JP2004205951A

JP2004205951A - Light quantity adjusting device and optical equipment using the same

Info

Publication number: JP2004205951A
Application number: JP2002377111A
Authority: JP
Inventors: Yasunori Murata; 安規村田; Susumu Abe; 進阿部; Daisuke Ito; 大介伊藤
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 2002-12-26
Filing date: 2002-12-26
Publication date: 2004-07-22
Anticipated expiration: 2022-12-26
Also published as: JP4164355B2

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To realize a light quantity adjusting device in which the optical performance of an optical system is hardly deteriorated. <P>SOLUTION: The light quantity adjusting device equipped with a plurality of aperture blades 1 and 2 for forming an aperture and a filter member 3 for attenuating light passing through the aperture, and the filter member 3 has gradation ND (neutral density) regions 5 and 6 where transmissivity continuously varies and a transparent part region 7 which has uniform transmissivity of ≥80% and the phase difference of light of specified wavelength λ passing through the border part between the gradation ND region 6 and transparent region 7 is ≤λ/5. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の光学機器に好適な光量調整装置に関し、特に、画素ピッチの小さな撮像素子を用いたカメラの撮影レンズに利用しても光学性能の劣化を抑制することが可能な技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ビデオカメラ等の光学機器の撮影光学系には、複数枚の絞り羽根で形成する開口径を変化させて光量を調整する光量調整装置（絞り装置）が使用されている。このような絞り装置では、高輝度被写体を撮影時に開口径が小さくなりすぎると光の回折による光学性能劣化が問題となる。
【０００３】
そこで、明るい被写体条件でも開口径が小さくなり過ぎないようにするため、絞り羽根とＮＤ（ＮｅｕｔｒａｌＤｅｎｓｉｔｙ）フィルターを併用した光量調整装置が提案され実用化されている。
【０００４】
特許文献１には、絞り羽根で形成される開口内に位置するようにＮＤフィルターが絞り羽根に貼付けられ、ＮＤフィルターはそれぞれ均一な透過率に設定された第１の領域の透過率と連続的に透過率が変化する第２の領域とを有し、前記絞り装置の絞り開口が設定された小絞り開口になるときに、前記フィルター部材の第１の領域だけが前記絞り羽根により形成される絞り開口内に位置することを特徴とした絞り装置が開示されている。
【０００５】
特許文献２には、開放から所定の開口面積までは機械的な絞り羽根を移動させ、一定の絞り値以下の小絞り制御は濃淡によって透光度が連続的に変化するＮＤフィルターを透過率の高いフィルター部から順に開口に進入させる絞り装置が開示されている。
【０００６】
特許文献３では、複数の濃度領域を有するＮＤフィルターの透過率による回折現象が与える光学性能への影響を説明し、対策を施した露出制御機構を有する撮像装置が開示されている。
【０００７】
従来のこれらの提案においては、開放から小絞りに至るまでの中間絞り状態での光学性能劣化の主因は、絞り羽根により形成される開口部を覆うＮＤフィルター透過率の差に起因する回折の影響が支配的と考えられており、複数の濃度領域を有するＮＤフィルターの各領域の透過率や開口面積に着目した回折の影響への対策案が提案されていた。
【０００８】
一方、中間絞り状態での光学性能劣化の原因は、ＮＤフィルター透過率差に起因する回折の影響だけでなく、ＮＤフィルターの厚み成分に起因する透過波面位相差も大きく影響している。
【０００９】
絞り開口部の一部を厚みのあるフィルターが覆うと光学性能が劣化する現象は経験的に知られているが、フィルター厚み成分がどのように光学性能に影響するかを解析し、その具体的な対策をなした例は知られていない。
【００１０】
ＮＤフィルターの厚みが光学性能に与える影響への回避策として、特許文献４では、透明な部分と透過率が連続的または段階的に変化する部分を有するＮＤフィルターを固定の円形絞り開口を全て覆う状態で可動させて透過光量を調整する構成が提案されている。
【００１１】
【特許文献１】
特登録２７５４５１８号
【特許文献２】
特開昭５２−１１７１２７号公報
【特許文献３】
特開２０００−１０６６４９号公報
【特許文献４】
特開平６−２６５９７１号公報
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同公報に記載された発明は、フィルター部材を通過する部分とフィルター部材を通過しない素通し部分との大きな位相差についてのみ着目したもので、この大きな位相差が収差となって結像性能を劣化させると記述されている。しかし、濃度変化を有するフィルター部材を通過する光の透過波面位相差については記述されておらず、実際に透過率変化のあるＮＤフィルターを実現するときに、透過率変化を与えるために生じるであろう微小厚み変化または微小屈折率変化による光の波長λ以下の微小な透過波面位相差についての問題提起と対策については何ら示されていない。
【００１３】
本発明者の検討によれば、このような光の波長オーダー以下の微小な透過波面位相差が、ある条件下では光学性能に非常に大きな影響を与えていることが分かった。
【００１４】
また、透過波面位相差が与える光学性能への影響と、ＮＤフィルターの隣接する透過率領域の濃度差が与える光学性能への影響の出方が異なり、透過波面位相差と濃度差のこの２つの要素の相乗作用により、ある条件下で光学性能に大きく影響を与えていることも分った。
【００１５】
そこで本発明は、光学系の光学性能劣化の少ない光量調整装置の実現を目的としている。
【００１６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為、本発明の光量調整装置は、開口を形成するための絞り羽根と、該開口を通過する光の光量を減衰するためのフィルター部材とを備えた光量調整装置において、前記フィルター部材は透過率が連続的に変化するグラデーションＮＤ領域と透過率が８０％以上で均一透過率の透明部領域とを有し、グラデーションＮＤ領域と透明部領域との境界部を通過する所定の波長λの光の位相差がλ／５以下であることを特徴としている。
【００１７】
ここで、本発明における「所定の波長」とは、光量調整装置の使用状態によって適宜定めるものであり、例えば、使用波長帯域の中心波長などが用いられ、可視光域が使用波長帯域である場合には、λ＝５５０ｎｍであることが好ましい。
【００１８】
【発明の実施の形態】
具体的な例を示して本発明の実施の形態を説明する。
【００１９】
