JP2004205155A - 発熱体の冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却システムの消費電力を低減する。
【解決手段】第1発熱体2を外気にて冷却された冷却水にて水冷し、第2発熱体3を冷却水を介して外気にて間接的に空冷するとともに、携帯電話基地局1内温度が20℃以上となったときに、蒸気圧縮式冷凍機8にて携帯電話基地局1内の空気を冷却する。これにより、携帯電話基地局1内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて携帯電話基地局1外に放出する場合に比べて、冷却システムの消費電力を低減することができる。また、蒸気圧縮式冷凍機8が稼動したときには、第2発熱体3で発生した熱量のうち少なくとも室内熱交換器6dで吸熱できなかった熱量分を蒸気圧縮式冷凍機8にて携帯電話基地局1外に放出すればよいので、蒸気圧縮式冷凍機8の消費電力を低減することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1発熱体2を外気にて冷却された冷却水にて水冷し、第2発熱体3を冷却水を介して外気にて間接的に空冷するとともに、携帯電話基地局1内温度が20℃以上となったときに、蒸気圧縮式冷凍機8にて携帯電話基地局1内の空気を冷却する。これにより、携帯電話基地局1内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて携帯電話基地局1外に放出する場合に比べて、冷却システムの消費電力を低減することができる。また、蒸気圧縮式冷凍機8が稼動したときには、第2発熱体3で発生した熱量のうち少なくとも室内熱交換器6dで吸熱できなかった熱量分を蒸気圧縮式冷凍機8にて携帯電話基地局1外に放出すればよいので、蒸気圧縮式冷凍機8の消費電力を低減することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発熱体を有するシステムにおいて、これら複数の発熱体を冷却する冷却システムに関するもので、例えば携帯電話基地局内の電子機器、電気機器、電気変換器、バッテリ等の冷却に用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯電話基地局用冷却システムは、基地局内の空気を電子機器等の発熱体に吹き付けて強制空冷するとともに、基地局内の空気を蒸気圧縮式冷凍機にて冷却することにより発熱体が発生した熱を基地局外に放出している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−83354号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の発明では、基地局内の発熱体全てを基地局内の空気にて強制空冷しているので、基地局内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて基地局外に放出する必要があり、蒸気圧縮式冷凍機の消費動力(消費電力)を低減することが難しい。
【0005】
また、蒸気圧縮式冷凍機を停止させると、実質的に基地局内の発熱体を冷却することができなくなるので、蒸気圧縮式冷凍機を停止させることができず、蒸気圧縮式冷凍機の稼働率が高くなり、蒸気圧縮式冷凍機が故障する可能性が高くなるといった問題を有している。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な発熱体の冷却システムを提供し、第2には、冷却システムの消費動力を低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、閉じられた空間(1)内に存在する第1発熱体(2)及び第2発熱体(3)を冷却する冷却システムであって、第1発熱体(2)を空間(1)外に存在する外気にて冷却された冷却液により冷却する第1冷却手段(5a〜5d)と、第2発熱体(3)を外気にて冷却された空間(1)内に存在する内気により冷却する第2冷却手段(6a〜6f)とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、空間(1)内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて空間(1)外に放出する特許文献1に記載の発明に比べて、冷却システムの消費動力を低減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、外気の温度が所定温度以上となったときに、内気を冷却する冷凍機(8)を備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、空間(1)内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて空間(1)外に放出する特許文献1に記載の発明に比べて、冷凍機(8)の消費動力を低減することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、冷凍機(8)は、圧縮機を有して構成された蒸気圧縮式冷凍機であることを特徴とする。
