JP2004214295A - 多層配線回路基板の製造方法 - Google Patents

多層配線回路基板の製造方法 Download PDF

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Mineyoshi Hasegawa
峰快 長谷川
Masayuki Kaneto
正行 金戸
Hiroshi Yamazaki
博司 山崎
Kei Nakamura
圭 中村
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Abstract

【課題】簡易な構成により、少ない工程数で、貫通孔上に電子部品を実装することのできる、高密度実装が可能な多層配線回路基板を製造することができる、多層配線回路基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】絶縁層1の両面に導体層2が形成されている両面基板3に、第1スルーホール5を形成した後、第1めっき層6を形成する。次に、この両面基板3を複数用意して、これらを、積層温度における動的弾性率が1×10−7〜1×10−4(1/Pa)である積層用接着剤7を介して積層すると同時に、第1スルーホール5内に積層用接着剤7を最外層の第1表面めっき層6bと同一面となるまで充填する。その後、第2スルーホール8を形成した後、第2めっき層9を所定の配線回路パターンで形成し、第1スルーホール5上に電子部品を実装するスルーホール実装部10を形成することにより、多層配線回路基板11を得る。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層配線回路基板の製造方法、詳しくは、電子機器および電子部品の分野で用いられる多層配線回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、配線回路基板は、ますます小型化および高速化の要求が高まっており、それに応えるべく、高密度実装および高信頼性の配線回路基板の開発が進められている。
【0003】
例えば、多層配線回路基板におけるスルーホールにプリプレグを充填し、その多層配線回路基板におけるスルーホール上を含む表面にめっき層を形成し、これを所定の配線回路パターンに形成することによって、スルーホール上にも電子部品を実装できるようにして、高密度実装を図ることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
この方法では、より具体的には、図7(a)に示すように、まず、銅張り積層板21を用意して、図7(b)に示すように、この銅張り積層板21に、貫通孔22および内層めっき23を形成することにより、非貫通スルーホール24を形成した後、図7(c)に示すように、内層回路25を形成し、図7(d)に示すように、これらをプリプレグ26を挟んで積層し、図7(e)に示すように、その積層により非貫通スルーホール24から噴き出したプリプレグ26を、図8(f)に示すように、研磨除去し、その後、図8(g)に示すように、貫通孔27および外層めっき28の形成により貫通スルーホール29を形成し、次いで、図8(h)に示すように、これをパターンニングすることにより、外層回路30とともに、非貫通スルーホール24上に実装用パッド31を形成するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−186454号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方法は、図7(e)に示すように、2つの銅張り積層板21をプリプレグ26を挟んで積層したときに、非貫通スルーホール24からプリプレグ26が噴き出すので、図8(f)に示すように、これを研磨除去する必要がある。そのため、研磨のための煩雑な手間がかかり、生産効率の向上を図ることができず、コストの上昇が不可避となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、簡易な構成により、少ない工程数で、貫通孔上に電子部品を実装することのできる、高密度実装が可能な多層配線回路基板を製造することのできる、多層配線回路基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の多層配線回路基板の製造方法は、絶縁層と、その絶縁層の両面にそれぞれ形成されている金属層とを備え、その両面に形成されている前記金属層および前記絶縁層を貫通する貫通孔が形成され、少なくとも前記貫通孔には、めっき層が形成されている両面基板を複数用意する工程、複数の前記両面基板を、積層温度における動的弾性率が1×10−7〜1×10−4(1/Pa)である接着剤を介して積層しつつ、各前記両面基板の前記貫通孔内に前記接着剤を充填させる工程、前記貫通孔において露出する前記接着剤の表面上に、積層状態における最外層の金属層を電気導通させるためのめっき層を形成する工程を備えていることを特徴としている。
【0007】
このような方法によると、積層温度における動的弾性率が1×10−7〜1×10−4(1/Pa)である接着剤が、各両面基板の貫通孔内に充填されるので、貫通孔内における接着剤の十分な充填を確保しつつ、貫通孔から外側に接着剤が流出することを防止することができ、その後に研磨せずとも、めっき層を形成することができる。そのため、簡易な構成により、製造工程の低減化を図りつつ、貫通孔上のめっき層において電子部品を実装可能とする、高密度実装が可能な多層配線回路基板を製造することができる。
【0008】
また、本発明の多層配線回路基板の製造方法では、各前記両面基板の前記貫通孔内に前記接着剤を充填させる工程においては、前記貫通孔において露出する前記接着剤の表面と、最外層の前記金属層の表面とが、実質的に同一面となるように、前記接着剤を前記貫通孔内に充填することが好ましい。
【0009】
このような方法によると、より確実なめっき層の形成を確保することができ、より一層、高密度実装および高信頼性の多層配線回路基板を製造することができる。
【0010】