図１は本実施形態の実施例１の絞り羽根とグラデーションＮＤフィルター（フィルター部材）の配置を示している。図１（ａ）、（ｂ）において、１、２は絞り羽根で、１、２を相対的に移動させ絞り開口の状態を調整している。３はグラデーションＮＤフィルターであり、基板であるフィルム状の樹脂製フィルターベースの表面に透過光量を減衰させるためのＮＤ蒸着膜が楔状に傾斜膜として蒸着されている。図１（ａ）は部品側面図であり、図（ｂ）は部品正面図である。図１（ｃ）〜（ｆ）は各開口の状態を示しており、（ｃ）は開放Ｆ１．８状態、（ｄ）は開放Ｆ３．３状態、（ｅ）開放Ｆ５状態、（ｆ）は閉切状態を示している。
【００２０】
グラデーションＮＤフィルター３は、ＮＤ蒸着膜の膜厚が一定でＮＤ１．３（透過率５．０％）（透過率＝１０^{−ＮＤ濃度}）のＮＤ領域５と、膜厚を連続的に変化させ、ＮＤ濃度がＮＤ１．２（透過率６．３％）からＮＤ濃度０．１（透過率７９．４％）まで連続的に変化するグラデーションＮＤ領域６と、ＮＤ蒸着膜が蒸着されていない透過率９０％の透明部領域７とを有している。
【００２１】
透過光量を減衰させるためのＮＤ蒸着膜の膜構成を表１に示す。尚、各層の機械膜厚、光学膜厚は、ＮＤ領域における値である。
【００２２】
【表１】

【００２３】
ＮＤ蒸着膜は２３層構成で、透過率５％、濃度ＮＤ１．３の膜構成の例を示している。第１層から第２２層までは可視光領域全域に渡り均一な透過率の減衰を行う役割をしており、第１層から第２２層までの膜厚を比例縮小又は比例拡大することでグラデーションＮＤ領域においてＮＤ濃度を変化させることが可能である。
【００２４】
但し、各層の光学膜厚がλ／４を超えると、傾斜膜で膜厚が変化するときに光学特性の変化が大きくなるので、各層の光学膜厚をλ／４以下に抑えることが好ましい。第２３層は空気と接する最終層で、表面反射を防止するために設けている。また、望ましくは第２３層は、膜厚が連続的に変化する傾斜膜ではなく、膜厚が一定であることが望ましい。
【００２５】
図２に実施例１のグラデーションＮＤフィルタの断面図を示した。図２（Ａ）では、フィルター部材であるフィルム状の樹脂製フィルターベース８の表面にＮＤ蒸着膜９が成膜されている。ＮＤフィルターは、ＮＤ蒸着膜の膜厚が一定の領域であるＮＤ領域（断面Ａ−Ａ’）と、ＮＤ蒸着膜の膜厚が連続的に変化するグラデーションＮＤ領域（断面Ｂ−Ｂ’〜断面Ｃ−Ｃ’）と、ＮＤ蒸着膜の無い透明部領域（断面Ｅ−Ｅ’）とから構成されている。
【００２６】
図２（Ａ）では、ＮＤ蒸着膜の膜厚が一番厚いＮＤ領域は濃度ＮＤ１．３となっている。グラデーションＮＤ領域では傾斜蒸着膜によりＮＤ濃度１．２から０．１の範囲で連続的に変化させている。
【００２７】
グラデーション領域において、ＮＤ濃度が低下するにつれ、傾斜膜の各層の膜厚は少なくなる。しかし、膜厚が少なくなりすぎると、多層膜の膜厚の制御が難しく、各層間の膜厚比や層構成を維持するのが困難になる。従って、例えば、グラデーションＮＤ領域でＮＤ濃度を１．２から０の範囲で連続的に変化させようとすると、ＮＤ濃度０．１以下の領域では、膜厚が少なく層構成や膜厚比が乱れ、分光特性が不安定になりやすい問題がある。
【００２８】
そこで本実施例では、分光特性が不安定なＮＤ濃度０．１以下の領域を排除している。具体的には、成膜時に、図２（Ａ）の１０の領域を覆うようにフィルターベース８の表面にマスクを密着させて成膜を行うことにより、この領域に傾斜膜が成膜されるのを防いでいる。この結果、グラデーションＮＤ領域と透明部領域の境界部において、透過波面位相段差が生じるが、透過波面位相差はλ／５以下に抑えることで、光学性能の劣化を実施上問題ないレベルにしている。
【００２９】
また、ＮＤ蒸着膜９の第２３層は空気と接する最終層で、表面反射を防止するために設けている。グラデーション領域では、この第２３層も傾斜膜となっており、この状態では、表面反射防止効果が不安定である。この対策として、図２（Ｂ）に示すように、ＮＤ蒸着膜の傾斜膜とは傾きが逆向きで、かつ傾きの絶対値が等しい逆傾斜反射防止膜１１を最終層に再度蒸着し、最終層の膜厚を一定にして表面反射防止効果を安定させている。更に、透明部領域においても最終層を蒸着し、表面反射防止効果を得ている。
【００３０】
この膜は濃度ＮＤ１．３で光学膜厚は７８７ｎｍ、機械膜厚は４９６ｎｍである。光路長差は光学膜厚と機械膜厚との差２９１ｎｍである。
【００３１】
波長λ＝５５０ｎｍで計算すると、この膜厚段差部を透過する光の透過波面位相差は０．５３λになる。ＮＤ濃度と膜厚はほぼ比例関係にあるので、透過波面位相差が１／５λに相当するＮＤ濃度は、
ＮＤ１．３×０．２λ／０．５３λ≒ＮＤ０．５
となる。従って透過波面位相段差を１／５λ以下に抑えるためには、グラデーションＮＤ傾斜膜のカットする部分のＮＤ濃度はＮＤ０．５以下であれば良い。
【００３２】
次に、本実施形態の実施例２について説明する。実施例２のＮＤフィルター断面概略図を図３に示す。図２と共通な部分は同一の符号を用いている。実施例２のＮＤフィルターは、ＮＤ領域（断面Ａ−Ａ’）のＮＤ濃度が１．５であり、グラデーションＮＤ領域（断面Ｂ−Ｂ’〜断面Ｃ−Ｃ’）ではＮＤ領域から透明部領域（断面Ｅ−Ｅ’）に向かうにつれ、ＮＤ濃度が１．５から０．５に連続的に変化している。ＮＤ蒸着膜９は２３層構成であり、各層の材質は実施例１と同一である。また、各層の膜厚は、実施例１の各層の膜厚を１．５／１．３倍したものである。
【００３３】
グラデーションＮＤ領域は濃度ＮＤ１．５からＮＤ０．５の傾斜膜を設定し、ＮＤ０．５以下の膜厚部分は成膜時にマスクでカットしている。マスクでカットした境界部分に透過波面位相差がλ／５生じる。
【００３４】
次に、本実施の形態の実施例３について説明する。実施例３のＮＤフィルター断面概略図を図４に示す。図中、図２と共通な部分は同一の符号を用いている。実施例３のＮＤフィルターは、ＮＤ領域（断面Ａ−Ａ’）のＮＤ濃度が１．７であり、グラデーションＮＤ領域（断面Ｂ−Ｂ’〜断面Ｃ−Ｃ’）ではＮＤ領域から透明部領域（断面Ｅ−Ｅ’）に向かうにつれ、ＮＤ濃度が１．７から０．１に連続的に変化している。ＮＤ蒸着膜は２３層構成であり、各層の材質は実施例１と同一である。また、各層の膜厚は実施例１の各層の膜厚を２．０／１．３倍したものである。
【００３５】
グラデーションＮＤ領域は濃度ＮＤ１．７からＮＤ０．１の傾斜膜を設定し、ＮＤ０．１以下の膜厚部分は成膜時にマスクでカットしている。
【００３６】
次に本実施形態の各実施例のグラデーションＮＤフィルターが光学性能にどのように効果があるかを説明する。
【００３７】
撮像素子イメージサイズ対角３ｍｍ、画素ピッチ２．５μｍ用の撮影レンズを想定する。
撮影レンズの仕様は、焦点距離２．５ｍｍ、ＦNo.１．８とし、無収差の理想レンズを用いて説明する。
【００３８】
レンズ断面図を図５に示す。無収差の理想レンズＬに入射する光を絞りＳが絞り込み、入射光束の開口径Ｄを調整する。入射光束は理想レンズＬで集光され、焦点距離ｆの位置にある像面Ｉに結像される。
【００３９】
この絞りＳの開口形状を変化させると共に、絞り開口を通過する光量を減衰させるためのフィルター部材が絞り開口部にかかる面積を制御し光量調整を行う。
【００４０】
この理想レンズでの軸上光学性能（ＭＴＦ）が光量調整時にどのように変化するかを説明する。光学性能を示すＭＴＦ計算条件は、白色カラーウエイトでの波動工学的なＭＴＦ計算。評価空間周波数は、１００本／ｍｍとした。
【００４１】
画素ピッチが２．５μｍの撮像素子でのナイキスト周波数は１０００／（２×２．５μｍ）＝２００本／ｍｍ。ＭＴＦ計算で用いる評価空間周波数をナイキスト周波数の半分に設定した。
【００４２】
無収差理想レンズでのＮＤフィルターを併用しない場合、２枚羽根絞りで絞り開口が開放状態Ｆ１．８〜小絞りＦ１６まで絞り込んだ状態でのＦNo.と光学性能を示すＭＴＦ値との関係を図６に示す。
【００４３】
図中のグラフは左縦軸にＭＴＦ値、横軸に絞り開口ＦNo.、そして右縦軸にＴNo.を示している。グラフの上側に絞り開口形状の概略イメージ図を示している。（Ａ）は開放状態、（Ｂ）はＦ２．４状態、（Ｃ）はＦ３．３状態、（Ｄ）はＦ５状態、（Ｅ）はＦ８状態、（Ｆ）はＦ１６状態の絞り羽根が作る開口状態を示している。
