JP2004205223A - イオンビーム分布検出装置およびこれを用いたイオンビーム配向処理装置 - Google Patents

イオンビーム分布検出装置およびこれを用いたイオンビーム配向処理装置 Download PDF

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之人 齊藤
Yoshiki Nakagawa
芳樹 中川
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Abstract

【課題】任意のイオンビーム処理位置に照射されるイオンビームの照射量を電気的に測定し、この測定結果をもとに、このイオンビームのダイバージェンスを検出するイオンビーム分布検出装置およびこれを用いたイオンビーム配向処理装置を提供すること。
【解決手段】所望の被処理面に照射されるイオンビームの荷電粒子分布を電気的に検出するイオンビーム分布検出装置であって、開口部41を設けた導電枠4と、開口部41を通過した前記イオンビームを捕獲するファラデーカップ201〜215が配置されたファラデーカップ群2と、ファラデーカップ201〜215で発生した電流をそれぞれ測定する電流計測器5と、を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、任意のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの照射量を電気的に測定し、該イオンビームの角度分布等を検出するイオンビーム分布検出装置およびこれを用いたイオンビーム配向処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、イオンドーピング装置やイオンビームスパッタ装置等のイオンビーム照射装置を用いて、基板等の被処理面にイオンビームを照射する場合、この被処理面におけるイオンビームの照射量は、ファラデーカップを有するビーム量測定装置を用いて、電気的に測定することができる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、互いに交差する2軸方向にそれぞれ複数個ずつワイヤ電極を配置した1つのモニタヘッドを有し、荷電粒子(イオン粒子)の捕獲数に対応する該ワイヤ電極における電位変化を検出して、イオンビームの進行方向と直交する平面上における荷電粒子分布を検出できるようにしたビームプロファイルモニタもある(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−311867号公報 (第3−5頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−243902号公報 (第3−6頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、ますます低消費電力化、軽量・薄型化、液晶カラー表示の高性能化等の開発が進む液晶ディスプレイは、フラットパネルディスプレイの代表技術として成長し、パーソナルコンピュータやAV機器等の情報用表示デバイスとして、急速にその用途を拡大しつつある。これにともない、液晶ディスプレイを構成する液晶表示素子のさらなる高機能化、高性能化の要求は一層高まっている。
【0006】
ここで、液晶表示素子は、透明電極、配向膜が逐次形成されたガラス基板を配向膜が内側になるように対向し、これらガラス基板の間に液晶層が形成された構造を有しており、また、この液晶層内部における液晶分子が、配向膜と直接接するように構成されている。
【0007】
また、この液晶表示素子のさらなる高機能化、高性能化を達成するためには、液晶表示素子における液晶分子の配向を可能な限り均一に制御する必要があり、この液晶分子の配向性を制御する配向膜の液晶配向処理が極めて重要である。
【0008】
この液晶配向処理の方法として、液晶表示素子の配向膜にイオンビームを照射し、その原子構造を所望の方向に配列させる方法(イオンビーム配向法)が開発され、これにともない、この配向膜の照射面におけるイオンビームの照射量のみならず、このイオンビームの角度分布をも検出する必要性が生じてきた。
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された測定装置等のファラデーカップを有する従来のビーム量測定装置では、任意のイオンビーム処理位置に照射されたイオンビームの量に対応するビーム電流が、このイオンビームの角度分布に対応しない状態で測定されているので、液晶表示素子を構成する配向膜の照射面におけるイオンビームの角度分布を検出することは困難な場合が多い。
【0010】
たとえば、図9に示すファラデーカップ51を10個有する従来のビーム量測定装置50に対して、同一ビーム量分布を有する2種類のイオンビーム21cまたはイオンビーム21dが、一律な方位角φ(図9(a)参照)またはランダムな方位角φ’(図9(b)参照)によって、それぞれ照射された場合、ビーム量測定装置50によって測定されるイオンビーム21cおよびイオンビーム21dの各ビーム量分布は、双方の角度分布が異なるにもかかわらず、同一分布を呈する。
【0011】
したがって、従来のビーム量測定装置50では、液晶表示素子の配向膜における任意の位置に照射されるイオンビームの角度分布を検出することは困難であり、上述したイオンビーム配向法による液晶配向処理を行う前に、このイオンビームの平均方向における方位角のばらつき分布(ダイバージェンス)を検出することは困難であるため、上述したイオンビーム配向法による液晶配向の均一制御を困難にするとともに、液晶配向処理における作業性を低下させ、さらに、液晶表示素子の生産効率を低下させるという問題点があった。