また、本発明の多層配線回路基板の製造方法では、前記貫通孔を、孔径10〜500μmφとして形成することが好ましい。
【0011】
貫通孔をこのようなサイズで形成すれば、接着剤を過不足なく充填することができ、接続信頼性の向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、本発明の多層配線回路基板の製造方法の一実施形態を示す工程図である。以下、図1〜図3を参照して、本発明の多層配線回路基板の製造方法の一実施形態を説明する。
【0013】
この方法では、まず、図1(a)に示すように、絶縁層1の両面に、金属層としての導体層2をそれぞれ備えている両面基板3を用意する。
【0014】
絶縁層1は、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルフォン、ポリ塩化ビニルなどからなる樹脂フィルムや、ガラス−エポキシ樹脂などからなる薄層板から形成されている。耐熱性、寸法安定性、電気的特性、機械的特性、耐薬品特性などの観点から、好ましくは、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムから形成される。なお、絶縁層1の厚みは、通常、5〜200μm、好ましくは、10〜50μmである。
【0015】
また、導体層2としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、または、これらの合金などの金属箔などから形成されている。好ましくは、銅箔から形成される。なお、導体層2の厚みは、通常、5〜72μm、好ましくは、5〜36μmである。
【0016】
そして、このような両面基板3は、例えば、絶縁層1に接着剤層4を介して導体層2がそれぞれ積層される5層からなる両面基板3や、あるいは、絶縁層1に導体層2がそれぞれ直接積層される3層からなる両面基板3、さらには、絶縁層1に導体層2のいずれか一方が直接積層され、他方が接着剤層4を介して積層される4層からなる両面基板3などとして用意される。
【0017】
絶縁層1に接着剤層4を介して導体層2がそれぞれ積層される5層からなる両面基板3は、例えば、樹脂フィルムからなる絶縁層1の両面に接着剤を塗布し(あるいは、金属箔からなる導体層2の接着面に接着剤を塗布し)、その絶縁層1の両面に金属箔からなる導体層2をそれぞれ接着することにより、形成することができる。
【0018】
接着剤としては、配線基板の接着剤として通常用いられるものであれば、特に制限されず、例えば、エポキシ系接着剤、エポキシ−ニトリルブチルゴム系接着剤、エポキシ−アクリルゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ブチラール系接着剤、ウレタン系接着剤などの熱硬化性接着剤、例えば、ポリイミド系接着剤、合成ゴム系接着剤などの熱可塑性接着剤などが用いられる。また、接着剤層4の厚みは、通常、2〜100μm、好ましくは、2〜50μmである。
【0019】
また、絶縁層1に導体層2が直接積層される3層からなる両面基板3は、例えば、金属箔からなる一方の導体層2の表面に、樹脂の溶液を均一に塗布した後、乾燥および必要により加熱して、絶縁層1を形成し、次いで、その絶縁層1の表面に、他方の導体層2を、金属箔のラミネートあるいはめっきにより形成することにより、形成することができる。
【0020】
より具体的には、例えば、まず、銅箔からなる一方の導体層2の表面に、ポリアミック酸樹脂の溶液を均一に塗布した後、乾燥し、次いで、銅箔からなる他方の導体層2をラミネートした後、ポリアミック酸樹脂を、例えば、最終的に300℃以上に加熱することによって、硬化(イミド化)させ、これによって、ポリイミドからなる絶縁層1を形成すると同時に、両面基板3を形成することができる。
【0021】
また、例えば、まず、銅箔からなる一方の導体層2の表面に、ポリアミック酸樹脂の溶液を均一に塗布した後、乾燥後、硬化(イミド化)させて、ポリイミドからなる絶縁層1を形成し、次いで、この絶縁層1の表面に、銅めっきにより他方の導体層2を形成することにより、両面基板3を形成することもできる。
【0022】
さらに、絶縁層1に、いずれか一方の導体層2が直接積層され、他方の導体層2が接着剤層4を介して積層される4層からなる両面基板3は、上記の組み合わせ、例えば、まず、金属箔からなる一方の導体層2の表面に、樹脂の溶液を均一に塗布した後、乾燥および必要により加熱して、絶縁層1を形成し、次いで、その絶縁層1の表面に、接着剤層4を介して、金属箔からなる他方の導体層2を接着することにより、形成することができる。
【0023】
この方法においては、上記したいずれの両面基板3を用いてもよく、図1〜図3においては、絶縁層1に接着剤層4を介して導体層2がそれぞれ積層される5層からなる両面基板3が用いられている。
【0024】
また、これらの両面基板3は、両面銅張り積層板などとして市販されているものを用いることができ、さらには、必要に応じて、ハーフエッチングなどにより所望する厚さに調整してもよい。
【0025】
次いで、この方法では、図1(b)に示すように、貫通孔としての第1スルーホール5を形成する。第1スルーホール5は、両面基板3の任意の部分において、両面基板3の厚さ方向を貫通する、つまり、一方の導体層2、絶縁層1および他方の導体層2の厚さ方向を貫通するように形成する。
【0026】
第1スルーホール5の形成は、特に制限されず、例えば、ドリル加工、パンチング加工、レーザ加工などの公知の穿孔方法が用いられる。このようにして形成される第1スルーホール5は、その断面形状が特に限定されるものではないが、例えば、円形状で形成される場合には、その内径が、通常、10〜500μmφ、好ましくは、25〜200μmφ、深さ(両面基板3の厚さ、つまり、一方の導体層2、絶縁層1および他方の金属層3の厚さの合計)10〜200μm、好ましくは、20〜150μmとして形成される。
【0027】
