JP2004203936A - 樹脂組成物およびフィルム - Google Patents

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Juichi Kobayashi
重一 小林
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Abstract

【課題】低光沢性、不透明性、強度、耐熱剥離性および柔軟性に優れるポリエチレン系樹脂フィルムを得ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含有してなるフィルムを提供すること。
【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含有し、成分(A)〜(C)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が21〜64重量%、成分(B)の含有量が6〜49重量%、成分(C)の含有量が16〜70重量%である樹脂組成物。
(A):該酸素原子を有する単量体単位の含有量が15〜35重量%であり、メルトフローレートが1〜20g/10分である含酸素エチレン系共重合体
(B):メタロセン系触媒を使用して製造され、メルトフローレートが0.5〜40g/10分であり、密度が875〜930Kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体
(C):メルトフローレートが0.05〜1.5g/10分である高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレン系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物を含有してなるフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン系樹脂フィルムは、衛生性、コストの観点から、種々の分野に用いる検討が行われている。例えば、ティッシュペーパー、紙おむつ、生理用品等を包装するフィルム;使い捨ての雨具などの雑貨;台所、工場、食料品店、ホテル、病院等で簡易に使用されるプラスチックフィルム製手袋などの用途には、低光沢、不透明、高強度、高柔軟であることが求められ、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体と高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンからなるフィルムや、エチレン−酢酸ビニル共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンからなるフィルムなどが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−4846号公報
【特許文献2】
特開2002−105252号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のフィルムでは、十分満足のいく柔軟性が得られないことがあったり、また、夏場等に倉庫でフィルムを保管した場合、フィルムにブロッキングが発生することがあり、十分満足のいく耐熱剥離性が得られないことがあった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、低光沢性、不透明性、強度に優れ、耐熱剥離性および柔軟性にも優れるポリエチレン系樹脂フィルムを得ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含有してなるフィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明の第一は、下記成分(A)〜(C)を含有し、成分(A)〜(C)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が21〜64重量%であり、成分(B)の含有量が6〜49重量%であり、成分(C)の含有量が16〜70重量%である樹脂組成物にかかるものである。
(A):酸素原子を有する単量体単位とエチレン単量体単位とを含有する含酸素エチレン系共重合体であって、該酸素原子を有する単量体単位の含有量が15〜35重量%(ただし、含酸素エチレン系共重合体中の全単量体単位含有量を100重量%とする。)であり、メルトフローレートが1〜20g/10分である含酸素エチレン系共重合体
(B):メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが0.5〜40g/10分であり、密度が875〜930Kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体
(C):メルトフローレートが0.05〜1.5g/10分である高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
本発明の第二は、上記樹脂組成物を含有してなるフィルムにかかるものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる成分(A)の含酸素エチレン系共重合体は、酸素原子を有する単量体単位とエチレン単量体単位とを含有する共重合体である。酸素原子を有する単量体単位に用いられる単量体としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、カルボン酸ビニルエステル、ビニルエーテル類が挙げられる。好ましくは、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルである。
【0007】
α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等が挙げられ、カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられ、ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等が挙げられる。好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートである。
【0008】
成分(A)の含酸素エチレン系共重合体中の酸素原子を有する単量体単位の含有量は、15〜35重量%であり、好ましくは17〜33重量%であり、より好ましくは19〜30重量%である。該含有量が少なすぎるとフィルムの低光沢性、不透明性、および耐熱剥離性が劣ることがあり、該含有量が多すぎるとフィルムの耐熱剥離性が劣ることがある。ただし、含酸素エチレン系共重合体中の全単量体単位含有量を100重量%とする。
【0009】
成分(A)の含酸素エチレン系共重合体のメルトフローレート(MFR)は、1〜20g/10分であり、好ましくは1.3〜15g/分であり、より好ましくは1.5〜10g/10分である。該MFRが小さすぎると、フィルムの低光沢性、不透明性が劣ることがあり、該MFRが大きすぎると、フィルムの強度が劣ることがある。なお、MFRは、JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0010】
成分(A)の含酸素エチレン系共重合体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が用いられる。例えば、酸素原子を有する単量体とエチレンをラジカル発生剤の存在下、50〜400MPa、100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合させる高圧ラジカル重合法等を挙げることができる。
【0011】
本発明で用いられる成分(B)のメタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンと1種類以上の炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体である。炭素原子数3〜12のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等が挙げられ、好ましくはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1であり、より好ましくはブテン−1、ヘキセン−1である。