【0012】
一方、上述した特許文献2に記載されたビームプロファイルモニタを用いた場合でも、任意のイオンビーム処理位置に照射されるイオンビームの角度分布を検出することは困難な場合が多く、上述した問題点を解決するまでに至らない。
【0013】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、任意のイオンビーム処理位置に照射されるイオンビームの照射量を電気的に測定し、この測定結果をもとに、このイオンビームのダイバージェンスを検出するイオンビーム分布検出装置およびこれを用いたイオンビーム配向処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかるイオンビーム分布検出装置は、所望の被処理面に照射されるイオンビームの荷電粒子分布を電気的に検出するイオンビーム分布検出装置であって、前記イオンビームを遮断する壁面に前記イオンビームを通過させる開口部を設けた遮蔽手段と、前記遮蔽手段の開口部を通過した前記イオンビームを捕獲する複数の捕獲手段と、前記捕獲手段と電気的に接続され、前記捕獲手段で発生した電流を測定する測定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この請求項1の発明によれば、遮蔽手段が、イオンビームを遮断する壁面に設けられたスリット等の開口部から、イオンビームを通過させるようにし、複数の捕獲手段が、前記開口部を通過したイオンビームを捕獲するようにし、測定手段が、前記複数の捕獲手段によって捕獲されたイオンビームの荷電粒子量に対応する電流を測定するようにし、所望の被処理面に照射されるイオンビームの角度分布に対応した電流分布を検出できるようにしている。
【0016】
また、請求項2にかかるイオンビーム分布検出装置は、上記発明において、前記測定手段の測定結果に対応する前記イオンビームの電流分布をもとに、ガウス法に基づく逆畳み込み積分による演算処理を少なくとも行って、前記イオンビームの角度分布を検出する演算処理手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項2の発明によれば、演算処理手段が、前記測定手段による測定結果に対応する前記イオンビームの電流分布をもとに、ガウス法に基づく逆畳み込み積分による演算処理を少なくとも行うようにし、前記イオンビームの角度分布を確実に検出できるようにしている。
【0018】
また、請求項3にかかるイオンビーム分布検出装置は、上記発明において、前記捕獲手段は、一列に配置されることを特徴とする。
【0019】
この請求項3の発明によれば、前記複数の捕獲手段が、一列に配置されるようにし、所望の被処理面に照射されるイオンビームの角度分布を1軸方向について容易に、かつ高精度に検出できるようにしている。
【0020】
また、請求項4にかかるイオンビーム分布検出装置は、上記発明において、前記捕獲手段は、平面配置されることを特徴とする。
【0021】
この請求項4の発明によれば、前記複数の捕獲手段が、平面配置されるようにし、所望の被処理面に照射されるイオンビームの角度分布を2軸方向について容易に、かつ高精度に検出できるようにしている。
【0022】
また、請求項5にかかるイオンビーム分布検出装置は、上記発明において、前記開口部の中心軸は、前記複数の捕獲手段が形成するイオンビーム捕獲面に直交する中心軸と同一軸であることを特徴とする。
【0023】
この請求項5の発明によれば、前記遮蔽手段が、前記複数の捕獲手段によって形成されるイオンビーム捕獲面に直交する中心軸と同一中心軸を有する前記開口部を配置されるようにし、前記演算処理手段によって検出される前記イオンビームの角度分布を最適な形状にしている。
【0024】
また、請求項6にかかるイオンビーム分布検出装置は、上記発明において、前記複数の捕獲手段の配置数は、奇数であることを特徴とする。
【0025】
この請求項6の発明によれば、前記複数の捕獲手段の配置数が、奇数になるようにし、前記演算処理手段によって検出される前記イオンビームの角度分布の極大値を高精度に導出できるようにしている。
【0026】
また、請求項7にかかるイオンビーム配向処理装置は、請求項1〜6のいずれか一つに記載のイオンビ−ム分布検出装置を備えたことを特徴とする。
【0027】
この請求項7の発明によれば、請求項1〜6のいずれか一つに記載のイオンビーム分布検出装置を備えるようにしているので、請求項1〜6の作用効果を奏する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明にかかるイオンビーム分布検出装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1であるイオンビーム分布検出装置の構成について詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1であるイオンビーム分布検出装置の構成を示すブロック図である。図1において、イオンビーム分布検出装置1は、15個のファラデーカップ201〜215を一列に配置したファラデーカップ群2を有し、ファラデーカップ群2全体を取り囲むように、サプレッサ電極3が配置され、サプレッサ電極3全体を取り囲むように、導電枠4が配置される。ファラデーカップ201〜215は、電流計測器5に対して、それぞれ電気的に接続される。演算処理機6は、電流計測器5によって測定された電流値に対応する信号Sg1を受信するように配置される。サプレッサ電源7は、サプレッサ電極枠2の電位を接地電位よりも低電位にするように、サプレッサ電極枠2に接続される。ただし、導電枠4および電流計測器5は、接地電位と同電位である。
【0030】
