JP2004212257A - 時間分解二次元微弱光検出方法および装置 - Google Patents

時間分解二次元微弱光検出方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】微弱な電磁波から鮮明な映像を得られるようにする。
【解決手段】時間分解二次元微弱光検出装置30は、被写体36にレーザ光34を照射するレーザ出力部32を有する。レンズ系40は、被写体36から放射された蛍光38による被写体36の像をマイクロミラーアレイ42の上に結像する。マイクロミラーアレイ42は、マトリックス状に配置した多数のミラー素子からなっている。ミラー駆動制御部48は、駆動パターン記憶部50からアダマール変調パターンを読み出して各ミラー素子を傾斜させ、受信部60、62に反射光を入射する。受信部60、62の出力信号は、信号処理部52の受光検出部64に入力し、サンプリングデータが反射光量記憶部66に書き込まれる。映像生成部68は、反射光量記憶部66のデータを読み出してアダマール逆変換し、映像を生成して表示部70に表示させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時間分解二次元微弱光検出方法にかかり、特に蛍光などの微弱な電磁波に基づく映像を得るのに好適な時間分解二次元微弱光検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
バイオテクノロジーや生化学などの分野においては、例えば特定のDNAを検出または分析する場合、これとハイブリッドを形成するDNAに蛍光プローブを添加し、レーザ光を照射して蛍光プローブから生じる蛍光の有無により行なっている。そして、従来のDNAの検出における第1の方法は、マトリックス状に配置した多数のDNAチップを順次走査するようにしており、検出に多くの時間を必要とする。また、各チップにレーザ光を照射する時間が短いため、レーザ光の強度を強くする必要があり、試料にダメージを与えるおそれがある。第2の方法は、一度に多数のDNAチップにレーザ光などの励起光を照射し、各DNAチップから生ずる蛍光を一度に検出して二次元映像像を得る装置が開発されている。図8は、そのような装置に用いられる二次元微弱光増幅部と受光部との一例を示したものである(特許文献1)。
【0003】
この映像装置の増幅部10は、光12が入射する光電面14を備えており、光電面14におい光12を電子(光電子)16に変換する。光電面14から放射された電子16は、マイクロチャンネルプレート(MCP)18において増幅(増倍)され、蛍光面20に入射する。蛍光面20は、入射した電子16を光(蛍光)に変換して後段に設けた光ファイバ22に入射する。光ファイバ22は、蛍光面20から放射された光24を受光部であるCCDカメラ26に導く。CCDカメラ26は、入射した光24の強さに応じた電気信号を出力し、図示しない表示部に二次元映像として表示する。
【0004】
このような映像装置の増幅部10においては、ある時刻における映像(画像)、または所定の時間間隔ごとにおける映像を得る場合、タイムゲートと称する時間分解法が用いられる。これは、光電面14に200V程度の直流電圧を印加し、光電面14から電子16が放射されないようにするものである。しかし、時間分解の映像を得る方法としては、効率のよい方法とはいえない。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−176718号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の映像装置の増幅部10と受光部であるCCDカメラ26との組合せでは、光電面14において光12を電子16に変換し、さらにそれを蛍光面20において光24に変換したのち、再びCCDカメラ26によって光24を電子(電気信号)への変換を行なっている。このため、映像装置の増幅部10に入射した光12に対する変換効率が非常に悪く、DNAから生ずる蛍光などの微弱な光に基づく映像を得ることが困難なである場合が多い。また、微細なマイクロチャンネルプレート18の各マイクロキャピラリーと各光ファイバ22、光ファイバ22とCCDカメラ26の各素子とを高精度で対応させることが困難で、1つのマイクロキャピラリーから出力された電子16が他の要素に入射するごとに、次第に周囲に拡散してCCDカメラ26へ伝達され、映像のコントラストが低下して映像がぼやける。
【0007】