第1スルーホール5の内径が、10μmφ未満であると、第1スルーホール5の内周の表面積が小さいため、熱応力などが集中することによって、後述する方法によって充填される積層用接着剤7にクラックが発生する場合がある。また、500μmφを超えると、充填された積層用接着剤7における外側に向かって露出する表面7b(図2(f)参照)の窪みが大きくなって、充填効果が減少するとともに、後述するスルーホール実装部10における電子部品の微細な接続が不良となる場合がある。そのため、第1スルーホール5を、このようなサイズで形成することにより、後述する充填用接着剤7が過不足なく充填され、接続信頼性を向上させることができる。
【0028】
次いで、この方法では、図1(c)に示すように、第1スルーホール5の内周面、および、各導体層2の表面に、第1めっき層6を形成する。
【0029】
第1めっき層6は、例えば、第1スルーホール5の内周面を、無電解めっき、スパッタリング、カーボン触媒の塗布などの公知の方法で導電処理した後に、第1スルーホール5の内周面、および、各導体層2の表面を、電解めっきすることにより、形成することができる。この第1めっき層6は、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、または、これらの合金などの金属から形成され、好ましくは、電解銅めっきによって、銅箔として形成される。
【0030】
このようにして形成される第1めっき層6は、第1スルーホール5の内周面に形成されるめっき層としての第1スルーホールめっき層6aと、各導体層2の表面に形成される金属層としての第1表面めっき層6bとが連続して一体的に形成され、その結果、各導体層2が、第1めっき層6を介して、電気導通される。
【0031】
また、この第1めっき層6は、その厚みが、通常、5〜30μm、好ましくは、5〜20μmとして形成される。
【0032】
次いで、この方法では、図1(d)に示すように、積層状態において内側となる一方の第1表面めっき層6bおよび導体層2を、所定の配線回路パターンに形成する。一方の第1表面めっき層6bおよび導体層2を所定の配線回路パターンに形成するには、特に制限されず、公知のパターンニング法を用いることができ、例えば、サブトラクティブ法により形成することができる。
【0033】
サブトラクティブ法では、図示しないが、まず、第1表面めっき層6bの表面に、エッチングレジストを、例えば、フォトレジストの露光および現像などにより、配線回路パターンに対応させて形成し、そのエッチングレジストから露出する第1表面めっき層6bおよびその第1表面めっき層6bが積層されている導体層2を、例えば、硫酸、硫酸系溶液、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、過硫酸アンモニウム溶液、アンモニア系アルカリ溶液などの公知のエッチング液を用いてエッチングし、その後、エッチングレジストを、エッチングや剥離による公知の方法により除去すればよい。
【0034】
次いで、この方法では、図2(e)に示すように、上記の方法によって形成された両面基板3(すなわち、絶縁層1と、その絶縁層1の両面にそれぞれ形成されている導体層2とを備え、その両面に形成されている各導体層2および絶縁層1を貫通する第1スルーホール5が形成され、その第1スルーホール5の内周面と、各導体層2の表面とに、第1めっき層6が形成されている両面基板3)を複数(2つ)用意して、各両面基板3における所定の配線回路パターンが形成されている第1表面めっき層6b側を対向させた状態で、各両面基板3の間に積層用接着剤7を挟み、その後、図2(f)に示すように、これら両面基板3を積層用接着剤7を介して圧着積層する。
【0035】
積層用接着剤7は、特に制限されず、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、フェノール系接着剤などの熱硬化性接着剤、例えば、ポリイミド系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤などの熱可塑性接着剤などを用いることができるが、積層時の積層温度における動的弾性率が、1×10−7〜1×10−4(1/Pa)、好ましくは、5×10−7〜5×10−5(1/Pa)の接着剤が用いられる。
【0036】
積層用接着剤7の積層温度における動的弾性率が、1×10−7(1/Pa)未満であると、流動性が不足して、積層用接着剤7が第1スルーホール5内に十分に流れ込まず、積層用接着剤7の第1スルーホール5内における充填が不十分となる。また、10−4(1/Pa)を超えると、流動性が過度によくなり、第1スルーホール5から外側に積層用接着剤7が流出し、その流出部分の研磨が必要となる。そのため、積層用接着剤7の積層温度における動的弾性率が、1×10−7〜1×10−4(1/Pa)の範囲において、積層用接着剤7の第1スルーホール5内における十分な充填を確保しつつ、第1スルーホール5の外側に積層用接着剤7が流出することを防止することができる。
【0037】
なお、積層用接着剤7の動的弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いる動的粘弾性測定により、複素剪断弾性率(G)として求めることができる。
【0038】
より具体的には、積層用接着剤7の動的弾性率は、例えば、動的粘弾性測定装置を用いて、周波数1Hzにおける温度分散モードによる動的粘弾性測定を実施して、積層温度における複素剪断弾性率(G)を求めるか、あるいは、積層温度における周波数分散モードによる動的粘弾性測定を実施して、周波数1Hzにおける複素剪断弾性率(G)を求めるか、あるいは、温度−周波数分散モードによる動的粘弾性測定を実施して、積層温度における周波数1Hzの複素剪断弾性率(G)を求めることにより、得ることができる。
【0039】
なお、動的粘弾性測定装置としては、例えば、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製のARESを用いることができる。
【0040】
また、このような積層用接着剤7は、図2(e)に示すように、必要により、厚み5〜200μmの絶縁シート7aの両面に、上記した接着剤を積層することにより調製したものを用いることができる。なお、絶縁シート7aとしては、例えば、ポリイミドシート、ポリエステルシート、ガラス−エポキシ樹脂シートなどが用いられる。
