JP2004206543A - 情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents
情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】所定の機器に記憶されている情報を、より確実に管理することができるようにする。
【解決手段】非接触ICチップ7には、内蔵するメモリに記憶されている情報の書き換えが成功したのか否かを表す状態フラグと、サーバ1が次に実行する処理を表す処理番号が保持されている。サーバ1と非接触ICチップ7の間で通信が確立されたとき、状態フラグの設定と、処理番号を表す情報がサーバ1に対して通知され、状態フラグに基づいて非接触ICチップ7の状態が確認されると共に、処理番号に対応する処理が実行される。サーバ1により実行された処理の結果をメモリに記憶されている情報に反映させることがサーバ1から非接触ICチップ7に対して指示される。本発明は、所定の機器に記憶されている各種の情報を管理する情報処理装置に適用することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】非接触ICチップ7には、内蔵するメモリに記憶されている情報の書き換えが成功したのか否かを表す状態フラグと、サーバ1が次に実行する処理を表す処理番号が保持されている。サーバ1と非接触ICチップ7の間で通信が確立されたとき、状態フラグの設定と、処理番号を表す情報がサーバ1に対して通知され、状態フラグに基づいて非接触ICチップ7の状態が確認されると共に、処理番号に対応する処理が実行される。サーバ1により実行された処理の結果をメモリに記憶されている情報に反映させることがサーバ1から非接触ICチップ7に対して指示される。本発明は、所定の機器に記憶されている各種の情報を管理する情報処理装置に適用することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、電子機器により記憶されている情報を、より効率的に、かつ確実に管理することができるようにする情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金額情報が記憶されたIC(Integrated Circuit)カードを用いて、購入した商品の代金を支払ったり、或いは、電車の乗車料金を支払う決済システムが各種提案されている。
【0003】
この決済システムにおいては、金額情報の書き換えを管理するサーバと、リーダライタ等に載置または近接されたICカードの間でネットワークを介した通信が行われ、相互認証処理、書き換え処理等の各種の処理が行われる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−279322号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような決済システムにおいては、ユーザの財産である金額情報を扱う関係上、ICカード側で金額情報の書き換えが失敗した場合や、決済中にサーバとICカード間の通信が切断された場合などの障害が発生した場合のために、特に万全を期して各種のリカバリ処理をサーバ側に用意しておく必要がある。
【0006】
従って、そのようなリカバリ処理を用意するために、サーバ側のアプリケーション(決済を管理するアプリケーション)の開発が非常に煩雑なものとなるが、障害の発生頻度が比較的低いことを鑑みれば、確実な決済システムのシステム開発は非常に効率が悪いものであった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、効率的に、かつ確実に、ICカード等の電子機器に記憶されている情報を管理できるようにするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報管理システムの電子機器は、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持手段と、情報処理装置からの要求に応じて、保持手段により保持されている識別情報を情報処理装置に通知する通知手段と、通知手段による通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、記憶する所定の情報を更新する第1の更新手段と、第1の更新手段による更新が成功したとき、保持手段により保持される識別情報を更新する第2の更新手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の情報管理システムの情報管理装置は、識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求手段と、要求手段による要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理を実行する実行手段と、実行手段による、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている所定の情報の更新を制御する第1の制御手段と、第1の制御手段による制御に応じて電子機器において実行される所定の情報の更新が成功したとき、識別情報の更新を制御する第2の制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の情報管理システムの情報管理方法は、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、情報処理装置からの要求に応じて、保持ステップの処理により保持されている識別情報を情報処理装置に通知する通知ステップと、通知ステップの処理による通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、記憶する所定の情報を更新する第1の更新ステップと、第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、識別情報を更新する第2の更新ステップと、識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求ステップと、要求ステップの処理による要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、実行ステップの処理による、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている所定の情報の更新を制御する第1の制御ステップと、第1の制御ステップの処理による制御に応じて電子機器において実行される所定の情報の更新が成功したとき、識別情報の更新を制御する第2の制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の情報管理装置は、電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す第1の識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求手段と、要求手段による要求に応じて電子機器から通知されてきた第1の識別情報に対応する処理を実行する実行手段と、実行手段による、第1の識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御手段と、第1の制御手段による制御に応じて電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、第1の識別情報の更新を制御する第2の制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
電子機器は、第1の制御手段による制御に応じて、電子機器において実行される情報の更新が成功したのか否かを表す第2の識別情報をさらに保持し、要求手段は、第1の識別情報と共に、第2の識別情報の通知を電子機器に対して要求するようにすることができる。
【0013】
本発明の情報管理装置は、第2の識別情報を、電子機器に記憶されている情報の更新が失敗したことを表すように設定する設定手段をさらに備えるようにすることができる。このとき、第1の制御手段は、設定手段による第2の識別情報の設定が行われた後、電子機器において記憶されている情報の更新を制御する。
【0014】
本発明の情報管理装置の情報管理方法は、電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求ステップと、要求ステップの処理による要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、実行ステップの処理による、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御ステップと、第1の制御ステップの処理による制御に応じて電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、識別情報の更新を制御する第2の制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の記録媒体に記録されているプログラム、および、本発明の第1のプログラムは、電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求ステップと、要求ステップの処理による要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、実行ステップの処理による、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御ステップと、第1の制御ステップの処理による制御に応じて電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、識別情報の更新を制御する第2の制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の電子機器は、情報管理装置により実行される処理を表す第1の識別情報を保持する第1の保持手段と、情報処理装置からの要求に応じて、第1の保持手段により保持されている第1の識別情報を情報処理装置に通知する通知手段と、通知手段による通知に応じて情報処理装置により実行された、第1の識別情報に対応する処理の結果に基づいて、所定の情報を更新する第1の更新手段と、第1の更新手段による更新が成功したとき、第1の保持手段により保持される第1の識別情報を更新する第2の更新手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の電子機器は、第1の更新手段による更新が失敗したとき、その更新中に書き込まれた情報を破棄する破棄手段をさらに備えるようにすることができる。
【0018】
さらに、本発明の電子機器は、第1の更新手段による更新が成功したのか否かを表す第2の識別情報を保持する第2の保持手段をさらに備えるようにすることができる。
【0019】
本発明の電子機器の情報管理方法は、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、情報処理装置からの要求に応じて、保持ステップの処理により保持されている識別情報を情報処理装置に通知する通知ステップと、通知ステップの処理による通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、所定の情報を更新する第1の更新ステップと、第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、識別情報を更新する第2の更新ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の第2の記録媒体に記録されているプログラム、および、本発明の第2のプログラムは、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、情報処理装置からの要求に応じて、保持ステップの処理により保持されている識別情報を情報処理装置に通知する通知ステップと、通知ステップの処理による通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、所定の情報を更新する第1の更新ステップと、第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、識別情報を更新する第2の更新ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の情報管理システムおよび方法においては、電子機器により、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報が保持され、情報処理装置からの要求に応じて、保持されている識別情報が情報処理装置に通知される。また、通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、記憶する所定の情報が更新され、更新が成功したとき、保持される識別情報が更新される。