ファラデーカップ群2を構成するファラデーカップ201〜215は、イオンビームの入射口部および該入射口部と対向する測定面をそれぞれ有する金属製の中空箱であり、該測定面と電流測定器5とが電気的に接続される。また、測定対象のイオンビームがファラデーカップ201〜215の各測定面で捕獲された場合、このイオンビームの照射量に応じて発生したビーム電流が、この測定面から電流測定器5に流れる。すなわち、ファラデーカップ群2は、任意の照射面におけるイオンビームの照射量をファラデーカップ201〜215が配置された一列15箇所の測定位置における各ビーム電流量として捉えることができる。なお、ファラデーカップ201〜215を構成する金属材として、アルミニウム、銅、鉄等、または、これらを含む合金等の導電性金属を用いることができる。また、ファラデーカップ群2は、15個のファラデーカップ201〜215を5mm間隔で一列に配置した構造を有しているが、このファラデーカップの配置数は、複数であれば良く、奇数であることが望ましい。ここで、ファラデーカップの配置数を奇数にした場合、後述するビーム電流分布の極大値を高精度に導出することができる。また、ファラデーカップ群2は、可能な限り多数のファラデーカップが、高密度に配置されていることが望ましい。
【0031】
サプレッサ電極枠3は、ファラデーカップ201〜215の各入射口部の前面に対応した開口部301〜315を有している。また、サプレッサ電極枠3の開口部301〜315付近は、サプレッサ電源7によって、−20〜−100V程度の負電圧が印加され、イオンビームの捕獲によってファラデーカップ201〜215からそれぞれ発生する2次電子の放出を抑制し、または、ファラデーカップ201〜215から放出された2次電子をそれぞれ押し戻すことができる。これによって、ファラデーカップ201〜215は、イオンビームの照射量に対応するビーム電流を高精度に発生させることができる。ただし、開口部301〜315は、ファラデーカップ201〜215の各測定面に対して直交する中心軸と開口部301〜315の各中心軸とが同一軸になるような位置に配置されることが望ましい。なお、サプレッサ電極枠3を構成する金属材として、アルミニウム、銅、鉄等、または、これらを含む合金等の導電性金属を用いることができる。
【0032】
導電枠4は、所定の開口幅(たとえば、開口幅d[mm])の開口部41を有し、不図示のイオンビーム照射装置から射出されたイオンビームが、開口部41を通過し、その後、サプレッサ電極枠3の開口部301〜315を通過して、ファラデーカップ群2のファラデーカップ201〜215に捕獲されるようにしている。また、導電枠4は、開口部41を備えた壁面とファラデーカップ群2とが、所定の距離(たとえば、距離L[mm])になるように配置される。ただし、導電枠4は、開口部41以外の壁面に到達するイオンビームに対して、導電枠4内部を遮蔽する。また、導電枠4は、接地電極と接続され、これによって、イオンビームの照射による帯電を防止している。なお、開口部41の開口幅dは、所望のイオンビーム角度分布を検出する位置範囲を満足する程度であれば良く、距離Lは、開口部41で回折したイオンビームが、ファラデーカップ群2に効率よく捕獲される程度の距離であれば良い。さらに、開口部41は、サプレッサ電極枠3の中心付近に配置された開口部(たとえば、開口部308)の中心軸と開口部41の中心軸とが同一軸になるように配置されることが望ましい。また、遮蔽枠14を構成する金属材として、アルミニウム、銅、鉄等、または、これらを含む合金等の導電性金属を用いることができる。
【0033】
電流計測器5は、ファラデーカップ群2の各ファラデーカップ201〜215から発生するビーム電流の値をそれぞれ測定し、得られたビーム電流値に対応する信号Sg1を出力し、演算処理機6に送信する。
【0034】
演算処理機6は、電流計測器5から受信した信号Sg1をもとに、開口部41に照射されるイオンビームの照射量に対応したビーム電流分布を検出する演算処理(ビーム電流分布演算処理)を行った後、この電流分布を表す関数f(x)に対して、ガウス法を用いた逆畳み込み積分(ディコンボルーション)による演算処理(ディコンボルーション演算処理)を行い、開口部41におけるイオンビームの角度分布を検出する。さらに、この角度分布を表す関数z(x)をもとに、開口部41に照射されるイオンビームの方位角を導出する演算処理(方位角演算処理)を行い、このイオンビームのダイバージェンスを検出する。
【0035】
なお、電流計測器5と演算処理機6との間の信号Sg1の送受信は、電流計測器5および演算処理機6に有線のインターフェース等(不図示)を配置させて、配線やケーブル等を介して行うようにしてもよいし、無線のインターフェース等(不図示)を配置させて、無線通信によって行うようにしてもよい。また、演算処理機6は、装置構成として、電流計測器5と一体化されていてもよいし、演算処理機6として、上述した各演算処理の機能を有する電子計算機やパーソナルコンピュータ等の電子機器を用い、イオンビーム分布検出装置1に対して外部に備えるようにしてもよい。さらに、演算処理機6は、後述する入力部65から上述した各ビーム電流の値を入力するようにしてもよく、この場合、入力部65から入力されたビーム電流の値は、デジタル化された信号Sg1に相当する信号として、後述する制御部62に受信される。
【0036】
つぎに、演算処理機6の構成について詳細に説明する。図2は、演算処理機6の構成を示すブロック図である。図2において、演算処理機6は、A/Dコンバータ61と、制御部62と、記憶部63と、出力部64と、入力部65とを有する。
【0037】
A/Dコンバータ61は、上述した電流計測器5から出力される信号Sg1を受信し、デジタル信号に変換し、その後、デジタル信号化された信号Sg1を制御部62に送信する。
【0038】