【0041】
また、各両面基板3の積層用接着剤7を介する圧着は、例えば、加圧および/または加熱できるプレス装置などを用いて、その温度が、80〜250℃下において、その圧力を、0.5〜5MPaとして圧着させればよい。
【0042】
また、このような圧着においては、積層用接着剤7を、内側に形成される第1表面めっき層6bおよび導体層2の配線回路パターンの凹凸に十分に追従させるべく、例えば、真空プレス装置を用いて、3×10Pa以下、好ましくは、1×10Pa以下の真空下において圧着させるか、あるいは、真空プレス装置を用いて真空下において積層した後、オートクレーブなどによって圧着させることが好ましい。
【0043】
このような圧着によって、図2(f)に示すように、各両面基板3が積層用接着剤7を介して接着されるとともに、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に流入され、その第1スルーホール5内において積層用接着剤7が充填される。
【0044】
また、このような圧着においては、第1スルーホール5内に内側から流入した積層用接着剤7における第1スルーホール5の外側に向かって露出する表面7bと、積層状態において露出している最外層の第1表面めっき層6bの表面とが、実質的に段差が生じない同一面となるように、積層用接着剤7を第1スルーホール5内に充填することが好ましい。
【0045】
このような充填は、例えば、第1スルーホール5の内径や、積層用接着剤7の動的弾性率に基づいて、適宜、温度および圧力などの圧着条件を選択することにより、実現することができる。このようにして充填すれば、次の工程において、より確実な第2めっき層9の形成を確保することができ、より一層、高密度実装および高信頼性の多層配線回路基板を製造することができる。
【0046】
次いで、この方法では、図2(g)に示すように、第2スルーホール8を形成する。第2スルーホール8は、積層された両面基板3の任意の部分において、積層された両面基板3の厚さ方向を貫通する、つまり、2つの両面基板3の各第1表面めっき層6b、各導体層2および絶縁層1の厚さ方向を貫通するように形成する。
【0047】
第2スルーホール8の形成は、特に限定されず、上記と同様に、例えば、ドリル加工、パンチング加工、レーザ加工などの公知の穿孔方法が用いられる。このようにして形成される第2スルーホール8は、その断面形状が特に限定されるものではないが、例えば、円形状で形成される場合には、その内径が、通常、20〜500μmφ、好ましくは、50〜400μmφ、深さ(2つの両面基板3の厚さ、つまり、2つの両面基板3における各第1表面めっき層6b、各導体層2、絶縁層1の厚さの合計)50〜500μm、好ましくは、100〜400μmとして形成される。
【0048】
次いで、この方法では、図3(h)に示すように、第2スルーホール8の内周面、および、積層状態において外側に露出する各第1表面めっき層6bの表面に、めっき層としての第2めっき層9を形成する。
【0049】
第2めっき層9は、例えば、上記と同様に、第2スルーホール8の内周面を、無電解めっき、スパッタリング、カーボン触媒の塗布などの公知の方法で導電処理した後に、第2スルーホール8の内周面、および、各第1表面めっき層6bの表面を、電解めっきすることにより、形成することができる。この第2めっき層9は、例えば、上記と同様に、銅、ニッケル、金、はんだ、または、これらの合金などの金属から形成され、好ましくは、電解銅めっきによって、銅箔として形成される。
【0050】
このようにして形成される第2めっき層9は、第2スルーホール8の内周面に形成される第2スルーホールめっき層9aと、各第1表面めっき層6bの表面に形成される第2表面めっき層9bとが連続して一体的に形成され、その結果、各第1めっき層6および各第1めっき層6が積層されている各導体層2が、第2めっき層9を介して、電気導通される。
【0051】
また、この第2めっき層9は、その厚みが、通常、5〜30μm、好ましくは、5〜20μmとして形成される。
【0052】
次いで、この方法では、図3(i)に示すように、積層状態において外側に露出する各第2表面めっき層9b、その各第2表面めっき層9bが積層されている第1表面めっき層6bおよび導体層2を、所定の配線回路パターンに形成して、第1スルーホール5上に、半導体素子などの電子部品を実装するためのスルーホール実装部10を形成することにより、多層配線回路基板11を得る。
【0053】
これらを所定の配線回路パターンに形成するには、特に制限されず、公知のパターンニング法を用いることができ、例えば、上記と同様のサブトラクティブ法により形成することができる。
【0054】
このようにして多層配線回路基板11を形成すれば、上記したように、積層温度における動的弾性率が1×10−7〜1×10−4(1/Pa)である積層用接着剤7が、各両面基板3の各第1スルーホール5内に充填されるので、各第1スルーホール5内における十分な充填を確保しつつ、各第1スルーホール5から外側に流出することを防止することができる。そのため、その後に流出した積層用接着剤7を研磨せずとも、第2めっき層9を形成することができる。その結果、簡易な構成により、製造工程の低減化を図りつつ、各第1スルーホール5上に形成されるスルーホール実装部10において電子部品を実装可能とする、高密度実装が可能な多層配線回路基板11を製造することができる。
【0055】
また、上記の説明においては、第2めっき層9を、サブトラクティブ法により所定の配線回路パターンに形成したが、例えば、第2めっき層9を、アディティブ法により、第2めっき層9の形成と同時に所定の配線回路パターンに形成してもよい。次に、図4〜図6を参照して、この方法について説明する。
【0056】
なお、図4〜図6において、上記と同様の部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
この方法では、まず、上記と同様に、絶縁層1の両面に、金属層として、導体層2をそれぞれ備えている両面基板3を用意し、次いで、上記と同様に、貫通孔としての第1スルーホール5を形成した後、第1スルーホール5の内周面、および、各導体層2の表面に、第1めっき層6を形成する。
