JP2004211576A - 斜板式圧縮機 - Google Patents

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Masayuki Kurihara
政幸 栗原
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    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
    • F04B27/10Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis having stationary cylinders
    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
    • F04B27/109Lubrication
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2251/00Material properties
    • F05C2251/14Self lubricating materials; Solid lubricants

Abstract

【課題】最近の環境保全に適応する冷媒ガスを適用して過酷な運転状況下で長期間使用しても圧縮機の摺動部分の摺動性,耐摩耗性,及び耐焼き付性を充分に安定して確保できる斜板式圧縮機を提供すること。
【解決手段】この斜板式圧縮機の場合、ピストンの尾部として一体的に形成されたピストン連結部9に設けられた略球面状のシュー摺接面9aの表面には、表面処理として陽極酸化処理により生成される多孔性陽極酸化皮膜(アルマイト)中に規則的に並んで形成された多数の微細孔26中の空隙(ボア)内に二次電解により微細孔26の底面から表面に向かうように多数の粒子状自己潤滑物質27を析出含浸させて成る潤滑多孔性陽極酸化皮膜25が設けられているため、最近の環境保全に適応する冷媒ガスを適用して過酷な運転状況下で長期間使用しても、圧縮機の摺動部の摺動性,耐摩耗性,及び耐焼き付性が充分に確保される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車両用空調装置に用いられる斜板式圧縮機であって、詳しくは斜板とピストンの尾部として一体的に形成されるピストン連結部との間を摺動可能に連結したシューによるピストン連結部に設けられたシュー摺接面に対する摺動性及び耐摩耗性を向上させた斜板式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の斜板式圧縮機は、一般に自動車用空調装置の冷媒回路に具備される固定容量タイプのものとして知られており(例えば特許文献1,特許文献2等)、閉塞された空間を有するケーシング内に冷媒ガスを吸入し、圧縮した冷媒ガスをケーシング外へ吐出する働きを担っている。
【0003】
このような斜板式圧縮機では、駆動軸に取り付けられた斜板の回転によりピストンを往復運動させるために斜板とアルミニウム材料から成るピストンの尾部として一体的に形成されるピストン連結部との間を摺動可能に連結した半球状の一対のシューが用いられており、これらのシューの球面部がピストン連結部に設けられた略球面状のシュー摺接面上を摺動することで斜板の回転運動をピストンの往復運動に変化させるように働くようになっている。即ち、ここでの半球状のシューは、汎用的に平坦部が斜板の端側の対向する位置にそれぞれ取り付け固定され、球面部がピストン連結部に設けられた略球面状のシュー摺接面をそれぞれ摺動可能に当接される構造となっている。
【0004】
ところで、一般に斜板式圧縮機において、シューの球面部とピストン連結部に設けられた略球面状のシュー摺接面とにあっての摺動性,耐焼き付性は圧縮機全体の動作性,耐久性を保証するために最も重要な部分となっているため、従来ではシューの球面部又はそれが摺動する略球面状のシュー摺接面の何れか一方の表面に自己潤滑性が優れるSnメッキ、又は固体潤滑材を塗布する等により軟質系の表面処理を施して潤滑性を持つ表面処理層を形成するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−165041号公報(第2頁、図4)
