JP2004020092A - 発熱体の冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】発熱体を確実に冷却することができる冷却システムを提供する。
【解決手段】外気温度が高くなって吸着工程にある関係湿度が所定値以下であるため所定の冷凍能力が発生しないとき、第1発熱体2の発熱量が低下して脱離工程にある関係湿度が所定値以上であるため所定の冷凍能力が発生しないとき、又は吸着工程にある関係湿度が所定値以下であって、かつ、脱離工程にある関係湿度が所定値以上であるため所定の冷凍能力が発生しないときには、ノズル20から室外器8、つまり放熱器8aの外表面に冷却水を噴霧供給することにより、冷却水の蒸発潜熱を利用して冷凍機4にて所定以上の冷凍能力を発生させる。これにより、外気温度が高い場合、つまり空冷にて吸着剤を十分に冷却できない場合や冷凍機4を稼動させるに十分な廃熱を得ることができない場合であっても、第2発熱体2を十分に冷却することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】外気温度が高くなって吸着工程にある関係湿度が所定値以下であるため所定の冷凍能力が発生しないとき、第1発熱体2の発熱量が低下して脱離工程にある関係湿度が所定値以上であるため所定の冷凍能力が発生しないとき、又は吸着工程にある関係湿度が所定値以下であって、かつ、脱離工程にある関係湿度が所定値以上であるため所定の冷凍能力が発生しないときには、ノズル20から室外器8、つまり放熱器8aの外表面に冷却水を噴霧供給することにより、冷却水の蒸発潜熱を利用して冷凍機4にて所定以上の冷凍能力を発生させる。これにより、外気温度が高い場合、つまり空冷にて吸着剤を十分に冷却できない場合や冷凍機4を稼動させるに十分な廃熱を得ることができない場合であっても、第2発熱体2を十分に冷却することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発熱体を有するシステムにおいて、これら複数の発熱体を冷却する冷却システムに関するもので、例えば携帯電話基地局内の電子機器、電気機器、電気変換器、バッテリ等の冷却に用いて有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
発熱体の冷却システムとして、出願人は、既に特願2001−182029号を出願しているが、この出願では、第1発熱体から吸熱し、その吸熱した熱により稼働する吸着式冷凍機により第2発熱体を冷却している。
【0003】
しかし、上記出願に記載の発明では、外気温度が高い場合や吸着式冷凍機を稼動させるに十分な廃熱を得ることができず、第2発熱体を十分に冷却できないおそれがある。
【0004】
本発明は、上記点に鑑み、発熱体を確実に冷却することができる冷却システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、閉じられた空間(1)内に存在する第1発熱体(2)から吸熱し、その吸熱した熱により稼働して閉じられた空間(1)内に存在する第2発熱体(3)を冷却する冷凍装置(4)を有し、さらに、冷凍機(4)の放熱器(8)の外表面に冷却水を供給する冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)が設けられていることを特徴とする。
【0006】
これにより、冷却水の蒸発潜熱を利用して冷凍機(4)の冷凍能力を増大させることができるので、外気温度が高い場合であっても、第2発熱体(2)を十分に冷却することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)には、複数箇所から冷却水が供給され得ることを特徴とする。
【0008】
これにより、冷却システムの信頼性を高めめることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に、雨水を供給する雨水供給手段(22)を有することを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明では、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に、冷凍機(4)の冷却作用により発生した凝縮水を供給する凝縮水供給手段(19、8d)を有することを特徴とする。
【0011】
これにより、冷却水を確実に供給することができるので、冷却システムの信頼性を向上させることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、凝縮水供給手段(19、8d)は、冷凍機(4)の冷却能力が余剰状態にあるときに凝縮水を生成することを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載の発明では、凝縮水を生成する熱交換器(8d)が、放熱器(8)の空気流れ上流側に設置されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、放熱器(8)の冷却風温度を低下させることができるので、放熱器(8)の放冷能力、つまり冷凍機(4)の冷凍能力を向上させることができる。
【0015】
請求項7に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、放熱器(8)により気相冷媒を吸着する吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、気相冷媒を吸着している吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下であるときに、放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、放熱器(8)により気相冷媒を吸着する吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、加熱されている吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上であるときに、放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、放熱器(8)により気相冷媒を吸着する吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、気相冷媒を吸着している吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下であって、かつ、加熱されている吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上であるときに、放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とするものである。
【0018】
請求項10に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、放熱器(8)により気相冷媒を吸着する吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に冷却水が供給されている間は放熱器(8)の外表面に冷却水を供給し続け、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)への冷却水の供給が停止したときは、気相冷媒を吸着している吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下である状態、及び加熱されている吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上である状態のうち少なくとも一方の状態が成立したときに、放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とするものである。
【0019】
