JP2004211189A - 高強度耐熱鋼の溶接材料,溶接継手及び高温耐熱部材 - Google Patents
高強度耐熱鋼の溶接材料,溶接継手及び高温耐熱部材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】新規な高強度耐熱鋼の溶接を可能にする。
【解決手段】新規な高強度耐熱鋼は、その組成が、重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなる。このため、このような新規な高強度耐熱鋼を溶接するのに、この高強度耐熱鋼と同組成の溶接材料,溶接金属を用いて溶接をする。
【選択図】 図1
【解決手段】新規な高強度耐熱鋼は、その組成が、重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなる。このため、このような新規な高強度耐熱鋼を溶接するのに、この高強度耐熱鋼と同組成の溶接材料,溶接金属を用いて溶接をする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度耐熱鋼の溶接材料,溶接継手及び高温耐熱部材に関するものである。かかる本発明は、新規に開発した高強度耐熱鋼を溶接することができるようにして、この新規開発した高強度耐熱鋼を現実的に使用できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
発電プラントにおける亜臨界圧ボイラ、超臨界圧ボイラならびに複合発電プラント廃熱回収ボイラの最高温部や超々臨界圧ボイラの準高温部に用いられている配管耐圧部材料の多くの部分は、炭素鋼(JIS STB410、STB510)、及び1Cr鋼、2Cr鋼等の低合金鋼から構成されている。
【0003】
この低合金鋼としては、具体的には、0.5Mo鋼(JIS STBA12)、1Cr−0.5Mo鋼(JIS 火STBA21、STBA22、STBA23)、2.25Cr−1Mo鋼(JIS STBA24)が用いられてきた。ここでは、これらの低合金鋼を従来低合金鋼と称する。
【0004】
上記の配管耐圧部材料の多くの部分を、炭素鋼、及び1Cr鋼、2Cr鋼等の低合金鋼が占めているので、これらの鋼で構成される部分の材料強度を、合金量を増やすことなく達成できれば発電プラントの製造コスト削減に大きく寄与することができる。
【0005】
本願発明者は、上記用途に好適な材料(高強度耐熱鋼)を開発して既に特許出願した(特願2002−105573)。
【0006】
即ち、特願2002−105573で提案した高強度耐熱鋼の組成は次の通りである。
(1) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなる高強度耐熱鋼。
(2) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にSiを0.6〜1.5%含む高強度耐熱鋼。
(3) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にCo,Ni,Cuから選ばれる1種又は2種以上を含み、その含有量が重量%でCo:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下である高強度耐熱鋼。
(4) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にP,S,As,Sb,Sn,Oの含有量が、それぞれ重量%でP:0.03%以下、S:0.01%以下、As:0.03%以下、Sb:0.01%以下、Sn:0.01%以下、O:0.01%以下である高強度耐熱鋼。
(5) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にA1及びCaの含有量が、それぞれ重量%でA1:0.01%以下、Ca:0.01%以下である高強度耐熱鋼。
(6) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にLa,Ce,Y,Yb,Ndを含むランタノイド元素のうち1種以上を含み、その含有量の合計が、重量%で0.001%以上0.05%以下である高強度耐熱鋼。
【0007】
更に特願2002−105573では、高強度耐熱鋼の製造方法として、次のような提案をした。
(i)上記(1)〜(6)の組成からなる鋼に、1100〜1250°Cの温度範囲内で焼きならし処理を施し、その後に、オーステナイト再結晶温度域において最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、その後に、室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却する高強度耐熱鋼の製造方法。
(ii )上記(1)〜(6)の組成からなる鋳塊を作成し、この鋳塊の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、その後に、室温まで冷却する高強度耐熱鋼の製造方法。
【0008】
