JP2004205160A - 冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ポンプを修理等している間であっても冷却液を循環させ続けることができる冷却システムを提供する。
【解決手段】ポンプ10a、10cを迂回させて熱媒体を集熱器2aに循環させる場合とポンプ10a、10cを経由して熱媒体を集熱器2aに循環させる場合とを切り替える補修用バルブ20a、20cを設ける。これにより、補修用バルブ20a、20cにて熱媒体回路を切り替えることにより、ポンプ10a、10cを冷却用の主熱媒体回路から切り離すことができるので、ポンプ10a又はポンプ10cを修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができ、冷却システムの信頼性を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ポンプ10a、10cを迂回させて熱媒体を集熱器2aに循環させる場合とポンプ10a、10cを経由して熱媒体を集熱器2aに循環させる場合とを切り替える補修用バルブ20a、20cを設ける。これにより、補修用バルブ20a、20cにて熱媒体回路を切り替えることにより、ポンプ10a、10cを冷却用の主熱媒体回路から切り離すことができるので、ポンプ10a又はポンプ10cを修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができ、冷却システムの信頼性を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、閉じられた空間内に配置された発熱体の冷却システムに関するもので、例えば携帯電話基地局内の電子機器、電気機器、電気変換器、バッテリ等の冷却に用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷却システムは、携帯電話基地局内に設置された電気機器等の発熱体から廃熱を回収した冷却水をポンプにて循環させて吸着式冷凍機に供給し、吸着式冷凍機にて生成された冷熱にてその他の発熱体を冷却している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−100891号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の発明では、その構造上、ポンプが故障した際には、冷却水の循環を停止させた状態でポンプを修理又は交換する必要があるので、ポンプを修理等している間は、発熱体を冷却することができないという問題を有している。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な冷却システムを提供し、第2には、ポンプを修理等している間であっても冷却液を循環させ続けることができる冷却システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、閉じられた空間(1)内に存在する発熱体(2)を冷却する冷却システムであって、発熱体(2)と冷却液とを熱交換させて発熱体を冷却する熱交換器(2a)と、冷却液を循環させるポンプ手段(10a、10c)と、ポンプ手段(10a、10c)を迂回させて冷却液を熱交換器(2a)に循環させる場合とポンプ手段(10a、10c)を経由して冷却液を熱交換器(2a)に循環させる場合とを切り替える切替手段(20a、20c)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、ポンプ手段(10a、10c)を冷却用の主冷却液回路から切り離すことができるので、ポンプ手段(10a、10c)を修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができ、冷却システムの信頼性を高めることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、ポンプ手段(10a、10c)は、冷却液の循環回路に対して直列に少なくとも2台設けられており、さらに、切替手段(20a、20c)は、ポンプ手段(10a、10c)毎にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0009】
これにより、いずれかのポンプが故障しても冷却液を循環させ続けることができるので、冷却システムの信頼性をより一層高めることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、切替手段(20a、20c)は、手動式の流路切替バルブであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明では、閉じられた空間(1)内に存在する発熱体(2)を冷却する冷却システムであって、発熱体(2)と冷却液とを熱交換させて発熱体を冷却する熱交換器(2a)と、発熱体(2)にて加熱された冷却液を冷却する第1、2冷却手段(8a、8b)と、冷却液を第1冷却手段(8a)に循環させる第1ポンプ手段(10c)と、冷却液を第2冷却手段(8b)に循環させる第2ポンプ手段(10d)と、冷却液を第1冷却手段(8a)に循環させる場合と第2冷却手段(8b)に循環させる場合とを切り替える切替手段(20a、20b)とを備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、例えば第1ポンプ手段(10c)が故障したときには、第2ポンプ手段(10d)にて冷却液を循環させれば、ポンプを修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、空間(1)には、空間(1)内の空気により冷却されるの第2の発熱体(3)が存在しており、さらに、空間(1)内の空気は、熱交換器(2a)を介して発熱体(2)から吸熱した熱により稼働する冷凍機(4)により冷却されることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着するとともに、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有して構成された吸着式冷凍機であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明では、冷凍機(4)が故障したときに、空間(1)内外を連通させて空間(1)内を換気する換気手段(21)を備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、空間(1)内の温度が過度に上昇してしまうことを抑制できるので、冷却システムの信頼性を向上させることができる。