制御部62は、受信した信号Sg1をもとに、上述したビーム電流演算処理を行って、ビーム電流分布およびその関数f(x)を導出し、ディコンボルーション演算処理を行って、イオンビームの角度分布およびその関数z(x)を導出し、方位角演算処理を行って、イオンビームの照射方位角を導出し、そのダイバージェンスを検出する演算処理制御機能を有する。また、制御部62は、上記各演算処理によって導出された演算処理結果を記憶部63に送信し、記憶させる記憶制御機能を有する。さらに、入力部65から出力依頼が入力された場合、制御部62は、上記各演算処理によって導出された演算処理結果を出力部に送信し、出力させる出力制御機能を有する。
【0039】
記憶部63は、制御部62から受信した上記演算処理結果を記憶する機能を有する。また、記憶部63は、制御部62が上述した各制御機能を達成するためのプログラムを予め記憶している。なお、記憶部63として、上記プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)等の再書き込みが可能なメモリとを併用すればよいが、EEPROM(Electronic Erasable Programmable Read Only Memory)等の再書き込みが可能な不揮発性メモリを用いてもよいし、これらのメモリを組み合わせて用いてもよい。
【0040】
出力部64は、制御部62から受信した上記演算処理結果を画面出力、プリント出力、またはフロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等の所望の記憶媒体に対する出力する機能を有する。
【0041】
入力部65は、キーボード、マウス、またはタッチパネル等を単独または組み合わせることで実現され、常時入力依頼状態に設定される。ここで、入力部65は、上述した演算処理結果を出力部64に出力させる場合、出力依頼情報が入力され、上述した各ビーム電流の値を入力した場合、デジタル化された信号Sg1に相当する信号を制御部62に送信する。
【0042】
つぎに、イオンビーム分布検出装置1に照射されるイオンビームの照射方位角を導出し、このイオンビームのダイバージェンスを検出するまでの処理手順について、詳細に説明する。図3は、イオンビーム照射装置から射出されたイオンビームが、イオンビーム分布検出装置1を構成する導電枠4の開口部41を通過し、ファラデーカップ群2のファラデーカップ201〜215に捕獲されてから、開口部41に照射されたイオンビームの方位角を導出し、さらに、このイオンビームのダイバージェンスを検出するまでの処理手順を示すフローチャートである。また、図4は、イオンビーム照射装置から射出されたイオンビームが、イオンビーム分布検出装置1の開口部41に照射された状態を示す模式図である。なお、イオンビーム分布検出装置1は、ファラデーカップ群2とx軸とが平行であり、かつ、開口部41の中心が原点Oと一致するようにxy平面上に配置される。
【0043】
図3および図4において、イオンビーム照射装置20は、イオンビーム分布検出装置1に対して垂直な方向から、イオンビーム21を射出し、その後、イオンビーム21は、イオンビーム分布検出装置1に到達する。ここで、イオンビーム分布検出装置1の開口部41に照射されたイオンビーム21は、開口部41を通過して導電枠4の内部に入射する。入射したイオンビーム21は、図1に示すサプレッサ電極枠2の開口部301〜315をそれぞれ通過した後、ファラデーカップ群2のファラデーカップ201〜215に到達し、ファラデーカップ201〜215の各測定面で捕獲される(ステップS10)。その後、イオンビーム21を捕獲したファラデーカップ201〜215では、それぞれ捕獲したイオンビームの照射量に対応するビーム電流が発生する。
【0044】
つぎに、電流計測器5は、上述した各ビーム電流の量をそれぞれ計測し(ステップS11)、得られたビーム電流量に対応する信号Sg1を出力する。この信号Sg1は、図2に示すA/Dコンバータ61によって、デジタル信号に変換された後、制御部62に受信される。その後、制御部62は、受信した信号Sg1をもとに、上述したビーム電流分布演算処理を行って(ステップS12)、ファラデーカップ群2における位置xに対するビーム電流の分布を表す電流分布関数f(x)を導出し、この電流分布関数f(x)を用いて、測定位置xに対するビーム電流分布を検出する。
【0045】
図5は、ステップS12におけるビーム電流分布演算処理によって検出されたビーム電流分布を示す図であり、位置x[mm]は、原点Oを起点とし、イオンビーム21を捕獲したファラデーカップ201〜215の各配置に対応している。図5に示すように、ビーム電流分布を表す電流分布関数f(x)は、原点Oで極大値(たとえば、29μA程度)を取り、正規分布に近似な分布を呈する。
【0046】
つぎに、制御部62は、上述した電流分布関数f(x)に対して、ガウス法を用いた逆畳み込み積分(ディコンボルーション)による演算処理(ディコンボルーション演算処理)を行って(ステップS13)、角度分布関数z(x)を導出し、この角度分布関数z(x)を用いて、イオンビーム分布検出装置1の開口部41におけるイオンビーム21の角度分布を検出する。
【0047】
ここで、電流分布関数f(x)で表されるイオンビーム21のビーム電流分布は、イオンビーム照射装置20におけるイオンビーム光源の形状および該光源の強度分布を反映しており、イオンビーム分布検出装置1の開口部41に照射されたイオンビーム21の角度分布情報を有している。したがって、電流分布関数f(x)は、開口部41の形状を表すスリット関数h(x)とイオンビームの角度分布を表す角度分布関数z(x)を用いて、次式(1)のように表すことができる。
f(x)=∫h(τ)・z(x−τ)dτ (−∞<τ<∞)・・・(1)
