JP2004202650A - スライド駆動装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送り螺子軸としてのボール螺子軸10と、該螺子軸10に螺合するナット30を回転自在に保持していて該ナット30と共にスライド移動するスライドテーブル20と、前記螺子軸10を回転駆動する第1のモータ11と、前記螺子軸10を停止する第1のブレーキ13bと、前記ナット30を回転駆動する第2のモータ31と、前記ナット30を停止する第2のブレーキ33bとを備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送り螺子軸の回転によりスライドテーブル等のスライド体を移動させるスライド駆動装置及び方法に係り、とくに工作機械、測定器、自動組み立て機等に使用するのに適したスライド駆動装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスライド駆動装置として、送り螺子軸として1本のボール螺子軸をサーボモータで駆動し、ボール螺子ナットを有しかつスライドガイドで支持されたスライドテーブルを移動させるスライドテーブルユニットが知られており、この従来技術の概要は下記の通りである。
【0003】
(1) スライドテーブルの移動速度
使用モータの仕様及びボール螺子軸のリードにより実用範囲のテーブル移動速度(最低〜最高速度)は限定されしまう。
【0004】
(2) スライドテーブルの移動分解能
移動速度と同様に移動分解能に関してもモータ(エンコーダ)仕様とボール螺子軸のリードにより自ずから分解能が決まってしまう。
【0005】
(3) スライドテーブルの推力
移動速度と同様に推力に関してもモータ仕様とボール螺子軸のリードにより自ずから推力も決まってしまう。
【0006】
(4) スライドテーブルの移動距離の精度
単にボール螺子軸の製作精度に依存している。
【0007】
上記従来技術の(1),(2)における問題点の解決を図ったものとして、下記特許文献1及び特許文献2の構成が提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開平5−215195号公報
【特許文献2】特開平8−61456号公報
【0009】
特許文献1及び特許文献2では、スライドテーブルの移動速度及び分解能について、1本のボール螺子軸と1個のボール螺子ナットを各々1台(計2台)のモータで駆動し、スライドテーブルを移動させる構成とし、特許文献1では2台のモータを駆動させることにより高速移動を可能とし、また特許文献2では2台のモータの停止に時間差を持たせることにより、高速移動による停止分解能の低下を防止するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、1本のボール螺子軸をモータで駆動しテーブルを移動させるスライドテーブルユニットの従来技術の場合、その問題点、課題は下記の通りである。
【0011】
(1) スライドテーブル移動の速度、分解能、推力の関係
モータ(及びこれに付属するエンコーダ)は、最高回転数と分解能が決まっているために、ボール螺子軸のリードを決めれば、自ずからスライドテーブルの最高(最低)移動速度、直線方向の移動分解能及びその推力も決定し、いずれかの能力を高めたければ、他の能力は下げざるを得ない。
【0012】
(2) スライドテーブル移動とボール螺子軸回転とのリニアリティ
スライドテーブルを一定速度で移動させる場合に、ボール螺子軸には1リード間の繰り返し誤差及び累積のリード誤差があるので、ボール螺子軸を単純に一定回転させただけでは、つまりモータを一定回転させただけでは、テーブルは厳密には一定速度では移動していない事となる。
【0013】
上記特許文献1,2のスライドテーブル移動速度、分解能及び推力の関係について考察すると、下記の問題点がある。
【0014】
(1) 特許文献1,2において、1本のボール螺子軸と1個のボール螺子ナットを各々1台(計2台)のモータで駆動し、スライドテーブルを移動させる場合は、それぞれ2個のモータ駆動系はボール螺子軸及びボール螺子ナットに直結していて、モータの回転が常にスライドテーブルの移動(運動)と位置決めに直接影響している。
【0015】
(2) このため、分解能に関しては、スライドテーブルの分解能を高めるべく高分解能モータを取り付けるか、または減速機を取り付けたモータをいずれか一方の駆動系にして、1パルス分のハンチング誤差を微小にして移動分解能を高めたとしても、他方の高分解能でない駆動系の1パルス分のハンチング誤差が大きすぎてしまうためにスライドテーブルの移動精度は高分解能にはならない。
