JP4488930B2 - レーザ計測装置 - Google Patents
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対象物の3次元位置情報を取得するには、種々の方法が知られている。
複数のカメラを搭載したシステムでは撮影画像を用いて対象物の位置情報を取得し、また複数の距離センサを用いたシステムでは対象物の距離情報を距離センサから取得する。また、カメラと距離センサを組み合わせたシステムでは対象物の撮影画像と距離情報を取得して対象物の3次元位置情報を取得する。
また、軍事、保安用レーザレーダとして、また火星探査ロボットとして、対象物の3次元位置情報を取得することが望まれている。
また、複数のカメラを搭載したシステムでは、複数のカメラで異なる方向から撮影した対象物の撮影画像から対象物の3次元画像を取得する方法が知られている。(非特許文献2)。
また、レーザ光を対象物上にスリット投影して、対象物に投影されたスリット状のレーザ光の変形状態を用いて対象物の3次元形状を知る方法が知られている(非特許文献3)。
例えば、上記非特許文献1では、3次元位置情報を所望の分解能で取得する際、ポリゴンミラーやガルバノミラーを回転させて反射させレーザ光の光束を絞って対象物上でレーザ光を走査させるが、このとき、光束の大きいレーザ光を反射する大型のポリゴンミラーやガルバノミラーを高速に回転させて3次元位置情報を取得するのには限界がある。さらに、屈曲した狭深部の底面にレーザ光を照射することも困難である。さらに、測定対象物上ではレーザ光のスポットを絞る必要があるので、測定対象物はレーザ光の照射エネルギに耐え得る材料に限られる。このように、狭深部の底面や屈曲した狭深部の底面の3次元形状の情報を取得することは困難である。
このような測定対象物における3次元位置情報の取得は、複雑な形状をした部品を扱う自動車分野、電子工学分野、バイオ分野、ロボット光学分野等において望まれている。
装置10は、複数(n個)のレーザ光を同一の出射位置から出射させて、狭深部S中の測定対象物Tに照射し、このときの測定対象物Tからの反射光を受光することにより取得される、測定対象物Tの3次元位置情報及び測定対象物Tの表面における反射率を用いて、3次元画像情報を取得する装置である。図1中、測定対象物Tは、狭深部Sの底面である。
コンピュータ14は、本体部12から出力される信号を用いてデータ処理を行う他、本体部12の各ユニットの駆動や駆動のタイミングを制御する制御部分でもある。
イメージングファイバ13bには、一方の端部に測定対象物Tからの反射光を収束させる対物レンズ13cが、他方の端部に接眼レンズ13dが設けられ、ファイバコネクタ13eを介して、レーザ光の反射光を光学ユニット30に導くように構成されている。イメージングファイバ13bは、径の小さい約10000〜20000本のファイバが束ねられて構成されたものである。
本体部12は、レーザ光出射ユニット20と、光学ユニット30と、レーダ回路ユニット40と、制御回路ユニット50とを有する。制御回路ユニット50は、コンピュータ14と接続されている。
また、本実施形態ではレーザダイオードのレーザ光は、1本のライトガイドファイバ13aを経由して伝送される同一波長の照射光であるが、波長の異なるレーザ光であってもよい。この場合、例えばR(赤)、G(緑)及びB(青)の3原色の可視レーザ光を同一の領域に照射することによって、後述するように測定対象物Tの表面における3原色の反射率を得ることができ、3次元カラー画像情報として取得することができる。
プリズム33は、後述する空間変調素子34とともに用いて、空間変調素子34のマイクロミラーで反射したレーザ光を、斜行面33aで透過あるいは全反射させる部分である。
具体的には、プリズム33は、空間変調素子34のマイクロミラーのうち、所定の向きに反射面の向いたマイクロミラー(ON状態のマイクロミラー)にて反射されたレーザ光のみプリズム33の斜行面33aを透過させ、所定の向きに反射面が向かないマイクロミラー(OFF状態のマイクロミラー)にて反射されたレーザ光を斜行面33aで全反射させるように配置される。