この式(1)によれば、電流分布関数f(x)と、スリット関数h(x)と、角度分布関数z(x)との間には、畳み込み積分の関係が成立することを理解できる。したがって、式(1)に対して、上述したディコンボルーション演算処理を行うことで、角度分布関数z(x)を導出することができる。また、開口部41のスリット形状が正方形である場合、スリット関数h(x)は、開口部41の開口幅d[mm]の範囲に対応して、次式(2)および(3)によって表すことができる。
h(x)=0 (x<−d/2、d/2<x) ・・・(2)
h(x)=c (−d/2<x<d/2) ・・・(3)
ただし、式(3)における値cは、スリットの透過定数である。
【0048】
なお、式(2)および(3)によれば、スリット関数h(x)は、幅dを有するパルス関数であり、開口部41のスリット形状に対応している。また、式(1)は、任意のスリット形状を表すスリット関数h(x)に対して成立するので、開口部41のスリット形状は、正方形や長方形等のパルス型に限るものではなく、三角形や五角形以上の多角形、または円や楕円等の各種形状のスリットであっても良い。
【0049】
図6は、ステップS13におけるディコンボルーション演算処理によって検出したイオンビーム21の角度分布を示す図であり、位置x[mm]は、原点Oを起点とし、イオンビーム21を捕獲したファラデーカップ201〜215の各配置に対応している。図6に示すように、開口部41におけるイオンビーム21の角度分布を表す角度分布関数z(x)は、原点Oで極大値を取り、正規分布に近似な分布を呈する。なお、この角度分布関数z(x)の極限値は、「1」に規格化している。
【0050】
つぎに、制御部62は、図6に示すイオンビーム21の角度分布をもとに、方位角演算処理を行って(ステップS14)、イオンビーム分布検出装置1の開口部41に照射されたイオンビーム21の方位角θ[deg.]を導出する。ここで、この方位角θ[deg.]は、図4に示すイオンビーム22とx軸との間でなす角度であり、上述したイオンビーム21の角度分布における平均角度と定義することができる。ただし、イオンビーム22は、開口部41に照射されるイオンビーム21の平均方向を示す集合体であり、イオンビーム22内部で最大角度をなすイオンビーム21a、21bを有する。
【0051】
したがって、この方位角θ[deg.]は、図6に示すイオンビーム21の角度分布における半値幅に対応する位置x0と、導電枠4およびファラデーカップ群2の間の距離Lとを用いて、次式(4)によって表すことができる。
θ=tan-1(L/x0) ・・・(4)
たとえば、式(4)において、距離Lが30mmであり、位置x0が10mmである場合、方位角θは、72deg.程度となる。
【0052】
また、図6に示すイオンビーム21の角度分布は、上述した方位角θをイオンビーム21の角度分布における平均角度と定義した場合、開口部41に照射されるイオンビーム21のダイバージェンスを示している。
【0053】
すなわち、図6に示すイオンビーム21の角度分布において、極大値と極大値を呈する位置xとの関係が、所望の照射面に対するイオンビーム21の指向性を示し、また、この角度分布の幅が、所望の照射面におけるイオンビーム21の配向性(平行性)を示す。たとえば、この角度分布の極大値を呈する位置xが原点(x=0)である場合、イオンビーム21は、所望の照射面に対して、所望の方向に照射される。一方、この角度分布の幅が狭い場合、イオンビーム21のダイバージェンス角度θdが小さくなり、イオンビーム21の平行性が増大する。
【0054】
さらに、上述したイオンビーム21の角度分布の極大値を50%にする角度(半値角)は、このイオンビーム21の平均方向における方位角のばらつき分布を表すダイバージェンス角度θd[deg.]と定義することができる。たとえば、角度分布関数z(x)が、図6に示すイオンビーム21の角度分布を表す場合、このイオンビーム21のダイバージェンス角度θdは、18deg.になる。なお、ダイバージェンス角度θd[deg.]は、図4に示すイオンビーム22内部のイオンビーム21a,21bのなす角度に相当する。
【0055】
したがって、上述したステップS12〜S14における各演算処理を行った場合、イオンビーム分布検出装置1の開口部41に照射されるイオンビーム21の方位角θを導出することができ、さらに、このイオンビーム21のダイバージェンスを表す角度分布(図6を参照)およびダイバージェンス角度θdを検出することができる。
【0056】
また、上述したステップS12〜S14における各演算処理結果は、入力部65から出力依頼情報を入力した場合、出力部64によって、画面表示等の出力がなされる(ステップS15)。
【0057】
なお、上述したステップS10〜S14では、xy平面上において、ファラデーカップ群2をx軸に平行になるようにイオンビーム分布検出装置1を配置し、x方向におけるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、ダイバージェンス角度θdを検出するようにしているが、ファラデーカップ群2をy軸に平行になるようにイオンビーム分布検出装置1を配置すれば、y方向におけるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、ダイバージェンス角度θdを検出することもできる。また、xy平面上の任意の位置に開口部41を合わせた場合、イオンビーム分布検出装置1は、xy平面上の任意の位置におけるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、ダイバージェンス角度θdを検出することもできる。
【0058】