【0012】
成分(B)のメタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体等があげられ、好ましくは、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体であり、より好ましくはエチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体である。
【0013】
成分(B)のメタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体のMFRは0.5〜40g/10分であり、好ましくは0.7〜30g/10分であり、より好ましくは0.9〜20g/10分である。該MFRが小さすぎると、フィルムの成形において押出し負荷が高くなり過ぎることがあり、該MFRが大きすぎると、フィルムの低光沢性、不透明性および強度が劣ることがある。なお、MFRは、JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0014】
成分(B)のメタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、875〜930Kg/m3であり、好ましくは877〜927Kg/m3であり、より好ましくは879〜925Kg/m3である。該密度が小さすぎると、フィルムの耐熱剥離性が劣ることがあり、該密度が大きすぎると、フィルムの剛性が増し、柔軟性が劣ることがある。なお、成分(B)の密度は、JIS K6760に従い、アニール無しの条件で測定される。
【0015】
成分(B)のメタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体はメタロセン系触媒を使用して、公知の重合方法によって製造される。該メタロセン系触媒としては、例えば、メタロセン錯体とアルミノキサンとからなる触媒、メタロセン錯体と有機アルミニウム化合物および/またはホウ素化合物からなる触媒等が挙げられる。具体的には、特開平9−87313号公報に記載されているジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドと、トリイソブチルアルミニウムと、N,N−ジメチルアニリニウム(ペンタフルオロフェニル)ボレートとからなる触媒系や、特開平10−259211号公報に記載されているジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジメトキシドと、トリイソブチルアルミニウムと、N,N−ジメチルアニリニウム(ペンタフルオロフェニル)ボレートからなる触媒系が挙げられる。また、成分(B)の重合方法としては、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、高圧重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましくは、気相重合法、高圧イオン重合法である。
【0016】
本発明で用いられる成分(C)の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンは、高圧ラジカル重合法によって得られる低密度ポリエチレンである。ここで、高圧ラジカル重合法とは、高圧下、ラジカル発生剤を用いて重合を開始・進行させて重合体を製造する方法を意味する。一般的な高圧ラジカル重合法としては、槽型反応器または管型反応器の中で、過酸化物や酸素のようなラジカル発生剤を用い、重合圧力100〜300MPa、重合温度130〜300℃の条件下で重合を開始・進行させて重合体を製造する方法を例示することができる。得られる重合体の分子量は、メタン及びエタンのような炭化水素や水素を分子量調節剤として用いることによって調節することができ、密度は、重合圧力や重合温度を上記範囲で任意に選択することによって、調節することができる。
【0017】
成分(C)の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンのMFRは0.05〜1.5g/10分であり、好ましくは0.08〜1.2g/10分であり、より好ましくは0.1〜1.0g/10分である。該MFRが小さすぎると、フィルムの成形において押出し負荷が高くなり過ぎることがあり、該MFRが大きすぎると、フィルムの低光沢性、不透明性および耐熱剥離性が劣ることがある。なお、MFRは、JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0018】
成分(C)の高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンの密度は、通常905〜935Kg/m3であり、入手容易性の観点から、好ましくは910〜930Kg/m3であり、より好ましくは915〜925Kg/m3である。なお、成分(C)の密度は、JIS K6760に従い、アニール有りの条件で測定される。
【0019】
本発明の樹脂組成物における成分(A)〜(C)の含有量としては、成分(A)〜(C)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が21〜64重量%であり、成分(B)の含有量が6〜49重量%であり、成分(C)の含有量が16〜70重量%であり、好ましくは、成分(A)の含有量が23〜62重量%であり、成分(B)の含有量が8〜45重量%であり、成分(C)の含有量が18〜65重量%であり、より好ましくは、成分(A)の含有量が25〜60重量%であり、成分(B)の含有量が10〜40重量%であり、成分(C)の含有量が20〜60重量%である。成分(A)の含有量が少なすぎると、フィルムの低光沢性、不透明性が劣ることがあり、成分(A)の含有量が多すぎると、フィルムの耐熱剥離性が劣ることがある。成分(B)の含有量が少なすぎると、フィルムの耐熱剥離性が劣ることがあり、成分(B)の含有量が多すぎると、フィルムの低光沢性、不透明性および耐熱剥離性が劣ることがある。成分(C)の含有量が少なすぎると、フィルムの耐熱剥離性が劣ることがあり、成分(C)の願湯量が多すぎると、フィルムの低光沢性、不透明性および剛性増加による柔軟性が劣ることがある。
【0020】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、加工性改良剤、抗ブロッキング剤等の添加剤を添加することができる。酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、商品名:IRGANOX 1010)やn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3,5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製、商品名:IRGANOX 1076)等のフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトやトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のホファイト系安定剤等が挙げられる。また、滑剤としては、例えば、エルカ酸アミド、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル等が挙げられ、帯電防止剤としては、例えば、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステル、ソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル等が挙げられ、加工性改良剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等が挙げられ、抗ブロッキング剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