なお、高強度耐熱鋼の溶接材料としては、特開平10−6079号公報に示すものがあるが、これは、STBA24、STBA28、2.25Cr−0.1Mo−1.6W−V−Nb鋼などの耐熱鋼同士を継いだ溶接継手における優れた溶接材料である。しかし、新たに開発された特願2002−105573の高強度耐熱鋼を継いだ溶接継手については、これまでに開発されてきておらず、溶接材料の検討を含めてあらたに開発する必要がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−6079号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
先に出願した特願2002−105573で提案した高強度耐熱鋼は、加工熱処理を利用して優れたクリープ破断特性を有する耐熱鋼であり、ボイラなどの高温耐熱装置に適用していくには、管部材を溶接して結合させることが必要になるが、当該高強度耐熱鋼部材を用いた継手はなく、溶接継手を開発することが必要であるが、従来ではそのような技術が無かった。
【0011】
本発明は、かかる現状に鑑み、先に出願した特願2002−105573で提案した新規な高強度耐熱鋼を溶接することができる、高強度耐熱鋼の溶接材料,溶接継手及び高温耐熱部材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の高強度耐熱鋼の溶接継手の構成は、重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなる高強度耐熱鋼である第1の母材と、
第1の母材と同組成となっている第2の母材と、
第1の母材と同組成となっており、第1の母材と第2の母材を溶接している溶接金属とでなることを特徴とする。
【0013】
この場合、第1の母材は、更にSiを0.6〜1.5%含んでいたり、
更にCo,Ni,Cuから選ばれる1種又は2種以上を含み、その含有量が重量%でCo:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下となっていたり、
更にP,S,As,Sb,Sn,Oの含有量が、それぞれ重量%でP:0.03%以下、S:0.01%以下、As:0.03%以下、Sb:0.01%以下、Sn:0.01%以下、O:0.01%以下となっていたり
更にA1及びCaの含有量が、それぞれ重量%でA1:0.01%以下、Ca:0.01%以下となっていたり
更にLa,Ce,Y,Yb,Ndを含むランタノイド元素のうち1種以上を含み、その含有量の合計が、重量%で0.001%以上0.05%以下となっていたりすることを特徴とする。
【0014】
また、第1の母材及び第2の母材は、1100〜1250°Cの温度範囲内で焼きならし処理をされた後に、オーステナイト再結晶温度域において最終圧下比50%以上の熱間加工が施され、その後に室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却されていたり、
第1の母材及び第2の母材は、鋳塊として作製される工程の中の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて最終圧下比50%以上の熱間加工が施され、その後に室温まで冷却されていることを特徴とする。
【0015】
結局、第1の母材及び第2母材が新規に開発した高強度耐熱鋼である場合に、この新規に開発した高強度耐熱鋼と同組成の溶接金属により、第1の母材と第2母材を溶接するようにした。このため、新規に開発した高強度耐熱鋼である母材同士の溶接を可能とした溶接継手を実現することができる。
【0016】
なお、第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、第1及び第2の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼と同組成となっている溶接金属を用いたり
第1の母材と同組成となっている第2の母材の代わりに、炭素鋼でなる母材を用い、第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、炭素鋼と同組成となっている溶接金属を用いたり、
第1の母材と同組成となっている第2の母材の代わりに、第1の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼を用い、第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、第1の母材よりも耐熱性が高い前記耐熱鋼と同組成となっている溶接金属を用いることもできる。
【0017】
結局、新規に開発した高強度耐熱鋼である母材同士を、更に耐熱性の高い溶接金属で溶接したり、
新規に開発した高強度耐熱鋼である第1の母材と、炭素鋼との溶接を、炭素鋼の溶接金属により溶接したり、
新規に開発した高強度耐熱鋼である第1の母材と、更に耐熱性の高い耐熱鋼との溶接を、この耐熱鋼と同組成の溶接金属により溶接したりすることにより、新規に開発した高強度耐熱鋼と各種の鋼との溶接を可能とした溶接継手を実現することができる。
【0018】