【0012】
これにより、例えば冷凍機として吸着式冷凍機や吸収式冷凍機等の廃熱を用いた冷凍機に比べて、冷凍機(8)を安定的、かつ、必要なときに必要な能力を容易に発生させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、第2冷却手段(6a〜6f)は、外気と冷却液と熱交換する室外熱交換器(6a)、及び室外熱交換器(6a)にて冷却された冷却液と内気とを熱交換する室内熱交換器(6d)を有して構成された液体循環型であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載の発明では、第2冷却手段(6a〜6f)は、外気により冷媒を凝縮させて放熱する室外熱交換器(6a)、及び室外熱交換器(6a)にて凝縮された冷媒を内気の熱にて吸熱沸騰させる室内熱交換器(6d)を有して構成された沸騰冷却型であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載の発明では、第1発熱体(2)を冷却する冷却液と外気とを熱交換する室外熱交換器(5a)、及び第2冷却手段(6a〜6f)の室外熱交換器(6a)は、同一の構造物(7a)内に収納されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載の発明では、室内熱交換器(6d)は、第2発熱体(3)より空気流れ下流側に配置されていることを特徴とする。
【0017】
これにより、室内熱交換器(6d)には、第2発熱体(3)にて加熱昇温された空気が供給されるので、室外熱交換器(6a)から供給された冷却液と室内熱交換器(6d)に供給される空気、つまり内気との温度差を大きくすることができる。したがって、室内熱交換器(6d)での熱交換効率を高めることができるので、第2発熱体(3)の冷却効率を向上させることができる。
【0018】
請求項8に記載の発明では、第2冷却手段(6a〜6f)は、内気と外気とを伝熱体を介して離隔させた状態で対向流れとした空気対向流型熱交換器であることを特徴とするものである。
【0019】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る発熱体の冷却システムを携帯電話基地局1内の電子機器の冷却に適用したものである。
【0021】
比較的に高い断熱性を有して密閉空間を構成する携帯電話基地局1内には、比較的発熱量が多く、かつ、高温となる電波出力用アンプ、電波出力制御盤、整流器、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第1発熱体2、並びに第1発熱体2より低温で冷却する必要がある回路制御盤、バッテリ、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第2発熱体3が搭載された通信機器ラック4が収納されている。
【0022】
また、第1発熱体2は、第2発熱体3に比べて高い耐熱温度を有するものであり、第1発熱体2は冷却水が循環させられて水冷にて冷却される。一方、第2発熱体3は、電子機器又は電気機器の実装密度が高く、冷却水を循環させることが難しいため、携帯電話基地局1内の空気、つまり内気が吹き付けられることにより強制空冷される。
【0023】
具体的には、第1発熱体2は、携帯電話基地局1外の空気、つまり外気と第1発熱体2を循環した冷却水と熱交換する室外熱交換器5a、室外熱交換器5aに冷却用の外気を送風する送風機5b、冷却水を循環させるポンプ5c、及び室外熱交換器5aと第1発熱体2とを繋ぐ冷却水用配管5d等からなる第1冷却手段にて冷却される。
【0024】
また、第2発熱体3は、外気と冷却水とを熱交換する室外熱交換器6a、室外熱交換器6aに冷却用の外気を送風する送風機6b、冷却水を循環させるポンプ6c、第2発熱体3に対して空気流れ上流側に配置されて室外熱交換器6aにて冷却された冷却水と第2発熱体3に吹き付けられる内気とを熱交換する室内熱交換器6d、第2発熱体3に内気を吹き付ける送風機6e、及び室外熱交換器6aと室内熱交換器6dとを繋ぐ冷却水用配管6f等からなる第2冷却手段にて冷却される。
【0025】
そして、両室外熱交換器5a、6a、送風機5b、6b及びポンプ5c、6cは、同一の構造物をなす室外器カバー7a内に収納されて第1室外機7が構成されている。
【0026】
また、蒸気圧縮式冷凍機8は、携帯電話基地局1内、つまり内気を冷却する冷凍機であり、蒸発器や送風機等が収納されて内気を冷却する室内機8a及び圧縮機や凝縮器等が収納されて内気から吸熱した熱量を外気中に放出する第2室外機8b等からなるものである。