【0021】
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のブレンド方法が挙げられる。公知のブレンド方法としては、例えば、成分(A)〜(C)と必要に応じて添加剤などの他の成分とを、ドライブレンドやメルトブレンドする方法等が挙げられる。ドライブレンドする方法には、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等の各種ブレンダーを用いることができ、またメルトブレンドする方法には、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等の各種ミキサーを用いることができる。
【0022】
本発明のフィルムは、本発明の樹脂組成物を含有してなるフィルムである。該フィルムの製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知のフィルムの製造方法を用いることができるが、好ましくは、インフレーション法、Tダイキャスト法である。本発明のフィルムの製造に用いられる装置としては、公知のインフレーションフィルム製造装置やTダイキャストフィルム製造装置等が挙げられる。
【0023】
本発明のフィルムは、ティッシュペーパー、紙おむつ、生理用品等のサニタリー用品を包装するフィルム;使い捨ての雨具などの雑貨;台所、工場、食料品店、ホテル、病院等で簡易に使用されるプラスチックフィルム製手袋などの用途に好適に用いられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、物性の評価はつぎの通りである。
(1)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に従い、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定を行った。
(2)メタクリル酸メチル単量体単位含有量
装置として日本分光(株)製FT/IR−7300を用い、厚み0.3mmのシートの赤外線吸収スペクトル分析法に基づき下記式1より求めた。
MMA=4.1×log(I0/I)/t−5.3 式1
式中、MMAはメタクリル酸メチル単量体単位の含有量(重量%)、Iは周波数3448cm-1での透過光強度、I0は周波数3448cm-1での入射光強度、tは測定試料シート厚み(cm)を示す。I0を求める時のベースラインは3510〜3310cm-1とした。
(3)密度
150℃でプレス成形して得られた厚さ1mmのシートを用い、JIS K6760−1981に従い測定を行った。ここで、メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体はアニールせずに、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンはアニールして測定した。
(4)ヘイズ(透明性)
JIS K7105−1981に従い、測定した。
この値が大きいほど透明性が低いこと、即ち、不透明であることを示す。
(5)グロス(光沢度)
JIS K7105−1981に従い、反射角45度で測定した。この値が小さいほど低光沢であること、即ち、低光沢性が良好であることを示す。
(6)柔軟性(1%SM;1%正割弾性率;1% Secant Modulus)
フィルムの加工方向(MD)に幅20mmの試料片を切出し、MDが引張方向となるように、引張試験機にチャック間距離6cmで取付け、5mm/分の速度で引張り、1%伸ばした時の単位断面積あたりの応力を求めた。この値が小さいほど柔軟性に優れる。
(7)引張破断強度
フィルムの加工方向(MD)に試料片を切出し、JIS K6781−1977に規定された方法に従い、MDを引張方向として測定した。
(8)高温剥離性
フィルム同士を重ね合わせ、該重ね合わせたフィルム200cm2あたり1.4kgの荷重をかけ、温度75℃で1時間、加温処理した後、23℃、湿度50%の雰囲気下に30分以上放置した。この試料から幅15mmの試料片を切出し、手で部分的に剥離させた後、引張試験機に取付け、200mm/分の速度で180度剥離強度を測定した。手で部分的に剥離できないものは、剥離不可とした。
【0025】
実施例及び比較例で使用した含酸素エチレン系共重合体、メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、チーグラー型触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体を下記に示した。
(A)含酸素エチレン系共重合体
A1:エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂 住友化学工業(株)製 アクリフト WK307(MFR 7g/10分、メタクリル酸メチル単量体単位含有量 25重量%)
A2:エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂 住友化学工業(株)製 アクリフト WD301(MFR 7g/10分、メタクリル酸メチル単量体単位含有量 10重量%)
(B)メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体
B1:エチレン−ヘキセン−1共重合体 住友化学工業(株)製エクセレンFXCX4002(MFR8g/10分、密度880Kg/m3
B2:エチレン−ヘキセン−1共重合体 住友化学工業(株)製エクセレンFXCX3005(MFR3g/10分、密度885Kg/m3
B3:エチレン−ブテン−1共重合体 住友化学工業(株)製エクセレンFX CX3502(MFR4g/10分、密度885Kg/m3
B4:エチレン−ヘキセン−1共重合体 住友化学工業(株)製エクセレンFXCX2001(MFR2g/10分、密度898Kg/m3
B5:エチレン−ヘキセン−1共重合体 住友化学工業(株)製エクセレンFXCX5017(MFR13g/10分、密度908Kg/m3
B6:エチレン−ヘキセン−1共重合体 日本エボリュー(株)製、三井住友ポリオレフィン(株)販売 エボリューSP2540(MFR4g/10分、密度923Kg/m3
B7:エチレン−ヘキセン−1共重合体 住友化学工業(株)製エクセレンFXCX5015(MFR12g/10分、密度873Kg/m3
B8:エチレン−ブテン−1共重合体 住友化学工業(株)製エクセレンFX CX5506(MFR47g/10分、密度880Kg/m3
B9:エチレン−ヘキセン−1共重合体 日本エボリュー(株)製、三井住友ポリオレフィン(株)販売 エボリューSP4060(MFR6g/10分、密度935Kg/m3
(C)高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
C1:住友化学工業(株)製 スミカセン F101−1(MFR0.3g/10分、密度921Kg/m3
C2:住友化学工業(株)製 スミカセン G201−F(MFR2g/10分、密度919Kg/m3
(D)チーグラー型触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体:
D1:エチレン−ブテン−1共重合体 住友化学工業(株)製エクセレンVL EUL731(MFR10g/10分、密度894Kg/m3
【0026】
<実施例1>
含酸素エチレン系共重合体A1:50重量%と、メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体B1:20重量%と、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンC1:30重量%とを、スクリュー径30mmの押出機を用いて210℃で溶融混練し、樹脂組成物を得た。スクリュー径30mmの押出機と200mm幅のTダイスを有するTダイフィルム成形機により、押出温度230℃、引取速度4m/分の条件で、該樹脂組成物を厚み100μmのフィルムに成形した。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示す。