【0006】
【特許文献2】
特開2001−165046号公報(第2−3頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の斜板式圧縮機の場合、シューの球面部又はそれが摺動するピストン連結部に設けられた略球面状のシュー摺接面の何れか一方の表面に軟質系の表面処理を施して潤滑性を持つ表面処理層を形成することにより、シューの球面部と略球面状のシュー摺接面とにあっての摺動性,耐焼き付性を確保しているが、表面処理層が軟質であるために運転時の初期状態では摺動性(潤滑によるなじみ性),耐焼き付性が有効であるものの、その後に運転を継続して長期間使用すると表面処理層が剥がれたり、或いは摩耗等により表面処理層が無くなり(消失され)易いことにより、長期間使用での耐摩耗性,耐焼き付性を保持できないという問題がある。
【0008】
又、シューの球面部と略球面状のシュー摺接面とにあっての摺接状態として、外気温の変化等による圧縮機内部への冷媒ガスの凝縮による摺動部(シューの球面部が運転時に略球面状のシュー摺接面上を摺動する部分を示す)にあっての潤滑油の荒い流されにより、渇いた状態(無潤滑状態)での圧縮機の起動に際しては、シューの摺動性が更に悪化し、液圧縮による高負荷運転により表面処理層が瞬時に摩耗したり、或いは剥がれが生じ、その結果として摺動面にかじりが発生して圧縮機がロック状態(動作不能状態を示す)に至る危険性もある。
【0009】
更に、現在使用されているHFC系冷媒ガスが環境保全の点で温暖化ガスとして規制の対象となっており、その代替冷媒ガスとして自然系冷媒ガス(例えばCO,CH)がその有力な候補となっている。こうした冷媒ガスの変更に伴い、圧縮機の摺動部分には一層厳しく環境適応性を求められることが予想されることにより、更なる摺動性,耐焼き付性の改善が求められている。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、最近の環境保全に適応する冷媒ガスを適用して過酷な運転状況下で長期間使用しても圧縮機の摺動部分の摺動性,耐摩耗性,及び耐焼き付性を充分に安定して確保できる斜板式圧縮機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、駆動軸に取り付けられた斜板の回転によりピストンを往復運動させるために該斜板と該ピストンの尾部として一体的に形成されるピストン連結部との間を摺動可能に連結した半球状の一対のシューの球面部が該ピストン連結部に設けられた略球面状のシュー摺接面上を摺動する構造の斜板式圧縮機において、略球面状のシュー摺接面と半球状の一対のシューの球面部とにおける少なくとも一方のものの表面には、表面処理として陽極酸化処理により生成される多孔性陽極酸化皮膜中に規則的に並んで形成された多数の微細孔中の空隙内に二次電解により該微細孔の底面から表面に向かうように多数の粒子状自己潤滑物質を析出含浸させて成る潤滑多孔性陽極酸化皮膜が設けられた斜板式圧縮機が得られる。
【0012】
又、本発明によれば、上記斜板式圧縮機において、潤滑多孔性陽極酸化皮膜は、膜厚が5μm以上であり、表面処理層としての硬さが250HV以上である斜板式圧縮機が得られる。
【0013】
更に、本発明によれば、上記何れかの斜板式圧縮機において、潤滑多孔性陽極酸化皮膜は、MoS系又はPTFE系を主成分とする少なくとも一種以上の固体潤滑材、或いは有機ヨウ素化合物から成る斜板式圧縮機が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一つの実施の形態に係る斜板式圧縮機の基本構成を示した側面断面図である。
【0015】
この斜板式圧縮機の場合も、自動車空調装置の冷媒回路に具備される容量固定タイプのものであり、閉塞された空間を有するケーシング内に冷媒ガスを吸入し、圧縮した冷媒ガスをケーシング外へ吐出する働きを担う基本機能、並びに外観上の基本構成は、従来のものと比べてほぼ同様となっている。
