JP2004208641A - 飲食用キノコ組成物の製造方法 - Google Patents

飲食用キノコ組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アガリクス茸の菌糸体だけでなく、他の有用なキノコ類の菌糸体も同時に効率よく培養して、有効成分を豊富に含む飲食用キノコ組成物を製造できるようにする。
【解決手段】キノコ類の菌糸体の培養に必要な栄養源を含む液体培地に、アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill)の菌糸体と、培養することによって培地が酸性化する傾向がある酸生成キノコ類の菌糸体とを接種して混合培養し、得られた培養物を原料として飲食用キノコ組成物を製造する。前記酸生成キノコ類としては、メシマコブ(Phellinus linteus)が好ましく、前記キノコ類の菌糸体の培養容器の底部内径と、該培養容器に充填された培養液の高さとの比が、1:0.35〜1となるようにして培養を行なうことが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食用キノコ組成物の製造方法に関し、更に詳しくは、2種類以上のキノコ類の菌糸体を混合培養して得られる培養物を原料として飲食用キノコ組成物を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、キノコ類には様々な生理活性効果があることが知られている。例えば、アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill、日本名「ハラタケ科ハラタケ属カワリハラタケ。以下、アガリクス茸という。)は、抗ガン作用、血糖降下作用、血圧降下作用等を有しており、メシマコブは、抗腫瘍活性を有していることが知られている。
【0003】
従来、アガリクス茸やメシマコブの人工栽培は難しく、非常に高価な素材であったため、それらを原料とする健康食品も高価なものとなっていた。このため、近年、これらのキノコ類の菌糸体培養物を原料として製造された健康食品が市販されるようになり、広く利用されるようになってきた。
【0004】
例えば、特許文献1には、特定の培養液中で特定の条件下に曝気、ろ過を繰り返しながらアガリクス茸の菌糸を培養して、アガリクス・ブラゼイ・ムリルの菌糸体のエキスを製造する方法について開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、(1)液体培地にメシマコブ菌糸体を摂取して、22℃〜35℃で培養すること、(2)液体培地の炭素源として、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオース、マルトース、ラクトース、ラフィノースから選択される1以上の糖類を使用すること、(3)好気的条件下で培養すること、(4)培養開始時の培地のpHを4.5〜6.5とすること、という条件を採用することを特徴とするメシマコブ菌糸体の培養方法について開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−235162号公報
【特許文献2】
特開2001−178448号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、キノコ類の菌糸体を液体培地で培養した場合、培養期間が長くなるにしたがって、キノコ類の産生する代謝産物によって培養液のpHが変化してしまい、菌糸体の成長が阻害されてしまうという問題があった。例えば、アガリクス茸の菌糸体を液体培地で培養した場合、アガリクス茸の産生する代謝産物によって培養液のpHが上昇してしまい、菌糸体の培養至適pHから外れてしまうという問題があった。
【0008】
また、従来より、アガリクス茸、メシマコブ等の有用なキノコ類の複数種類を混合することにより、それらの成分の相乗効果を期待した健康食品も市販されているが、キノコ類の種類ごとに菌糸体を別々に培養していたため、複数の培養容器を用いて培養するか、同じ培養器を用いて1種類ずつ培養することが必要であり、製造コストや製造時間がかかってしまうという問題があった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、アガリクス茸の菌糸体を液体培地で培養する際に、培養液のpHの変化による菌糸体の成長阻害を防止してアガリクス茸の菌糸体を効率よく培養すると共に、アガリクス茸の菌糸体だけでなく、他の有用なキノコ類の菌糸体も同時に効率よく培養できるようにし、それによって有効成分を豊富に含む飲食用キノコ組成物を効率よく製造できるようにした飲食用キノコ組成物の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の飲食用キノコ組成物の製造方法は、キノコ類の菌糸体の培養に必要な栄養源を含む液体培地に、アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill)の菌糸体と、培養することによって培地が酸性化する傾向がある酸生成キノコ類の菌糸体とを接種して混合培養し、得られた培養物を原料として用いることを特徴とする。
【0011】