【００４４】
無収差の理想レンズでは、絞り開放時の結像性能が最も高く、絞り込むにしたがって回折の影響で光学性能が劣化する。開放状態（Ａ）ではＭＴＦ値は９８％、少し絞り込みＦ２．４状態（Ｂ）では８０％、更に絞り込みＦ３．３状態（Ｃ）では７２％、Ｆ５状態（Ｄ）では５０％、Ｆ８状態（Ｅ）では３０％まで劣化する。更に絞り込みＦ１６状態（Ｆ）ではＭＴＦ値は１０％以下となりここまで絞り込むと評価空間周波数での被写体像が解像しない。このままではＴNo.２２程度の高輝度被写体には対応できない。
【００４５】
次に、高輝度被写体に対応するための従来例を図７に示す。
【００４６】
絞り羽根の一方にＮＤ濃度０．８（透過率１５．８％）のＮＤフィルターを、絞り開口Ｆ５状態（Ｄ）で絞り開口を全て覆う大きさに設定し貼り付けている。図中の左上側に絞り羽根に貼り付けたＮＤフィルター部の断面概略図を示している。
【００４７】
濃度０．８のＮＤフィルター（透過率１５．８％）を併用することによりＴNo.２２の高輝度被写体でも絞り開口Ｆ９程度でＭＴＦ値は２６％を確保できている。しかし、ＮＤフィルターが絞り開口覆いきる手前のＦ３．３状態（Ｃ）から覆いきるＦ５状態（Ｄ）の間の状態でＭＴＦ値は３０％まで光学性能が一旦大きく劣化する問題が発生する。
【００４８】
従来、この光学性能劣化の主原因は濃度のあるＮＤフィルター部と絞り羽根で形成される素通し部分の開口部が小絞り状態となり回折の影響で光学性能が劣化すると考えられていた。
【００４９】
しかし、本発明者の検討では、回折の影響だけでなく、ＮＤフィルターのフィルターベース厚みによる大きな透過波面位相差の影響と蒸着膜厚程度の微小な透過波面位相差の影響が大きく影響していることが判った。
【００５０】
ＮＤ濃度による回折の影響とフィルターベース厚による大きな透過波面位相差及び蒸着膜厚程度の微小な透過波面位相差による影響が光学性能へ与える影響について実例を示して説明する。
【００５１】
図７に示した従来例のＮＤ０．８フィルター部をグラデーションＮＤに置き換えた場合、ＮＤ濃度の影響による回折の影響がどの程度光学性能改善に寄与するかを検討した。
【００５２】
グラデーションＮＤは濃度ＮＤ０．２からＮＤ１．２に設定した例を図８に示す。ＭＴＦ値のウイークポイントは、Ｆ３．３状態（Ｃ）とＦ５状態（Ｄ）の間に存在し、ウイークポイントでのＭＴＦ値は３１％であまり改善が見られない。これはＮＤ濃度による回折の影響よりも、開口部に存在するＮＤフィルターベースの厚み段差部分による透過波面位相差の影響が光学性能を大きく劣化させているからである。
【００５３】
次に図９に示す例は、従来例図７で示したＮＤ０．８フィルターに透明部を追加し、フィルターベースがＦ３．３状態（Ｃ）で開口を覆う設定とした。フィルターにはＮＤ０．８の蒸着ＮＤ部分の蒸着膜厚とほぼ等価な膜厚の透明部補正膜を施し、透明部分とＮＤ０．８部分を透過する光の透過波面位相段差が生じないように設定した。このタイプのＮＤフィルターの場合、絞り開放状態からフィルター厚みによる大きな透過波面位相差の影響を受けるので、開放状態（Ａ）からＦ２．４状態（Ｂ）で光学性能が５２％程度まで劣化するがフィルターが絞り開口を覆いきるＦ３．３状態（Ｃ）からＦ５状態（Ｄ）の間ではＭＴＦ値は５０％以上あり、光学性能劣化が少ない。
【００５４】
これは、ＮＤ０．８フィルター部分と絞り羽根が作る素通し部分の開口形状による小絞り回折の影響よりも、フィルターベース厚みによる大きな透過波面位相差の影響が大きいことを示している。フィルターベース厚みによる大きな透過波面位相差の影響だけでなく、光学膜厚程度の微小な透過波面位相差も光学性能を大きく劣化させることが本発明者の検討で明らかになった。
【００５５】
図９に示した例の透明部補正膜がない場合を図１０に示す。
【００５６】
フィルター透明部とＮＤ０．８蒸着膜の境界部には透過波面位相段差が生じる。表１に示すＮＤ蒸着膜ＮＤ１．３設定で透過波面位相差０．５３λであるので、ＮＤ０．８の膜厚段差で生じる透過波面位相差は０．３３λになる。この微小な透過波面位相差が光学性能を大きく劣化させる様子を図１０に示す。
【００５７】
絞り開口Ｆ３．３状態（Ｃ）からＮＤ０．８蒸着膜が開口を覆いきるＦ５状態（Ｄ）の間でＭＴＦ値が２３％まで大きく劣化する。絞り開口部をフィルターベースが全て覆いきっているので、影響しているのはＮＤ０．８蒸着膜厚による透過波面位相差である。
【００５８】
本発明者の検討では、絞り開口の半分領域に微小な透過波面位相差が発生する場合、透過波面位相差がλ／２発生する場合が最も光学性能を劣化させることが判った。
この原理は、光を波として取り扱って説明する。絞り開口を通過する光線のうち、半分領域の光線の位相がλ／２ずれた状態では、結像点で一点に集まるべき光の半分領域の光の位相がλ／２位相ずれているため、結像点において波の打ち消し合いにより光の強度が結像点でゼロになる、しかし、光のエネルギーが消滅するわけではなく、結像点に集まるはずの光は、結像点の近傍に２点分離した点像となる。この現象のために光学性能が劣化する。
【００５９】
透過波面位相段差が１λになると結像性能がある程度回復し、１．５λで再び劣化し、２λである程度回復する。透過波面位相差が２λから３λ程度までは周期的に振幅が減衰しながら変化する。透過波面位相差が数λ以上の場合は光学性能の変化は周期的には変化せず落ち着く、このときの光学性能劣化は透過波面位相差がλ／４発生した場合の値に近い。フィルターベース厚みによる大きな透過波面位相差による光学性能劣化がこの場合に相当する。
【００６０】
一方、ＮＤ０．８蒸着膜による微小な透過波面位相差は０．３３λであり、λ／４より大きく、最悪条件のλ／２に近いため、フィルターベース厚の影響よりも光学性能劣化が大きくなっている。
【００６１】
上述した本実施の形態の各実施例においては、透過波面位相段差の改善に着目し、蒸着ＮＤフィルターに傾斜膜によるグラデーションＮＤ領域を設定し、フィルターの透明部部分とグラデーションＮＤ領域との境界部の透過波面位相段差を小さくし光学性能劣化を低減している。
図１１に実施例１のグラデーションＮＤフィルタを有する光量絞りのＭＴＦ値とＴNo.を示す。
【００６２】
フィルターの大きさは絞り開口Ｆ３．３状態（Ｃ）で覆いきるサイズに設定し、グラデーションＮＤ領域は濃度ＮＤ１．２からＮＤ０．２の濃度変化が、絞り開口Ｆ５状態（Ｄ）を覆いきるサイズに設定し、透明部とグラデーションＮＤ境界部の濃度差をＮＤ０．２としている。
開放状態（Ａ）ではフィルター厚み境界部がほぼ開放の半分にあるのでＭＴＦ値が６８％まで下がっているが、許容できるレベルである。絞りＦ２．４状態（Ｂ）でもＭＴＦ値４９％を維持している。従来光学性能劣化が問題となっていたＦ３．３状態（Ｃ）からＦ５状態（Ｄ）の間での光学性能劣化は無く、ＭＴＦ値は５９％まで上がり良好な値を維持している。更に絞りＦ８状態（Ｅ）でＴNo.２２に相当し、そのときのＭＴＦ値は３０％を維持している。
【００６３】
次に、図１２に実施例２のグラデーションＮＤフィルタを有する光量絞りのＭＴＦ値とＴNo.を示す。
【００６４】
グラデーションＮＤ領域のＮＤ濃度をＮＤ１．５〜ＮＤ０．５とした。透明部とグラデーションＮＤ領域の境界部にＮＤ濃度段差ＮＤ０．５存在する場合である。この境界部での透過波面位相差はλ／５存在する。
【００６５】
絞りＦ３．３状態（Ｃ）からＦ５状態（Ｄ）の間でＭＴＦ値は２２％まで劣化する。光学性能劣化の主原因は透明部とグラデーションＮＤ領域の境界部に透過波面位相差がλ／５存在するからである。この実施例からグラデーションＮＤを用いても境界部の透過波面位相差がλ／５以上存在すると光学性能向上の効果がないことがわかる。
【００６６】
次に、図１３に実施例３のグラデーションＮＤフィルタを有する光量絞りのＭＴＦ値とＴNo.を示す。
【００６７】
グラデーションＮＤのＮＤ濃度をＮＤ１．７〜ＮＤ０．２とした。
【００６８】