【0027】
<実施例2〜6>
メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体B1に代えて、表1に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体(実施例2:B2、実施例3:B3、実施例4:B4、実施例5:B5、実施例6:B6)とする以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示す。
【0028】
<実施例7>
含酸素エチレン系共重合体A1:30重量%と、メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体B4:20重量%と、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンC1:50重量%とを、スクリュー径30mmの押出機を用いて210℃で溶融混練し、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに成形した。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示す。
【0029】
<比較例1〜3>
メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体B1に代えて、表2に記載のエチレン−α−オレフィン共重合体(比較例1:B7、比較例2:B8、比較例3:B9)とする以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
【0030】
<比較例4>
含酸素エチレン系共重合体A1:70重量%と、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンC1:30重量%とを、スクリュー径30mmの押出機を用いて210℃で溶融混練し、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに成形した。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
【0031】
<比較例5>
含酸素エチレン系共重合体A1:65重量%と、メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体B4:5重量%と、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンC1:30重量%とを、スクリュー径30mmの押出機を用いて210℃で溶融混練し、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに成形した。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
【0032】
<比較例6>
含酸素エチレン系共重合体A1:20重量%と、メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体B1:50重量%と、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンC1:30重量%とを、スクリュー径30mmの押出機を用いて210℃で溶融混練し、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに成形した。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
【0033】
<比較例7>
含酸素エチレン系共重合体A1:10重量%と、メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体B4:10重量%と、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンC1:80重量%とを、スクリュー径30mmの押出機を用いて210℃で溶融混練し、樹脂組成物を得た。該樹脂組成物を実施例1と同様にフィルムに成形した。得られたフィルムの物性評価結果を表2に示す。
【0034】
<比較例8>
含酸素エチレン系共重合体A1に代えて、含酸素エチレン系共重合体A2を用いる以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの物性評価結果を表3に示す。
【0035】
<比較例9>
メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体B1に代えて、チーグラー型触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体D1を用いる以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの物性評価結果を表3に示す。
【0036】
<比較例10>
高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンC1に代えて、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレンC2を用いる以外は実施例1と同様に行った。得られたフィルムの物性評価結果を表3に示す。
【0037】
【表1】
Figure 2004203936
【0038】
【表2】
Figure 2004203936
【0039】
【表3】
Figure 2004203936
【0040】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、低光沢性、不透明性、強度、耐熱剥離性、柔軟性に優れるポリエチレン系樹脂フィルムを得ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含有してなるフィルムを提供することができた。本発明のフィルムは、ティッシュペーパー、紙おむつ、生理用品等を包装するフィルム;使い捨ての雨具などの雑貨;台所、工場、食料品店、ホテル、病院等で簡易に使用されるプラスチックフィルム製手袋などの用途に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 下記成分(A)〜(C)を含有し、成分(A)〜(C)の合計量を100重量%として、成分(A)の含有量が21〜64重量%であり、成分(B)の含有量が6〜49重量%であり、成分(C)の含有量が16〜70重量%である樹脂組成物。
    (A):酸素原子を有する単量体単位とエチレン単量体単位とを含有する含酸素エチレン系共重合体であって、該酸素原子を有する単量体単位の含有量が15〜35重量%(ただし、含酸素エチレン系共重合体中の全単量体単位含有量を100重量%とする。)であり、メルトフローレートが1〜20g/10分である含酸素エチレン系共重合体
    (B):メタロセン系触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが0.5〜40g/10分であり、密度が875〜930Kg/m3であるエチレン−α−オレフィン共重合体
    (C):メルトフローレートが0.05〜1.5g/10分である高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン
  2. 酸素原子を有する単量体単位が、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体単位である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を含有してなるフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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