JP2004212592A - 画像読取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化・省電力化を図ると共に、簡単な構成によって結像レンズの特性に起因するラインセンサへの入射光量の減衰を補償できる画像読取り装置を得る。
【解決手段】主走査方向Aに並置された複数のLED202から放射された光を原稿面に導き、その反射光を結像レンズを介してラインセンサに入射させる画像読取り装置。LED202はフレキシブル基板301上に並置され、該フレキシブル基板301は弾性材からなる基台302を介してスライダ208に取り付けられている。基台302の両端部分はダイヤル401,402にて回転位置を調整自在な偏心カム404により保持され、フレキシブル基板301の両端部分は基台302と共に、中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲している。
【選択図】 図5
【解決手段】主走査方向Aに並置された複数のLED202から放射された光を原稿面に導き、その反射光を結像レンズを介してラインセンサに入射させる画像読取り装置。LED202はフレキシブル基板301上に並置され、該フレキシブル基板301は弾性材からなる基台302を介してスライダ208に取り付けられている。基台302の両端部分はダイヤル401,402にて回転位置を調整自在な偏心カム404により保持され、フレキシブル基板301の両端部分は基台302と共に、中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲している。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取り装置、特に、原稿面を一方向にスキャンすることにより原稿画像を読み取る画像読取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】
【特許文献1】
特開平9−61745号公報
【0003】
画像や文章を処理するOA機器の分野においては、近年、低コスト化や小型化に加えて、生産性の向上と省電力化の要求がますます強まっていく傾向にある。
【0004】
画像読取り装置においては、従来のハロゲンランプや蛍光灯を光源とする照明系で生産性を向上させるには、大形の電源やインバータを用いて照明光量を上げる必要があり、それにより発生する熱を冷却すべく冷却ファンを設けるなどの対策が必要であった。つまり、画質の劣化なく生産性を向上させることは、低コスト化・小型化・省電力化とは相反するものであった。そこで、小型化・省電力化を目的として発光ダイオードを光源として用いた低コストの照明系が種々開発されている。
【0005】
一方、原稿読取り装置では、原稿面での反射光を結像レンズを介してCCD等のラインセンサに導いている。この場合、レンズの特性(コサイン4乗則)によって周辺部の光量が中央部分に比べて低下してしまい、ラインセンサへの入射光量分布が主走査方向において不均一となるという問題点を有していた。
【0006】
特許文献1には、主走査方向に並置された発光ダイオードからの光の一部をリフレクタで反射させて原稿面に導く光学式読取り装置において、リフレクタの反射面に長手方向の両端部に近づくほど反射率が高くなるコーティングを施すことにより、結像レンズを透過することによる主走査方向両端部での光量の減衰を補償することが開示されている。
【0007】
本発明の目的は、小型化・省電力化を図ると共に、簡単な構成によって結像レンズの特性に起因する光量の減衰を補償でき、ラインセンサ上で主走査方向に均一な光量分布を得ることのできる画像読取り装置を提供することにある。
【0008】
【発明の構成、作用及び効果】
以上の目的を達成するため、第1の発明は、主走査方向に並置された複数の発光素子から放射された光を原稿面に導き、その反射光を結像レンズを介してラインセンサに入射させる画像読取り装置において、前記複数の発光素子が主走査方向に配置されたフレキシブル基板と、該フレキシブル基板の両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように、前記フレキシブル基板を撓ませた状態で保持する保持手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
第1の発明に係る画像読取り装置においては、光源として発光素子を用いることにより、小型化・省電力化を達成できることは勿論、フレキシブル基板を撓ませるという簡単な操作で結像レンズの特性に起因する主走査方向両端部分での光量の減衰を補償し、ラインセンサへの入射光量が主走査方向の全域にわたって均一な分布とすることができる。
【0010】
さらに、前記フレキシブル基板の撓み量を調整する調整手段を備えれば、フレキシブル基板の撓み量を任意に調整することができ、装置個々の特性に合わせた微調整が可能である。