【0016】
(3) 推進力に関しては、特許文献1,2では記載されていないものの、特許文献1,2の装置を用いた場合、スライドテーブルの推力を高めるべく減速機の取り付けられたモータをいずれか一方の駆動系として、その駆動系でスライドテーブルの推力を高めたとしても、他方の減速機の取り付けられていないモータの駆動系がスライドテーブルからの反力を受けて、反転またはサーボエラーとなることもあり、結局、高推力を得られない。
【0017】
本発明の第1の目的は、送り螺子軸をモータで駆動しスライドテーブル等のスライド体を移動させる場合に、その速度、移動分解能及び推力を、モータの仕様、送り螺子軸の仕様、精度だけに規制される事無く、各能力を高めることが可能なスライド駆動装置及び方法を提供することにある。
【0018】
本発明の第2の目的は、送り螺子軸又はこれに螺合するナットのいずれかを駆動する基準モータの回転角とスライド体移動距離のリニアリティを、送り螺子軸の1リード間の繰り返し誤差及び累積のリード誤差に影響されること無く高めることが可能なスライド駆動装置及び方法を提供することにある。
【0019】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明に係るスライド駆動装置は、送り螺子軸と、該送り螺子軸に螺合するナットを回転自在に保持していて該ナットと共にスライド移動するスライド体と、前記送り螺子軸を回転駆動する第1のモータと、前記送り螺子軸を停止する第1のブレーキと、前記ナットを回転駆動する第2のモータと、前記ナットを停止する第2のブレーキとを備えたことを特徴としている。
【0021】
本願請求項2の発明に係るスライド駆動装置は、請求項1において、前記送り螺子軸、前記ナットの一方又は両方がクラッチを介して回転駆動されることを特徴としている。
【0022】
本願請求項3の発明に係るスライド駆動装置は、請求項1又は2において、前記送り螺子軸、前記ナットの一方又は両方が変速機を介して回転駆動されることを特徴としている。
【0023】
本願請求項4の発明に係るスライド駆動装置は、請求項1,2又は3において、前記スライド体の前記送り螺子軸に沿った方向の移動量を計測するリニアスケールを備えることを特徴としている。
【0024】
本願請求項5の発明に係るスライド駆動装置は、請求項1,2,3又は4において、前記第1及び第2のモータがサーボモータであり、前記第1のモータに付属する第1のエンコーダの1回転当たりパルス数と、前記第2のモータに付属する第2のエンコーダの1回転当たりパルス数とが異なっていることを特徴としている。
【0025】
本願請求項6の発明に係るスライド駆動方法は、送り螺子軸と、該送り螺子軸に螺合するナットを回転自在に保持していて該ナットと共にスライド移動するスライド体と、前記送り螺子軸を回転駆動する第1のモータと、前記送り螺子軸を停止する第1のブレーキと、前記ナットを回転駆動する第2のモータと、前記ナットを停止する第2のブレーキとを用い、
前記送り螺子軸と前記ナットを同方向又は逆方向に回転させることにより、前記送り螺子軸又は前記ナットの一方のみを回転させたときよりも低速又は高速で前記スライド体を移動させることを特徴としている。
【0026】
本願請求項7の発明に係るスライド駆動方法は、送り螺子軸と、該送り螺子軸に螺合するナットを回転自在に保持していて該ナットと共にスライド移動するスライド体と、前記送り螺子軸を回転駆動する第1のモータと、前記送り螺子軸を停止する第1のブレーキと、前記ナットを回転駆動する第2のモータと、前記ナットを停止する第2のブレーキと、前記スライド体の前記送り螺子軸に沿った方向の移動量を計測するリニアスケールとを用い、
一方のモータによる前記送り螺子軸又はナットの回転量に正比例した前記スライド体の移動量計算値と、前記リニアスケールによる前記スライド体の移動量計測値との差が零になるように、他方のモータにより前記ナット又は送り螺子軸を補正回転することを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスライド駆動装置及び方法の実施の形態を図面に従って説明する。
【0028】
