JP2004214500A - 窒化物半導体成長基板およびそれを用いた窒化物半導体素子 - Google Patents

窒化物半導体成長基板およびそれを用いた窒化物半導体素子 Download PDF

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Abstract

【課題】異種基板としてSi(シリコン)を用いても、発光もしくはレーザ発振する窒化物半導体素子を形成するための窒化物半導体成長基板を、さらには窒化物半導体素子を提供するものである。
【解決手段】シリコン基板上にバッファ層と、該バッファ層に接して設けられたp型不純物をドープした第1の窒化物半導体層と、該第1の窒化物半導体層に接して設けられた第2の窒化物半導体層とを有し、前記バッファ層は、複数の層からなり、前記第1の窒化物半導体層側に少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層を有する窒化物半導体成長基板を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、窒化物半導体発光素子や窒化物半導体レーザ素子を得るための窒化物半導体層の成長基板に関し、特にシリコン基板上にエピタキシャル成長による窒化物半導体層を形成する際に用いられる成長基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
窒化物半導体発光素子、例えば発光ダイオード(LED)では、基本的にはサファイア基板上にn型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層を形成することで、エピタキシャル成長による窒化物半導体素子を得ている。しかしながらサファイア基板を用いた場合、サファイア基板はチップ化などの際の加工性が悪いため、加工しやすい基板上成長された窒化物半導体発光素子が求められている。そこで加工のしやすい基板として、シリコン基板が挙げられるが、シリコン基板はサファイアよりも窒化物半導体との格子定数差に起因する格子不整合の度合いが大きい。そのため、シリコン基板上にエピタキシャル成長による窒化物半導体層を形成しようとしても、窒化物半導体成長基板の表面が凹凸を有してしまい、素子特性のよい窒化物半導体素子を得ることは非常に困難であった。窒化物半導体層をエピタキシャル成長するためには、さらには結晶性のよい窒化物半導体層を得るためには、窒化物半導体成長基板の表面が鏡面であることが必要となる。
【0003】
表面が鏡面となる窒化物半導体成長基板としては、引用文献1のように、異種基板の上に多結晶を含むバッファ層を形成し、その上にp型不純物をドープした窒化物半導体層を形成し、さらにその上に第2の窒化物半導体層を設ける構造が開示されている。
【引用文献1】特開2000−277803号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この構造により、表面が鏡面となる窒化物半導体成長基板を得ることができるが、好ましい形態としては、サファイア基板である。異種基板としてサファイアの他に、SiC、ZnS、ZnO、GaAs、Si等が挙げられているが、なかでもサファイアよりも窒化物半導体との格子定数差の大きい異種基板を用いた場合は、信頼性が低下してしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解決し、異種基板としてSi(シリコン)を用いても、発光もしくはレーザ発振する窒化物半導体素子を形成するための窒化物半導体成長基板を、さらには窒化物半導体素子を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の(1)〜(8)からなる。
(1)本発明の窒化物半導体成長基板は、シリコン基板上にバッファ層と、該バッファ層に接して設けられたp型不純物をドープした第1の窒化物半導体層と、該第1の窒化物半導体層に接して設けられた第2の窒化物半導体層とを有し、 前記バッファ層は、複数の層からなり、前記第1の窒化物半導体層側に少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層を有することを特徴とする。
(2)さらに本発明の窒化物半導体成長基板は、前記バッファ層は、シリコン基板側に多結晶からなる窒化物半導体層を有することを特徴とする。
(3)さらに本発明の窒化物半導体成長基板は、前記第1の窒化物半導体層はMgをドープしたGaNであることを特徴とする。
(4)さらに本発明の窒化物半導体成長基板は、前記第2の窒化物半導体層はアンドープもしくはSiドープのGaNであることを特徴とする。