開放状態（Ａ）からＦ５状態（Ｄ）までＭＴＦ値は４２％以上を維持しており良好である。ＮＤ濃度の濃い部分がＮＤ１．７（透過率２％）であるため高輝度被写体時ＴNo.２２状態でも絞り開口はＦ６．８で、ＭＴＦ値は４５％を維持できている。しかし、ＮＤ濃度が１．７よりも濃くなりすぎると、中間絞り状態において開口部に透明部分と濃度ＮＤ１．７の部分が存在するため、撮影画面の上側と下側の光量に差が生じ、シェーディングと呼ばれる光量むらの問題が発生する。そのためグラデーションＮＤの濃度はＮＤ１．７以下の範囲で設定することが好ましい。
【００６９】
次に、本実施の形態の実施例３について説明する。実施例３は、実施例１〜３のグラデーションＮＤフィルターを用いた光量調整装置を有する光学系の実施形態である。
【００７０】
図１４は、実施例１〜３で説明したグラデーションＮＤフィルターを用いた光量調整装置を適用した光学系の概略構成図である。
【００７１】
図１４において、１５は屈折系、反射系、回折系等によって構成された撮影光学系、１６は光学系１０を通過する光を制限し、明るさを調整する絞り、１２は光学系１５によって形成される被写体像を受光面で受光し電気信号に変換するＣＣＤやＣＭＯＳ等の固体撮像素子（光電変換素子）である。本実施例において、絞り１６には実施例１〜３で説明したグラデーションＮＤフィルターを用いた光量調整装置を用いている。
【００７２】
このように、撮影光学系等の光学系の絞りとして、実施例１〜３で説明したグラデーションＮＤフィルターを用いた光量調整装置を用いることによって、絞り込んだときのＮＤフィルターの透過波面位相差による影響を少なくして画質の向上を図ることができる。また、画素ピッチの小さな撮像素子を用いることが可能となる。
【００７３】
次に、本実施の形態の実施例５について説明する。実施例５は、実施例４で説明した撮影光学系を用いた撮影装置の実施形態である。
【００７４】
図１５において、２０は撮影装置本体、１５は実施例４で説明した撮影光学系、１６は実施例１〜３で説明したグラデーションＮＤフィルターを用いた光量調整装置によって構成される絞り、１２は撮影光学系１５によって形成される被写体像を受光する固体撮像素子、１３は撮像素子１２が受光した被写体像を記録する記録媒体、１４は被写体像を観察するためのファインダーである。ファインダー１４としては、光学ファインダーや液晶パネル等の表示素子に表示された被写体像を観察するタイプのファインダーが考えられる。
【００７５】
このように実施例４で説明した撮影光学系をビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像素子上に被写体像を形成するタイプの撮影装置に適用することにより、ＮＤフィルターの透過波面位相差による影響を少なくして画質の向上を図ることができる。また、画素ピッチの小さな撮像素子を用いることが可能となる。
【００７６】
以下、本発明の様々な実施の態様について述べる。
【００７７】
＜態様１＞
開口を形成するための絞り羽根と、該開口を通過する光の光量を減衰するためのフィルター部材とを備えた光量調整装置において、前記フィルター部材は透過率が連続的に変化するグラデーションＮＤ領域と透過率が８０％以上で均一透過率の透明部領域とを有し、グラデーションＮＤ領域と透明部領域との境界部を通過する所定の波長λの光の位相差がλ／５以下であることを特徴とする光量調整装置。
【００７８】
＜態様２＞
前記グラデーションＮＤ領域と前記透明部領域との境界部にはＮＤ濃度０．１以上０．５以下の濃度段差を有することを特徴とする態様１に記載の光量調整装置。
ここで、透過率とＮＤ濃度の関係は
透過率＝１０^{−ＮＤ濃度}
波長λ＝５５０ｎｍ
である。
【００７９】
＜態様３＞
前記グラデーションＮＤ領域は、誘電体多層膜より構成され、前記誘電体多層膜の厚みを連続的に変化させることによりＮＤ濃度を連続的に変化させていることを特徴とする態様１又は２に記載の光量調整装置。
【００８０】
＜態様４＞
前記グラデーションＮＤ領域はＮＤ濃度０．１から１．７の範囲でＮＤ濃度が連続的に変化していることを特徴とする態様１〜３のいずれか１つに記載の光量調整装置。
【００８１】
＜態様５＞
前記誘電体多層膜の各層の光学膜厚はλ／４以下であることを特徴とする態様３に記載の光量調整装置。
【００８２】
＜態様６＞
前記所定の波長λは使用波長帯域の中心波長であることを特徴とする態様１〜５のいずれか１つに記載の光量調整装置。
【００８３】
＜態様７＞
前記所定の波長λは５５０ｎｍであることを特徴とする態様１〜６のいずれか１つに記載の光量調整装置。
【００８４】
＜態様８＞
態様１〜７いずれか１つに記載の光量調整装置を有することを特徴とする光学系。
【００８５】
＜態様９＞
態様８に記載の光学系を有することを特徴とする撮像装置。
【００８６】
＜態様１０＞
態様８に記載の光学系と光電変換素子とを有することを特徴とするデジタルカメラ。
【００８７】
【発明の効果】
本発明により、光学系の光学性能の劣化が少ない光量調整装置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態の実施例１のフィルター部材と絞り羽根による開口形状を示す概略図
【図２】本実施形態の実施例１のフィルター断面説明図
【図３】本実施形態の実施例２のフィルター断面説明図
【図４】本実施形態の実施例３のフィルター断面説明図
【図５】本実施形態の実施例の効果を説明するために用いたレンズ断面図
【図６】本実施形態の実施例の効果を説明するために用いるレンズのＮＤフィルター無し状態での基準状態での開放から小絞りまでのＭＴＦ変化説明図
【図７】従来タイプの単濃度ＮＤフィルター併用時の説明図
【図８】従来タイプのグラデーションＮＤフィルター併用時の説明図
【図９】透過波面位相差と回折の影響を確認するための説明図
【図１０】透過波面位相差と回折の影響を確認するための説明図
【図１１】本実施形態の実施例１の効果を説明する図
【図１２】本実施形態の実施例２の効果を説明する図
【図１３】本実施形態の実施例３の効果を説明する図
【図１４】本実施形態の実施例４の光学系の説明図
【図１５】本実施形態の実施例５の撮影装置の説明図
【符号の説明】
１絞り羽根
２絞り羽根
３グラデーションＮＤフィルタ（フィルター部材）
５ＮＤ領域
６グラデーションＮＤ領域
７透明部
８フィルター部材
９ＮＤ蒸着膜
１１逆傾斜反射防止膜
Ｓ絞り
Ｌ理想レンズ
Ｄ入射光束の開口径
Ｉ像面
ｆ焦点距離[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a light amount adjustment device suitable for an optical device such as a video camera or a digital still camera, and in particular, suppresses deterioration of optical performance even when used for a photographing lens of a camera using an imaging device with a small pixel pitch. Is a technology that can be used.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art A light amount adjusting device (aperture device) that adjusts a light amount by changing an aperture diameter formed by a plurality of aperture blades is used in a photographing optical system of an optical device such as a video camera. In such a diaphragm device, if the aperture diameter becomes too small when photographing a high-luminance subject, optical performance degradation due to light diffraction becomes a problem.
