JP2004205351A - 検査ロジックを備えた複数のicからなるlsi - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LSIを構成するICをJTAG試験用TAPコントローラを持つものマスタIC300と、TAPコントローラを持たないスレーブIC400とから構成し、マスタICのTAPコントローラ360により、スレーブIC400のJTAGチェーンのうち、キャプチャ、シフト、アップデート機能を実行させることで簡易なJTAG試験を行う。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるリアルソケット(Real Socket)デザイン(登録商標)による集積回路(ここではICという)の接続検査に適したJTAG検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年デバイス内部の高集積化により端子数が増大すると共に、高密度実装が求められていることから、デバイスの小型化が進められており、もはや、従来の各端子にプローブを押し当てるインサーキットテスト方法では回路基板上に実装された状態におけるデバイス検査は困難であり、また、BGAP(Ball Grip Array Packege)では、パッケージの裏側にボール状のリードが並んでいるため、実装された後にはテストプローブを当てることは物理的に不可能である。
【0003】
図3はこのように高集積化したデバイスの例を示している。図3Aは、基板の上に例えば、アナログ回路、DRAM、フラッシュメモリなどのICを設けて構成したLSIを、また、図3Bはスタック型LSIの例で、いわゆるリアルソケット(Real Socket)デザイン(登録商標)によるICの上に機能ICを積み上げてLSIを構成した例である。
このようなLSIにおいては、IC間の接続を検査するためには従来のテストプローブによる検査は物理的に不可能であるため、新たなデバイスの検査方法がJTAG(Joint Test Action Grop)で提案され、JTAG試験又はバウンダリスキャンテストとして既にIEEEで規格化されている。
【0004】
この規格されたJTAG試験(又はバウンダリスキャンテスト)を行うためには、予めデバイスをJTAGに対応するよう、その本来の機能を実行するための内部ロジックのほかに、バウンダリスキャンレジスタ、バイパスレジスタ、オプションレジスタの各データレジスタとインストラクションレジスタの四個のレジスタと、それらを制御するTAP(Test Access Port)コントローラによって構成されるテストロジックを備えた構成に作製しておくことが必要である。
この規格に従ったJTAG対応デバイス(集積回路(IC)等)については、その外部入出力端子(パット)を順次操作してテストデータの入出力を行い、デバイスの内部機能や実装されているプリント基板について試験を行うようになっている。
【0005】
図4は、特許文献ではないが、従来のボードテスト用回路を内蔵した検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIのブロック図を示す。
IC100は、バウンダリスキャンレジスタ111〜116と、図示しないICロジック部と、1C100内部と外部とを接続する入出力端子141〜146と、TAPコントローラ160とから構成されており、TAPコントローラ160には外部のホストコンピュータ(図示せず)からIEEE1149.1により定められるクロック信号TCK(Test Clock)と、EEE1149.1により定められるTMS信号(Test Mode Select;テスト動作を制御する信号、TCKの立ち上がりでサンプリングされ、この信号はTAPコントローラがデコードする。)、及びIEEE1149.1により定められる初期化のためのTRST信号が入力される。
TAPコントローラ160は、入力されるTMS信号及びTCK信号に基づき、例えばバウンダリスキャンレジスタに、データを獲得するキャプチャ(CAPTURE-D)ステート、獲得したデータををTDI側からTDO側に1ビット分シフトさせるシフトステート(SHIFT)及び同レジスタにデータを固定するアップデート(UPDATA)ステート等の動作を実行させる。
【0006】
つまり、バウンダリスキャンレジスタは、TAPコントローラのキャプチャステートでデバイスの端子の状態(1又は0)をTCKの立ち上がりエッジで取り込み、かつ、次にシフトステートで取り込んだデバイスの端子の状態を1ビットシフトして、シフトIEEE1149.1により定められるTDI信号(Test Data In信号;テストロジックに対し、命令やデータをシリアルに入力する信号、TCKの立ち上がりエッジでサンプリングされる)が1ビット入力され、同時にIEEE1149.1により定められるTDO信号(テストロジックからの信号をシルアル出力する信号、TCKの立ち下がりエッジでサンプリングされる)を1ビット出力する。そして、複数ビットシフトする場合はこのステートを繰り返し、TAPコントローラのアップデート(UPDATE)ステートでTCKの立ち上がりエッジでバウンダリスキャンレジスタの内容がIC100の出力端子へ出力される。
以上の構成はIC200についても同様である。
【0007】
ここで、JTAG試験を行うためのホストコンピュータは、信号線を介してTAPコントローラと接続されており、スキャンチェーンのシリアルループのTDIへ与えるテストデータを作成しかつTDOから出力されてきたテストデータを受けてその結果を解析する。
なお、ホストコンピュータがTAPコントローラ160に与える命令には必須のものとして、エクステスト(EXTEST(EXTERNAL TEST)命令、バイパス(BYPASS)命令、サンプル(SAMPLE)命令、プレロード(PRELOAD)命令があるが、これらについては全てIEEEにおいて規定されている。
【0008】