(5)さらに本発明の窒化物半導体成長基板は、前記バッファ層の少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層は、シリコン基板から離れるにつれて、Alが少なくかつGaが多くなるように形成された組成傾斜層であることを特徴とする。
(6)さらに本発明の窒化物半導体成長基板は、前記バッファ層の少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層はInを含むことを特徴とする。
(7)さらに本発明の窒化物半導体成長基板は、前記シリコン基板とバッファ層との間に、シリコンのエピタキシャル成長層を有することを特徴とする。
(8)本発明の窒化物半導体素子は、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の窒化物半導体成長基板上に、少なくともn型クラッド層と活性層とp型クラッド層とを有する窒化物半導体層が積層されてなることを特徴とする。
【0007】
このようにすることで、シリコン基板を用いた窒化物半導体成長基板の表面を鏡面とすることができ、窒化物半導体成長基板上にエピタキシャル成長、さらには結晶性の良い窒化物半導体層を形成することが可能となり、また窒化物半導体素子を得ることができる。
【0008】
異種基板上に窒化物半導体層を形成する際に、p型不純物をドープした窒化物半導体層を形成することで、鏡面を得ることができるが、異種基板と窒化物半導体層との格子不整合が大きいものほど、鏡面は得られにくい。そのような場合、p型不純物のドープ量を多くすることで、鏡面が得られることがわかった。よって、サファイアよりも窒化物半導体との格子定数差の大きい基板を用いるときには、p型不純物をドープした窒化物半導体層は、p型不純物を多くドープすればよい。
【0009】
しかしながら窒化物半導体層へのドープが、p型不純物であって、とくにMgである場合、熱拡散が発生し、p型不純物をドープした窒化物半導体層の不純物濃度を再現性よく形成するのが困難となる。また隣接層へのp型不純物の拡散によって、結晶性や素子特性を悪くしてしまう。特に、成長基板として、鏡面を得るためのp型不純物をドープした窒化物半導体層を形成する場合には、異種基板との間にバッファ層を介しており、このバッファ層にp型不純物が拡散されると、窒化物半導体と異種基板との格子不整合緩和の機能が充分に発揮されなくなってしまう。とくに、バッファ層が、低温成長によって形成される多結晶からなる窒化物半導体層である時、p型不純物をドープした窒化物半導体層を形成する際に、この低温成長層が結晶化が促進されると同時に不純物が拡散されてしまい、結晶性や素子特性、さらには成長時のウエハが割れやすくなってしまうという問題がある。この格子不整合緩和として機能するバッファ層は、窒化物半導体と異種基板との格子不整合が大きいほど重要であり、サファイアよりも窒化物半導体との格子定数差が大きいシリコン等では特に問題となっており、そこでp型不純物をドープした窒化物半導体層と接する側に、単結晶のAlとGaを含んでなる窒化物半導体層を形成する。この層は、単結晶となる温度で成長されているために、p型不純物の拡散は起こりにくい。また拡散が起こったとしても、低温成長層の格子不整合緩和の機能に影響はない。これによって、シリコン基板上にバッファ層として充分に機能するバッファ層が形成でき、また成長基板表面にp型不純物を多くドープした窒化物半導体層を結晶性よく形成することができるので、シリコン基板を用いた表面が鏡面の窒化物半導体成長基板を得ることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の窒化物半導体成長基板について詳細に説明する。
図1は、本発明の窒化物半導体成長基板を説明する模式断面図であり、シリコン基板101上に、多結晶からなる窒化物半導体層102と、AlとGaを含んでなる窒化物半導体層103とからなるバッファ層401、さらにその上にp型不純物がドープされた窒化物半導体層104、さらにその上にアンドープもしくはSiドープの窒化物半導体層105とからなる。
【0011】
本発明に用いられるシリコン基板としては、(111)シリコンが用いられる。 また、窒化物半導体の成長方法としては、一般的に知られているMOVPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)等を適用できる。
【0012】