【0016】
具体的に言えば、ケーシングは、フロントハウジング3と、シリンダブロック4と、シリンダヘッド5とをこれらを共通して挿通した複数本の図示されないボルトで締め付け固定して組み合わせて構成されている。シリンダブロック4の中央には、一軸方向に延びて回転可能な駆動軸2が備えられ、駆動軸2の一端がシリンダブロック4の一軸方向一端側に固定したフロントハウジング3を通って外部に露出し、電磁クラッチを介して外部動力源が適宜掛け外し可能に接続されている。シリンダブロック4の一軸方向他端側には、シリンダヘッド5が弁板6を介して固定されている。駆動軸2の一端は、フロントハウジング3の中央部から外へ突出している軸支持部15に形成されている内壁孔14にラジアルベアリング13及び軸封止装置を介して回転可能に支持されている。駆動軸2の他端は、シリンダブロック4の中央部に形成されている軸孔21に軸受装置を介して支持されており、軸受装置には駆動軸2の他端近傍に接するようにニードルベアリング20が設けられている。
【0017】
又、シリンダブロック4には、その軸芯の周りに所定数(通常は7個)のシリンダボア12が形成され、これらのシリンダボア12には所定数(通常は7個)のピストン8がそれぞれ軸方向に摺動可能に嵌合されている。これらのピストン8は、駆動軸2の回転に従ってシリンダボア12内でそれぞれ直線上で往復運動する。シリンダブロック4内に形成されているクランク室22には、駆動軸2により回転される斜板7が設けられている。駆動軸2に取り付けられた斜板7の回転によりアルミニウム材料から成るピストン8を往復運動させるために斜板7とピストン8の尾部として一体的に形成されたピストン連結部9との間には半球状の一対のシュー10,11が摺動可能に連結されており、これらのシュー10,11の球面部がピストン連結部9に設けられた略球面状のシュー摺接面上を摺動することで斜板7の回転運動をシュー10,11を介して連結したピストン8の往復運動に変化させるように働くようになっている。
【0018】
更に、弁板6には、各シリンダボア12に対応するように吐出孔19及び吸入孔18が形成され、吐出孔19には吐出弁としてのリーフ弁17が対向する位置に設けられ、リーフ弁17上にはリテーナ16が設けられている。シリンダヘッド5には、中央の吐出室24とその周囲に延びている吸入室23とが形成されている。吐出室24は図示されない吐出ポートを通して冷媒回路の高圧側に接続され、凝縮器に高圧ガスを供給するようになっており、吸入室23はガス通路及び吸入ポートから成る吸入路を通して冷媒回路の低圧側に接続され、蒸発器からの戻りガスを受けるようになっている。
【0019】
図2は、ピストン8の細部構造を示した側面断面図である。ここではピストン8の尾部として一体的に形成されたピストン連結部9に略球面状のシュー摺接面9aが設けられた様子を示している。即ち、ここでの斜板式圧縮機における半球状のシュー10,11の場合も、平坦部が斜板7の端側の対向する位置にそれぞれ取り付け固定され、球面部がピストン連結部9に設けられた略球面状のシュー摺接面9aをそれぞれ摺動可能に当接される構造となっている。
【0020】
ところで、ここでの斜板式圧縮機の場合、ピストン連結部9に設けられた略球面状のシュー摺接面9aの表面には、図3の部分拡大図に示されるように、表面処理として陽極酸化処理により生成される多孔性陽極酸化皮膜(所謂アルマイトと呼ばれるもの)中に規則的に並んで形成された多数の微細孔26中の空隙(ボア)内に二次電解により微細孔26の底面から表面に向かって多数の粒子状自己潤滑物質27を析出含浸させて成る潤滑多孔性陽極酸化皮膜(潤滑アルマイト)25が設けられている。尚、この潤滑多孔性陽極酸化皮膜25は、略球面状のシュー摺接面9aと半球状の一対のシュー10,11とにおける少なくとも一方のものの表面に形成される構成とすれば良いもの(即ち、その他に略球面状のシュー摺接面9a及び半球状の一対のシュー10,11の球面部の両方の表面、或いは半球状の一対のシュー10,11の球面部の表面のみに設けても良い)であるが、製造面での簡易さや圧縮動作時の機械的強度を留意すれば略球面状のシュー摺接面9aの表面に形成することが好ましい。