【0017】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る冷却システムを示す模式図であり、本実施形態は、本発明に係る発熱体の冷却システムを携帯電話基地局1内の電子機器の冷却に適用したものである。
【0019】
比較的に高い断熱性を有して密閉空間を構成する携帯電話基地局1内には、比較的発熱量が多く、かつ、高温となる電波出力用アンプ、電波出力制御盤、整流器、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第1発熱体2、に第1発熱体2より低温で冷却する必要がある回路制御盤、バッテリ、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第2発熱体3が搭載された通信機器ラック、並びに両発熱体2、3を冷却する冷凍機4(一転鎖線で囲まれた部分)とが収納されている。
【0020】
なお、両発熱体2、3は単独で(独立して)稼動するものではなく、両者2、3が連動して稼動するものである。
【0021】
また、第1発熱体2は、第2発熱体3に比べて高い耐熱温度を有するものであり、第1発熱体2は冷却水が循環させられて水冷にて冷却される。一方、第2発熱体3は、電子機器又は電気機器の実装密度が高く、冷却水を循環させることが難しいため、携帯電話基地局1内の空気、つまり内気が吹き付けられることにより強制空冷される。
【0022】
また、冷凍機4は、第1発熱体2から吸熱し、その吸熱した熱により吸着剤を加熱することにより稼働する吸着式冷凍機であり、以下、冷凍機4について述べる。
【0023】
吸着器5は内部が略真空に保たれた状態で冷媒が封入された容器であり、この吸着器5内には、吸着剤と熱媒体とを熱交換する第1熱交換器(吸着コア)6と、熱媒体と吸着器5内に封入された冷媒とを熱交換する第2熱交換器(蒸発/凝縮コア)7とが収納されている。
【0024】
なお、本実施形態では、複数個(2個)の吸着器5a、5bから構成されており、紙面右側の吸着器5a(以下、第1吸着器5aと呼ぶ。)と紙面左側の吸着器5b(以下、第2吸着器5bと呼ぶ。)とは、同じ構成であるので、両者を総称して呼ぶときは、吸着器5と表記する。
【0025】
また、熱交換器6、7の添え字aは第1吸着器5a内の熱交換器であることを示し、熱交換器6、7の添え字bは第2吸着器5b内の熱交換器であることを示す。
【0026】
因みに、吸着剤は、冷媒(本実施形態では、水)を吸着するとともに、加熱されることにより吸着していた冷媒を脱離するもので、本実施形態では、シリカゲルやゼオライト等の固体吸着剤を採用し、熱媒体として、本実施形態では、エチレングリコール系の不凍液が混入された水を採用している。
【0027】
室外器8は基地局1の建物外に配設されて熱媒体と放熱対象をなす室外空気とを熱交換する室外熱交換器であり、この室外器8は、放熱器8a及び冷却風を送風するファン8cからなるものである。
【0028】
集熱器2aは第1発熱体2で発生する熱を集めてその集めた熱と熱媒体と熱交換させる熱交換器であり、室内熱交換器3aは、吸着器5で冷却された熱媒体と第2発熱体3に吹き付けられる空気とを熱交換させる熱交換器である。なお、ファン3bは室内熱交換器3aに冷却用の室内空気を送風する送風機である。
【0029】
また、バルブ9a〜9dは熱媒体流れを切り替えるロータリ式の弁であり、ポンプ10a〜10cは熱媒体を循環させるポンプ手段である。バイパス回路16は集熱器2aにて加熱された熱媒体をバルブ9a〜9dを迂回して直接に室外器8に導く回路であり、バルブ14a〜14dはバイパス回路16に熱媒体を循環させる場合と循環させない場合とを切替制御する三方バルブであり、リザーブタンク15は熱媒体補給用の補給手段である。
【0030】
補修用バルブ20a、20cは、ポンプ10a〜10cのうちバイパス回路16に熱媒体を循環させる際に稼動するポンプ10a、10cを迂回させて熱媒体を集熱器2aに循環させる場合とポンプ10a、10cを経由して熱媒体を集熱器2aに循環させる場合とを切り替える切替手段をなすものである。
【0031】
また、換気扇21は、携帯電話基地局1内外を連通させて携帯電話基地局1内を換気するもので、換気口21aは換気扇21が稼動したときに連動して開くようになっている。
【0032】
次に、本実施形態に係る冷却システムの特徴的作動及びその効果を述べる。
【0033】
1.冷凍機4の基本作動モード
このモードは、以下に述べる第1、2基本作動モードを所定時間毎に切換運転するものである。因みに、所定時間は、吸着剤に吸着されていた冷媒を脱離させるに必要な時間に基づいて適宜選定されるものである。
【0034】
なお、本実施形態では、集熱器2aには第1発熱体2の温度が150℃以下となるように熱媒体が供給されており、第2発熱体3は外気温度(55℃〜60℃)以下程度となるように冷却され、冷凍機4は70℃以上、100℃以下で所定の冷凍能力が発揮するように各種諸元が決定されている。
【0035】
また、以下の作動説明からも明らかなように、冷凍機4を安定稼動させるためには、第2発熱体3の発熱量が常に第1発熱体2の発熱量以下となる必要がある。