【0022】
さらに、本発明の情報管理システムおよび方法においては、情報管理装置により、識別情報の通知が電子機器に対して要求され、要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理が実行され、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている所定の情報の更新が制御され、電子機器において実行される所定の情報の更新が成功したとき、識別情報の更新が制御される。
【0023】
本発明の情報管理装置および方法、並びにプログラムにおいては、識別情報の通知が電子機器に対して要求され、要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理が実行される。また、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている所定の情報の更新が制御され、電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、識別情報の更新が制御される。
【0024】
本発明の電子機器および方法、並びにプログラムにおいては、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報が保持され、情報処理装置からの要求に応じて、保持されている識別情報が情報処理装置に通知される。また、通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、記憶する所定の情報が更新され、更新が成功したとき、保持される識別情報が更新される。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した情報管理システムの構成例を示すブロック図である。
【0026】
図1の情報管理システムにおいては、サーバ1により、非接触ICチップ7に保持されているデータが管理される。この非接触ICチップ7は、リーダライタ6を介してクライアント5に接続されている。
【0027】
例えば、クライアント5のユーザが所定のサイトで商品を購入し、その代金を非接触ICチップ7に保持されている金額情報を用いて支払うことを指示した場合、インターネットなどよりなるネットワーク4、パーソナルコンピュータなどよりなるクライアント5、クライアント5とUSB(Universal Serial Bus)などを介して接続され、電磁誘導を利用した近距離無線通信により非接触ICチップ7と通信を行うリーダライタ6を介して、サーバ1と非接触ICチップ7の間で通信が確立され、非接触ICチップ7に記憶されている金額情報の書き換え(更新)が行われる。
【0028】
具体的には、サーバ1は、金額情報の書き換えを行うとき、非接触ICチップ7により保持されている状態フラグと処理番号を参照し、状態フラグの設定に応じて所定の前処理を実行すると共に、処理番号に対応する処理を実行し、その実行結果を、非接触ICチップ7に記憶されている情報に反映させることにより金額情報の書き換えを行う。
【0029】
非接触ICチップ7により保持される状態フラグは、非接触ICチップ7の状態(サーバ1により前回実行された処理の反映(情報の書き込み)が成功したのか否か)を表す識別情報であり、処理番号は、サーバ1がそのとき実行すべき処理を表す識別情報である。
【0030】
なお、サーバ1と非接触ICチップ7の間で行われる通信においては、適宜、ネットワーク2を介してサーバ1に接続される暗号処理装置3が利用され、送受信されるデータの暗号化処理、または復号処理等が行われる。
【0031】
サーバ1と非接触ICチップ7の間で行われる通信処理についてはフローチャートを参照して後に詳述する。
【0032】
図2は、図1のサーバ1の構成例を示すブロック図である。
【0033】
CPU(Central Processing Unit)61は、ROM(Read Only Memory)62、または記憶部68に記憶されているプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM63には、CPU61が実行するプログラムやデータが適宜記憶される。CPU61、ROM62、およびRAM63は、バス64を介して相互に接続されている。
【0034】
バス64には、入出力インタフェース65が接続されており、この入出力インタフェース65には、キーボードやマウスなどよりなる入力部66、LCD(LiquidCrystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などよりなる出力部67、ハードディスクなどで構成される記憶部68が接続されている。
【0035】
入出力インタフェース65に接続される通信部69により、図1のネットワーク2または4を介して接続される各種の機器との間で、無線や有線による通信が行われる。
【0036】
入出力インタフェース65に接続されるドライブ70には、磁気ディスク71、光ディスク72、光磁気ディスク73、または半導体メモリ74などが適宜装着され、これらの磁気ディスク71及至半導体メモリ74より読み出されたプログラムが、例えば、記憶部68に供給され、記憶される。
【0037】
以上のような構成を有するサーバ1においては、CPU61により所定の制御プログラムが実行され、図1に示される各機能部(制御部11乃至処理実行部14)が実現される。
【0038】
制御部11は、非接触ICチップ7に保持されているデータの更新を制御するデータ更新制御部11A、状態フラグの設定を制御する状態フラグ制御部11B、および、処理番号の更新を制御する処理番号制御部11Cを有し、非接触ICチップ7に記憶されている情報を管理すると共にサーバ1の各部を制御する。
【0039】
例えば、制御部11は、非接触ICチップ7から通知されてきた処理番号に対応する処理を処理実行部14に実行させ、その処理結果に基づいて、非接触ICチップ7に記憶されているデータの書き換えなどを、通信制御部12を介して非接触ICチップ7に指示する。
【0040】
通信制御部12は、通信部69の動作を制御し、ネットワーク2またはネットワーク4を介した通信を行う。
【0041】
情報管理部13は、制御部11からの要求に応じて、非接触ICチップ7により保持されている処理番号に対応する処理に関する情報を提供する。すなわち、情報管理部13により、処理番号と、実行する処理の内容を表す情報が対応付けられて管理されている。
【0042】
処理実行部14は、制御部11による制御に基づいて、非接触ICチップ7により保持されている処理番号に対応する処理(情報管理部13により選択された処理)を実行する。
【0043】
なお、暗号処理装置3、およびクライアント5は、図2の構成と同様の構成を有しており、以下、必要に応じて、図2を、暗号処理装置3またはクライアント5の構成としても引用する。
【0044】
暗号処理装置3のCPU61により所定のプログラムが実行され、図1の制御部21および通信制御部22が実現される。
【0045】
制御部21は、暗号処理装置3の全体の動作を制御し、通信制御部22は、ネットワーク2を介して行われる通信を制御する。
【0046】
クライアント5のCPU61により所定のプログラムが実行され、図1の制御部31、通信制御部32、および、USB等を介して接続されるリーダライタ6の無線通信制御部41が実現される。
【0047】
制御部31は、クライアント5の全体の動作を制御し、通信制御部32は、ネットワーク4を介して行われる通信を制御する。無線通信制御部41は、制御部31による制御に基づいてリーダライタ6を駆動させ、非接触ICチップ7との間で、電磁誘導を利用した近距離無線通信を行う。
【0048】
図3は、図1の非接触ICチップ7の構成例を示すブロック図である。
【0049】
非接触ICチップ7は、例えば、アンテナ(ループアンテナ)82と、それ以外の構成が1チップに格納されたIC81から構成され、電磁誘導を利用して、リーダライタ6と各種のデータを半二重通信する。
【0050】
CPU91は、ROM92に格納されている制御プログラムをRAM93に展開し、非接触ICチップ7の全体の動作を制御する。例えば、CPU91は、リーダライタ6から輻射されている、メモリ94に記憶されているデータの読み出しを要求するサーバ1の命令を表す電磁波がアンテナ82において受信されたとき、それに応じて、状態フラグや処理番号などの情報を読み出し、リーダライタ6に通知する。
【0051】
SPU(Signal Processing Unit)96は、ASK(Amplitude Shift Keying)復調部99で復調されたデータがBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調されている場合、図示せぬPLL(Phase Lock Loop)部から供給されるクロック信号に基づいて、そのデータの復調(マンチェスターコードのデコード)を行い、復調したデータを、バス95を介してCPU91等に適宜出力する。
【0052】
また、SPU96は、バス95を介して供給されてきたデータにBPSK変調(マンチェスターコードへのコーディング)を行い、それをASK変調部97に出力する。
【0053】
ASK変調部97は、例えば、状態フラグの設定や処理番号などを表す情報をリーダライタ6(サーバ1)に送信する場合、SPU96から供給されるデータに対応して、例えば、所定のスイッチング素子をオン/オフ(電気的な接続/切断)させ、スイッチング素子がオン状態であるときだけ、所定の負荷をアンテナ82に並列に接続させることにより、アンテナ82の負荷を変動させる。
【0054】
これにより、アンテナ82において受信されているリーダライタ6からの変調波がASK変調され、その変調成分が、アンテナ82を介してリーダライタ6に送信される(リーダライタ6のアンテナの端子電圧が変動される)(ロードスイッチング方式)。
【0055】
ASK復調部99は、アンテナ82を介して受信した変調波(ASK変調波)を包絡線検波して復調し、復調後のデータをSPU96に出力する。アンテナ82においては、リーダライタ6から輻射される所定の周波数の電磁波により共振が生じている。
【0056】
電源生成部100は、アンテナ82において励起された交流電圧を整流し、安定化した後、各部に直流電源として供給する。例えば、リーダライタ6から輻射される電磁波の電力は、非接触ICチップ7に必要な電力を賄う磁界を発生させるように調整されている。
【0057】
図4は、メモリ94に形成される領域の例を示す図である。
【0058】
メモリ94は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read OnlyMemory)などより構成され、状態フラグの設定が保持される状態フラグ領域111、サーバ1が実行する処理の番号(処理番号)が保持される処理番号領域112、金額情報などの各種のデータが保持されるデータ領域113−1乃至113−nが形成される。
【0059】
状態フラグ領域111に保持されている状態フラグが「真」のとき、それは、サーバ1により直前に実行された処理の反映(例えば、金額情報の書き換え)が成功したことを表している。また、反対に、状態フラグの設定が「偽」のとき、それは、サーバ1により直前に実行された処理の反映が失敗したことを表している。
【0060】
従って、サーバ1は、非接触ICチップ7と通信を開始したときにこの状態フラグの設定を確認することにより、直前の処理が成功したのか否かを確認することができる。
【0061】
なお、図4の例においては、状態フラグが「偽」に設定されており、処理番号は「n」とされている。
【0062】
以上の構成を有する非接触ICチップ7においては、CPU91により所定の制御プログラムが実行されて、図1の制御部51、無線通信制御部52、および記憶制御部53が実現される。
【0063】
制御部51は、非接触ICチップ7の全体の動作を制御し、無線通信制御部52は、アンテナ82、および、SPU96、ASK変調部97、ASK復調部99を用いた通信を制御する。
【0064】
記憶制御部53は、データ管理部53A、状態フラグ管理部53B、および処理番号管理部53Cを有し、メモリ94に記憶されている情報の読み出し、または、メモリ94に対する情報の書き込みを制御する。
【0065】
データ管理部53Aは、制御部51による制御に基づいて、データ領域113−1乃至113−nに記憶されているデータの読み出し、または、データ領域113−1乃至113−nに対するデータの書き込みを管理する。
【0066】
状態フラグ管理部53Bは、制御部51による制御に基づいて、状態フラグ領域111に保持されている状態フラグの設定の読み出し、または、状態フラグの設定の変更を管理する。
【0067】
処理番号管理部53Cは、制御部51による制御に基づいて、処理番号領域112に保持されている処理番号の読み出し、または、処理番号の更新を管理する。
【0068】
次に、図5のフローチャートを参照して、図1の情報管理システムの動作について説明する。
【0069】