ここで、イオンビーム分布検出装置1の開口部41を所望のイオンビーム処理位置と合わせた場合、イオンビーム分布検出装置1は、このイオンビーム処理位置に照射されるイオンビームの角度分布および方位角θを検出することができ、さらに、このイオンビームのダイバージェンスおよびダイバージェンス角度θdを検出することができる。これによって、所望のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの指向性および配向性を評価することができ、また、イオンビーム照射装置の照射条件に対するイオンビームのダイバージェンス依存性を容易に検出することができる。さらに、このイオンビームのダイバージェンスをモニタリングした場合、イオンビーム照射装置は、良好な指向性および配向性を有するイオンビームを照射可能な条件に容易に設定できる。
【0059】
図7は、イオンビームのダイバージェンス角度θdと、このイオンビームを用いて液晶配向処理を行った配向膜の異方性DΔとの関係を示す図である。なお、配向膜の異方性DΔは、高い値であるほど、良好な液晶異方性を示す。図7において、配向膜の異方性DΔは、イオンビームのダイバージェンス角度θdが小さいほど、高い値を示す。すなわち、配向性(平行性)の高いイオンビームを用いて液晶配向処理を行った場合、良好な液晶異方性が得ることができる。したがって、イオンビームのダイバージェンスをモニタリングして、イオンビーム照射装置の照射条件を設定した場合、良好な指向性および配向性を有するイオンビームを照射することができ、これによって、一層高い液晶配向規制力(アンカリング)を有する配向膜を得ることができる。
【0060】
以上に説明したように、イオンビーム分布検出装置1は、ファラデーカップ201〜215を一列に配置したファラデーカップ群2が、ファラデーカップ201〜215の各位置に対応して配置された開口部301〜315を有するサプレッサ電極枠3の内部に配置され、サプレッサ電極枠3が、開口部41を有する導電枠4の内部に配置された構造を有し、開口部41に照射されたイオンビームのみが、導電枠4内部を進行し、ファラデーカップ群2に到達して、ビーム電流を発生させ、その後、このビーム電流値に対応する出力信号Sg1をもとに、ビーム電流分布および電流分布関数f(x)を検出し、電流分布関数f(x)に対して、ガウス法を用いたディコンボルーション演算処理を行って、角度分布および角度分布関数z(x)を検出し、その後、このイオンビームの方位角θおよびダイバージェンスを検出するように構成しているので、開口部41に照射されるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、およびダイバージェンス角度θdを検出することができる。
【0061】
したがって、所望のイオンビーム処理位置を開口部41に合わせた場合、イオンビーム分布検出装置1は、このイオンビーム処理位置におけるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、およびダイバージェンス角度θdを検出することができ、所望のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの指向性および配向性を容易に評価することができる。これによって、イオンビーム照射装置は、良好な指向性および配向性を有するイオンビームを照射可能な条件に容易に設定でき、液晶配向を均一制御するとともに、一層高い液晶配向規制力を有する配向膜を実現可能なイオンビームを容易に照射することができる。
【0062】
また、液晶表示素子の配向膜に対してイオンビーム配向法による配向処理を行うイオンビーム配向処理装置に、この発明の実施の形態1であるイオンビーム分布検出装置1を用いてもよい。ここで、イオンビーム配向処理装置は、イオンビーム照射装置と照射ステージとイオンビーム分布検出装置1とを備え、イオンビーム分布検出装置1と照射ステージとが、同一平面上を自在に平面駆動し、イオンビーム照射装置から所望の射出角度で射出されたイオンビームを照射ステージ上の所望の処理位置またはイオンビーム分布検出装置1の開口部41に照射するように構成されている。したがって、イオンビーム分布検出装置1が、開口部41に照射されたイオンビームの角度分布を検出し、その後、液晶配向膜を搭載した照射ステージとイオンビーム分布検出装置1とを平面駆動させ、照射ステージ上の所望の処理位置と開口部41の位置とを切り換えることができる。これによって、イオンビーム配向処理装置は、照射ステージ上の所望の処理位置におけるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、およびダイバージェンス角度θdを配向処理前に検出できるので、所望の処理位置におけるイオンビームの指向性および配向性を容易に評価することができ、イオンビーム配向法による液晶配向を均一制御するとともに、一層高い液晶配向規制力を有する配向膜を実現できる。したがって、このイオンビーム配向処理装置を用いた場合、液晶表示素子の生産工程において、イオンビーム配向法による液晶配向処理の作業性および生産効率を一層向上させることができる。
【0063】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。上述した実施の形態1では、一列に配置されたファラデーカップ201〜215を有するファラデーカップ群2によって、所望のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、およびダイバージェンス角度θdを1軸方向について検出するようにしていたが、この実施の形態2では、格子状に配置されたファラデーカップを有するファラデーカップ群を用いている。
【0064】