【0036】
1.1 第1基本作動モード(図2参照)
このモードでは、室内熱交換器3aと第2吸着器5bの第2熱交換器7bとの間で熱媒体を循環させることにより、第2吸着器5b内の冷媒を蒸発させて熱媒体を冷却し、室内熱交換器3aに冷却された熱媒体を供給することによって第2発熱体3に吹き付けられる空気を冷却して第2発熱体3を冷却するとともに、第2吸着器5b内で蒸発した気相冷媒(水蒸気)を第2吸着器5b内の吸着剤にて吸着する。
【0037】
このとき、吸着剤は凝縮熱に相当する熱量を発熱し、かつ、吸着剤の温度が上昇すると吸着能力が低下するので、室外器8にて冷却された熱媒体を第2吸着器5bの第1熱交換器6bに供給することにより吸着剤を冷却する。
【0038】
一方、第1吸着器5aの第1熱交換器6aには、集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱を、熱媒体を介して第1吸着器5aの吸着剤に供給することより吸着剤を加熱し、吸着剤に吸着していた冷媒を脱離させるとともに、第1吸着器5aの第2熱交換器7aに室外器8にて冷却された熱媒体を供給し、その脱離した気相冷媒(水蒸気)を第2熱交換器7aにて冷却して凝縮させる。
【0039】
以下、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮しつつ、その蒸発した気相冷媒を吸着剤にて吸着させている状態にある吸着器5のことを、「吸着工程にある吸着器5」と呼び、吸着剤を加熱して吸着していた冷媒を脱離させつつ、その脱離した冷媒を冷却凝縮させている状態にある吸着器5のことを、「脱離工程にある吸着器5」と呼ぶ。
【0040】
1.2 第2基本作動モード(図3参照)
このモードは、第1基本作動モードとは逆に、第1吸着器5aを吸着工程とし、第2吸着器5bを脱離工程とするものである。
【0041】
具体的には、室内熱交換器3aと第1吸着器5aの第2熱交換器7aとの間で熱媒体を循環させることにより、第1吸着器5a内の冷媒を蒸発させて熱媒体を冷却し、室内熱交換器3aに冷却された熱媒体を供給することによって第2発熱体3に吹き付けられる空気を冷却して第2発熱体3を冷却するとともに、第1吸着器5a内で蒸発した気相冷媒(水蒸気)を第1吸着器5a内の吸着剤にて吸着する。
【0042】
このとき、室外器8にて冷却された熱媒体を第1吸着器5aの第1熱交換器6aに供給することにより吸着剤を冷却する。
【0043】
一方、第2吸着器5bの第1熱交換器6bには、集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱を、熱媒体を介して第2吸着器5bの吸着剤に供給することより吸着剤を加熱し、吸着剤に吸着していた冷媒を脱離させるとともに、第2吸着器5bの第2熱交換器7bに室外器8にて冷却された熱媒体を供給し、その脱離した気相冷媒(水蒸気)を第2熱交換器7bにて冷却して凝縮させる。
【0044】
2.非常時バイパスモード(図1参照)
このモードは、何らかの理由によりバルブ9a〜9d又はポンプ10a〜10cのいずれかに作動不良が発生したときや吸着器5が何らかの要因で性能が低下して、冷凍機4が実質的に停止したとき又は冷却能力が所定能力以下となった場合に実行されるモードである。
【0045】
具体的には、バルブ14a〜14dを図1に示すように作動させて、集熱器2aにて加熱された熱媒体をバイパス回路16を介して直接に室外機8に導いて、第1発熱体2にて加熱された熱媒体を室外空気にて冷却するとともに、換気扇21を作動させて携帯電話基地局1内を換気するものである。
【0046】
なお、冷却システム内の機器に作動不良が発生したときには、電話回線等の通信手段により冷却システムを管理する管理会社等に作動不良が発生した旨が自動的に伝達されるように構成されており、作動不良が発生したときには、サービス員がその作動不良が発生した冷却システムの修理を行う。
【0047】
3.メンテナンスモード
このモードは、ポンプ10a又はポンプ10cのいずれかを修理又は交換する際の運転モードである。
【0048】
具体的に、修理対象となるポンプ用の補修用バルブ、つまり修理対象がポンプ10aの場合にあっては補修用バルブ20a、修理対象がポンプ10cの場合にあっては補修用バルブ20cを作動させては、ポンプ10a、10cを迂回させて熱媒体を集熱器2aに循環させるものである。
【0049】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0050】
本実施形態では、補修用バルブ20a、20cにて熱媒体回路を切り替えることにより、ポンプ10a、10cを冷却用の主熱媒体回路から切り離すことができるので、ポンプ10a又はポンプ10cを修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができる。
【0051】
また、特許文献1に記載の発明では、バイパス回路16を介して第1発熱体2にて加熱された熱媒体を室外機8に循環させる場合には、基本作動モードに稼動するポンプ10a〜10cとは別に設けられた非常用ポンプを用いたが、本実施形態では、基本作動モードに作動するポンプである10a、10cを流用しているので、ポンプの数を減らすことができ、冷却システムの製造原価低減を図ることができる。
【0052】
また、非常時バイパスモード時において、ポンプ10a、10cが熱媒体の循環回路に対して直列となるように配置されているとともに、各ポンプ10a、10c毎に補修用バルブ20a、20cを設けているので、非常時バイパスモード時において、2つのポンプ10a、10cのいずれかが故障しても熱媒体を循環させ続けることができ、冷却システムの信頼性をより一層高めることができる。
【0053】
