JP2004208853A - イントロデューサの止血弁 - Google Patents

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Kazuaki Hashimoto
和昭 橋本
Anten Iwanaga
安展 岩永
Yoshiro Okada
芳郎 岡田
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Abstract

【課題】カテーテルを引抜くときの弁の戻り動作を速くして血液の漏れを防止するとともに、カテーテルを確実に弁の中心にガイドして保持できるイントロデューサの止血弁を提供する。
【解決手段】イントロデューサ内のカテーテル挿通路を塞ぐ位置に装着された弾性材料の板状弁体8からなる止血弁であって、カテーテル挿通部にスリット13を設けるとともに、該スリット13を囲んで前記弁体8の一方の面にリング状の突起10を設け、カテーテル挿入時に該突起10の外周面が前記カテーテル挿通路の内周面に圧接する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用カテーテルを血管に挿入する時にこれをガイドするイントロデューサの止血弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
イントロデューサは、ダイレータ(内管)とシース(外管)からなり、ガイドワイヤとともに血管に挿入した後、ガイドワイヤとダイレータとを抜き取り、シースのみを残して留置する。このシースの手元部側の端部に設けられているハブを通してカテーテルが体内に挿入され、シース内を挿通してガイドされ血管内に導入される。このシースのハブには血液の漏れを防止するための止血弁が設けられる。
【0003】
従来の止血弁が特許文献1に開示されている。
この文献公知の止血弁は、1枚の弾性材料からなる止血弁であって、片側の面の中央部がすり鉢状に形成され、反対側の面に切れ目を前記小穴の中心を通るように形成したものである。
【0004】
従来の別の止血弁が特許文献2に開示されている。
この文献公知の止血弁は、1枚の弾性材料からなる止血弁であって、一方の面にのみ開口する第1の切り込みと、反対側の面にのみ開口する第2の切り込みを形成し、これらの第1及び第2の切り込みが内部で交差しているものである。
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の止血弁では、イントロデューサに挿入したカテーテルを引抜くときに、特に太い径のカテーテルの場合、カテーテルが止血弁を通過して弁が閉じるときに、弁がその弾性により完全に閉じた状態に戻るまでの間に血液が漏れるという問題があった。
【0006】
また、前記特許文献2に記載の止血弁では、ガイドワイヤ等の細いワイヤのみが止血弁を通してイントロデューサに挿入されている場合に、これらのワイヤが止血弁の中心からずれた場合に切り込みとワイヤとの間の隙間から血液が漏れるという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
実公平3−40312号公報
【0008】
【特許文献2】
特公平2−948号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、カテーテルを引抜くときの弁の戻り動作を速くして血液の漏れを防止するとともに、カテーテルを確実に弁の中心にガイドして保持できるイントロデューサの止血弁の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、イントロデューサ内のカテーテル挿通路を塞ぐ位置に装着された弾性材料の板状弁体からなる止血弁であって、カテーテル挿通部にスリットを設けるとともに、該スリットを囲んで前記弁体の一方の面にリング状の突起を設け、カテーテル挿入時に該突起の外周面が前記カテーテル挿通路の内周面に圧接することを特徴とするイントロデューサの止血弁を提供する。
【0011】
この構成によれば、弁体に設けたリング状の突起の外周面がイントロデューサのカテーテル挿通路の内周面に圧接し、弁体を中心側に向けて弾性的に撓ませるため、弁は常に閉じる方向の力を受ける。したがって、カテーテルを引抜いて弁が閉じるときの戻り動作が速くなって、短時間で弁が閉じ血液の漏れを防止或いは低減できる。
【0012】
また、カテーテルを中心側に向ける力が作用するため、カテーテルの位置ずれを防止することができる。
【0013】
好ましい構成例では、前記弁体の前記突起と反対側の面の中心部に、弁体板厚の中間部まで穿った小穴を設け、該小穴の周囲にカテーテルガイド用の凹みを放射状に形成したことを特徴としている。
【0014】
この構成によれば、弁体中心から放射状に形成された凹みがカテーテルを中心方向にガイドして位置ずれをさらに確実に防止するとともに、カテーテルを差し込むときにカテーテルに接してガイドする部分は隣接する放射状凹みの中心側となる根元部分のみとなるため、接触面積が減少し、挿通時の通過抵抗が軽減され円滑に挿入することができる。
【0015】
さらに好ましい構成例では、前記凹みは三つ葉状又は四葉状であることを特徴としている。
【0016】
この構成によれば、カテーテルを挿通させるスリットを例えばY字状又は十字状としたときに、スリット形状に合せて三つ葉状又は四葉状の凹みを形成することにより、接触面積を適度に減少させて通過抵抗を軽減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るイントロデューサの断面図である。
イントロデューサ(シースイントロデューサ)1は、シース2と、その端部のハブ3と、ハブ3に装着したストレインリリーフ4とからなる。ハブ3内にカテーテル挿通路7が形成され、図はこの挿通路7を通してカテーテル5が挿入されている状態(ダイレータは外されている状態)を示す。カテーテル5を血管内にガイドするシース2の端部は、固定用金属リング6により拡径されるとともにハブ3のカテーテル相通路7の内周面にかしめ圧着され固定保持される。