次に、シリコン基板の上にバッファ層を形成する。本発明の、バッファ層は、少なくとも、多結晶からなる窒化物半導体層とAlとGaを含む窒化物半導体層とからなる。多結晶からなる窒化物半導体層としては、AlN、AlGaN、GaN等が挙げられるが、好ましくはAlNとすることで、シリコンと窒化物半導体との格子不整合が最も緩和されるので好ましい。また多結晶からなる窒化物半導体層の形成方法は、具体的には、300℃以上900℃以下の温度で、さらに好ましくは500℃以上800℃以下の温度で、膜厚10Å〜0.5μmで成長させる。
【0013】
さらに多結晶からなる窒化物半導体層の上に、少なくともAlとGaを含む窒化物半導体層を形成する。少なくともAlとGaを含む窒化物半導体層としては、AlGaN、AlInGaNなどが挙げられる。AlGaNはクラックが入りやすい傾向にあり、この層をInを含んでなる層とすることで、クラックの発生を低減することができる。好ましいAlの混晶比としては、0.1以上0.5以下とすることで、格子不整合が緩和されやすいので好ましい。Inを含んでなるときは、Inの混晶比は0.1以下にする。また、もっとも格子不整合が緩和される構造としては、シリコン基板から離れるにつれて、Alが少なくかつGaが多くなるように形成された組成傾斜層とする。組成傾斜層とする場合のAlの混晶比は上記の限りでなく、下限値は0(GaN)とし、即ち0以上、0.5以下とすることが好ましい。少なくともAlとGaを含む窒化物半導体層の膜厚としては、10nm以上100nm以下の範囲が好ましい。
【0014】
本発明の、少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層の成長温度は、単結晶の層になれば特に問題はなく、多結晶の窒化物半導体層の成長温度よりも高い温度で形成する。この層が単結晶の層であることで、上に成長するp型不純物をドープした第1の窒化物半導体層から下の多結晶からなる窒化物半導体層へのp型不純物の拡散を防ぐことができるので好ましい。好ましい範囲としては、950℃以上1300℃以下であり、さらに好ましい範囲としては、1100℃以上1200℃以下で形成することが好ましい。1100℃以上1200℃以下の温度で形成することで、サファイア基板を用いた場合よりも窒化物半導体層との格子不整合差が大きい、シリコン基板上においても、Mgがドープされた窒化物半導体層の表面を良好な鏡面とすることができるので好ましい。
【0015】
また、この少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層は、p型不純物をドープした第1の窒化物半導体層からのp型不純物の拡散があるため、p型不純物を含むことがあるが、当然のことながらこの層に含まれるp型不純物量は、第1の窒化物半導体層のp型不純物量よりも少ない。
【0016】
本発明の、p型不純物をドープした第1の窒化物半導体層は、AlInGaNであるが、結晶性の良いGaNを成長させないと、鏡面は得られない傾向にある。従って、AlもしくはInを含む場合は、それぞれの混晶比は0.1以下であることが好ましいが、さらに好ましくは、GaNである。またp型不純物としては、Zn、Be,Mn,Cr,Mgが挙げられるが、好ましくは、Mgであり、MgドープのGaNとすることで、比較的膜厚が薄くても、良好な結晶性、表面の平坦性を実現することができる。
【0017】
第1の窒化物半導体層の膜厚としては、特に限定されないが、0.1〜4μmの範囲で形成することで、表面を鏡面とすることができる。0.1μmよりも小さいと、鏡面にならないだけでなく、表面が凹凸を有してしまい、平坦な面が得られず、また4μmより大きいと、シリコン基板上の窒化物半導体全体の膜厚が大きくなってしまい、基板の反りが無視できないほどになってしまう。さらに好ましい膜厚としては、0.1〜2μmであり、1μm程度であれば比較的隣接する層も制限を受けず表面が鏡面となる窒化物半導体成長基板を得ることができる。
【0018】
また第1の窒化物半導体層の成長温度としては、好ましくは950℃以上1300℃以下であり、さらに好ましい範囲としては、1100℃以上1200℃以下で形成することが好ましい。1100℃以上1200℃以下の温度で形成することで、サファイア基板を用いた場合よりも窒化物半導体層との格子不整合差が大きい、シリコン基板上においても、Mgがドープされた窒化物半導体層の表面を良好な鏡面とすることができるので好ましい。ここで少なくともAlとGaを含む窒化物半導体層とp型不純物がドープされた第1の窒化物半導体層とは好ましくは同じ温度で形成し、これらの温度は通常サファイア基板上への窒化物半導体層の好ましい成長温度である1050℃よりも高い温度にしなければ、表面が鏡面となりにくい。本発明は、窒化物半導体層の結晶化をさらに促進させることで、シリコン基板上に窒化物半導体層を得ることができるという特徴も有する。
