JP2004202344A - 曝気式糞尿処理装置の排気機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】曝気を促進させる大量の空気の注入を行うも、気泡の発生を抑制し、発生した気泡を消泡して効果的に気体を排気させることにより、環境被害のない糞尿曝気処理装置の排気機構を提供する。
【解決手段】処理槽1内の上下方向に配置し、かつ上端開口40bを糞尿液面上に露出させ、内部に空気を導入するエアーリフト管40と、エアーリフト管の上端開口を所定の上下間隔もって覆った笠板41と、笠板の上面側で処理槽の上部空間と連通させると共に上部空間とは別空間として形成した消泡空間20aと、消泡空間に連通させて上部に配置した消泡手段2と、消泡手段に接続した排気手段26とする。処理槽の上部空間と連通させたドレン口21aを消泡空間に設けたり、笠板の上面側から処理槽の上部空間に形成した消泡空間との連通において連通管27を用いたり、消泡手段をせん断翼23としてもよい。
【選択図】図2
【解決手段】処理槽1内の上下方向に配置し、かつ上端開口40bを糞尿液面上に露出させ、内部に空気を導入するエアーリフト管40と、エアーリフト管の上端開口を所定の上下間隔もって覆った笠板41と、笠板の上面側で処理槽の上部空間と連通させると共に上部空間とは別空間として形成した消泡空間20aと、消泡空間に連通させて上部に配置した消泡手段2と、消泡手段に接続した排気手段26とする。処理槽の上部空間と連通させたドレン口21aを消泡空間に設けたり、笠板の上面側から処理槽の上部空間に形成した消泡空間との連通において連通管27を用いたり、消泡手段をせん断翼23としてもよい。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、糞尿曝気処理装置の排気機構に関し、詳しくは、曝気のために糞尿液に注入した空気が溶け込みきれない場合に、液面から気泡として排出された気体を効果的に処理槽外に排気させる糞尿曝気処理装置の排気機構に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】
従来から、家畜糞尿の処理手段として、回収した糞尿を固液分離して固形分を肥料とし、液体分の糞尿液を生物処理して液肥とする処理方法が採られていた。この糞尿液の生物処理は、所定量を処理槽に貯留して曝気処理するもので、十分なかつ効果的な好気性発酵を促進させるため、大量の空気を注入して溶存酸素を増やすことが行われている。
【0003】
一方、大量の空気の注入は、糞尿液に溶け切れない未溶存気体を大量に生じさせ、これが気泡となって液面上に大量の堆積物を形成していた。これらの気泡はその表面に未発酵状態の糞尿液を含み、これらが処理槽の上部空間に充満して外気に排出され、悪臭が周辺に拡散して環境被害を及ぼしていた。そのため、悪臭の拡散を少なくするよう、曝気用の空気注入を抑えて行う必要があり、その結果、処理速度や処理サイクルの遅延化を招いていた。
【0004】
【目的】
そこで、本願発明は曝気を促進させる大量の空気の注入を行うも、気泡の発生を抑制し、発生した気泡を消泡して効果的に気体を排気させることにより、環境被害のない効率的な糞尿処理を目的とした糞尿曝気処理装置の排気機構を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明の糞尿曝気処理装置の排気機構は以下のように構成している。
すなわち、請求項1では貯留させた糞尿液を曝気処理する処理槽(1)内の上下方向に配置し、かつ上端開口(40b)を糞尿液面上に露出させ、内部に空気を導入するエアーリフト管(40)と、前記エアーリフト管(40)の上端開口(40b)を所定の上下間隔もって覆った笠板(41)と、該笠板(41)の上面側で処理槽(1)の上部空間と連通させると共に該上部空間とは別空間として形成した消泡空間(20a)と、該消泡空間(20a)に連通させて上部に配置した消泡手段(2)と、該消泡手段(2)に接続した排気手段(26)と、からなることを特徴とする。
【0006】
請求項2では、請求項1における処理槽(1)の上部空間と連通させたドレン口(21a)を消泡空間(20a)に設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3では、請求項1、又は2における該笠板(41)の上面側から処理槽(1)の上部空間に形成した消泡空間(20a)との連通において、連通管(27)を用いたことを特徴とする。
【0008】
請求項4では、請求項1,2,又は3における消泡手段(2)を、気泡を打撃して消泡するせん断翼(23)としたことを特徴とする。
なお、本欄及び上記特許請求の範囲で各構成要素に付した記号は、理解を容易にするために便宜上用いたものであって、かかる形態に限定するものでないことはもちろんである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本願発明の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す外観図であり、図2は本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す要部斜視図であり、図3は本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す要部説明図である。