また、非常時バイパスモード時においては換気扇21を作動させるので、強制空冷される第2発熱体3の温度が異常上昇してしまうことを抑制でき、冷却システムの信頼性をより一層高めることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、室内熱交換器3aの温度等から冷凍機4の状態を自動監視し、冷凍機4の能力が低下したときには、自動的に補修用バルブ20a、20cを作動させたが、作動不良が発生した旨が伝達されてサービス員が携帯電話基地局1に到着したときにサービス員が手動操作にて補修用バルブ20a、20cを作動させてもよいことは言うまでもない。
【0055】
(第2実施形態)
本実施形態は、補修用バルブ20a、20c等の四方弁及びバルブ14a〜14d等の三方弁と同等機能を、図4に示すように、複数個の2方弁22a〜22h、23a〜23fにて実現したものである。
【0056】
因みに、図4(b)はポンプ10aが正常作動しているときのバルブ23a〜23cの作動を示すもので、図4(c)はポンプ10aが故障しているときのバルブ23a〜23cの作動を示すものであり、バルブ23d〜23fの作動もバルブ23a〜23cと同様である。
【0057】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、熱媒体と室外空気とを熱交換して熱媒体を冷却する冷却手段をなす放熱器が1台であったが、本実施形態は、図5、6に示すように、放熱器を2台の放熱器8a、8bとするとともに、非常時バイパスモード時において、放熱器8aにて熱媒体を冷却する場合(図5参照)と、放熱器8bにて熱媒体を冷却する場合(図6参照)とを切り替え可能とし、放熱器8aにて熱媒体を冷却する場合にはポンプ10cにて熱媒体を循環させ、放熱器8bにて熱媒体を冷却する場合にはポンプ10dにて熱媒体を循環させるものである。
【0058】
なお、ポンプ10cにて熱媒体を循環させる場合とポンプ10dにて熱媒体を循環させる場合との切り替えは、バルブ20a、20bにて行う。
【0059】
これにより、例えばポンプ10cが故障したときには、ポンプ10dにて熱媒体を循環させれば、ポンプを修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができる。
【0060】
(その他の実施形態)
第1、2実施形態では、ポンプ10a、10cにのみ切替手段をなす補修用バルブ20a、20cを設けたが、本発明は限定されるものではなく、その他のポンプにも切替手段を設けてもよいことは言うまでもない。
【0061】
また、流路制御用のバルブは、上述の実施形態に示されたものに限定されるものではない。
【0062】
また、上述の実施形態では、基地局を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ビル、地下室、工場、倉庫、住宅、車庫及び車両等の空間内に配設された複数種類の発熱体(例えば、ガスタービンエンジン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、燃料電池、電子機器、電気機器、電気変換器、蓄電池、動物(人間を含む。)等の冷却に適用することができる。
【0063】
また、空間は密閉された空間に限定されるものではなく、開空間であってもよい。
【0064】
また、冷却システムの放熱先(放熱対象、冷凍機4、11外)は外気(大気)に限定されるものではなく、河川、地下水、土壌、海水、宇宙空間等であってもよい。
【0065】
また、冷媒は水に限定されるものではなく、アルコール等のその他のものであってもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では吸着剤(吸着媒体)として固体吸着剤を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、臭化リチウムやアンモニア等の吸収液を含浸させたハイニカム構造状の吸収体を用いてもよい
また、上述の実施形態に示された冷却システムから排出される熱により給湯水を加熱する加熱器、室内に吹き出す空気を加熱する加熱機、又は雪を溶かす融雪加熱器を備える熱管理システムに本発明に係る冷却システムを適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る第1基本作動モードにおける熱媒体流れを示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る第2基本作動モードにおける熱媒体流れを示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る冷却システムの熱媒体流れを示す模式図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る冷却システムの熱媒体流れを示す模式図である。
【符号の説明】
1…携帯電話基地局、2…第1発熱体、3…第2発熱体、
4…吸着式冷凍機、5…吸着器、6…吸着コア、
7…蒸発/凝縮コア、8…室外器、
10a〜10c…ポンプ、16…バイパス回路、
20a、20c…補修用バルブ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、閉じられた空間内に配置された発熱体の冷却システムに関するもので、例えば携帯電話基地局内の電子機器、電気機器、電気変換器、バッテリ等の冷却に用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷却システムは、携帯電話基地局内に設置された電気機器等の発熱体から廃熱を回収した冷却水をポンプにて循環させて吸着式冷凍機に供給し、吸着式冷凍機にて生成された冷熱にてその他の発熱体を冷却している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−100891号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の発明では、その構造上、ポンプが故障した際には、冷却水の循環を停止させた状態でポンプを修理又は交換する必要があるので、ポンプを修理等している間は、発熱体を冷却することができないという問題を有している。