JP2004202740A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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友海 吉沢
Atsushi Asatake
敦 朝武
Naoki Sato
直樹 佐藤
Shozo Kikukawa
省三 菊川
Katsuichi Kawabata
勝一 川端
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Abstract

【課題】本発明の目的は、インクジェット記録ヘッドの吐出安定性が良好で、かつ形成した画像の耐擦過性、耐水性、画像均一性に優れたインクジェット記録方法を提供することにある。
【解決手段】インクが着色剤、水、水溶性有機溶媒及びポリマーを含有するインクであり、かつ、該インクの総固形分の相転移点が10〜60℃であり、インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲内にあり、インク非吐出である時には、インクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させ、インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の両端にある時には、全ノズルからインクを吐出廃棄させるように制御することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法に関し、詳しくはインクジェット記録ヘッドの吐出安定性と、形成した画像の耐擦過性、耐水性、画像均一性が改良されたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット画像形成技術の急速な進歩に伴い、写真画像に匹敵する高画質の画像が出力できるようになってきた。
【0003】
上記高品質を達成している技術の1つとして、空隙型のインク吸収層を有するインクジェット記録媒体が普及してきている。このインクジェット記録媒体は、インク吸収速度が速いため均一な濃度とシャープな画像が得られる利点を有しており、高画質印刷分野に幅広く用いられている。
【0004】
しかし、現在用いられている多くのインクは、水溶性染料を着色剤として用いている。この場合、染料はインク吸収層の表面近傍の吸着サイトに吸着している。そのため、染料が空気に直接接触し、褪色する現象が見られる。また、光に対しても退色しやすいという欠点を持っている。
【0005】
上記染料の課題に対し、着色剤として顔料を用いた水性顔料インクが、近年盛んに開発されている。
【0006】
水性顔料インクにおいては、顔料を微粒子化してインク中に存在させる場合が多く、顔料を分散させる方法には、界面活性剤を吸着させる方法や顔料粒子に直接親水性基を結合させる方法等が知られている。しかしながら、これらの方法で分散された顔料粒子を含む水性インクの多くは、耐水性、光沢感、擦過性に劣るという欠点を有している。
【0007】
また、水溶性高分子を分散剤として用い、顔料表面に吸着させて分散する方法があるが、従来の水溶性高分子を用いて分散させた場合、水溶性高分子の使用量が多いと、インク出射性が低下し、一方、水溶性高分子の使用量が少ないと光沢、耐水性、擦過性が劣化するという問題があった。また、水溶性高分子の特性を選択することによっては、ある程度改良はされるが、写真画質に近似の特性を得ようとする場合には、決して十分な性能では無く、またインク出射性も大きな問題として残されたままであることが現状である。
【0008】
上述のインク出射性の劣化要因の多くは、インクジェット記録ヘッドのノズル部において、インク吐出を休止した時等のインク開口におけるインクの乾燥や異物等の目づまりによる出射不良である。
【0009】
このインク出射性を改良する方法としては、例えば、ノズルのオリフィス部まで撥水処理を施して、オリフィス内へのインクの付着を防ぐ方法(特開平6−8416号)や、ノズル面に撥水処理を施してノズル面へのインクの付着を防ぐ方法(特開昭63−3963号)などが提案されている。また、ヘッドノズル面を払拭する手段として多くの方法が提案されており、例えば、先端部を複数に分割したブレードを印字ヘッドのノズル面に弾性圧接させ、その隙間に廃インクを吸収させてヘッドノズル面に付着している廃インクを掻き落とすようにしたクリーニング装置を備えたもの(例えば、特開昭62−101448号公報)やヘッドノズル面にスプレーやスポンジなどで液体を供給しインクを落としやすい状態にした後、ゴムブレードなどでヘッドノズル面の廃インクを掻き取るようにしたもの(例えば、特開昭59−83664号公報)などがあるが、いずれの方法も安定に長時間印字することが困難であった。
【0010】
近年、インクの出射性を改良する他の方法として、インク液滴を吐出しない程度にメニスカスを振動させて、出射安定性を実現させる方法が提案されている。
【0011】
例えば、記録ヘッドを搭載したキャリッジが移動する間に、ノズルのメニスカスを微振動させる方法(例えば、特許文献1参照。)、印刷休止時に、間欠的にノズルのメニスカスを微振動させる方法(例えば、特許文献2参照。)、顔料インクを用いて、インク液滴を出射しない程度にインクメニスカスを振動させる方法(例えば、特許文献3。)が提案されている。
【0012】
しかしながら、上記いずれの方法においても、ある程度の出射安定性を得ることはできるが、形成した画像の耐水性や耐擦過性の改良には至らない。したがって、未だ、耐水性、耐擦過性および出射安定を同時に満足する方法は知られていないのが現状である。
【0013】
また、上記特許文献3においては、常に均一な画像が得られる水準には到達していない。特に、高画質の画像を高速で記録するため、15kHz以上の高周波数で記録ヘッドを駆動した場合、満足な結果は得られなかった。すなわち、ノズル部に形成されたメニスカスを揺らす場所として、記録ヘッドが印刷範囲外に位置するときにメニスカスを振動させるだけでは十分でなく、印字中も非吐出ノズルのメニスカスを振動させないと、均一で高画質の画像が得られないことが判明した。
【0014】
一方、高解像度を達成するためには、インクの吐出液滴サイズが小さいほど好ましいが、写真のような階調の有る画像のハイライト部でノイズが目立たないようにプリントするには、インク液滴として6plまたは更に小さい液滴で記録することが好ましく、それらの条件を達成しようとする場合には、更に高い安定性を有する吐出方法の開発が必要となってくる。
【0015】
【特許文献1】
特開2000−255056号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平10−119271号公報
【0017】
【特許文献3】
特開2002−283564号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インクジェット記録ヘッドの吐出安定性が良好で、かつ形成した画像の耐擦過性、耐水性、画像均一性に優れたインクジェット記録方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0020】
(1) インクを吐出するノズルを有するインクジェット記録ヘッドを往復走査させ、前記ノズルよりインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクが着色剤、水、水溶性有機溶媒及びポリマーを含有するインクであり、かつ、該インクの総固形分の相転移点が10〜60℃であり、前記インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲内にあり、インク非吐出である時には、インクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させ、前記インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の両端にある時には、全ノズルからインクを吐出廃棄させるように制御することを特徴とするインクジェット記録方法。
【0021】
(2) 前記インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲外にある時には全ノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させるように制御することを特徴とする(1)に記載のインクジェット記録方法。