このとき、第1及び第2の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼と同組成となっている溶接金属の組成は、重量%でC:0.06%、Si:0.20%、Mn:0.47%、P:0.012%、S:0.001%、Cr:2.27%、W:1.56%、Mo:0.13%、V:0.25%、Nb:0.05%、A1:0.015%、N:0.004%、B:0.0031%を含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなることを特徴とする。
この金属組成は、ASMEのASME BOILER AND PRESSUR VESSEL CODEのCase2199−1の規格に含まれるものである。
【0019】
このCase2199−1の組成範囲は重量%で次の通りである。C:0.04〜0.10%、Mn:0.10〜0.60%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、Si:0.50%以下、Cr:1.90〜2.60%、Mo:0.05〜0.30%、W:1.45〜1.75%、V:0.20〜0.30%、Nb:0.02〜0.08パーセント、N:0.030%以下、A1:0.030%以下、B:0.0005〜0.0006%。
【0020】
また本発明の高強度耐熱鋼の溶接材料は、重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなることを特徴とする。
この場合、溶接材料は、更にSiを0.6〜1.5%含んでいたり、
更にCo,Ni,Cuから選ばれる1種又は2種以上を含み、その含有量が重量%でCo:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下となっていたり、
更にP,S,As,Sb,Sn,Oの含有量が、それぞれ重量%でP:0.03%以下、S:0.01%以下、As:0.03%以下、Sb:0.01%以下、Sn:0.01%以下、O:0.01%以下となっていたり、
更にA1及びCaの含有量が、それぞれ重量%でA1:0.01%以下、Ca:0.01%以下となっていたり、
更にLa,Ce,Y,Yb,Ndを含むランタノイド元素のうち1種以上を含み、その含有量の合計が、重量%で0.001%以上0.05%以下となっていたりすることを特徴とする。
【0021】
結局、新規に開発した高強度耐熱鋼と同組成の溶接材料を開発したのである。このように同組成の溶接材料としたので、この溶接材料を用いて溶接をすれば、新規に開発した高強度耐熱鋼の溶接が可能となるのである。
【0022】
したがって、本発明は、上述した各種の溶接継手を有する高強度耐熱鋼の高温耐熱部材を構築することができる。ここにおいて、高温耐熱部材とは、上述した各種の溶接継手を有する管材(パーツ)等を意味する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態(具体的な実施例)を説明する。
【0024】
表1に示す化学組成を有する鋼を真空溶解した後、熱間鍛造して厚さ30mmの板材を得た。その後、1200°Cで20minの焼きならし処理、950〜1050°Cで最終圧下比50%の熱間圧延処理を行い、厚さを15mmとした後、室温まで冷却した。以上の工程により、供試材No.1〜10及びNo.A1〜A6の耐熱鋼を得た。
【0025】
また、供試材No.4の耐熱鋼については熱間圧延後、920°Cで再焼きならし処理を実施した。
【0026】
【表1】
【0027】
供試材No.T1〜T3については、表2に示す化学組成を有する鋼を真空溶解した後、熱間鍛造して厚さ15mmの板材を得た後、焼きならし処理と焼き戻し処理を行い準備した。
【0028】
供試材No.C1〜C3は、市販の従来低合金鋼の素材を原料に大気溶解した後に熱間鍛造して厚さ15mmの板材を得た後、表2に示す焼きならしと焼き戻しの熱処理を施して準備した。さらに、供試材No.D1、D2は、市販の炭素鋼素材を原料に大気溶解した後に熱間鍛造して厚さ15mmの板材を得た後、表2に示す焼きならしと焼き戻しの熱処理を施して準備した。
【0029】
【表2】
【0030】
更に、供試材No.1〜10及びNo.A 1〜A6及びNo.T1〜T2及びNo.C1〜C3及びNo.D1〜D2からは、直径1.6mmの溶接ワイヤ(溶接材料)を作製した。
【0031】
表3に示すような組み合わせで母材1と母材2と溶接材を選び、図1のような配置にて溶接継手を作製した。母材1は母材2よりもクリープ破断強度が低いもしくは同等の組合せとした。溶接はTIG溶接にて行い、溶接条件は、電流が170〜230A、電圧が10〜24V、入熱1.1〜2.3kJ/cmであった。なお図1において、3は裏当金である。
【0032】
【表3】
【0033】
溶接継手J1〜J10、JA1〜JA6、HT1〜HT3、HA2、HD1、HD2、KT1については、作製した溶接継手の溶接部が平行部の中央に位置するように、溶接継手からクリープ破断試験片を採取して、クリープ破断試験を行なった。その結果、溶接継手の550°Cにおける104 時間外挿のクリープ破断強度は、母材1の550°Cにおける104 時間外挿のクリープ破断強度の80%以上に含まれることが分かった。さらに、溶接継手HD1、HD2については、作製した溶接継手の溶接部が平行部の中央部に位置するように、溶接継手から高温引張試験片を採取して、450°Cで高温引張試験を行った。その結果、溶接継手の450°Cの耐力は母材1の80%以上に含まれることがわかった。