【0011】
第2の発明は、主走査方向に並置された複数の発光素子から放射された光を原稿面に導き、その反射光を結像レンズを介してラインセンサに入射させる画像読取り装置において、基板の表面に前記複数の発光素子が主走査方向に配置されており、該基板の表面両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲していること、を特徴とする。
【0012】
第2の発明に係る画像読取り装置においては、基板の表面(素子配置面)は両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように予め湾曲されているため、複数の発光素子を該基板の表面に取り付けるだけで、結像レンズの特性に起因する主走査方向両端部分での光量の減衰を補償し、ラインセンサへの入射光量が主走査方向の全域にわたって均一な光量分布になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像読取り装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
(複写機の概略構成、図1参照)
図1は、本発明の一実施形態である画像読取りユニット101を搭載した複写機の外観を示す。この複写機は、上段に画像読取りユニット101を搭載し、中段にプリンタ部102及び排紙部104を設け、下段に給紙ユニット103を設けたものである。
【0015】
画像読取りユニット101で読み取られた原稿画像はプリンタ部102にて周知の電子写真プロセスによって図示しない感光体上にトナー画像として形成され、該トナー画像は給紙ユニット103から給紙されたシート上に転写される。その後、用紙はトナーの定着を施されて排紙部104に排出される。
【0016】
(画像読取りユニットの構成、図2参照)
画像読取りユニット101は、図2にその断面を示すように、原稿ガラス201の直下に、第1スライダ208及び第2スライダ209を副走査方向Bに往復動可能に設け、さらに結像レンズ206、CCD等のラインセンサ207を設けたものである。
【0017】
第1スライダ208には、発光ダイオード(以下、LEDと記す)202、リフレクタ210、ミラー203が取り付けられている。第2スライダ209には、ミラー204,205が取り付けられている。これらの部材は主走査方向A(図1参照)に延在している。
【0018】
第1スライダ208は所定の速度Vで、第2スライダ209は速度V/2で、それぞれ副走査方向Bに移動し、このとき、LED202から照射された光は原稿ガラス201上に載置された原稿(図示せず)で反射され、反射光はミラー203,204,205を介して結像レンズ206に導かれ、ラインセンサ207に入射する。このような原稿画像の読取りシステム及び読み取った画像データの取り扱いは周知である。
【0019】
(原稿照明系、図3、図4参照)
LED202は以下に詳述するフレキシブル基板301上に等間隔で主走査方向Aに並置されている。フレキシブル基板301は、プラスチック製の可撓性を有するもので、LED202を発光させるための配線が施されており、弾性材からなる基台302に保持されて第1スライダ208に取り付けられている。
【0020】
LED202からの照明光は成分Laが直接原稿面を照射し、成分Lbがリフレクタ210で反射されて原稿面を照射する。
【0021】
(第1実施形態、図4〜図6参照)
LED202からの原稿照明光は結像レンズ206の特性(コサイン4乗則)に基づいて主走査方向Aの両端部分において減衰してラインセンサ207に入射する。このような光量の減衰を補償するため、本第1実施形態では、フレキシブル基板301をその基台302と共に、両端部分が中央部分よりも原稿面に近づく方向に撓ませるように、かつ、撓み量を調整可能なように構成した。
【0022】
詳しくは、第1スライダ208の主走査方向Aの両端部分にダイヤル401,402を回転自在に設け、該ダイヤル401,402の軸部403に固定した偏心カム404にて基台302の両端部分を押上げ可能としている。
【0023】
基台302の中央部分には突出部303が形成されており、該突出部303は第1スライダ208の図示しない溝部に係合して固定されている。従って、ダイヤル401,402を回転させると、基台302の両端部分が矢印C方向(図6参照)に持ち上げられ、基台302はフレキシブル基板301と共に矢印D方向(図5参照)に撓む。
【0024】
以上の如く、フレキシブル基板301が矢印D方向に撓むことで、主走査方向Aの両端部分に位置するLED202が原稿面に近づき、両端部分の原稿照射光量が大きくなり、結像レンズ206の特性に起因する主走査方向両端部分での光量減衰を補償することができる。即ち、ラインセンサ207への入射光量が主走査方向Aに関して均一な分布になる。
【0025】