非接触ICチップ7がリーダライタ6に近接されている状態において、例えば、非接触ICチップ7に保持されている金額情報により商品の代金を支払うことがユーザにより指示されたとき、クライアント5の制御部31は、ステップS11において、通信制御部32を制御し、サーバ1に対して処理の開始を要求する。
【0070】
クライアント5からの要求は、ステップS1においてサーバ1の通信制御部12により受信され、各種の認証処理が行われた後、ネットワーク4を介した通信が確立される。
【0071】
その後の通信は、ネットワーク4、クライアント5、およびリーダライタ6を介して、サーバ1と非接触ICチップ7の間で行われる。すなわち、サーバ1の通信制御部12から送信されたデータは、ネットワーク4を介してクライアント5の通信制御部32により受信され、制御部31によりリーダライタ6の無線通信制御部41に出力され、電磁誘導を利用した通信により所定の周波数の電磁波により無線通信制御部41から非接触ICチップ7に送信される。非接触ICチップ7では、無線通信制御部52において受信された電磁波に基づいて、サーバ1からのデータが取得され、取得されたデータが制御部51に供給される。
【0072】
反対に、リーダライタ6では、非接触ICチップ7の無線通信制御部52から電磁波により送信されたデータが、無線通信制御部41により受信され、復調されて取得される。さらに、リーダライタ6では、そのデータがUSB等を介してクライアント5の制御部31に出力される。制御部31により取得されたデータは、通信制御部32に出力され、通信制御部32により、ネットワーク4を介してサーバ1に送信される。サーバ1の通信制御部12においては、クライアント5から送信されてきたデータが取得され、制御部11に出力される。
【0073】
ステップS2において、サーバ1の制御部11は、通信制御部12を制御し、状態フラグの設定と、処理番号の通知を非接触ICチップ7に対して要求する。この要求は、上述したようにしてネットワーク4、クライアント5、およびリーダライタ6を介して非接触ICチップ7に送信される。
【0074】
サーバ1から送信されてきた要求は、ステップS21において無線通信制御部52により受信され、制御部51に出力される。
【0075】
制御部51は、ステップS22において、記憶制御部53を制御し、メモリ94に記憶されている状態フラグの設定と、処理番号を読み出す。すなわち、状態フラグ管理部53Bにより、状態フラグ領域111に対するアクセスが行われ、読み出された状態フラグの設定が制御部51に出力されるとともに、処理番号管理部53Cにより、処理番号領域112に対するアクセスが行われ、読み出された処理番号を表す情報が制御部51に出力される。
【0076】
ステップS23において、制御部51は、無線通信制御部52を制御し、取得した情報をサーバ1に通知(送信)する。
【0077】
非接触ICチップ7から送信された情報は、ステップS3においてサーバ1の通信制御部12により受信され、制御部11に出力される。
【0078】
制御部11は、ステップS4において、非接触ICチップ7から送信されてきた情報に基づいて、状態フラグの設定を参照し、例えば、金額情報の書き換えなどの、直前に行われた処理の反映が非接触ICチップ7において正常に完了されたのか否かを確認する。図6のフローチャートを参照して後述するように、確認結果に基づいて、適宜、状態フラグ制御部11Bにより、状態フラグの設定の変更が行われる。
【0079】
また、制御部11は、非接触ICチップ7から送信されてきた処理番号を情報管理部13に通知し、今回実行する処理を確認し、ステップS5において、その処理を処理実行部14に実行させる。
【0080】
ステップS6において、制御部11のデータ更新制御部11Aは、非接触ICチップ7に対して、処理実行部14により実行された処理結果の反映を指示し、状態フラグ制御部11Bは、保持している状態フラグの設定の変更を指示する。また、処理番号制御部11Cは、処理番号のインクリメントを非接触ICチップ7に指示する。
【0081】
サーバ1による指示は、ステップS24において、非接触ICチップ7により受信され、ステップS25において、処理結果の反映が行われる。例えば、保持されていた金額情報を、所定の額だけ減額するような指示が非接触ICチップ7に対して行われた場合、その指示に基づく減額がデータ管理部53Aにより行われる。
【0082】
サーバ1による処理結果の反映が成功したとき、ステップS26において、処理番号管理部53Cにより、処理番号のインクリメントが行われる。従って、サーバ1による処理の反映が失敗したときには、非接触ICチップ7に保持される処理番号がインクリメントされず、その処理番号は、反映が失敗した処理を表すものになる。
【0083】
従って、サーバ1による処理結果の反映が成功しない限りは、非接触ICチップ7は、同一の処理番号を保持し続け、サーバ1は、その同一の処理番号に基づいて、同じ処理を再度行う。
【0084】
以上のように、サーバ1が実行する処理に関する情報を非接触ICチップ7に保持させることにより、その情報をサーバ1自身に保持させておく必要がなく、サーバ1の処理負担を軽減させることが可能となる。
【0085】
また、非接触ICチップ7に保持されている処理番号に応じて、実行する処理をサーバ1が選択することにより、サーバ1による処理結果の反映を、より確実に非接触ICチップ7に実行させることができる。すなわち、処理番号nの処理、処理番号n+1の処理の処理が順次行われる場合において、処理番号nの処理の反映が非接触ICチップ7において失敗したにも関わらず、処理が進んでしまい、次の処理(処理番号n+1の処理)の反映が実行されることを抑制することが可能となる。
【0086】
さらに、様々な障害が発生したときのことを考慮してリカバリ処理をサーバ1に用意しておく必要がなくなり、非接触ICチップ7に記憶されているデータを管理するサーバ1を容易に実現することが可能となる。
【0087】
次に、図6のフローチャートを参照して、非接触ICチップ7を制御するサーバ1の処理について説明する。この処理は、基本的には、図5を参照して説明したサーバ1の処理と同様である。
【0088】
クライアント5からの要求に応じて非接触ICチップ7との間で通信が確立されたとき、ステップS41において、制御部11は、状態フラグの設定と、処理番号の通知を非接触ICチップ7に対して要求する。
【0089】
この要求に応じて、非接触ICチップ7においては、状態フラグの設定と、処理番号がメモリ94から読み出され、それらを表す情報が送信される(図7のステップS62)。通信制御部12は、ステップS42において、非接触ICチップ7から送信されてきた情報を受信し、状態フラグの設定と処理番号を表す情報を取得する。通信制御部12により取得された情報は、制御部11に出力される。
【0090】
ステップS43において、制御部11の状態フラグ制御部11Bは、通信制御部12から供給されてきた情報に基づいて、状態フラグの設定が「真」であるか否かを判定し、「真」であると判定した場合、ステップS44に進み、状態フラグを「偽」に設定することを指示する。
【0091】
この処理は、サーバ1による処理結果の反映の前処理として行われるものであり、このように前処理として状態フラグを「偽」に設定させることにより、仮に、反映処理が非接触ICチップ7において失敗した場合、反映の失敗を表す「偽」が設定されたままの状態フラグが保持されることになる。すなわち、サーバ1は、状態フラグの設定に基づいて、直前に非接触ICチップ7において行われた反映処理が成功したのか否かを確認することができる。
【0092】
この要求に応じて、非接触ICチップ7においては、状態フラグが「偽」に書き換えられる(図7のステップS64)。
【0093】
一方、ステップS43において、状態フラグが「真」に設定されていない、すなわち、「偽」に設定されていると判定した場合、ステップS44の処理はスキップされる。この場合、直前(前回)に行われた反映処理が、非接触ICチップ7においては正常に行われていないことを表している。
【0094】
ステップS45において、制御部11は、非接触ICチップ7から通知されてきた処理番号に基づいて情報管理部13により選択された処理(処理番号に対応する処理)を処理実行部14に実行させる。
【0095】
ステップS46において、制御部11のデータ更新制御部11Aは、通信制御部12を制御し、ステップS45で処理実行部14により実行された処理の結果の、メモリ94に記憶されている情報への反映(更新)を指示する。また、状態フラグ制御部11Bは、処理結果の反映が正常に行われた場合、状態フラグの設定を変更することを指示し、処理番号制御部11Cは、処理番号をインクリメントすることを非接触ICチップ7に対して指示する。
【0096】
これにより、非接触ICチップ7においては、サーバ1から通知されてきた情報に基づいて、メモリ94に記憶されている情報の書き換えが行われ、それが正常に行われたとき、状態フラグが、「偽」の状態から、処理が正常に行われたことを表す「真」に変更されるとともに、処理番号が1だけインクリメントされる(図7のステップS66,S69,S70)。
【0097】
次に、図7のフローチャートを参照して、図6の処理に対応して実行される、非接触ICチップ7の処理について説明する。この処理は、基本的には、図5を参照して説明した非接触ICチップ7の処理と同様である。
【0098】
ステップS61において、制御部51は、無線通信制御部52から供給されてきた情報に基づいて、状態フラグの設定と、処理番号の通知がサーバ1から要求されたか否かを判定し、要求されたと判定するまで待機する。
【0099】
制御部51は、ステップS61において、状態フラグの設定と、処理番号の通知が要求されたと判定した場合、ステップS62に進み、記憶制御部53の状態フラグ管理部53Bと処理番号管理部53Cを制御し、メモリ94に保持されている状態フラグの設定と、処理番号を読み出し、それらを表す情報をサーバ1に送信する。
【0100】
非接触ICチップ7の無線通信制御部52から送信された情報はサーバ1により取得され、状態フラグの設定が参照される。
【0101】
ステップS63において、制御部51は、状態フラグの設定を「偽」に変更することが指示されたか否かを判定し、指示されたと判定した場合、ステップS64に進み、記憶制御部53の状態フラグ管理部53Bを制御し、状態フラグの設定を「真」から「偽」に変更する。
【0102】
一方、ステップS63において、そのときの状態フラグの設定が「偽」であるため、状態フラグの変更が指示されていないと判定された場合、ステップS64の処理はスキップされる。
【0103】
なお、ここでは、非接触ICチップ7が、サーバ1からの指示を待って、状態フラグを「真」から「偽」に変更するようにしたが、非接触ICチップ7では、状態フラグと処理番号を通知した後に、自ら、状態フラグを、「真」から「偽」に変更するようにすることも可能である。
【0104】
ステップS65において、制御部51は、サーバ1により実行された処理(非接触ICチップ7からサーバ1に対して通知された処理番号に対応する処理)の結果の反映が指示されるとともに、処理結果の反映が正常に行われた場合に、状態フラグの設定を変更すること、および、処理番号をインクリメントすることが指示されたか否かを判定し、それらの指示があったと判定するまで待機する。
【0105】
制御部51は、ステップS65において、サーバ1により実行された処理の結果の反映が指示されると共に、処理結果の反映が正常に行われた場合に、状態フラグの設定を変更すること、および、処理番号をインクリメントすることが指示されたと判定した場合、ステップS66に進み、その指示に応じて、データ管理部53Aを制御し、サーバ1により実行された処理結果の反映を行う。
【0106】
例えば、サーバ1の課金処理の結果に応じて、メモリ94に記憶されている金額情報を、商品の代金に対応する額の分だけ減額することが指示された場合、制御部51は、データ管理部53Aを制御し、メモリ94の所定のデータ領域に記憶されている金額情報を減額させる。
【0107】
ステップS67において、制御部51は、処理結果の反映が成功したか否かを判定し、成功していない(失敗した)と判定した場合、ステップS68に進み、その更新中に書き込まれたデータを破棄する。例えば、メモリ94に記憶されている金額情報を書き換えていたときに障害が発生し、データの書き込みが正常に行われなかった場合、障害発生時に既に書き込まれていたデータは破棄され、これにより、メモリ94は、書き込みを開始する前の情報が保持されたままとなる。
【0108】
ステップS68においてデータが破棄された後、状態フラグの書き換えや処理番号のインクリメントが行われることなく、処理は終了される。
【0109】
一方、ステップS67において、サーバ1による処理結果の反映が成功したと判定した場合、ステップS69に進み、制御部51は、状態フラグ管理部53Bを制御し、状態フラグの設定を「偽」から「真」に変更する。すなわち、状態フラグ管理部53Bは、メモリ94の状態フラグ領域111にアクセスし、その設定を「偽」から「真」に変更する。
【0110】