[0003]
Therefore, in order to prevent the aperture diameter from becoming too small even under a bright subject condition, a light amount adjusting device using both an aperture blade and an ND (Neutral Density) filter has been proposed and put into practical use.
[0004]
In Patent Literature 1, an ND filter is attached to an aperture blade so as to be positioned within an opening formed by the aperture blade, and each of the ND filters is continuous with the transmittance of a first region set to a uniform transmittance. When the aperture of the aperture device becomes a set small aperture, only the first area of the filter member is formed by the aperture blades. A diaphragm device characterized by being located in a diaphragm opening is disclosed.
[0005]
Patent Document 2 discloses that a mechanical aperture blade is moved from an opening to a predetermined aperture area, and a small aperture control below a certain aperture value controls an ND filter whose light transmittance continuously changes depending on shading. There is disclosed a diaphragm device that sequentially enters an opening from a high filter portion.
[0006]
Patent Literature 3 describes an influence on optical performance caused by a diffraction phenomenon due to transmittance of an ND filter having a plurality of density regions, and discloses an imaging apparatus having an exposure control mechanism in which measures are taken.
[0007]
In these conventional proposals, the main cause of optical performance degradation in the intermediate stop state from the opening to the small stop is the influence of diffraction caused by the difference in transmittance of the ND filter covering the opening formed by the stop blades. Is considered to be dominant, and a countermeasure against the influence of diffraction focusing on the transmittance and the opening area of each region of the ND filter having a plurality of density regions has been proposed.
[0008]
On the other hand, the cause of the deterioration of the optical performance in the intermediate aperture state is not only the influence of the diffraction caused by the difference in the transmittance of the ND filter, but also the phase difference of the transmitted wavefront caused by the thickness component of the ND filter.
[0009]
It has been empirically known that the optical performance deteriorates when a thick filter covers a part of the aperture opening.However, it is analyzed how the filter thickness component affects the optical performance. There are no known examples of such measures.
[0010]
As a workaround to the effect of the thickness of the ND filter on the optical performance, Patent Document 4 discloses that an ND filter having a transparent portion and a portion where the transmittance changes continuously or stepwise covers all the fixed circular aperture openings. There has been proposed a configuration in which the transmitted light amount is adjusted by being moved in a state.
[0011]
[Patent Document 1]
Special registration No. 2754518
[Patent Document 2]
JP-A-52-117127
[Patent Document 3]
JP 2000-106649 A
[Patent Document 4]
JP-A-6-265971
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, the invention described in this publication focuses only on a large phase difference between a portion that passes through the filter member and a transparent portion that does not pass through the filter member, and this large phase difference becomes an aberration and reduces imaging performance. It is described as deteriorating. However, there is no description about the transmitted wavefront phase difference of light passing through a filter member having a change in density, and this is generated to give a change in transmittance when an ND filter having a change in transmittance is actually realized. There is no suggestion or countermeasure for a small transmitted wavefront phase difference of less than the wavelength λ of light due to a small thickness change or a small refractive index change in the solder.
[0013]
According to the study by the present inventors, it has been found that such a small transmitted wavefront phase difference of the order of the wavelength of light or less has a very large effect on optical performance under certain conditions.
[0014]
Further, the influence of the transmitted wavefront phase difference on the optical performance differs from the influence of the density difference between the adjacent transmittance regions of the ND filter on the optical performance, and the two factors of the transmitted wavefront phase difference and the density difference are different. It was also found that the synergistic action of the elements greatly affected the optical performance under certain conditions.
[0015]
Therefore, an object of the present invention is to realize a light amount adjusting device that causes little deterioration in optical performance of an optical system.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a light quantity adjusting device according to the present invention is a light quantity adjusting device including an aperture blade for forming an opening and a filter member for attenuating the light amount of light passing through the opening, The filter member has a gradation ND region in which the transmittance continuously changes and a transparent portion region having a transmittance of 80% or more and a uniform transmittance, and a predetermined portion passing through the boundary between the gradation ND region and the transparent portion region. The phase difference of the light having the wavelength λ is λ / 5 or less.
[0017]
Here, the “predetermined wavelength” in the present invention is appropriately determined according to the use state of the light amount adjustment device. For example, when the center wavelength of the used wavelength band is used and the visible light region is the used wavelength band. Is preferably λ = 550 nm.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described with reference to specific examples.
[0019]
FIG. 1 shows an arrangement of an aperture blade and a gradation ND filter (filter member) of Example 1 of the present embodiment. In FIGS. 1 (a) and 1 (b), reference numerals 1 and 2 denote aperture blades, which are relatively moved to adjust the state of the aperture opening. Reference numeral 3 denotes a gradation ND filter, in which an ND vapor-deposited film for attenuating the amount of transmitted light is vapor-deposited as a wedge-shaped inclined film on the surface of a film-shaped resin filter base serving as a substrate. FIG. 1A is a side view of the component, and FIG. 1B is a front view of the component. 1 (c) to 1 (f) show the state of each opening, (c) is an open F1.8 state, (d) is an open F3.3 state, (e) is an open F5 state, and (f) is an open F5 state. It shows a closed state.
[0020]
The gradation ND filter 3 has a constant thickness of ND 1.3 (transmittance 5.0%) (transmittance = 10^{-ND concentration}), The film thickness is continuously changed, and the ND concentration is continuously changed from ND1.2 (transmittance 6.3%) to ND concentration 0.1 (transmittance 79.4%). It has a gradation ND region 6 and a transparent region 7 having a transmittance of 90% where no ND vapor-deposited film is deposited.
[0021]
Table 1 shows the film configuration of the ND deposited film for attenuating the transmitted light amount. The mechanical thickness and optical thickness of each layer are values in the ND region.
[0022]
[Table 1]

[0023]
The ND vapor-deposited film has an example of a 23-layer structure with a transmittance of 5% and a concentration of ND 1.3. The first layer to the 22nd layer play a role of uniformly attenuating the transmittance over the entire visible light region, and the gradation is obtained by proportionally reducing or proportionally increasing the film thickness of the first layer to the 22nd layer. It is possible to change the ND concentration in the ND region.
