JP2004209792A - 車両用シートの端末処理装置及び車両用シート - Google Patents

車両用シートの端末処理装置及び車両用シート Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、加熱効率の良いインパルスヒーターを用いて、表皮材の端末処理を好適に行うことが可能な車両用シートの端末処理装置及び車両用シートを提供する。
【解決手段】ボトムプレートと、ボトムプレートを被覆する表皮材を備え、表皮材の端末部をボトムプレートの裏面側に熱溶着した車両用シートの端末処理装置であって、表皮材の端末部が配設されるボトムプレート裏面側の部位を加熱溶融する加熱手段を備え、この加熱手段はインパルスヒーター41と、このインパルスヒーター41を保持する保持部42とを有し、インパルスヒーター41の少なくとも一部に折返し部41aが形成され、インパルスヒーター41は保持部42に対して弾性を有して配設される。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートの端末処理装置及び車両用シートに係り、特に表皮材とボトムプレートとの接合にステイプルを用いることなく、車両用シートを効率的に製造することが可能な、車両用シートの端末処理装置及びこの装置により形成される車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車等に配設されている車両用シート100は、図12に示すように、ボトムプレート130上にクッション材120を載置して、表皮材110で被覆することにより形成されている。表皮材110の端末部110aは、ボトムプレート130の裏面側にステイプル140により固定されている。
【0003】
一方、包装フィルムの溶着を行うL型シールにインパルスヒーターを用いた溶着工法が知られている。このインパルスヒーターを用いた溶着工法とは、被加熱物にヒーター線を配設し、瞬間的に大電流を流して発熱させて被加熱物を溶融し、溶融部分において溶着を行う方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−43824号公報(第2頁−第3頁)
【0005】
上記インパルスヒーターを用いた溶着工法において、外形が三次元で湾曲した部材を加熱する場合には、被加熱物の形状に沿って配設できるように、図10に示すようなリボン状のインパルスヒーター150が使用される。
【0006】
或いは、インパルスヒーター150の加熱時に熱膨張(上昇させる温度により変化するが、約16mm/1000mm)が発生すると、位置ずれが生じるという問題があるが、これを解消するために、図11に示すようにインパルスヒーター150に金属製のスプリング160を配設し、このスプリング160でインパルスヒーター150の熱膨張による伸びを吸収するようにしたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、表皮材の端末部をステイプルによりボトムプレートに固定する場合、表皮材を適切な位置に保持しながら、タッカーによってステイプルを打ち込まなければならないため、効率良く作業を行うためには熟練が必要とされていた。
【0008】
或いは、ボトムプレートの裏面側で、表皮材の端末部が重ねて配設される箇所を加熱溶融させ、この加熱溶融された部分に表皮材の端末部を圧着して固定させる方法が知られている。しかし、従来では、ボトムプレートを加熱溶融させる手段として、熱板ヒーターや熱風発生装置が用いられており、加熱に時間を要するという不都合があった。
【0009】
また、前記したインパルスヒーターは瞬間加熱が可能であり、フィルムのシールにおいて加熱工程での製造効率の向上が図れるものであるが、従来の車両用シートの端末処理装置に関してインパルスヒーターを利用した技術はなかった。
【0010】
本発明の目的は、加熱効率の良いインパルスヒーターを用いて、表皮材の端末処理を好適に行うことが可能な車両用シートの端末処理装置及びこの装置により形成される車両用シートを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、本発明の請求項1に係る車両用シートの端末処理装置によれば、ボトムプレートと、該ボトムプレートを被覆する表皮材を備え、該表皮材の端末部を前記ボトムプレートの裏面側に熱溶着した車両用シートの端末処理装置であって、前記表皮材の端末部が配設される前記ボトムプレート裏面側の部位を加熱溶融する加熱手段を備え、該加熱手段はインパルスヒーターと、該インパルスヒーターを保持する保持部とを有し、前記インパルスヒーターの少なくとも一部に折返し部が形成され、前記インパルスヒーターは前記保持部に対して弾性を有して配設された、ことにより解決される。