【0018】
ハブ3端部のカテーテル挿通路7を塞ぐ位置に止血弁8が装着され、弁キャップ9により固定される。弁キャップ9は、その周縁に形成した係止突起9aがハブ3の外周面に設けた環状溝3aに弾発的に嵌って固定される。止血弁8は、弾性材料からなる円板状弁体であって、ハブ内部側の面にリング状の突起10を有する。この突起10の外周面は、ハブ3内のカテーテル挿通路7の内周面に圧接している。これにより、止血弁8にカテーテル5を挿通した状態では、止血弁8の中心部のカテーテル挿通部に中心方向への弾性力が作用する。このため、この突起10の外径は、ハブ3の挿通路7の内径と同一か又は締め代のある外径寸法とする必要がある。なお、突起10はカテーテル挿入状態で中心方向に弾性力を付与すればよく、必ずしも締め代がある必要はない。また、締め代はカテーテルの通過抵抗を大きくし過ぎないように選定する。
【0019】
図2は、止血弁の形状説明図である。
弾性材料からなる止血弁(弁体)8は円板形状であり、その中心に、一方の面(カテーテルが差し込まれる側の面)から板厚の中間部まで穿った小穴11が形成される。この小穴11の周囲に四葉形状の凹み12が放射状に形成される。この小穴11に対向して反対側の面(ハブ内部側に向かう面)に十字状のスリット13が切り込まれて形成される。スリット13は、小穴11の端部の位置又はこれを幾分越える位置まで形成される。このスリット13を囲んでリング状の突起10が形成される。
【0020】
カテーテルを挿入する場合、挿入位置がずれたとしても、四葉状の凹部12により中心方向にガイドされて挿入される。また、挿入する場合、カテーテルの外周面は凹部12の根元部12aに接触して挿入されるため、接触面積が減少し、通過抵抗が軽減され円滑に挿入することができる。この根元部12aは、滑らかな曲面状に形成することが望ましい。カテーテルは、スリット13を押し開いた状態で内部に挿入され保持される。
【0021】
この止血弁をイントロデューサに装着すると、前述の図1に示したように、突起10の外周面がイントロデューサのハブ3内部のカテーテル挿通路7の内周面に圧接して、内側に弾性変形した状態で保持される。すなわち、押し開かれたスリット13部分を閉じる方向に弾性力を受けて保持される。カテーテルを挿入した状態では、この弾性力によりカテーテルが中心位置に確実に保持されるとともに、引抜いた際に、押し開かれたスリット13部分が直ちに押し戻され弁は短時間で閉じる。
【0022】
なお、スリット13は十字形状に限らず、Y字形状その他の放射状の形状で切り込み形成してもよい。また、凹み12の形状も四葉に限らず、三つ葉形状或いはその他の放射状の凹みであってもよい。小穴11の周囲の凹み12には滑らかな面取り加工を施すことが望ましい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、弁体に設けたリング状の突起の外周面がイントロデューサのカテーテル挿通路の内周面に圧接し、弁体を中心側に向けて弾性的に撓ませるため、弁は常に閉じる方向の力を受ける。したがって、カテーテルを引抜いて弁が閉じるときの戻り動作が速くなって、短時間で弁が閉じ血液の漏れを防止或いは低減できる。
【0024】
また、カテーテルを中心側に向ける力が作用するため、カテーテルの位置ずれを防止することができる。
【0025】
また、前記弁体の他方の面の中心部に、弁体板厚の中間部まで穿った小穴を設け、該小穴の周囲にカテーテルガイド用の凹みを放射状に形成した構成によれば、弁体中心から放射状に形成された凹みがカテーテルを中心方向にガイドして位置ずれをさらに確実に防止するとともに、カテーテルを差し込むときにカテーテルに接してガイドする部分は隣接する放射状凹みの中心側となる根元部分のみとなるため、接触面積が減少し、挿通時の通過抵抗が軽減され円滑に挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイントロデューサの断面図。
【図2】本発明の止血弁の形状説明図。
【符号の説明】
1:イントロデューサ、2:シース、3:ハブ、4:ストレインリリーフ、
5:カテーテル、6:固定用金属リング、7:カテーテル挿通路、
8:止血弁、9:弁キャップ、9a:係止突起、10:突起、11:小穴、
12:凹み、12a:根元部、13:スリット。

Claims (3)

  1. イントロデューサ内のカテーテル挿通路を塞ぐ位置に装着された弾性材料の板状弁体からなる止血弁であって、
    カテーテル挿通部にスリットを設けるとともに、該スリットを囲んで前記弁体の一方の面にリング状の突起を設け、カテーテル挿入時に該突起の外周面が前記カテーテル挿通路の内周面に圧接することを特徴とするイントロデューサの止血弁。
  2. 前記弁体の突起と反対側の面の中心部に、弁体板厚の中間部まで穿った小穴を設け、該小穴の周囲にカテーテルガイド用の凹みを放射状に形成したことを特徴とする請求項1に記載のイントロデューサの止血弁。
  3. 前記凹みは三つ葉状又は四葉状であることを特徴とする請求項2に記載のイントロデューサの止血弁。
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JP2018525158A (ja) * 2015-08-24 2018-09-06 アビオメド インコーポレイテッド 医療デバイスイントロデューサのための止血弁

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018525158A (ja) * 2015-08-24 2018-09-06 アビオメド インコーポレイテッド 医療デバイスイントロデューサのための止血弁
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