フレキシブル基板301の撓み量(光量の補償量)はダイヤル401,402の回転量によって微調整することができる。ダイヤル401,402にはカム404の最大偏心位置を示す目盛405(図6参照)が設けられており、フレキシブル基板301の撓み量の目安となっている。
【0026】
(光量分布、図7〜図10参照)
図7は、フレキシブル基板301が湾曲していない状態での主走査方向に関する原稿面照度分布、即ち、原稿面での主走査方向の反射光量分布を示す。図8は、フレキシブル基板301が湾曲していない状態でのラインセンサ207への入射光量分布を示す。図8に示す入射光量分布は、図7に示した分布の原稿面での反射光が結像レンズ206の特性に基づいて主走査方向両端部分で減衰していることを示している。
【0027】
図9は、フレキシブル基板301を所定量湾曲させた状態での主走査方向に関する原稿面照度分布(反射光量分布)を示す。前記ダイヤル401,402を回転させてフレキシブル基板301を湾曲させることで、主走査方向両端部分の光量が中央部分の光量に比べて多くなっている。
【0028】
図10は、フレキシブル基板301を所定量湾曲させた状態でのラインセンサ207への入射光量分布を示す。図10に示す入射光量分布は、図9に示した分布の原稿面での反射光が結像レンズ206の特性に基づいて主走査方向両端部分で減衰しても、減衰分は原稿面照射時に補償されているため、ラインセンサ207への入射時にはほぼフラットな光量分布に補正されていることを示している。
【0029】
本第1実施形態にあっては、LED202をフレキシブル基板301に設けて該基板301を弾性材からなる基台302と共に撓ませるという簡単な構成、操作によってラインセンサ207への入射光量分布を主走査方向において均一化することができ、精細な画像信号を得ることができる。
【0030】
また、本第1実施形態では、ダイヤル401,402によって両端部分それぞれで独立した光量の微調整が可能であり、ラインセンサ207の出力を確認しながらダイヤル401,402を回転させるという簡単な操作で適正な光量分布を得ることができる。
【0031】
特に、近年では、画像読取り装置の製造ラインにおいて、製造工程中で所定のチャートを読み込み、ラインセンサ207の出力をコンピュータを用いて演算することで走査方向のスキュー、像歪み、MTFなどの調整を行っている。
【0032】
しかしながら、ラインセンサ207への入射光量分布の均一性に関しては、適切な調整方法が確立しておらず、不均一性が見出されると、フレームの歪みなどの原因を突き止めて対策を施し、製造ラインの再開を図る必要があり、手間のかかる作業を強いられていた。あるいは、製造ラインでの不良品発生率を低下させるために想像を超える手の込んだ事前の準備が必要であった。
【0033】
画像読取り装置に前記第1実施形態を適用すれば、製造ラインの途中で基準チャートを読み込ませ、ダイヤル401,402を回転させるという微調整を行うことにより、装置個々のばらつきに対応してラインセン207上での光量分布の合わせ込みが可能である。これにて、従来の製造ライン上の問題点が一掃され、極めて多大で顕著な利点を奏する。
【0034】
(第2実施形態、図11参照)
図11に、本発明の第2実施形態の要部を示す。この第2実施形態は、第1スライダ208のフレームに湾曲面701を形成し、LED202を取り付けたフレキシブル基板301を湾曲面701に沿って貼着したものである。湾曲面701は主走査方向Aの両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲しており、図9及び図10に示した特性の光量分布を得ることができる。
【0035】
(第3実施形態、図12参照)
図12に、本発明の第3実施形態の要部を示す。この第2実施形態は、第1スライダ208のフレームに湾曲面701を形成し、該湾曲面701上に直接LED202を取り付けると共に、点灯用の配線を施したものである。湾曲面701は主走査方向Aの両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲しており、図9及び図10に示した特性の光量分布を得ることができる。
【0036】
なお、第2及び第3実施形態においては、湾曲面701部分を薄肉に構成することにより、湾曲面701を撓ませて主走査方向における原稿面照度分布を微調整することが可能である。
【0037】
(他の実施形態)
なお、本発明に係る原稿読取り装置は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0038】
特に、前記第1実施形態において、第1スライダ208の詳細な構成は任意であり、その他の部材も種々の構成を採用できる。例えば、光量の微調整に偏心カム404に代えてスクリューなどを用いてもよい。また、基本的なスキャン形態として、ミラー移動方式以外に、ラインセンサ移動方式、いわゆる流し撮りタイプを含めた原稿移動方式であってもよい。また、ラインセンサ、レンズ、ミラー等が一体で移動するユニットスキャン(モジュールスキャン)方式であってもよい。