【0058】
次いで、この方法では、図4(a)に示すように、両面の金属層としての第1表面めっき層6bおよび導体層2を、所定の配線回路パターンに形成する。これらを所定の配線回路パターンに形成するには、特に制限されず、公知のパターンニング法を用いることができ、例えば、上記と同様に、サブトラクティブ法により形成することができる。
【0059】
次いで、この方法では、図4(b)に示すように、上記の方法によって形成された両面基板3(すなわち、絶縁層1と、その絶縁層1の両面にそれぞれ形成されている導体層2とを備え、その両面に形成されている各導体層2および絶縁層1を貫通する第1スルーホール5が形成され、その第1スルーホール5の内周面と、各導体層2の表面とに、第1めっき層6が形成されている両面基板3)を複数(2つ)用意して、上記と同様の積層用接着剤7を用いて、各両面基板3の間にその積層用接着剤7を挟み、その後、図4(c)に示すように、上記と同様の圧着条件で、これら両面基板3を積層用接着剤7を介して圧着積層する。
【0060】
このような圧着によって、上記と同様に、図4(c)に示すように、各両面基板3が積層用接着剤7を介して接着されるとともに、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に流入され、その第1スルーホール5内において積層用接着剤7が充填される。
【0061】
また、このような圧着においては、上記と同様に、第1スルーホール5内に内側から流入した積層用接着剤7における第1スルーホール5の外側に向かって露出する表面7bと、積層状態において露出している最外層の第1表面めっき層6bの表面とが、実質的に段差が生じない同一面となるように、積層用接着剤7を第1スルーホール5内に充填する。
【0062】
次いで、この方法では、図5(d)に示すように、第2スルーホール8を形成した後、図5(e)〜図6(g)に示すように、第2めっき層9を、アディティブ法により、所定の配線回路パターンとして形成する。
【0063】
すなわち、アディティブ法では、まず、図5(e)に示すように、積層状態において外側に露出する各第1表面めっき層6bおよび絶縁層1(または接着剤層4)の表面に、マスクフィルム12を、配線回路パターンと逆パターン(反転パターン)で形成する。
【0064】
マスクフィルム12は、例えば、ドライフィルムからなるフォトレジストを、各第1表面めっき層6bおよび絶縁層1(または接着剤層4)の表面に、公知の方法によって積層した後、そのフォトレジストをフォトマスクを介して露光させ、現像することによって、所定の配線回路パターンと逆パターンとして形成することができる。
【0065】
次いで、この方法では、図5(f)に示すように、第2スルーホール8の内周面、および、マスクフィルム12から露出する各第1表面めっき層6bの表面に、第2めっき層9を形成する。
【0066】
第2めっき層9は、例えば、第2スルーホール8の内周面を、無電解めっき、スパッタリング、カーボン触媒の塗布などの公知の方法で導電処理した後に、第2スルーホール8の内周面、および、マスクフィルム12から露出する各第1表面めっき層6bの表面を、電解めっきすることにより、形成することができる。この第2めっき層9は、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、または、これらの合金などの金属から形成され、好ましくは、電解銅めっきによって、銅箔として形成される。
【0067】
このようにして形成される第2めっき層9は、第2スルーホール8の内周面に形成される第2スルーホールめっき層9aと、各第1表面めっき層6bの表面に、所定の配線回路パターンとして形成される第2表面めっき層9bとが連続して一体的に形成され、その結果、各第1めっき層6および各第1めっき層6が積層されている各導体層2が、第2めっき層9を介して、電気導通される。
【0068】
また、この第2めっき層9は、その厚みが、通常、5〜30μm、好ましくは、5〜20μmとして形成される。
【0069】
次いで、この方法では、図6(g)に示すように、マスクフィルム12を、エッチングや剥離による公知の方法により除去する。
【0070】
これによって、第2めっき層9は、所定の配線回路パターンとして形成され、第1スルーホール5上には、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が同時に形成される。
【0071】
このような方法によっても、積層温度における動的弾性率が1×10−7〜1×10−4(1/Pa)である積層用接着剤7が、各両面基板3の各第1スルーホール5内に充填されるので、各第1スルーホール5内における十分な充填を確保しつつ、各第1スルーホール5から外側に流出することを防止することができる。そのため、その後に流出した積層用接着剤7を研磨せずとも、第2めっき層9を形成することができる。その結果、簡易な構成により、製造工程の低減化を図りつつ、各第1スルーホール5上に形成されるスルーホール実装部10において電子部品を実装可能とする、高密度実装が可能な多層配線回路基板11を製造することができる。
【0072】
なお、上記の説明では、2つの両面基板3の間に積層用接着剤7を挟んで、これらを圧着させたが、積層する両面基板3の数は、特に制限されず、その目的および用途によって、3つ以上の両面基板3を積層してもよい。
【0073】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、それら実施例および比較例に何ら限定されるものではない。
【0074】
実施例1
厚さ12.5μmのポリイミドフィルムからなる絶縁層1の両面に、厚さ10μmのエポキシ系接着剤からなる接着剤層4を介して、厚さ18μmの銅箔からなる導体層2が貼着されている両面基板3を用意した(図1(a)参照)。
【0075】