【0012】
このように、本発明の車両用シートの端末処理装置は、表皮材の端末部がボトムプレートの裏面側に熱溶着された車両用シートの端末処理において、瞬間的に加熱可能なインパルスヒーターを用いているので、効率的に熱溶着を行うことができ、製造効率を向上させることが可能となる。
【0013】
また、ボトムプレートを瞬間的に加熱するため、ボトムプレートへの熱的影響によるソリや収縮が起こり難く、品質を確保することが可能となる。そして、インパルスヒーターの少なくとも一部には折返し部が形成されており、この折返し部でインパルスヒーターを屈曲させる際の歪みや、熱膨張による伸び量を分散及び吸収することができるように構成されている。このため、三次元方向への追従が可能となり、ボトムプレートのように外形が略楕円形であり、上下方向にも湾曲しているような曲面形状を有する部材にも対応することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明の車両用シートの端末処理装置によれば、インパルスヒーターが保持部に対して弾性を有して配設されるので、インパルスヒーターがボトムプレートと干渉した際に、干渉による衝撃が吸収され、インパルスヒーターの折返し部が変形するのを防止することが可能となる。また、インパルスヒーターのボトムプレートへの追従性を向上させることが可能となる。
【0015】
前記課題は、本発明の請求項2に係る車両用シートの端末処理装置によれば、ボトムプレートと、該ボトムプレートを被覆する表皮材を備え、該表皮材の端末部を前記ボトムプレートの裏面側に熱溶着した車両用シートの端末処理装置であって、前記表皮材の端末部が配設される前記ボトムプレート裏面側の部位を加熱溶融する加熱手段を備え、該加熱手段は、少なくとも一部に折返し部が形成されたインパルスヒーターと、該インパルスヒーターを保持する保持部と、前記インパルスヒーターの前記保持部への取付箇所に設けられた緩衝部材とを有する、ことにより解決される。
【0016】
このように、インパルスヒーターを保持部に弾性を有して配設するために、インパルスヒーターの保持部への取付箇所に緩衝部材を配設した構成としても良い。
【0017】
或いは、インパルスヒーターを保持部に弾性を有して配設するために、請求項3に記載のように、インパルスヒーター自体がばね性を備えるように形成しても良い。
【0018】
なお、前記インパルスヒーターの折返し部は、少なくとも前記インパルスヒーターが曲線または曲面に沿って配設される箇所に設けられる。折返し部の具体的形状は、例えば断面略円弧状の部分を含んで形成される。或いは、断面略台形形状の部分を含んで形成される。
【0019】
さらに前記課題は、請求項7に記載の車両用シートによれば、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の車両用シートの端末処理装置により形成されることにより解決される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0021】
図1乃至図7は本発明の一実施例を示すものであり、図1は本発明に係る車両用シートの要部断面図、図2は本発明に係る端末処理装置の斜視図、図3は図2のA−A線断面図、図4は図3のB−B線断面図、図5は端末処理装置の作動状態を示す説明図、図6はインパルスヒーター電源部の回路の一例を示す説明図、図7はインパルスヒーターの斜視図である。
【0022】
本例では、車両用シート1として、二輪車用シートに基づいて説明する。なお、車両用シート1とは、二輪車、すなわち陸上のオートバイ,スクーターに用いられるものだけでなく、スノーモービル,水上バイク用のシートを含み、また三輪バギー車等や跨座式乗物、或いは建機シートに関する乗物用シートを含むものとする。
【0023】
図1で示すように、本例の車両用シート1は、表皮材10と、クッション材20と、ボトムプレート30とから構成されている。
表皮材10は、熱加工が可能であるとともに耐水性を有する材質からなり、例えばPVC(ポリ塩化ビニル樹脂)が使用される。なお、表皮材10としては上記PVCに限らず、表面の活性が低く熱溶着に向いていないフッ素樹脂やケイ素樹脂等を除き、他の材質を選択することが可能である。
【0024】
クッション材20は、柔軟フォーム材、例えばウレタンフォーム,PP(ポリプロピレン)フォーム,PE(ポリエチレン)フォームから形成されており、ボトムプレート30上に載置される。