図1は本発明に係るスライド駆動装置及び方法の実施の形態の構成図を示す。この図において、基台15上に立設固定された1対の支持体16,17間に送り螺子軸としてのボール螺子軸10が横方向に回転自在に軸支されており、このボール螺子軸10を回転駆動するための第1のサーボモータ(モータ回転軸の回転角検出用ロータリエンコーダ付属)11が基台15上に設置されている。また、第1のサーボモータ11とボール螺子軸10との間には第1の変速機12(タイミングプーリ/ベルト、ギア、ギアボックス等で構成される)及び第1のクラッチ・ブレーキ13(クラッチ13aとブレーキ13bとを一体化した構成)が挿入され、これらも基台15上に設置されている。すなわち、第1のサーボモータ11は第1の変速機12及び第1のクラッチ・ブレーキ13のクラッチ13aを介してボール螺子軸10に連結され、第1のサーボモータ11の回転は第1の変速機12の所定減速比で減速されて第1のクラッチ・ブレーキ13のクラッチ13a閉状態にてボール螺子軸10に伝達される。
【0029】
一方、スライド体としてのスライドテーブル20は、基台15上にリニアガイド21で横方向(ボール螺子軸の方向)にスライド自在に支持され、かつボール螺子軸10に螺合するボール螺子ナット30を回転自在に保持(軸支)しており、ボール螺子軸10に沿ってナット30と共に(一体的に)移動するようになっている。換言すれば、ボール螺子ナット30は、スライドテーブル20に回転運動のみ可能な状態で固定されている。
【0030】
前記ボール螺子ナット30を回転駆動するための第2のサーボモータ(モータ回転軸の回転角検出用ロータリエンコーダ付属)31がスライドテーブル20上に搭載され、また、第2のサーボモータ31とボール螺子ナット30との間には第2の変速機32(タイミングプーリ/ベルト、ギア、ギアボックス等で構成される)及び第2のクラッチ・ブレーキ33(クラッチ33aとブレーキ33bとを一体化した構成)及び伝動機構34(巻き掛け伝動機構、ギア機構等)が挿入され、第2の変速機32と第2のクラッチ・ブレーキ33もスライドテーブル20上に搭載されている。すなわち、第2のサーボモータ31は第2の変速機32、第2のクラッチ・ブレーキ33のクラッチ33a、伝動機構34を介してボール螺子ナット30に連結され、第2のサーボモータ31の回転は第2の変速機32の所定減速比で減速されて第2のクラッチ・ブレーキ33のクラッチ33a閉状態にて伝動機構34を介しボール螺子ナット30に伝達される。なお、ブレーキ13bはボール螺子軸10を停止、ロックするものであり、ブレーキ33bはナット30を停止、ロックするものである。
【0031】
さらに、スライドテーブル20のボール螺子軸10に沿った方向の直線移動量を計測するためにリニアスケール40が基台15と共に固定された部材18側に設置されている。
【0032】
なお、前記第1及び第2のサーボモータ11,31及び第1及び第2のクラッチ・ブレーキ13,33はそれぞれ独立でオン/オフ可能としている。また、第1及び第2の変速機12,32の変速比は各目的に合わせて変更可能である。クラッチ・ブレーキ13,33は両機能が一体化されているものに限らず、単体のクラッチとブレーキとを組み合わせた構成であってもよい。
【0033】
図2で駆動系タイムチャートの説明を行う。図1の機構ではボール螺子軸駆動系(第1のサーボモータ11、第1の変速機12、第1のクラッチ・ブレーキ13)とボール螺子ナット駆動系(第2のサーボモータ31、第2の変速機32、クラッチ・ブレーキ33、伝動機構34)があり、ボール螺子軸10又はナット30の1回転に対するそれぞれのモータ11,31の分解能から、低分解能の駆動系を粗駆動系とし高分解能の駆動系を微駆動系とする。図2中、1:粗駆動系の移動指令、2:粗駆動系の移動完了、2’:微駆動系の移動指令、3:微駆動系の移動完了、3’:微駆動系の移動指令、4:微移動系の移動完了、4’:粗駆動系の移動指令、5:粗駆動系の移動完了を示す。1〜3は、粗動から微動への駆動系タイムチャート、3’〜5は、微動から粗動への駆動系タイムチャートを示す。
【0034】
次に、図1の機構の動作を場合分けして説明する。
【0035】
(1) 通常の運転1(ボール螺子軸回転でスライドテーブル移動)
第1のクラッチ・ブレーキ13のクラッチ13aを繋ぎ(ブレーキ13bは開)、第2のクラッチ・ブレーキ33のブレーキ33bを閉じて(クラッチ33aは開)、第1のサーボモータ11だけを回転させると、スライドテーブル20の移動はサーボモータ11によってのみ制御される。
【0036】
(2) 通常の運転2(ボール螺子ナット回転でスライドテーブル移動)