ON状態にあるマイクロミラーAの反射面で反射したレーザ光はレンズ36を介して光電変換器38に導かれ、OFF状態にあるマイクロミラーBの反射面で反射したレーザ光は光電変換器38と異なる方向に反射する。このように、ON状態にあるマイクロミラーで反射されたレーザ光は光電変換器38にて受光される。
空間変調素子34は、各マイクロミラーの状態をON状態/OFF状態に切り換えるためのマイクロミラー制御器35と接続されている。マイクロミラー制御器35の制御により、全マイクロミラーのうち半数以上がON状態となるマイクロミラーの異なる制御パターンに順次切り換えられる。
図4(a)は、64個(=8個×8個)のマイクロミラーアレイの空間変調素子34について、マイクロミラーの反射面の側から見た制御パターンの一例を説明する図である。
マイクロミラーは、縦方向に8列、横方向に8列、矩形形状に配列されている。図4(a)中、灰色のマイクロミラーはON状態、白色のマイクロミラーはOFF状態を示している。
このような制御パターンは、ON状態のマイクロミラーが全マイクロミラーの50%以上占める制御パターンである。制御パターンは、後述する制御回路ユニット50にて作成される制御パターン信号で制御される。
一方、空間変調素子34において制御しようとするマイクロミラーの縦方向及び横方向の位置における、横方向の1次元制御パターン及び縦方向の1次元制御パターンの値(1又は−1)をそれぞれ参照し、縦方向の値と横方向の値の積が1になる場合、制御しようとするマイクロミラーはON状態に、積が−1となる場合マイクロミラーはOFF状態に設定する。例えば、3行5列の位置にあるマイクロミラーMの、横方向の1次元制御パターンの値は−1であり、縦方向の1次元制御パターンの値は−1であり、積は1である。このことから、マイクロミラーMはON状態に設定される。こうしてON状態のマイクロミラーの数が全マイクロミラーの数の50%以上となる制御パターンの制御パターン信号が作成される。
この場合、マイクロミラーの制御パターンは、横方向の1次元制御パタ−ン及び縦方向の1次元制御パターンを組み合わせて64通り(=8×8)作成でき、この64個の異なる制御パターンを順次切り換えるように制御パターン信号が作成される。
このように制御パターンは、アダマール行列の選択された各行同士のテンソル積によって生成される。
このように空間変調素子34は、異なる制御パターンに順次切り替えながら測定対象物Tから到来するレーザ光を反射する。
光電変換器38は、受光したレーザ光を電気信号に変換する部分であり、光電子倍増管やアバランシェフォトダイオード等のデバイスが設けられている部分である。これらのデバイスからそれぞれ電気信号が出力される。なお、光電変換器38に設けられる上記デバイスの数は限定されず、複数個でもよく、又1個であってもよい。これらのデバイスは複数のマイクロミラーの異なる領域で反射されたレーザをそれぞれ別々に受光するようにデバイスを配置してもよい。こうすることによりON状態のマイクロミラーで反射されるレーザ光を別々に受光し、短時間に3次元画像情報を取得することができる。なお、上記デバイスは用いるレーザ光によって適するデバイスが異なり、例えば近赤外(800〜1200μm)のレーザ光にはアバランシェフォトダイオードが、可視帯域(400μm〜800μm)のレーザ光にはアバランシェフォトダイオード又は光電子倍増管が好適に用いられる。
具体的には、レーダ回路ユニット40は、発振器41、パワースプリッタ42、増幅器43、移相器44、増幅器45、パワースプリッタ46、8つのミキサ47(47a〜47h)及びミキサ47a〜47hのそれぞれに対応した増幅器48(48a〜48h)を有する。
移相器44は、RF変調信号を位相シフトさせることなく通過させ、また位相制御信号に応じて90度位相シフトさせて位相シフト変調信号を生成し、これらの信号を、増幅器45を介してパワースプリッタ46に供給する部分である。
パワースプリッタ46は、光電変換器38の複数の光電子倍増管等のデバイスに対応して設けられたミキサ47a〜47hにRF変調信号又は位相シフト変調信号を分配する部分である。