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な冷却システムを提供し、第2には、ポンプを修理等している間であっても冷却液を循環させ続けることができる冷却システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、閉じられた空間(1)内に存在する発熱体(2)を冷却する冷却システムであって、発熱体(2)と冷却液とを熱交換させて発熱体を冷却する熱交換器(2a)と、冷却液を循環させるポンプ手段(10a、10c)と、ポンプ手段(10a、10c)を迂回させて冷却液を熱交換器(2a)に循環させる場合とポンプ手段(10a、10c)を経由して冷却液を熱交換器(2a)に循環させる場合とを切り替える切替手段(20a、20c)とを備えることを特徴とする。
【0007】
これにより、ポンプ手段(10a、10c)を冷却用の主冷却液回路から切り離すことができるので、ポンプ手段(10a、10c)を修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができ、冷却システムの信頼性を高めることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、ポンプ手段(10a、10c)は、冷却液の循環回路に対して直列に少なくとも2台設けられており、さらに、切替手段(20a、20c)は、ポンプ手段(10a、10c)毎にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0009】
これにより、いずれかのポンプが故障しても冷却液を循環させ続けることができるので、冷却システムの信頼性をより一層高めることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、切替手段(20a、20c)は、手動式の流路切替バルブであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4に記載の発明では、閉じられた空間(1)内に存在する発熱体(2)を冷却する冷却システムであって、発熱体(2)と冷却液とを熱交換させて発熱体を冷却する熱交換器(2a)と、発熱体(2)にて加熱された冷却液を冷却する第1、2冷却手段(8a、8b)と、冷却液を第1冷却手段(8a)に循環させる第1ポンプ手段(10c)と、冷却液を第2冷却手段(8b)に循環させる第2ポンプ手段(10d)と、冷却液を第1冷却手段(8a)に循環させる場合と第2冷却手段(8b)に循環させる場合とを切り替える切替手段(20a、20b)とを備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、例えば第1ポンプ手段(10c)が故障したときには、第2ポンプ手段(10d)にて冷却液を循環させれば、ポンプを修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明では、空間(1)には、空間(1)内の空気により冷却されるの第2の発熱体(3)が存在しており、さらに、空間(1)内の空気は、熱交換器(2a)を介して発熱体(2)から吸熱した熱により稼働する冷凍機(4)により冷却されることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着するとともに、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有して構成された吸着式冷凍機であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明では、冷凍機(4)が故障したときに、空間(1)内外を連通させて空間(1)内を換気する換気手段(21)を備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、空間(1)内の温度が過度に上昇してしまうことを抑制できるので、冷却システムの信頼性を向上させることができる。
【0017】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る冷却システムを示す模式図であり、本実施形態は、本発明に係る発熱体の冷却システムを携帯電話基地局1内の電子機器の冷却に適用したものである。
【0019】
比較的に高い断熱性を有して密閉空間を構成する携帯電話基地局1内には、比較的発熱量が多く、かつ、高温となる電波出力用アンプ、電波出力制御盤、整流器、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第1発熱体2、に第1発熱体2より低温で冷却する必要がある回路制御盤、バッテリ、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第2発熱体3が搭載された通信機器ラック、並びに両発熱体2、3を冷却する冷凍機4(一転鎖線で囲まれた部分)とが収納されている。
【0020】
なお、両発熱体2、3は単独で(独立して)稼動するものではなく、両者2、3が連動して稼動するものである。
【0021】
また、第1発熱体2は、第2発熱体3に比べて高い耐熱温度を有するものであり、第1発熱体2は冷却水が循環させられて水冷にて冷却される。一方、第2発熱体3は、電子機器又は電気機器の実装密度が高く、冷却水を循環させることが難しいため、携帯電話基地局1内の空気、つまり内気が吹き付けられることにより強制空冷される。
【0022】
また、冷凍機4は、第1発熱体2から吸熱し、その吸熱した熱により吸着剤を加熱することにより稼働する吸着式冷凍機であり、以下、冷凍機4について述べる。
【0023】