【0039】
さらに、前記LED202は、主走査方向に一列に配置する以外に、複数列に隣接するLED202が千鳥状となるように配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取り装置を搭載した複写機を示す外観斜視図である。
【図2】本発明に係る画像読取り装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図3】前記画像読取り装置の原稿照明系を示す断面図である。
【図4】前記原稿照明系においてフレキシブル基板を装着した状態を示す斜視図である。
【図5】前記原稿照明系において前記フレキシブル基板を取り外した状態を示す斜視図である。
【図6】前記フレキシブル基板の撓み量調整部分を示す斜視図である。
【図7】原稿面照度分布(未調整時)を示すグラフである。
【図8】ラインセンサ入射光量分布(未調整時)を示すグラフである。
【図9】原稿面照度分布(調整時)を示すグラフである。
【図10】ラインセンサ入射光量分布(調整時)を示すグラフである。
【図11】本発明に係る画像読取り装置の第2実施形態の要部を示す断面図である。
【図12】本発明に係る画像読取り装置の第3実施形態の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
101…画像読取りユニット
201…原稿ガラス
202…LED
208…第1スライダ
301…フレキシブル基板
302…弾性基台
401,402…ダイヤル
404…偏心カム
701…湾曲面
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取り装置、特に、原稿面を一方向にスキャンすることにより原稿画像を読み取る画像読取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】
【特許文献1】
特開平9−61745号公報
【0003】
画像や文章を処理するOA機器の分野においては、近年、低コスト化や小型化に加えて、生産性の向上と省電力化の要求がますます強まっていく傾向にある。
【0004】
画像読取り装置においては、従来のハロゲンランプや蛍光灯を光源とする照明系で生産性を向上させるには、大形の電源やインバータを用いて照明光量を上げる必要があり、それにより発生する熱を冷却すべく冷却ファンを設けるなどの対策が必要であった。つまり、画質の劣化なく生産性を向上させることは、低コスト化・小型化・省電力化とは相反するものであった。そこで、小型化・省電力化を目的として発光ダイオードを光源として用いた低コストの照明系が種々開発されている。
【0005】
一方、原稿読取り装置では、原稿面での反射光を結像レンズを介してCCD等のラインセンサに導いている。この場合、レンズの特性(コサイン4乗則)によって周辺部の光量が中央部分に比べて低下してしまい、ラインセンサへの入射光量分布が主走査方向において不均一となるという問題点を有していた。
【0006】
特許文献1には、主走査方向に並置された発光ダイオードからの光の一部をリフレクタで反射させて原稿面に導く光学式読取り装置において、リフレクタの反射面に長手方向の両端部に近づくほど反射率が高くなるコーティングを施すことにより、結像レンズを透過することによる主走査方向両端部での光量の減衰を補償することが開示されている。
【0007】
本発明の目的は、小型化・省電力化を図ると共に、簡単な構成によって結像レンズの特性に起因する光量の減衰を補償でき、ラインセンサ上で主走査方向に均一な光量分布を得ることのできる画像読取り装置を提供することにある。
【0008】
【発明の構成、作用及び効果】
以上の目的を達成するため、第1の発明は、主走査方向に並置された複数の発光素子から放射された光を原稿面に導き、その反射光を結像レンズを介してラインセンサに入射させる画像読取り装置において、前記複数の発光素子が主走査方向に配置されたフレキシブル基板と、該フレキシブル基板の両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように、前記フレキシブル基板を撓ませた状態で保持する保持手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
第1の発明に係る画像読取り装置においては、光源として発光素子を用いることにより、小型化・省電力化を達成できることは勿論、フレキシブル基板を撓ませるという簡単な操作で結像レンズの特性に起因する主走査方向両端部分での光量の減衰を補償し、ラインセンサへの入射光量が主走査方向の全域にわたって均一な分布とすることができる。
【0010】