さらに、従来、ある時間間隔ごとに映像を得る場合、タイムゲート技術を採用しているが、パルス幅の短い200Vのような高電圧のパルスを短い繰返し時間で発生させることが容易でない。このため、パルス間隔は、数n秒程度が限界であり、1n秒以下の短時間間隔の映像を得ることができない。しかも、CCDカメラ26は、データの読出しに0.1秒ほど必要であり、短い時間間隔で映像を得ることができない。
【0008】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、微弱な電磁波から鮮明な映像を得られるようにすることを目的としている。
また、本発明は、容易に短い時間間隔の映像を得られるようにすることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る時間分解二次元微弱光検出方法は、被写体から放射された電磁波を二次元的に配置した多数の反射体に入射し、これら多数の反射体を予め定めた複数の組合せパターンに従って順次切り替えて駆動し、入射電磁波を2つの方向に反射させ、各方向の反射量に基づいて前記各反射体に入射した電磁波の状態を求めて映像を生成することを特徴としている。多数の反射体はマトリックス状に配置し、複数の組合せは直交変調パターンを構成することとが望ましい。電磁波は、紫外線、可視光線、赤外線などの光である。
【0010】
そして、上記の時間分解二次元微弱光検出方法を利用した時間分解二次元微弱光検出装置は、多数のミラー素子がマトリックス状に配置され、前記被写体が放射した電磁波による像が投影されるマイクロミラーアレイと、このマイクロミラーアレイに対して相互に異なる2方向のそれぞれに配設した一対の受信部と、前記多数のミラー素子に対する予め定めた複数の組合せパターンを記憶した駆動パターン記憶部と、この駆動パターン記憶部に記憶されている前記複数の組合せパターンに従って前記各ミラー素子を順次切り替えて駆動し、各ミラー素子への入射電磁波を前記各受信部側へ反射させるミラー駆動部と、前記組合せパターンの切り替えごとに前記各受信部が受光した反射量を記憶する反射量記憶部と、この反射量記憶部の記憶した反射量に基づいて、前記各ミラー素子への電磁波の入射状態を求め、映像を生成する映像生成部と、有することを特徴としている。
【0011】
駆動パターン記憶部に記憶させた前記複数の組合せパターンは、直交変調パターンを構成するように形成するとよい。そして、照射源を設けて被写体に励起光またはX線を照射することができる。この場合、マイクロミラーアレイに入射する電磁波は、被写体に照射した照射光の直接散乱光、または蛍光やラマン散乱光のような間接的な散乱光である。
【0012】
【作用】
上記のようになっている本発明に係る時間分解二次元微弱光検出方法は、多数の反射体を複数の組合せパターンに従って順次切り替えて駆動し、入射した電磁波を2つの方向に反射させ、各方向の反射量を検出する。そして、多数の組合せパターンによって反射させた量を数学的な処理をすることにより、各反射体に入射した電磁波を求めることができ、映像を生成することができる。従って、従来のようにMCPや光ファイバ、CCDカメラなどを使用する必要がなく、入射した電磁波の他の形態への変換(例えば、光−電気)に伴う信号の劣化を防ぐことができ、極めて微弱な電磁波から鮮明な二次元映像を容易に得ることができる。しかも、各マイクロミラーアレイの回転パターン(駆動)ごとに、光子の到来データを実時間で高速にサンプリングするので、n秒以下の非常に短い時間間隔の二次元映像を得ることができる。従って、時間の経過に伴う被写体の動的変化を容易に把握することができる。
【0013】
反射体をマトリックス状に配置し、反射体の組合せパターンをアダマール変調のような直交変調パターンを構成するように形成すると、受光効率を100%にすることができ、また映像を形成するための処理が容易となり、迅速に映像を生成することができる。反射体に入射する電磁波が蛍光である場合、DNAの検出やタンパク質の検出、細胞の検出などを容易、迅速に行なえる。また、電磁波がX線である場合、被写体にX線を照射し、その反射X線をシンチレータ板などの発光体を介して検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る時間分解二次元微弱光検出方法および装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る時間分解二次元微弱光検出装置の説明図である。なお、この実施形態においては、DNAなどから放射される蛍光を検出する場合について説明する。図1において、時間分解二次元微弱光検出装置30は、照射源となるレーザ出力部32を有しており、所定波長のレーザ光(電磁波)34を多数配置されたDNAチップなどの被写体36に励起光として照射できるようになっている。この被写体36は、レーザ光34が照射されると、原子または分子が励起されて電磁波である所定波長の蛍光38を間接的な散乱光として放射する。そして、被写体36の図1における下方には、レンズ系40が設けてあり、レンズ系40の下方に詳細を後述するマイクロミラーアレイ42が配設してある。レンズ系40は、被写体36が放射した蛍光38を集光するとともに、マイクロミラーアレイ42の面上に蛍光38による被写体36の像を結像するようになっている。