サーバ1による処理結果の反映が行われる前に状態フラグは必ず「偽」に設定されており、このように処理が成功したときにのみ「偽」から「真」に書き換えられるようにすることにより、サーバ1は、状態フラグの設定を確認するだけで、処理が正常に行われていたのか否かを確認することができ、確認結果に応じた処理を行うことができる。
【0111】
制御部51は、ステップS70において、記憶制御部53の処理番号管理部53Cを制御し、処理番号領域112に保持されている処理番号を1だけインクリメントさせる。例えば、今回反映が成功した処理の番号が「100」である場合、処理番号管理部53Cにより、処理番号領域112に保持されている処理番号が「101」に更新される。
【0112】
これにより、サーバ1との間で再度通信が確立された場合、処理番号領域112に保持されている情報に基づいて、今回行われたものと異なる処理がサーバ1により実行されることになる。
【0113】
処理番号のインクリメントを終了した場合、ステップS71において、制御部51は、処理を終了するか否かを判定し、例えば、複数の処理結果の反映が指示されており、全ての反映が終了していない場合、ステップS66に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0114】
一方、制御部51は、ステップS71において、処理を終了すると判定した場合、処理を終了させる。
【0115】
以上のように、非接触ICチップ7自体に、非接触ICチップ7において行われた処理の状態を表す状態フラグや、サーバ1の処理を表す処理番号を保持させておき、その情報に基づいて、サーバ1に処理を実行させるようにすることにより、より確実に、非接触ICチップ7に保持されている情報を書き換えることができる。
【0116】
図8は、本発明を適用した情報管理システムの他の構成例を示すブロック図である。図8において、図1と対応する部分については同一の符号が付されている。
【0117】
図8の例においては、ネットワーク4に携帯電話網121が接続されており、その携帯電話網121に中継局122が接続されている。
【0118】
また、図8の例においては、クライアント123には、外部の非接触ICチップと電磁誘導を利用した近距離無線通信を行う、図1のリーダライタ6に対応するリーダライタ部133と、外部のリーダライタに各種の情報を提供する、図1の非接触ICチップ7に対応する非接触ICチップ部134が内蔵されている。
【0119】
なお、非接触ICチップ部134は、クライアント123内に固定してもよいし、クライアント123に対して、容易に着脱できるように構成することも可能である。また、クライアント123には、非接触ICチップ部134に代えて、接触型のICチップを内蔵させることも可能である。さらに、図8の実施の形態では、クライアント123は、例えば、携帯電話機その他の携帯型の端末で構成することができる。
【0120】
クライアント123の通信制御部132は、中継局122により選択された周波数帯域の搬送波により通信を行い、中継局122、携帯電話網121、ネットワーク4を介してサーバ1との間で通信を確立し、上述したものと同様の処理により、非接触ICチップ部134に保持されている情報の書き換えを行う。
【0121】
すなわち、非接触ICチップ部134に形成されている図示せぬメモリには、サーバ1により実行された処理の反映が成功したか否かを表す状態フラグと、サーバ1が実行する処理を表す処理番号が保持されており、サーバ1との間で通信が確立されたとき、それらの情報がサーバ1に通知される。サーバ1においては、適宜、状態フラグの書き換えがクライアント123に対して指示されるとともに、クライアント123から通知されてきた処理番号に対応する処理が実行され、その結果の反映がクライアント123に対して指示される。
【0122】
このように、本発明は、様々な機器のメモリに記憶されている各種の情報を管理する場合に適用することができる。
【0123】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0124】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0125】
この記録媒体は、図2に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク71(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク72(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク73(MD(登録商標)(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリ74などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM62や、記憶部68に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0126】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0127】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、より確実に、かつ効率的に、電子機器に記憶されている情報を管理することができる。
【0129】
また、本発明によれば、容易に、かつ効率的に情報管理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した情報管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のサーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の非接触チップの構成例を示すブロック図である。
【図4】図3のメモリに形成される領域の例を示す図である。
【図5】図1の情報管理システムの動作について説明するフローチャートである。
【図6】非接触ICチップに対するサーバの制御処理について説明するフローチャートである。
【図7】図6の処理に対応して実行される非接触ICチップの処理について説明するフローチャートである。
【図8】本発明を適用した情報管理システムの他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 サーバ, 7 非接触ICチップ, 11 制御部, 12 通信制御部,13 情報管理部, 14 処理実行部, 51 制御部, 52 無線通信制御部, 53 記憶制御部, 71 磁気ディスク, 72 光ディスク, 73 光磁気ディスク, 74 半導体メモリ, 94 メモリ, 111 状態フラグ領域, 112 処理番号領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、電子機器により記憶されている情報を、より効率的に、かつ確実に管理することができるようにする情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、金額情報が記憶されたIC(Integrated Circuit)カードを用いて、購入した商品の代金を支払ったり、或いは、電車の乗車料金を支払う決済システムが各種提案されている。
【0003】
この決済システムにおいては、金額情報の書き換えを管理するサーバと、リーダライタ等に載置または近接されたICカードの間でネットワークを介した通信が行われ、相互認証処理、書き換え処理等の各種の処理が行われる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−279322号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような決済システムにおいては、ユーザの財産である金額情報を扱う関係上、ICカード側で金額情報の書き換えが失敗した場合や、決済中にサーバとICカード間の通信が切断された場合などの障害が発生した場合のために、特に万全を期して各種のリカバリ処理をサーバ側に用意しておく必要がある。
【0006】
従って、そのようなリカバリ処理を用意するために、サーバ側のアプリケーション(決済を管理するアプリケーション)の開発が非常に煩雑なものとなるが、障害の発生頻度が比較的低いことを鑑みれば、確実な決済システムのシステム開発は非常に効率が悪いものであった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、効率的に、かつ確実に、ICカード等の電子機器に記憶されている情報を管理できるようにするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報管理システムの電子機器は、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持手段と、情報処理装置からの要求に応じて、保持手段により保持されている識別情報を情報処理装置に通知する通知手段と、通知手段による通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、記憶する所定の情報を更新する第1の更新手段と、第1の更新手段による更新が成功したとき、保持手段により保持される識別情報を更新する第2の更新手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の情報管理システムの情報管理装置は、識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求手段と、要求手段による要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理を実行する実行手段と、実行手段による、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている所定の情報の更新を制御する第1の制御手段と、第1の制御手段による制御に応じて電子機器において実行される所定の情報の更新が成功したとき、識別情報の更新を制御する第2の制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の情報管理システムの情報管理方法は、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、情報処理装置からの要求に応じて、保持ステップの処理により保持されている識別情報を情報処理装置に通知する通知ステップと、通知ステップの処理による通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、記憶する所定の情報を更新する第1の更新ステップと、第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、識別情報を更新する第2の更新ステップと、識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求ステップと、要求ステップの処理による要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、実行ステップの処理による、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている所定の情報の更新を制御する第1の制御ステップと、第1の制御ステップの処理による制御に応じて電子機器において実行される所定の情報の更新が成功したとき、識別情報の更新を制御する第2の制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の情報管理装置は、電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す第1の識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求手段と、要求手段による要求に応じて電子機器から通知されてきた第1の識別情報に対応する処理を実行する実行手段と、実行手段による、第1の識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御手段と、第1の制御手段による制御に応じて電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、第1の識別情報の更新を制御する第2の制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
電子機器は、第1の制御手段による制御に応じて、電子機器において実行される情報の更新が成功したのか否かを表す第2の識別情報をさらに保持し、要求手段は、第1の識別情報と共に、第2の識別情報の通知を電子機器に対して要求するようにすることができる。
【0013】
本発明の情報管理装置は、第2の識別情報を、電子機器に記憶されている情報の更新が失敗したことを表すように設定する設定手段をさらに備えるようにすることができる。このとき、第1の制御手段は、設定手段による第2の識別情報の設定が行われた後、電子機器において記憶されている情報の更新を制御する。