【0021】
この潤滑多孔性陽極酸化皮膜25は、膜厚が5μm以上、表面処理層としての硬さが250HV以上であれば好ましく、材料としてはMoS系又はPTFE系を主成分とする少なくとも一種以上(一種又は二種以上)の固体潤滑材か、或いは有機ヨウ素化合物から成るものを用いれば良い。特性上は、MoS系を主成分とする固体潤滑材を用いた場合が最も優れたものとなる。
【0022】
潤滑多孔性陽極酸化皮膜25を形成する際、先ず陽極酸化処理を行えばアルマイト中に多数の微細孔26が規則的に並んで形成される。ここでの陽極酸化処理だけでアルマイトを生成した場合、通常各微細孔26に対する封口処理を行う必要があるが、本発明では封口処理の代わりに特殊な二次電解により各微細孔26内の空隙内に底面から表面に向かうように粒子状自己潤滑物質27を析出含浸させる。
【0023】
このように、ピストン連結部9に設けられた球面状のシュー摺接面9aの表面上に表面処理層として潤滑多孔性陽極酸化皮膜25を形成した斜板式圧縮機では、最近の環境保全に適応する冷媒ガスを適用して過酷な運転状況下で長期間使用しても、潤滑多孔性陽極酸化皮膜25の存在により圧縮機の摺動部(ここでも特にシュー10,11の球面部が運転時にピストン連結部9に設けられた球面状のシュー摺接面9a上を摺動する部分を示す)における摺動性,耐摩耗性,及び耐焼き付性が充分に安定して確保されるようになる。
【0024】
図4は、斜板式圧縮機におけるピストン連結部9に設けられた球面状のシュー摺接面9aの表面上に対し、上述した本願発明の実施の形態に係る表面処理層として各種材料の潤滑多孔性陽極酸化皮膜25を形成した構成のもの、その他の周知な材料を形成した構成のもの、並びに未処理の構成のもの(表面処理層を持たないもの)とについて、耐久性として潤滑油を使用しない(無潤滑状態)で最近の環境保全に適応する冷媒ガスを適用した上で同一な運転条件下における圧縮機ロック時間(分)を測定した結果を示したものである。
【0025】
図4からは、潤滑多孔性陽極酸化皮膜25となり得るMoS系アルマイト層A,B(幾分組成が異なる)及びヨウ素化合物系アルマイト層の圧縮機ロック時間(特にMoS系アルマイト層A,Bのもの)が一般的なメッキ層やPTFE系(塗布)層A,B,C、或いは粒子状自己潤滑物質27を持たないアルマイト層に代表される他のものの場合と比べて長くなっており、充分に耐久性が向上されていることが判る。又、粒子状自己潤滑物質27を持たないアルマイト層の圧縮機ロック時間は、一般的なメッキ層やPTFE系(塗布)層A,B,Cの場合よりも短く、更にWS系(塗布)層やMoS系(塗布)層の圧縮機ロック時間は、未処理の場合よりも短くなることも判った。
【0026】
このような耐久性の測定結果は、本実施の形態のように球面状のシュー摺接面9aの表面上に潤滑多孔性陽極酸化皮膜25を設けた場合、アルマイトの高硬度特性に加えて粒子状自己潤滑物質27の持つ優れた自己潤滑性を併せ持つ表面処理層が得られることになるため、運転状態にあって初期的な摺動性(潤滑によるなじみ性),耐焼き付性(耐かじり性)が改善されるばかりでなく、長期間使用での耐摩耗性,耐焼き付性が向上し、結果として圧縮機の摺動部分の摺動性,耐摩耗性,及び耐焼き付性を充分に安定して確保できることを示している。又、この潤滑多孔性陽極酸化皮膜25は、ピストン8の母材(即ち、ピストン連結部9に設けられたシュー摺接面9aにおいても同様)であるアルミニウム材料との密着性が従来の表面処理層のものと比べて高いため、表面処理層としての剥がれ性が向上することを示している。その他、この潤滑多孔性陽極酸化皮膜25は、電気化学的処理により形成されるため、従来の固体潤滑材皮膜と比べてどんな表面形状でも均一に形成でき、しかも膜厚を制御し易いことにより、簡易に製造できることも判った。
【0027】
【発明の効果】
