JP2004209840A - 化粧紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐擦傷性等の表面物性と共に、毛羽立ちせず、また、ラッピング適性も良好な化粧紙とする。
【解決手段】樹脂浸透性の紙基材1の片面に、熱可塑性樹脂又は/及び熱硬化性樹脂からなり電離放射線硬化性樹脂を含有しない絵柄印刷層2を設け、他方の面に硬化性樹脂からなる裏面樹脂層4を設けた後、絵柄印刷層形成側の面に電離放射線硬化性樹脂からなる表面樹脂層3を設ける。裏面樹脂層により毛羽立ちが防げ、また絵柄印刷層の樹脂に電離放射線硬化性樹脂を使用せず熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を使用する事により、ラッピング適性も良好となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家具、住宅内装機器等に用いられる化粧板等に使用する化粧紙に関する。特に、耐擦傷性等の表面物性と共に、毛羽立ち(ペーパーファジング:paper fudging)が起きず、且つラッピング適性も良好な化粧紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、原紙に絵柄印刷層を設けた上に、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂からなる表面樹脂層を塗工形成した薄葉コート紙等の化粧紙が知られており、表面樹脂層に用いる樹脂特性を選択することにより表面物性は良好となるが、化粧紙ラミネート時のカール、加工切削端面等に化粧紙用原紙に起因する毛羽立ちが発生する場合がある。また、原紙にメラミン樹脂含浸を行い切削性を向上させた化粧紙等もあるが、この様な化粧紙は樹脂含浸されている事により、毛羽立ちが抑えられ切削性が良くなる他、カール発生も抑えられ良好ではあるが、通常化粧紙の表面樹脂層が離型剤等を含まない為に、耐セロハンテープ性、耐汚染性等の表面性能は落ちる。
【0003】
更に、特許文献1の如く、原紙の表側とする面に電離放射線硬化性樹脂を含む絵柄印刷層を設け、原紙の裏側とする面に電離放射線硬化性樹脂を含む裏面樹脂層を塗工形成した後に、原紙の表側とする面に電離放射線硬化性樹脂の表面樹脂層を塗工形成した化粧紙等も提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3237284号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1で提案する様な化粧紙では、裏面樹脂層を設けてあるのでカールの点では良好となるが、ラッピング加工時に絵柄印刷層にクラックが入ることがあり、この為、ラッピング適性が不十分となる場合があった。その結果、平坦な面にのみ適用する化粧紙の場合には良いのだが、板表面から小口面まで連続して化粧紙をラッピングして貼り合わせるたりする場合等には、適さず、用途が限定された。
【0006】
すなわち、本発明の課題は、良好なる表面物性と共に、毛羽立ちが起きず、耐カール適性、ラッピング適性も良好な化粧紙を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明の化粧紙では、樹脂浸透性の紙基材の片面に、熱可塑性樹脂又は/及び熱硬化性樹脂からなり電離放射線硬化性樹脂を含有しない絵柄印刷層を設け、他方の面に硬化性樹脂からなる裏面樹脂層を設けた後、前記絵柄印刷層形成側の面に電離放射線硬化性樹脂からなる表面樹脂層を設けてなる構成とした。
【0008】
この様な構成とすることで、電離放射線硬化性樹脂の表面樹脂層によって、耐擦傷性等の良好なる表面物性が得られ、また、この表面樹脂層と紙基材に対してその表裏関係で対象の樹脂層となる裏面樹脂層によって、カール発生も防げ耐カール性も得られる上、毛羽立ちも防げ切削適性も良くなる。更に、絵柄印刷層の樹脂には硬質になりがちな電離放射線硬化性樹脂を含有させずに、電離放射線硬化性樹脂に比べて柔軟性が得やすい熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いてある。この為、本化粧紙では、ラッピング加工時に化粧紙が曲げられても絵柄印刷層がその変形に耐えきれずにクラックが該絵柄印刷層に発生して意匠外観を損なうことが無く、化粧紙の耐折強度も良いので加工機上での化粧紙切断による機械停止も少なく、ラッピング適性も良好となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
〔概要〕