請求項11に記載の発明では、放熱器(8)は、空気流れに対して直列に並んだ複数台の放熱コア(8a、8b)から構成されており、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、複数台の放熱コア(8a、8b)のうち空気流れ上流側の放熱コア(8b)の外表面に冷却水を供給することを特徴とする。
【0020】
これにより、空気流れ下流側の放熱コア(8a)に流れ込む冷却風の温度上昇を抑制することができるので、放熱器(8)の放熱能力を向上させることができる。
【0021】
請求項12に記載の発明では、放熱器(8)内を流れる媒体は、複数台の放熱コア(8a、8b)のうち空気流れ下流側の放熱コア(8a)から空気流れ上流側の放熱コア(8b)に向けて流れることを特徴とする。
【0022】
これにより、媒体と冷却風とが巨視的に対向流れとなるので、放熱器(8)の放熱能力を向上させることができる。
【0023】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る冷却システムを携帯電話基地局(以下、基地局と略す。)1内の電子機器の冷却に適用したものであって、基地局1内には、比較的発熱量が多く、かつ、高温となる電波出力用アンプ、電波出力制御盤、整流器、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第1発熱体2と、第1発熱体2より低温で冷却する必要がある回路制御盤、バッテリ、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第2発熱体3と、両発熱体2、3を冷却する冷凍機4(一転鎖線で囲まれた部分)とが設けられている。なお、両発熱体(電気機器)2、3は単独で(独立して)稼動するものではなく、両者2、3が連動して稼動するものである。
【0025】
ここで、冷凍機4は、第1発熱体2から吸熱し、その吸熱した熱により吸着剤を加熱することにより稼働する吸着式冷凍機であり、以下、冷凍機4について述べる。
【0026】
吸着器5は内部が略真空に保たれた状態で冷媒が封入された容器であり、この吸着器5内には、吸着剤と熱媒体とを熱交換する第1熱交換器(吸着コア)6と、熱媒体と吸着器5内に封入された冷媒とを熱交換する第2熱交換器(蒸発/凝縮コア)7とが収納されている。
【0027】
なお、本実施形態では、複数個(2個)の吸着器5a、5bから構成されており、紙面右側の吸着器5a(以下、第1吸着器5aと呼ぶ。)と紙面左側の吸着器5b(以下、第2吸着器5bと呼ぶ。)とは、同じ構成であるので、両者を総称して呼ぶときは、吸着器5と表記する。
【0028】
また、熱交換器6、7の添え字aは第1吸着器5a内の熱交換器であることを示し、熱交換器6、7の添え字bは第2吸着器5b内の熱交換器であることを示す。
【0029】
因みに、吸着剤は、冷媒(本実施形態では、水)を吸着するとともに、加熱されることにより吸着していた冷媒を脱離するもので、本実施形態では、シリカゲルやゼオライト等の固体吸着剤を採用している。
【0030】
また、熱媒体として、本実施形態では、エチレングリコール系の不凍液が混入された水を採用している。
【0031】
室外器8は基地局1の建物外に配設されて熱媒体と室外空気(放熱対象)とを熱交換する室外熱交換器であり、この室外器8は、放熱器8a及び冷却風を送風するファン8cからなるもので、第1放熱器8aは第2放熱器8bより冷却風流れ上流側に設けられている。
【0032】
第1集熱器2aは第1発熱体2で発生する熱を集めてその集めた熱と熱媒体と熱交換させる第1集熱手段であり、第2集熱器3aは第2発熱体3で発生する熱を集めてその集めた熱と熱媒体と熱交換させる第2集熱手段であり、バルブ9a〜9eは熱媒体流れを切り替えるロータリ式バルブであり、ポンプ10a〜10cは熱媒体を循環させるポンプである。
【0033】
バイパス回路16は第1集熱器2aにて加熱された熱媒体をバルブ9a〜9eを迂回して直接に室外器8に導く回路であり、バルブ14a〜14dはバイパス回路16に熱媒体を循環させる場合と循環させない場合とを切替制御する三方バルブであり、リザーブタンク15は熱媒体補給用の補給手段であり、ポンプ10dは非常用のポンプである。
【0034】
なお、ポンプ10dは、ポンプ10a〜10cと異なり、停電時でも稼動することができるように非常用電源から電源の供給を受けるように設定されている。
【0035】
ノズル20は、放熱器8aの外表面のうち空気流れ上流側に冷却水を噴射供給する冷却用水噴射ノズルであり、ポンプ10fはノズル20に冷却水を圧送するポンプ手段であり、タンク19はノズル20に供給する冷却水を一時保管するタンク手段である。
【0036】
冷却水補給管18は水道管に連結されてタンク19に冷却水を補給する冷却水補給手段であり、制御バルブ17aは冷却水補給管18からタンク19に供給される冷却水量を制御するバルブである。
【0037】
ポンプ10e及び冷却用水補給制御バルブ17bは、何らかの原因により冷却水補給管18からタンク19に冷却水を補給することができなくなったときに、バイパス回路16を介してリザーブタンク15内の熱媒体をタンク19に応急補給するための冷却水応急補給手段を構成するものである。
【0038】
そして、本実施形態では、ノズル20、ポンプ10f、タンク19、制御バルブ17a、冷却水補給管18、ポンプ10e及び冷却用水補給制御バルブ17bにより冷却水供給装置が構成され、この冷却水供給装置が「特許請求の範囲」に記載された冷却水供給手段に相当する。
【0039】
次に、本実施形態に係る冷却システムの特徴的作動及びその効果を述べる。
【0040】
1.冷凍機4の基本作動モード
このモードは、以下に述べる第1、2基本作動モードを所定時間毎に切換運転するものである。因みに、所定時間は、吸着剤に吸着されていた冷媒を脱離させるに必要な時間に基づいて適宜選定されるものである。
【0041】
なお、本実施形態では、第1発熱体2は150℃以下となるように冷却(吸熱)されており、第2発熱体3は外気温度(55℃〜60℃)以下程度となるように冷却され、冷凍機4は70℃以上、100℃以下で所定の冷凍能力が発揮するように各種諸元が決定されている。
【0042】
また、以下の作動説明からも明らかなように、冷凍機4を安定稼動させるためには、第2発熱体3の発熱量が常に第1発熱体2の発熱量以下となる必要がある。
【0043】
1.1 第1基本作動モード
このモードでは、第2集熱器3aと第2吸着器5bの第2熱交換器7bとの間で熱媒体を循環させることにより、第2吸着器5b内の冷媒を蒸発させて第2集熱器3aに冷却された熱媒体を供給することによって第2発熱体3を冷却するとともに、第2吸着器5b内で蒸発した気相冷媒(水蒸気)を第2吸着器5b内の吸着剤にて吸着する。
【0044】
このとき、吸着剤は凝縮熱に相当する熱量を発熱し、かつ、吸着剤の温度が上昇すると吸着能力が低下するので、室外器8にて冷却された熱媒体を第2吸着器5bの第1熱交換器6bに供給することにより吸着剤を冷却する。
【0045】
一方、第1吸着器5aの第1熱交換器6aには、第1集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱を、熱媒体を介して第1吸着器5aの吸着剤に供給することより吸着剤を加熱し、吸着剤に吸着していた冷媒を脱離させるとともに、第1吸着器5aの第2熱交換器7aに室外器8にて冷却された熱媒体を供給し、その脱離した気相冷媒(水蒸気)を第2熱交換器7aにて冷却して凝縮させる。
【0046】
以下、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮しつつ、その蒸発した気相冷媒を吸着剤にて吸着させている状態にある吸着器5のことを、「吸着工程にある吸着器5」と呼び、吸着剤を加熱して吸着していた冷媒を脱離させつつ、その脱離した冷媒を冷却凝縮させている状態にある吸着器5のことを、「脱離工程にある吸着器5」と呼ぶ。
【0047】
1.2 第2基本作動モード
このモードはは、第1基本作動モードとは逆に、第1吸着器5aを吸着工程とし、第2吸着器5bを脱離工程とするものである。