【0027】
内気センサ9は、携帯電話基地局1内、つまり内気の温度を検出する温度検出手段であり、内気センサ9の検出温度が所定温度以上となったときには、前記第1、2冷却手段及び蒸気圧縮式冷凍機8のいずれかが故障したものとみなして、携帯電話基地局1内の空気を強制換気するための換気扇10を稼動させて携帯電話基地局1内を換気する。
【0028】
外気センサ11は携帯電話基地局1外の空気温度、第1室外機7に供給する冷却風の温度を検出するもので、外気センサ11の検出温度は、蒸気圧縮式冷凍機8等の制御パラメータとして用いられる。
【0029】
次に、本実施形態に係る冷却システムの特徴的作動を述べる。
【0030】
1.外気温度が所定温度(例えば、20℃)以下の場合
送風機5bとポンプ5cを稼動させて、外気にて冷却された冷却水により直接的に第1発熱体2を冷却し、かつ、送風機6b、6e及びポンプ6cを稼動させて外気にて冷却された冷却水を介して第2発熱体3を間接的に冷却する。
【0031】
なお、前記所定温度は、第2発熱体3の耐熱温度以下であって、第2発熱体3を強制空冷にて耐熱温度以下に維持することができる温度である。
【0032】
2.外気温度が所定温度(例えば、20℃)より高いの場合
蒸気圧縮式冷凍機8を稼動させて携帯電話基地局1内の空気を冷却する。これにより、発熱体、特に、第2発熱体3を確実に冷却することができる。
【0033】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0034】
本実施形態では、第1発熱体2及び第2発熱体3は、主に外気にて冷却された冷却水を介して外気にて間接的に冷却されるので、携帯電話基地局1内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて携帯電話基地局1外に放出する特許文献1に記載の発明に比べて、冷却システムの消費動力(消費電力)を低減することができる。
【0035】
また、蒸気圧縮式冷凍機8が稼動したときには、第2発熱体3で発生した熱量のうち少なくとも室内熱交換器6dで吸熱できなかった熱量分を蒸気圧縮式冷凍機8にて携帯電話基地局1外に放出すればよいので、携帯電話基地局1内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて携帯電話基地局1外に放出する特許文献1に記載の発明に比べて、蒸気圧縮式冷凍機8の消費動力(消費電力)を低減することができる。
【0036】
なお、図2は冷却すべき熱量と外気温度との関係を示すシミュレーション結果であり、図2(a)は本実施形態を示し、図2(b)は従来技術に係る冷却すべき熱量と外気温度との関係を示している。
【0037】
そして、図2かも明らかなように、蒸気圧縮式冷凍機8の消費動力(消費電力)が大幅に低減されることが解る。
【0038】
因みに、図2に示すシミュレーションは、携帯電話基地局1の壁等を貫通する熱量を1.0kcal/h・m2とし、第1発熱体2の発熱量を5kwとし、第2発熱体3の発熱量を3kwとしたときのものであり、本実施形態によれば、年間の消費電力を特許文献1に記載の従来発明の約1/4とすることができる。
【0039】
また、外気温度が所定温度より高くなったときに蒸気圧縮式冷凍機8を稼動させるので、常に蒸気圧縮式冷凍機を稼動させる特許文献1に記載の発明に比べて、蒸気圧縮式冷凍機8の稼働率を低くすることができる。したがって、蒸気圧縮式冷凍機8が故障する可能性を低くすることができるので、冷却システムの信頼性及び耐久性を向上させることができる。
【0040】
(第2実施形態)
本実施形態は、図3に示すように、室内熱交換器6dを第2発熱体3より空気流れ下流側に配置したものである。
【0041】
これにより、室内熱交換器6dには、第2発熱体3にて加熱昇温された空気が供給されるので、室外熱交換器6aから供給された冷却水と室内熱交換器6dに供給される空気、つまり内気との温度差を第1実施形態よりも大きくすることができる。
【0042】
したがって、室内熱交換器6dでの熱交換効率を高めることができるので、第2発熱体3の冷却効率を向上させることができる。
【0043】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、冷却水の顕熱にて熱を移動させる液体循環型の冷却手段を採用したが、本実施形態は、図4に示すように、外気により冷媒を凝縮させ放熱する室外熱交換器6a、及び室外熱交換器6aにて凝縮された冷媒を内気の熱により吸熱沸騰させる室内熱交換器6dを有して構成された沸騰冷却型の冷却手段を用いたものである。
【0044】