以上に述べた通り、本発明の斜板式圧縮機によれば、半球状の一対のシューの球面部と略球面状のシュー摺接面とにおける少なくとも一方のものの表面(特に略球面状のシュー摺接面の表面を対象とすることが好ましい)にアルマイトの高硬度特性に加えて優れた自己潤滑性を併せ持つ表面処理層として潤滑多孔性陽極酸化皮膜を設けているので、運転状態にあって初期的な摺動性(潤滑によるなじみ性),耐焼き付性(耐かじり性)が従来の表面処理層と比べて改善されるばかりでなく、長期間使用での耐摩耗性,耐焼き付性が向上し、結果として、最近の環境保全に適応する冷媒ガスを適用して過酷な状況下で運転しても圧縮機の摺動部分の摺動性,耐摩耗性,及び耐焼き付性が充分に安定して確保されるようになる。特に、この潤滑多孔性陽極酸化皮膜の場合、ピストンの母材(ピストン連結部及びそのシュー摺接面においても同様)であるアルミニウム材料との密着性が従来の表面処理層のものと比べて高いため、表面処理層としての剥がれ性が向上すると共に、電気化学的処理により形成されるために従来の固体潤滑材皮膜と比べてどんな表面形状でも均一に形成でき、しかも膜厚を制御し易いことにより、簡易に製造できるという長所を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る斜板式圧縮機の基本構成を示した側面断面図である。
【図2】図1に示す斜板式圧縮機容量に備えられるピストンの細部構造を示した側面断面図である。
【図3】図2に示すピストンの尾部のピストン連結部に形成された球面状のシュー摺接面の表面に表面処理層として設けられる潤滑多孔性陽極酸化皮膜の細部構成を示した部分拡大図である。
【図4】図1に示す斜板式圧縮機におけるピストン連結部に設けられた球面状のシュー摺接面の表面上に対し、本願発明の実施の形態に係る表面処理層として各種材料の潤滑多孔性陽極酸化皮膜を形成した構成のもの、その他の周知な材料を形成した構成のもの、並びに未処理の構成のもの(表面処理層を持たないもの)とについて、耐久性として潤滑油を使用しない(無潤滑状態)で最近の環境保全に適応する冷媒ガスを適用した上で同一な運転条件下における圧縮機ロック時間を調べた結果を示したものである。
【符号の説明】
1 斜板式圧縮機
2 駆動軸
3 フロントハウジング
4 シリンダブロック
5 シリンダヘッド
6 弁板
7 斜板
8 ピストン
9 ピストン連結部
9a シュー摺接面
10,11 シュー
12 シリンダボア
13 ラジアルベアリング
14 内壁孔
15 軸支持部
16 リテーナ
17 リーフ弁
18 吸入孔
19 吐出孔
20 ニードルベアリング
21 軸孔
22 クランク室
23 吸入室
24 吐出室
25 潤滑多孔性陽極酸化皮膜
26 微細孔
27 粒子状自己潤滑物質

Claims (3)

  1. 駆動軸に取り付けられた斜板の回転によりピストンを往復運動させるために該斜板と該ピストンの尾部として一体的に形成されたピストン連結部との間を摺動可能に連結した半球状の一対のシューの球面部が該ピストン連結部に設けられた略球面状のシュー摺接面上を摺動する構造の斜板式圧縮機において、前記略球面状のシュー摺接面と前記半球状の一対のシューの球面部とにおける少なくとも一方のものの表面には、表面処理として陽極酸化処理により生成される多孔性陽極酸化皮膜中に規則的に並んで形成された多数の微細孔中の空隙内に二次電解により該微細孔の底面から表面に向かうように多数の粒子状自己潤滑物質を析出含浸させて成る潤滑多孔性陽極酸化皮膜が設けられたことを特徴とする斜板式圧縮機。
  2. 請求項1記載の斜板式圧縮機において、前記潤滑多孔性陽極酸化皮膜は、膜厚が5μm以上であり、表面処理層としての硬さが250HV以上であることを特徴とする斜板式圧縮機。
  3. 請求項1又は2記載の斜板式圧縮機において、前記潤滑多孔性陽極酸化皮膜は、MoS系又はPTFE系を主成分とする少なくとも一種以上の固体潤滑材、或いは有機ヨウ素化合物から成ることを特徴とする斜板式圧縮機。
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