【0048】
具体的には、第2集熱器3aと第1吸着器5aの第2熱交換器7aとの間で熱媒体を循環させることにより、第1吸着器5a内の冷媒を蒸発させて第2集熱器3aに冷却された熱媒体を供給することによって第2発熱体3を冷却するとともに、第1吸着器5a内で蒸発した気相冷媒(水蒸気)を第1吸着器5a内の吸着剤にて吸着する。
【0049】
このとき、室外器8にて冷却された熱媒体を第1吸着器5aの第1熱交換器6aに供給することにより吸着剤を冷却する。
【0050】
一方、第2吸着器5bの第1熱交換器6bには、第1集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱を、熱媒体を介して第2吸着器5bの吸着剤に供給することより吸着剤を加熱し、吸着剤に吸着していた冷媒を脱離させるとともに、第2吸着器5bの第2熱交換器7bに室外器8にて冷却された熱媒体を供給し、その脱離した気相冷媒(水蒸気)を第2熱交換器7bにて冷却して凝縮させる。
【0051】
2.過熱運転モード
この運転モードは、第1発熱体2の発熱量が冷凍機4にて吸着可能な所定の熱量を超えたときに実行されるモードである。
【0052】
具体的には、第1基本作動モードと第2基本作動モードとを切り換える際に、第1熱交換器6の熱媒体出口側を切り換えるバルブ9bを、第1熱交換器6の熱媒体入口側を切り換えるバルブ9aより先に切り換え作動させた後、所定時間が経過した後、バルブ9aを作動させるものである。
【0053】
これにより、第1集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱は、吸着材(冷凍機4)に供給されることなく、室外器8より外気中に放熱される。
【0054】
なお、過熱運転モードが実行される時間は、第1発熱体2の発熱量、冷凍機4にて吸着可能な熱量、及び外気温度等に基づいて適宜選定されるものである。
【0055】
3.少熱運転モード
このモードは、第1発熱体2の発熱量が、冷凍機4を稼働させるに必要な所定量の熱量を下回ったときに実行されるモードである。
【0056】
具体的には、第1基本作動モードと第2基本作動モードとを切り換える際に、第1熱交換器6の熱媒体入口側を切り換えるバルブ9aを、第1熱交換器6の熱媒体出口側を切り換えるバルブ9bより先に切り換え作動させた後、所定時間が経過した後、バルブ9bを作動させるものである。
【0057】
これにより、吸着剤を加熱するために第1熱交換器6に供給されていた熱媒体が、室外器8に流れることなく、第1集熱器2aに戻ってくるので、第1発熱体2で発生した熱を無駄なく冷凍機4に供給することができる。
【0058】
なお、少熱運転モードが実行される時間も過熱運転モード時と同様に、第1発熱体2の発熱量、冷凍機4にて吸着可能な熱量、及び外気温度等に基づいて適宜選定されるものである。
【0059】
4.直接冷却モード
このモードは、冬場等の外気温度が十分に低くなり、外気温度が第2発熱体3の冷却温度(第2発熱体3の許容耐熱温度)より低いとき、又は冷凍機4が故障したときに実行されるモードであり、ポンプ10a、10bを停止させるとともに、第1発熱体2(第1集熱器2a)には、第1放熱器8aのみにて冷却された熱媒体が供給され、第2発熱体3(第2集熱器3a)には、第1放熱器8a及び第2放熱器8bにて冷却された熱媒体が供給される。
【0060】
なお、外気温度は、図示しない外気温度センサ(外気温度検出手段)により検出しており、本実施形態では、検出値が15℃以下となったときにこのモードを実行する。
【0061】
また、冷凍機4が故障したか否かの判断は、吸着器5内の圧力が所定値(本実施形態では、70KPa)以上となったとき、吸着工程にある吸着器5の第2熱交換器7から流出する熱媒体の温度が所定値(本実施形態では、20℃)以上となったとき、吸着工程にある吸着器5の第2熱交換器7から流出する熱媒体の温度が第2熱交換器7の入口における熱媒体温度と等しくなったとき、及び吸着器5の第1熱交換器6に流入する熱媒体温度と第1熱交換器6から流出する熱媒体温度とが等しくなったときのいずれかの場合に冷凍機4が故障したものと見なしている。
【0062】
5.冷却能力が不足したときの冷却モード
冷凍機4は、前述したように、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮しつつ、その蒸発した気相冷媒を吸着剤にて吸着することにより冷凍能力を持続的に発揮するとともに、第1基本作動モードと第2基本作動モードとを交互に切り換え運転することにより吸着剤の吸着能力が飽和した後も連続的に冷凍能力を発揮させている。
【0063】
一方、吸着剤は、その種類によって具体的な特性は相違するものの、図2に示すように、概ね吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度の上昇に応じて吸着可能な水分量(吸着量)が増大する。なお、以下、「吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度」を関係湿度と呼ぶ。
【0064】
したがって、外気温度が高く、吸着工程にある吸着剤を十分に冷却することができないときは、吸着剤が気相冷媒を吸着する際に発生する吸着熱により関係湿度が上昇して吸着剤の吸着能力が低下してしまう。
【0065】
そして、吸着能力が低下すると、吸着器5内の圧力が上昇するため、冷媒の蒸発が減少又は停止し、冷凍能力が低下又は停止してしまう。
【0066】
また、第1発熱体2で発生する熱量及び温度が低いと、熱脱離工程にある吸着剤を十分に加熱することができないの、関係湿度を十分に低下させることができず、十分な量の冷媒を吸着剤から脱離させることができない。
【0067】
そして、十分な量の冷媒を吸着剤から脱離させることができないと、吸着工程時に十分な量の冷媒を蒸発させることができないので、冷凍能力が低下を招いてしまう。
【0068】
そこで、本実施形態では、外気温度が高くなって吸着工程にある関係湿度が所定値以下であるため所定の冷凍能力が発生しないとき、第1発熱体2の発熱量が低下して脱離工程にある関係湿度が所定値以上であるため所定の冷凍能力が発生しないとき、又は吸着工程にある関係湿度が所定値以下であって、かつ、脱離工程にある関係湿度が所定値以上であるため所定の冷凍能力が発生しないときには、ノズル20から室外器8、つまり放熱器8aの外表面に冷却水を噴霧供給することにより、冷却水の蒸発潜熱を利用して冷凍機4にて所定以上の冷凍能力を発生させる。
【0069】
これにより、外気温度が高い場合、つまり空冷にて吸着剤を十分に冷却できない場合や冷凍機4を稼動させるに十分な廃熱を得ることができない場合であっても、第2発熱体2を十分に冷却することができる。
【0070】
また、本実施形態では、空冷を基本として発熱体の冷却を行うので、仮に冷却水供給装置が不具合が発生しても、空冷にて冷凍機4を稼動させることができる。したがって、冷却システム全体が停止してしまうことを防止できるので、冷却システムの信頼性を高めることができる。
【0071】
延いては、冷却システムの信頼性を高めつつ、外気温度が高い場合や冷凍機4を稼動させるに十分な廃熱を得ることができない場合であっても、第2発熱体2を十分に冷却することができる。
【0072】
また、何らかの原因により冷却水補給管18からタンク19に冷却水を補給することができなくなったときには、バイパス回路16を介してリザーブタンク15内の熱媒体をタンク19に応急補給するので、冷却水供給装置は、複数箇所から冷却水が供給され得るように構成されたことなる。したがって、冷却システムの信頼性を高めめることができる。
【0073】
(第2実施形態)
本実施形態は、図3に示すように、室外器8を放熱器を空気流れに対して直列に並んだ第1、2放熱器8a、8bにて構成してするととともに、脱離工程にある吸着器5から流出した熱媒体を空気流れ下流側の第1放熱器8aから空気流れ上流側の第2放熱器8bに向けて流し、かつ、冷却水供給装置は空気流れ上流側の第2放熱器8bの表面に冷却水を供給するようにしたものである。