なお、本実施形態では、位相器44及びミキサ47a〜47hを用いて、位相をシフトさせないローカル信号とRF変調信号の位相を90度シフトさせたローカル信号を生成して、信号の合成を行うが、位相器44及びミキサ47a〜47hの替わりに、IQ(In-phase, Quadrature-phase)ミキサを用いることもできる。
制御回路ユニット50は、システム制御器51、ローパスフィルタ52、増幅器53及びA/D変換器54を有する。
ローパスフィルタ52は、レーダ回路ユニット40から出力された中間周波数信号(IF信号)と高次成分を含んだ信号をフィルタ処理して高次成分を除去し、時間変調されたレーザ光の位相情報及びPN符号化変調信号の情報を含んだ中間周波数信号とする部分である。中間周波数信号は、増幅器53で増幅された後、A/D変換器54で中間周波数デジタル信号とされ、コンピュータ14に供給される。
なお、レーザ回路ユニット40から出力される信号は、光電変換器38の8つの光電子倍増管毎に独立に出力され、それぞれ別々にフィルタ処理、増幅、A/D変換されて、コンピュータ14にパラレル信号として供給される。
CPU60は、本体部12の各ユニットを駆動、制御する各種信号を制御回路ユニット50に作成するように指示し、また後述するデータ処理部64の各処理の演算を実質的に行う部分である。
信号変換部66は、中間周波数デジタル信号を、制御パターン信号及びPN符号化変調信号を用いて変換する部分である。
制御パターン信号は、コンピュータ14の指示に従って制御回路ユニット50で作成される信号であるため、制御パターン信号は既知であり、この制御パターン信号を用いて信号変換される。
アダマール行列の各行同士は直交性を有する(各行同士の内積は0となる)ことから、アダマール行列の各行の成分同士のテンソル積にて得られる、制御パターンを表す合成行列も合成行列同士で互いに直交性を維持する。上記アダマール逆変換の処理は、上記合成行列の逆行列を用いて逆変換する処理であるが、この逆変換は、合成行列が直交性を有することから、規格化因子を除き上記合成行列を用いて行うアダマール変換と同様の処理内容となる。これにより、アダマール変換の処理を用いて、各マイクロミラー毎に反射されるレーザ光の情報を容易に分解することができる。
なお、アダマール逆変換にて求められる受光したレーザ光の情報は、複数のレーザダイオード24から出射されるレーザ光が互いに重畳されている。このため、以下に示すようにレーザ光の出射の際に時間変調に用いたPN符号化変調信号の自己相関性及び直交性を利用して各レーザ光に対応した中間周波数デジタル信号に分解する。PN符号化変調信号の自己相関性及び直交性については後述する。
図6は、PN符号化変調信号の一例を示す図である。図6では、PN符号化変調信号の1周期分が示されている。
PN符号化変調信号は値が0又は1からなる信号で、一定の時間間隔シフトすることによって相関関数の値が0又は−1/n(nは後述する系列符号の長さ)となる。
PN符号化変調信号は、一例を挙げると以下のように作成される符号化系列データを用いて信号化することができる。
次数k=5、符号系列の長さn=31とし、係数h1=1,h2=1,h3=0,h4=1,h5=1とし、初期値a0=1,a1=1,a2=0,a3=1,a4=0としたとき下記式(1)に示す漸化式で一意的にPN系列符号C={ak}(kは自然数)を求めることができる。
この符号化系列信号を生成するために用いられる系列符号C,Tq1・C,Tq2・Cは、互いに直交する特性を有するので、生成される符号化系列信号も互いに直交する性質を有する。
すなわち、系列符号CとC’は自己相関性を持ち、かつ直交性を有するといえる。
このようなPN系列符号の値を0,1として時系列信号としたのがPN符号化系列信号である。したがって、PN符号化変調信号も互いに自己相関性及び直交性を有する。このことから、図6におけるC1の信号と、C2〜C5の信号の相関関数を求めると値が0となる。
このようにして、信号変換部66は、アダマール逆変換及びPN符号化変調信号の自己相関性及び直交性を利用した分解(符号化識別変換)によりPN符号の復号を行い、これにより、中間周波数デジタル信号から各マイクロミラーの反射位置における各レーザ光の時間変調の信号情報を取得することができる。