【0022】
(3) 前記インクのインク液滴量が、1.0pl以上、6.0pl以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のインクジェット記録方法。
【0023】
(4) 前記インク液滴量が、1.0pl以上、4.0pl未満であることを特徴とする(3)に記載のインクジェット記録方法。
【0024】
(5) 前記着色剤が、顔料であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0025】
(6) 前記インクの総固形分の相転移点が、30〜50℃であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0026】
(7) 前記インクの総固形分のポリマーと着色剤の総量(T)に対するポリマー(P)の比(P/T)が、0.1〜0.4であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0027】
(8) 前記比(P/T)が0.2〜0.3であることを特徴とする(7)に記載のインクジェット記録方法。
【0028】
(9) 前記インク中のマグネシウム、カルシウム及び鉄の総含有量が、10ppm以下であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0029】
(10) 前記インク中の鉄イオンの濃度が、0.01〜3.0ppmであることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0030】
(11) 前記インク中のマグネシウムイオンの濃度が、2.0ppm以下であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0031】
(12) 前記インク中のマグネシウムイオンの濃度が、0.01〜2.0ppm以下であることを特徴とする(11)に記載のインクジェット記録方法。
【0032】
(13) 前記インク中のカルシウムイオンの濃度が、3.0ppm以下であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0033】
(14) 前記インクが、転相乳化法によりポリマーと顔料とから調製した着色微粒子を含有することを特徴とする(5)〜(13)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0034】
(15) 前記インクが、表面重合法により顔料表面にポリマーを被覆した着色微粒子を含有することを特徴とする(5)〜(13)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0035】
(16) 前記インクジェット記録ヘッドの駆動周波数が、15kHz以上であることを特徴とする(1)〜(15)のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
【0036】
(17) 前記インクジェット記録ヘッドの駆動周波数が、20kHz以上であることを特徴とする(16)に記載のインクジェット記録方法。
【0037】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、インクを吐出するノズル部を有するインクジェット記録ヘッドを往復走査させ、前記ノズル部よりインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法において、インクが着色剤、水、水溶性有機溶媒及びポリマーを含有するインクであり、かつ、該インクの総固形分の相転移点が10〜60℃であり、インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲内にあり、インク非吐出である時には、インクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させ、インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の両端にある時には、全ノズルの開口付近にある像粘したインクを吐出廃棄させるように制御することを特徴とするインクジェット記録方法により、インクジェット記録ヘッドの吐出安定性が良好で、かつ形成した画像の耐擦過性、耐水性、画像均一性に優れたインクジェット記録方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
【0038】
更に、上記インクが、着色剤として顔料を用いること、インクの総固形分の相転移点を30〜50℃とすること、ポリマーと着色剤の総量(T)に対するポリマー(P)の比(P/T)を特定の範囲とすること、インク中のマグネシウム、カルシウム及び鉄の総含有量及び個々の含有量を特定の範囲とすること、転相乳化法によりポリマーと顔料とから調製した着色微粒子を含有すること、表面重合法により顔料表面にポリマーを被覆した着色微粒子を含有することにより、また、インクジェット記録方法の条件として、吐出するインク液滴量やインクジェット記録ヘッドの駆動周波数を特定の範囲とすることにより、上記効果がより一層発揮されることができることを見出した。
【0039】
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明に係るインクについて説明する。
【0040】
本発明で用いるインクには、着色剤、水、水溶性有機溶媒及びポリマーを主な構成要素とする水性インクである。
【0041】
本発明で用いる着色剤としては、水溶性染料、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、あるいは分散染料、顔料等を用いることができるが、着色剤として顔料インクを用いることが、画像保存性の観点から特に好ましい。
【0042】
本発明で用いることのできる顔料として、公知の有色有機あるいは有色無機顔料を用いることができる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0044】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0045】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0046】
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
【0047】
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
【0048】
本発明においては必要に応じて顔料分散剤を使用してもよく、使用できる顔料分散剤としては、例えば高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、或いはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができる。
【0049】
本発明に係るインクにおいては、顔料分散体の体積平均粒径としては、20〜100nmであることが、好ましい色調、高い濃度あるいは良好な光沢が得られる観点から好ましく、更に40〜80nmであることが、加えて耐光性が向上する観点から好ましい。
【0050】
本発明において、顔料分散体の体積平均粒径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができ、具体的粒径測定装置としては、例えば、島津製作所製のレーザー回折式粒径測定装置SLAD1100、粒径測定機(HORIBA LA−920)、マルバーン製ゼータサイザー1000HS等を挙げることができる。
【0051】
次いで、本発明に係るポリマーについて説明する。