図8は、この発明の実施の形態2であるイオンビーム分布検出装置の構成を示すブロック図である。このイオンビーム分布検出装置30は、実施の形態1のイオンビーム分布検出装置1のファラデーカップ群2に代えてファラデーカップ群8を有し、サプレッサ電極枠3に代えてサプレッサ電極枠9を有している。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には、同一符号を付している。
【0065】
ファラデーカップ群8は、ファラデーカップ8aを縦5列、横5列の格子状に配置されており、ファラデーカップ群8の各ファラデーカップ8aは、電流計測器5と電気的に接続されている。また、サプレッサ電極9は、ファラデーカップ群8の各ファラデーカップ8aに対応した開口部9aを有している。
【0066】
ここで、イオンビーム分布検出装置30が、所望のイオンビーム処理位置と開口部41とを合わせるように配置された場合、イオンビーム分布検出装置30は、このイオンビーム処理位置におけるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、およびダイバージェンス角度θdを2軸方向(たとえば、x,y軸)について同時に検出することができる。
【0067】
この実施の形態2では、格子状に配置されたファラデーカップを有するファラデーカップ群を用いて、所望のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、およびダイバージェンス角度θdを2軸方向について同時に検出するようにしているので、このイオンビーム処理位置におけるイオンビームの指向性および配向性を一層緻密に評価することができ、これによって、イオンビーム照射装置の照射条件を容易に最適化することができる。
【0068】
また、液晶表示素子の配向膜に対してイオンビーム配向法による配向処理を行うイオンビーム配向処理装置に、この発明の実施の形態2であるイオンビーム分布検出装置30を用いてもよい。ここで、このイオンビーム配向処理装置は、上述したイオンビーム分布検出装置1を備えたイオンビーム配向処理装置と同様の構成を有しており、配向処理前において、所望の処理位置に照射されるイオンビームの方位角θ、ダイバージェンス、およびダイバージェンス角度θdを2軸方向について検出できるので、所望のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの指向性および配向性を一層容易かつ高精度に評価することができ、イオンビーム配向法による液晶配向を均一制御するとともに、一層高い液晶配向規制力を有する配向膜を実現できる。したがって、このイオンビーム配向処理装置を用いた場合、液晶表示素子の生産工程において、イオンビーム配向法による液晶配向処理の作業性および生産効率を一層向上させることができる。
【0069】
なお、この発明の実施の形態1,2では、ファラデーカップにおける2次電子の発生を抑制し、または、発生した2次電子を再度ファラデーカップに押し戻す手段として、サプレッサ電極枠を用いた場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、サプレッサ電極板を用いた場合に適用することもできる。
【0070】
また、この発明の実施の形態1,2では、1つの開口部を有した導電枠を用いた場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、1つの開口部を有した導電板を用いた場合に適用することもできる。
【0071】
また、この発明の実施の形態1,2では、複数個のファラデーカップを配置した場合を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、ファラデーカップの代わりに複数のワイヤ電極を並べて設けた場合に適用することもできる。
【0072】
また、この発明の実施の形態2では、25個のファラデーカップ8aを縦5列、横5列の格子状に配置したファラデーカップ群8を用いているが、ファラデーカップ群8を構成するファラデーカップは、縦に少なくとも2列、横に少なくとも2列配置されていればよく、また、縦横の配列数は、同数でなくてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上に説明したように、この請求項1の発明によれば、遮蔽手段が、イオンビームを遮断する壁面に設けられたスリット等の開口部から、イオンビームを通過させるようにし、複数の捕獲手段が、前記開口部を通過したイオンビームを捕獲するようにし、測定手段が、前記複数の捕獲手段によって捕獲されたイオンビームの荷電粒子量に対応する電流を測定するようにしているので、所望の被処理面に照射されるイオンビームの角度分布に対応した電流分布を確実に検出することができ、これをもとにして、所望の被処理面に照射されるイオンビームの角度分布を確実に検出することができるという効果を奏する。これによって、所望のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの指向性および配向性を容易に評価可能なイオンビーム分布検出装置を実現することができ、また、このイオンビーム分布検出装置を用いて、イオンビームの指向性および配向性を評価されたイオンビーム照射装置は、良好な指向性および配向性を有するイオンビームを照射可能な条件に容易に設定できるので、液晶配向を均一制御するとともに、一層高い液晶配向規制力を有する配向膜を実現可能なイオンビームを容易に照射することができるようになり、液晶表示素子の生産工程において、イオンビーム配向法による液晶配向処理の作業性および生産効率が一層向上するという効果を奏する。
【0074】