【0014】
本発明の情報管理装置の情報管理方法は、電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求ステップと、要求ステップの処理による要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、実行ステップの処理による、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御ステップと、第1の制御ステップの処理による制御に応じて電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、識別情報の更新を制御する第2の制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の第1の記録媒体に記録されているプログラム、および、本発明の第1のプログラムは、電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す識別情報の通知を電子機器に対して要求する要求ステップと、要求ステップの処理による要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、実行ステップの処理による、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御ステップと、第1の制御ステップの処理による制御に応じて電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、識別情報の更新を制御する第2の制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の電子機器は、情報管理装置により実行される処理を表す第1の識別情報を保持する第1の保持手段と、情報処理装置からの要求に応じて、第1の保持手段により保持されている第1の識別情報を情報処理装置に通知する通知手段と、通知手段による通知に応じて情報処理装置により実行された、第1の識別情報に対応する処理の結果に基づいて、所定の情報を更新する第1の更新手段と、第1の更新手段による更新が成功したとき、第1の保持手段により保持される第1の識別情報を更新する第2の更新手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の電子機器は、第1の更新手段による更新が失敗したとき、その更新中に書き込まれた情報を破棄する破棄手段をさらに備えるようにすることができる。
【0018】
さらに、本発明の電子機器は、第1の更新手段による更新が成功したのか否かを表す第2の識別情報を保持する第2の保持手段をさらに備えるようにすることができる。
【0019】
本発明の電子機器の情報管理方法は、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、情報処理装置からの要求に応じて、保持ステップの処理により保持されている識別情報を情報処理装置に通知する通知ステップと、通知ステップの処理による通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、所定の情報を更新する第1の更新ステップと、第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、識別情報を更新する第2の更新ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の第2の記録媒体に記録されているプログラム、および、本発明の第2のプログラムは、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、情報処理装置からの要求に応じて、保持ステップの処理により保持されている識別情報を情報処理装置に通知する通知ステップと、通知ステップの処理による通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、所定の情報を更新する第1の更新ステップと、第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、識別情報を更新する第2の更新ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の情報管理システムおよび方法においては、電子機器により、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報が保持され、情報処理装置からの要求に応じて、保持されている識別情報が情報処理装置に通知される。また、通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、記憶する所定の情報が更新され、更新が成功したとき、保持される識別情報が更新される。
【0022】
さらに、本発明の情報管理システムおよび方法においては、情報管理装置により、識別情報の通知が電子機器に対して要求され、要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理が実行され、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている所定の情報の更新が制御され、電子機器において実行される所定の情報の更新が成功したとき、識別情報の更新が制御される。
【0023】
本発明の情報管理装置および方法、並びにプログラムにおいては、識別情報の通知が電子機器に対して要求され、要求に応じて電子機器から通知されてきた識別情報に対応する処理が実行される。また、識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、電子機器に記憶されている所定の情報の更新が制御され、電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、識別情報の更新が制御される。
【0024】
本発明の電子機器および方法、並びにプログラムにおいては、情報管理装置により実行される処理を表す識別情報が保持され、情報処理装置からの要求に応じて、保持されている識別情報が情報処理装置に通知される。また、通知に応じて情報処理装置により実行された、識別情報に対応する処理の結果に基づいて、記憶する所定の情報が更新され、更新が成功したとき、保持される識別情報が更新される。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した情報管理システムの構成例を示すブロック図である。
【0026】
図1の情報管理システムにおいては、サーバ1により、非接触ICチップ7に保持されているデータが管理される。この非接触ICチップ7は、リーダライタ6を介してクライアント5に接続されている。
【0027】
例えば、クライアント5のユーザが所定のサイトで商品を購入し、その代金を非接触ICチップ7に保持されている金額情報を用いて支払うことを指示した場合、インターネットなどよりなるネットワーク4、パーソナルコンピュータなどよりなるクライアント5、クライアント5とUSB(Universal Serial Bus)などを介して接続され、電磁誘導を利用した近距離無線通信により非接触ICチップ7と通信を行うリーダライタ6を介して、サーバ1と非接触ICチップ7の間で通信が確立され、非接触ICチップ7に記憶されている金額情報の書き換え(更新)が行われる。
【0028】
具体的には、サーバ1は、金額情報の書き換えを行うとき、非接触ICチップ7により保持されている状態フラグと処理番号を参照し、状態フラグの設定に応じて所定の前処理を実行すると共に、処理番号に対応する処理を実行し、その実行結果を、非接触ICチップ7に記憶されている情報に反映させることにより金額情報の書き換えを行う。
【0029】
非接触ICチップ7により保持される状態フラグは、非接触ICチップ7の状態(サーバ1により前回実行された処理の反映(情報の書き込み)が成功したのか否か)を表す識別情報であり、処理番号は、サーバ1がそのとき実行すべき処理を表す識別情報である。
【0030】
なお、サーバ1と非接触ICチップ7の間で行われる通信においては、適宜、ネットワーク2を介してサーバ1に接続される暗号処理装置3が利用され、送受信されるデータの暗号化処理、または復号処理等が行われる。
【0031】
サーバ1と非接触ICチップ7の間で行われる通信処理についてはフローチャートを参照して後に詳述する。
【0032】
図2は、図1のサーバ1の構成例を示すブロック図である。
【0033】
CPU(Central Processing Unit)61は、ROM(Read Only Memory)62、または記憶部68に記憶されているプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM63には、CPU61が実行するプログラムやデータが適宜記憶される。CPU61、ROM62、およびRAM63は、バス64を介して相互に接続されている。
【0034】
バス64には、入出力インタフェース65が接続されており、この入出力インタフェース65には、キーボードやマウスなどよりなる入力部66、LCD(LiquidCrystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などよりなる出力部67、ハードディスクなどで構成される記憶部68が接続されている。
【0035】
入出力インタフェース65に接続される通信部69により、図1のネットワーク2または4を介して接続される各種の機器との間で、無線や有線による通信が行われる。
【0036】
入出力インタフェース65に接続されるドライブ70には、磁気ディスク71、光ディスク72、光磁気ディスク73、または半導体メモリ74などが適宜装着され、これらの磁気ディスク71及至半導体メモリ74より読み出されたプログラムが、例えば、記憶部68に供給され、記憶される。
【0037】
以上のような構成を有するサーバ1においては、CPU61により所定の制御プログラムが実行され、図1に示される各機能部(制御部11乃至処理実行部14)が実現される。
【0038】
制御部11は、非接触ICチップ7に保持されているデータの更新を制御するデータ更新制御部11A、状態フラグの設定を制御する状態フラグ制御部11B、および、処理番号の更新を制御する処理番号制御部11Cを有し、非接触ICチップ7に記憶されている情報を管理すると共にサーバ1の各部を制御する。
【0039】
例えば、制御部11は、非接触ICチップ7から通知されてきた処理番号に対応する処理を処理実行部14に実行させ、その処理結果に基づいて、非接触ICチップ7に記憶されているデータの書き換えなどを、通信制御部12を介して非接触ICチップ7に指示する。
【0040】
通信制御部12は、通信部69の動作を制御し、ネットワーク2またはネットワーク4を介した通信を行う。
【0041】
情報管理部13は、制御部11からの要求に応じて、非接触ICチップ7により保持されている処理番号に対応する処理に関する情報を提供する。すなわち、情報管理部13により、処理番号と、実行する処理の内容を表す情報が対応付けられて管理されている。
【0042】
処理実行部14は、制御部11による制御に基づいて、非接触ICチップ7により保持されている処理番号に対応する処理(情報管理部13により選択された処理)を実行する。
【0043】
なお、暗号処理装置3、およびクライアント5は、図2の構成と同様の構成を有しており、以下、必要に応じて、図2を、暗号処理装置3またはクライアント5の構成としても引用する。
【0044】
暗号処理装置3のCPU61により所定のプログラムが実行され、図1の制御部21および通信制御部22が実現される。
【0045】
制御部21は、暗号処理装置3の全体の動作を制御し、通信制御部22は、ネットワーク2を介して行われる通信を制御する。
【0046】
クライアント5のCPU61により所定のプログラムが実行され、図1の制御部31、通信制御部32、および、USB等を介して接続されるリーダライタ6の無線通信制御部41が実現される。
【0047】
制御部31は、クライアント5の全体の動作を制御し、通信制御部32は、ネットワーク4を介して行われる通信を制御する。無線通信制御部41は、制御部31による制御に基づいてリーダライタ6を駆動させ、非接触ICチップ7との間で、電磁誘導を利用した近距離無線通信を行う。
【0048】
図3は、図1の非接触ICチップ7の構成例を示すブロック図である。
【0049】
非接触ICチップ7は、例えば、アンテナ(ループアンテナ)82と、それ以外の構成が1チップに格納されたIC81から構成され、電磁誘導を利用して、リーダライタ6と各種のデータを半二重通信する。
【0050】
CPU91は、ROM92に格納されている制御プログラムをRAM93に展開し、非接触ICチップ7の全体の動作を制御する。例えば、CPU91は、リーダライタ6から輻射されている、メモリ94に記憶されているデータの読み出しを要求するサーバ1の命令を表す電磁波がアンテナ82において受信されたとき、それに応じて、状態フラグや処理番号などの情報を読み出し、リーダライタ6に通知する。