本発明で用いることのできるポリマーとしては、特に制限はなく、一般に知られているポリマーを使用可能であるが、水性インクとしたときに、本発明で規定する総固形分の相転移点が、10〜60℃の範囲となるようなるようなポリマーを適宜選択することが好ましく、具体的には重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーが好ましく用いられ、ポリマーを与える具体的なモノマーとして、極性基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、ビニルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、疎水性モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレンもしくはクロルスチレンの如き、各種のスチレン系単量体(芳香族ビニルモノマー)類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルもしくはアクリル酸ドデシルの如き、各種のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシルもしくはメタクリル酸ドデシルの如き、各種のメタクリル酸エステル類;アクリル酸ヒドロキシエチルもしくはメタクリル酸ヒドロキシプロピルの如き、各種のヒドロキシル基(水酸基)含有モノマー類;またはN−メチロール(メタ)アクリルアミドもしくはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドの如き、各種のN−置換(メタ)アクリル系単量体類などが挙げられ、好ましくはスチレン、(メタ)アクリル酸及びヒドロキシ基を有するモノマーで、これらは1種でも、あるいは2種以上用いた共重合体でもよい。これらのポリマーを用いることにより、高い濃度が得られ、かつ良好な光沢と出射安定性を実現することができる。
【0052】
用いることのできる重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシドもしくは2−エチルヘキサノエートの如き、各種の過酸化物;またはアゾビスイソブチロニトリルもしくはアゾビスイソバレロニトリルの如き、各種のアゾ化合物などを挙げることができる。
【0053】
本発明でいうインクの相転移点とは、VICAT軟化点または環球法で示した値であり、具体的には、下記の方法に従って求めることができる。
【0054】
調製したインクのpHを調整した後、有機溶媒、例えば、メタノール等で希釈した後、遠心分離を行って、沈殿物を分離し、この沈殿物を洗浄した後、乾燥して、総固形物を調製し、これを示差走査熱量計(DSC)、例えば、EXSTAR 6000(セイコー電子工業社製)、DSC220C(セイコー電子工業社製)、DSC200(セイコーインスツルメンツ社製)、DSC−7(パーキンエルマー社製)等を用いて測定した際の吸熱ピークを相転移点として求めることができる。一般的に、ポリマーはガラス転移点Tgを有しているが、Tg値よりも低いところに、大きな吸熱ピークが出現する。
【0055】
本発明に係るインクおいて、上記ポリマーは様々な形態、使用方法によりインク中に存在させることができ、例えば、ラテックス粒子として顔料粒子と共に存在させても良く、顔料分散時の高分子分散剤として導入しても良く、あるいは着色微粒子を形成するポリマーとして存在させてもよい。
【0056】
本発明でいうラテックスとは、水不溶性高分子分散液ともいい、上記に列挙した各ポリマーからなる粒子であり、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素授脂等のラテックスが挙げられる。ラテックスは、乳化剤を用いてポリマー粒子を分散させたものであっても、また乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては界面活性剤が多く用いられるが、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を用いることも好ましい。
【0057】
また本発明に係るインクでは、ソープフリーラテックスを用いることも好ましい。ソープフリーラテックスとは、乳化剤を使用していないラテックス、およびスルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(例えば、可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるポリマー)を乳化剤として用いたラテックスのことを指す。
【0058】
近年ラテックスのポリマー粒子として、粒子全体が均一であるポリマー粒子を分散したラテックス以外に、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー粒子を分散したラテックスも存在するが、このタイプのラテックスも好ましく用いることができる。
【0059】
本発明に係るインクにおいて、ラテックス中のポリマー粒子の平均粒径は10nm以上、300nm以下であり、10nm以上、100nm以下であることがより好ましい。ラテックスの平均粒径が300nmを越えると、画像の光沢感の劣化が起こり、10nm未満であると、耐水性、耐擦過性が不十分となる。ラテックス中のポリマー粒子の平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。
【0060】
また、本発明で用いることのできる高分子分散剤としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
【0061】
本発明に係るインクにおいては、上記ポリマーを、上記顔料と共に転相乳化法により着色微粒子を調製する方法、あるいは顔料粒子表面にポリマーを被覆して表面重合法により着色微粒子を調製するのに用いることが好ましい。
【0062】
ここでいう転相乳化法とは、ポリマー溶液、顔料と共にエステル、ケトン等の有機溶剤を添加し、必要に応じて中和剤を加えて該ポリマー中のカルボキシル基をイオン化し、次いで水相を加えた後、上記有機溶剤を溜去して水系に転相することから成る。転相が完了した後、系を減圧下に加熱することにより、上記エステル、ケトン系溶剤を除去すると共に所定量の水も除去して、所望の濃度を有する水系インクが得られる方法で、例えば、特開平8−71405号公報に記載の方法を挙げることができる。
【0063】
また、表面乳化法とは、顔料表面にモノマーを吸着された後、重合開始剤を加えて重合させる方法、顔料を重合性界面活性剤と共に分散した後、モノマーを加えて重合させる方法、顔料表面に重合開始剤を結合させた後、モノマーを加えて重合させる方法、あるいは、顔料界面に親水部と疎水部とを有する化合物を吸着させて反応場を形成した後、ポリマー重合を行って着色微粒子を製造する方法、更には、反応場にモノマーを吸着させた後、ポリマー重合を行って、顔料表面を被覆することにより、コア部が顔料、シェル部がポリマーからなるコアシェル型の着色微粒子を製造する方法等であり、例えば、色材協会誌、70、503(1997)、あるいは、色材協会誌、69、743(1996)及び同72、748(1999)に記載の方法を挙げることができる。
【0064】
本発明に係る着色微粒子を製造する際、各種の乳化手段を用いることができ、それらの例は、例えば「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開(シー・エム・シー)」の86頁の記載に纏められている。本発明においては、特に、超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ましい。
【0065】
超音波による乳化分散では、所謂バッチ式と連続式の二通りが使用可能である。バッチ式は、比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサンプル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−600SR(エスエムテー社製)のような装置を用いることが可能である。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めることができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間の合計としてもとめられる。
【0066】
高速回転剪断による乳化分散装置としては、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開(シー・エム・シー)」の255〜256頁に記載されるような、ディスパーミキサーや、251頁に記載のホモミキサー、256頁に記載のウルトラミキサー等が使用できる。これらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分けることができる。
【0067】
高圧による乳化分散では、LAB2000(エスエムテー社製)等が使用できるが、その乳化・分散能力は、試料に掛けられる圧力に依存する。圧力は104kPa〜5×105kPaの範囲が好ましい。又、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を得ることができる。