なお、PN符号化変調信号による時間変調は100KHz〜10MHzの周波数で行われ、RF変調信号によるレーザ光の時間変調の周波数(50MHz〜10GHz)に比べて低周波である。
具体的には、本体部12のレーザ光出射ユニット20のレーザダイオード22から測定対象物Tまでの距離と測定対象物Tの表面上の反射点からレンズ32に至るまでの距離をρ、RF変調信号の波長をλ、RF変調信号の周波数をf、光速度をc、各レーザ光の信号の、RF変調信号に対する位相ずれをθとすると、距離ρは、下記式(5)を介して下記式(6)のように表すことができる。
なお、距離ρはレーザダイオード22から測定対象物Tの表面上の反射点を経由して光学レンズ36までの距離であるが、この距離ρを知れば十分である。光学レンズ32から光電変換器38の受光面までの光路の距離、さらにはミキサ47にいたる伝送線路の距離は既知であるため、予め定められた補正式等を用いて正しい値に修正することができる。
距離情報算出部68は、具体的には、信号変換部66で算出された各マイクロミラーの反射位置における各レーザ光毎の信号情報を取得する。この信号情報は、ミキサ47へ入る参照信号であるRF変調信号の位相シフトを0としたときr・cos(θ)(rは測定対象物の表面における反射率、θは位相ずれ)となり、RF変調信号を90度位相シフトさせたときr・sin(θ)となることから、距離情報算出部68は、これらの信号を用いて位相ずれθを算出する。
具体的には、図7(a)に示すように、光学レンズ32の中心を原点OとしてXYZ直交座標系を定め、レーザダイオード22の出射位置を点Q(位置座標(a,b,c)とする)、測定対象物Tの反射位置を点P(位置座標(x,y,z)とする)、点Pで反射したレーザ光が向かう空間変調素子34のON状態にあるマイクロミラーの位置R(位置座標(−x0,−y0,−z0)とする)とする。このとき、図7(b)に示すように、距離POは、レンズ32の倍率mと距離ROとを用いてPO=m×ROと表すことができる。なお、マイクロミラーの位置Rのうちz0は装置固有の寸法として設定されている。
一方、距離ρは下記式(7)で表すことができる。また、点Pの位置x,y,zは、下記式(8)で表すことができることから、式(7)及び式(8)を用いて倍率mは下記式(9)で表すことができる。
距離情報算出部68において説明したように、信号変換部66では、各マイクロミラーの反射位置における各レーザ光の信号情報が、RF変調信号の周波数別に算出され、これが反射率算出部72に供給される。この信号は、ミキサ47へ入る参照信号であるRF変調信号の位相シフトを0としたときに得られる信号情報は上述したようにr・cos(θ)となり、RF変調信号を90度位相シフトさせたときに得られる信号情報はr・sin(θ)となる。これら2つの信号情報の値から反射率算出部72は反射率rを算出する。
装置10は、以上のように構成される。
図8(a)〜(d)は、装置10の駆動の際に生成される各種トリガ信号のタイミングチャートである。
次に、システム制御器51では、空間変調素子34を所定の制御パターンでマイクロミラーを制御するようにフレームトリガ信号が生成される。フレームトリガ信号とは、空間変調素子34の制御パターンを切り換えるためのトリガ信号であって、上述したようにマイクロミラーのON状態の配列を所定のパターンに制御した制御パターンを順次切り換えるためのトリガ信号である。
フレームトリガ信号が生成されると、所定の周波数fで変調されたレーザ光が複数同時に出射される。その際、光電変換器38における受光においてどのレーザ光を受光したのか識別可能としなければならない。このため各レーザ光をPN符号化変調信号によって時間変調(レーザ光の出射のON/OFF)するために、システム制御器51はレーザ光毎に互いに異なるPN符号化変調信号を生成しレーザドライバ24a〜24hに供給する。
すなわち、レーザ光の強度は周波数fで時間変調されるとともに、さらに、PN符号化変調信号によるレーザ光の出射のON/OFFにより時間変調される。周波数数fは50MHz〜10GHzであり、PN符号化変調信号による出射のON/OFFの切換周波数は100KHz〜10MHzであり、時間変調の周波数範囲が互いに大きく異なる。