第1のクラッチ・ブレーキ13のブレーキ13bを閉じ(クラッチ13aは開)、第2のクラッチ・ブレーキ33のクラッチ33aを繋いで(ブレーキ33bは開)、第2のサーボモータ31だけを回転させると、スライドテーブル20の移動はサーボモータ31によってのみ制御される。
【0037】
(3) モータ2個同時駆動(ボール螺子軸回転とボール螺子ナット回転でスライドテーブル移動)
第1及び第2のクラッチ・ブレーキ13,33のクラッチ13a,33aをそれぞれ繋ぎ(ブレーキ13b,33bは開)、第1及び第2のサーボモータ11,31を回転させると、それぞれのモータの回転方向及びその回転数によって、スライドテーブルは、上記の通常の移動(運動)以外に以下の場合がある。
▲1▼ 通常1個のモータで運転した場合よりも高速で移動する。
▲2▼ 通常1個のモータで運転した場合よりも低速で移動する。
▲3▼ モータ2個は回転しているが、スライドテーブルは移動しない。
【0038】
(4) 移動(運動)目的別駆動方法
【0039】
(a) 第1の目的(移動の速度、分解能、推力について)
【0040】
(i) 速度
超低速から超高速までスライドテーブルを移動させるには、それぞれのモータのオン/オフ及び回転方向、回転数をコントロールすることにより可能となる。
【0041】
具体例(設計値)1
として
▲1▼ スライドテーブルを超低速で移動させる場合
ボール螺子軸とボール螺子ナットの回転方向を同一方向(螺子軸とナットを同一方向から見た場合)にし、それぞれの回転数に僅かに差を与えた場合に、スライドテーブルは、いずれか1個のモータだけでは移動させられない超低速での移動が可能となる。例として、第1のサーボモータ回転数:2000rpm、第2のサーボモータ回転数:1995rpmとすると、定格回転数の1/400の5rpmでテーブルは移動する事になる。
【0042】
▲2▼ スライドテーブルを超高速で移動させる場合
ボール螺子軸とボール螺子ナットの回転方向を逆方向(螺子軸とナットを同一方向から見た場合)にし、それぞれの回転数を最高回転数近くまであげた場合に、スライドテーブルは、いずれか1個のモータだけでは移動させられない程度の超高速での移動が可能となる。例として、第1のサーボモータ回転数:2000rpm、第2のサーボモータ回転数:1995rpmとすると、最高回転数以上の3995rpmでテーブルは移動した事になる。
【0043】
(ii) 分解能(高速移動と高分解能移動の両立)
ボール螺子軸ストローク中の任意の場所でスライドテーブルに高分解能移動をさせるには、いずれか1個のモータの分解能をあげるか又は減速機を取り付けて(変速機の変速比を変えて減速機として機能させて)分解能をあげ、所定の場所ではその高分解能用モータを駆動させて、テーブルを高分解能で移動させる。但しこの場合は、他方のモータのハンチング現象がテーブルの分解能に影響するのを防止する為にそのブレーキは閉じておく(クラッチは開)必要がある。さらに、高分解能移動を必要としない場所への移動は、他方の高分解能用ではないモータを駆動させて、テーブルを高速移動させる事ができる。
【0044】
前記特許文献1,2に対し、本発明ではモータとボール螺子軸及びモータとボール螺子ナットの間にクラッチ/ブレーキが入っていて、モータの回転とスライドテーブルの移動を切り分けられるので、高分解能でない駆動系のモータ回転をスライドテーブルの移動と切り分けることができ、スライドテーブルには高分解能でない駆動系のモータのハンチング誤差が影響を及ぼさない状態で、高分解能のモータにてスライドテーブルの移動と位置決めが可能となる。
【0045】
具体例(設計値)2
とすると、第1のサーボモータだけでのボール螺子軸分解能は、25/2500=0.01mmであり、第2のサーボモータだけでの分解能は、25/10000=0.0025mmとなり、第1のサーボモータでボール螺子軸を駆動した場合の4倍の高分解能となる。
または、
とすると、第1のサーボモータだけでのボール螺子軸分解能は、25/2500=0.01mmで第2のサーボモータだけでの分解能は、25/(2500×4)=0.0025mmとなり、第1のサーボモータでボール螺子軸を駆動した場合の4倍の高分解能となる。
【0046】
(iii)推力