[0024]
However, when the optical film thickness of each layer exceeds λ / 4, the change in optical characteristics becomes large when the film thickness changes in the inclined film. Therefore, it is preferable to suppress the optical film thickness of each layer to λ / 4 or less. The 23rd layer is the last layer in contact with air, and is provided to prevent surface reflection. Preferably, the 23rd layer is not an inclined film having a continuously changing film thickness, but a constant film thickness.
[0025]
FIG. 2 shows a sectional view of the gradation ND filter of the first embodiment. In FIG. 2A, an ND deposited film 9 is formed on the surface of a film-shaped resin filter base 8 which is a filter member. The ND filter includes an ND region (section AA ′) in which the thickness of the ND deposited film is constant and a gradation ND region (section BB ′ to the section) in which the thickness of the ND deposited film continuously changes. CC ′) and a transparent region (cross section EE ′) without an ND deposited film.
[0026]
In FIG. 2A, the ND region where the thickness of the ND deposited film is the thickest has the concentration ND1.3. In the gradation ND region, the ND concentration is continuously changed in the range of 1.2 to 0.1 by the inclined vapor deposition film.
[0027]
In the gradation region, as the ND concentration decreases, the thickness of each layer of the gradient film decreases. However, when the film thickness is too small, it is difficult to control the film thickness of the multilayer film, and it becomes difficult to maintain the film thickness ratio between the layers and the layer configuration. Therefore, for example, if it is attempted to continuously change the ND concentration in the gradation ND region in the range of 1.2 to 0, the film thickness is small in the region having the ND concentration of 0.1 or less, and the layer configuration and the film thickness ratio are disturbed. In addition, there is a problem that the spectral characteristics are likely to be unstable.
[0028]
Therefore, in this embodiment, a region where the spectral characteristics are unstable and the ND concentration is 0.1 or less is excluded. Specifically, at the time of film formation, a mask is closely attached to the surface of the filter base 8 so as to cover the region 10 in FIG. Is preventing. As a result, a transmitted wavefront phase difference occurs at the boundary between the gradation ND region and the transparent portion region. However, by suppressing the transmitted wavefront phase difference to λ / 5 or less, degradation of optical performance is at a level at which there is no practical problem. .
[0029]
The 23rd layer of the ND deposited film 9 is the last layer in contact with air, and is provided to prevent surface reflection. In the gradation region, the 23rd layer is also an inclined film, and in this state, the surface antireflection effect is unstable. As a countermeasure, as shown in FIG. 2 (B), a reverse-slant antireflection film 11 whose inclination is opposite to that of the inclined film of the ND vapor-deposited film and whose absolute value of the inclination is equal is deposited again on the final layer. The surface antireflection effect is stabilized by making the layer thickness constant. Further, a final layer is deposited also in the transparent area to obtain a surface reflection preventing effect.
[0030]
This film has a concentration of ND 1.3, an optical film thickness of 787 nm, and a mechanical film thickness of 496 nm. The optical path length difference is a difference between the optical film thickness and the mechanical film thickness of 291 nm.
[0031]
When calculated at a wavelength λ = 550 nm, the transmitted wavefront phase difference of the light transmitted through the film thickness step is 0.53λ. Since the ND concentration and the film thickness are in a substantially proportional relationship, the ND concentration corresponding to a transmitted wavefront phase difference of ５λ is
ND1.3 × 0.2λ / 0.53λ ≒ ND0.5
Becomes Therefore, in order to suppress the transmitted wavefront phase difference to １／ λ or less, the ND concentration at the cut portion of the gradation ND inclined film may be ND0.5 or less.
[0032]
Next, Example 2 of the present embodiment will be described. FIG. 3 shows a schematic cross-sectional view of the ND filter of the second embodiment. 2 are denoted by the same reference numerals. In the ND filter of Example 2, the ND concentration in the ND region (cross section AA ′) is 1.5, and the gradation ND region (cross section BB ′ to cross-section CC ′) changes from the ND region to the transparent portion region. The ND concentration continuously changes from 1.5 to 0.5 as going to (section EE ′). The ND deposited film 9 has a 23-layer structure, and the material of each layer is the same as that of the first embodiment. The thickness of each layer is 1.5 / 1.3 times the thickness of each layer in Example 1.
[0033]
In the gradation ND region, a gradient film having a concentration of ND1.5 to ND0.5 is set, and a film thickness portion of ND0.5 or less is cut by a mask during film formation. A transmitted wavefront phase difference occurs at λ / 5 at the boundary portion cut by the mask.
[0034]
Next, Example 3 of the present embodiment will be described. FIG. 4 shows a schematic cross-sectional view of the ND filter of the third embodiment. In the drawing, the same parts as those in FIG. 2 are denoted by the same reference numerals. The ND filter of Example 3 has an ND concentration of 1.7 in the ND region (cross section AA ′), and the ND region to the transparent portion region in the gradation ND region (cross section BB ′ to cross section CC ′). The ND concentration continuously changes from 1.7 to 0.1 as going to (section EE ′). The ND deposited film has 23 layers, and the material of each layer is the same as that of the first embodiment. The thickness of each layer is 2.0 / 1.3 times the thickness of each layer in Example 1.
[0035]
In the gradation ND region, a gradient film having a concentration of ND 1.7 to ND 0.1 is set, and a portion having a thickness of ND 0.1 or less is cut by a mask at the time of film formation.
[0036]
Next, how the gradation ND filter of each example of the present embodiment has an effect on optical performance will be described.
[0037]
It is assumed that a photographing lens has a diagonal image size of 3 mm and a pixel pitch of 2.5 μm.
The specification of the photographing lens will be described using an ideal lens having a focal length of 2.5 mm and an F No. of 1.8 and having no aberration.
[0038]
FIG. 5 shows a lens cross-sectional view. The stop S stops down the light incident on the ideal lens L with no aberration and adjusts the aperture diameter D of the incident light flux. The incident light beam is condensed by the ideal lens L and is imaged on the image plane I at the position of the focal length f.
[0039]
The aperture shape of the stop S is changed, and the area of the filter member for attenuating the amount of light passing through the stop aperture is controlled to control the light amount.
[0040]
How the on-axis optical performance (MTF) of the ideal lens changes at the time of light amount adjustment will be described. The MTF calculation condition indicating the optical performance is a wave engineering MTF calculation with a white color weight. The evaluation spatial frequency was 100 lines / mm.
[0041]
The Nyquist frequency in an image sensor having a pixel pitch of 2.5 μm is 1000 / (2 × 2.5 μm) = 200 lines / mm. The evaluation spatial frequency used in the MTF calculation was set to half of the Nyquist frequency.
[0042]
The figure shows the relationship between the FNo. And the MTF value indicating the optical performance when the aperture stop is narrowed from F1.8 to the small aperture F16 with the two-blade aperture when the ND filter is not used together with the ideal aberration-free lens. 6 is shown.
[0043]
The graph in the figure shows the MTF value on the left vertical axis, the aperture FNo. On the horizontal axis, and the TNo. On the right vertical axis. A schematic image diagram of the shape of the aperture opening is shown above the graph. (A) is an open state, (B) is an F2.4 state, (C) is an F3.3 state, (D) is an F5 state, (E) is an F8 state, and (F) is an F16 state. The state of opening is shown.
[0044]
An ideal lens having no aberration has the highest imaging performance when the aperture is opened, and the optical performance deteriorates due to diffraction as the aperture is stopped down. The MTF value is 98% in the open state (A), 80% in the slightly narrowed F2.4 state (B), 72% in the narrowed F3.3 state (C), 50% in the F5 state (D), and the F8 state ( In E), it deteriorates to 30%. Further, in the aperture stop F16 state (F), the MTF value becomes 10% or less, and when the aperture is stopped down to this point, the subject image at the evaluation spatial frequency is not resolved. In this state, it is not possible to cope with a high-luminance subject of about TNo.