【0010】
図示符号1は、回収した家畜糞尿を固液分離し、液状分の糞尿液FLを貯留して微生物発酵処理を行う略密閉形態の竪型円筒状の処理槽であり、主に、消泡手段2、曝気手段3、気泡抑制手段4、とを備えている。
【0011】
処理槽1の上部の天井面11付近には、後述する糞尿液貯留槽5から処理対象となる糞尿液FLを導入する投入管12を取り付けている。また、処理槽1の下部側には、下方へ漸次縮径させたホッパー状の底部13を形成しており、その最下部には、敷き藁、土砂、砂利、など分解されないで沈殿した堆積物を取り出すためのドレン部14を配設している。さらに、処理槽1内部の略中間高さには、開閉弁15aを有する排出管15を配しており、これにより所定の発酵処理が済んで液肥化した糞尿液FLを後述の二次発酵槽6へ排出するようにしている。
【0012】
消泡手段2は、当該処理槽1内の液面Sの上位に配設しており、枠体20、仕切板21、盲板22、せん断翼23、及び連通管27を主な構成要素としている。
以下に、これら各構成要素の構成について詳述する。
枠体20は、処理槽1の天井面11の中央付近に取り付けており、その下部側を処理槽1の上部空間16へ延出させて配設した円筒状を成し、内部側を消泡空間20aとしている。また、枠体20の略中間高さ位置の内側には、外周付近に複数個の第1ドレン口21aを開設した円板状の仕切板21を取り付けて、この消泡空間20aを上下に仕切っている。
【0013】
また、この仕切板21より下位の枠体20の内面側には、後述する笠板41の外周径より若干小さい中央開口を有するドーナツ円板状の盲板22を取り付けている。そして、該中央開口の開口縁には、半円状の切り欠きからなる適宜個数の第2ドレン口22aを形成している。
【0014】
せん断翼23は、打撃式消泡装置としての回転翼であり、枠体20の消泡空間20aの上部に若干傾斜した状態で取り付けており、枠体20の外側上部に配置した駆動モータMにより軸回転するように構成している。この回転するせん断翼23に対応した外周囲には、打撃により消泡されて液化した糞尿液FLを回収するための回収樋24が内周面に沿って連続して設けられている。この回収樋24には送液管25を接続して、回収した糞尿液FLを処理槽1の外部に配置した二次発酵槽6へ液送している。また、枠体20の上部には、外気へ開放された排気管26を取り付けている。
【0015】
連通管27は、仕切板21の略中央付近から枠体20の下部側へ向けて斜め下方に延出した円筒管である。この連通管27の下端側は、後述する笠板41の外周部付近から下方へ開口した連通口27aを介して、処理槽1の上部空間16と連通している。また、連通管27の上端開口から軸線延長線方向の枠体20の側面には、連通管27の内部を覗くための覗き窓28を取り付けている。
【0016】
次に、曝気手段3は、処理槽1内の糞尿液FLの好気性発酵を活発化させるための空気(酸素)を混入(以下「曝気」)させるものであり、エゼクタポンプ30、吸気管31、ノズル32、及びディストリビュータ33を、その構成要素としている。
エゼクタポンプ30は、外部に連通した吸気管31を接続して処理槽1内の中位付近に配置しており、その放出側の先端にはノズル32を上方向きに屈曲させた状態で取り付けている。かつそのノズル開口の上方には、その外周縁部を下方へ湾曲させた環状のディストリビュータ33を取付けている。
【0017】
最後に、気泡抑制手段4は、処理槽1内の中央部に上下方向に立設した状態で配置した円筒状のエアーリフト管40を主構成要素としている。その下端開口40aは、処理槽1内の底部13側に位置し、上端開口40bは糞尿液FLの液面S上に露出させた状態で保持している。また、エアーリフト管40内に送気管42を介して外気を上向きに吹き込むためのブロワーBを外部に配置している。また、上端開口40bの上位には笠状の笠板41を配置し、この笠板41はその上面側を盲板22の内周縁へ下側から適合させるようにして取り付けている。
【0018】
処理槽1の外部には、家畜の糞や尿、及びこれらが付着した藁やおが屑等の敷料等から固形分を除去した糞尿液FLを貯留するための糞尿液貯留槽5を配設している。この糞尿液貯留槽5には投入管12を介して糞尿液FLを処理槽1へ移送するための移送ポンプ50を設けており、処理槽1内の液面Sの高さを検出する液面センサ51からの情報を基に適宜駆動制御している。
また、処理槽1の外部には、発酵処理後の糞尿液FLを送液するための二次発酵槽6を設けており、排出管15と送液管25の排出側を各々接続している。
【0019】
【実施例の作用】
次に、上記処理槽1における作用について説明する。先ず、糞尿液貯留槽5の移送ポンプ50を駆動して、液面センサ51による上限位置に達するまで投入管12を通じて糞尿液FLを処理槽1へ移送して貯留する。