ミキサ47では、増幅器48から供給された電気信号を2つのローカル信号のそれぞれでミキシング(乗算)し、IF信号及び高次成分からなる信号が生成される。IF信号には、周波数fの時間変調の信号情報と、PN符号化変調信号による時間変調の信号情報が含まれる。
さらに、生成された信号からローパスフィルタ52により高次成分が除去され、周波数fの時間変調の信号情報とPN符号化変調信号による時間変調の信号情報とからなるIF信号が生成される。
こうして増幅器53を介してA/D変換器54に取り込まれ、順次サンプリングクロック信号(図8(d)参照)に従ってサンプリングされ、中間周波数デジタル信号とされ、コンピュータ14に供給される。
信号変換部66では、各モードの中間周波数デジタル信号を用いて、アダマール逆変換及び符号化識別変換が行われる。
各モード毎に定められるマイクロミラーのON状態の制御パターンは、アダマール行列の各行間のテンソル積を利用したパターンを用いるので、この各モードの制御パターン毎に得られた中間周波数デジタル信号を用いてマイクロミラー毎の中間周波数デジタル信号に分解する。この分解はアダマール逆変換を利用して行われる。
こうして3次元位置情報算出部70及び反射率算出部72で求められた3次元位置情報及び反射率がディスプレイ16に供給されて、測定対象物Tの3次元画像が表示される。
なお、反射率riは測定対象物Tの表面の反射率を表し、例えばレーザ光が赤、緑及び青の3原色の可視レーザ光であれば、3原色における測定対象物Tの表面における反射率を求めることができる。すなわち、測定対象物Tの表面の色情報を取得することができ、測定対象物Tの3次元カラー画像を取得することができる。
このように、装置10は、空間変調素子34を用いるので、従来のように、レーザ光を反射する大型のポリゴンミラーやガルバノミラーを高速に回転させる必要が無く、図2に示す光学レンズ32として大口径のものを用いることができる。これにより、レーザ光の集光能力も増大するので、遠方の測定対象物を低出力のレーザ光を用いて短時間に3次元画像を取得することができる。
なお、上記実施形態では、狭深部Sにガイドファイバ13を挿入して測定対象部Tの3次元位置情報を取得するが、測定対象物Tは狭深部Sに限定されるわけではない。例えば、平面上の微小部分であってもよい。ガイドファイバ13をこの微小部分近づけて、レーザ光を照射することで、極めて容易に微小部分の表面形状を知ることもできる。
この場合、図2に示す装置の光電変換器38の前面に、図9に示すようにレーザ光を除去し、測定対象物Tの発する蛍光を透過するフィルタ80を配置するとよい。
この場合、コンピュータ14は、ON状態のマイクロミラーで反射され光電変換器38で受光された蛍光の電気信号の、振幅変調信号に対する位相ずれ量を取得するとともに、この位相ずれ量と、ON状態のマイクロミラーの位置情報とを用いて測定対象物の蛍光特性(蛍光緩和時定数)を求める。
この蛍光緩和時定数τは、蛍光色素の種類によって変わる。このため、蛍光緩和時定数τを求めることで、2つの蛍光色素の比率を特定することができる。
また、蛍光緩和時定数τは、マイクロミラー毎に求められるので、マイクロミラーの位置情報から蛍光緩和時定数の2次元分布を求めることもできる。
装置10は、ガイドファイバ13を、蛍光色素を有する測定対象物Tに近づけてレーザ光を測定対象物Tに向けて照射することにより、蛍光強度の2次元分布を取得することができ、さらに蛍光緩和時定数τや蛍光緩和時定数τの2次元分布を求めることができる。
12 本体部
13 ガイドファイバ
13a ライトガイドファイバ
13b イメージングファイバ
13c 対物レンズ
13d 接眼レンズ
13e,13f ファイバコネクタ
14 コンピュータ
16 ディスプレイ
20 レーザ光出射ユニット
22 レーザダイオード
24 レーザドライバ
26,42,46 パワースプリッタ
28,32,36 光学レンズ
30 光学ユニット
34 マイクロミラー空間変調素子
37 ミラー
38 光電変換器
40 レーダ回路ユニット