【0074】
また、第1実施形態では、ノズル20にて冷却水を噴霧していたが、本実施形態では、分配器21により第2放熱器8b側全体に均等に冷却水を供給することにより、冷却水が飛び散ることを防止している。
【0075】
これにより、第2放熱器8bに供給された冷却水の全てを冷却に利用するできるので、冷凍機4の冷凍能力を確実に向上させることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、少なくとも第2放熱器8bの表面(特に、チューブやフィン等の放熱部)に濡れ性を向上させる表面処理を施すことにより、第2放熱器8bの表面が均等に濡れるようにしている。因みに、表面処理としては、親水性アクリル系樹脂処理、ノンクロメート処理、及びリン酸クロメート+有機系処理等がある。
【0077】
また、空気流れ上流側の第2放熱器8bに冷却水を供給するので、空気流れ下流側の第1放熱器8aに流れ込む冷却風の温度上昇を抑制することができ、室外器8の放熱能力を向上させることができる。
【0078】
また、熱媒体を空気流れ下流側の第1放熱器8aから空気流れ上流側の第2放熱器8bに向けて流すので、熱媒体と冷却風とが巨視的に対向流れとなるので、室外器8の放熱能力を向上させることができる。
【0079】
したがって、本実施形態では、第1実施形態に係る冷却システムより少ない量の冷却水にて第1実施形態に係る冷却システムと同等の冷凍能力を得ることができる。
【0080】
(第3実施形態)
本実施形態は、第2実施形態の変形例である。具体的には、図4に示すように、冷凍機4の冷却作用により凝縮水を発生させる熱交換器8dを室外器8、つまり第2放熱器8bの空気流れ上流側に設置するとともに、タンク19を熱交換器8dの下方側に配置して熱交換器8dにて生成された凝縮水がタンク19に供給されるようにし構成し、冷凍機4の冷却能力が余剰状態にあるときに、バルブ17cを開いて冷凍機4にて生成された低温の冷却水を熱交換器8dに導いて凝縮水を生成するものである。
【0081】
なお、本実施形態では、タンク19及び熱交換器8dにより、「特許請求の範囲に記載された凝縮水供給手段が構成される。
【0082】
これにより、冷却水を確実にタンク19に溜めることができるので、冷却システムの信頼性をさらに向上させることができる。
【0083】
また、熱交換器8dを室外器8の空気流れ上流側に設置しているので、室外器8の冷却風温度を低下させることができるので、室外器8の放冷能力、つまり冷凍機4の冷凍能力を向上させることができる。
【0084】
(第4実施形態)
本実施形態は、図5〜7に示すように、雨水を捕捉してタンク19に供給する雨水供給手段をなす雨水捕集タンク22を設けたものである。
【0085】
なお、図5は第1実施形態に対して本実施形態を適用したものであり、図6は第2実施形態に対して本実施形態を適用したものであり、図7は第3実施形態に対して本実施形態を適用したものである。
【0086】
(第5実施形態)
上述の実施形態では、吸着工程にある吸着剤の関係湿度が所定値以下である状態、及び脱離工程にある吸着剤の関係湿度が所定値以上である状態のうち少なくとも一方の状態が成立したときに、室外器8の外表面に冷却水を供給するしたが、本実施形態は、水道等により冷却水が供給されている間は、常に室外器8の外表面に冷却水を供給し続け、冷却水の供給が停止したときは、吸着工程にある吸着剤の関係湿度が所定値以下である状態、及び脱離工程にある吸着剤の関係湿度が所定値以上である状態のうち少なくとも一方の状態が成立したときに、室外器8の外表面に冷却水を供給するものである。
【0087】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、水道水をタンク19に供給したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0088】
また、上述の実施形態では、基地局にを例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ビル、地下室、工場、倉庫、住宅、車庫及び車両等の空間内に配設された複数種類の発熱体(例えば、ガスタービンエンジン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、燃料電池、電子機器、電気機器、電気変換器、蓄電池、動物(人間を含む。)等)の冷却に適用することができる。
【0089】
また、空間は密閉された空間に限定されるものではなく、開空間であってもよい。
【0090】
また、冷媒は水に限定されるものではなく、アルコール等のその他のものであってもよい。
【0091】
また、上述の実施形態では吸着剤(吸着媒体)として固体吸着剤を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、臭化リチウムやアンモニア等の吸収液を含浸させたハイニカム構造状の吸収体を用いてもよい
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図2】吸着剤の水分脱着特性(相対湿度と水分吸着量との関係)を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図6】本発明の第4実施形態の変形例に係る冷却システムの模式図である。
【図7】本発明の第4実施形態の変形例に係る冷却システムの模式図である。
【符号の説明】
4…吸着式冷凍機、5…吸着器、8…室外器、8a…放熱器、
19…タンク、20…ノズル。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発熱体を有するシステムにおいて、これら複数の発熱体を冷却する冷却システムに関するもので、例えば携帯電話基地局内の電子機器、電気機器、電気変換器、バッテリ等の冷却に用いて有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
発熱体の冷却システムとして、出願人は、既に特願2001−182029号を出願しているが、この出願では、第1発熱体から吸熱し、その吸熱した熱により稼働する吸着式冷凍機により第2発熱体を冷却している。
【0003】
しかし、上記出願に記載の発明では、外気温度が高い場合や吸着式冷凍機を稼動させるに十分な廃熱を得ることができず、第2発熱体を十分に冷却できないおそれがある。
【0004】
本発明は、上記点に鑑み、発熱体を確実に冷却することができる冷却システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、閉じられた空間(1)内に存在する第1発熱体(2)から吸熱し、その吸熱した熱により稼働して閉じられた空間(1)内に存在する第2発熱体(3)を冷却する冷凍装置(4)を有し、さらに、冷凍機(4)の放熱器(8)の外表面に冷却水を供給する冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)が設けられていることを特徴とする。
【0006】
これにより、冷却水の蒸発潜熱を利用して冷凍機(4)の冷凍能力を増大させることができるので、外気温度が高い場合であっても、第2発熱体(2)を十分に冷却することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)には、複数箇所から冷却水が供給され得ることを特徴とする。
【0008】
これにより、冷却システムの信頼性を高めめることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に、雨水を供給する雨水供給手段(22)を有することを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明では、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に、冷凍機(4)の冷却作用により発生した凝縮水を供給する凝縮水供給手段(19、8d)を有することを特徴とする。
【0011】