【0034】
溶接継手の溶金に当たる箇所の代表的な組成を表4のように示す。HD1とHD2を除く溶接継手の550°Cにおける104 時間外挿のクリープ破断強度が母材1の550°Cにおける104 時間外挿のクリープ破断強度の80%以上に含まれるには、溶接継手の溶金がこのような組成であることが必要である。また溶接継手HD1とHD2の450°Cでの耐力が母材1の450°Cでの耐力の80%以上に含まれるには、溶接継手の溶金がこのような組成であることが必要である。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】
以上具体的に説明したように、本発明では、重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなる新規な高強度耐熱鋼を溶接するのに、この高強度耐熱鋼と同組成の溶接金属(溶接材料)により溶接するようした。したがって、特願2002−105573で出願した新規な高強度耐熱鋼を溶接することが可能となり、当該高強度耐熱鋼を溶接することが製作上必要となるボイラなどの大型高温装置を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接継手の作製状態を示す構成図。
【符号の説明】
1,2 母材
3 裏当金
θ 開先角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度耐熱鋼の溶接材料,溶接継手及び高温耐熱部材に関するものである。かかる本発明は、新規に開発した高強度耐熱鋼を溶接することができるようにして、この新規開発した高強度耐熱鋼を現実的に使用できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
発電プラントにおける亜臨界圧ボイラ、超臨界圧ボイラならびに複合発電プラント廃熱回収ボイラの最高温部や超々臨界圧ボイラの準高温部に用いられている配管耐圧部材料の多くの部分は、炭素鋼(JIS STB410、STB510)、及び1Cr鋼、2Cr鋼等の低合金鋼から構成されている。
【0003】
この低合金鋼としては、具体的には、0.5Mo鋼(JIS STBA12)、1Cr−0.5Mo鋼(JIS 火STBA21、STBA22、STBA23)、2.25Cr−1Mo鋼(JIS STBA24)が用いられてきた。ここでは、これらの低合金鋼を従来低合金鋼と称する。
【0004】
上記の配管耐圧部材料の多くの部分を、炭素鋼、及び1Cr鋼、2Cr鋼等の低合金鋼が占めているので、これらの鋼で構成される部分の材料強度を、合金量を増やすことなく達成できれば発電プラントの製造コスト削減に大きく寄与することができる。
【0005】
本願発明者は、上記用途に好適な材料(高強度耐熱鋼)を開発して既に特許出願した(特願2002−105573)。
【0006】
即ち、特願2002−105573で提案した高強度耐熱鋼の組成は次の通りである。
(1) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなる高強度耐熱鋼。
(2) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にSiを0.6〜1.5%含む高強度耐熱鋼。
(3) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にCo,Ni,Cuから選ばれる1種又は2種以上を含み、その含有量が重量%でCo:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下である高強度耐熱鋼。
(4) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にP,S,As,Sb,Sn,Oの含有量が、それぞれ重量%でP:0.03%以下、S:0.01%以下、As:0.03%以下、Sb:0.01%以下、Sn:0.01%以下、O:0.01%以下である高強度耐熱鋼。
(5) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にA1及びCaの含有量が、それぞれ重量%でA1:0.01%以下、Ca:0.01%以下である高強度耐熱鋼。
(6) 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、ベイナイトを含む組織からなり、更にLa,Ce,Y,Yb,Ndを含むランタノイド元素のうち1種以上を含み、その含有量の合計が、重量%で0.001%以上0.05%以下である高強度耐熱鋼。
【0007】
更に特願2002−105573では、高強度耐熱鋼の製造方法として、次のような提案をした。
(i)上記(1)〜(6)の組成からなる鋼に、1100〜1250°Cの温度範囲内で焼きならし処理を施し、その後に、オーステナイト再結晶温度域において最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、その後に、室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却する高強度耐熱鋼の製造方法。
