイクロホンの出力と適応型フィルタの出力とのレベル比に応じて固定周波数フィルタの雑音抑圧レベルを変化させることにより、固定周波数フィルタにおける音質劣化を最小限に留め、適応型フィルタでは抑圧しきれない雑音に対し、効果的に雑音抑圧を行う雑音抑止装置を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、筐体の外側に向けて設置された音声収音用の主マイクロホンと、前記筐体内で発生する雑音源の近傍に設置された接話型マイクロホンと、前記雑音源から筐体の外部空間を介して前記主マイクロホンまでの伝達関数を有するディジタルフィルタを内蔵し、前記主マイクロホンの信号から、前記ディジタルフィルタに通された前記接話型マイクロホンの信号を減算し、雑音が抑圧された音声信号に変換する適応型フィルタと、前記適応型フィルタが出力する音声信号から、任意の固定周波数成分を抑圧する固定周波数フィルタと、前記主マイクロホンの出力信号レベルと前記適応型フィルタの出力信号レベルとを検出し、前記2つの信号のレベル比αを算出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路から出力されたレベル比αを用いて、前記固定周波数フィルタの雑音抑圧量を制御するための雑音抑圧係数βを前記固定周波数フィルタに出力する雑音抑圧量制御回路と、を具備することを特徴とするものである。
【0014】
本願の請求項2の発明は、筐体の外側に向けて設置された音声収音用の主マイクロホンと、前記筐体内の雑音源で発生される雑音と同等の雑音信号を発生する擬似雑音発生回路と、前記雑音源から筐体の外部空間を介して前記主マイクロホンまでの伝達関数を有するディジタルフィルタを内蔵し、前記主マイクロホンの信号から、前記ディジタルフィルタに通された前記擬似雑音発生回路の信号を減算し、雑音が抑圧された音声信号に変換する適応型フィルタと、前記適応型フィルタが出力する音声信号から、任意の固定周波数成分を抑圧する固定周波数フィルタと、前記主マイクロホンの出力信号レベルと前記適応型フィルタの出力信号レベルとを入力し、前記2つの信号のレベル比αを算出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路から出力されたレベル比αを用いて、前記固定周波数フィルタの雑音抑圧量を制御するための雑音抑圧係数βを前記固定周波数フィルタに出力する雑音抑圧量制御回路と、を具備することを特徴とするものである。
【0015】
雑音抑圧量制御回路における雑音抑圧係数βは、レベル検出回路から出力されるレベル比αを用いて決定されるが、レベル比αの値が小さいときには雑音抑圧量制御回路での抑圧量を少なくし、レベル比αの値が所定値以上のときには雑音抑圧量制御回路での抑圧量を大きくしてもよい。またレベル比が所定値より十分大きいときには、抑圧量を低下させるようにしてもよい。
【0016】
固定周波数フィルタにおける任意の固定周波数は、雑音源で発生する固有の雑音周波数成分とし、筐体内の雑音源の内容によって決定するようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における雑音抑圧装置について、図面を参照しながら説明する。図1は実施の形態1における雑音抑圧装置の全体構成図である。この雑音抑圧装置には、主マイクロホン1,参照マイクロホン3、適応型フィルタ4、固定周波数フィルタ5、レベル検出回路6,雑音抑圧量制御回路7が設けられている。
【0018】
主マイクロホン1はビデオカメラの筐体の外側に向けて設置された音声収音用のマイクロホンである。参照マイクロホン3はビデオカメラ内の雑音源2の近傍に配置された接話型のマイクロホンである。適応型フィルタ4は、雑音源2からビデオカメラの筐体の外部空間を介して主マイクロホン1までの伝達関数を有するディジタルフィルタとして、FIRフィルタ4aを内蔵している。適応型フィルタ4は主マイクロホン1の信号から、FIRフィルタ4aに通された参照マイクロホン3の信号を減算器4bを用いて減算し、雑音が抑圧された音声信号に変換するフィルタである。
【0019】
固定周波数フィルタ5は適応型フィルタ4が出力する音声信号から、特定の固定周波数成分を抑圧するフィルタであり、その抑圧量は雑音抑圧係数βによって制御される。特定の固定周波数とは、例えばビデオカメラに内蔵された磁気テープの走査系の騒音に含まれる固有の周波数成分である。走査系の騒音とは、磁気ヘッドが装着された回転ドラムが回転するとき、磁気ヘッドの頭部と磁気テープの接触する騒音を言い、テープたたき音と呼ばれるものである。回転ドラムの回転数をN(rps) とすると、テープたたき音には周波数成分N(Hz)を主として、Nの整数倍の周波数成分が含まれる。このため、固定周波数フィルタ5を例えばくし型フィルタとノッチドフィルタの直列接続体で構成する。