図1は、本発明による化粧紙10をその一形態で説明する断面図であり、本発明による化粧紙10の基本構成は、原紙として樹脂浸透性の紙基材1の表側面に対して、絵柄印刷層2(同図では全面ベタ層2Aと柄パターン層2Bを例示)、表面樹脂層3を設け、裏側面に対して裏面樹脂層4を設けた構成である。そして、本発明では、表面樹脂層3は熱硬化性樹脂に比べてより表面物性に優れた電離放射線硬化性樹脂で構成し、一方、裏面樹脂層4は電離放射線硬化性樹脂或いは熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂で構成するが、絵柄印刷層2には熱可塑性樹脂、或いは硬化性樹脂を用いたとしても電離放射線硬化性樹脂は用いずに熱硬化性樹脂、或いは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の両方を用いて構成する。
なお、化粧紙の構成の点では、表面樹脂層の形成と裏面樹脂層の形成の前後関係は特に限定は無いが、それらを形成する方法に於ける形成順序としては、先に裏面樹脂層を形成しておくのが、表面樹脂層形成用の塗液が紙基材に染み込み過ぎない点で、好ましい。
【0011】
〔紙基材〕
紙基材1は、従来から化粧紙用原紙として使用されている樹脂浸透性を有する紙を使用でき、例えば、薄葉紙、チタン紙、クラフト紙、上質紙、和紙等である。なお、紙基材の坪量は用途に応じて適宜選択されるが、例えば20〜150g/m程度である。
【0012】
〔絵柄印刷層〕
絵柄印刷層2は、絵柄等を表現する為に印刷等により形成される層である。また、絵柄印刷層は、そのバインダー樹脂に電離放射線硬化性樹脂を含ませない点以外は、そのバインダー樹脂、形成方法、絵柄等の内容は特に制限は無い。電離放射線硬化性樹脂以外の樹脂とは、具体的には、熱可塑性樹脂、或いは熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂を使用すれば良い。或いは熱可塑性樹脂と硬化性樹脂とを併用しても良い。なお、上記電離放射線硬化性樹脂とは、例えば後述する表面樹脂層で列記する様な樹脂である。
【0013】
電離放射線硬化性樹脂を除くバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の中から、要求する物性、印刷適性等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体等のアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、硬化性ウレタン樹脂、アルキド樹脂等の単体又はこれらを含む混合樹脂を用いる。
【0014】
上記の如く、絵柄印刷層の樹脂に、特に電離放射線硬化性樹脂を使用しない事により、絵柄印刷層の柔軟性が増してラッピング適性を向上させることができる。また、化粧紙の耐折強度も良くすることができる。
【0015】
ところで、通常、絵柄印刷層の形成に用いるインキ(或いは塗液)は、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える体質顔料、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等の各種添加剤からなるが、着色剤としては、例えば、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イソインドリノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料、二酸化チタン被覆雲母、アルミニウム等の箔粉等の光輝性顔料、或いはその他染料等を使用する。
【0016】
また、絵柄印刷層を印刷形成する場合、その印刷法としては、例えば、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビアオフセット印刷、インキジェットプリント、転写印刷等の従来公知の印刷法で形成すれば良い。絵柄は、例えば、木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベタ等を1種単独、或いは2種以上の組合せである。組合せは、例えば、紙基材に対して全面ベタ層を設けた後、その上に木目模様等の柄パターンを表現した柄層を設ける等である。なお、全面ベタ層の場合は、塗液或いはインキにて公知の塗工法で形成しても良い。
【0017】
〔表面樹脂層〕
表面樹脂層3は、絵柄印刷層或いは更に紙基材をその表面から保護する層であり、本発明では、この表面樹脂層を電離放射線硬化性樹脂で構成する。もちろん、表面樹脂層は該電離放射線硬化性樹脂を架橋硬化させた架橋硬化物として形成する。表面樹脂層の樹脂として電離放射線硬化性樹脂を採用することで、2液硬化型ウレタン樹脂等の他の硬化性樹脂を用いた場合に比べて、その高い架橋性から、耐擦傷性等に於いて優れた表面物性を付与し易くなる。なお、表面樹脂層は通常は無着色透明な層とするが、用途に応じて着色透明な層等としても良い。