(ii )上記(1)〜(6)の組成からなる鋳塊を作成し、この鋳塊の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて最終圧下比50%以上の熱間加工を施し、その後に、室温まで冷却する高強度耐熱鋼の製造方法。
【0008】
なお、高強度耐熱鋼の溶接材料としては、特開平10−6079号公報に示すものがあるが、これは、STBA24、STBA28、2.25Cr−0.1Mo−1.6W−V−Nb鋼などの耐熱鋼同士を継いだ溶接継手における優れた溶接材料である。しかし、新たに開発された特願2002−105573の高強度耐熱鋼を継いだ溶接継手については、これまでに開発されてきておらず、溶接材料の検討を含めてあらたに開発する必要がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−6079号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
先に出願した特願2002−105573で提案した高強度耐熱鋼は、加工熱処理を利用して優れたクリープ破断特性を有する耐熱鋼であり、ボイラなどの高温耐熱装置に適用していくには、管部材を溶接して結合させることが必要になるが、当該高強度耐熱鋼部材を用いた継手はなく、溶接継手を開発することが必要であるが、従来ではそのような技術が無かった。
【0011】
本発明は、かかる現状に鑑み、先に出願した特願2002−105573で提案した新規な高強度耐熱鋼を溶接することができる、高強度耐熱鋼の溶接材料,溶接継手及び高温耐熱部材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の高強度耐熱鋼の溶接継手の構成は、重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなる高強度耐熱鋼である第1の母材と、
第1の母材と同組成となっている第2の母材と、
第1の母材と同組成となっており、第1の母材と第2の母材を溶接している溶接金属とでなることを特徴とする。
【0013】
この場合、第1の母材は、更にSiを0.6〜1.5%含んでいたり、
更にCo,Ni,Cuから選ばれる1種又は2種以上を含み、その含有量が重量%でCo:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下となっていたり、
更にP,S,As,Sb,Sn,Oの含有量が、それぞれ重量%でP:0.03%以下、S:0.01%以下、As:0.03%以下、Sb:0.01%以下、Sn:0.01%以下、O:0.01%以下となっていたり
更にA1及びCaの含有量が、それぞれ重量%でA1:0.01%以下、Ca:0.01%以下となっていたり
更にLa,Ce,Y,Yb,Ndを含むランタノイド元素のうち1種以上を含み、その含有量の合計が、重量%で0.001%以上0.05%以下となっていたりすることを特徴とする。
【0014】
また、第1の母材及び第2の母材は、1100〜1250°Cの温度範囲内で焼きならし処理をされた後に、オーステナイト再結晶温度域において最終圧下比50%以上の熱間加工が施され、その後に室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却されていたり、
第1の母材及び第2の母材は、鋳塊として作製される工程の中の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて最終圧下比50%以上の熱間加工が施され、その後に室温まで冷却されていることを特徴とする。
【0015】
結局、第1の母材及び第2母材が新規に開発した高強度耐熱鋼である場合に、この新規に開発した高強度耐熱鋼と同組成の溶接金属により、第1の母材と第2母材を溶接するようにした。このため、新規に開発した高強度耐熱鋼である母材同士の溶接を可能とした溶接継手を実現することができる。
【0016】
なお、第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、第1及び第2の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼と同組成となっている溶接金属を用いたり
第1の母材と同組成となっている第2の母材の代わりに、炭素鋼でなる母材を用い、第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、炭素鋼と同組成となっている溶接金属を用いたり、
第1の母材と同組成となっている第2の母材の代わりに、第1の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼を用い、第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、第1の母材よりも耐熱性が高い前記耐熱鋼と同組成となっている溶接金属を用いることもできる。
【0017】
結局、新規に開発した高強度耐熱鋼である母材同士を、更に耐熱性の高い溶接金属で溶接したり、
新規に開発した高強度耐熱鋼である第1の母材と、炭素鋼との溶接を、炭素鋼の溶接金属により溶接したり、