【0020】
レベル検出回路6には主マイクロホン1の出力信号レベル(xlev)と適応型フィルタ4の出力信号レベル(elev)とが入力される。レベル検出回路6は2つの信号レベル(xlev)、(elev)のレベル比αを算出する回路である。雑音抑圧量制御回路7はレベル検出回路6から出力されたレベル比αを用いて、固定周波数フィルタ5の雑音抑圧量を制御するための雑音抑圧係数βを発生する回路である。尚、以下の信号で括弧内の記号(lev)はその信号のレベルを示す。
【0021】
このような構成の雑音抑圧装置について、その各構成要素の関係と動作を説明する。適応型フィルタ4には、主マイクロホン1で収音された音声信号(xlev)が入力され、同時に参照マイクロホン3で収音された雑音(n'lev )が入力される。音声信号(xlev)は本来の音声信号(slev)に雑音(nlev)が重畳された信号(xlev=slev+nlev)である。適応型フィルタ4内のFIRフィルタ4aは、雑音源2の雑音(n'lev )を、FIR処理により雑音源2から主マイクロホン1に至る雑音と等価な雑音(nlev)に変換する。減算器4bは音声信号(xlev)から雑音(nlev)を差し引くことにより、主マイクロホン1で収音された音声信号の雑音成分を抑圧し、音声信号(elev)を出力する。
【0022】
レベル検出回路6は、主マイクロホン1の出力信号と、適応型フィルタ4の出力信号を入力し、主マイクロホン1から出力された信号のレベルxlevを検出すると共に、適応型フィルタ4から出力された信号のレベルelevを検出し、それらレベル比αを次の(1)式により算出する。
α=elev/xlev ・・・(1)
(1)式において、elevは適応型フィルタ4より出力され、雑音が抑圧された信号の信号レベルである。xlevは主マイクロホン1より出力され、本来記録したい音声信号に雑音源2から発生される雑音が重畳された信号のレベルである。
【0023】
主マイクロホン1から出力信号に本来収音すべき音声がほとんど無く、ビデオカメラ内部の雑音源2からの出力信号のみであった場合、適応型フィルタ4においては十分に雑音が抑圧される。この場合信号レベルelevとxlevとの関係は(2)式の通りとなる。
elev << xlev・・・(2)
この条件では、(1)式におけるαの値は「0」に近づく。
【0024】
この場合の雑音抑圧のイメージを図2に示す。図2(a)に示すように、主マイクロホン1から入力される本来収音すべき音声の信号レベルslevが、雑音源2から発生して主マイクロホン1によって収音される雑音レベルnlevに比べて小さいとする。この場合、図2(b)に示すように適応型フィルタ4の出力後の音声信号(elev)では十分な抑圧が得られる。ここでは適応型フィルタ4に入力される雑音の重畳された信号レベル(xlev)と比べると、レベルが低く抑えられている。つまり(2)式の関係が成り立っていることがわかる。
【0025】
逆に、主マイクロホン1に十分大きな音声が入力された場合、主マイクロホン1の出力レベルxlevと適応型フィルタ4の出力レベルelevとの関係は(3)式のようになる。
elev ≒ xlev ・・・(3)
この条件では、(1)式におけるαの値は「1」に近づく。
【0026】
この場合の抑圧のイメージを図3に示す。図3(a)に示すように、主マイクロホン1から入力される本来収音すべき音声の信号レベルslevが、雑音源2から発生し、主マイクロホン1によって収音される雑音レベルnlevに比べて大きい場合、雑音成分は本来収音すべき音声の信号成分に埋もれてしまう。このため、雑音と収音すべき信号とを区別することができず、適応フィルタ4の出力後の音声信号では雑音が抑圧されにくくなる。この場合、適応型フィルタ4に入力される信号レベルxlevと、適応型フィルタ4の出力信号レベルelevとはほぼ同じものになってしまう。つまり(3)式の関係が成り立つことがわかる。以上のことからαの取り得る値は、0〜1となる。
【0027】
適応型フィルタ4の性質上、αが小さいときには、適応型フィルタ4内のFIRフィルタ4aの係数を算出する回路も正しく動作しているといえる。しかしαの値が大きい場合は、前記のフィルタ係数を算出する回路の動作に誤りがある可能性もあり、適応型フィルタ4の雑音抑圧の効果は期待できない。