因みに、沸騰冷却型熱交換器とは、代替フロンなどの冷媒を用い、冷媒の自然循環により外気と内気の熱交換を実現する熱交換器であり、室内熱交換器、室外熱交換器とそれらを結ぶ冷媒配管で密封された循環回路には冷媒が規定量(室内熱交換器内が液体冷媒、室外熱交換器が気体冷媒となる量)封入されており、内外の温度差により、室内熱交換器では冷媒が沸騰し、室外熱交換器では冷媒が凝縮する。
【0045】
そして、これらの冷媒は重力の影響で気体は上方へ、液体は下方へと移動するため、冷媒が自然と循環する。このとき、室内熱交換器では冷媒の沸騰により気化熱を奪われるため吸熱され、室外熱交換器では冷媒の凝縮により放熱されるという形の熱交換器です。したがって、必ず室内熱交換器より室外熱交換器が位置的に上方に配置されている。
【0046】
なお、図4では、通信機器ラック4の最上部に室内熱交換器6dを配置し、第2発熱体3で発生した熱量は勿論のこと、第1発熱体2で発生した熱量も回収した空気を室内熱交換器6dに供給している。
【0047】
(その他の実施形態)
第2冷却手段は、上述の実施形態に示されたものに限定されるものではなく、例えば、内気と外気とを金属板等の伝熱体を介して離隔させた状態で対向流れ(直交対向流も含む。)とした空気対向流型の熱交換器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図2】冷却すべき熱量と外気温度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【符号の説明】
1…携帯電話基地局、2…第1発熱体、3…第2発熱体、4…ラック、
5a、6a…室外熱交換器、5b、6b…送風機、5c、6c…ポンプ、
6d…室内熱交換器、8…蒸気圧縮式冷凍機、9…内気センサ、
10…換気扇、11…外気センサ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の発熱体を有するシステムにおいて、これら複数の発熱体を冷却する冷却システムに関するもので、例えば携帯電話基地局内の電子機器、電気機器、電気変換器、バッテリ等の冷却に用いて有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯電話基地局用冷却システムは、基地局内の空気を電子機器等の発熱体に吹き付けて強制空冷するとともに、基地局内の空気を蒸気圧縮式冷凍機にて冷却することにより発熱体が発生した熱を基地局外に放出している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−83354号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の発明では、基地局内の発熱体全てを基地局内の空気にて強制空冷しているので、基地局内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて基地局外に放出する必要があり、蒸気圧縮式冷凍機の消費動力(消費電力)を低減することが難しい。
【0005】
また、蒸気圧縮式冷凍機を停止させると、実質的に基地局内の発熱体を冷却することができなくなるので、蒸気圧縮式冷凍機を停止させることができず、蒸気圧縮式冷凍機の稼働率が高くなり、蒸気圧縮式冷凍機が故障する可能性が高くなるといった問題を有している。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な発熱体の冷却システムを提供し、第2には、冷却システムの消費動力を低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、閉じられた空間(1)内に存在する第1発熱体(2)及び第2発熱体(3)を冷却する冷却システムであって、第1発熱体(2)を空間(1)外に存在する外気にて冷却された冷却液により冷却する第1冷却手段(5a〜5d)と、第2発熱体(3)を外気にて冷却された空間(1)内に存在する内気により冷却する第2冷却手段(6a〜6f)とを備えることを特徴とする。
【0008】
これにより、空間(1)内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて空間(1)外に放出する特許文献1に記載の発明に比べて、冷却システムの消費動力を低減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、外気の温度が所定温度以上となったときに、内気を冷却する冷凍機(8)を備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、空間(1)内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて空間(1)外に放出する特許文献1に記載の発明に比べて、冷凍機(8)の消費動力を低減することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、冷凍機(8)は、圧縮機を有して構成された蒸気圧縮式冷凍機であることを特徴とする。