【0025】
クッション材20は表皮材10に被覆される。なお、クッション材20と表皮材10とは別体として形成されていても良いし、或いは、クッション材20と表皮材10を一体成形する構成としても良い。
【0026】
ボトムプレート30は、例えばPP(ポリプロピレン)、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂から形成される。なお、繊維強化樹脂であるPPG(ガラス繊維入りポリプロピレン)、PPT(フィラー入りポリプロピレン)を使用して成形されたボトムプレート30を使用しても良い。
【0027】
次に、本例の車両用シート1の端末処理装置40について説明する。本例の車両用シート1は、ボトムプレート30を加熱溶融し、ボトムプレート30の加熱部位に表皮材10の端末部10aを加圧しながら配設し、ボトムプレート30に表皮材10を熱溶着により貼着させるものである。
【0028】
本例の端末処理装置40は、加熱手段を備えている。加熱手段は、図2に示すように、ヒーター41と、ヒーター41が配設される保持部としてのヒーター固定基板42とを備えて構成されている。ヒーター41はヒーター固定基板42に対して弾性を有して配設されている。
【0029】
本例では、ヒーター41のヒーター固定基板42への取付部に、緩衝部材48を設けることにより、ヒーター41をヒーター固定基板42へ弾性を有して配設するようにしている。
【0030】
ヒーター41はインパルスヒーターであり、図7に示すように、リボン状のインパルスヒーターに、複数の折返し部41aを設けて形成されている。本例のヒーター41は、断面略円弧状の折返し部41aを連続して設けた構成とされている。
【0031】
このように、ヒーター41に折返し部41aを設けることにより、ヒーター41は自由な方向に変形することが可能となり、曲線形状や曲面形状に合わせて変形したり捩ることができるようになる。このため、三次元方向への追従が可能となり、ボトムプレート30のように外形が略楕円形であり、上下方向にも湾曲しているような曲線形状及び曲面形状を有する部材にも対応することが可能となる。
【0032】
ヒーター41は、インパルス電源部50に電気的に接続されてインパルス通電がなされるように構成されている。インパルス電源部50は、例えば図6に示す回路から構成されており、直流電源51、充放電コンデンサ52、充電抵抗53及び放電抵抗54、スイッチ55、出力部56を備えて構成されている。インパルス電源部50は、例えば、抵抗値=1オーム、電圧=50ボルトとし、2500ワット、50アンペアの大電流を瞬間的にヒーター41に流すことができるように構成されている。
【0033】
ヒーター41の端部は、ヒーター固定基板42に設けた穴から引き出されている。ヒーター固定基板42の穴から引き出されたヒーター41の端部には、インパルス電源部50の出力部56から延長されている電源供給線57がボルト及びナット等の固定部材により連結されており、これにより電源供給が行われている。
【0034】
インパルス電源部からの電流を受けて、ヒーター41は急速に発熱する。ヒーター41によりボトムプレート30への加熱が行われるが、そのときの加熱時間は通常2〜3秒間とされる。
【0035】
ヒーター固定基板42は、ボトムプレート30の形状に沿って形成されている。ヒーター固定基板42は、配設されているヒーター41がボトムプレート30の加熱部位に均等に当接するように、形状や大きさが調整されている。本例では図3に示すようにヒーター41の面が外に向かい且つ斜め下方を向くように傾斜した構成とされている。ヒーター41には折返し部41aが設けられているので、ヒーター41は、ヒーター固定基板42の形状に沿って密着して配設される。
【0036】
なお、本例のヒーター固定基板42は、ボトムプレート31の外周縁に沿って形成された枠体状であるが、これに限らず、外形がボトムプレート30の周縁形状と同様であり、側面にヒーター41を配設可能な板状であっても良い。
【0037】
ヒーター固定基板42は、400℃程度の熱に耐えられる耐熱性を有し、また通電時の漏電を防止するため、絶縁性のある材料から形成されている。ヒーター固定基板42は、ヒーター41がボトムプレート30の加熱部位に均等に当接するように、大きさを調整して形成される。
【0038】
なお、ヒーター固定基板42について、最初は柔らかく形状や大きさの微調整が可能であり、焼成や経時により硬くなる素材、例えば、セラミック、ガラス、セメント等の材料から形成すると好適である。
【0039】