本発明の培養方法によれば、アガリクス茸の菌糸体と、菌糸体を培養した際に培地が酸性になる酸生成キノコ類の菌糸体とを混合して培養することにより、アガリクス茸が産生するアルカリ性の代謝産物が、酸生成キノコ類が産生する酸性の代謝産物によって中和されるので、培養期間中の培養液のpHの変化を抑制することができる。その結果、アガリクス茸の菌糸体と、酸生成キノコ類の菌糸体との両方を効率よく培養することができる。そして、こうして得られた培養物を原料として、飲食用キノコ組成物を製造することにより、アガリクス茸だけでなく、酸生成キノコ類が有する生理活性も期待できる健康食品素材を提供することができる。
【0012】
本発明においては、前記酸生成キノコ類が、メシマコブ(Phellinus linteus)であることが好ましい。メシマコブは、培養中に酸性の代謝産物を生成し、培養液を酸性にする傾向があるため、アガリクス茸が生成するアルカリ性の代謝産物を効果的に中和することができる。また、メシマコブは、サルノコシカケ科のキノコの中でも最も高い抗腫瘍効果が認められているものであり、アガリクス茸と併用することによって、より優れた抗ガン作用が期待できる。更に、アガリクス茸の菌糸体は培養容器の底に沈殿する傾向があるのに対し、メシマコブ等の酸生成キノコ類の菌糸体の多くは、培養液の表面に浮き上がる傾向があるので、デカンテーションレベルでほぼ定量的に、両者を分別回収することが可能となる。
【0013】
また、前記キノコ類の菌糸体の培養容器の底部内径と、該培養容器に充填された培養液の高さとの比が、1:0.35〜1となるようにして培養を行なうことが好ましい。これによれば、培養液の表面に浮き上がる傾向のあるアガリクス茸と、例えばメシマコブのように培養容器の底に沈殿する傾向があるキノコ類とを組み合わせた場合に、両者の分別回収をより容易に行うことができる。
【0014】
培養物から飲食用キノコ組成物を調製する方法としては、培養後に、前記アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill)の菌糸体と、前記酸生成キノコ類の菌糸体とを分別回収し、それぞれの菌糸体を所定の配合比で混合して原料とすることが好ましい。これによれば、アガリクス茸の菌糸体と、酸生成キノコ類の菌糸体とを、一定の比率で混合した製品を作ることが可能となる。
【0015】
また、前記キノコ類の菌糸体の培養液から、前記アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill)の菌糸体と、前記酸生成キノコ類の菌糸体とを回収し、この菌糸体を粉砕して乾燥することが好ましい。これによれば、β−1,3グルカンなどの生理活性を有する成分を豊富に含む健康食品素材を得ることができる。
【0016】
あるいは、前記キノコ類の菌糸体の培養液から前記菌糸体を回収した残液を濃縮し、乾燥粉末化する方法も好ましい。これによれば、キノコ類の菌糸体が生産する代謝産物や、培地原料がキノコ類の菌糸体によって分解されたものなどを豊富に含む生理活性効果に優れた健康食品素材を得ることができる。
【0017】
更には、前記キノコ類の菌糸体の培養液中に含まれる酵素及び/又は外部から添加した酵素によって、前記菌糸体を分解させた後、有効成分を採取する方法も好ましく採用される。これによれば、菌糸体の酵素分解物や、菌糸体が生産した代謝産物や、培地原料が酵素によって分解されたものなど、培養物全体に含まれる生理活性成分を含む健康食品素材を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の培養方法について詳細に説明する。
本発明においてキノコ類とは、正確には担子菌(Basidiomycetes)に属する菌類であって食用可能なものを意味する。このキノコ類としては、アガリクス茸の他に、例えばメシマコブ、霊芝、シイタケ、エノキタケ、マツタケ、マイタケ、ヒラタケなどが挙げられる。
【0019】
本発明で用いられるアガリクス茸は、既に健康食品等として広く利用されており、当業者が容易に入手することができる。
【0020】
また、菌糸体を培養した際に培地が酸性になるキノコ類(以下、酸生成キノコ類という。)としては、メシマコブ、シイタケ、ハナビラタケ等が挙げられ、これらのキノコ類も当業者が容易に入手できるものである。
【0021】
本発明において、アガリクス茸及び酸生成キノコ類の菌糸体を培養する際に用いる液体培地としては、キノコ類の菌糸体の培養に必要な栄養源を含むものであれば特に限定されず、例えば炭素源として、ブドウ糖、蜂蜜、シュークロース等が用いられ、窒素源として、ペプトン、ポリペプトン、イーストエキストラクト等が用いられ、その他の成分として、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のpH調整剤、MgSO等の無機塩などを含むものが好ましく採用される。液体培地のpHは、上記キノコ類の菌糸体の増殖に適したpHであれば特に限定されないが、通常は、pH5.8〜6.5程度に調整することが好ましい。
【0022】
本発明のキノコ類の菌糸体の液体培養方法は、例えば、以下のようにして行なうことができる。なお、培養における各操作は、全て無菌的に行なうことが好ましい。
【0023】