これにより、冷却水を確実に供給することができるので、冷却システムの信頼性を向上させることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、凝縮水供給手段(19、8d)は、冷凍機(4)の冷却能力が余剰状態にあるときに凝縮水を生成することを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載の発明では、凝縮水を生成する熱交換器(8d)が、放熱器(8)の空気流れ上流側に設置されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、放熱器(8)の冷却風温度を低下させることができるので、放熱器(8)の放冷能力、つまり冷凍機(4)の冷凍能力を向上させることができる。
【0015】
請求項7に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、放熱器(8)により気相冷媒を吸着する吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、気相冷媒を吸着している吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下であるときに、放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、放熱器(8)により気相冷媒を吸着する吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、加熱されている吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上であるときに、放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、放熱器(8)により気相冷媒を吸着する吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、気相冷媒を吸着している吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下であって、かつ、加熱されている吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上であるときに、放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とするものである。
【0018】
請求項10に記載の発明では、冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、放熱器(8)により気相冷媒を吸着する吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に冷却水が供給されている間は放熱器(8)の外表面に冷却水を供給し続け、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)への冷却水の供給が停止したときは、気相冷媒を吸着している吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下である状態、及び加熱されている吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上である状態のうち少なくとも一方の状態が成立したときに、放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とするものである。
【0019】
請求項11に記載の発明では、放熱器(8)は、空気流れに対して直列に並んだ複数台の放熱コア(8a、8b)から構成されており、さらに、冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、複数台の放熱コア(8a、8b)のうち空気流れ上流側の放熱コア(8b)の外表面に冷却水を供給することを特徴とする。
【0020】
これにより、空気流れ下流側の放熱コア(8a)に流れ込む冷却風の温度上昇を抑制することができるので、放熱器(8)の放熱能力を向上させることができる。
【0021】
請求項12に記載の発明では、放熱器(8)内を流れる媒体は、複数台の放熱コア(8a、8b)のうち空気流れ下流側の放熱コア(8a)から空気流れ上流側の放熱コア(8b)に向けて流れることを特徴とする。
【0022】
これにより、媒体と冷却風とが巨視的に対向流れとなるので、放熱器(8)の放熱能力を向上させることができる。
【0023】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る冷却システムを携帯電話基地局(以下、基地局と略す。)1内の電子機器の冷却に適用したものであって、基地局1内には、比較的発熱量が多く、かつ、高温となる電波出力用アンプ、電波出力制御盤、整流器、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第1発熱体2と、第1発熱体2より低温で冷却する必要がある回路制御盤、バッテリ、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第2発熱体3と、両発熱体2、3を冷却する冷凍機4(一転鎖線で囲まれた部分)とが設けられている。なお、両発熱体(電気機器)2、3は単独で(独立して)稼動するものではなく、両者2、3が連動して稼動するものである。
【0025】
ここで、冷凍機4は、第1発熱体2から吸熱し、その吸熱した熱により吸着剤を加熱することにより稼働する吸着式冷凍機であり、以下、冷凍機4について述べる。
【0026】
吸着器5は内部が略真空に保たれた状態で冷媒が封入された容器であり、この吸着器5内には、吸着剤と熱媒体とを熱交換する第1熱交換器(吸着コア)6と、熱媒体と吸着器5内に封入された冷媒とを熱交換する第2熱交換器(蒸発/凝縮コア)7とが収納されている。
【0027】
なお、本実施形態では、複数個(2個)の吸着器5a、5bから構成されており、紙面右側の吸着器5a(以下、第1吸着器5aと呼ぶ。)と紙面左側の吸着器5b(以下、第2吸着器5bと呼ぶ。)とは、同じ構成であるので、両者を総称して呼ぶときは、吸着器5と表記する。
【0028】
また、熱交換器6、7の添え字aは第1吸着器5a内の熱交換器であることを示し、熱交換器6、7の添え字bは第2吸着器5b内の熱交換器であることを示す。
【0029】
因みに、吸着剤は、冷媒(本実施形態では、水)を吸着するとともに、加熱されることにより吸着していた冷媒を脱離するもので、本実施形態では、シリカゲルやゼオライト等の固体吸着剤を採用している。
【0030】
また、熱媒体として、本実施形態では、エチレングリコール系の不凍液が混入された水を採用している。
【0031】
室外器8は基地局1の建物外に配設されて熱媒体と室外空気(放熱対象)とを熱交換する室外熱交換器であり、この室外器8は、放熱器8a及び冷却風を送風するファン8cからなるもので、第1放熱器8aは第2放熱器8bより冷却風流れ上流側に設けられている。
【0032】
第1集熱器2aは第1発熱体2で発生する熱を集めてその集めた熱と熱媒体と熱交換させる第1集熱手段であり、第2集熱器3aは第2発熱体3で発生する熱を集めてその集めた熱と熱媒体と熱交換させる第2集熱手段であり、バルブ9a〜9eは熱媒体流れを切り替えるロータリ式バルブであり、ポンプ10a〜10cは熱媒体を循環させるポンプである。
【0033】
バイパス回路16は第1集熱器2aにて加熱された熱媒体をバルブ9a〜9eを迂回して直接に室外器8に導く回路であり、バルブ14a〜14dはバイパス回路16に熱媒体を循環させる場合と循環させない場合とを切替制御する三方バルブであり、リザーブタンク15は熱媒体補給用の補給手段であり、ポンプ10dは非常用のポンプである。
【0034】
なお、ポンプ10dは、ポンプ10a〜10cと異なり、停電時でも稼動することができるように非常用電源から電源の供給を受けるように設定されている。