【0068】
本発明に係るインクにおいては、上記インクの総固形分のポリマーと顔料との総量(T)に対するポリマー(P)の比(P/T)が、0.1〜0.4であることが好ましく、更に好ましくは0.2〜0.3である。
【0069】
また、本発明に係る顔料の含有量は、全インク質量に対し2.0〜4.0質量%とすることが、得られる画像濃度、光沢、出射安定性の観点から好ましい。
【0070】
本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、具体的にはアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、スルホン酸塩類(例えば1−ブタンスルホン酸ナトリウム塩等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
【0071】
本発明に係るインクにおいて、上記水溶性有機溶媒の含有量は、20〜50質量%であることが、出射安定性が良好で、かつ高濃度で好ましい光沢を有する画像を得ることができる観点から好ましい。
【0072】
次いで、上記説明した以外のインクの構成について、以下説明する。
本発明に係るインクのpHは、7.0以上であることが好ましく、より好ましくは8.5〜10.0であり、上記のpHとすることにより、出射安定性が良好で、かつ高濃度で好ましい光沢を有する画像を得ることができる観点から好ましい。
【0073】
本発明に係るインクで用いられるpH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
【0074】
本発明に係るインクにおいては、マグネシウム、カルシウム及び鉄の総含有量を10ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜10ppmである。また、インク中の鉄イオンの濃度を、0.01〜3.0ppmとすること、マグネシウムイオンの濃度を2.0ppm以下、更には0.01〜2.0ppm以下とすること、あるいはカルシウムイオンの濃度を3.0ppm以下とすること、更には0.1〜3.0ppmとすることが好ましく、各多価金属イオンの含有量を上記で規定した量とすることにより、本発明に係る顔料粒子の高い分散安定性を有するインクを得ることができる。
【0075】
また、インクの表面張力は、25〜35mN/mであることが、出射安定性が良好で、かつ高濃度で好ましい光沢を有し、均一性にすぐれた画像を得ることができる観点から好ましい。
【0076】
上記表面張力を達成する手段の1つとして、各種の界面活性剤を用いることができる。本発明で用いることのできる各界面活性剤として、特に制限はないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。また、本発明においては、前述の高分子界面活性剤も用いることができる。
【0077】
本発明においては、界面活性剤として、アセチレン系界面活性剤を用いることが、出射安定性が良好で、かつ高濃度で好ましい光沢を有し、均一性にすぐれた画像を得ることができる観点から好ましい。
【0078】
アセチレン系界面活性剤であれば特に制限はないが、例えば、アセチレングリコール類、アセチレンアルコール類等が挙げられ、さらに好ましくは、アセチレン基とアルキレンオキシド鎖とを有する界面活性剤であり、例えば、サーフィノール465(日信化学工業社製)を挙げることができる。
【0079】
本発明に係るインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号および特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
【0080】
次いで、本発明のインクジェット記録方法で用いることのできる記録媒体について説明する。
【0081】
本発明で用いられる記録媒体としては、普通紙、コート紙、インク液を吸収して膨潤するインク受容層を設けた膨潤型インクジェット用記録紙、多孔質のインク受容層を持った空隙型インクジェット用記録紙、また基紙の代わりにポリエチレンテレフタレートフィルムなどの樹脂支持体を用いたものも用いることができるが、本発明においては、空隙型の多孔質インク吸収層を有する記録媒体を用いることが好ましく、この組み合わせにより本発明の効果を最も発揮することができる。
【0082】
多孔質インクジェット記録媒体としては、具体的には、空隙型インクジェット用記録紙又は空隙型インクジェット用フィルムを挙げることができ、これらはインク吸収能を有する空隙層が設けられている記録媒体であり、空隙層は、主に親水性バインダーと無機微粒子の軟凝集により形成されるものである。
【0083】
空隙層の設け方は、皮膜中に空隙を形成する方法として種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子及び親水性又は疎水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬して固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及び/又は微粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布して固体微粒子の間に空隙を作製する方法などが挙げられるが、本発明のインクを用いる上では、いずれも方法で設けられても、良い結果を与える。
【0084】
次いで、本発明に用いられるインクジェット記録装置について説明する。
本発明のインクジェット記録方法においては、インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲内にあり、インク非吐出である時には、インクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させ、インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の両端にある時には、全ノズルからインクを吐出廃棄させるように制御することが特徴である。
【0085】
本発明のインクジェット記録方法で、本発明のインクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドあるいはヘッドともいう)はオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又、吐出方式としては、電気−機械変換方式(シングルキャビティ型、ダブルキャビティ型、ベンダー型、ピストン型、シアーモード型、シアードウォール型等)、電気−熱変換方式(サーマルインクジェット型、バブルジェット(R)型等)など何れの吐出方式を用いても構わないが、好ましくは、ピエゾ方式を用いたヘッドが好ましく、特にシェアモード方式が、長期間にわたり安定した吐出を行うことができるため好ましい。
【0086】
以下、図を適宜用いて、本発明のインクジェット記録方法の詳細について述べるが、本発明は、例示する図に記載の構成のみに限定されるものではない。
【0087】
図1は、インクジェット記録装置の主要構成の一例を示す概略図である。
インクジェット記録装置1は、記録媒体2にインクを吐出し印刷を行うものであり、その印刷を行う部分の主要構成として、図1に示すように、記録媒体2を印刷時に前方へ搬送させる搬送手段(図示省略)と、記録媒体2にインクを吐出するインクジェット記録ヘッド(記録ヘッド)3と、複数色毎の記録ヘッド3を収納するキャリッジ4と、記録ヘッド3のメンテナンスを行う吸引キャップ5A及びワイピングブレード5Bを有するメンテナンスユニット5と、印刷時或いはメンテナンス時などにキャリッジ4を主走査方向(矢印A)に沿って案内するガイドレール6と、前記キャリッジ4の待機所となる保湿キャップ8を有するホームポジション7と、これら各部の制御を行う制御部(図示省略)とを備えている。Cはインクカートリッジ、インクカートリッジCから送られた各インクは一旦サブタンクTに蓄えられたうえ、供給弁Vを通して、インク供給路Pを通って記録ヘッドに送られる構成となっている。
【0088】
記録媒体の搬送手段は、印刷時において、キャリッジ4の動作にタイミングを合わせて、記録媒体2を印字領域9上で搬送し、印刷の終了に応じて、記録媒体2は印字領域から下方(矢印B)に向かって搬送される。
【0089】