このようにテストロジックが構成されたICにおいて、例えばIC同士の接続状態を検査する場合を例に採って説明すると、ホストコンピュータからIC100のTAP160にプレロード命令を与えてバウンダリスキャンレジスタ111〜113に出力データをセットし、続いて、エクステスト命令を与えて、出力データをICの端子141〜143に出力すると共に、ホストコンピュータは、IC200側のTAP260にもエクステスト命令を与えて入力データをそのバウンダリスキャンレジスタ241〜243に取り込ませる。そして取り込んだ入力データについてシフトを繰り返して、つまりバウンダリスキャンレジスタ241〜243の内容をバウンダリスキャンレジスタ244〜247を経てTDOからホストコンピュータに取り込む。ホストコンピュータではIC100の入力データ及びIC200の出力データとを比較し、両者の異同から接続状態を検査する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来はJTAG試験でICを検査するため、個々のICにTAPコントローラを搭載し、ホストコンピュータにより制御されるTAPコントローラで制御しながらIC別に任意の入出力状態を作り、接続等のチェックを行っている。この方法は個々のICのテストロジックをそれぞれのTAPコントローラで制御するためその動作は確実ではあるが同時に以下のような問題がある。即ち、
(1)LSIに内蔵するIC内部全てにTAPコントローラを持つため全体の規模が大きなりすぎる傾向がある。
(2)I/F端子数は極力減らしテスト機能はパッド端子で兼用した方がよいにも拘わらず、TAPコントローラが個別に設けられていることからI/F端子数が多くならざるを得ない
(3)LSIに内蔵するICは機能ICコアであるから、その一部として試験をすればよく、JTAG機能をすべてサポートするTAPコントローラは不要であり、そのような場合はTAPコントローラを設けておくこと自体無駄である。
【0010】
本発明は従来のJTAG対応ICのように全てのICにTAPコントローラを設けることによる上記の問題を解決すべくなされたものであって、
その目的は、ICに接続される機能ICコアのJTAG対応構成を極力簡素にして全体の規模を小型化することであり、具体的には、LSIを構成するICをマスターICとスレーブICとに分けることで、スレーブICにはTAPコントローラを設けず、それによって回路規模を小型にすると共に、I/F端子数を低減することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、モールドされたパッケージ内部の複数のICがJTAG検査ロジックを備え、前記パッケージ内部の複数のICを内部にTAPコントローラを持ったマスターICと、TAPコントローラを持たないスレーブICとから構成し、マスターICのTAPコントローラでスレーブICをJTAGチェーン制御することを特徴とする検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIである。
請求項2の発明は、請求項1に記載された検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIにおいて、前記スレーブICは、前記マスターコントローラからの制御信号に基づき、スレーブICにおけるJTAGチェーン制御を行う制御手段を備えていることを特徴とする検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載されら検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIにおいて、前記マスタICのTAPコントローラは、スレーブICにおいてJTAGチェーンの内キャプチャー、シフト、アップデート機能を実行することを特徴とする検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を図示する実施の形態に従って説明する。
図1は、本発明の1実施形態であるLSI(又はシステムLSI)を構成するICのブロック図であって、TAPコントローラを備えたマスターIC300とその上に配置されたTAPコントローラを持たないスレーブIC400とに分割した構成からなっている。
マスターIC300は、従来のJTAG対応ICと同様に、図示しないICロジック部と、IC300の内部と外部とを接続する入出力端子341〜346と、TAP(Test Access Port)コントローラ360を備えており、TAPコントローラ360には前記クロック信号TCKと、前記TMS信号が入力され、それによってTAPコントローラ360は図示しないバウンダリスキャンレジスタに前記キャプチャ、シフト、アップデートの動作指示を与える。また、その他のTRST信号が入力されること、バウンダリスキャンレジスタに、IEEE1149.1により定められるTDI信号が入力されそこからTDO信号を出力することも従来と同様である。
【0013】
これに対し、前記マスタIC300と接続されたスレーブIC400は、複数のバウンダリスキャンレジスタ411〜416を備えているがTAPコントローラを備えておらず、代わりに制御回路450が設けられている。ここで、制御回路450は、ホストコンピュータからマスターIC300を介してテストモード切換信号を受けてテストモードに設定され、その状態でマスターIC300のTAPコントローラ360からの制御信号が入力されると、これをデコードしてその指示内容に従って各バウンダリスキャンレジスタ411〜414を制御する。つまり、制御回路450は、マスターIC300のTAPコントローラ360からの指示により、各バウンダリスキャンレジスタ411〜414にキャプチャー、シフト、アップデートの機能を実行させる。
【0014】
本実施形態では、このようにマスターIC300のTAPコントローラ360がスレーブIC400の各バウンダリスキャンレジスタ411〜414をも制御するため、従来同様に例えばマスターICとスレーブICとの接続テスト等を行うことができる。
【0015】
即ち、テストモード切替信号がホストコンピュータ側からマスターIC300に入力されると共に、同マスターIC300の端子347及びスレーブIC400の端子447を介してスレーブIC400の制御回路450に入力され、マスターIC300のTAPコントローラ360及びスレーブIC400の制御回路450はテストモードに設定される。