吸着器5は内部が略真空に保たれた状態で冷媒が封入された容器であり、この吸着器5内には、吸着剤と熱媒体とを熱交換する第1熱交換器(吸着コア)6と、熱媒体と吸着器5内に封入された冷媒とを熱交換する第2熱交換器(蒸発/凝縮コア)7とが収納されている。
【0024】
なお、本実施形態では、複数個(2個)の吸着器5a、5bから構成されており、紙面右側の吸着器5a(以下、第1吸着器5aと呼ぶ。)と紙面左側の吸着器5b(以下、第2吸着器5bと呼ぶ。)とは、同じ構成であるので、両者を総称して呼ぶときは、吸着器5と表記する。
【0025】
また、熱交換器6、7の添え字aは第1吸着器5a内の熱交換器であることを示し、熱交換器6、7の添え字bは第2吸着器5b内の熱交換器であることを示す。
【0026】
因みに、吸着剤は、冷媒(本実施形態では、水)を吸着するとともに、加熱されることにより吸着していた冷媒を脱離するもので、本実施形態では、シリカゲルやゼオライト等の固体吸着剤を採用し、熱媒体として、本実施形態では、エチレングリコール系の不凍液が混入された水を採用している。
【0027】
室外器8は基地局1の建物外に配設されて熱媒体と放熱対象をなす室外空気とを熱交換する室外熱交換器であり、この室外器8は、放熱器8a及び冷却風を送風するファン8cからなるものである。
【0028】
集熱器2aは第1発熱体2で発生する熱を集めてその集めた熱と熱媒体と熱交換させる熱交換器であり、室内熱交換器3aは、吸着器5で冷却された熱媒体と第2発熱体3に吹き付けられる空気とを熱交換させる熱交換器である。なお、ファン3bは室内熱交換器3aに冷却用の室内空気を送風する送風機である。
【0029】
また、バルブ9a〜9dは熱媒体流れを切り替えるロータリ式の弁であり、ポンプ10a〜10cは熱媒体を循環させるポンプ手段である。バイパス回路16は集熱器2aにて加熱された熱媒体をバルブ9a〜9dを迂回して直接に室外器8に導く回路であり、バルブ14a〜14dはバイパス回路16に熱媒体を循環させる場合と循環させない場合とを切替制御する三方バルブであり、リザーブタンク15は熱媒体補給用の補給手段である。
【0030】
補修用バルブ20a、20cは、ポンプ10a〜10cのうちバイパス回路16に熱媒体を循環させる際に稼動するポンプ10a、10cを迂回させて熱媒体を集熱器2aに循環させる場合とポンプ10a、10cを経由して熱媒体を集熱器2aに循環させる場合とを切り替える切替手段をなすものである。
【0031】
また、換気扇21は、携帯電話基地局1内外を連通させて携帯電話基地局1内を換気するもので、換気口21aは換気扇21が稼動したときに連動して開くようになっている。
【0032】
次に、本実施形態に係る冷却システムの特徴的作動及びその効果を述べる。
【0033】
1.冷凍機4の基本作動モード
このモードは、以下に述べる第1、2基本作動モードを所定時間毎に切換運転するものである。因みに、所定時間は、吸着剤に吸着されていた冷媒を脱離させるに必要な時間に基づいて適宜選定されるものである。
【0034】
なお、本実施形態では、集熱器2aには第1発熱体2の温度が150℃以下となるように熱媒体が供給されており、第2発熱体3は外気温度(55℃〜60℃)以下程度となるように冷却され、冷凍機4は70℃以上、100℃以下で所定の冷凍能力が発揮するように各種諸元が決定されている。
【0035】
また、以下の作動説明からも明らかなように、冷凍機4を安定稼動させるためには、第2発熱体3の発熱量が常に第1発熱体2の発熱量以下となる必要がある。
【0036】
1.1 第1基本作動モード(図2参照)
このモードでは、室内熱交換器3aと第2吸着器5bの第2熱交換器7bとの間で熱媒体を循環させることにより、第2吸着器5b内の冷媒を蒸発させて熱媒体を冷却し、室内熱交換器3aに冷却された熱媒体を供給することによって第2発熱体3に吹き付けられる空気を冷却して第2発熱体3を冷却するとともに、第2吸着器5b内で蒸発した気相冷媒(水蒸気)を第2吸着器5b内の吸着剤にて吸着する。
【0037】
このとき、吸着剤は凝縮熱に相当する熱量を発熱し、かつ、吸着剤の温度が上昇すると吸着能力が低下するので、室外器8にて冷却された熱媒体を第2吸着器5bの第1熱交換器6bに供給することにより吸着剤を冷却する。
【0038】
一方、第1吸着器5aの第1熱交換器6aには、集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱を、熱媒体を介して第1吸着器5aの吸着剤に供給することより吸着剤を加熱し、吸着剤に吸着していた冷媒を脱離させるとともに、第1吸着器5aの第2熱交換器7aに室外器8にて冷却された熱媒体を供給し、その脱離した気相冷媒(水蒸気)を第2熱交換器7aにて冷却して凝縮させる。
【0039】
以下、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮しつつ、その蒸発した気相冷媒を吸着剤にて吸着させている状態にある吸着器5のことを、「吸着工程にある吸着器5」と呼び、吸着剤を加熱して吸着していた冷媒を脱離させつつ、その脱離した冷媒を冷却凝縮させている状態にある吸着器5のことを、「脱離工程にある吸着器5」と呼ぶ。
【0040】
1.2 第2基本作動モード(図3参照)
このモードは、第1基本作動モードとは逆に、第1吸着器5aを吸着工程とし、第2吸着器5bを脱離工程とするものである。
【0041】
具体的には、室内熱交換器3aと第1吸着器5aの第2熱交換器7aとの間で熱媒体を循環させることにより、第1吸着器5a内の冷媒を蒸発させて熱媒体を冷却し、室内熱交換器3aに冷却された熱媒体を供給することによって第2発熱体3に吹き付けられる空気を冷却して第2発熱体3を冷却するとともに、第1吸着器5a内で蒸発した気相冷媒(水蒸気)を第1吸着器5a内の吸着剤にて吸着する。
【0042】
このとき、室外器8にて冷却された熱媒体を第1吸着器5aの第1熱交換器6aに供給することにより吸着剤を冷却する。