すなわち、例えばフラスコ、ジャーファーメンター等の培養容器に上記液体培地を入れて滅菌するか、あるいは予め滅菌された上記培養容器に滅菌された上記液体培地を入れ、アガリクス茸の菌糸体の前培養液と、酸生成キノコ類の菌糸体の前培養液を接種し、好ましくは22〜26℃で、好ましくは20〜30日間培養する。なお、通常、キノコ類は好気的であるため、効率よく菌糸体を培養するために、培養期間中は、振とうしたり、通気攪拌(エアレーション)したりして、好気的条件下で培養することが好ましい。
【0024】
本発明においては、上記フラスコ、ジャーファーメンター等の培養容器の底部内径と、培養液を充填したときの高さとの比が、好ましくは1:0.35〜1、より好ましくは1:0.4〜0.7となるように、適宜培養液量を調整したり、培養容器の形状を適宜変えて培養を行なうことが好ましい。
【0025】
このような条件で培養することにより、アガリクス茸の菌糸体は、球状(マリモ状)になって培養容器の底部に沈降する傾向があり、メシマコブ等の酸生成キノコ類の菌糸体は、菌膜状になって培養容器の上部に浮く傾向があるため、培養後に静置しておくと、アガリクスの菌糸体が底部に沈降し、メシマコブ等の酸生成キノコ類の菌糸体が上部に浮き上がって、両者を分別回収しやすくなる。その結果、それぞれの菌糸体を所定の配合比で混合して原料とし、アガリクス茸の菌糸体と酸生成キノコ類の菌糸体とを、一定の比率で混合した製品を作ることが可能となる。
【0026】
なお、培養容器の底部内径と培養液の高さの比が1:0.35未満であると、アガリクス茸の菌糸体と酸生成キノコ類の菌糸体とを分別回収しにくくなり、培養容器中の培養液の底辺と高さの比が1:1を超えると、培養液中に菌糸体が存在しない中間層ができるため、培養効率が低下する。
【0027】
なお、アガリクス茸の菌糸体と酸生成キノコ類の菌糸体との比率を正確に配合する必要がない場合には、上記菌糸体が分別不可能に混合されてもよい。
【0028】
そして、培養期間中、培養液の液部は、振とうやエアレーション等によって適度に撹拌されているので、アガリクス茸が産生するアルカリ性の代謝産物と、酸生成キノコ類が産生する酸性の代謝産物とが混合、中和され、培養液全体のpHの変化が抑制される。したがって、各菌糸体の成長がpHの変化によって阻害されることがなく、効率よく培養することができる。
【0029】
所定期間培養して十分に菌糸体が成長したら、培養を終了し、この培養物を原料として飲食用キノコ組成物を調製する。培養物の処理方法としては、各種の方法が採用できるが、例えば以下のような方法が好ましく採用される。
【0030】
その1つの方法は、前記キノコ類の菌糸体の培養液から、アガリクス茸の菌糸体と、メシマコブ等の酸生成キノコ類の菌糸体とを回収し、この菌糸体を粉砕して乾燥する方法である。
【0031】
菌糸体の回収は、例えばアガリクス茸の菌糸体を含む培養液と、メシマコブ等の酸生成キノコ類の菌糸体を含む培養液とをデカンテーションによって分別して回収し、それぞれの分別した培養液から遠心分離等の固液分離手段で菌糸体を回収することによって行うことができる。また、各菌糸体を分別する必要がない場合には、培養液全体をそのまま遠心分離等にかけることにより、全ての菌糸体を混合した状態で回収することができる。
【0032】
こうして回収した菌糸体は、必要に応じて湿式粉砕処理や酵素処理等を行なった後、そのまま、あるいは乾燥して、飲食用キノコ組成物を得ることができる。この組成物は、必要に応じて他の原料と組合せることにより、錠剤状、顆粒状、粉末状、カプセル状、液状の健康食品を製造するのに利用することができる。なお、酵素としては、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、グルカナーゼ、キチナーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ等が使用できる。
【0033】
また、上記において、菌糸体を回収した後の残液には、アガリクス茸の代謝産物や酵素、酸生成キノコ類の代謝産物や酵素、培地成分の分解物等が含まれているので、この残液もそのまま、あるいは濃縮し、更には凍結乾燥や噴霧乾燥等の手段によって粉末化して、健康食品素材として利用することができる。なお、酵素を失活させないためには、凍結乾燥がより好ましい。
【0034】
更に、培養が終了した培養液を所定の温度で放置することにより、各キノコの菌糸体が生産した酵素によって菌糸体等を自己消化させたり、あるいは前記のような酵素を外部から添加して菌糸体等を分解させた後、遠心分離等により固形分を除去し、その上清(抽出液)を濃縮し、必要に応じて更に乾燥したものを、健康食品素材として利用することもできる。また、上記のように酵素を作用させて菌糸体等を分解させた培養物をそのまま全部乾燥させて、健康食品素材として利用することもできる。
【0035】
以上のように、本発明によれば、アガリクス茸の菌糸体やその代謝産物だけでなく、酸生成キノコ類の菌糸体やその代謝産物を含み、それらの成分の相乗効果が期待できる健康食品素材等を簡単に調製することができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1〜3、比較例1、2