【0012】
これにより、例えば冷凍機として吸着式冷凍機や吸収式冷凍機等の廃熱を用いた冷凍機に比べて、冷凍機(8)を安定的、かつ、必要なときに必要な能力を容易に発生させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、第2冷却手段(6a〜6f)は、外気と冷却液と熱交換する室外熱交換器(6a)、及び室外熱交換器(6a)にて冷却された冷却液と内気とを熱交換する室内熱交換器(6d)を有して構成された液体循環型であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項5に記載の発明では、第2冷却手段(6a〜6f)は、外気により冷媒を凝縮させて放熱する室外熱交換器(6a)、及び室外熱交換器(6a)にて凝縮された冷媒を内気の熱にて吸熱沸騰させる室内熱交換器(6d)を有して構成された沸騰冷却型であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載の発明では、第1発熱体(2)を冷却する冷却液と外気とを熱交換する室外熱交換器(5a)、及び第2冷却手段(6a〜6f)の室外熱交換器(6a)は、同一の構造物(7a)内に収納されていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項7に記載の発明では、室内熱交換器(6d)は、第2発熱体(3)より空気流れ下流側に配置されていることを特徴とする。
【0017】
これにより、室内熱交換器(6d)には、第2発熱体(3)にて加熱昇温された空気が供給されるので、室外熱交換器(6a)から供給された冷却液と室内熱交換器(6d)に供給される空気、つまり内気との温度差を大きくすることができる。したがって、室内熱交換器(6d)での熱交換効率を高めることができるので、第2発熱体(3)の冷却効率を向上させることができる。
【0018】
請求項8に記載の発明では、第2冷却手段(6a〜6f)は、内気と外気とを伝熱体を介して離隔させた状態で対向流れとした空気対向流型熱交換器であることを特徴とするものである。
【0019】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る発熱体の冷却システムを携帯電話基地局1内の電子機器の冷却に適用したものである。
【0021】
比較的に高い断熱性を有して密閉空間を構成する携帯電話基地局1内には、比較的発熱量が多く、かつ、高温となる電波出力用アンプ、電波出力制御盤、整流器、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第1発熱体2、並びに第1発熱体2より低温で冷却する必要がある回路制御盤、バッテリ、電子機器、電気機器及び電気変換器等からなる第2発熱体3が搭載された通信機器ラック4が収納されている。
【0022】
また、第1発熱体2は、第2発熱体3に比べて高い耐熱温度を有するものであり、第1発熱体2は冷却水が循環させられて水冷にて冷却される。一方、第2発熱体3は、電子機器又は電気機器の実装密度が高く、冷却水を循環させることが難しいため、携帯電話基地局1内の空気、つまり内気が吹き付けられることにより強制空冷される。
【0023】
具体的には、第1発熱体2は、携帯電話基地局1外の空気、つまり外気と第1発熱体2を循環した冷却水と熱交換する室外熱交換器5a、室外熱交換器5aに冷却用の外気を送風する送風機5b、冷却水を循環させるポンプ5c、及び室外熱交換器5aと第1発熱体2とを繋ぐ冷却水用配管5d等からなる第1冷却手段にて冷却される。
【0024】
また、第2発熱体3は、外気と冷却水とを熱交換する室外熱交換器6a、室外熱交換器6aに冷却用の外気を送風する送風機6b、冷却水を循環させるポンプ6c、第2発熱体3に対して空気流れ上流側に配置されて室外熱交換器6aにて冷却された冷却水と第2発熱体3に吹き付けられる内気とを熱交換する室内熱交換器6d、第2発熱体3に内気を吹き付ける送風機6e、及び室外熱交換器6aと室内熱交換器6dとを繋ぐ冷却水用配管6f等からなる第2冷却手段にて冷却される。
【0025】
そして、両室外熱交換器5a、6a、送風機5b、6b及びポンプ5c、6cは、同一の構造物をなす室外器カバー7a内に収納されて第1室外機7が構成されている。
【0026】
また、蒸気圧縮式冷凍機8は、携帯電話基地局1内、つまり内気を冷却する冷凍機であり、蒸発器や送風機等が収納されて内気を冷却する室内機8a及び圧縮機や凝縮器等が収納されて内気から吸熱した熱量を外気中に放出する第2室外機8b等からなるものである。
【0027】