この両面基板3の各導体層2を、ハーフエッチング処理により厚さ9μmとした後、UV−YAGレーザを用いて、孔径100μmφの第1スルーホール5を形成した(図1(b)参照)。次いで、第1スルーホール5の内周面にカーボン触媒を塗布した後、電解銅めっきにより、厚さ10μmの第1めっき層6を形成し(図1(c)参照)、その後、積層状態において内側となる第1表面めっき層6bおよび導体層2を、サブトラクティブ法により、所定の配線回路パターンに形成した(図1(d)参照)。
【0076】
その後、このようにして形成された2つの両面基板3を、積層用接着剤7を介して圧着させた(図2(e)参照)。積層用接着剤7は、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(150℃)における動的弾性率が1×10−6(1/Pa)の厚み25μmのアクリル系接着剤が貼着されているものを用いた。また、圧着は、真空度4×10Pa、温度150℃、圧力4MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間実施した。
【0077】
この圧着により、各両面基板3が積層用接着剤7を介して接着されるとともに、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に過不足なく流入され、流入された積層用接着剤7の表面7bが、第1表面めっき層6bの表面と同一面まで到達した(図2(f)参照)。
【0078】
次いで、積層された両面基板3の所要箇所に、ドリルを用いて孔径300μmφの第2スルーホール8を貫通形成した後(図2(g)参照)、第2スルーホール8の内周面にカーボン触媒を塗布した後、電解銅めっきにより、厚さ15μmの第2めっき層9を形成した(図3(h)参照)。これによって、第1スルーホール5の積層用接着剤7の表面7bが第2表面めっき層9bによって被覆された。
【0079】
その後、積層状態において外側に露出する各第2表面めっき層9b、その各第2表面めっき層9bが積層されている第1表面めっき層6bおよび導体層2を、サブトラクティブ法により所定の配線回路パターンとし、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10を形成することにより、多層配線回路基板11を得た(図3(i)参照)。
【0080】
実施例2
積層用接着剤7として、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(150℃)における動的弾性率が1×10−4(1/Pa)の厚み25μmのエポキシ系接着剤が貼着されているものを用いて、真空度4×10Pa、温度150℃、圧力0.5MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間圧着した以外は、実施例1と同様の操作により、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が形成されている多層配線回路基板11を得た。
【0081】
なお、この多層配線回路基板11の製造においても、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に過不足なく流入され、流入された積層用接着剤7の表面7bが、第1表面めっき層6bの表面と同一面まで到達したことを確認した。
【0082】
実施例3
積層用接着剤7として、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(150℃)における動的弾性率が1×10−7の厚み25μmのアクリル系接着剤が貼着されているものを用いて、真空度4×10Pa、温度150℃、圧力4MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間圧着した以外は、実施例1と同様の操作により、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が形成されている多層配線回路基板11を得た。
【0083】
なお、この多層配線回路基板11の製造においても、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に過不足なく流入され、流入された積層用接着剤7の表面7bが、第1表面めっき層6bの表面と同一面まで到達したことを確認した。
【0084】
実施例4
厚さ12.5μmのポリイミドフィルムからなる絶縁層1の両面に、厚さ10μmのエポキシ系接着剤からなる接着剤層4を介して、厚さ18μmの銅箔からなる導体層2が貼着されている両面基板3を用意した。
【0085】
この両面基板3の各導体層2を、ハーフエッチング処理により厚さ9μmとした後、UV−YAGレーザを用いて、孔径100μmφの第1スルーホール5を形成した。次いで、第1スルーホール5の内周面にカーボン触媒を塗布した後、電解銅めっきにより、厚さ10μmの第1めっき層6を形成し、その後、両面の第1表面めっき層6bおよび導体層2を、サブトラクティブ法により、所定の配線回路パターンに形成した(図4(a)参照)。
【0086】
その後、このようにして形成された2つの両面基板3を、積層用接着剤7を介して圧着させた(図4(b)参照)。積層用接着剤7は、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(150℃)における動的弾性率が1×10−6(1/Pa)の厚み25μmのアクリル系接着剤が貼着されているものを用いた。また、圧着は、真空度4×10Pa、温度150℃、圧力4MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間実施した。
【0087】
この圧着により、各両面基板3が積層用接着剤7を介して接着されるとともに、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に過不足なく流入され、流入された積層用接着剤7の表面7bが、第1表面めっき層6bの表面と同一面まで到達した(図4(c)参照)。
【0088】
次いで、積層された両面基板3の所要箇所に、ドリルを用いて孔径300μmの第2スルーホール8を貫通形成した(図5(d)参照)。
【0089】