【0019】
第1の窒化物半導体層にドープされるp型不純物量としては、特に限定されないが、1×1018/cm〜2×1021/cmとすることが好ましい。中でも比較的高濃度であるとクラックが入りやすい傾向にあり、さらに好ましくは、1×1018/cm〜1×1020/cmとする。
【0020】
本発明の、第2の窒化物半導体層は、第1の窒化物半導体層の上に接して設けられ、好ましくはアンドープもしくはSiドープの窒化物半導体層とする。この層によって、第1の窒化物半導体層に含まれるp型不純物が、素子構造側へ拡散するのを防止することができる。具体的には、図2に示すように、窒化物半導体成長基板上に素子構造のn型コンタクト層となるn型不純物をドープした窒化物半導体層を形成すると、前記第2の窒化物半導体層がない場合では、第1の窒化物半導体層からp型不純物が拡散し、図で示すn型不純物をドープした窒化物半導体層の中に拡散し、お互いに補償するため抵抗値が上がる。このため、n電極の形成層として、n型不純物をドープした窒化物半導体層は、好ましいものでなくなる。
【0021】
第2の窒化物半導体としては、AlInGaN層であって、各組成比は何でも良いが、それ自身で結晶性のよい窒化物半導体層を選択することが好ましい。例えば、AlGaN、GaN、InGaNなどが挙げられる。それ自身で結晶性がもっともよいものとしてはGaNである。また不純物については、アンドープのGaN、SiドープのGaNのどちらでもよいが、その上に成長する素子構造の窒化物半導体層の結晶性をよくするためには、アンドープのGaNとすることが好ましい。アンドープのGaNとすることで、表面が最も鏡面となる窒化物半導体成長基板を得ることができる。この第2の窒化物半導体層の膜厚としては、第1の窒化物半導体層のp型不純物が、第2の窒化物半導体層より上に成長させる素子構造の窒化物半導体層に拡散しない程度であればよく、5nm以上5μm以下の範囲が好ましい。アンドープのGaNとする場合、5nm以上、3μm以下の範囲が好ましい。
【0022】
また本発明で用いられる(111)シリコン基板上に、シリコンのエピタキシャル成長層を成長させ、その上にバッファ層を形成することで、得られる窒化物半導体成長基板はさらに鏡面となり、好ましい。このシリコンのエピタキシャル成長膜は1μm以上10μm以下で形成することで、シリコン基板が有する歪みをなくすことができる。最も好ましくは、3μm以上7μm以下で形成することで、窒化物半導体成長基板は最も鏡面となりやすい。
【0023】
本発明において、上述した窒化物半導体成長基板を用いることで、良好な結晶性を維持して、素子構造となる半導体層をエピタキシャル成長することができる。すなわち、成長基板の良好な結晶性、表面が鏡面であることを基に、素子構造を成長させることができるため、素子特性のよい、さらに信頼性の高い窒化物半導体素子得ることができる。窒化物半導体素子としては、具体的には、AlInGaNからなる層を素子構造として、窒化物半導体成長基板の表面に成長させたものであり、LED(発光ダイオード)、PD(フォトダイオード、)LD(レーザ素子)等に適用が可能である。
【0024】
また、上記記載の窒化物半導体成長基板上に、少なくともn型クラッド層と活性層とp型クラッド層とを有するAlInGaN系の窒化物半導体層を積層することによって、シリコン基板上に発光もしくはレーザ発振する窒化物半導体素子を得ることができる。
【0025】
【実施例】
[実施例1] 図1は、本発明の一実施例にかかる窒化物半導体成長基板の構造を示す模式的な断面図であり、以下にこの図を基に、本発明の成長基板の製造方法について述べる。
【0026】
(111)シリコンよりなる基板101を、反応容器内において水素雰囲気中、1050℃で表面のクリーニングを行う。
【0027】
続いて、バッファ層401として、水素雰囲気中、510℃でアンモニアとTMA(トリメチルアルミニウム)を用い、基板上にAlNよりなる多結晶の低温成長バッファ層102を1000オングストロームの膜厚で成長させた。
【0028】
さらにバッファ層401として、水素雰囲気中、1100℃でアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とTMAとを用い、多結晶のAlN上にAl0.3Ga0.7N103を600オングストロームの膜厚で成長させた。
【0029】