【0018】
表面樹脂層の形成は、グラビアコート等の公知の塗工法で形成することができる。なお、表面樹脂層の形成は、好ましくは、後述する裏面樹脂層の形成後に行うと、樹脂浸透性の紙基材に対して先に裏面樹脂層(の樹脂塗液)が浸透するので、その分、表面樹脂層(の樹脂塗液)の浸透が抑えられ、表面樹脂層が紙基材に染み込み過ぎて表面に層として残留せず必要な表面物性や表面外観を維持できなくなるのを防げるからである。
【0019】
電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中にラジカル重合性不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有する、プレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した電離放射線により架橋硬化可能な組成物が好ましくは用いられる。なお、ここで電離放射線とは、分子を重合させて架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子を意味し、通常は、電子線(EB)、又は紫外線(UV)が一般的である。
【0020】
上記プレポリマー又はモノマーは、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からなる。これらプレポリマー、モノマーは、単体で用いるか、或いは複数種混合して用いる。なお、ここで、例えば、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。また、電離放射線硬化性樹脂としては、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましくは用いられる。
【0021】
分子中にラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量としては、通常250〜100,000程度のものが用いられる。なお、本明細書に於ける表記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの意味である。また、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物を総称して、単にアクリレート(化合物)とも呼ぶ。
【0022】
分子中にラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モノマーでは、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、多官能モノマーでは、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等もある。
【0023】
分子中にカチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。
チオールとしては、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールがある。また、ポリエンとしては、ジオールとジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したもの等がある。
【0024】
なお、上記電離放射線硬化性樹脂には、物性調整等の為に必要に応じて適宜、電離放射線非硬化性樹脂、具体的には例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂を添加しても良い。
【0025】
また、電離放射線硬化性樹脂には、この他の公知の添加剤、例えば、シリカ、アルミナ等の充填剤、シリコーン樹脂、ワックス等の滑剤、着色剤、安定剤、防カビ剤等を、必要に応じ適宜添加しても良い。
【0026】
特に充填剤としてアルミナ、それも球状α−アルミナは、耐摩耗性向上の点で優れている。
また、特に充填剤として焼成カオリンは、透明性、塗料安定性の点で優れる上、シリカや焼成前の含水カオリンでは実現できない様な耐マーリング性の改善が得られる点で好ましの充填剤の一種である。
【0027】
なお、電離放射線硬化性樹脂を紫外線にて架橋硬化させる場合には、電離放射線硬化性樹脂に公知の光重合開始剤を添加する。例えば、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合はアセトフェノン類等を用い、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は芳香族ジアゾニウム塩等を用いる。