【0051】
SPU(Signal Processing Unit)96は、ASK(Amplitude Shift Keying)復調部99で復調されたデータがBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調されている場合、図示せぬPLL(Phase Lock Loop)部から供給されるクロック信号に基づいて、そのデータの復調(マンチェスターコードのデコード)を行い、復調したデータを、バス95を介してCPU91等に適宜出力する。
【0052】
また、SPU96は、バス95を介して供給されてきたデータにBPSK変調(マンチェスターコードへのコーディング)を行い、それをASK変調部97に出力する。
【0053】
ASK変調部97は、例えば、状態フラグの設定や処理番号などを表す情報をリーダライタ6(サーバ1)に送信する場合、SPU96から供給されるデータに対応して、例えば、所定のスイッチング素子をオン/オフ(電気的な接続/切断)させ、スイッチング素子がオン状態であるときだけ、所定の負荷をアンテナ82に並列に接続させることにより、アンテナ82の負荷を変動させる。
【0054】
これにより、アンテナ82において受信されているリーダライタ6からの変調波がASK変調され、その変調成分が、アンテナ82を介してリーダライタ6に送信される(リーダライタ6のアンテナの端子電圧が変動される)(ロードスイッチング方式)。
【0055】
ASK復調部99は、アンテナ82を介して受信した変調波(ASK変調波)を包絡線検波して復調し、復調後のデータをSPU96に出力する。アンテナ82においては、リーダライタ6から輻射される所定の周波数の電磁波により共振が生じている。
【0056】
電源生成部100は、アンテナ82において励起された交流電圧を整流し、安定化した後、各部に直流電源として供給する。例えば、リーダライタ6から輻射される電磁波の電力は、非接触ICチップ7に必要な電力を賄う磁界を発生させるように調整されている。
【0057】
図4は、メモリ94に形成される領域の例を示す図である。
【0058】
メモリ94は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read OnlyMemory)などより構成され、状態フラグの設定が保持される状態フラグ領域111、サーバ1が実行する処理の番号(処理番号)が保持される処理番号領域112、金額情報などの各種のデータが保持されるデータ領域113−1乃至113−nが形成される。
【0059】
状態フラグ領域111に保持されている状態フラグが「真」のとき、それは、サーバ1により直前に実行された処理の反映(例えば、金額情報の書き換え)が成功したことを表している。また、反対に、状態フラグの設定が「偽」のとき、それは、サーバ1により直前に実行された処理の反映が失敗したことを表している。
【0060】
従って、サーバ1は、非接触ICチップ7と通信を開始したときにこの状態フラグの設定を確認することにより、直前の処理が成功したのか否かを確認することができる。
【0061】
なお、図4の例においては、状態フラグが「偽」に設定されており、処理番号は「n」とされている。
【0062】
以上の構成を有する非接触ICチップ7においては、CPU91により所定の制御プログラムが実行されて、図1の制御部51、無線通信制御部52、および記憶制御部53が実現される。
【0063】
制御部51は、非接触ICチップ7の全体の動作を制御し、無線通信制御部52は、アンテナ82、および、SPU96、ASK変調部97、ASK復調部99を用いた通信を制御する。
【0064】
記憶制御部53は、データ管理部53A、状態フラグ管理部53B、および処理番号管理部53Cを有し、メモリ94に記憶されている情報の読み出し、または、メモリ94に対する情報の書き込みを制御する。
【0065】
データ管理部53Aは、制御部51による制御に基づいて、データ領域113−1乃至113−nに記憶されているデータの読み出し、または、データ領域113−1乃至113−nに対するデータの書き込みを管理する。
【0066】
状態フラグ管理部53Bは、制御部51による制御に基づいて、状態フラグ領域111に保持されている状態フラグの設定の読み出し、または、状態フラグの設定の変更を管理する。
【0067】
処理番号管理部53Cは、制御部51による制御に基づいて、処理番号領域112に保持されている処理番号の読み出し、または、処理番号の更新を管理する。
【0068】
次に、図5のフローチャートを参照して、図1の情報管理システムの動作について説明する。
【0069】
非接触ICチップ7がリーダライタ6に近接されている状態において、例えば、非接触ICチップ7に保持されている金額情報により商品の代金を支払うことがユーザにより指示されたとき、クライアント5の制御部31は、ステップS11において、通信制御部32を制御し、サーバ1に対して処理の開始を要求する。
【0070】
クライアント5からの要求は、ステップS1においてサーバ1の通信制御部12により受信され、各種の認証処理が行われた後、ネットワーク4を介した通信が確立される。
【0071】
その後の通信は、ネットワーク4、クライアント5、およびリーダライタ6を介して、サーバ1と非接触ICチップ7の間で行われる。すなわち、サーバ1の通信制御部12から送信されたデータは、ネットワーク4を介してクライアント5の通信制御部32により受信され、制御部31によりリーダライタ6の無線通信制御部41に出力され、電磁誘導を利用した通信により所定の周波数の電磁波により無線通信制御部41から非接触ICチップ7に送信される。非接触ICチップ7では、無線通信制御部52において受信された電磁波に基づいて、サーバ1からのデータが取得され、取得されたデータが制御部51に供給される。
【0072】
反対に、リーダライタ6では、非接触ICチップ7の無線通信制御部52から電磁波により送信されたデータが、無線通信制御部41により受信され、復調されて取得される。さらに、リーダライタ6では、そのデータがUSB等を介してクライアント5の制御部31に出力される。制御部31により取得されたデータは、通信制御部32に出力され、通信制御部32により、ネットワーク4を介してサーバ1に送信される。サーバ1の通信制御部12においては、クライアント5から送信されてきたデータが取得され、制御部11に出力される。
【0073】
ステップS2において、サーバ1の制御部11は、通信制御部12を制御し、状態フラグの設定と、処理番号の通知を非接触ICチップ7に対して要求する。この要求は、上述したようにしてネットワーク4、クライアント5、およびリーダライタ6を介して非接触ICチップ7に送信される。
【0074】
サーバ1から送信されてきた要求は、ステップS21において無線通信制御部52により受信され、制御部51に出力される。
【0075】
制御部51は、ステップS22において、記憶制御部53を制御し、メモリ94に記憶されている状態フラグの設定と、処理番号を読み出す。すなわち、状態フラグ管理部53Bにより、状態フラグ領域111に対するアクセスが行われ、読み出された状態フラグの設定が制御部51に出力されるとともに、処理番号管理部53Cにより、処理番号領域112に対するアクセスが行われ、読み出された処理番号を表す情報が制御部51に出力される。
【0076】
ステップS23において、制御部51は、無線通信制御部52を制御し、取得した情報をサーバ1に通知(送信)する。
【0077】
非接触ICチップ7から送信された情報は、ステップS3においてサーバ1の通信制御部12により受信され、制御部11に出力される。
【0078】
制御部11は、ステップS4において、非接触ICチップ7から送信されてきた情報に基づいて、状態フラグの設定を参照し、例えば、金額情報の書き換えなどの、直前に行われた処理の反映が非接触ICチップ7において正常に完了されたのか否かを確認する。図6のフローチャートを参照して後述するように、確認結果に基づいて、適宜、状態フラグ制御部11Bにより、状態フラグの設定の変更が行われる。
【0079】
また、制御部11は、非接触ICチップ7から送信されてきた処理番号を情報管理部13に通知し、今回実行する処理を確認し、ステップS5において、その処理を処理実行部14に実行させる。
【0080】
ステップS6において、制御部11のデータ更新制御部11Aは、非接触ICチップ7に対して、処理実行部14により実行された処理結果の反映を指示し、状態フラグ制御部11Bは、保持している状態フラグの設定の変更を指示する。また、処理番号制御部11Cは、処理番号のインクリメントを非接触ICチップ7に指示する。
【0081】
サーバ1による指示は、ステップS24において、非接触ICチップ7により受信され、ステップS25において、処理結果の反映が行われる。例えば、保持されていた金額情報を、所定の額だけ減額するような指示が非接触ICチップ7に対して行われた場合、その指示に基づく減額がデータ管理部53Aにより行われる。
【0082】
サーバ1による処理結果の反映が成功したとき、ステップS26において、処理番号管理部53Cにより、処理番号のインクリメントが行われる。従って、サーバ1による処理の反映が失敗したときには、非接触ICチップ7に保持される処理番号がインクリメントされず、その処理番号は、反映が失敗した処理を表すものになる。
【0083】
従って、サーバ1による処理結果の反映が成功しない限りは、非接触ICチップ7は、同一の処理番号を保持し続け、サーバ1は、その同一の処理番号に基づいて、同じ処理を再度行う。
【0084】
以上のように、サーバ1が実行する処理に関する情報を非接触ICチップ7に保持させることにより、その情報をサーバ1自身に保持させておく必要がなく、サーバ1の処理負担を軽減させることが可能となる。
【0085】
また、非接触ICチップ7に保持されている処理番号に応じて、実行する処理をサーバ1が選択することにより、サーバ1による処理結果の反映を、より確実に非接触ICチップ7に実行させることができる。すなわち、処理番号nの処理、処理番号n+1の処理の処理が順次行われる場合において、処理番号nの処理の反映が非接触ICチップ7において失敗したにも関わらず、処理が進んでしまい、次の処理(処理番号n+1の処理)の反映が実行されることを抑制することが可能となる。
【0086】
さらに、様々な障害が発生したときのことを考慮してリカバリ処理をサーバ1に用意しておく必要がなくなり、非接触ICチップ7に記憶されているデータを管理するサーバ1を容易に実現することが可能となる。
【0087】
次に、図6のフローチャートを参照して、非接触ICチップ7を制御するサーバ1の処理について説明する。この処理は、基本的には、図5を参照して説明したサーバ1の処理と同様である。
【0088】
クライアント5からの要求に応じて非接触ICチップ7との間で通信が確立されたとき、ステップS41において、制御部11は、状態フラグの設定と、処理番号の通知を非接触ICチップ7に対して要求する。
【0089】
この要求に応じて、非接触ICチップ7においては、状態フラグの設定と、処理番号がメモリ94から読み出され、それらを表す情報が送信される(図7のステップS62)。通信制御部12は、ステップS42において、非接触ICチップ7から送信されてきた情報を受信し、状態フラグの設定と処理番号を表す情報を取得する。通信制御部12により取得された情報は、制御部11に出力される。
【0090】
ステップS43において、制御部11の状態フラグ制御部11Bは、通信制御部12から供給されてきた情報に基づいて、状態フラグの設定が「真」であるか否かを判定し、「真」であると判定した場合、ステップS44に進み、状態フラグを「偽」に設定することを指示する。
【0091】
この処理は、サーバ1による処理結果の反映の前処理として行われるものであり、このように前処理として状態フラグを「偽」に設定させることにより、仮に、反映処理が非接触ICチップ7において失敗した場合、反映の失敗を表す「偽」が設定されたままの状態フラグが保持されることになる。すなわち、サーバ1は、状態フラグの設定に基づいて、直前に非接触ICチップ7において行われた反映処理が成功したのか否かを確認することができる。
【0092】
この要求に応じて、非接触ICチップ7においては、状態フラグが「偽」に書き換えられる(図7のステップS64)。
【0093】
一方、ステップS43において、状態フラグが「真」に設定されていない、すなわち、「偽」に設定されていると判定した場合、ステップS44の処理はスキップされる。この場合、直前(前回)に行われた反映処理が、非接触ICチップ7においては正常に行われていないことを表している。
【0094】
ステップS45において、制御部11は、非接触ICチップ7から通知されてきた処理番号に基づいて情報管理部13により選択された処理(処理番号に対応する処理)を処理実行部14に実行させる。
【0095】