[0045]
Next, FIG. 7 shows a conventional example corresponding to a high-luminance subject.
[0046]
An ND filter having an ND density of 0.8 (transmittance: 15.8%) is attached to one of the aperture blades so that the ND filter is set to a size to cover the entire aperture opening in the aperture opening F5 state (D). A schematic cross-sectional view of the ND filter unit attached to the aperture blade is shown on the upper left side in the figure.
[0047]
By using an ND filter with a density of 0.8 (transmittance: 15.8%), an MTF value of 26% can be secured even with a high-luminance subject of TNo. However, in the state between the state F3.3 (C) just before the ND filter covers the aperture and the state F5 (D) covering the ND filter, there is a problem that the MTF value is temporarily reduced to 30% and the optical performance is greatly deteriorated.
[0048]
Heretofore, it has been thought that the main cause of the deterioration of the optical performance is that the aperture of the transparent portion formed by the ND filter part having the density and the aperture blade is in a small aperture state, and the optical performance is deteriorated by the influence of diffraction.
[0049]
However, in the study of the present inventors, not only the effect of diffraction but also the effect of a large transmitted wavefront phase difference due to the filter base thickness of the ND filter and the effect of a small transmitted wavefront phase difference as small as the thickness of the deposited film have a large effect. It turns out.
[0050]
The effects of diffraction due to the ND concentration, the large transmitted wavefront phase difference due to the filter base thickness, and the small transmitted wavefront phase difference as small as the thickness of the deposited film on the optical performance will be described with reference to actual examples.
[0051]
In the case where the ND 0.8 filter section of the conventional example shown in FIG. 7 was replaced with gradation ND, it was examined how much the influence of diffraction due to the influence of ND density contributes to the improvement of optical performance.
[0052]
FIG. 8 shows an example in which the gradation ND is set from the density ND0.2 to ND1.2. The weak point of the MTF value exists between the F3.3 state (C) and the F5 state (D), and the MTF value at the weak point is 31%, which is not much improved. This is because the effect of the transmitted wavefront phase difference due to the thickness step portion of the ND filter base existing in the opening greatly deteriorates the optical performance, rather than the effect of diffraction due to the ND density.
[0053]
Next, in the example shown in FIG. 9, a transparent portion was added to the ND 0.8 filter shown in FIG. 7 of the related art, and the filter base was set to cover the opening in the F3.3 state (C). The filter is provided with a transparent portion correction film with a film thickness almost equivalent to the deposited film thickness of the ND portion of ND 0.8, and is set so that there is no step difference in the transmitted wavefront of light transmitted through the transparent portion and the ND portion 0.8. did. In the case of this type of ND filter, the optical performance is degraded from the open state (A) to the F2.4 state (B) by about 52% from the open state (A) to the F2.4 state (B) since the transmitted wavefront phase difference is affected by the filter thickness from the open state. In the F3.3 state (C) to the F5 state (D) in which the filter covers the aperture, the MTF value is 50% or more, and the optical performance is less deteriorated.
[0054]
This indicates that the effect of the large transmitted wavefront phase difference due to the filter base thickness is greater than the effect of the small aperture diffraction due to the aperture shape of the ND 0.8 filter portion and the transparent portion formed by the aperture blade. The present inventor has clarified that not only the effect of a large transmitted wavefront phase difference due to the filter base thickness but also a small transmitted wavefront phase difference of about the optical film thickness significantly deteriorates optical performance.
[0055]
FIG. 10 shows a case where the transparent portion correction film of the example shown in FIG. 9 is not provided.
[0056]
A transmitted wavefront phase difference occurs at the boundary between the filter transparent portion and the ND0.8 vapor-deposited film. Since the transmitted wavefront phase difference is 0.53λ when the ND deposited film ND1.3 shown in Table 1 is set, the transmitted wavefront phase difference generated by the film thickness step of ND0.8 is 0.33λ. FIG. 10 shows how the minute transmitted wavefront phase difference greatly deteriorates the optical performance.
[0057]
The MTF value is greatly degraded to 23% from the aperture opening F3.3 state (C) to the F5 state (D) where the ND0.8 vapor-deposited film covers the opening. Since the entire filter opening covers the aperture opening, what is affected is the phase difference of the transmitted wavefront due to the ND0.8 deposited film thickness.
[0058]
The present inventor has found that when a small transmitted wavefront phase difference occurs in a half region of the aperture opening, the optical performance is most deteriorated when the transmitted wavefront phase difference is λ / 2.
This principle is described by treating light as waves. In the state where the phase of the light beam in the half region out of the light beam passing through the aperture opening is shifted by λ / 2, the phase of the light in the half region of the light to be collected at one point at the imaging point is shifted by λ / 2. At the imaging point, the intensity of the light becomes zero at the imaging point due to the cancellation of the waves. However, the energy of the light does not disappear, and the light that should be collected at the imaging point is 2 near the imaging point. It becomes a point image separated by points. This phenomenon degrades optical performance.
[0059]
When the transmitted wavefront phase step becomes 1λ, the imaging performance is recovered to some extent, deteriorates again at 1.5λ, and recovers to some extent at 2λ. The amplitude periodically changes while attenuating until the transmitted wavefront phase difference is about 2λ to 3λ. When the transmitted wavefront phase difference is several λ or more, the change in the optical performance does not change periodically but settles down, and the optical performance degradation at this time is close to the value when the transmitted wavefront phase difference is λ / 4. Optical performance degradation due to a large transmitted wavefront phase difference due to the filter base thickness corresponds to this case.
[0060]
On the other hand, the small transmitted wavefront phase difference due to the ND0.8 vapor-deposited film is 0.33λ, which is larger than λ / 4 and close to the worst condition λ / 2, so that the optical performance deterioration is larger than the effect of the filter base thickness. ing.
[0061]
In each of the examples of the present embodiment described above, focusing on the improvement of the phase difference of the transmitted wavefront, a gradation ND region is set in the evaporation ND filter by the inclined film, and the boundary between the transparent portion of the filter and the gradation ND region is set. The phase difference of the transmitted wavefront is reduced to reduce the deterioration of the optical performance.
FIG. 11 shows the MTF value and TNo. Of the light amount aperture having the gradation ND filter of the first embodiment.
[0062]
The size of the filter is set to a size that covers the aperture opening F3.3 state (C), and the gradation ND area is a size where the density change from the density ND1.2 to ND0.2 covers the aperture opening F5 state (D). And the density difference between the transparent part and the gradation ND boundary part is ND 0.2.
In the open state (A), since the filter thickness boundary is almost half of the open state, the MTF value has dropped to 68%, but this is an acceptable level. The MTF value is maintained at 49% even in the aperture F2.4 state (B). The optical performance has not deteriorated between the F3.3 state (C) and the F5 state (D) where the deterioration of the optical performance has conventionally been a problem, and the MTF value has increased to 59% and maintained a good value. Further, the aperture F8 state (E) corresponds to TNo. 22, and the MTF value at that time is maintained at 30%.
[0063]
Next, FIG. 12 shows the MTF value and TNo. Of the light amount aperture having the gradation ND filter of the second embodiment.
[0064]
The ND concentration in the gradation ND region was set to ND1.5 to ND0.5. This is a case where the ND density step ND0.5 exists at the boundary between the transparent portion and the gradation ND region. The transmitted wavefront phase difference at this boundary portion is λ / 5.
[0065]
The MTF value deteriorates to 22% between the F3.3 state (C) and the F5 state (D). The main cause of the deterioration of the optical performance is that the transmitted wavefront phase difference is λ / 5 at the boundary between the transparent portion and the gradation ND region. From this example, it can be seen that even if the gradation ND is used, there is no effect of improving the optical performance if the transmitted wavefront phase difference at the boundary exists at λ / 5 or more.