その後、積層状態において外側に露出する各第1表面めっき層6bおよび絶縁層1の表面に、マスクフィルム12を、ドライフィルムからなるフォトレジストの露光および現像によって、配線回路パターンと逆パターンで形成した(図5(e)参照)。
【0090】
次いで、第2スルーホール8の内周面にカーボン触媒を塗布した後、第2スルーホール8の内周面、および、マスクフィルム12から露出する各第1表面めっき層6bの表面に、電解銅めっきにより、厚さ15μmの第2めっき層9を形成した(図5(f)参照)。これによって、第1スルーホール5の積層用接着剤7の表面7bが第2表面めっき層9bによって被覆された。
【0091】
その後、マスクフィルム12を剥離除去することによって、第2表面めっき層9bを所定の配線回路パターンとし、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10を形成することにより、多層配線回路基板11を得た(図6(g)参照)。
【0092】
実施例5
積層用接着剤7として、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(150℃)における動的弾性率が1×10−4(1/Pa)の厚み25μmのエポキシ系接着剤が貼着されているものを用いて、真空度4×10Pa、温度150℃、圧力0.5MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間圧着した以外は、実施例4と同様の操作により、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が形成されている多層配線回路基板11を得た。
【0093】
なお、この多層配線回路基板11の製造においても、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に過不足なく流入され、流入された積層用接着剤7の表面7bが、第1表面めっき層6bの表面と同一面まで到達したことを確認した。
【0094】
実施例6
積層用接着剤7として、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(150℃)における動的弾性率が1×10−7の厚み25μmのアクリル系接着剤が貼着されているものを用いて、真空度4×10Pa、温度150℃、圧力4MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間圧着した以外は、実施例4と同様の操作により、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が形成されている多層配線回路基板11を得た。
【0095】
なお、この多層配線回路基板11の製造においても、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に過不足なく流入され、流入された積層用接着剤7の表面7bが、第1表面めっき層6bの表面と同一面まで到達したことを確認した。
【0096】
比較例1
積層用接着剤7として、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(120℃)における動的弾性率が1×10−3(1/Pa)の厚み25μmのエポキシ系接着剤が貼着されているものを用いて、真空度4×10Pa、温度120℃、圧力0.5MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間圧着した以外は、実施例1と同様の操作により、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が形成されている多層配線回路基板11を得た。
【0097】
なお、この多層配線回路基板11の製造では、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内から外側に流出したため、その流出部分の積層用接着剤7を、第1表面めっき層6bの表面と同一面まで研磨する必要があった。
【0098】
比較例2
積層用接着剤7として、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(180℃)における動的弾性率が1×10−8(1/Pa)の厚み25μmのエポキシ系接着剤が貼着されているものを用いて、真空度4×10Pa、温度180℃、圧力4MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間圧着した以外は、実施例1と同様の操作により、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が形成されている多層配線回路基板11を得た。
【0099】
なお、この多層配線回路基板11の製造では、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に十分に流入されず、第1スルーホール5の深さに対して、約半分程度しか充填できなかった。
【0100】
比較例3
積層用接着剤7として、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(120℃)における動的弾性率が1×10−3(1/Pa)の厚み25μmのエポキシ系接着剤が貼着されているものを用いて、真空度4×10Pa、温度120℃、圧力0.5MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間圧着した以外は、実施例4と同様の操作により、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が形成されている多層配線回路基板11を得た。
【0101】
なお、この多層配線回路基板11の製造では、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内から外側に流出したため、その流出部分の積層用接着剤7を、第1表面めっき層6bの表面と同一面まで研磨する必要があった。
【0102】
比較例4