ヒーター固定基板42は取付枠46に取り付けられている。ヒーター固定基板42は取付枠46とともに、エアシリンダ47によって上下方向に移動される。エアシリンダ47は図示しないエアー供給源に接続されており、エアー供給により作動されてロッド47aを伸縮させ、取付枠46及びヒーター固定基板42を昇降可能としている。なお、本例ではヒーター固定基板42をエアシリンダ47によって作動するものとしたが、これに限らず油圧シリンダ等、他の駆動機構を用いても良いことは勿論である。
【0040】
本例のヒーター固定基板42は、図3に示すように凹部42aを備えており、断面略コ字状に形成されている。そして、凹部42aに緩衝部材48が配設されている。緩衝部材48はシリコンゴム等の弾力性のある素材から形成されている。
【0041】
緩衝部材48は、ヒーター固定基板42の凹部42aに接着剤やピン等により固定されている。本例では、ヒーター41は、この緩衝部材48に接して取り付けられている。ヒーター41には、隣接する折返し部41aの間に谷部41bが形成されているが、図4に示すように、この谷部41bの部分を介して、緩衝部材48及びヒーター固定基板42に取り付けられる。
【0042】
ヒーター41は、緩衝部材48を間に介在させてヒーター固定基板42に配設される。図3は図2のA−A線断面図であり、図4は図3のB−B線断面図である。図3及び図4に、ヒーター41、緩衝部材48、ヒーター固定基板42の取付状態が示されている。
【0043】
本例では、ヒーター41をヒーター固定基板42に固定するために、図3及び図4に示すような軟鋼線材からなる保持金具41cを用いている。保持金具41cは、ヒーター41の谷部41bに係合し、谷部41bを緩衝部材48側に引きつけることによりヒーター41を保持している。保持金具41cの、谷部41bを保持している部分の両側はヒーター固定基板42を貫通し、端部41dがヒーター固定基板42の裏面側で固定される。
【0044】
ヒーター41のヒーター固定基板42への取付箇所に緩衝部材48が配設されていることにより、ヒーター41をボトムプレート30に押圧したとき、ヒーター41にかかる圧力を緩衝部材48が吸収し、押圧時の圧力による折返し部41aの変形を防止することが可能となる。また、ヒーター41のボトムプレート30への追従性を向上させることが可能となる。
【0045】
なお、ヒーター41の折返し部41aの内部に、充填材を配設した構成としても良い。充填材が配設されることにより、ヒーター41を適度な加圧力をもってボトムプレート30へ押し付けることができ、また折返し部41aの変形をより確実に防止することが可能となる。充填材としては、ボトムプレート30への加圧力を高める場合には、ヒーター固定基板42の形成材料と同様の材料(例えば、セラミック、ガラス、セメント等)を充填する。また、弾性を必要とする場合は、シリコンガラスマットや、ポリアミド繊維マットとして例えばケブラー(登録商標:デュポン社製)等を充填する。
【0046】
次に、上記端末処理装置40を用いて、車両用シート1の端末処理を行う方法について説明する。車両用シート1の端末処理工程は、ボトムプレート30の裏面側の所定部位の表面をインパルスヒーターで加熱溶融する第1の工程と、ボトムプレート30からインパルスヒーターを離間させる第2の工程と、表皮材10の端末部10aを、ボトムプレート30の溶融された所定部位に重ねて圧着手段で加圧する第3の工程と、表皮材10から圧着手段を離間させる第4の工程と、表皮材10とボトムプレート30の溶着部分を固化させて表皮材10とボトムプレート30とを一体化させる第5の工程とから構成されている。
【0047】
端末処理装置40の作動は、自動制御或いは手動制御により行われる。自動制御の場合は、温度センサにより加熱状況を監視したり、タイマにより処理時間を計測し、これらセンサやタイマからの情報に基づいて、各手段が自動的に操作されることにより行われる。
【0048】
また、手動制御による場合は、端末処理装置40の近傍に操作盤(図示せず)を設け、この操作盤の複数のスイッチを投入することにより、各手段の動作がなされるようにする。
【0049】
なお、第1の工程より前に、表皮材10,クッション材20,ボトムプレート30の組み付けが行われる。表皮材10,クッション材20,ボトムプレート30の組み付けは、作業台等に載置されたクッション材20及びボトムプレート30を表皮材10で被覆するか、或いは、表皮材10が予め配設された金型に、クッション材20及びボトムプレート30が配設されることにより行われる。車両用シート1の組付体は、ボトムプレート30が上方を向くように固定される。