また、この請求項2の発明によれば、演算処理手段が、前記測定手段による測定結果に対応する前記イオンビームの電流分布をもとに、ガウス法に基づく逆畳み込み積分による演算処理を少なくとも行うようにしているので、前記イオンビームの角度分布を容易に、かつ確実に検出することができるという効果を奏する。
【0075】
また、この請求項3の発明によれば、前記複数の捕獲手段が、一列に配置されるように構成しているので、所望の被処理面に照射されるイオンビームの角度分布を1軸方向について容易に、かつ高精度に検出することができるという効果を奏する。
【0076】
また、この請求項4の発明によれば、前記複数の捕獲手段が、平面配置されるように構成しているので、所望の被処理面に照射されるイオンビームの角度分布を2軸方向について容易に、かつ高精度に検出することができるという効果を奏する。
【0077】
また、この請求項5の発明によれば、前記遮蔽手段が、前記複数の捕獲手段によって形成されるイオンビーム捕獲面に直交する中心軸と同一中心軸を有する前記開口部を配置されるように構成しているので、前記演算処理手段によって検出されるイオンビームの角度分布を最適な形状にすることができ、これによって、所望のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの指向性および配向性を確実に評価することができるという効果を奏する。
【0078】
また、この請求項6の発明によれば、前記複数の捕獲手段の配置数が、奇数になるように構成しているので、前記演算処理手段によって検出される前記イオンビームの角度分布の極大値を高精度に導出することができ、これによって、所望のイオンビーム処理位置におけるイオンビームの指向性および配向性を高精度に評価することができるという効果を奏する。
【0079】
また、この請求項7の発明によれば、請求項1〜6のいずれか一つに記載のイオンビーム分布検出装置を備えるようにしているので、上述した請求項1〜6の作用効果を奏するイオンビーム配向処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるイオンビーム分布検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1であるイオンビーム分布検出装置の演算処理機の構成を示すブロック図である。
【図3】イオンビームのダイバージェンスを検出するまでの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】イオンビーム分布検出装置に対するイオンビームの照射状態を説明する模式図である。
【図5】イオンビーム照射量に対応するビーム電流分布を示す図である。
【図6】ディコンボルーション演算処理によって導出したイオンビーム角度分布を示す図である。
【図7】ダイバージェンス角度と配向膜の異方性との関係を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2であるイオンビーム分布検出装置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来のビーム量測定装置によって測定されるイオンビームの照射量分布を説明する図である。
【符号の説明】
1,30 イオンビーム分布検出装置
2,8 ファラデーカップ群
3,9 サプレッサ電極枠
4 導電枠
5 電流計測器
6 演算処理機
7 サプレッサ電源
20 イオンビーム照射装置
21,21a〜21d,22 イオンビーム
ビーム量測定装置
61 A/Dコンバータ
62 制御部
63 記憶部
64 出力部
65 入力部
8a,51,201〜215 ファラデーカップ
9a,41,301〜315 開口部
Sg1 信号

Claims (7)

  1. 所望の被処理面に照射されるイオンビームの荷電粒子分布を電気的に検出するイオンビーム分布検出装置であって、
    前記イオンビームを遮断する壁面に前記イオンビームを通過させる開口部を設けた遮蔽手段と、
    前記遮蔽手段の開口部を通過した前記イオンビームを捕獲する複数の捕獲手段と、
    前記捕獲手段と電気的に接続され、前記捕獲手段で発生した電流を測定する測定手段と、
    を備えたことを特徴とするイオンビーム分布検出装置。
  2. 前記測定手段の測定結果に対応する前記イオンビームの電流分布をもとに、ガウス法に基づく逆畳み込み積分による演算処理を少なくとも行って、前記イオンビームの角度分布を検出する演算処理手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイオンビーム分布検出装置。
  3. 前記捕獲手段は、一列に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のイオンビーム分布検出装置。
  4. 前記捕獲手段は、平面配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のイオンビーム分布検出装置。
  5. 前記開口部の中心軸は、前記複数の捕獲手段が形成するイオンビーム捕獲面に直交する中心軸と同一軸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のイオンビーム分布検出装置。
  6. 前記複数の捕獲手段の配置数は、奇数であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のイオンビーム分布検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載のイオンビ−ム分布検出装置を備えたことを特徴とするイオンビーム配向処理装置。
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