さらに、前記フレキシブル基板の撓み量を調整する調整手段を備えれば、フレキシブル基板の撓み量を任意に調整することができ、装置個々の特性に合わせた微調整が可能である。
【0011】
第2の発明は、主走査方向に並置された複数の発光素子から放射された光を原稿面に導き、その反射光を結像レンズを介してラインセンサに入射させる画像読取り装置において、基板の表面に前記複数の発光素子が主走査方向に配置されており、該基板の表面両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲していること、を特徴とする。
【0012】
第2の発明に係る画像読取り装置においては、基板の表面(素子配置面)は両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように予め湾曲されているため、複数の発光素子を該基板の表面に取り付けるだけで、結像レンズの特性に起因する主走査方向両端部分での光量の減衰を補償し、ラインセンサへの入射光量が主走査方向の全域にわたって均一な光量分布になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像読取り装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
(複写機の概略構成、図1参照)
図1は、本発明の一実施形態である画像読取りユニット101を搭載した複写機の外観を示す。この複写機は、上段に画像読取りユニット101を搭載し、中段にプリンタ部102及び排紙部104を設け、下段に給紙ユニット103を設けたものである。
【0015】
画像読取りユニット101で読み取られた原稿画像はプリンタ部102にて周知の電子写真プロセスによって図示しない感光体上にトナー画像として形成され、該トナー画像は給紙ユニット103から給紙されたシート上に転写される。その後、用紙はトナーの定着を施されて排紙部104に排出される。
【0016】
(画像読取りユニットの構成、図2参照)
画像読取りユニット101は、図2にその断面を示すように、原稿ガラス201の直下に、第1スライダ208及び第2スライダ209を副走査方向Bに往復動可能に設け、さらに結像レンズ206、CCD等のラインセンサ207を設けたものである。
【0017】
第1スライダ208には、発光ダイオード(以下、LEDと記す)202、リフレクタ210、ミラー203が取り付けられている。第2スライダ209には、ミラー204,205が取り付けられている。これらの部材は主走査方向A(図1参照)に延在している。
【0018】
第1スライダ208は所定の速度Vで、第2スライダ209は速度V/2で、それぞれ副走査方向Bに移動し、このとき、LED202から照射された光は原稿ガラス201上に載置された原稿(図示せず)で反射され、反射光はミラー203,204,205を介して結像レンズ206に導かれ、ラインセンサ207に入射する。このような原稿画像の読取りシステム及び読み取った画像データの取り扱いは周知である。
【0019】
(原稿照明系、図3、図4参照)
LED202は以下に詳述するフレキシブル基板301上に等間隔で主走査方向Aに並置されている。フレキシブル基板301は、プラスチック製の可撓性を有するもので、LED202を発光させるための配線が施されており、弾性材からなる基台302に保持されて第1スライダ208に取り付けられている。
【0020】
LED202からの照明光は成分Laが直接原稿面を照射し、成分Lbがリフレクタ210で反射されて原稿面を照射する。
【0021】
(第1実施形態、図4〜図6参照)
LED202からの原稿照明光は結像レンズ206の特性(コサイン4乗則)に基づいて主走査方向Aの両端部分において減衰してラインセンサ207に入射する。このような光量の減衰を補償するため、本第1実施形態では、フレキシブル基板301をその基台302と共に、両端部分が中央部分よりも原稿面に近づく方向に撓ませるように、かつ、撓み量を調整可能なように構成した。
【0022】
詳しくは、第1スライダ208の主走査方向Aの両端部分にダイヤル401,402を回転自在に設け、該ダイヤル401,402の軸部403に固定した偏心カム404にて基台302の両端部分を押上げ可能としている。
【0023】
基台302の中央部分には突出部303が形成されており、該突出部303は第1スライダ208の図示しない溝部に係合して固定されている。従って、ダイヤル401,402を回転させると、基台302の両端部分が矢印C方向(図6参照)に持ち上げられ、基台302はフレキシブル基板301と共に矢印D方向(図5参照)に撓む。
【0024】
以上の如く、フレキシブル基板301が矢印D方向に撓むことで、主走査方向Aの両端部分に位置するLED202が原稿面に近づき、両端部分の原稿照射光量が大きくなり、結像レンズ206の特性に起因する主走査方向両端部分での光量減衰を補償することができる。即ち、ラインセンサ207への入射光量が主走査方向Aに関して均一な分布になる。