【0015】
マイクロミラーアレイ42は、図2に示したように、反射体である多数の微小なミラー素子44から構成してある。これらのミラー素子44は、例えば10μm×10μm程度の大きさのシリコン(Si)からなっていて、マトリックス状に配置してある。また、各ミラー素子44は、下部に図示しないスタティックRAM(SRAM)が設けてあって、このSRAMに駆動情報が書き込んである。そして、各ミラー素子44は、相互に独立して駆動(傾斜)可能となっている。すなわち、各ミラー素子44は、図1に示したミラー駆動部46により、それぞれが図2に示したミラー素子44A、44Bのように、図2の時計方向(これを+側とする)とその反対の反時計方向(−側)とに同じ角度傾斜し、入射した蛍光38を2つの方向に反射することができるようにしてある。このミラー素子44の駆動(回転)は、静電気力により行なわれる。
【0016】
ミラー駆動部46は、ミラー駆動制御部48に接続してある。また、ミラー制御部48には、駆動パターン記憶部50が接続してある。この駆動パターン記憶部50には、多数のミラー素子44を予め定めた組合せによって駆動するための複数の組合せパターンが記憶させてある。これらの組合せパターンは、詳細を後述するように、直交変調パターンを構成するように形成してある。そして、ミラー駆動制御部48は、駆動パターン記憶部50から組合せパターン(駆動パターン)を読み出してミラー駆動部46に駆動信号を与えるとともに、この駆動信号に同期したタイミング信号をレーザ出力部32と、コンピュータなどからなる信号処理部52に出力する。
【0017】
各ミラー素子44が傾斜して反射した蛍光(反射光)52、54は、レンズ系56、58を介して受信部60、62に入射するようにしてある。受信部60、62は、入射する反射光(蛍光)52、54の波長が例えば300〜600nm程度である場合、光電子増倍管やシリコンアバランシェフォトダイオード(Si−APD)によって形成することができる。また、受信部60、62は、反射光52、54の波長が600nm以上である場合、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)などの化合物半導体によって構成することができる。
【0018】
一方、信号処理部52は、受光量(反射光量)検出部64と、この受光量検出部64の出力側に設けた反射光量記憶部66、反射光量記憶部66に接続した映像生成部68を有している。受光量検出部64には、受信部60、62の出力信号(S、S)が入力するようになっている。また、反射光量記憶部66は、ミラー駆動制御部48の出力する信号に同期して受光量検出部64の出力信号を記憶するようになっている。そして、映像生成部68は、反射光量記憶部66に書き込まれたデータに基づいて、詳細を後述するように、マイクロミラーアレイ42に結像した像を生成して表示部70に出力して表示させる。また、映像生成部68は、図示しないプリンタやハードディスクなどの記憶装置に接続してある。
【0019】
受光量検出部64は、図3(1)に示したように、差動加算器(差動増幅器)72と差動加算器72の出力パルスをサンプリングするA/D変換器74とから構成してある。そして、差動加算器72の非反転入力端子には受信部60の出力信号Sが入力するようになっており、反転入力端子には受信部62の出力信号Sが入力するようになっている。また、A/D変換器74の出力側には、反射光量記憶部66が接続してある。
【0020】
前記したように、駆動パターン記憶部50に記憶させたミラー素子44を駆動する各組合せパターンは、直交変調パターンを構成するように形成してある。この直交変調パターンとしては、2値直交変調パターンであるアダマール行列の各行に対応した変調パターンが適している。アダマール行列は、要素が「+1」と「−1」とからなっていて、対角線に沿って対象位置にある要素が同じである対称行列となっている。例えば、一次のアダマール行列H(1) を具体的に書くと、
【数1】
Figure 2004212257