ホームポジション7には、記録ヘッドのノズル面を保湿する保湿キャップ8が、記録ヘッド3と同数設けられており、キャリッジ4の待機中においては、記録ヘッド3のノズル面を覆って密閉している。
【0090】
図2は、本発明に用いられるインクジェット記録装置のインクジェットヘッド部の一部破断面を有する分解斜視図であり、図3は、図2に記載のA−A′に沿ったインクジェットヘッドの概略断面図である。
【0091】
図中、11は圧電素子、12、19はインク溝、13は電極膜、14は隔壁、15は共通インク室、17はリード配線部、18は蓋、20はノズルプレート、21は本発明に係るノズルであるノズル開口、22はインク入口孔、24は上板、25はインク供給口、26はヒータ、27はヒータ電源、28は伝熱部材である。
【0092】
圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)による下部基板11bと上部基板11aを積層して圧電素子11が形成されており、下部基板11bと上部基板11aは逆方向に分極している。上部基板と下部基板にまたがって複数の細長い溝12を形成する。これにより複数の平行な隔壁14と溝12が形成される。
【0093】
複数の溝の内面には蒸着により電極膜13が設けられており、電極膜13の表面には絶縁膜16がコーティングされている。隔壁14の上部には蓋18が接着され、基板の端部には一部を段加工して段部36が形成され、隔壁14の端部に溝封止片35が取りつけられ、その末端には電極膜13に接続したリード配線部17が露出している。
【0094】
溝12の開口するもう一方の端面にはノズル開口21を有するノズルプレート20が設けられ、溝12にインク室19が形成され、ノズル開口は各インク室に対応して設けられている。蓋18の上部には共通インク室15を有し、各インク室に連通するためのインク入口孔22が設けられている。溝12はノズル開口21とインク入口孔22を有し、蓋18の上部にはインク供給口25を有する上板24が共通インク室15を覆っている。
【0095】
又、蓋18の上部には伝熱部材28を介してヒータ26が設けられ、ヒータ電源27が接続されている。伝熱部材28はノズル面にまわり込んで設けられており、伝熱部材28はヒータ26からの熱を効率良くインク流路に伝え、かつ、ヒータ26からの熱をノズル面近傍に運びノズル面近傍の空気を温めることを目的としている。したがって、伝熱部材28は熱伝導率の良い材料が用いられ、例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅等の金属、あるいは、SiC,BeO,AlN等のセラミックス等が好ましい材料として挙げられる。
【0096】
次いで、ノズル開口のメニスカスに対する振動を付与する方法及び往復走査の両端にある時の吐出について説明する。
【0097】
近年のインクジェット記録装置では、高画質で高鮮鋭度の画像を得る観点から、吐出するインク滴を微小化したり、インクで詳述したように、インクに顔料やポリマーを加えるケースが多くなってきた。この様なインクを用いた場合、インクを吐出しない時に、ノズル開口面から水分や有機溶剤が蒸発することにより、メニスカス先端部のインクが局所的に増粘し易くなり、極めて短い時間インクの吐出を中断しても、吐出再開時には初発滴の速度が低下したり、最初の数滴のインク液滴の質量、速度や方向が変化して、画質が著しく低下する。
【0098】
一般に、ノズル径は20〜40μm程度で、ノズルの開口面積は極めて小さいため、極く少量の水分や有機溶媒の揮発により、ノズル開口面にあるインクの粘度が局所的に急上昇する。
【0099】
この吐出の一時的な中断は、ヘッドが印刷待機位置にある時やキャリッジが加速、減速している時のみならず、画像パターンに依っては、印刷中にも、起こる。
【0100】
吐出中断中に、ノズルの開口面からインク中の水分や溶剤が蒸発すると、局所的にインクの粘度が増大し、吐出再開時、最初から正常に吐出せず、画質が大きく損なわれることがある。特に、ラテックスやポリマーを含むインクは、粘度が上昇し易く、吐出を極く短時間、例えば、秒のオーダーで中断しただけでも、ノズルの開口面から、極微量の水分や溶剤が蒸発すると、ノズル表面にあるインクの粘度が局所的に急上昇し、吐出再開時、最初の数滴の、吐出方向、吐出量や吐出速度等が低下して、画像が乱れる。
【0101】
特に、ポリマーを含むインクは、極微量の水分が蒸発しても、ノズルの開口面に薄い皮膜を形成し、この薄膜に妨げられて、吐出量が大幅に低下したり、次の吐出ができなくなる場合も起こる。
【0102】
また、顔料粒子を含む顔料インクは、ノズル開口から極微量の水分や溶剤が蒸発すると、局所的に顔料の凝集が起こることもある。
【0103】
更に、高解像度の画像を得る為、吐出滴の大きさが、従来に比べて1/5〜1/10と微小化したので、ノズル開口で局所的に増粘したインクが、吐出により、持ち去られる速度が遅くなり、粘度の低いバルクのインクで置換されにくく、吐出中断により生じた吐出不良が、簡単に解消しなくなった。特に、低湿度環境では、水や溶剤などが揮発し易く、吐出不良を起こし易い。
【0104】
インク滴を微小化し、また、インクに顔料やポリマーを添加したことにより、高画質で高耐久性の画像が得られる様になったが、反面、インク中の固形物の濃度が、従来に比べて、増大した為、極く短時間吐出を中断しても、吐出再開時、最初から、正常に吐出しなくなり、対策が必要となった。
【0105】
ノズル開口からのインク成分の蒸発を防ぐ為、インクに高沸点有機溶剤等が添加されているが、ポリマーや顔料を高濃度で含む高性能インクは、ノズル開口における水分や有機溶媒の揮発によりインク粘度が上昇し易く成っており、高沸点有機溶媒を添加しただけでは、ノズル表面に於けるインク粘度の上昇を十分に防止できない。
【0106】
上記課題に対し、印刷中においても、インクのメニスカスを振動させて、ノズル開口で局所的に増粘したインクの粘度を下げる方法が有効である。
【0107】
さらに、印刷中においても、定期的に吐出を行い、ノズル開口で局所的に増粘したインクを取り除く方法が有効である。ノズル開口から増粘したインクを取り除くことは、ノズル内容積分のインクを取り除く程度で増粘したインクをおおよそ取り除くことができることからインクの損失はさほど大きくはならない。
【0108】
図4は、ノズル開口近傍を拡大して示す概略図であって、微振動を行ったときの一連の様子を示す図である。
【0109】
図4の(a)に示すように、通常、ノズル開口21に形成されたメニスカス部51では、インク休止時にインク表面からの有機溶媒、水等の蒸発に伴い、前述のようにインク粘度変動、顔料濃度変動、皮膜形成や、相分離等を起こすことがある。この結果、出射不良による画像濃度変動を引き起こす結果となる。
【0110】
本発明では、インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲内にあり、インク非吐出である時には、インクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させている。
【0111】
すなわち、インク非吐出の状態で、図4の(b)及び(c)で示すように、インク液滴が吐出しない程度の駆動パルスで圧電素子を駆動させて、メニスカス部51に微振動を与えて、休止時の乾燥等による粘度上昇を防止するものである。図4の(d)は、微振動によりインクのメニスカス部51の粘度が他の領域と同一特性になった状態を示すものである。
【0112】
さらに、本発明では、インクジェット記録ヘッドが往復走査の両端にある時には、ノズル開口21付近にある増粘したインクを吐出廃棄させるようにしている。このようにすることで、印刷中においても、定期的にノズル開口21付近にある増粘したインクが取り除かれていくので、吐出不良が発生しにくくなる。
【0113】
本発明は、上述したようにインクジェット記録ヘッドを制御することにより、インクジェット記録ヘッドの吐出安定性が良好で、かつ形成した画像についても耐擦過性、耐水性、画像均一性に優れる。
【0114】
また、本発明においては、さらに、インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲外にある時には全ノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させることが好ましい。このようにすることで印刷中の乾燥等による相分離をより一層防止することができる。
【0115】