【0028】
なお、電離放射線の電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、200〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。また、紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用される。
【0029】
〔裏面樹脂層〕
裏面樹脂層4の樹脂には硬化性樹脂、例えば、公知の熱硬化性樹脂、或いは電離放射線硬化性樹脂等を用いることができる。裏面樹脂層は、カール発生防止、さらに毛羽立ち防止にも寄与する。熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂等を用いることができる。また、電離放射線硬化性樹脂としては、前述した表面樹脂層で述べた如き樹脂を使用できる。なお、裏面樹脂層の形成は、グラビアコート等の公知の塗工法で形成することができる。
【0030】
また、裏面樹脂層は着色隠蔽性とすれば、紙基材に裏面樹脂層が浸透した場合に紙基材が透明化するのを抑止できる点で好ましい。紙基材が透明性を増すと、化粧紙を被着基材に積層した時に、被着基材の色が透けて見えてしまい化粧紙の意匠を邪魔してしまう。なお、着色隠蔽性とするには、酸化チタン等の公知の高隠蔽性顔料を添加すれば良い。
また、裏面樹脂層はその表面(裏面)を荒らしておくと、被着基材との密着力を向上できる点で好ましい。表面を荒らすには、サンドブラスト、サンドペーパー等による公知の表面粗面処理で良い。
【0031】
〔その他の構成要素〕
本発明の化粧紙は、少なくとも、上述した紙基材、絵柄印刷層、表面樹脂層、及び裏面樹脂層から構成されるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、更に、その他の構成要素があっても良い。例えば、層化密着力を強化する為のプライマー層、或いは、表面凹凸意匠の付与等である。これらは、従来公知の手法を適宜採用すれば良い。例えば、表面凹凸意匠の場合では、次の(1)〜(4)等がある。
【0032】
(1)エンボス版を用いて表面樹脂層の上から熱圧によるエンボス加工を行い、表面樹脂層に凹凸模様を付与する。或いは、エンボス版が未硬化の表面樹脂層に接触状態で該表面樹脂層を硬化後、エンボス版を離して、凹凸模様を付与する。
【0033】
(2)表面樹脂層の形成に先立ち、シリコーン添加等で撥液性とした撥液性インキで印刷模様を形成しておき、表面樹脂層の塗液を該印刷模様上ではじいて該印刷模様と同調した凹部を形成して凹凸模様を付与する(特公昭52−2641号公報等参照)。具体的には例えば、絵柄印刷層の柄パターン層を撥液性インキで形成して、表面樹脂層に凹凸模様を付与する。
【0034】
(3)表面樹脂層の形成に先立ち、樹脂浸透性が異なるパターンを形成しておき、表面樹脂層の塗液を浸透性大の部分で浸透させて凹部を形成して、浸透性大の部分のパターンと同調した凹部を有する凹凸模様を付与する(特開2001−328228号公報等参照)。具体的には、一旦、浸透性小の樹脂インキで全面に浸透性抑制層を形成した後、その上に、シリカ等の充填剤を添加したインキを印刷して浸透性大のパターンの浸透性層を形成する。そして、その上から表面樹脂層を形成する。或いは逆に、樹脂浸透性の紙基材、浸透性インキの塗工等で全面を浸透性大としておき、この上に浸透性小の樹脂インキで浸透性小のパターンの浸透抑制層を形成する。そして、その上から表面樹脂層を形成して、浸透抑制層とは逆パターンの凹部を有する凹凸模様を付与する等である。なお、この浸透性差異パターンによる凹凸模様では、凹部内部を粗面とする事もできるので、凸部と凹部との艶差意匠も表現できる。
【0035】
(4)表面樹脂層をグラビア印刷、スクリーン印刷等による盛り上げ印刷でパターン状に形成して、表面樹脂層自体のパターンニングにより凹凸模様を付与する。
【0036】
なお、表面凹凸の凹凸模様としては、用途に応じたものが採用され、例えば、木目導管溝、タイル貼り乃至は煉瓦積みの目地溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、レリーフ模様、文字、図形、幾何学模様、或いは梨地等である。
【0037】
〔用途と被着基材〕
本発明の化粧紙はラッピング加工に適したものではあるが、これ以外の用途に使用しても良いく、用途は特に制限は無い。