のようになる。また、二次、三次のアダマール行列H(2) 、H(3) は、数式2、数式3のように書くことができる。
【数2】
Figure 2004212257
【数3】
Figure 2004212257
【0021】
すなわち、アダマール行列は、一般的に次の漸化式によって定義することができる。
【数4】
Figure 2004212257
ただし、数式4において、kは次数を示す。
【0022】
そこで、実施形態においては、図2の時計方向に傾斜するミラー素子44を「+1」、反時計方向に傾斜するミラー素子を「−1」に対応させたアダマール行列に基づく組合せパターンを形成し、駆動パターン記憶部50に記憶させてある。例えば、マイクロミラーアレイ42が図4に示したように、8×8個のミラー素子44によって形成してある場合、列と行との組合せパターンは、それぞれ符号76、78のようになる。なお、図4において斜線を施したミラー素子44が「+1」であり、白抜きのミラー素子44が「−1」を表している。
【0023】
このようになっている実施形態の時間分解二次元微弱光検出装置30は、測定開始信号が与えられると、ミラー駆動制御部48が駆動パターン記憶部50から組合せパターンを順次読み出し、それに応じた駆動制御信号をミラー駆動部46に出力する。例えば、マイクロミラーアレイ42が図4である場合、ミラー駆動制御部48は、まず、行または列のいずれか(例えば列とする)の0次の組合せパターンを読み出し、ミラー駆動部46を介してマイクロミラーアレイ42の各列のメモリに0次の組合せパターンを記憶させる。そして、ミラー駆動制御部48は、各列のメモリが0次のパターンを記憶している間に、各行をすべての行の組合せパターン、すなわち0次〜7次の行パターンを順次読み出し、これらの組合せパターンに従って各行のメモリに記憶させる。ミラー駆動部46は、各ミラー素子44を行と列とのメモリデータの積に従って傾斜させる。
【0024】
ミラー駆動制御部48は、列方向の0次の組合せパターンに対する各行についてすべての組合せパターンによる駆動が終了すると、各列のメモリに1次の組合せパターンを記憶させる。そして、ミラー駆動制御部48は、各列のメモリが1次のパターンを記憶している間に、各行を0〜7次の行パターンに従って変化(傾斜)させる。このようにして、ミラー駆動制御部48は、列と行とについてすべての組合せパターンに対応した駆動信号を出力する。すなわち、ミラー駆動制御部48は、マイクロミラーアレイ42がN×N個のミラー素子44によって構成されている場合、N個の切替え信号を出力する。これにより、マイクロミラーアレイ42には、図5に示したようなN個の駆動パターンが与えられる。なお、各ミラー素子44に与えられる駆動信号は、行と列の組合せが「1」と「1」とである場合「1」、「1」と「−1」とである場合「−1」、「−1」と「−1」とである場合「1」である。
【0025】
ミラー駆動制御部48は、図6(1)に示したように、ミラー駆動部46に組合せパターンの切替えに対応したマイクロミラーアレイ42の駆動信号(駆動パルス)を出力するごとに、同図(2)に示したように、レーザ出力部32に対してレーザ出力パルスを出力する。また、ミラー駆動制御部48は、レーザ出力パルスを出力すると、同図(3)に示したようなサンプリングパルスを信号処理部52に出力する。そして、レーザ出力部32は、ミラー駆動部48からレーザ出力パルスが入力すると、レーザ光34を放射して被写体36に励起光として照射する。レーザ光34が入射した被写体36は、蛍光プローブ(図示せず)などの蛍光体が励起されて蛍光38を放射する。この蛍光38は、レンズ系40を介してマイクロミラーアレイ42の面に入射し、被写体36の像を結ぶ。
【0026】
マイクロミラーアレイ42に入射した蛍光38は、傾斜しているミラー素子44によって反射させられ、受信部60または受信部62に入射する。そして、受信部60、62は、反射光(光子)の検出信号S、Sを信号処理部52の差動加算器72に入力する(図3(1)参照)。差動加算器72は、差動加算器72は、非反転入力端子にSが入力すると、同図(2)に示したようにプラスのパルスを出力し、反転入力端子にSが入力すると、マイナスのパルスを出力する。これらのパルスは、マイナスとプラスごとにA/D変換器74によってサンプリング(検出)される。
【0027】