ボール螺子軸ストローク中の任意の場所でスライドテーブルに高推力の移動をさせるには、いずれか1個のモータに減速機を取り付け(変速機の変速比を変えて減速機として機能させ)、所定の場所ではそのモータを駆動させて、テーブルを高推力で移動させる。但し、この場合も、他方の減速機の取り付けていない(変速機の変速比が1/1となっている)モータが反力によって逆転をしないようにブレーキは閉じておく(クラッチは開)必要がある。さらに、高推力を必要としない場所への移動は、他方の減速機の取り付けていない(変速機の変速比が1/1となっている)モータを駆動させて、テーブルを高速移動させる事ができる。
【0047】
本発明ではモータとボール螺子軸及びモータとボール螺子ナットの間にクラッチ/ブレーキが入っていて、減速機を取り付けたモータがスライドテーブルに高推力を伝達する時に、減速機の取り付けていないモータがスライドテーブルの受ける反力をその系のブレーキで受ける事ができるので、減速機の取り付けていないモータが反転又はサーボエラーとなる事ない。これにより、スライドテーブルが高推力を出す事ができる。
【0048】
具体例(設計値)3
とすると、必要な場所で第2のサーボモータを駆動することによりテーブルの推進力は、サーボモータ1でボール螺子軸を駆動した場合の約4倍の高推力を出すことができる。
【0049】
(b) 第2の目的(リニアリティ)
リニアリティについて説明すると、基準とするボール螺子軸又はナットに対してスライドテーブルを回転に正比例して移動(運動)させる場合には、2個のサーボモータに付属するロータリエンコーダ及びスライドテーブルに取り付けられたリニアスケールの信号から、基準となるサーボモータ(第1、第2のサーボモータのいずれか)のエンコーダ回転角度とスライドテーブルのリニアスケール移動距離を比較し、そのリニアスケールで計測した移動距離(移動量計測値)が計算値(エンコーダ回転角度とボール螺子軸のリードとの乗算結果から求められる回転角度に正比例した移動量計算値)と一致するように、もう1個のサーボモータを駆動しナット又はボール螺子軸(基準としない方)を補正回転することによって、スライドテーブル位置を微調整して基準とするボール螺子軸又はナットの回転角度と移動距離のリニアリティを保つ事が可能となる。このことにより、基準となるサーボモータの一定回転速度でスライドテーブルの一定速度での移動を実質的に保てることになる。
【0050】
図3に基準となるサーボモータのロータリエンコーダ回転角度と実際のスライドテーブルの移動距離関係図を示す。テーブルは、ポイントAまで進んだ時点で、ロータリエンコーダ回転角度から計算される移動量計算値(計算上の理想直線として図示)とリニアスケールより得られた実際の移動距離とを比較し、両者の差が零となるように、すなわち、この場合にはポイントB(計算上の直線上のポイント)までテーブルを移動させる。ここで、基準となるサーボモータのエンコーダ回転角度は変化せずに、テーブルだけ移動させる。つまり基準ではない方のモータだけを正回転させてテーブルを移動させる。更に、ポイントBからポイントCまで進んだ時点で、もう一度同じ事を繰り返し比較して、基準ではない方のモータを逆回転させてテーブルをポイントDへ移動させる。この一連の作業をTの周期で行い、ボール螺子軸の回転角度とスライドテーブル移動距離のリニアリティを保つ。勿論周期Tは、短い方が計算上の直線に近づくことになる。
【0051】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0053】
(1) 本発明では、スライド体の移動速度を、1個のモータでは制御しきれない超低速からそのモータの最高回転数での移動速度を上回る超高速まで可変できる。
【0054】
(2) 今までのモータと送り螺子軸を使ったスライドテーブルユニットでは、スライドテーブルの速度とそのテーブルの移動分解能とは相反するものであり、同一機構内で両方を高めることは困難であったが、本発明では、同一機構内でスライド体の高速移動と高分解能を両立することができる。
【0055】
(3) また、(1)と同様に、スライド体のスライド移動速度とそのスライド体の推力に関しても、同一機構内で両方を高めることは困難であったが、本発明では、同一機構内でスライド体の高速移動と高推力を両立させることができる。
【0056】
(4) 従来、基準となる送り螺子軸又はナットの回転とスライド体の直線移動のリニアリティに関しては、単に送り螺子軸の精度に依存し、リニアリティを高めるには、高価な高精度の送り螺子軸を取り付ける以外に方法は無かったが、本発明において、スライド体の移動量を計測するリニアスケールを設けた場合には、使用している送り螺子軸に対して適当なフィードバック制御を行うことが可能となり、送り螺子軸の精度の影響は受ける事がない。また、温度変化等の環境の変化に伴う送り螺子軸の変形(膨張、収縮)に関しても、都度フィードバックしリニアリティを確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライド駆動装置及び方法の実施の形態を示す構成図である。