【0043】
一方、第2吸着器5bの第1熱交換器6bには、集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱を、熱媒体を介して第2吸着器5bの吸着剤に供給することより吸着剤を加熱し、吸着剤に吸着していた冷媒を脱離させるとともに、第2吸着器5bの第2熱交換器7bに室外器8にて冷却された熱媒体を供給し、その脱離した気相冷媒(水蒸気)を第2熱交換器7bにて冷却して凝縮させる。
【0044】
2.非常時バイパスモード(図1参照)
このモードは、何らかの理由によりバルブ9a〜9d又はポンプ10a〜10cのいずれかに作動不良が発生したときや吸着器5が何らかの要因で性能が低下して、冷凍機4が実質的に停止したとき又は冷却能力が所定能力以下となった場合に実行されるモードである。
【0045】
具体的には、バルブ14a〜14dを図1に示すように作動させて、集熱器2aにて加熱された熱媒体をバイパス回路16を介して直接に室外機8に導いて、第1発熱体2にて加熱された熱媒体を室外空気にて冷却するとともに、換気扇21を作動させて携帯電話基地局1内を換気するものである。
【0046】
なお、冷却システム内の機器に作動不良が発生したときには、電話回線等の通信手段により冷却システムを管理する管理会社等に作動不良が発生した旨が自動的に伝達されるように構成されており、作動不良が発生したときには、サービス員がその作動不良が発生した冷却システムの修理を行う。
【0047】
3.メンテナンスモード
このモードは、ポンプ10a又はポンプ10cのいずれかを修理又は交換する際の運転モードである。
【0048】
具体的に、修理対象となるポンプ用の補修用バルブ、つまり修理対象がポンプ10aの場合にあっては補修用バルブ20a、修理対象がポンプ10cの場合にあっては補修用バルブ20cを作動させては、ポンプ10a、10cを迂回させて熱媒体を集熱器2aに循環させるものである。
【0049】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0050】
本実施形態では、補修用バルブ20a、20cにて熱媒体回路を切り替えることにより、ポンプ10a、10cを冷却用の主熱媒体回路から切り離すことができるので、ポンプ10a又はポンプ10cを修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができる。
【0051】
また、特許文献1に記載の発明では、バイパス回路16を介して第1発熱体2にて加熱された熱媒体を室外機8に循環させる場合には、基本作動モードに稼動するポンプ10a〜10cとは別に設けられた非常用ポンプを用いたが、本実施形態では、基本作動モードに作動するポンプである10a、10cを流用しているので、ポンプの数を減らすことができ、冷却システムの製造原価低減を図ることができる。
【0052】
また、非常時バイパスモード時において、ポンプ10a、10cが熱媒体の循環回路に対して直列となるように配置されているとともに、各ポンプ10a、10c毎に補修用バルブ20a、20cを設けているので、非常時バイパスモード時において、2つのポンプ10a、10cのいずれかが故障しても熱媒体を循環させ続けることができ、冷却システムの信頼性をより一層高めることができる。
【0053】
また、非常時バイパスモード時においては換気扇21を作動させるので、強制空冷される第2発熱体3の温度が異常上昇してしまうことを抑制でき、冷却システムの信頼性をより一層高めることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、室内熱交換器3aの温度等から冷凍機4の状態を自動監視し、冷凍機4の能力が低下したときには、自動的に補修用バルブ20a、20cを作動させたが、作動不良が発生した旨が伝達されてサービス員が携帯電話基地局1に到着したときにサービス員が手動操作にて補修用バルブ20a、20cを作動させてもよいことは言うまでもない。
【0055】
(第2実施形態)
本実施形態は、補修用バルブ20a、20c等の四方弁及びバルブ14a〜14d等の三方弁と同等機能を、図4に示すように、複数個の2方弁22a〜22h、23a〜23fにて実現したものである。
【0056】
因みに、図4(b)はポンプ10aが正常作動しているときのバルブ23a〜23cの作動を示すもので、図4(c)はポンプ10aが故障しているときのバルブ23a〜23cの作動を示すものであり、バルブ23d〜23fの作動もバルブ23a〜23cと同様である。
【0057】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、熱媒体と室外空気とを熱交換して熱媒体を冷却する冷却手段をなす放熱器が1台であったが、本実施形態は、図5、6に示すように、放熱器を2台の放熱器8a、8bとするとともに、非常時バイパスモード時において、放熱器8aにて熱媒体を冷却する場合(図5参照)と、放熱器8bにて熱媒体を冷却する場合(図6参照)とを切り替え可能とし、放熱器8aにて熱媒体を冷却する場合にはポンプ10cにて熱媒体を循環させ、放熱器8bにて熱媒体を冷却する場合にはポンプ10dにて熱媒体を循環させるものである。
【0058】
なお、ポンプ10cにて熱媒体を循環させる場合とポンプ10dにて熱媒体を循環させる場合との切り替えは、バルブ20a、20bにて行う。
【0059】
これにより、例えばポンプ10cが故障したときには、ポンプ10dにて熱媒体を循環させれば、ポンプを修理等している間であっても熱媒体を循環させ続けることができる。
【0060】
(その他の実施形態)
第1、2実施形態では、ポンプ10a、10cにのみ切替手段をなす補修用バルブ20a、20cを設けたが、本発明は限定されるものではなく、その他のポンプにも切替手段を設けてもよいことは言うまでもない。
【0061】
また、流路制御用のバルブは、上述の実施形態に示されたものに限定されるものではない。