この状態でまず、マスターIC300側の出力データを予めプレロード命令によって、そのバウンダリスキャンレジスタ(図示せず)にセットし、次に、ホストコンピュータからTAPコントローラ360にエクステスト命令を出すことにより、バウンダリスキャンレジスタに設定した初期値がマスターIC300の出力端子341〜343から出力される。同時にスレーブIC400の制御装置450は前記TAPコントローラ360からの指示により、スレーブIC400のバウンダリスキャンレジスタ411〜414は、その入力端子441〜443の状態をTCKの立ち上がりで取り込む。次に、TAPコントローラ360からの制御信号により、制御装置450は各バウンダリスキャンレジスタ441〜446にシフト機能を実行させ、その内容を1ビットシフトし、スレーブIC400側の端子447、マスターIC側の端子347を介してマスターIC300側のTDOから1ビット出力する。これと同時にマスターIC300のTDIから新しいデータを1ビット入力することを繰り返す。このようにしてマスターIC300側のTDI信号とスレーブIC400側から出力されたTDO信号とを比較することでマスターIC300とスレーブIC400との接続検査を行うことができる。
【0016】
以上説明したように、スレーブIC400の制御回路450は、テストモードに設定されたとき、TAPコントローラ360のキャプチャ、シフト、アップデートの指示を理解しそれに基づき各バウンダリスキャンレジスタを制御する機能を備えていればよいから、その構成は従来のTAPコントローラに比べて極めて簡易である。
【0017】
図2は、本発明のLSIの別の実施形態を示す。
このLSIのスレーブIC400には第1の実施形態において設けられた制御装置は備えられておらず、マスターIC300のTAPコントローラ360でスレーブICのバウンダリスキャンレジスタ441〜446を直接制御することで構成をより一層簡素化している。
この実施形態ではTAPコントローラ360の制御信号はマスター側の端子347及びスレーブIC400側の端子447を介して、スレーブIC400の各バウンダリスキャンレジスタ441〜446に伝えられる。
各バウンダリスキャンレジスタ441〜446はマスターIC300のTAPコントローラ360に制御されて、キャプチャ、シフト、アップデートの各動作を行い、その動作は第1の実施形態について説明したものと同様である。
この実施形態においては、マスターIC300のTAPコントローラ360がスレーブIC400側のバウンダリスキャンレジスタ441〜446を直接制御するため、第1の実施形態に比してその動作の安定性はやや劣る傾向があるものの、その構成は第1の実施形態よりも簡素であるためLSIをより小型に構成でき、かつ制御装置が存在しない分I/F端子も少なくなるという利点ある。
【0018】
【発明の効果】
本発明ではスレーブICとマスターICに分割してICを構成し、スレーブICはJTAGチェーンの一部のみを持つだけでTAPコントローラを有さず、マスターICのTAPコントローラの制御によりJTAG検査を行うようにしたため回路規模を小さくすることができる。その結果、小型の単機能IPコア(ICコア)にJTAG機能を付加するための面積のオーバーヘッドを最小にでき、システムの小型化が可能である。
また、スレーブICにTAPコントローラを設けていないことから、必要なI/F端子を少なくすることが可能であり、全体として構造が簡素化されるためコスト面の利点も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLSIの第1の実施形態の構造を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明のLSIの第2の実施形態の構造を概略的に示すブロック図である。
【図3】LSIの構造を説明するための斜視図である。
【図4】従来のLSIの構造を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
100、200・・・IC、300・・・マスターIC、400・・・スレーブIC
111〜116、211〜216、411〜416・・・バウンダリスキャンレジスタ、160、360・・・TAPコントローラ、450・・・制御装置。
Claims (3)
- モールドされたパッケージ内部の複数のICがJTAG検査ロジックを備え、
前記パッケージ内部の複数のICを内部にTAPコントローラを持ったマスターICと、TAPコントローラを持たないスレーブICとから構成し、マスターICのTAPコントローラでスレーブICをJTAGチェーン制御することを特徴とする検査ロジックを備えた複数のICからなるLSI。 - 請求項1に記載された検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIにおいて、
前記スレーブICは、前記マスターコントローラからの制御信号に基づき、スレーブICにおけるJTAGチェーン制御を行う制御手段を備えていることを特徴とする検査ロジックを備えた複数のICからなるLSI。 - 請求項1又は2に記載されら検査ロジックを備えた複数のICからなるLSIにおいて、
前記マスタICのTAPコントローラは、スレーブICにおいてJTAGチェーンの内キャプチャー、シフト、アップデート機能を実行することを特徴とする検査ロジックを備えた複数のICからなるLSI。
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JPWO2008053526A1 (ja) * | 2006-10-31 | 2010-02-25 | 富士通株式会社 | プリント板接続試験装置および方法 |
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2002
- 2002-12-25 JP JP2002374999A patent/JP2004205351A/ja active Pending
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US7970569B2 (en) | 2006-10-31 | 2011-06-28 | Fujitsu Limited | Apparatus and method for connection test on printed circuit board |
JP5176962B2 (ja) * | 2006-10-31 | 2013-04-03 | 富士通株式会社 | プリント板接続試験装置および方法 |
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