新規に開発した高強度耐熱鋼である第1の母材と、更に耐熱性の高い耐熱鋼との溶接を、この耐熱鋼と同組成の溶接金属により溶接したりすることにより、新規に開発した高強度耐熱鋼と各種の鋼との溶接を可能とした溶接継手を実現することができる。
【0018】
このとき、第1及び第2の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼と同組成となっている溶接金属の組成は、重量%でC:0.06%、Si:0.20%、Mn:0.47%、P:0.012%、S:0.001%、Cr:2.27%、W:1.56%、Mo:0.13%、V:0.25%、Nb:0.05%、A1:0.015%、N:0.004%、B:0.0031%を含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなることを特徴とする。
この金属組成は、ASMEのASME BOILER AND PRESSUR VESSEL CODEのCase2199−1の規格に含まれるものである。
【0019】
このCase2199−1の組成範囲は重量%で次の通りである。C:0.04〜0.10%、Mn:0.10〜0.60%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、Si:0.50%以下、Cr:1.90〜2.60%、Mo:0.05〜0.30%、W:1.45〜1.75%、V:0.20〜0.30%、Nb:0.02〜0.08パーセント、N:0.030%以下、A1:0.030%以下、B:0.0005〜0.0006%。
【0020】
また本発明の高強度耐熱鋼の溶接材料は、重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなることを特徴とする。
この場合、溶接材料は、更にSiを0.6〜1.5%含んでいたり、
更にCo,Ni,Cuから選ばれる1種又は2種以上を含み、その含有量が重量%でCo:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下となっていたり、
更にP,S,As,Sb,Sn,Oの含有量が、それぞれ重量%でP:0.03%以下、S:0.01%以下、As:0.03%以下、Sb:0.01%以下、Sn:0.01%以下、O:0.01%以下となっていたり、
更にA1及びCaの含有量が、それぞれ重量%でA1:0.01%以下、Ca:0.01%以下となっていたり、
更にLa,Ce,Y,Yb,Ndを含むランタノイド元素のうち1種以上を含み、その含有量の合計が、重量%で0.001%以上0.05%以下となっていたりすることを特徴とする。
【0021】
結局、新規に開発した高強度耐熱鋼と同組成の溶接材料を開発したのである。このように同組成の溶接材料としたので、この溶接材料を用いて溶接をすれば、新規に開発した高強度耐熱鋼の溶接が可能となるのである。
【0022】
したがって、本発明は、上述した各種の溶接継手を有する高強度耐熱鋼の高温耐熱部材を構築することができる。ここにおいて、高温耐熱部材とは、上述した各種の溶接継手を有する管材(パーツ)等を意味する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態(具体的な実施例)を説明する。
【0024】
表1に示す化学組成を有する鋼を真空溶解した後、熱間鍛造して厚さ30mmの板材を得た。その後、1200°Cで20minの焼きならし処理、950〜1050°Cで最終圧下比50%の熱間圧延処理を行い、厚さを15mmとした後、室温まで冷却した。以上の工程により、供試材No.1〜10及びNo.A1〜A6の耐熱鋼を得た。
【0025】
また、供試材No.4の耐熱鋼については熱間圧延後、920°Cで再焼きならし処理を実施した。
【0026】
【表1】
【0027】
供試材No.T1〜T3については、表2に示す化学組成を有する鋼を真空溶解した後、熱間鍛造して厚さ15mmの板材を得た後、焼きならし処理と焼き戻し処理を行い準備した。
【0028】
供試材No.C1〜C3は、市販の従来低合金鋼の素材を原料に大気溶解した後に熱間鍛造して厚さ15mmの板材を得た後、表2に示す焼きならしと焼き戻しの熱処理を施して準備した。さらに、供試材No.D1、D2は、市販の炭素鋼素材を原料に大気溶解した後に熱間鍛造して厚さ15mmの板材を得た後、表2に示す焼きならしと焼き戻しの熱処理を施して準備した。
【0029】
【表2】
【0030】
更に、供試材No.1〜10及びNo.A 1〜A6及びNo.T1〜T2及びNo.C1〜C3及びNo.D1〜D2からは、直径1.6mmの溶接ワイヤ(溶接材料)を作製した。
【0031】
表3に示すような組み合わせで母材1と母材2と溶接材を選び、図1のような配置にて溶接継手を作製した。母材1は母材2よりもクリープ破断強度が低いもしくは同等の組合せとした。溶接はTIG溶接にて行い、溶接条件は、電流が170〜230A、電圧が10〜24V、入熱1.1〜2.3kJ/cmであった。なお図1において、3は裏当金である。
【0032】
【表3】
【0033】