【0025】
フレキシブル基板301の撓み量(光量の補償量)はダイヤル401,402の回転量によって微調整することができる。ダイヤル401,402にはカム404の最大偏心位置を示す目盛405(図6参照)が設けられており、フレキシブル基板301の撓み量の目安となっている。
【0026】
(光量分布、図7〜図10参照)
図7は、フレキシブル基板301が湾曲していない状態での主走査方向に関する原稿面照度分布、即ち、原稿面での主走査方向の反射光量分布を示す。図8は、フレキシブル基板301が湾曲していない状態でのラインセンサ207への入射光量分布を示す。図8に示す入射光量分布は、図7に示した分布の原稿面での反射光が結像レンズ206の特性に基づいて主走査方向両端部分で減衰していることを示している。
【0027】
図9は、フレキシブル基板301を所定量湾曲させた状態での主走査方向に関する原稿面照度分布(反射光量分布)を示す。前記ダイヤル401,402を回転させてフレキシブル基板301を湾曲させることで、主走査方向両端部分の光量が中央部分の光量に比べて多くなっている。
【0028】
図10は、フレキシブル基板301を所定量湾曲させた状態でのラインセンサ207への入射光量分布を示す。図10に示す入射光量分布は、図9に示した分布の原稿面での反射光が結像レンズ206の特性に基づいて主走査方向両端部分で減衰しても、減衰分は原稿面照射時に補償されているため、ラインセンサ207への入射時にはほぼフラットな光量分布に補正されていることを示している。
【0029】
本第1実施形態にあっては、LED202をフレキシブル基板301に設けて該基板301を弾性材からなる基台302と共に撓ませるという簡単な構成、操作によってラインセンサ207への入射光量分布を主走査方向において均一化することができ、精細な画像信号を得ることができる。
【0030】
また、本第1実施形態では、ダイヤル401,402によって両端部分それぞれで独立した光量の微調整が可能であり、ラインセンサ207の出力を確認しながらダイヤル401,402を回転させるという簡単な操作で適正な光量分布を得ることができる。
【0031】
特に、近年では、画像読取り装置の製造ラインにおいて、製造工程中で所定のチャートを読み込み、ラインセンサ207の出力をコンピュータを用いて演算することで走査方向のスキュー、像歪み、MTFなどの調整を行っている。
【0032】
しかしながら、ラインセンサ207への入射光量分布の均一性に関しては、適切な調整方法が確立しておらず、不均一性が見出されると、フレームの歪みなどの原因を突き止めて対策を施し、製造ラインの再開を図る必要があり、手間のかかる作業を強いられていた。あるいは、製造ラインでの不良品発生率を低下させるために想像を超える手の込んだ事前の準備が必要であった。
【0033】
画像読取り装置に前記第1実施形態を適用すれば、製造ラインの途中で基準チャートを読み込ませ、ダイヤル401,402を回転させるという微調整を行うことにより、装置個々のばらつきに対応してラインセン207上での光量分布の合わせ込みが可能である。これにて、従来の製造ライン上の問題点が一掃され、極めて多大で顕著な利点を奏する。
【0034】
(第2実施形態、図11参照)
図11に、本発明の第2実施形態の要部を示す。この第2実施形態は、第1スライダ208のフレームに湾曲面701を形成し、LED202を取り付けたフレキシブル基板301を湾曲面701に沿って貼着したものである。湾曲面701は主走査方向Aの両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲しており、図9及び図10に示した特性の光量分布を得ることができる。
【0035】
(第3実施形態、図12参照)
図12に、本発明の第3実施形態の要部を示す。この第2実施形態は、第1スライダ208のフレームに湾曲面701を形成し、該湾曲面701上に直接LED202を取り付けると共に、点灯用の配線を施したものである。湾曲面701は主走査方向Aの両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲しており、図9及び図10に示した特性の光量分布を得ることができる。
【0036】
なお、第2及び第3実施形態においては、湾曲面701部分を薄肉に構成することにより、湾曲面701を撓ませて主走査方向における原稿面照度分布を微調整することが可能である。
【0037】
(他の実施形態)
なお、本発明に係る原稿読取り装置は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0038】