【0035】
ノズル20は、放熱器8aの外表面のうち空気流れ上流側に冷却水を噴射供給する冷却用水噴射ノズルであり、ポンプ10fはノズル20に冷却水を圧送するポンプ手段であり、タンク19はノズル20に供給する冷却水を一時保管するタンク手段である。
【0036】
冷却水補給管18は水道管に連結されてタンク19に冷却水を補給する冷却水補給手段であり、制御バルブ17aは冷却水補給管18からタンク19に供給される冷却水量を制御するバルブである。
【0037】
ポンプ10e及び冷却用水補給制御バルブ17bは、何らかの原因により冷却水補給管18からタンク19に冷却水を補給することができなくなったときに、バイパス回路16を介してリザーブタンク15内の熱媒体をタンク19に応急補給するための冷却水応急補給手段を構成するものである。
【0038】
そして、本実施形態では、ノズル20、ポンプ10f、タンク19、制御バルブ17a、冷却水補給管18、ポンプ10e及び冷却用水補給制御バルブ17bにより冷却水供給装置が構成され、この冷却水供給装置が「特許請求の範囲」に記載された冷却水供給手段に相当する。
【0039】
次に、本実施形態に係る冷却システムの特徴的作動及びその効果を述べる。
【0040】
1.冷凍機4の基本作動モード
このモードは、以下に述べる第1、2基本作動モードを所定時間毎に切換運転するものである。因みに、所定時間は、吸着剤に吸着されていた冷媒を脱離させるに必要な時間に基づいて適宜選定されるものである。
【0041】
なお、本実施形態では、第1発熱体2は150℃以下となるように冷却(吸熱)されており、第2発熱体3は外気温度(55℃〜60℃)以下程度となるように冷却され、冷凍機4は70℃以上、100℃以下で所定の冷凍能力が発揮するように各種諸元が決定されている。
【0042】
また、以下の作動説明からも明らかなように、冷凍機4を安定稼動させるためには、第2発熱体3の発熱量が常に第1発熱体2の発熱量以下となる必要がある。
【0043】
1.1 第1基本作動モード
このモードでは、第2集熱器3aと第2吸着器5bの第2熱交換器7bとの間で熱媒体を循環させることにより、第2吸着器5b内の冷媒を蒸発させて第2集熱器3aに冷却された熱媒体を供給することによって第2発熱体3を冷却するとともに、第2吸着器5b内で蒸発した気相冷媒(水蒸気)を第2吸着器5b内の吸着剤にて吸着する。
【0044】
このとき、吸着剤は凝縮熱に相当する熱量を発熱し、かつ、吸着剤の温度が上昇すると吸着能力が低下するので、室外器8にて冷却された熱媒体を第2吸着器5bの第1熱交換器6bに供給することにより吸着剤を冷却する。
【0045】
一方、第1吸着器5aの第1熱交換器6aには、第1集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱を、熱媒体を介して第1吸着器5aの吸着剤に供給することより吸着剤を加熱し、吸着剤に吸着していた冷媒を脱離させるとともに、第1吸着器5aの第2熱交換器7aに室外器8にて冷却された熱媒体を供給し、その脱離した気相冷媒(水蒸気)を第2熱交換器7aにて冷却して凝縮させる。
【0046】
以下、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮しつつ、その蒸発した気相冷媒を吸着剤にて吸着させている状態にある吸着器5のことを、「吸着工程にある吸着器5」と呼び、吸着剤を加熱して吸着していた冷媒を脱離させつつ、その脱離した冷媒を冷却凝縮させている状態にある吸着器5のことを、「脱離工程にある吸着器5」と呼ぶ。
【0047】
1.2 第2基本作動モード
このモードはは、第1基本作動モードとは逆に、第1吸着器5aを吸着工程とし、第2吸着器5bを脱離工程とするものである。
【0048】
具体的には、第2集熱器3aと第1吸着器5aの第2熱交換器7aとの間で熱媒体を循環させることにより、第1吸着器5a内の冷媒を蒸発させて第2集熱器3aに冷却された熱媒体を供給することによって第2発熱体3を冷却するとともに、第1吸着器5a内で蒸発した気相冷媒(水蒸気)を第1吸着器5a内の吸着剤にて吸着する。
【0049】
このとき、室外器8にて冷却された熱媒体を第1吸着器5aの第1熱交換器6aに供給することにより吸着剤を冷却する。
【0050】
一方、第2吸着器5bの第1熱交換器6bには、第1集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱を、熱媒体を介して第2吸着器5bの吸着剤に供給することより吸着剤を加熱し、吸着剤に吸着していた冷媒を脱離させるとともに、第2吸着器5bの第2熱交換器7bに室外器8にて冷却された熱媒体を供給し、その脱離した気相冷媒(水蒸気)を第2熱交換器7bにて冷却して凝縮させる。
【0051】
2.過熱運転モード
この運転モードは、第1発熱体2の発熱量が冷凍機4にて吸着可能な所定の熱量を超えたときに実行されるモードである。
【0052】
具体的には、第1基本作動モードと第2基本作動モードとを切り換える際に、第1熱交換器6の熱媒体出口側を切り換えるバルブ9bを、第1熱交換器6の熱媒体入口側を切り換えるバルブ9aより先に切り換え作動させた後、所定時間が経過した後、バルブ9aを作動させるものである。
【0053】
これにより、第1集熱器2aにて熱媒体に吸熱された熱は、吸着材(冷凍機4)に供給されることなく、室外器8より外気中に放熱される。
【0054】
なお、過熱運転モードが実行される時間は、第1発熱体2の発熱量、冷凍機4にて吸着可能な熱量、及び外気温度等に基づいて適宜選定されるものである。
【0055】
3.少熱運転モード
このモードは、第1発熱体2の発熱量が、冷凍機4を稼働させるに必要な所定量の熱量を下回ったときに実行されるモードである。
【0056】
具体的には、第1基本作動モードと第2基本作動モードとを切り換える際に、第1熱交換器6の熱媒体入口側を切り換えるバルブ9aを、第1熱交換器6の熱媒体出口側を切り換えるバルブ9bより先に切り換え作動させた後、所定時間が経過した後、バルブ9bを作動させるものである。
【0057】
これにより、吸着剤を加熱するために第1熱交換器6に供給されていた熱媒体が、室外器8に流れることなく、第1集熱器2aに戻ってくるので、第1発熱体2で発生した熱を無駄なく冷凍機4に供給することができる。
【0058】
なお、少熱運転モードが実行される時間も過熱運転モード時と同様に、第1発熱体2の発熱量、冷凍機4にて吸着可能な熱量、及び外気温度等に基づいて適宜選定されるものである。
【0059】
4.直接冷却モード
このモードは、冬場等の外気温度が十分に低くなり、外気温度が第2発熱体3の冷却温度(第2発熱体3の許容耐熱温度)より低いとき、又は冷凍機4が故障したときに実行されるモードであり、ポンプ10a、10bを停止させるとともに、第1発熱体2(第1集熱器2a)には、第1放熱器8aのみにて冷却された熱媒体が供給され、第2発熱体3(第2集熱器3a)には、第1放熱器8a及び第2放熱器8bにて冷却された熱媒体が供給される。
【0060】
なお、外気温度は、図示しない外気温度センサ(外気温度検出手段)により検出しており、本実施形態では、検出値が15℃以下となったときにこのモードを実行する。
【0061】
また、冷凍機4が故障したか否かの判断は、吸着器5内の圧力が所定値(本実施形態では、70KPa)以上となったとき、吸着工程にある吸着器5の第2熱交換器7から流出する熱媒体の温度が所定値(本実施形態では、20℃)以上となったとき、吸着工程にある吸着器5の第2熱交換器7から流出する熱媒体の温度が第2熱交換器7の入口における熱媒体温度と等しくなったとき、及び吸着器5の第1熱交換器6に流入する熱媒体温度と第1熱交換器6から流出する熱媒体温度とが等しくなったときのいずれかの場合に冷凍機4が故障したものと見なしている。
【0062】
5.冷却能力が不足したときの冷却モード
冷凍機4は、前述したように、冷媒を蒸発させて冷凍能力を発揮しつつ、その蒸発した気相冷媒を吸着剤にて吸着することにより冷凍能力を持続的に発揮するとともに、第1基本作動モードと第2基本作動モードとを交互に切り換え運転することにより吸着剤の吸着能力が飽和した後も連続的に冷凍能力を発揮させている。