バッファ層401(多結晶の低温成長バッファ層102と少なくともAlとGaを含む窒化物半導体層103)成長後、1100℃で、アンモニア、TMG、シクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用い、Mgを1×1020/cmドープしたGaNよりなる第1の窒化物半導体層104を1μmの膜厚で成長させる。次に、アンモニアとTMGとを用い、アンドープのGaNよりなる第2の窒化物半導体層105を1μmの膜厚で成長させる。以上によって、窒化物半導体成長基板を得た。このとき窒化物半導体成長基板の表面を観察したところ、表面は良好な鏡面であり、シリコン基板全体に均一の窒化物半導体が形成されていた。
【0030】
[実施例2]
(111)シリコンよりなる基板101を、反応容器内において水素雰囲気中、1050℃で表面のクリーニングを行う。
続いて、シリコンのエピタキシャル成長膜を5μmの膜厚で形成する。次にバッファ層401以降は、実施例1と同様にして窒化物半導体成長基板を得た。このとき窒化物半導体成長基板の表面を観察したところ、表面は良好な鏡面であり、シリコン基板全体に均一の窒化物半導体が形成されていた。
【0031】
[実施例3]
図2は、本発明の一実施例にかかるLED素子の構造を示す模式的な断面図であり、以下にこの図を基に、本発明の素子の製造方法について述べる。実施例1と同様にして、窒化物半導体成長基板を得る。得られた窒化物半導体成長基板上に、n電極を形成するための層として、SiドープGaNからなるn型コンタクト層201を2μmの膜厚で形成する。つぎに、SiドープAlGaNからなるn型クラッド層202を450オングストロームの膜厚で形成する。
【0032】
つぎに、InGaNよりなる活性層203を400オングストロームの膜厚で形成する。この層のInとGaの混晶比は、所望の発光波長によって、適宜調整する。また活性層としては、井戸層と障壁層とが複数積層された多重量子井戸構造としても良い。
【0033】
つぎに、MgドープのAlGaNよりなるp型クラッド層204を600オングストロームの膜厚で成長する。さらに続いて、p電極を形成するための層として、MgドープGaNよりなるp型コンタクト層205を1000オングストロームの膜厚で成長する。
【0034】
成長終了後、反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化した後、基板を反応容器内から取りだし、最上層のp型コンタクト層205の表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置でp型コンタクト層からエッチングを行い、図2に示すようにn型コンタクト層201の表面を露出させる。
【0035】
エッチング後、最上層にあるp型コンタクト層のほぼ全面に膜厚200オングストロームのNiとAuを含む透光性のp電極301と、そのp電極の上にボンディング用のAuよりなるpパッド電極302を0.2μmの膜厚で形成する。一方、露出されたn型コンタクト層の表面には、WとAlを含むn電極303を形成する。最後にp電極の表面を保護するためにSiOよりなる絶縁膜304を図2に示すように形成した後、基板をスクライブにより分離して350μm角のLED素子とする。
このLED素子は青色の発光が観測された。
【0036】
[比較例1]
バッファ層に接するMgドープGaNを形成しない他は実施例1と同様にして窒化物半導体成長基板を形成したところ、表面は鏡面が得られなかった。またさらにその上に、実施例3と同様の素子構造を形成したところ、発光は見られなかった。
【0037】
[比較例2]
バッファ層中のAlGaNを成長させず、AlNよりなる多結晶の低温成長バッファ層上に、直接MgドープGaNを形成する以外は実施例1と同様の方法で窒化物半導体成長基板を形成したところ、表面はいくらか鏡面ではあるが、一部鏡面とはならず、さらにその上に実施例3と同様の素子構造を形成したところ、ほとんど発光は見られなかった。
【0038】
[実施例4]
低温成長バッファ層を成長後、さらにバッファ層として、水素雰囲気中、1100℃でアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とTMAとTMI(トリメチルインジウム)を用い、多結晶のAlN上にAl0.3In0.01Ga0.69Nを100オングストロームの膜厚で成長させ、その上にMgドープGaNを成長させた他は実施例1と同様にして窒化物半導体成長基板を形成したところ、実施例1と同様に表面は鏡面の成長基板を得ることができた。さらにその上に実施例3と同様にして素子構造を形成したところ、実施例3と同様に青色の発光が観測された。
【0039】
[実施例5]