特に、前記第1実施形態において、第1スライダ208の詳細な構成は任意であり、その他の部材も種々の構成を採用できる。例えば、光量の微調整に偏心カム404に代えてスクリューなどを用いてもよい。また、基本的なスキャン形態として、ミラー移動方式以外に、ラインセンサ移動方式、いわゆる流し撮りタイプを含めた原稿移動方式であってもよい。また、ラインセンサ、レンズ、ミラー等が一体で移動するユニットスキャン(モジュールスキャン)方式であってもよい。
【0039】
さらに、前記LED202は、主走査方向に一列に配置する以外に、複数列に隣接するLED202が千鳥状となるように配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像読取り装置を搭載した複写機を示す外観斜視図である。
【図2】本発明に係る画像読取り装置の第1実施形態を示す断面図である。
【図3】前記画像読取り装置の原稿照明系を示す断面図である。
【図4】前記原稿照明系においてフレキシブル基板を装着した状態を示す斜視図である。
【図5】前記原稿照明系において前記フレキシブル基板を取り外した状態を示す斜視図である。
【図6】前記フレキシブル基板の撓み量調整部分を示す斜視図である。
【図7】原稿面照度分布(未調整時)を示すグラフである。
【図8】ラインセンサ入射光量分布(未調整時)を示すグラフである。
【図9】原稿面照度分布(調整時)を示すグラフである。
【図10】ラインセンサ入射光量分布(調整時)を示すグラフである。
【図11】本発明に係る画像読取り装置の第2実施形態の要部を示す断面図である。
【図12】本発明に係る画像読取り装置の第3実施形態の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
101…画像読取りユニット
201…原稿ガラス
202…LED
208…第1スライダ
301…フレキシブル基板
302…弾性基台
401,402…ダイヤル
404…偏心カム
701…湾曲面
Claims (4)
- 主走査方向に並置された複数の発光素子から放射された光を原稿面に導き、その反射光を結像レンズを介してラインセンサに入射させる画像読取り装置において、
前記複数の発光素子が主走査方向に配置されたフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板の両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように、前記フレキシブル基板を撓ませた状態で保持する保持手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取り装置。 - さらに、前記フレキシブル基板の撓み量を調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像読取り装置。
- 主走査方向に並置された複数の発光素子から放射された光を原稿面に導き、その反射光を結像レンズを介してラインセンサに入射させる画像読取り装置において、
基板の表面に前記複数の発光素子が主走査方向に配置されており、該基板の表面両端部分が中央部分よりも原稿面に近づくように湾曲していること、
を特徴とする画像読取り装置。 - 前記発光素子は発光ダイオードであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の画像読取り装置。
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---|---|---|---|
JP2002381373A JP2004212592A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 画像読取り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004212592A true JP2004212592A (ja) | 2004-07-29 |
Family
ID=32817313
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009061702A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 紫外線照射装置 |
US8081355B2 (en) | 2007-03-05 | 2011-12-20 | Ricoh Company, Ltd. | Illumination unit, image read apparatus, image formation apparatus |
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-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002381373A patent/JP2004212592A/ja active Pending
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