積層用接着剤7として、厚み12.5μmのポリイミドからなる絶縁シート7aの両面に、積層温度(180℃)における動的弾性率が1×10−8(1/Pa)の厚み25μmのエポキシ系接着剤が貼着されているものを用いて、真空度4×10Pa、温度180℃、圧力4MPaの条件で、真空プレス装置を用いて50分間圧着した以外は、実施例4と同様の操作により、第1スルーホール5上に、電子部品を実装するためのスルーホール実装部10が形成されている多層配線回路基板11を得た。
【0103】
なお、この多層配線回路基板11の製造では、積層用接着剤7が各両面基板3の第1スルーホール5内に十分に流入されず、第1スルーホール5に対して、約半分程度しか充填できなかった。
【0104】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の多層配線回路基板の製造方法によれば、簡易な構成により、製造工程の低減化を図りつつ、貫通孔上のめっき層において電子部品を実装可能とする、高密度実装が可能な多層配線回路基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線回路基板の製造方法の一実施形態を示す工程図であって、
(a)は、絶縁層の両面に導体層を備えている両面基板を用意する工程、
(b)は、両面基板に第1スルーホールを形成する工程、
(c)は、第1スルーホールの内周面および各導体層の表面に第1めっき層を形成する工程、
(d)は、積層状態において内側となる第1表面めっき層および導体層を、所定の配線回路パターンに形成する工程を示す。
【図2】図1に続いて、本発明の多層配線回路基板の製造方法の一実施形態を示す工程図であって、
(e)は、両面基板を複数用意して、各両面基板の間に積層用接着剤を挟み、圧着させる工程、
(f)は、各両面基板が積層用接着剤を介して接着されるとともに、積層用接着剤が各第1スルーホール内に充填される工程、
(g)は、積層された両面基板に、第2スルーホールを形成する工程を示す。
【図3】図2に続いて、本発明の多層配線回路基板の製造方法の一実施形態を示す工程図であって、
(h)は、第2スルーホールの内周面および各第1表面めっき層の表面に第2めっき層を形成する工程、
(i)は、各第2表面めっき層、各第1表面めっき層および各導体層を、所定の配線回路パターンに形成して、第1スルーホール上にスルーホール実装部を形成することにより、多層配線回路基板を得る工程を示す。
【図4】本発明の多層配線回路基板の製造方法の他の実施形態を示す工程図であって、
(a)は、両面の第1表面めっき層および導体層を、所定の配線回路パターンに形成する工程、
(b)は、両面基板を複数用意して、各両面基板の間に積層用接着剤を挟み、圧着させる工程、
(c)は、各両面基板が積層用接着剤を介して接着されるとともに、積層用接着剤が各第1スルーホール内に充填される工程を示す。
【図5】図4に続いて、本発明の多層配線回路基板の製造方法の他の実施形態を示す工程図であって、
(d)は、積層された両面基板に、第2スルーホールを形成する工程、
(e)は、各第1表面めっき層および絶縁層(または接着剤層)の表面に、マスクフィルムを配線回路パターンと逆パターンで形成する工程、
(f)は、第2スルーホールの内周面およびマスクフィルムから露出する各第1表面めっき層の表面に、第2めっき層を形成する工程を示す。
【図6】図5に続いて、本発明の多層配線回路基板の製造方法の他の実施形態を示す工程図であって、
(g)は、マスクフィルムを除去することにより、第2表面めっき層を所定の配線回路パターンとして形成して、第1スルーホール上にスルーホール実装部を形成することにより、多層配線回路基板を得る工程を示す。
【図7】従来の多層配線回路基板の製造方法を示す工程図であって、
(a)は、銅張り積層板を用意する工程、
(b)は、銅張り積層板に、貫通孔および内層めっきを形成することにより、非貫通スルーホールを形成する工程、
(c)は、内層回路を形成する工程、
(d)は、各銅張り積層板を、プリプレグを挟んで積層する工程、
(e)は、非貫通スルーホールからプリプレグが噴き出す工程を示す。
【図8】図7に続いて、従来の多層配線回路基板の製造方法を示す工程図であって、
(f)は、非貫通スルーホールから噴き出したプリプレグを研磨除去する工程、
(g)は、貫通孔および外層めっきの形成により貫通スルーホールを形成する工程、
(h)は、外層回路、および、非貫通スルーホール上に実装用パッドを形成する工程を示す。
【符号の説明】
1 絶縁層
2 導体層
3 両面基板
5 第1スルーホール
6 第1めっき層
6b 第1表面めっき層
7 積層用接着剤
7b 積層用接着剤の表面
9 第2めっき層
9b 第2表面めっき層
11 多層配線回路基板

Claims (3)

  1. 絶縁層と、その絶縁層の両面にそれぞれ形成されている金属層とを備え、その両面に形成されている前記金属層および前記絶縁層を貫通する貫通孔が形成され、少なくとも前記貫通孔には、めっき層が形成されている両面基板を複数用意する工程、
    複数の前記両面基板を、積層温度における動的弾性率が1×10−7〜1×10−4(1/Pa)である接着剤を介して積層しつつ、各前記両面基板の前記貫通孔内に前記接着剤を充填させる工程、
    前記貫通孔において露出する前記接着剤の表面上に、積層状態における最外層の金属層を電気導通させるためのめっき層を形成する工程
    を備えていることを特徴とする、多層配線回路基板の製造方法。
  2. 各前記両面基板の前記貫通孔内に前記接着剤を充填させる工程においては、
    前記貫通孔において露出する前記接着剤の表面と、最外層の前記金属層の表面とが、実質的に同一面となるように、前記接着剤を前記貫通孔内に充填することを特徴とする、請求項1に記載の多層配線回路基板の製造方法。
  3. 前記貫通孔を、孔径10〜500μmφとして形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の多層配線回路基板の製造方法。
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