低温成長バッファ層を成長後、さらにバッファ層として、TMGとTMAのガス流量を調節して、Al0.5Ga0.5Nを0.2μm成長させる。続いて、Al0.4Ga0.6Nを0.2μm、さらに、Al0.3Ga0.7Nを0.2μm、Al0.2Ga0.8Nを0.2μm、Al0.1Ga0.9Nを0.2μm、GaNを0.2μmの膜厚で成長させ、組成傾斜からなる層を形成する。その上にMgドープGaNを成長させた他は実施例1と同様にして窒化物半導体成長基板を形成したところ、実施例1と同様に表面は鏡面の成長基板を得ることができた。さらにその上に実施例3と同様にして素子構造を形成したところ、実施例3と同様に青色の発光が観測された。
【0040】
[実施例6]
実施例1と同様にして、窒化物半導体成長基板を得る。さらに、実施例3の素子構造のうち、活性層を多重量子井戸とし、n型クラッド層と活性層、およびp型クラッド層と活性層との間にレーザ光を導波させるための光ガイド層を設け、さらにp型コンタクト層から、p型光ガイド層までをストライプリッジとし、導波路内において、実効屈折率差を設け、その他は、実施例3と同様に形成することで、窒化物半導体レーザ素子を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、異種基板としてシリコンを用いても、表面が鏡面な窒化物半導体成長基板を得ることができる。その上に素子構造を形成することで、青色の発光が見られ、素子特性のよい、さらに信頼性の高い窒化物半導体素子を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒化物半導体成長基板を説明する模式断面図、
【図2】本発明の一実施例にかかる窒化物半導体素子の模式断面図。
【符号の説明】
101・・・シリコン基板、
102・・・多結晶からなる窒化物半導体層、
103・・・少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層、
104・・・第1の窒化物半導体層、
105・・・第2の窒化物半導体層、
201・・・n型コンタクト層、
202・・・n型クラッド層、
203・・・活性層、
204・・・p型クラッド層、
205・・・p型コンタクト層、
301・・・p電極、
302・・・pパッド電極、
303・・・n電極、
304・・・絶縁膜、
401・・・バッファ層。

Claims (8)

  1. シリコン基板上にバッファ層と、該バッファ層に接して設けられたp型不純物をドープした第1の窒化物半導体層と、該第1の窒化物半導体層に接して設けられた第2の窒化物半導体層とを有し、
    前記バッファ層は、複数の層からなり、前記第1の窒化物半導体層側に少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層を有することを特徴とする窒化物半導体成長基板。
  2. 前記バッファ層は、シリコン基板側に多結晶からなる窒化物半導体層を有することを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体成長基板。
  3. 前記第1の窒化物半導体層はMgをドープしたGaNであることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物半導体成長基板。
  4. 前記第2の窒化物半導体層はアンドープもしくはSiドープのGaNであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の窒化物半導体成長基板。
  5. 前記バッファ層の少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層は、シリコン基板から離れるにつれて、Alが少なくかつGaが多くなるように形成された組成傾斜層であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の窒化物半導体成長基板。
  6. 前記バッファ層の少なくともAlとGaを含んでなる窒化物半導体層はInを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の窒化物半導体成長基板。
  7. 前記シリコン基板とバッファ層との間に、シリコンのエピタキシャル成長層を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の窒化物半導体成長基板。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の窒化物半導体成長基板上に、少なくともn型クラッド層と活性層とp型クラッド層とを有する窒化物半導体層が積層されてなることを特徴とする窒化物半導体素子。
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