【0062】
また、上述の実施形態では、基地局を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ビル、地下室、工場、倉庫、住宅、車庫及び車両等の空間内に配設された複数種類の発熱体(例えば、ガスタービンエンジン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、燃料電池、電子機器、電気機器、電気変換器、蓄電池、動物(人間を含む。)等の冷却に適用することができる。
【0063】
また、空間は密閉された空間に限定されるものではなく、開空間であってもよい。
【0064】
また、冷却システムの放熱先(放熱対象、冷凍機4、11外)は外気(大気)に限定されるものではなく、河川、地下水、土壌、海水、宇宙空間等であってもよい。
【0065】
また、冷媒は水に限定されるものではなく、アルコール等のその他のものであってもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では吸着剤(吸着媒体)として固体吸着剤を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、臭化リチウムやアンモニア等の吸収液を含浸させたハイニカム構造状の吸収体を用いてもよい
また、上述の実施形態に示された冷却システムから排出される熱により給湯水を加熱する加熱器、室内に吹き出す空気を加熱する加熱機、又は雪を溶かす融雪加熱器を備える熱管理システムに本発明に係る冷却システムを適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る第1基本作動モードにおける熱媒体流れを示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る第2基本作動モードにおける熱媒体流れを示す模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る冷却システムの熱媒体流れを示す模式図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る冷却システムの熱媒体流れを示す模式図である。
【符号の説明】
1…携帯電話基地局、2…第1発熱体、3…第2発熱体、
4…吸着式冷凍機、5…吸着器、6…吸着コア、
7…蒸発/凝縮コア、8…室外器、
10a〜10c…ポンプ、16…バイパス回路、
20a、20c…補修用バルブ。
Claims (7)
- 閉じられた空間(1)内に存在する発熱体(2)を冷却する冷却システムであって、
前記発熱体(2)と冷却液とを熱交換させて前記発熱体を冷却する熱交換器(2a)と、
前記冷却液を循環させるポンプ手段(10a、10c)と、
前記ポンプ手段(10a、10c)を迂回させて前記冷却液を前記熱交換器(2a)に循環させる場合と前記ポンプ手段(10a、10c)を経由して前記冷却液を前記熱交換器(2a)に循環させる場合とを切り替える切替手段(20a、20c)とを備えることを特徴とする発熱体の冷却システム。 - 前記ポンプ手段(10a、10c)は、前記冷却液の循環回路に対して直列に少なくとも2台設けられており、
さらに、前記切替手段(20a、20c)は、前記ポンプ手段(10a、10c)毎にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発熱体の冷却システム。 - 前記切替手段(20a、20c)は、手動式の流路切替バルブであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱体の冷却システム。
- 閉じられた空間(1)内に存在する発熱体(2)を冷却する冷却システムであって、
前記発熱体(2)と冷却液とを熱交換させて前記発熱体を冷却する熱交換器(2a)と、
前記発熱体(2)にて加熱された冷却液を冷却する第1、2冷却手段(8a、8b)と、
前記冷却液を前記第1冷却手段(8a)に循環させる第1ポンプ手段(10c)と、
前記冷却液を前記第2冷却手段(8b)に循環させる第2ポンプ手段(10d)と、
前記冷却液を前記第1冷却手段(8a)に循環させる場合と前記第2冷却手段(8b)に循環させる場合とを切り替える切替手段(20a、20b)とを備えることを特徴とする冷却システム。 - 前記空間(1)には、前記空間(1)内の空気により冷却されるの第2の発熱体(3)が存在しており、
さらに、前記空間(1)内の空気は、前記熱交換器(2a)を介して前記発熱体(2)から吸熱した熱により稼働する冷凍機(4)により冷却されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。 - 前記冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着するとともに、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有して構成された吸着式冷凍機であることを特徴とする請求項5に記載の発熱体の冷却システム。
- 前記冷凍機(4)が故障したときに、前記空間(1)内外を連通させて前記空間(1)内を換気する換気手段(21)を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の発熱体の冷却システム。
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JP2011234658A (ja) * | 2010-05-10 | 2011-11-24 | Miura Co Ltd | 冷却装置および加熱殺菌装置 |
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-
2002
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