なお、端末処理では、必要に応じて組付体を加圧手段により押圧する。
【0050】
第1の工程では、エアシリンダ47のロッド47aを伸長させて、ヒーター固定基板42を下降させ、図5に示すように、ボトムプレート30の裏面側の周縁端部31にヒーター41を当接させて加熱が行われる。ヒーター41による2〜3秒間の加熱で、ボトムプレート30の表面が溶融する。
【0051】
本例では、ヒーター41を構成するインパルスヒーターが、図2に示すようにヒーター固定基板42の周囲に連続して設けられているので、加熱は、ボトムプレート30の周縁端部31に沿って連続して行われる。
第2の工程では、エアシリンダ47のロッド47aを伸縮させて、ヒーター固定基板42を上昇させ、ボトムプレート30からヒーター41を離間させる。
【0052】
第3の工程では、表皮材10の端末部10aがボトムプレート30の裏面側に折り返され、表面が溶融した部分に表皮材10の端末部10aが重ねられ、圧着手段により加圧されて溶着される。圧着手段はボトムプレート30に対して昇降可能に設けられている。なお、圧着手段として、ボトムプレート30の周縁端部31に係合可能な枠部材を使用しても良いが、ヒーター固定基板42を圧着手段として兼用しても良い。ヒーター固定基板42を圧着手段として用いる場合は、ヒーター41の温度が下がってから使用する。
【0053】
第4の工程では、圧着手段を上昇させ、表皮材10から圧着手段を離間させる。
さらに、第5の工程では、熱溶着された部分が固化され、ボトムプレート30と表皮材10の端末部10aとが接着固定される。このとき、ボトムプレート30と、表皮材10の端末部10aとの接合箇所に向けて冷風を送風し、より早く冷却されるようにしても良い。
【0054】
なお、ヒーター41の折返し部41aの形状としては、断面略円弧状、断面略台形形状の他にも、断面多角形、断面不定形、山と谷が連続する形状等自由な形状とすることができる。また、一定の断面形状が連続するのではなく、複数の断面形状を有する構成としても良い。或いは、配設面が平坦面の場合は直線状とし、配設面が曲面の箇所のみ折返し部41aを設けるようにしても良い。
【0055】
図8は他の構成のヒーター41を示すものである。図8のヒーター41は、インパルスヒーター41自体がばね性を有するように構成されている。図8の例では、保持金具41cに固定されているヒーター41の谷部41bの部分が輪状になっており、ヒーター41にばね性を与えるように構成されている。
【0056】
また、図8のヒーター41は、断面略台形状に形成され、ボトムプレート30との接触面積を増やして、より変形しにくい構成とされている。また、ヒーター41とボトムプレート30との接触面が大きくなり、ボトムプレート30の樹脂溶融部分の面積を大きくすることができ、表皮材10との固定強度を向上させることが可能となる。
【0057】
なお、上記のように、ヒーター41自体にばね性を持たせた場合は、図9に示すように、ヒーター固定部材42にヒーター41を直接取り付けた構成としても良い。図9の例では、ヒーター41は谷部41bにピン43を打ち込むことによりヒーター固定基板42に固定されている。
【0058】
上記各実施例では折返し部41aが形成されたインパルスヒーターを使用した構成を示したが、被溶着部に追従可能であれば、折返し部41aが形成されていないインパルスヒーターを用いた構成であっても良い。さらに、線状または、より広い幅を有する面状のインパルスヒーターを使用しても良い。さらに、ヒーター41を2列、或いは2列以上設けた構成としても良い。或いは、ヒーター41を連続的ではなく、所定間隔をおいて設けても良い。
【0059】
本例では、ボトムプレート30の周縁端部31を溶融し、表皮材10の端末部10aを溶着させる構成としたが、ボトムプレート30の周縁端部31に限らず、ボトムプレート30の座面部の裏側面を溶融し、表皮材10を貼着させても良い。
【0060】
なお、ボトムプレート30の周縁端部31と、座面部の裏側面の両方に樹脂溶融部を設けるようにしても良い。これにより、ボトムプレート30の周縁端部31と、座面部の裏側面との両方に、表皮材10の端末部10aを接合することができ、高い接合性を得ることが可能となる。
【0061】