41 発振器
43,45,48,53 増幅器
44 移相器
47 ミキサ
50 制御回路ユニット
51 システム制御器
52 ローパスフィルタ
54 A/D変換器
60 CPU
62 メモリ
64 データ処理部
66 信号変換部
68 距離情報算出部
70 3次元位置情報算出部
72 反射率算出部
Claims (6)
- レーザ光を測定対象物に照射し、この測定対象物の表面で反射したレーザ光を受光することにより測定対象物の情報を取得するレーザ計測装置であって、
それぞれ波長の異なる複数のレーザ光を測定対象物に照射する複数のレーザダイオードを有し、これら複数のレーザダイオードからそれぞれ振幅変調信号に従って光強度を時間変調すると共に符号化変調信号に従って変調されたレーザ光を出射するレーザ光出射部と、
レーザ光を照射した測定対象物から到来する光を受光して電気信号に変換する光電変換器と、
前記レーザ光出射部から出射された複数のレーザ光を一方の端部から伝送して他方の端部から測定対象物に向けて照射するライトガイドファイバと、この照射によって測定対象物から到来する光を一方の端部から取り込んで伝送し前記光電変換器の配された他方の端部の側に導くイメージングファイバと、を有するガイドファイバと、
前記イメージングファイバの前記他方の端部と前記光電変換器の受光面との間の光路上に設けられ、平面上に配列された複数のマイクロミラーを有する素子であり、これらのマイクロミラーのうち選択されたマイクロミラーの反射面を所定の向きに制御してON状態のマイクロミラーが全マイクロミラーの50%以上を占めるように、マイクロミラーの制御パターンを順次切り換え、この制御パターンに応じて、ON状態のマイクロミラーで反射した、測定対象物から到来する光を前記光電変換器の受光面に導き、OFF状態のマイクロミラーで反射した測定対象物から到来する光を前記光電変換器と異なる方向に導くマイクロミラーアレイ空間変調素子と、
前記ON状態のマイクロミラーで反射され前記光電変換器で受光された光の電気信号に含まれる符号化変調信号の情報を利用して前記光電変換器で受光された光が前記複数のレーザ光のうちどのレーザ光に基づくものかを識別し、各レーザ光の前記振幅変調信号に対する位相ずれ情報と測定対象物における反射率とを取得するとともに、これら位相ずれ情報及び反射率と、前記ON状態のマイクロミラーの位置情報とを用いて測定対象物の3次元位置情報を求めるデータ処理部と、を有し、
レーザ光を2次元的に走査することなく測定対象物の前記3次元位置画像情報を得ることを特徴とするレーザ計測装置。 - 前記データ処理部は、前記位相ずれ情報及び前記ON状態のマイクロミラーの位置情報とともに、前記レーザ光の前記レーザ光出射部における出射位置の情報とを用いて測定対象物の3次元位置情報を求める請求項1に記載のレーザ計測装置。
- 前記レーザ光出射部は、50MHz〜10GHzの高周波の振幅変調信号を用いてレーザ光を時間変調し、
前記データ処理部は、前記電気信号における前記位相ずれ情報を取得し、この位相ずれ情報を用いて、前記レーザ計測装置と測定対象物との間の距離情報を求める請求項1又は2に記載のレーザ計測装置。 - 前記データ処理部は、求められた前記距離情報と前記ON状態のマイクロミラーの位置情報とから、レーザ光の前記レーザ計測装置への到来方向と直交する方向における測定対象物の位置情報を求める請求項3に記載のレーザ計測装置。
- 前記データ処理部は、前記振幅変調信号及び前記振幅変調信号を所定量位相シフトさせた位相シフト変調信号をそれぞれ参照信号とし、この参照信号を用いて、前記電気信号から、前記位相ずれ情報とともに測定対象物の表面における前記反射率の情報を取得する請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ計測装置。
- 順次切り換えられる前記制御パターンは、互いに直交性を有する制御パターンである請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザ計測装置。
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