また、本発明においては、印字範囲内では非吐出ノズルのメニスカスに振動を与え、更に印字範囲外では全ノズルのメニスカスを振動させることが特徴であるが、印字範囲内で与える振動は、印字速度に影響を与えないように周波数が高いことが好ましく、また印字範囲外で与える振動は、ヘッドの発熱を抑えるため周波数が低い方が好ましい。印字範囲内で与える振動の周期に対する印字範囲外で与える振動の周期の比は、1.05〜5.0が好ましく、より好ましくは1.1〜2.5である。
【0116】
振動を付与する方法としては、圧電素子にインクが吐出しない程度の電圧を掛けて、インク室の収縮(膨張)→膨張(収縮)→収縮(膨張)を繰り返し、インクメニスカスを振動させればよい。インクメニスカスが振動すれば、メニスカス表面で増粘したインクが、増粘していないバルクのインクと混合され、増粘の問題は解決する。
【0117】
インク室を圧縮(膨張)すると、インク室内に発生した正(負)の圧力が、ノズル端とマニホールド端から、インクを押し出す(引き込む)。これと入れ替わりに、ノズル端とマニホールド端に負(正)の圧力波が発生し、それぞれ、他端に向かって、音速で伝搬する。圧力室の長さをL、音速をcとすると、この圧力波がインク室の端から端まで伝搬するのに要する時間(L/c)を、そのインク室のAL(Acoustic Length 音響的共振周期の1/2)と呼ぶ。例えば、インク室の長さを1mm、インク中の音速を1km/sとすると、1AL=1μsecとなる。
【0118】
1AL経過すると、それぞれの波がインク室の他端に到達して、インク室全体が均一な負(正)圧になる。引き続き、マニホールド端とノズル端に達した圧力波が、それぞれ反射されて、反転して、正(負)の圧力波となり、音速で他端に向かって伝搬する。1AL後、それぞれの波が他端に達し、インク室全体が均一な正(負)圧になる。
【0119】
この様に、インク室を圧縮して、インク室内に発生した圧力は、1AL毎に反転を繰り返しながら減衰してゆくので、インク室を圧縮(膨張)して、そのまま保持し、2AL後に圧力波が元の正(負)の圧力に戻った時、インク室の収縮(膨張)を元に戻せば、インク室内に、負(正)の圧力が発生するので、インク室内に残留する正(負)の圧力をキャンセルできる。
【0120】
この様に、インク室を変形して発生した圧力は、1AL毎に反転を繰り返し、ALの偶数倍の時間が経過した後減衰しているが、最初と同じ圧力状態になるので、このタイミングでインク室の変形を元に戻せば、残留圧力をキャンセルできる。この様に、振動させるパルスの幅を設定すれば、振動に引き続いて吐出できる。
【0121】
本発明に係るメニスカスの振動は、印刷範囲外の振動と印刷範囲内の振動があり、印刷範囲外微振動は、ヘッドが印刷領域外にある時、例えば、ヘッドがホームポジションにある時や、キャリッジが加速、減速している時、メニスカスを揺動する場合である。
【0122】
一方、印刷範囲内の振動は、ヘッドが印刷領域にある時、印刷中に、非吐出ノズルのメニスカスを揺動させる方法である。これは、吐出信号から、非吐出ノズルを検出して、選択的に揺動信号を掛ける必要がある。
【0123】
本発明においては、振動の波形としては矩形波であることが好ましい。
次いで、本発明に係る振動の付与方法の詳細について、さらに以下説明する。
【0124】
印字範囲外の振動は、記録ヘッドが印字範囲外にあるときは、全ノズルのメニスカスを振動させる。
【0125】
図5は、印字範囲外で振動を付与する方法の一例を示す模式図である。
具体的には、偶数のチャンネルの電極に、4AL幅のパルスを12ALの間隔を開けて掛け、奇数チャンネルに同じ信号を4AL分ずらして掛ける。図5のa)に偶数、奇数の各チャンネルの電極に掛けるパルスと、その時、チャンネル間の側壁に掛かる差電圧パルスを示す。また、図5のb)は、それに応じてノズルのメニスカスが振動する様子を示す模式図である。
【0126】
印字範囲外の微振動は、全ノズルに掛け、かつ掛ける時間も長いので、記録ヘッドでの無用な発熱をする観点から、印字範囲内微振動よりも長い周期で掛ける。
【0127】
シアーモードの吐出原理は、インク室の側壁の両側に設けた電極に掛ける電圧が相違するとき、差電圧に応じて壁が変形するので、インクが吐出しないときは、全チャンネルの電極に、同じタイミングで、同じ幅の電圧、例えば、2AL幅の電圧を掛けておき、吐出するときは、吐出したいチャンネルの電極に掛ける電圧のタイミングと長さをずらして、差電位を発生して壁を変形させる。また、インク室の壁を、隣のインク室と共有している場合には、あるチャンネルから吐出するとき、その両隣のチャンネルから同時に吐出することはできない。クロストークを防止する観点からは、同時に吐出できるチャンネルは、2チャンネル以上離す必要があり、全チャンネルをa、b、cの3群に分けて、順次吐出する3チャンネル吐出法が使われる。
【0128】
印字範囲内の振動は、吐出信号から、非吐出ノズルを検出して、選択的に振動信号を掛ける。上述のように、シアーモードヘッドはインク溝の壁を隣と共有しているため、1つの溝からインクを吐出すると、その両隣の溝も影響を受けてメニスカスが振動するので、1つの溝から吐出するときは、その両隣の溝は非吐出であるが、これらには微振動を掛ける必要がない。連続する3つのチャンネル全てが駆動しないときにだけ、微振動を掛ければよい。
【0129】
図6は、印字範囲内で振動を付与する方法の一例を示す模式図である。
例えば、a、b、cの3チャンネル全てが非吐出の時は、2AL幅のパルスが同じタイミングで3チャンネルに掛かっているので、bチャンネルのパルスを接地すれば、a−b間及びb−c間に差電圧が発生して、壁が撓み、a、b、cの3チャンネルに微振動が掛かる。
【0130】
この様に、印字範囲内の微振動は、吐出パルスを形成する方法と類似した方法で発生させるので、印字範囲内で微振動を発生させたとしても、印字速度が低下することはない。また、微振動パルスの電圧は、吐出パルスの電圧の1/2であるため、非印字ノズルからインクが吐出されることはない。
【0131】
インクジェット記録ヘッドが往復走査の印字範囲内にある時とは、印刷を行っている時にインクジェット記録ヘッドが印刷領域内にあるときである。インクジェット記録ヘッドが往復走査の印字範囲内にあり、インク非吐出である時とは、例えば、印刷を行っている時にインクジェット記録ヘッドが印刷領域内にあるのであるが、形成する画像の構成の関係等でインクを吐出していない状態の時をいう。
【0132】
インクジェット記録ヘッドが往復走査の両端にある時とは、往復走査で印刷を行っているインクジェット記録ヘッドが、方向を切り替える地点及びその近傍にある時をいうが、本発明では、印刷中に定期的にノズルから増粘した少量のインクを吐出廃棄するという目的から、インクの吐出廃棄を行うことにより画像形成に影響を与えない地点であることが必要である。
【0133】
インクジェット記録ヘッドが往復走査の印字範囲外にある時とは、往復走査において印字範囲内以外にインクジェット記録ヘッドがある場合であり、例えば、インクジェット記録ヘッドが往復走査において、加速、減速している時などがこれに該当する。
【0134】
本発明においては、吐出されるインク液滴量が、1.0pl以上、6.0pl以下、さらには、1.0pl以上、4.0pl未満としたインクジェット記録装置を用いたり、さらに、粘度の高いインクを使用しても吐出不良を起こしにくいことから、これらのインクジェット記録装置を用いることでより高画質、高鮮鋭画像を得ることができる。
【0135】
本発明においては、例えばハイライト部を印刷するときなどは、従来の1/5〜1/10の微小滴を吐出することになるので、印刷速度の低下を防ぐため、インクジェット記録ヘッドの駆動周波数を大きくして吐出安定性が維持される範囲で、高速で印字を行うことができる。本発明においては、ヘッドの駆動周波数を15kHz以上で印字することが好ましく、これにより、高速印字を行うことができる。ヘッドの駆動周波数は20kHz以上であることがさらに好ましい。
【0136】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0137】
実施例1
《顔料分散液の調製》
〔顔料分散液1の調製〕
スチレン/メタアクリル酸ブチル/アクリル酸ブチル/メタクリル酸(質量比=40/30/15/15)からなる高分子溶液A(固形分量=48質量%)の11.3gと、C.I.ピグメントレッド122の14.25gと、ジメチルアミノメチルキナクリドンの0.75gと、メチルエチルケトンの76.9gと、スーパー・ベッカミンL−109−60(メラミン樹脂 大日本インキ化学工業社製)の4.7gとを混合した後、0.5mmセラミックビーズで分散し、ペースト状にした。次いで、このペースト50gとジエタノールアミン0.4gとを混合攪拌した後、水50gを超音波を照射しながら、徐々に加えて転相乳化させた後、減圧留去によりメチルエチルケトンを除いて顔料分散液1を調製した。