【0028】
図1の雑音抑圧量制御回路7は、レベル検出回路6から出力されるレベル比αに応じて、固定周波数フィルタ5の雑音抑圧量を制御する信号、即ち雑音抑圧係数βを出力する。固定周波数フィルタ5は、適応型フィルタ4の出力信号に対して、ビデオカメラ内の雑音源2から発生する雑音の周波数に対応した固定周波数の成分を雑音抑圧係数βに基づいて抑圧し、雑音の抑圧された音声信号を出力する。固定周波数フィルタ5を常時動作させての雑音抑圧方法では、本来収音したい音声についても抑圧を行うことになってしまい、雑音抑圧係数βの値が大きくなると、収音する音声の音質の劣化を招いてしまうことになる。
【0029】
図4に雑音抑圧係数βの算出方法の1例を示す。基本的には雑音抑圧係数βが大きくなるにつれて、固定周波数フィルタ5で特定周波数の抑圧量を増加させるように動作させる。図4に示す特性では、レベル比αが小さい場合は適応型フィルタ4での雑音抑止効果が高いので、固定周波数フィルタ5での雑音抑止機能をそれほど必要としない。このため雑音抑圧係数βの値を急激に増加させないようにしている。レベル比αがある値より大きくなると、適応型フィルタ4での雑音抑止機能が充分発揮されなくなるので、固定周波数フィルタ5での雑音抑止機能を増加させる。またレベル比αが更に増加すると、βの値を大きくしたままであると、かえって音質劣化を招く。このためβの値を低減させるのである。尚、βの最大値を1に設定するとは限らない。
【0030】
固定周波数フィルタ5の動作イメージを図5に示す。図1の雑音抑圧量制御回路7から入力される雑音抑圧係数βの値が0に近い場合、図5(a)に示すように、固定周波数フィルタ5においては雑音抑圧が行われず、入力された信号はそのまま出力される。また、雑音抑圧係数βの値が1に近い場合、図5(b)に示すように、固定周波数フィルタ5は特定の周波数において最大限に雑音成分の抑圧を行う。図4に示すように雑音抑圧係数βの値により、信号抑圧量が0から最大までなめらかに抑圧量を変化させる。
【0031】
以上のように、実施の形態1における雑音抑圧装置によれば、レベル検出回路6の出力するレベル比αが小さいときには、適応型フィルタ4による雑音抑圧を優先させることにより、音質優先で音声の収音を行う。レベル検出回路6の出力するレベル比αが大きいときには、固定周波数フィルタ5による雑音抑圧を優先させることにより、効果的に雑音抑圧を行うことができる。
【0032】
ここで、固定周波数フィルタ5の雑音抑圧係数βの算出の一例を図4に示したが、収音状況などに合わせて最適な形にすることも可能である。また、適応型フィルタ4、固定周波数フィルタ5の特性についても、本実施の形態の特性に限定されるものではなく、収音状況に応じて最適な特性を持たせるようにしてもよい。
【0033】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2における雑音抑圧装置について、図面を参照しながら説明する。図6は実施の形態2における雑音抑圧装置の全体構成図である。この雑音抑圧装置は、図1に示す参照マイクロホン3の代わりに擬似雑音発生回路12を設けたことを特徴とする。擬似雑音発生回路12は、参照マイクロホンで収音したビデオカメラ内の雑音と同等の雑音信号を発生させる回路である。なお本実施の形態の雑音抑圧装置には、実施の形態1と同様に主マイクロホン11、適応型フィルタ14、固定周波数フィルタ15、レベル検出回路16,雑音抑圧量制御回路17が設けられている。
【0034】
主マイクロホン11は、ビデオカメラの筐体の外側に向けて設置された音声収音用のマイクロホンである。適応型フィルタ14はFIRフィルタ14aと減算器14bとを有し、雑音が抑圧された音声信号に変換するフィルタである。FIRフィルタ14aは雑音源から筐体の外部空間を介して主マイクロホン11までの伝達関数を有するフィルタである。減算器14bは主マイクロホン11の信号から、FIRフィルタ14aに通された擬似雑音発生回路12の信号を減算するものである。
【0035】
固定周波数フィルタ15は適応型フィルタ14が出力する音声信号から、実施の形態1と同様に特定の固定周波数成分を抑圧するフィルタである。レベル検出回路16には主マイクロホン11の出力信号(xlev)と適応型フィルタ14の出力信号(elev)とが入力される。レベル検出回路16は2つの信号レベルxlev、elevを検出し、レベル比αを算出する。雑音抑圧量制御回路17はレベル検出回路16から出力されたレベル比αを用いて、固定周波数フィルタ15の雑音抑圧量を制御するための雑音抑圧係数βを出力する回路である。