[0066]
Next, FIG. 13 shows the MTF value and TNo. Of the light amount aperture having the gradation ND filter of the third embodiment.
[0067]
The ND concentration of the gradation ND was set to ND 1.7 to ND 0.2.
[0068]
From the open state (A) to the F5 state (D), the MTF value is maintained at 42% or more, which is good. Since the portion where the ND density is high is ND1.7 (transmittance 2%), the aperture opening is F6.8 and the MTF value can be maintained at 45% even in the TNo. However, if the ND density is too high than 1.7, a transparent portion and a portion having a density of ND 1.7 are present in the opening in the intermediate aperture state, so that there is a difference in the amount of light between the upper side and the lower side of the shooting screen. The problem of uneven light amount called shading occurs. Therefore, it is preferable to set the density of the gradation ND within the range of ND 1.7 or less.
[0069]
Next, Example 3 of the present embodiment will be described. Example 3 is an embodiment of an optical system having a light amount adjusting device using the gradation ND filter of Examples 1 to 3.
[0070]
FIG. 14 is a schematic configuration diagram of an optical system to which the light amount adjusting device using the gradation ND filter described in Embodiments 1 to 3 is applied.
[0071]
In FIG. 14, reference numeral 15 denotes a photographing optical system constituted by a refraction system, a reflection system, a diffraction system, etc., 16 denotes a stop for restricting light passing through the optical system 10 and adjusts brightness, and 12 denotes an optical system 15. A solid-state imaging device (photoelectric conversion device) such as a CCD or a CMOS that receives a subject image to be received on a light receiving surface and converts the image into an electric signal. In this embodiment, the aperture 16 uses the light amount adjusting device using the gradation ND filter described in the first to third embodiments.
[0072]
As described above, by using the light amount adjusting device using the gradation ND filter described in Embodiments 1 to 3 as the diaphragm of the optical system such as the photographing optical system, the influence of the transmitted wavefront phase difference of the ND filter when the diaphragm is narrowed down. Can be reduced and the image quality can be improved. In addition, it is possible to use an image sensor having a small pixel pitch.
[0073]
Next, a fifth embodiment of the present embodiment will be described. Example 5 is an embodiment of a photographing apparatus using the photographing optical system described in Example 4.
[0074]
In FIG. 15, reference numeral 20 denotes a photographing apparatus main body, reference numeral 15 denotes a photographing optical system described in the fourth embodiment, reference numeral 16 denotes an aperture formed by the light amount adjusting device using the gradation ND filter described in the first to third embodiments, and reference numeral 12 denotes a photographing apparatus. A solid-state image sensor for receiving a subject image formed by the optical system 15, a recording medium 13 for recording the subject image received by the image sensor 12, and a finder 14 for observing the subject image. As the viewfinder 14, a viewfinder of a type for observing a subject image displayed on a display element such as an optical viewfinder or a liquid crystal panel can be considered.
[0075]
As described above, by applying the imaging optical system described in the fourth embodiment to an imaging device that forms a subject image on an imaging device such as a video camera or a digital still camera, the influence of the transmitted wavefront phase difference of the ND filter can be reduced. The image quality can be improved by reducing the number. In addition, it is possible to use an image sensor having a small pixel pitch.
[0076]
Hereinafter, various embodiments of the present invention will be described.
[0077]
<Aspect 1>
In a light amount adjusting device including an aperture blade for forming an opening and a filter member for attenuating the light amount of light passing through the opening, the filter member has a gradation ND region in which transmittance continuously changes. A transparent portion having a transmittance of 80% or more and a uniform transmittance is provided, and a phase difference of light having a predetermined wavelength λ passing through a boundary between the gradation ND region and the transparent portion is λ / 5 or less. A light amount adjusting device characterized by the above-mentioned.
[0078]
<Aspect 2>
The light amount adjusting device according to aspect 1, wherein a boundary between the gradation ND region and the transparent region has a density step having an ND density of 0.1 or more and 0.5 or less.
Here, the relationship between the transmittance and the ND density is
Transmittance = 10^{-ND concentration}
Wavelength λ = 550 nm
It is.
[0079]
<Aspect 3>
The said gradation ND area | region is comprised from a dielectric multilayer film, The ND density | concentration is changed continuously by changing the thickness of the said dielectric multilayer film continuously, The aspect 1 or 2 characterized by the above-mentioned. Light intensity adjustment device.
[0080]
<Aspect 4>
The light amount adjusting device according to any one of aspects 1 to 3, wherein the gradation ND region has an ND concentration continuously changing in a range of ND concentration of 0.1 to 1.7.
[0081]
<Aspect 5>
The light amount adjusting device according to aspect 3, wherein the optical film thickness of each layer of the dielectric multilayer film is λ / 4 or less.
[0082]
<Aspect 6>
The light amount adjusting device according to any one of aspects 1 to 5, wherein the predetermined wavelength λ is a center wavelength of a used wavelength band.
[0083]
<Aspect 7>
The light amount adjusting device according to any one of aspects 1 to 6, wherein the predetermined wavelength λ is 550 nm.
[0084]
<Aspect 8>
An optical system comprising the light amount adjusting device according to any one of aspects 1 to 7.
[0085]
<Aspect 9>
An imaging apparatus comprising the optical system according to aspect 8.
[0086]
<Aspect 10>
A digital camera comprising the optical system according to aspect 8, and a photoelectric conversion element.
[0087]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a light amount adjusting device in which the optical performance of the optical system is less deteriorated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram illustrating an opening shape formed by a filter member and aperture blades according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory cross-sectional view of a filter of Example 1 of the present embodiment.
FIG. 3 is an explanatory cross-sectional view of a filter of Example 2 of the present embodiment.
FIG. 4 is an explanatory cross-sectional view of a filter of Example 3 of the present embodiment.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a lens used to explain an effect of the example of the embodiment.
FIG. 6 is an explanatory diagram of a change in MTF from opening to a small aperture in a reference state without an ND filter of a lens used to explain the effect of the example of the present embodiment.
FIG. 7 is an explanatory view when a conventional single-density ND filter is used together.
FIG. 8 is an explanatory view when a conventional gradation ND filter is used together.
FIG. 9 is an explanatory diagram for confirming the effects of transmitted wavefront phase difference and diffraction.
FIG. 10 is an explanatory diagram for confirming the effects of transmitted wavefront phase difference and diffraction.
FIG. 11 is a view for explaining the effect of the first embodiment of the present embodiment.
FIG. 12 is a view for explaining the effect of Example 2 of the present embodiment
FIG. 13 is a view for explaining the effect of the third embodiment of the present embodiment.
FIG. 14 is an explanatory diagram of an optical system according to Example 4 of the embodiment.
FIG. 15 is an explanatory diagram of a photographing apparatus according to a fifth embodiment of the present embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Aperture blade
2 Aperture blade
3 Gradation ND filter (filter member)
5 ND area
6 Gradation ND area
7 Transparent part
8 Filter components
9 ND deposited film
11 Reverse tilt anti-reflective coating
S aperture
L Ideal lens
D Aperture diameter of incident light beam
I Image plane
f focal length

Claims

In a light amount adjusting device including an aperture blade for forming an opening and a filter member for attenuating the light amount of light passing through the opening, the filter member has a gradation ND region in which transmittance continuously changes. A transparent portion having a transmittance of 80% or more and a uniform transmittance is provided, and a phase difference of light having a predetermined wavelength λ passing through a boundary between the gradation ND region and the transparent portion is λ / 5 or less. A light amount adjusting device characterized by the above-mentioned.