溶接継手J1〜J10、JA1〜JA6、HT1〜HT3、HA2、HD1、HD2、KT1については、作製した溶接継手の溶接部が平行部の中央に位置するように、溶接継手からクリープ破断試験片を採取して、クリープ破断試験を行なった。その結果、溶接継手の550°Cにおける104 時間外挿のクリープ破断強度は、母材1の550°Cにおける104 時間外挿のクリープ破断強度の80%以上に含まれることが分かった。さらに、溶接継手HD1、HD2については、作製した溶接継手の溶接部が平行部の中央部に位置するように、溶接継手から高温引張試験片を採取して、450°Cで高温引張試験を行った。その結果、溶接継手の450°Cの耐力は母材1の80%以上に含まれることがわかった。
【0034】
溶接継手の溶金に当たる箇所の代表的な組成を表4のように示す。HD1とHD2を除く溶接継手の550°Cにおける104 時間外挿のクリープ破断強度が母材1の550°Cにおける104 時間外挿のクリープ破断強度の80%以上に含まれるには、溶接継手の溶金がこのような組成であることが必要である。また溶接継手HD1とHD2の450°Cでの耐力が母材1の450°Cでの耐力の80%以上に含まれるには、溶接継手の溶金がこのような組成であることが必要である。
【0035】
【表4】
【0036】
【発明の効果】
以上具体的に説明したように、本発明では、重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなる新規な高強度耐熱鋼を溶接するのに、この高強度耐熱鋼と同組成の溶接金属(溶接材料)により溶接するようした。したがって、特願2002−105573で出願した新規な高強度耐熱鋼を溶接することが可能となり、当該高強度耐熱鋼を溶接することが製作上必要となるボイラなどの大型高温装置を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接継手の作製状態を示す構成図。
【符号の説明】
1,2 母材
3 裏当金
θ 開先角度
Claims (21)
- 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなる高強度耐熱鋼である第1の母材と、
第1の母材と同組成となっている第2の母材と、
第1の母材と同組成となっており、第1の母材と第2の母材を溶接している溶接金属とでなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、更にSiを0.6〜1.5%含む高強度耐熱鋼である第1の母材と、
第1の母材と同組成となっている第2の母材と、
第1の母材と同組成となっており、第1の母材と第2の母材を溶接している溶接金属とでなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、更にCo,Ni,Cuから選ばれる1種又は2種以上を含み、その含有量が重量%でCo:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下となっている高強度耐熱鋼である第1の母材と、
第1の母材と同組成となっている第2の母材と、
第1の母材と同組成となっており、第1の母材と第2の母材を溶接している溶接金属とでなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、更にP,S,As,Sb,Sn,Oの含有量が、それぞれ重量%でP:0.03%以下、S:0.01%以下、As:0.03%以下、Sb:0.01%以下、Sn:0.01%以下、O:0.01%以下となっている高強度耐熱鋼である第1の母材と、
第1の母材と同組成となっている第2の母材と、
第1の母材と同組成となっており、第1の母材と第2の母材を溶接している溶接金属とでなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、更にA1及びCaの含有量が、それぞれ重量%でA1:0.01%以下、Ca:0.01%以下となっている高強度耐熱鋼である第1の母材と、
第1の母材と同組成となっている第2の母材と、
第1の母材と同組成となっており、第1の母材と第2の母材を溶接している溶接金属とでなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなり、更にLa,Ce,Y,Yb,Ndを含むランタノイド元素のうち1種以上を含み、その含有量の合計が、重量%で0.001%以上0.05%以下となっている高強度耐熱鋼である第1の母材と、
第1の母材と同組成となっている第2の母材と、
第1の母材と同組成となっており、第1の母材と第2の母材を溶接している溶接金属とでなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
第1の母材及び第2の母材は、1100〜1250°Cの温度範囲内で焼きならし処理をされた後に、オーステナイト再結晶温度域において最終圧下比50%以上の熱間加工が施され、その後に室温又はベイナイト変態完了温度以下まで冷却されていることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