【0063】
一方、吸着剤は、その種類によって具体的な特性は相違するものの、図2に示すように、概ね吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度の上昇に応じて吸着可能な水分量(吸着量)が増大する。なお、以下、「吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度」を関係湿度と呼ぶ。
【0064】
したがって、外気温度が高く、吸着工程にある吸着剤を十分に冷却することができないときは、吸着剤が気相冷媒を吸着する際に発生する吸着熱により関係湿度が上昇して吸着剤の吸着能力が低下してしまう。
【0065】
そして、吸着能力が低下すると、吸着器5内の圧力が上昇するため、冷媒の蒸発が減少又は停止し、冷凍能力が低下又は停止してしまう。
【0066】
また、第1発熱体2で発生する熱量及び温度が低いと、熱脱離工程にある吸着剤を十分に加熱することができないの、関係湿度を十分に低下させることができず、十分な量の冷媒を吸着剤から脱離させることができない。
【0067】
そして、十分な量の冷媒を吸着剤から脱離させることができないと、吸着工程時に十分な量の冷媒を蒸発させることができないので、冷凍能力が低下を招いてしまう。
【0068】
そこで、本実施形態では、外気温度が高くなって吸着工程にある関係湿度が所定値以下であるため所定の冷凍能力が発生しないとき、第1発熱体2の発熱量が低下して脱離工程にある関係湿度が所定値以上であるため所定の冷凍能力が発生しないとき、又は吸着工程にある関係湿度が所定値以下であって、かつ、脱離工程にある関係湿度が所定値以上であるため所定の冷凍能力が発生しないときには、ノズル20から室外器8、つまり放熱器8aの外表面に冷却水を噴霧供給することにより、冷却水の蒸発潜熱を利用して冷凍機4にて所定以上の冷凍能力を発生させる。
【0069】
これにより、外気温度が高い場合、つまり空冷にて吸着剤を十分に冷却できない場合や冷凍機4を稼動させるに十分な廃熱を得ることができない場合であっても、第2発熱体2を十分に冷却することができる。
【0070】
また、本実施形態では、空冷を基本として発熱体の冷却を行うので、仮に冷却水供給装置が不具合が発生しても、空冷にて冷凍機4を稼動させることができる。したがって、冷却システム全体が停止してしまうことを防止できるので、冷却システムの信頼性を高めることができる。
【0071】
延いては、冷却システムの信頼性を高めつつ、外気温度が高い場合や冷凍機4を稼動させるに十分な廃熱を得ることができない場合であっても、第2発熱体2を十分に冷却することができる。
【0072】
また、何らかの原因により冷却水補給管18からタンク19に冷却水を補給することができなくなったときには、バイパス回路16を介してリザーブタンク15内の熱媒体をタンク19に応急補給するので、冷却水供給装置は、複数箇所から冷却水が供給され得るように構成されたことなる。したがって、冷却システムの信頼性を高めめることができる。
【0073】
(第2実施形態)
本実施形態は、図3に示すように、室外器8を放熱器を空気流れに対して直列に並んだ第1、2放熱器8a、8bにて構成してするととともに、脱離工程にある吸着器5から流出した熱媒体を空気流れ下流側の第1放熱器8aから空気流れ上流側の第2放熱器8bに向けて流し、かつ、冷却水供給装置は空気流れ上流側の第2放熱器8bの表面に冷却水を供給するようにしたものである。
【0074】
また、第1実施形態では、ノズル20にて冷却水を噴霧していたが、本実施形態では、分配器21により第2放熱器8b側全体に均等に冷却水を供給することにより、冷却水が飛び散ることを防止している。
【0075】
これにより、第2放熱器8bに供給された冷却水の全てを冷却に利用するできるので、冷凍機4の冷凍能力を確実に向上させることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、少なくとも第2放熱器8bの表面(特に、チューブやフィン等の放熱部)に濡れ性を向上させる表面処理を施すことにより、第2放熱器8bの表面が均等に濡れるようにしている。因みに、表面処理としては、親水性アクリル系樹脂処理、ノンクロメート処理、及びリン酸クロメート+有機系処理等がある。
【0077】
また、空気流れ上流側の第2放熱器8bに冷却水を供給するので、空気流れ下流側の第1放熱器8aに流れ込む冷却風の温度上昇を抑制することができ、室外器8の放熱能力を向上させることができる。
【0078】
また、熱媒体を空気流れ下流側の第1放熱器8aから空気流れ上流側の第2放熱器8bに向けて流すので、熱媒体と冷却風とが巨視的に対向流れとなるので、室外器8の放熱能力を向上させることができる。
【0079】
したがって、本実施形態では、第1実施形態に係る冷却システムより少ない量の冷却水にて第1実施形態に係る冷却システムと同等の冷凍能力を得ることができる。
【0080】
(第3実施形態)
本実施形態は、第2実施形態の変形例である。具体的には、図4に示すように、冷凍機4の冷却作用により凝縮水を発生させる熱交換器8dを室外器8、つまり第2放熱器8bの空気流れ上流側に設置するとともに、タンク19を熱交換器8dの下方側に配置して熱交換器8dにて生成された凝縮水がタンク19に供給されるようにし構成し、冷凍機4の冷却能力が余剰状態にあるときに、バルブ17cを開いて冷凍機4にて生成された低温の冷却水を熱交換器8dに導いて凝縮水を生成するものである。
【0081】
なお、本実施形態では、タンク19及び熱交換器8dにより、「特許請求の範囲に記載された凝縮水供給手段が構成される。
【0082】
これにより、冷却水を確実にタンク19に溜めることができるので、冷却システムの信頼性をさらに向上させることができる。
【0083】
また、熱交換器8dを室外器8の空気流れ上流側に設置しているので、室外器8の冷却風温度を低下させることができるので、室外器8の放冷能力、つまり冷凍機4の冷凍能力を向上させることができる。
【0084】
(第4実施形態)
本実施形態は、図5〜7に示すように、雨水を捕捉してタンク19に供給する雨水供給手段をなす雨水捕集タンク22を設けたものである。
【0085】
なお、図5は第1実施形態に対して本実施形態を適用したものであり、図6は第2実施形態に対して本実施形態を適用したものであり、図7は第3実施形態に対して本実施形態を適用したものである。
【0086】
(第5実施形態)
上述の実施形態では、吸着工程にある吸着剤の関係湿度が所定値以下である状態、及び脱離工程にある吸着剤の関係湿度が所定値以上である状態のうち少なくとも一方の状態が成立したときに、室外器8の外表面に冷却水を供給するしたが、本実施形態は、水道等により冷却水が供給されている間は、常に室外器8の外表面に冷却水を供給し続け、冷却水の供給が停止したときは、吸着工程にある吸着剤の関係湿度が所定値以下である状態、及び脱離工程にある吸着剤の関係湿度が所定値以上である状態のうち少なくとも一方の状態が成立したときに、室外器8の外表面に冷却水を供給するものである。
【0087】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、水道水をタンク19に供給したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0088】
また、上述の実施形態では、基地局にを例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ビル、地下室、工場、倉庫、住宅、車庫及び車両等の空間内に配設された複数種類の発熱体(例えば、ガスタービンエンジン、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、燃料電池、電子機器、電気機器、電気変換器、蓄電池、動物(人間を含む。)等)の冷却に適用することができる。
【0089】
また、空間は密閉された空間に限定されるものではなく、開空間であってもよい。