内気センサ9は、携帯電話基地局1内、つまり内気の温度を検出する温度検出手段であり、内気センサ9の検出温度が所定温度以上となったときには、前記第1、2冷却手段及び蒸気圧縮式冷凍機8のいずれかが故障したものとみなして、携帯電話基地局1内の空気を強制換気するための換気扇10を稼動させて携帯電話基地局1内を換気する。
【0028】
外気センサ11は携帯電話基地局1外の空気温度、第1室外機7に供給する冷却風の温度を検出するもので、外気センサ11の検出温度は、蒸気圧縮式冷凍機8等の制御パラメータとして用いられる。
【0029】
次に、本実施形態に係る冷却システムの特徴的作動を述べる。
【0030】
1.外気温度が所定温度(例えば、20℃)以下の場合
送風機5bとポンプ5cを稼動させて、外気にて冷却された冷却水により直接的に第1発熱体2を冷却し、かつ、送風機6b、6e及びポンプ6cを稼動させて外気にて冷却された冷却水を介して第2発熱体3を間接的に冷却する。
【0031】
なお、前記所定温度は、第2発熱体3の耐熱温度以下であって、第2発熱体3を強制空冷にて耐熱温度以下に維持することができる温度である。
【0032】
2.外気温度が所定温度(例えば、20℃)より高いの場合
蒸気圧縮式冷凍機8を稼動させて携帯電話基地局1内の空気を冷却する。これにより、発熱体、特に、第2発熱体3を確実に冷却することができる。
【0033】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0034】
本実施形態では、第1発熱体2及び第2発熱体3は、主に外気にて冷却された冷却水を介して外気にて間接的に冷却されるので、携帯電話基地局1内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて携帯電話基地局1外に放出する特許文献1に記載の発明に比べて、冷却システムの消費動力(消費電力)を低減することができる。
【0035】
また、蒸気圧縮式冷凍機8が稼動したときには、第2発熱体3で発生した熱量のうち少なくとも室内熱交換器6dで吸熱できなかった熱量分を蒸気圧縮式冷凍機8にて携帯電話基地局1外に放出すればよいので、携帯電話基地局1内で発生した全ての熱量を蒸気圧縮式冷凍機にて携帯電話基地局1外に放出する特許文献1に記載の発明に比べて、蒸気圧縮式冷凍機8の消費動力(消費電力)を低減することができる。
【0036】
なお、図2は冷却すべき熱量と外気温度との関係を示すシミュレーション結果であり、図2(a)は本実施形態を示し、図2(b)は従来技術に係る冷却すべき熱量と外気温度との関係を示している。
【0037】
そして、図2かも明らかなように、蒸気圧縮式冷凍機8の消費動力(消費電力)が大幅に低減されることが解る。
【0038】
因みに、図2に示すシミュレーションは、携帯電話基地局1の壁等を貫通する熱量を1.0kcal/h・m2とし、第1発熱体2の発熱量を5kwとし、第2発熱体3の発熱量を3kwとしたときのものであり、本実施形態によれば、年間の消費電力を特許文献1に記載の従来発明の約1/4とすることができる。
【0039】
また、外気温度が所定温度より高くなったときに蒸気圧縮式冷凍機8を稼動させるので、常に蒸気圧縮式冷凍機を稼動させる特許文献1に記載の発明に比べて、蒸気圧縮式冷凍機8の稼働率を低くすることができる。したがって、蒸気圧縮式冷凍機8が故障する可能性を低くすることができるので、冷却システムの信頼性及び耐久性を向上させることができる。
【0040】
(第2実施形態)
本実施形態は、図3に示すように、室内熱交換器6dを第2発熱体3より空気流れ下流側に配置したものである。
【0041】
これにより、室内熱交換器6dには、第2発熱体3にて加熱昇温された空気が供給されるので、室外熱交換器6aから供給された冷却水と室内熱交換器6dに供給される空気、つまり内気との温度差を第1実施形態よりも大きくすることができる。
【0042】
したがって、室内熱交換器6dでの熱交換効率を高めることができるので、第2発熱体3の冷却効率を向上させることができる。
【0043】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、冷却水の顕熱にて熱を移動させる液体循環型の冷却手段を採用したが、本実施形態は、図4に示すように、外気により冷媒を凝縮させ放熱する室外熱交換器6a、及び室外熱交換器6aにて凝縮された冷媒を内気の熱により吸熱沸騰させる室内熱交換器6dを有して構成された沸騰冷却型の冷却手段を用いたものである。
【0044】
因みに、沸騰冷却型熱交換器とは、代替フロンなどの冷媒を用い、冷媒の自然循環により外気と内気の熱交換を実現する熱交換器であり、室内熱交換器、室外熱交換器とそれらを結ぶ冷媒配管で密封された循環回路には冷媒が規定量(室内熱交換器内が液体冷媒、室外熱交換器が気体冷媒となる量)封入されており、内外の温度差により、室内熱交換器では冷媒が沸騰し、室外熱交換器では冷媒が凝縮する。
【0045】