第1の母材及び第2の母材は、鋳塊として作製される工程の中の冷却過程においてオーステナイト再結晶温度域にて最終圧下比50%以上の熱間加工が施され、その後に室温まで冷却されていることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 重量%でC:0.06〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5%以下、V:0.05〜0.3%、Cr:0.8%以下、Mo:0.8%以下、Nb,Ti,Ta,Hf及びZrの1種又は2種以上を0.01〜0.2%、N:20〜200ppmを含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接材料。
- Siを0.6〜1.5%含むことを特徴とする請求項9に記載の高強度耐熱鋼の溶接材料。
- Co,Ni,Cuから選ばれる1種又は2種以上を含み、その含有量が重量%でCo:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cu:0.5%以下であることを特徴とする請求項9または請求項10の高強度耐熱鋼の溶接材料。
- P,S,As,Sb,Sn,Oの含有量が、それぞれ重量%でP:0.03%以下、S:0.01%以下、As:0.03%以下、Sb:0.01%以下、Sn:0.01%以下、O:0.01%以下であることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項の高強度耐熱鋼の溶接材料。
- A1及びCaの含有量が、それぞれ重量%でA1:0.01%以下、Ca:0.01%以下であることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1項の高強度耐熱鋼の溶接材料。
- La,Ce,Y,Yb,Ndを含むランタノイド元素のうち1種以上を含み、その含有量の合計が、重量%で0.001%以上0.05%以下であることを特徴とする請求項9乃至請求項13のいずれか1項の高強度耐熱鋼の溶接材料。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、第1及び第2の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼と同組成となっている溶接金属を用いたことを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 請求項15において、第1及び第2の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼と同組成となっている溶接金属の組成は、重量%でC:0.04〜0.10%、Mn:0.10〜0.60%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、Si:0.50%以下、Cr:1.90〜2.60%、Mo:0.05〜0.30%、W:1.45〜1.75%、V:0.20〜0.30%、Nb:0.02〜0.08%、N:0.030%以下、A1:0.030%以下、B:0.0005〜0.0006%を含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
第1の母材と同組成となっている第2の母材の代わりに、炭素鋼でなる母材を用い、
第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、炭素鋼と同組成となっている溶接金属を用いたことを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
第1の母材と同組成となっている第2の母材の代わりに、従来低合金鋼でなる母材を用い、
第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、従来低合金鋼と同組成となっている溶接金属を用いたことを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
第1の母材と同組成となっている第2の母材の代わりに、第1の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼を用い、
第1の母材と同組成となっている溶接金属の代わりに、第1の母材よりも耐熱性が高い前記耐熱鋼と同組成となっている溶接金属を用いたことを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 請求項19において、
第1の母材よりも耐熱性が高い耐熱鋼の組成は、重量%でC:0.04〜0.10%、Mn:0.10〜0.60%、P:0.030%以下、S:0.010%以下、Si:0.50%以下、Cr:1.90〜2.60%、Mo:0.05〜0.30%、W:1.45〜1.75%、V:0.20〜0.30%、Nb:0.02〜0.08%、N:0.030%以下、A1:0.030%以下、B:0.0005〜0.0006%を含有し、残部が不可避的不純物及びFeからなることを特徴とする高強度耐熱鋼の溶接継手。 - 請求項1乃至請求項8、請求項15乃至請求項20のいずれか一項に記載の溶接継手を有することを特徴とする高強度耐熱鋼の高温耐熱部材。
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