ステップS46において、制御部11のデータ更新制御部11Aは、通信制御部12を制御し、ステップS45で処理実行部14により実行された処理の結果の、メモリ94に記憶されている情報への反映(更新)を指示する。また、状態フラグ制御部11Bは、処理結果の反映が正常に行われた場合、状態フラグの設定を変更することを指示し、処理番号制御部11Cは、処理番号をインクリメントすることを非接触ICチップ7に対して指示する。
【0096】
これにより、非接触ICチップ7においては、サーバ1から通知されてきた情報に基づいて、メモリ94に記憶されている情報の書き換えが行われ、それが正常に行われたとき、状態フラグが、「偽」の状態から、処理が正常に行われたことを表す「真」に変更されるとともに、処理番号が1だけインクリメントされる(図7のステップS66,S69,S70)。
【0097】
次に、図7のフローチャートを参照して、図6の処理に対応して実行される、非接触ICチップ7の処理について説明する。この処理は、基本的には、図5を参照して説明した非接触ICチップ7の処理と同様である。
【0098】
ステップS61において、制御部51は、無線通信制御部52から供給されてきた情報に基づいて、状態フラグの設定と、処理番号の通知がサーバ1から要求されたか否かを判定し、要求されたと判定するまで待機する。
【0099】
制御部51は、ステップS61において、状態フラグの設定と、処理番号の通知が要求されたと判定した場合、ステップS62に進み、記憶制御部53の状態フラグ管理部53Bと処理番号管理部53Cを制御し、メモリ94に保持されている状態フラグの設定と、処理番号を読み出し、それらを表す情報をサーバ1に送信する。
【0100】
非接触ICチップ7の無線通信制御部52から送信された情報はサーバ1により取得され、状態フラグの設定が参照される。
【0101】
ステップS63において、制御部51は、状態フラグの設定を「偽」に変更することが指示されたか否かを判定し、指示されたと判定した場合、ステップS64に進み、記憶制御部53の状態フラグ管理部53Bを制御し、状態フラグの設定を「真」から「偽」に変更する。
【0102】
一方、ステップS63において、そのときの状態フラグの設定が「偽」であるため、状態フラグの変更が指示されていないと判定された場合、ステップS64の処理はスキップされる。
【0103】
なお、ここでは、非接触ICチップ7が、サーバ1からの指示を待って、状態フラグを「真」から「偽」に変更するようにしたが、非接触ICチップ7では、状態フラグと処理番号を通知した後に、自ら、状態フラグを、「真」から「偽」に変更するようにすることも可能である。
【0104】
ステップS65において、制御部51は、サーバ1により実行された処理(非接触ICチップ7からサーバ1に対して通知された処理番号に対応する処理)の結果の反映が指示されるとともに、処理結果の反映が正常に行われた場合に、状態フラグの設定を変更すること、および、処理番号をインクリメントすることが指示されたか否かを判定し、それらの指示があったと判定するまで待機する。
【0105】
制御部51は、ステップS65において、サーバ1により実行された処理の結果の反映が指示されると共に、処理結果の反映が正常に行われた場合に、状態フラグの設定を変更すること、および、処理番号をインクリメントすることが指示されたと判定した場合、ステップS66に進み、その指示に応じて、データ管理部53Aを制御し、サーバ1により実行された処理結果の反映を行う。
【0106】
例えば、サーバ1の課金処理の結果に応じて、メモリ94に記憶されている金額情報を、商品の代金に対応する額の分だけ減額することが指示された場合、制御部51は、データ管理部53Aを制御し、メモリ94の所定のデータ領域に記憶されている金額情報を減額させる。
【0107】
ステップS67において、制御部51は、処理結果の反映が成功したか否かを判定し、成功していない(失敗した)と判定した場合、ステップS68に進み、その更新中に書き込まれたデータを破棄する。例えば、メモリ94に記憶されている金額情報を書き換えていたときに障害が発生し、データの書き込みが正常に行われなかった場合、障害発生時に既に書き込まれていたデータは破棄され、これにより、メモリ94は、書き込みを開始する前の情報が保持されたままとなる。
【0108】
ステップS68においてデータが破棄された後、状態フラグの書き換えや処理番号のインクリメントが行われることなく、処理は終了される。
【0109】
一方、ステップS67において、サーバ1による処理結果の反映が成功したと判定した場合、ステップS69に進み、制御部51は、状態フラグ管理部53Bを制御し、状態フラグの設定を「偽」から「真」に変更する。すなわち、状態フラグ管理部53Bは、メモリ94の状態フラグ領域111にアクセスし、その設定を「偽」から「真」に変更する。
【0110】
サーバ1による処理結果の反映が行われる前に状態フラグは必ず「偽」に設定されており、このように処理が成功したときにのみ「偽」から「真」に書き換えられるようにすることにより、サーバ1は、状態フラグの設定を確認するだけで、処理が正常に行われていたのか否かを確認することができ、確認結果に応じた処理を行うことができる。
【0111】
制御部51は、ステップS70において、記憶制御部53の処理番号管理部53Cを制御し、処理番号領域112に保持されている処理番号を1だけインクリメントさせる。例えば、今回反映が成功した処理の番号が「100」である場合、処理番号管理部53Cにより、処理番号領域112に保持されている処理番号が「101」に更新される。
【0112】
これにより、サーバ1との間で再度通信が確立された場合、処理番号領域112に保持されている情報に基づいて、今回行われたものと異なる処理がサーバ1により実行されることになる。
【0113】
処理番号のインクリメントを終了した場合、ステップS71において、制御部51は、処理を終了するか否かを判定し、例えば、複数の処理結果の反映が指示されており、全ての反映が終了していない場合、ステップS66に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0114】
一方、制御部51は、ステップS71において、処理を終了すると判定した場合、処理を終了させる。
【0115】
以上のように、非接触ICチップ7自体に、非接触ICチップ7において行われた処理の状態を表す状態フラグや、サーバ1の処理を表す処理番号を保持させておき、その情報に基づいて、サーバ1に処理を実行させるようにすることにより、より確実に、非接触ICチップ7に保持されている情報を書き換えることができる。
【0116】
図8は、本発明を適用した情報管理システムの他の構成例を示すブロック図である。図8において、図1と対応する部分については同一の符号が付されている。
【0117】
図8の例においては、ネットワーク4に携帯電話網121が接続されており、その携帯電話網121に中継局122が接続されている。
【0118】
また、図8の例においては、クライアント123には、外部の非接触ICチップと電磁誘導を利用した近距離無線通信を行う、図1のリーダライタ6に対応するリーダライタ部133と、外部のリーダライタに各種の情報を提供する、図1の非接触ICチップ7に対応する非接触ICチップ部134が内蔵されている。
【0119】
なお、非接触ICチップ部134は、クライアント123内に固定してもよいし、クライアント123に対して、容易に着脱できるように構成することも可能である。また、クライアント123には、非接触ICチップ部134に代えて、接触型のICチップを内蔵させることも可能である。さらに、図8の実施の形態では、クライアント123は、例えば、携帯電話機その他の携帯型の端末で構成することができる。
【0120】
クライアント123の通信制御部132は、中継局122により選択された周波数帯域の搬送波により通信を行い、中継局122、携帯電話網121、ネットワーク4を介してサーバ1との間で通信を確立し、上述したものと同様の処理により、非接触ICチップ部134に保持されている情報の書き換えを行う。
【0121】
すなわち、非接触ICチップ部134に形成されている図示せぬメモリには、サーバ1により実行された処理の反映が成功したか否かを表す状態フラグと、サーバ1が実行する処理を表す処理番号が保持されており、サーバ1との間で通信が確立されたとき、それらの情報がサーバ1に通知される。サーバ1においては、適宜、状態フラグの書き換えがクライアント123に対して指示されるとともに、クライアント123から通知されてきた処理番号に対応する処理が実行され、その結果の反映がクライアント123に対して指示される。
【0122】
このように、本発明は、様々な機器のメモリに記憶されている各種の情報を管理する場合に適用することができる。
【0123】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0124】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0125】
この記録媒体は、図2に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク71(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク72(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク73(MD(登録商標)(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリ74などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM62や、記憶部68に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0126】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0127】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、より確実に、かつ効率的に、電子機器に記憶されている情報を管理することができる。
【0129】
また、本発明によれば、容易に、かつ効率的に情報管理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した情報管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のサーバの構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の非接触チップの構成例を示すブロック図である。
【図4】図3のメモリに形成される領域の例を示す図である。
【図5】図1の情報管理システムの動作について説明するフローチャートである。
【図6】非接触ICチップに対するサーバの制御処理について説明するフローチャートである。
【図7】図6の処理に対応して実行される非接触ICチップの処理について説明するフローチャートである。
【図8】本発明を適用した情報管理システムの他の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 サーバ, 7 非接触ICチップ, 11 制御部, 12 通信制御部,13 情報管理部, 14 処理実行部, 51 制御部, 52 無線通信制御部, 53 記憶制御部, 71 磁気ディスク, 72 光ディスク, 73 光磁気ディスク, 74 半導体メモリ, 94 メモリ, 111 状態フラグ領域, 112 処理番号領域
Claims (14)
- 所定の情報を記憶する電子機器と、前記電子機器とネットワークを介して接続され、前記電子機器により記憶されている前記所定の情報を管理する情報管理装置とからなる情報管理システムにおいて、
前記電子機器は、
前記情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持手段と、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記保持手段により保持されている前記識別情報を前記情報処理装置に通知する通知手段と、
前記通知手段による通知に応じて前記情報処理装置により実行された、前記識別情報に対応する処理の結果に基づいて、前記所定の情報を更新する第1の更新手段と、
前記第1の更新手段による更新が成功したとき、前記保持手段により保持される前記識別情報を更新する第2の更新手段と
を備え、
前記情報管理装置は、
前記識別情報の通知を前記電子機器に対して要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応じて前記電子機器から通知されてきた前記識別情報に対応する処理を実行する実行手段と、
前記実行手段による、前記識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、前記電子機器に記憶されている前記所定の情報の更新を制御する第1の制御手段と、
前記第1の制御手段による制御に応じて前記電子機器において実行される前記所定の情報の更新が成功したとき、前記識別情報の更新を制御する第2の制御手段と