【0138】
なお、顔料分散液1で用いたポリマーの相転移点は38℃であった。
〔顔料分散液2の調製〕
上記顔料分散液1の調製において、高分子溶液Aに代えて、下記高分子溶液Bを51.3g用いると共に、顔料に対する高分子溶液Bの添加量を変更した以外は同様にして、顔料分散液2を調製した。
【0139】
高分子溶液B(固形分量=48質量%)=スチレン/アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/メタクリル酸(質量比=30/30/25/15)
上記調製した顔料分散液2で用いたポリマーの相転移点は20℃であった。
【0140】
〔顔料分散液3の調製〕
上記顔料分散液1の調製において、高分子溶液Aの添加量を22.9gに変更した以外は同様にして、顔料分散液3を調製した。
【0141】
〔顔料分散液4の調製〕
上記顔料分散液1の調製において、高分子溶液Aに代えて、下記高分子溶液Cを12.1g用いた以外は同様にして、顔料分散液4を調製した。
【0142】
高分子溶液C(固形分量=48質量%)=スチレン/アクリル酸ブチル/アクリル酸−2−エチルヘキシル/メタクリル酸(質量比=30/25/30/15)
上記調製した顔料分散液4で用いたポリマーの相転移点は6℃であった。
【0143】
〔顔料分散液5の調製〕
上記顔料分散液2の調製において、高分子溶液Bに代えて、下記高分子溶液Dを49.4g用いた以外は同様にして、顔料分散液5を調製した。
【0144】
高分子溶液D(固形分量=48質量%)=スチレン/メタアクリル酸メチル/メタクリル酸ブチル/メタクリル酸(質量比=40/25/15/15)
上記調製した顔料分散液5で用いたポリマーの相転移点は65℃であった。
【0145】
なお、上記調製した顔料分散液1〜5において、後述のインク1で用いた顔料分散液1と、顔料分散液2、3、5については、顔料分散液調製後に限外濾過を行って、多価金属イオン(カルシウム、マグネシウム、鉄)の除去操作を施した。
【0146】
《インクの調製》
上記調製した各顔料分散液を用いて、下記の組成物からなるインク1〜7を調製した。なお、インク1〜7の詳細な構成を表1に示す。
【0147】
〔インク組成〕
顔料分散液(表1に記載) 20.0質量%
エチレングリコール 10.0質量%
グリセリン 10.0質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10.0質量%
サーフィノール104E(信越化学製) 1.0質量%
イオン交換水 49.0質量%
〔インクの各特性の評価〕
(インク固形分の相転移点の測定)
インク液に酢酸を加え、インク液をpH5以下にした後、メタノールで20倍希釈した。この溶液を遠心分離機を用いて20000rpmで遠心分離処理を1時間行い、生じた沈降物を分離した。その沈殿物を3回にわたりメタノールで洗浄した後、室温で乾燥してインク固形分を調製し、これを測定試料とした。
【0148】
この試料を、DSC測定装置(装置名 セイコーインスツルメンツ株式会社製DSC200)で、下記の測定条件で測定を行い、DSC曲線の変曲点を求め、その温度を相転移点(℃)とした。
【0149】
窒素:50ml/min
昇温条件:−20〜150℃
昇温速度:10℃/min
(インク固形分中のポリマー量の測定)
上記方法に従って調製したインク固形分を5mg秤量し、TG測定装置(装置名 セイコーインスツルメンツ株式会社製 TG−DTA200)で、窒素ガス500ml/min中で加熱して、460℃までの減量のうち、300〜460℃までの減量分を高分子量(P)とし、また460℃での残分を顔料量として測定し、これらの測定値よりインクの総固形分のポリマーと着色剤の総量(T)に対するポリマー(P)の比(P/T)を求めた。
【0150】
(顔料粒子の体積平均粒子径の測定)
各インクを1000倍に希釈した後、マルバーン社製ゼータサイザー1000を用いて、顔料粒子の体積平均粒子径を測定した。
【0151】
(インク中の金属イオン量の測定)
インク中の各金属イオンの測定は、ICP−AES(セイコー電子工業製のSPS−4000)により行った。
【0152】
【表1】
Figure 2004202740
【0153】
《インクジェット画像形成》
ノズル孔径20μm、駆動周波数30kHz、インク液滴量3.8pl、1色当たりのノズル数128、ノズル密度180dpi(dpiは2.54cmあたりのドット数を示す)で、最大記録密度720×720dpiの図1〜3の構成からなるインクジェットプリンターを用いて、上記調製したインク1〜7と、下記の記録方法1〜4とを表2に示す組み合わせでインクジェット記録を行い、マゼンタベタ画像を、コニカ(株)製のインクジェットペーパー フォトライクQP上に出力し、画像1〜10を得た。
【0154】
(記録方法1)
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の印字範囲内にあるときは、図6に示す方法に従って、吐出信号から、非吐出ノズルを検出して、選択的に揺動信号を掛けて、インクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させた。シヤーモードヘッドは、インク室の側壁を隣りのインク室と共有しているので、3サイクル吐出を行った。
【0155】
壁を通して掛かる電圧差は、駆動電圧(印字電圧)の1/2である為、インクを吐出する事はない。又、パルス幅が2ALとALの偶数倍であるので、3つのチャンネルに掛かった微振動は自動的にキャンセルされ、直ちにインクを吐出することができる。
【0156】
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の両端にある時には、全ノズルからインクを吐出廃棄させた。
【0157】
インクジェット記録ヘッド3が印字領域外にある時には、どのノズルに対しても振動を与えなかった。
【0158】
(記録方法2)
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の印字範囲内にある時は、記録方法1と同様にしてインクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させた。
【0159】
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の両端にある時には、記録方法1と同様に全ノズルからインクを吐出廃棄させた。
【0160】
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の印字範囲外にある時には、図5に示す方法に従って、全ノズルのメニスカスを吐出しない程度で振動させた。具体的には、印字範囲外の微振動は、偶数チャンネルの電極に4AL幅のパルスを12AL間隔で掛け、奇数チャンネルの電極に、同じ信号を4ALずらせて掛けた。なお、振動周期は、下記に記載の印字範囲内の微振動(2AL)の1/2とした。
【0161】
(記録方法3)
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の印字範囲内にある時は、記録方法1と同様にしてインクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させた。
【0162】
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の両端にある時には、どのノズルからもインクを吐出させなかった。
【0163】
インクジェット記録ヘッド3が印字領域外にある時には、どのノズルに対しても振動を与えなかった。
【0164】
(記録方法4)
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の印字範囲内にある時には、非吐出ノズルのどのノズルに対しても振動を与えなかった。
【0165】
インクジェット記録ヘッド3が往復走査の両端にある時には、どのノズルからもインクを吐出させなかった。
【0166】
インクジェット記録ヘッド3が印字領域外にある時には、どのノズルに対しても振動を与えなかった。
【0167】
《印字性及び印字画像の評価》
〔吐出安定性の評価〕