下記表1の組成からなる液体培地450mLを、培養液の底辺と高さの比が表1に示すようになるように調整した各種大きさの容器に入れ、各培地にアガリクス茸の菌糸体の前培養液及び/又はメシマコブの菌糸体の前培養液を1mL添加して、25℃で30日間、100rpmにて回転振とう培養を行なった。具体的には、表2に示す条件でそれぞれ培養を行なった。なお、培養における各操作は全て無菌的に行なった。
【0037】
【表1】
Figure 2004208641
【0038】
【表2】
Figure 2004208641
【0039】
培養期間中、3日毎に培養液のpHを測定した。その結果を図1に示す。図1から、アガリクス茸とメシマコブを一緒に培養した実施例1の培養液のpHは、培養開始時のpH(pH6.0)から大きく外れることはなく、培養終了時までほぼ一定(pH5.68〜6.90)していることが分かる。一方、実施例1の混合培養に比較して、アガリクス茸のみを培養した比較例1では、培養するにしたがって培養液のpHが上昇しており、メシマコブのみを培養した比較例2においては、培養液のpHが低下していることが分かる。
【0040】
そして、培養終了の24時間前に、振とう(及びエアレーション)を止めて、静置して培養液の状態(アガリクス茸の菌糸体とメシマコブの菌糸体の分離状態)を観察した。また、培養液から菌糸体を回収して乾燥した後、それぞれ重さを測定し、培養液450mL当たりの菌糸体の収量を計算した。それらの結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
Figure 2004208641
【0042】
表3から、アガリクス茸とメシマコブとを混合培養した実施例1〜3は、アガリクス茸のみの比較例1や、メシマコブだけの比較例2に比べて、合計の収量が増大することが分かる。
【0043】
また、培養液の底辺と高さの比が1:0.7の実施例1及び1:0.5の実施例2においては、アガリクス茸とメシマコブとを分別回収することができたが、培養液の底辺と高さの比が1:0.3の実施例3では、両者を分別回収することが困難であった。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、アガリクス茸の菌糸体と、酸生成キノコ類の菌糸体とを混合して培養することにより、アガリクス茸の産生するアルカリ性の代謝産物を、酸生成キノコ類の産生する酸性の代謝産物によって中和できるので、培養期間中の培養液のpHの変化を抑制することができる。その結果、アガリクス茸の菌糸体だけでなく、酸生成キノコ類の菌糸体も効率よく培養することができる。
【0045】
特に、前記酸生成キノコ類としてメシマコブを用いることにより、様々な生理活性効果を有するアガリクス茸の菌糸体と、優れた抗腫瘍効果を有するメシマコブの菌糸体を一つの培養容器で同時に効率よく培養することができる。
【0046】
本発明によって得られる飲食用キノコ組成物は、アガリクス茸の菌糸体やその代謝産物だけでなく、メシマコブ等の有用なキノコ類の菌糸体やその代謝産物を含むので、それらの相乗効果が期待でき、健康食品素材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】アガリクス茸の菌糸体及び/又はメシマコブの菌糸体を培養した際の培養液のpHの変化を示す図表図である。

Claims (7)

  1. キノコ類の菌糸体の培養に必要な栄養源を含む液体培地に、アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill)の菌糸体と、培養することによって培地が酸性化する傾向がある酸生成キノコ類の菌糸体とを接種して混合培養し、得られた培養物を原料として用いることを特徴とする飲食用キノコ組成物の製造方法。
  2. 前記酸生成キノコ類が、メシマコブ(Phellinus linteus)である請求項1に記載の飲食用キノコ組成物の製造方法。
  3. 前記キノコ類の菌糸体の培養容器の底部内径と、該培養容器に充填された培養液の高さとの比が、1:0.35〜1となるようにして培養を行なう請求項1又は2に記載の飲食用キノコ組成物の製造方法。
  4. 培養後に、前記アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill)の菌糸体と、前記酸生成キノコ類の菌糸体とを分別回収し、それぞれの菌糸体を所定の配合比で混合して原料とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の飲食用キノコ組成物の製造方法。
  5. 前記キノコ類の菌糸体の培養液から、前記アガリクス・ブラゼイ・ムリル(Agaricus blazei Murill)の菌糸体と、前記酸生成キノコ類の菌糸体とを回収し、この菌糸体を粉砕して乾燥する請求項1〜4のいずれか1つに記載の飲食用キノコ組成物の製造方法。
  6. 前記キノコ類の菌糸体の培養液から前記菌糸体を回収した残液を濃縮し、乾燥粉末化する請求項1〜5のいずれか1つに記載の飲食用キノコ組成物の製造方法。
  7. 前記キノコ類の菌糸体の培養液中に含まれる酵素及び/又は外部から添加した酵素によって、前記菌糸体を分解させた後、有効成分を採取する請求項1〜4のいずれか1つに記載の飲食用キノコ組成物の製造方法。
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