例えば、その被着基材の材質は、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等である。具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の無機質材料等がある。また、金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料がある。また、木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等がある。また、プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料がある。また、被着基材の形状としては、平板、曲面板、多角柱等である。
【0038】
そして、本化粧紙は上記の如き被着基材と積層して、例えば、箪笥、キャビネット等の家具、扉、扉枠、窓枠等の建具、システムキッチン、手摺、間仕切り等の住宅内装機器、回縁、幅木等の造作部材等に用いられる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
【0040】
〔実施例1〕
紙基材1となる建材薄紙(一般紙グレード、坪量30g/m)上に、絵柄印刷層2として、着色剤として酸化チタンを含有する熱可塑性アクリル樹脂系インキで白色隠蔽性の全面ベタ層2A、及び、熱可塑性アクリル樹脂とニトロセルロース系樹脂の混合樹脂系インキで木目柄の柄パターン層2Bを、順次グラビア印刷で形成した。なお、これらインキは何れも電離放射線硬化性樹脂は含んでいない。
【0041】
次いで、紙基材の他方の面(裏面)に、適量の有機溶剤を含み着色剤添加したアクリレート系電離放射線硬化性樹脂塗液をグラビア塗工法で固形分基準で5g/m塗布し乾燥して(未だ未硬化だが固体の)薄茶色で隠蔽性の裏面樹脂層4を形成した。
次に、絵柄印刷層形成面側に、焼成カオリン(平均粒径0.8μm)を樹脂分に対して40質量%添加したアクリレート系電離放射線硬化性樹脂塗液(無溶剤)を、グラビアオフセット法で固形分4g/mで塗布した後、電子線を照射して前記裏面樹脂層と共に硬化させて表面樹脂層3を形成して、化粧紙10を得た。
【0042】
〔比較例1〕
実施例1に於いて、絵柄印刷層の全面ベタ層及び柄パターン層の各インキにて、元の樹脂分に対してアクリレート系電離放射線硬化性樹脂を20質量%添加したインキを用い、また、裏面樹脂層の塗液では着色剤添加を省略して無着色透明な裏面樹脂層となる様にして、絵柄印刷層中の電離放射線硬化性樹脂も表面樹脂層の硬化と同時に硬化させた他は、実施例1と同様にして化粧紙を作製した。
【0043】
〔性能評価〕
実施例及び比較例の化粧紙について、角の丸み2R〔mm〕の柱状の被着基材にラッピング加工を行ってみた。先ず、実施例及び比較例ともに、耐擦傷性、耐カール性は良好で、また毛羽立ちも発生せず切削性の点でも良好であった。しかし、ラッピング適性は、絵柄印刷層のクラックと化粧紙の耐折強度との点で、実施例の方が比較例よりも優れていた。また、隠蔽性も実施例の方が比較例よりも優れていた。
【0044】
なお、耐擦傷性はスチールウールで表面を擦って傷付き具合で評価した。
また、耐折強度は、TAPPI T511〔紙の耐折強さ(MIT試験機)〕によって、化粧紙の試験片が破断するまでの往復折り曲げ回数で評価した。なお、耐折強度は、紙基材のMD方向(縦方向)及びCD方向(横方向)の2方向で測定した。
【0045】
【表1】
Figure 2004209840
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、耐擦傷性等の表面物性に優れる上、カール発生及び毛羽立ち発生を防げる。しかも、ラッピング加工時に、絵柄印刷層にクラックが発生したり、耐折強度が不足して化粧紙が切れたりせず、ラッピング適性も優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧紙をその一形態で例示する断面図。
【符号の説明】
1 紙基材
2 絵柄印刷層
2A 全面ベタ層
2B 柄パターン層
3 表面樹脂層
4 裏面樹脂層
10 化粧紙

Claims (1)

  1. 樹脂浸透性の紙基材の片面に、熱可塑性樹脂又は/及び熱硬化性樹脂からなり電離放射線硬化性樹脂を含有しない絵柄印刷層を設け、他方の面に硬化性樹脂からなる裏面樹脂層を設けた後、前記絵柄印刷層形成側の面に電離放射線硬化性樹脂からなる表面樹脂層を設けてなる化粧紙。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024063083A1 (ja) * 2022-09-20 2024-03-28 大日本印刷株式会社 化粧シートおよび樹脂含浸化粧板

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