ミラー駆動制御部48は、レーザ出力部32に出力タイミング信号を与えると、図6(3)のように、一定の時間間隔、例えば0.1n秒ごとにサンプリングパルスを信号処理部52に与える。信号処理部52は、入力するサンプリングパルスに同期してA/D変換器74の出力を読み込み、サンプリング番号を付して反射光量記憶部66に書き込む。すなわち、サンプリングパルスは、時間の関数として記憶される。ミラー駆動制御部48は、以下同様にしてすべての組合せパターンについての処理を終了すると、信号処理部52に映像生成命令を与える。信号処理部52の映像生成部68は、反射光量記憶部66に書き込まれたサンプリングデータを読み出し、これらのデータをアダマール逆変換し、各ミラー素子44からの反射光量の状態、すなわち各ミラー素子44への蛍光38の入射状態を求めて二次元映像を生成する。なお、レーザ光34は、ミラー素子44の1つの組合せパターンについて複数回放射してもよい。
【0028】
サンプリングされたディジタルなデータ数列{X(m)}に対するアダマール変換は、次のように表される。
【数5】
Figure 2004212257
ただし、ここにH(k)は、N行N列のアダマール行列であり、X(k)、Y(k)は、N個の要素をもつ次のような行列ベクトルである。
【数6】
Figure 2004212257
【数7】
Figure 2004212257
ここに、数式5、数式6のTは、転置を表す。
【0029】
(k)は、直交行列であって、N行N列の単位行列をE(k)とすると、
【数8】
Figure 2004212257
と書くことができる。そして、H(k)の逆行列は、規格化因子を除けばそれ自身に等しいので、
【数9】
Figure 2004212257
と書くことができる。
【0030】
上記の性質から、アダマール逆変換は、アダマール変換そのものと同じになり、次のように表すことができる。
【数10】
Figure 2004212257
そして、二次元時間依存アダマール変換は、
【数11】
Figure 2004212257
【数12】
Figure 2004212257
と表される。従って、二次元時間依存アダマール逆変換は、
【数13】
Figure 2004212257
【数14】
Figure 2004212257
となる。ただし、X(k)(t)、Y(k)(t)、H(k)は、N×N行列である。また、k=logNである。
【0031】
このようにして、映像生成部68は、反射光量記憶部66から読み出したデータをアダマール逆変換し、マイクロミラーアレイ42の各ミラー素子44に入射した蛍光38の量を求めて映像を生成し、表示部70に出力して表示させ、また図示しないプリンタや記憶装置に出力する。
【0032】
このように、実施の形態の時間分解二次元微弱光検出装置30は、被写体36からの蛍光38をマイクロミラーアレイ42に入射し、これをアダマール変換行列を構成する組合せパターンに従って2つの方向に反射し、その反射光量を検出して映像を求めるようにしているため、信号が減衰して劣化するのを防ぐことができ、非常に微弱な蛍光38であっても鮮明な二次元映像を得ることができる。また、ミラー素子44を切り替えて反射光量を測定するため、迅速な切り替えが可能であり、非常に短い時間間隔の二次元映像を得ることができる。従って、時間経過における被写体36の動的変化を容易に把握することができる。しかも、各ミラー素子44は、必ず+側または−側に傾斜しているため、各サンプリングごとにマイクロミラーアレイ42に入射した蛍光38のほぼ100%を検出することになり、検出効率が向上して迅速な映像の生成を行なうことができる。
【0033】
なお、前記実施形態においては、励起光がレーザ光34である場合について説明したが、赤外線や紫外線などであってもよい。また、直交変調パターンは、アダマール変調パターンでなくともよい。
【0034】
なお、照射源を前記実施形態のレーザ出力部32に代えてX線照射装置を用いる場合、シンチレータ板などの発光体にX線を当て、発光体が放射する光について上述の方法を適用することができる。
【0035】
図7は、上記のようにして得られる時間分解二次元映像の例を示したものであって、同図に示したように、サンプリングパルスごとの二次元映像を求めることができる。すなわち、短い時間間隔の映像を容易に得ることができ、被写体の時間的変化を正確に把握することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、多数の反射体を複数の組合せパターンに従って順次切り替えて駆動し、反射させた量を数学的な処理をすることにより、各反射体に入射した電磁波を求めることができ、映像を生成することができる。従って、従来のようにMCPや光ファイバ、CCDカメラなどを使用する必要がなく、入射した電磁波の他の形態への変換(例えば、光−電気)に伴う信号の劣化を防ぐことができ、極めて微弱な電磁波から鮮明な二次元映像を容易に得ることができる。しかも、各マイクロミラーアレイのパターンごとに実時間で到来光のデータを高速(数Gサンプル/秒以上)に受信するようにしているため、n秒以下の非常に短い時間間隔の時間分解二次元映像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る時間分解二次元微弱光検出装置のブロック図である。