【0036】
このような構成の雑音抑圧装置について、その各構成要素の関係と動作を説明する。適応型フィルタ14には、主マイクロホン11で収音された雑音を伴う音声信号と、擬似雑音発生回路12で生成された雑音信号とが入力される。適応型フィルタ14は音声信号から雑音信号を差し引くことにより、雑音が重畳された音声信号から雑音成分を抑圧した音声信号を出力する。
【0037】
レベル検出回路16は、2つの信号のレベルxlev、elevを検出すると、そのレベル比αを次の(4)式により算出する。
α=elev/xlev ・・・(4)
【0038】
主マイクロホン11の出力信号に本来収音すべき音声がほとんど無く、ビデオカメラ内部の雑音源からの出力信号のみであった場合、適応型フィルタ14の出力信号においては十分に雑音が抑圧される。この場合信号レベルelevとxlevとの関係は(5)式の通りとなる。
elev << xlev・・・(5)
この条件では(4)式におけるαの値は「0」に近づく。
【0039】
この場合の抑圧のイメージは図2と同様である。即ち図2(a)に示すように、主マイクロホン11から入力される本来収音すべき音声の信号レベルが、雑音源から発生し、主マイクロホン11によって収音される雑音のレベルに比べて小さいとする。このような条件では、図2(b)に示すように適応型フィルタ14の出力後の音声信号では十分な雑音抑圧効果が得られる。適応型フィルタ14に入力される雑音の重畳された信号レベルxlevと比べると、レベルが低く抑えられている。つまり(5)式の関係が成り立つことがわかる。
【0040】
逆に、主マイクロホン11に十分大きなレベルの音声が入力された場合、主マイクロホン11の出力レベルxlevと適応型フィルタ14の出力レベルelevとの関係は(6)式の通りとなる。
elev ≒ xlev ・・・(6)
この条件では(4)式におけるαの値は「1」に近づく。
【0041】
この場合の抑圧のイメージも図3と同様である。図3(a)に示すように、主マイクロホン11から入力される本来収音すべき音声の信号レベルが、雑音源から発生し、主マイクロホン11によって収音されてしまう雑音のレベルに比べて大きい場合、雑音成分は本来収音すべき音声の信号成分に埋もれてしまう。このため、雑音と収音すべき信号とを区別することができず、適応フィルタ14の出力後の音声信号では雑音抑圧をすることができなくなる。従って、適応型フィルタ14に入力される雑音の重畳された信号レベルと、適応型フィルタ14の出力信号レベルとはほぼ同じものになってしまう。つまり(6)式の関係が成り立つことが判る。以上のことからαの取り得る値は、0〜1となる。
【0042】
適応型フィルタ14の性質上、レベル比αが小さいときには、適応型フィルタ14内のFIRフィルタ14aの係数を算出する回路も正しく動作しているといえる。レベル比αの値が大きい場合は、フィルタ係数を算出する回路の動作に誤りがある可能性もあり、適応型フィルタ14の雑音抑圧効果は期待できない。
【0043】
図6の雑音抑圧量制御回路17は、レベル検出回路16から出力されるレベル比αに応じて、固定周波数フィルタ15の雑音抑圧量を制御する信号、即ち雑音抑圧係数βを出力する。図6の固定周波数フィルタ15は、適応型フィルタ14の出力信号に対して、ビデオカメラ内の雑音源から発生する雑音の周波数に対応した固定周波数の成分を雑音抑圧係数βに基づいて抑圧する。固定周波数フィルタ15を常時動作させての雑音抑圧方法では、本来収音したい音声についても抑圧を行うことになる。雑音抑圧係数βの値が大きくなると、収音する音声の音質の劣化を招いてしまうことになる。
【0044】
雑音抑圧係数βの算出方法は図4に示すもの同様である。基本的には雑音抑圧係数βが大きくなるにつれて、固定周波数フィルタ15で特定周波数の抑圧量を増加させるように動作させる。
【0045】
固定周波数フィルタ15の動作イメージも図5と同様である。図6の雑音抑圧量制御回路17から入力される雑音抑圧係数βの値が0の場合、図5(a)に示すように、固定周波数フィルタ15においては雑音抑圧が行われず、入力された信号はそのまま出力される。また、雑音抑圧係数βの値が1の場合、図5(b)に示すように、固定周波数フィルタ15において、特定の周波数において最大限に雑音成分の抑圧が行われる。固定周波数フィルタ15においては、図4に示すように雑音抑圧係数βの値により、信号抑圧量を0から最大までなめらかになるよう変化させる。