また、上記実施例では、二輪車用シートのボトムプレート30に、表皮材10の端末部10aを接合する例を示したが、同様構成のものであれば二輪車用シートに限らず、四輪車両用シートボトムプレートや、ドア、ルーフ等他の内装部品にも適用可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ステイプルを用いることなく、ボトムプレートに表皮材の端末領域が固定された車両用シートにおいて、ボトムプレートの加熱溶融手段として、瞬間的に発熱するインパルスヒーターを用いているので、効率的に熱溶着を行うことができ、製造効率を向上させることが可能となる。また、ボトムプレートを瞬間的に加熱するため、ボトムプレートへの熱的影響によるソリや収縮が起こり難く、品質を確保することが可能となる。
【0063】
また、インパルスヒーターが、このインパルスヒーターを保持する保持部材に弾性を有して配設されているので、インパルスヒーターをボトムプレートに押圧して加熱するときに、インパルスヒーターへかかる圧力を緩衝部材が吸収し、押圧時の圧力によるインパルスヒーターの変形を防止することが可能となる。また、インパルスヒーターのボトムプレートへの追従性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用シートの要部断面図である。
【図2】本発明に係る端末処理装置の斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】端末処理装置の作動状態を示す説明図である。
【図6】インパルスヒーター電源部の回路の一例を示す説明図である。
【図7】インパルスヒーターの斜視図である。
【図8】加熱手段の他の実施例を示す説明図である。
【図9】加熱手段のさらに他の実施例を示す説明図である。
【図10】一般的なリボン状のインパルスヒーターを示す説明図である。
【図11】従来例を示す説明図である。
【図12】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車両用シート
10 表皮材
10a 端末部
20 クッション材
30 ボトムプレート
31 周縁端部
40 端末処理装置
41 ヒーター
41a 折返し部
41b 谷部
41c 保持金具
42 ヒーター固定基板
42a 凹部
43 ピン
46 取付枠
47 エアシリンダ
48 緩衝部材
50 インパルス電源部
51 直流電源
52 充放電コンデンサ
53 充電抵抗
54 放電抵抗
55 スイッチ
56 出力部

Claims (7)

  1. ボトムプレートと、該ボトムプレートを被覆する表皮材を備え、該表皮材の端末部を前記ボトムプレートの裏面側に熱溶着した車両用シートの端末処理装置であって、
    前記表皮材の端末部が配設される前記ボトムプレート裏面側の部位を加熱溶融する加熱手段を備え、
    該加熱手段はインパルスヒーターと、該インパルスヒーターを保持する保持部とを有し、
    前記インパルスヒーターの少なくとも一部に折返し部が形成され、
    前記インパルスヒーターは前記保持部に対して弾性を有して配設されたことを特徴とする車両用シートの端末処理装置。
  2. ボトムプレートと、該ボトムプレートを被覆する表皮材を備え、該表皮材の端末部を前記ボトムプレートの裏面側に熱溶着した車両用シートの端末処理装置であって、
    前記表皮材の端末部が配設される前記ボトムプレート裏面側の部位を加熱溶融する加熱手段を備え、
    該加熱手段は、少なくとも一部に折返し部が形成されたインパルスヒーターと、該インパルスヒーターを保持する保持部と、前記インパルスヒーターの前記保持部への取付箇所に設けられた緩衝部材とを有することを特徴とする車両用シートの端末処理装置。
  3. 前記インパルスヒーターはばね性を備えて形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シートの端末処理装置。
  4. 前記インパルスヒーターの折返し部は、少なくとも前記インパルスヒーターが曲線または曲面に沿って配設される箇所に設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シートの端末処理装置。
  5. 前記折返し部は断面略円弧状の部分を含んで形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シートの端末処理装置。
  6. 前記折返し部は断面略台形形状の部分を含んで形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シートの端末処理装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の車両用シートの端末処理装置により形成された車両用シート。
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