前記構成のインクジェットプリンターを用いて、23℃、20%RHの環境下で、A4大のページに1cm×10cmのウェッジチャートを間隔を空けて10個有する画像を連続9枚プリントし、5分間印字を停止した後、10枚目のプリントを行った。10枚目のプリント時のノズルの出射状態と出力した画像を目視観察し、下記の基準に則り吐出安定性の評価を行った。
【0168】
A:全ノズル共に、出射状態に変化が見られない
B:1、2個数%のノズルで斜め出射が見られるが、インク欠がない
C:インク欠が3〜10個数%のノズルで発生
D:インク欠が10個数%以上のノズルで発生
〔耐擦過性の評価〕
耐擦過性については、上記で作成した各マゼンタベタ画像に対し、事務用消しゴム(MONO トンボ鉛筆社製)でその表面を5回の往復擦過を行い、20人の一般評価者による残存濃度の目視評価を行い、以下の基準に則り判定した。
【0169】
A:ほぼ原画像の濃度が残存していると評価した人が16人以上
B:ほぼ原画像の濃度が残存していると評価した人が12〜15人
C:ほぼ原画像の濃度が残存していると評価した人が8〜11人
D:ほぼ原画像の濃度が残存していると評価した人が7人以下
〔耐水性の評価〕
上記作成した各マゼンタベタ画像を、25℃の純水に1分間浸漬させたのち取り出し、乾燥させて、未処理サンプルに対する残存率を、下式により求め、下記に記載のランクに則り耐水性を評価した。
【0170】
耐水性(%)=(浸漬試料の主反射濃度/未処理試料の主反射濃度)×100
A:耐水性(%)が95%以上
B:耐水性(%)が85〜95%未満
C:耐水性(%)が75〜85%未満
D:耐水性(%)が75%未満
〔画像均一性の評価〕
上記作成した各マゼンタベタ画像を目視観察し、下記の基準に則り画像均一性の評価を行った。
【0171】
A:スジ状のムラが極めて少なく、画像均一性に優れている
B:画像ムラが僅かに目立つが、良好な画像均一性である
C:画像ムラがやや目立つが、使用上許容範囲内にある
D:明らかに画像ムラが目立ち、実用に耐えない
以上により得られた結果を、表2に示す。
【0172】
【表2】
Figure 2004202740
【0173】
表2より明らかなように、本発明のインクジェット記録方法は、比較例に対して、吐出安定性が良好で、かつ得られた画像の耐擦過性、耐水性、画像均一性に優れていることが分かる。
【0174】
実施例2
実施例1の方法に従って、マゼンタインクに代えて同様の方法により、イエローインク、シアンインク及びブラックインクを調製し、同様のインクジェット記録方法に従って評価を行った結果、実施例1と同様に、他のインクにおいても、総固形分の相転移点が10〜60℃であるインクを用いて、インクジェット記録ヘッドが印字範囲内にある時は、インクを吐出しないノズルのメニスカスを、インクが吐出しない程度で振動させ、かつ印字範囲外では全ノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させることにより、吐出安定性が良好で、かつ得られた画像の耐擦過性、耐水性、画像均一性に優れていることを確認することができた。
【0175】
【発明の効果】
本発明により、インクジェット記録ヘッドの吐出安定性が良好で、かつ形成した画像の耐擦過性、耐水性、画像均一性に優れたインクジェット記録方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の主要構成の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に用いられるインクジェット記録装置のインクジェットヘッド部の一部破断面を有する分解斜視図である。
【図3】本発明に用いられるインクジェットヘッドの概略断面図である。
【図4】ノズル開口近傍を拡大して示す概略図であって、微振動を行ったときの一連の様子を示す図である。
【図5】印字範囲外で微振動を付与する方法の一例を示す模式図である。
【図6】印字範囲内で微振動を付与する方法の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2、30 記録媒体
3 記録ヘッド
11 圧電素子
13 電極膜
14 隔壁
15 共通インク室
19 インク室
20 ノズルプレート
21 ノズル開口
25 インク供給口
31 インク液滴
51 メニスカス部

Claims (17)

  1. インクを吐出するノズルを有するインクジェット記録ヘッドを往復走査させ、前記ノズルよりインクを吐出させて記録を行うインクジェット記録方法において、
    前記インクが着色剤、水、水溶性有機溶媒及びポリマーを含有するインクであり、かつ、該インクの総固形分の相転移点が10〜60℃であり、
    前記インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲内にあり、インク非吐出である時には、インクを吐出しないノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させ、前記インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の両端にある時には、全ノズルからインクを吐出廃棄させるように制御することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記インクジェット記録ヘッドが前記往復走査の印字範囲外にある時には全ノズルのメニスカスをインクが吐出しない程度で振動させるように制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インクのインク液滴量が、1.0pl以上、6.0pl以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク液滴量が、1.0pl以上、4.0pl未満であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記着色剤が、顔料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インクの総固形分の相転移点が、30〜50℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記インクの総固形分のポリマーと着色剤の総量(T)に対するポリマー(P)の比(P/T)が、0.1〜0.4であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記比(P/T)が0.2〜0.3であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記インク中のマグネシウム、カルシウム及び鉄の総含有量が、10ppm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記インク中の鉄イオンの濃度が、0.01〜3.0ppmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記インク中のマグネシウムイオンの濃度が、2.0ppm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記インク中のマグネシウムイオンの濃度が、0.01〜2.0ppm以下であることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記インク中のカルシウムイオンの濃度が、3.0ppm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記インクが、転相乳化法によりポリマーと顔料とから調製した着色微粒子を含有することを特徴とする請求項5〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記インクが、表面重合法により顔料表面にポリマーを被覆した着色微粒子を含有することを特徴とする請求項5〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記インクジェット記録ヘッドの駆動周波数が、15kHz以上であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  17. 前記インクジェット記録ヘッドの駆動周波数が、20kHz以上であることを特徴とする請求項16に記載のインクジェット記録方法。
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