【0046】
以上のように、実施の形態2における雑音抑圧装置によれば、レベル検出回路16の出力するレベル比αが小さいときには、適応型フィルタ14による雑音抑圧を優先させることにより、音質優先で音声の収音を行う。レベル検出回路16の出力するレベル比αが大きいときには、固定周波数フィルタ15による雑音抑圧を優先させることにより、効果的に雑音抑圧を行うことができる。
【0047】
ここで、固定周波数フィルタ15の雑音抑圧係数βの算出方法の一例を図4に示したが、収音状況などに合わせて、最適な形にすることも可能である。また、適応型フィルタ14、固定周波数フィルタ15の特性についても、本実施の形態の特性に限定されるものではなく、収音状況に応じて最適な特性を持たせるようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、主マイクロホンの出力と適応型フィルタの出力とのレベル検出を行い、そのレベル比に応じて固定周波数フィルタの雑音抑圧レベルを変化させることにより、固定周波数フィルタにおける音質劣化を最小限に留めることができる。また適応型フィルタでは抑圧しきれない雑音に対し、固定周波数フィルタを用いて雑音抑圧を効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における雑音抑圧装置の全体構成図である。
【図2】信号レベルが小さい場合の適応型フィルタの雑音抑圧のイメージ図である。
【図3】信号レベルが大きい場合の適応型フィルタの雑音抑圧のイメージ図である。
【図4】各実施の形態における信号レベル比と雑音抑圧量との特性図である。
【図5】雑音抑圧係数βの大きさと固定周波数フィルタにおける雑音抑圧のイメージ図である。
【図6】本発明の実施の形態2における雑音抑圧装置の全体構成図である。
【図7】従来例の雑音抑圧装置の全体構成図である。
【図8】従来例の雑音抑圧装置において、音声と雑音のSN比と誤差修正利得との特性図である。
【符号の説明】
1,11 主マイクロホン
2 雑音源
3 参照マイクロホン
4,14 適応型フィルタ
4a,14a FIRフィルタ
4b,14b 減算器
5,15 固定周波数フィルタ
6,16 レベル検出回路
7,17 雑音抑圧量制御回路
12 擬似雑音発生回路

Claims (2)

  1. 筐体の外側に向けて設置された音声収音用の主マイクロホンと、
    前記筐体内で発生する雑音源の近傍に設置された接話型マイクロホンと、
    前記雑音源から筐体の外部空間を介して前記主マイクロホンまでの伝達関数を有するディジタルフィルタを内蔵し、前記主マイクロホンの信号から、前記ディジタルフィルタに通された前記接話型マイクロホンの信号を減算し、雑音が抑圧された音声信号に変換する適応型フィルタと、
    前記適応型フィルタが出力する音声信号から、任意の固定周波数成分を抑圧する固定周波数フィルタと、
    前記主マイクロホンの出力信号レベルと前記適応型フィルタの出力信号レベルとを検出し、前記2つの信号のレベル比αを算出するレベル検出回路と、
    前記レベル検出回路から出力されたレベル比αを用いて、前記固定周波数フィルタの雑音抑圧量を制御するための雑音抑圧係数βを前記固定周波数フィルタに出力する雑音抑圧量制御回路と、を具備することを特徴とする雑音抑圧装置。
  2. 筐体の外側に向けて設置された音声収音用の主マイクロホンと、
    前記筐体内の雑音源で発生される雑音と同等の雑音信号を発生する擬似雑音発生回路と、
    前記雑音源から筐体の外部空間を介して前記主マイクロホンまでの伝達関数を有するディジタルフィルタを内蔵し、前記主マイクロホンの信号から、前記ディジタルフィルタに通された前記擬似雑音発生回路の信号を減算し、雑音が抑圧された音声信号に変換する適応型フィルタと、
    前記適応型フィルタが出力する音声信号から、任意の固定周波数成分を抑圧する固定周波数フィルタと、
    前記主マイクロホンの出力信号レベルと前記適応型フィルタの出力信号レベルとを入力し、前記2つの信号のレベル比αを算出するレベル検出回路と、
    前記レベル検出回路から出力されたレベル比αを用いて、前記固定周波数フィルタの雑音抑圧量を制御するための雑音抑圧係数βを前記固定周波数フィルタに出力する雑音抑圧量制御回路と、を具備することを特徴とする雑音抑圧装置。
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