そして、これらの冷媒は重力の影響で気体は上方へ、液体は下方へと移動するため、冷媒が自然と循環する。このとき、室内熱交換器では冷媒の沸騰により気化熱を奪われるため吸熱され、室外熱交換器では冷媒の凝縮により放熱されるという形の熱交換器です。したがって、必ず室内熱交換器より室外熱交換器が位置的に上方に配置されている。
【0046】
なお、図4では、通信機器ラック4の最上部に室内熱交換器6dを配置し、第2発熱体3で発生した熱量は勿論のこと、第1発熱体2で発生した熱量も回収した空気を室内熱交換器6dに供給している。
【0047】
(その他の実施形態)
第2冷却手段は、上述の実施形態に示されたものに限定されるものではなく、例えば、内気と外気とを金属板等の伝熱体を介して離隔させた状態で対向流れ(直交対向流も含む。)とした空気対向流型の熱交換器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図2】冷却すべき熱量と外気温度との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る冷却システムの模式図である。
【符号の説明】
1…携帯電話基地局、2…第1発熱体、3…第2発熱体、4…ラック、
5a、6a…室外熱交換器、5b、6b…送風機、5c、6c…ポンプ、
6d…室内熱交換器、8…蒸気圧縮式冷凍機、9…内気センサ、
10…換気扇、11…外気センサ。
Claims (8)
- 閉じられた空間(1)内に存在する第1発熱体(2)及び第2発熱体(3)を冷却する冷却システムであって、
前記第1発熱体(2)を前記空間(1)外に存在する外気にて冷却された冷却液により冷却する第1冷却手段(5a〜5d)と、
前記第2発熱体(3)を前記外気にて冷却された前記空間(1)内に存在する内気により冷却する第2冷却手段(6a〜6f)とを備えることを特徴とする発熱体の冷却システム。 - 前記外気の温度が所定温度以上となったときに、前記内気を冷却する冷凍機(8)を備えることを特徴とする請求項1に記載の発熱体の冷却システム。
- 前記冷凍機(8)は、圧縮機を有して構成された蒸気圧縮式冷凍機であることを特徴とする請求項2に記載の発熱体の冷却システム。
- 前記第2冷却手段(6a〜6f)は、前記外気と冷却液と熱交換する室外熱交換器(6a)、及び前記室外熱交換器(6a)にて冷却された冷却液と前記内気とを熱交換する室内熱交換器(6d)を有して構成された液体循環型であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。
- 前記第2冷却手段(6a〜6f)は、前記外気により冷媒を凝縮させて放熱する室外熱交換器(6a)、及び前記室外熱交換器(6a)にて凝縮された冷媒を前記内気の熱にて吸熱沸騰させる室内熱交換器(6d)を有して構成された沸騰冷却型であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。
- 前記第1発熱体(2)を冷却する前記冷却液と前記外気とを熱交換する室外熱交換器(5a)、及び前記第2冷却手段(6a〜6f)の前記室外熱交換器(6a)は、同一の構造物(7a)内に収納されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の発熱体の冷却システム。
- 前記室内熱交換器(6d)は、前記第2発熱体(3)より空気流れ下流側に配置されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。
- 前記第2冷却手段(6a〜6f)は、前記内気と前記外気とを伝熱体を介して離隔させた状態で対向流れとした空気対向流型熱交換器であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の発熱体の冷却システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009525456A (ja) * | 2006-02-07 | 2009-07-09 | チャンジョ 21 シーオー.,エルティディ. | 通信装備用冷房装置及びその制御方法 |
JP2010205902A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Toshiba Corp | 電子機器 |
JP2015055417A (ja) * | 2013-09-12 | 2015-03-23 | 株式会社雪屋媚山商店 | 排雪利用型熱供給制御システム |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002376872A patent/JP2004205155A/ja not_active Withdrawn
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