【0090】
また、冷媒は水に限定されるものではなく、アルコール等のその他のものであってもよい。
【0091】
また、上述の実施形態では吸着剤(吸着媒体)として固体吸着剤を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、臭化リチウムやアンモニア等の吸収液を含浸させたハイニカム構造状の吸収体を用いてもよい
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図2】吸着剤の水分脱着特性(相対湿度と水分吸着量との関係)を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図6】本発明の第4実施形態の変形例に係る冷却システムの模式図である。
【図7】本発明の第4実施形態の変形例に係る冷却システムの模式図である。
【符号の説明】
4…吸着式冷凍機、5…吸着器、8…室外器、8a…放熱器、
19…タンク、20…ノズル。
Claims (12)
- 閉じられた空間(1)内に存在する第1発熱体(2)から吸熱し、その吸熱した熱により稼働して閉じられた空間(1)内に存在する第2発熱体(3)を冷却する冷凍装置(4)を有し、
さらに、前記冷凍機(4)の放熱器(8)の外表面に冷却水を供給する冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)が設けられていることを特徴とする発熱体の冷却システム。 - 前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)には、複数箇所から冷却水が供給され得ることを特徴とする請求項1に記載の発熱体の冷却システム。
- 前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に、雨水を供給する雨水供給手段(22)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱体の冷却システム。
- 前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に、前記冷凍機(4)の冷却作用により発生した凝縮水を供給する凝縮水供給手段(19、8d)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱体の冷却システム。
- 前記凝縮水供給手段(19、8d)は、前記冷凍機(4)の冷却能力が余剰状態にあるときに凝縮水を生成することを特徴とする請求項4に記載の発熱体の冷却システム。
- 凝縮水を生成する熱交換器(8d)が、前記放熱器(8)の空気流れ上流側に設置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の発熱体の冷却システム。
- 前記冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、前記放熱器(8)により気相冷媒を吸着する前記吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、
さらに、前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、気相冷媒を吸着している前記吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下であるときに、前記放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。 - 前記冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、前記放熱器(8)により気相冷媒を吸着する前記吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、
さらに、前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、加熱されている前記吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上であるときに、前記放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。 - 前記冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、前記放熱器(8)により気相冷媒を吸着する前記吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、
さらに、前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、気相冷媒を吸着している前記吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下であって、かつ、加熱されている前記吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上であるときに、前記放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。 - 前記冷凍機(4)は、蒸発した気相冷媒を吸着し、かつ、加熱されることによりその吸着していた冷媒を脱離する吸着剤を有するとともに、前記放熱器(8)により気相冷媒を吸着する前記吸着剤を冷却するように構成された吸着式冷凍機であり、
さらに、前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)に冷却水が供給されている間は前記放熱器(8)の外表面に冷却水を供給し続け、前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)への冷却水の供給が停止したときは、気相冷媒を吸着している前記吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以下である状態、及び加熱されている前記吸着剤が収納された雰囲気の相対湿度が所定値以上である状態のうち少なくとも一方の状態が成立したときに、前記放熱器(8)の外表面に冷却水を供給することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。 - 前記放熱器(8)は、空気流れに対して直列に並んだ複数台の放熱コア(8a、8b)から構成されており、
さらに、前記冷却水供給手段(20、10f、19、17a、18、10e、17b)は、前記複数台の放熱コア(8a、8b)のうち空気流れ上流側の放熱コア(8b)の外表面に冷却水を供給することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。 - 前記放熱器(8)内を流れる媒体は、前記複数台の放熱コア(8a、8b)のうち空気流れ下流側の放熱コア(8a)から空気流れ上流側の放熱コア(8b)に向けて流れることを特徴とする請求項11に記載の発熱体の冷却システム。
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JP2011047609A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Panasonic Corp | 冷蔵庫 |
KR101917948B1 (ko) * | 2017-03-07 | 2018-11-13 | 서울시립대학교 산학협력단 | 빗물을 이용한 지하 매설식 전기 설비의 방열을 위한 장치 및 이의 방열 방법 |
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2002
- 2002-06-18 JP JP2002177065A patent/JP2004020092A/ja not_active Withdrawn
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