を備えることを特徴とする情報管理システム。 - 所定の情報を記憶する電子機器と、前記電子機器とネットワークを介して接続され、前記電子機器により記憶されている前記所定の情報を管理する情報管理装置とからなる情報管理システムの情報管理方法において、
前記電子機器の情報管理方法は、
前記情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記保持ステップの処理により保持されている前記識別情報を前記情報処理装置に通知する通知ステップと、
前記通知ステップの処理による通知に応じて前記情報処理装置により実行された、前記識別情報に対応する処理の結果に基づいて、前記所定の情報を更新する第1の更新ステップと、
前記第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、前記識別情報を更新する第2の更新ステップと
を含み、
前記情報管理装置の情報管理方法は、
前記識別情報の通知を前記電子機器に対して要求する要求ステップと、
前記要求ステップの処理による要求に応じて前記電子機器から通知されてきた前記識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、
前記実行ステップの処理による、前記識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、前記電子機器に記憶されている前記所定の情報の更新を制御する第1の制御ステップと、
前記第1の制御ステップの処理による制御に応じて前記電子機器において実行される前記所定の情報の更新が成功したとき、前記識別情報の更新を制御する第2の制御ステップと
を含むことを特徴とする情報管理システムの情報管理方法。 - ネットワークを介して接続される電子機器により記憶されている情報を管理する情報管理装置において、
前記電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す第1の識別情報の通知を前記電子機器に対して要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応じて前記電子機器から通知されてきた前記第1の識別情報に対応する処理を実行する実行手段と、
前記実行手段による、前記第1の識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、前記電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御手段と、
前記第1の制御手段による制御に応じて前記電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、前記第1の識別情報の更新を制御する第2の制御手段と
を備えることを特徴とする情報管理装置。 - 前記電子機器は、前記第1の制御手段による制御に応じて、前記電子機器において実行される情報の更新が成功したのか否かを表す第2の識別情報をさらに保持し、
前記要求手段は、前記前記第1の識別情報と共に、前記第2の識別情報の通知を前記電子機器に対して要求する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報管理装置。 - 前記第2の識別情報を、前記電子機器に記憶されている情報の更新が失敗したことを表すように設定する設定手段をさらに備え、
前記第1の制御手段は、前記設定手段による前記第2の識別情報の設定が行われた後、前記電子機器において記憶されている情報の更新を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報管理装置。 - ネットワークを介して接続される電子機器により記憶されている情報を管理する情報管理装置の情報管理方法において、
前記電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す識別情報の通知を前記電子機器に対して要求する要求ステップと、
前記要求ステップの処理による要求に応じて前記電子機器から通知されてきた前記識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、
前記実行ステップの処理による、前記識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、前記電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御ステップと、
前記第1の制御ステップの処理による制御に応じて前記電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、前記識別情報の更新を制御する第2の制御ステップと
を含むことを特徴とする情報管理方法。 - ネットワークを介して接続される電子機器により記憶されている情報を管理する処理を、コンピュータに実行させるプログラムの記録媒体において、
前記電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す識別情報の通知を前記電子機器に対して要求する要求ステップと、
前記要求ステップの処理による要求に応じて前記電子機器から通知されてきた前記識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、
前記実行ステップの処理による、前記識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、前記電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御ステップと、
前記第1の制御ステップの処理による制御に応じて前記電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、前記識別情報の更新を制御する第2の制御ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。 - ネットワークを介して接続される電子機器により記憶されている情報を管理する処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記電子機器により保持されている、自分自身が実行する処理を表す識別情報の通知を前記電子機器に対して要求する要求ステップと、
前記要求ステップの処理による要求に応じて前記電子機器から通知されてきた前記識別情報に対応する処理を実行する実行ステップと、
前記実行ステップの処理による、前記識別情報に対応する処理の実行結果に基づいて、前記電子機器に記憶されている情報の更新を制御する第1の制御ステップと、
前記第1の制御ステップの処理による制御に応じて前記電子機器において実行される情報の更新が成功したとき、前記識別情報の更新を制御する第2の制御ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。 - ネットワークを介して接続される情報管理装置による制御に基づいて、所定の情報を記憶する電子機器において、
前記情報管理装置により実行される処理を表す第1の識別情報を保持する第1の保持手段と、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記第1の保持手段により保持されている前記第1の識別情報を前記情報処理装置に通知する通知手段と、
前記通知手段による通知に応じて前記情報処理装置により実行された、前記第1の識別情報に対応する処理の結果に基づいて、前記所定の情報を更新する第1の更新手段と、
前記第1の更新手段による更新が成功したとき、前記第1の保持手段により保持される前記第1の識別情報を更新する第2の更新手段と
を備えることを特徴とする電子機器。 - 前記第1の更新手段による更新が失敗したとき、その更新中に書き込まれた情報を破棄する破棄手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。 - 前記第1の更新手段による更新が成功したのか否かを表す第2の識別情報を保持する第2の保持手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。 - ネットワークを介して接続される情報管理装置による制御に基づいて、所定の情報を記憶する電子機器の情報管理方法において、
前記情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記保持ステップの処理により保持されている前記識別情報を前記情報処理装置に通知する通知ステップと、
前記通知ステップの処理による通知に応じて前記情報処理装置により実行された、前記識別情報に対応する処理の結果に基づいて、前記所定の情報を更新する第1の更新ステップと、
前記第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、前記識別情報を更新する第2の更新ステップと
を含むことを特徴とする情報管理方法。 - ネットワークを介して接続される情報管理装置による制御に基づいて、所定の情報を記憶する処理を、コンピュータに実行させるプログラムの記録媒体において、
前記情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記保持ステップの処理により保持されている前記識別情報を前記情報処理装置に通知する通知ステップと、
前記通知ステップの処理による通知に応じて前記情報処理装置により実行された、前記識別情報に対応する処理の結果に基づいて、前記所定の情報を更新する第1の更新ステップと、
前記第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、前記識別情報を更新する第2の更新ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。 - ネットワークを介して接続される情報管理装置による制御に基づいて、所定の情報を記憶する処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記情報管理装置により実行される処理を表す識別情報を保持する保持ステップと、
前記情報処理装置からの要求に応じて、前記保持ステップの処理により保持されている前記識別情報を前記情報処理装置に通知する通知ステップと、
前記通知ステップの処理による通知に応じて前記情報処理装置により実行された、前記識別情報に対応する処理の結果に基づいて、前記所定の情報を更新する第1の更新ステップと、
前記第1の更新ステップの処理による更新が成功したとき、前記識別情報を更新する第2の更新ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376556A JP2004206543A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002376556A JP2004206543A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004206543A true JP2004206543A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32813998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002376556A Pending JP2004206543A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 情報管理システム、情報管理装置、電子機器、情報管理方法、記録媒体、並びにプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004206543A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008010450A1 (en) * | 2006-07-19 | 2008-01-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Portable electronic device and control method thereof |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002376556A patent/JP2004206543A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2008010450A1 (en) * | 2006-07-19 | 2008-01-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Portable electronic device and control method thereof |
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