【図2】前記実施の形態における駆動系動作タイムチャート図である。
【図3】前記実施の形態におけるボール螺子軸の回転角とナット移動距離との関係図である。
【符号の説明】
10 ボール螺子軸
11,31 サーボモータ
12,32 変速機
13,33 クラッチ・ブレーキ
15 基台
16,17 支持体
20 スライドテーブル
21 リニアガイド
30 ボール螺子ナット
34 伝動機構
40 リニアスケール
Claims (7)
- 送り螺子軸と、該送り螺子軸に螺合するナットを回転自在に保持していて該ナットと共にスライド移動するスライド体と、前記送り螺子軸を回転駆動する第1のモータと、前記送り螺子軸を停止する第1のブレーキと、前記ナットを回転駆動する第2のモータと、前記ナットを停止する第2のブレーキとを備えたことを特徴とするスライド駆動装置。
- 前記送り螺子軸、前記ナットの一方又は両方がクラッチを介して回転駆動される請求項1記載のスライド駆動装置。
- 前記送り螺子軸、前記ナットの一方又は両方が変速機を介して回転駆動される請求項1又は2記載のスライド駆動装置。
- 前記スライド体の前記送り螺子軸に沿った方向の移動量を計測するリニアスケールを備える請求項1,2又は3記載のスライド駆動装置。
- 前記第1及び第2のモータがサーボモータであり、前記第1のモータに付属する第1のエンコーダの1回転当たりパルス数と、前記第2のモータに付属する第2のエンコーダの1回転当たりパルス数とが異なっている請求項1,2,3又は4記載のスライド駆動装置。
- 送り螺子軸と、該送り螺子軸に螺合するナットを回転自在に保持していて該ナットと共にスライド移動するスライド体と、前記送り螺子軸を回転駆動する第1のモータと、前記送り螺子軸を停止する第1のブレーキと、前記ナットを回転駆動する第2のモータと、前記ナットを停止する第2のブレーキとを用い、
前記送り螺子軸と前記ナットを同方向又は逆方向に回転させることにより、前記送り螺子軸又は前記ナットの一方のみを回転させたときよりも低速又は高速で前記スライド体を移動させることを特徴とするスライド駆動方法。 - 送り螺子軸と、該送り螺子軸に螺合するナットを回転自在に保持していて該ナットと共にスライド移動するスライド体と、前記送り螺子軸を回転駆動する第1のモータと、前記送り螺子軸を停止する第1のブレーキと、前記ナットを回転駆動する第2のモータと、前記ナットを停止する第2のブレーキと、前記スライド体の前記送り螺子軸に沿った方向の移動量を計測するリニアスケールとを用い、
一方のモータによる前記送り螺子軸又はナットの回転量に正比例した前記スライド体の移動量計算値と、前記リニアスケールによる前記スライド体の移動量計測値との差が零になるように、他方のモータにより前記ナット又は送り螺子軸を補正回転することを特徴とするスライド駆動方法。
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JP2013119482A (ja) * | 2011-12-06 | 2013-06-17 | Hyundai Motor Co Ltd | 移動装置 |
KR101678783B1 (ko) * | 2015-06-04 | 2016-11-22 | 경상대학교산학협력단 | 콤바인 절삭성능 평가를 위한 작물 이송장치 |
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2002
- 2002-12-26 JP JP2002376891A patent/JP2004202650A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013119482A (ja) * | 2011-12-06 | 2013-06-17 | Hyundai Motor Co Ltd | 移動装置 |
KR101678783B1 (ko) * | 2015-06-04 | 2016-11-22 | 경상대학교산학협력단 | 콤바인 절삭성능 평가를 위한 작물 이송장치 |
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