【図2】実施形態に係るマイクロミラーアレイの詳細説明図である。
【図3】実施形態に係る受光量検出部の詳細説明図と動作を説明する図である。
【図4】実施形態に係る組合せパターンの説明図である。
【図5】実施形態に係る組合せパターンの一例を示す図である。
【図6】実施形態の時間分解二次元微弱光検出装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図7】実施形態の時間分解二次元微弱光検出装置により得た映像の例を模式的に示す図である。
【図8】従来の時間分解二次元微弱光検出装置の一例の説明図である。
【符号の説明】
30………時間分解二次元微弱光検出装置、32………照射源(レーザ出力部)、34………励起光(レーザ光)、36………被写体、38………電磁波(蛍光)、42………マイクロミラーアレイ、44………ミラー素子、46………ミラー駆動部、48………ミラー駆動制御部、50………駆動パターン記憶部、52………信号処理部、60、62………受信部、64………受光検出部、66………反射光量記憶部、68………映像生成部、76、78………組合せパターン(アダマール変調パターン)。

Claims (8)

  1. 被写体から放射された電磁波を二次元的に配置した多数の反射体に入射し、これら多数の反射体を予め定めた複数の組合せパターンに従って順次切り替えて駆動し、入射電磁波を2つの方向に反射させ、各方向の反射量に基づいて前記各反射体に入射した電磁波の状態を求めて映像を生成することを特徴とする時間分解二次元微弱光検出方法。
  2. 請求項1に記載の時間分解二次元微弱光検出方法において、前記多数の反射体はマトリックス状に配置してあり、前記複数の組合せは直交変調パターンを構成していることを特徴とする時間分解二次元微弱光検出方法。
  3. 請求項1または2に記載の時間分解二次元微弱光検出方法において、
    前記電磁波は、前記被写体に照射した照射光の直接散乱光、または蛍光やラマン散乱光のような間接的な散乱光であることを特徴とする時間分解二次元微弱光検出方法。
  4. 請求項1または2に記載の時間分解二次元微弱光検出方法において、
    前記電磁波は、X線をシンチレータ板等で受けたとき放射する光であることを特徴とする時間分解二次元微弱光検出方法。
  5. 多数のミラー素子がマトリックス状に配置され、前記被写体が放射した電磁波による像が投影されるマイクロミラーアレイと、
    このマイクロミラーアレイに対して相互に異なる2方向のそれぞれに配設した一対の受信部と、
    前記多数のミラー素子に対する予め定めた複数の組合せパターンを記憶した駆動パターン記憶部と、
    この駆動パターン記憶部に記憶されている前記複数の組合せパターンに従って前記各ミラー素子を順次切り替えて駆動し、各ミラー素子への入射電磁波を前記各受信部側へ反射させるミラー駆動部と、
    前記組合せパターンの切り替えごとに前記各受信部が受光した反射量を記憶する反射量記憶部と、
    この反射量記憶部の記憶した反射量に基づいて、前記各ミラー素子への電磁波の入射状態を時間の関数として求め、映像を生成する映像生成部とを、
    有することを特徴とする時間分解二次元微弱光検出装置。
  6. 請求項5に記載の時間分解二次元微弱光検出装置において、
    前記駆動−パターン記憶部に記憶させた前記複数の組合せパターンは、直交変調パターンを構成していることを特徴とする時間分解二次元微弱光検出装置。
  7. 請求項5または6に記載の時間分解二次元微弱光検出装置において、
    前記被写体に励起光を照射する照射源を有し、前記マイクロミラーアレイに入射する電磁波は、前記被写体に照射した照射光の直接散乱光、または蛍光やラマン散乱光のような間接的な散乱光であることを特徴とする時間分解二次元微弱光検出装置。
  8. 請求項5または6に記載の時間分解二次元微弱光検出装置において、
    前記被写体にX線を照射する照射源を有し、前記マイクロミラーアレイに入射する電磁波は、X線をシンチレータ板等で受けたとき放射する光であることを特徴とする時間分解二次元微弱光検出装置。
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