次いで、曝気手段3のポンプ30を起動し、吸気管31から取り入れた空気と処理槽1内の糞尿液FLとをエゼクタポンプ30で混合して、ノズル32から上方に向って放出する。放出された気泡混合の糞尿液FLは、ディストリビュータ33よって放射方向斜め下向きに拡散する拡散流と、中央開口を通って上昇して行く上昇流とに分けられる。
【0020】
一方、ブロワーBを駆動し、送気管42を介してエアーリフト管40へ加圧空気を供給すると、気泡が混合した糞尿液FLは周りの糞尿液FLより比重が相対的に小さくなって上昇流を生じる。そして、勢い良く上昇した上昇流は、エアーリフト管40の開口から笠板41の下面に当たって液面S方向へ変向され、液面上Sにシャワー状に降り注ぐことになる(以下「シャワーリング」)。また、底部13付近に配設したエアーリフト管40の下端開口40aからは、底部13付近の糞尿液FLを引き込むことにより、処理槽1内に縦方向の大きな循環流を形成し、これにより酸素を豊富に含んだ糞尿液FLを処理槽1内の隅々まで行き渡らせて、好気性発酵を促進させている。
【0021】
通常、処理槽1内における糞尿液FLが好気性発酵する過程で発生する多量の発酵ガス等により、液面Sには気泡が発生する。この気泡は粘度の高い糞尿からなるため表面張力が大きく自然消泡せずに次々と液面S上の空間内に滞積して行くが、上記シャワーリングによって、液面S上の気泡を消して液面Sを露出させることにより、発酵ガスや余剰エアー等の発泡による気泡が液面S全体を覆うことを契機する急激な気泡の盛り上がりが防止され、発酵ガスや余剰エアー等の気体成分の通気が確保される。
【0022】
所定時間の発酵処理を行いながら、液面Sで消泡されずに滞積して盛り上がった気泡は、連通口27aから連通管27を経て枠体20の消泡空間20aへ侵入し、回転するせん断翼23に叩かれて消泡され糞尿液FLに戻る(矢印a)。一方、せん断翼23による消泡で生じた気体成分は排気管26から外部に排気されるので、必要に応じて悪臭拡散防止措置を採る(矢印b)。液化した糞尿液FLは回収樋24から送液管25を経由して外部の二次発酵槽6へ送液される(矢印c)。
【0023】
なお、液化した糞尿液FLの一部は、回収樋24には入りきれずに仕切板21に落下し、仕切板21に開口した第1ドレン口21aを経て盲板22の内周縁と笠板41との間に開口した第2ドレン口22aから排出されて、シャワーリングに混入して処理槽1内に戻る(矢印d)。なお、処理槽1内で発生する炭酸ガスやアンモニアガス等の溶解ガスは、排気管26から外部へ速やかに排気しないとガス分圧により有機物の分解速度が低下するため、排気管26はガス抜きとしても利用している。
二次発酵槽6への送液により、処理槽1内の液面位置が所定高さだけ低下すると、液面センサ51がこれを検出し、移送ポンプ50を駆動して処理槽1に糞尿液FLを補充する。補充後は、上記工程を繰り返すこととなる。
【0024】
【他の実施例の可能性】
上記実施の形態は、本願発明の技術的思想を具現化するのに好ましく、かつ簡易な実施形態であるが、これは一実施形態例に過ぎず、これに限定するものでないことはもちろんであり、その他、以下の形態を採っても発明の技術的思想としては同一範疇に含まれるものである。
【0025】
すなわち、気泡抑制手段4としてエアーリフト管40と第2ドレン口22aからの糞尿液FLによる液面S上位からシャワーリングを行っているが、エアーリフト管40に替えて、処理槽1内の糞尿液FLを汲み上げて散布する気泡抑制手段とすることも出来る。
【0026】
【発明の効果】
本願発明は以上のように構成しているため、以下に列挙した効果を奏する。すなわち、処理槽内への大量の空気注入による糞尿の好気性発酵を行う場合でも気泡の発生を抑制でき、発生した気泡を消泡して効果的に気体を排気させることが可能となる。従って、悪臭の拡散を少なくするために曝気用の空気注入を抑えて行う必要がなく、環境被害のない効率的な糞尿処理を行うことができる等、その効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す外観図である。
【図2】本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す要部斜視図である。
【図3】本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す要部説明図である。
【符号の説明】
1 処理槽
11 天井面
12 投入管
13 底部
14 ドレン部
15 排出管
15a 開閉弁
16 上部空間
2 消泡手段
20 枠体
20a 消泡空間
21 仕切板
21a 第1ドレン口
22 盲板
22a 第2ドレン口
23 せん断翼
24 回収樋
25 送液管
26 排気管
27 連通管
27a 連通口
28 覗き窓
3 曝気手段
30 エゼクタポンプ
31 吸気管
32 ノズル
33 ディストリビュータ
4 気泡抑制手段
40 エアーリフト管
40a 下端開口
40b 上端開口
41 笠板
42 送気管
5 糞尿液貯留槽
50 移送ポンプ
51 液面センサ
6 二次発酵槽
B ブロワー
FL 糞尿液
M 駆動モータ
S 液面
【発明の属する技術分野】
本願発明は、糞尿曝気処理装置の排気機構に関し、詳しくは、曝気のために糞尿液に注入した空気が溶け込みきれない場合に、液面から気泡として排出された気体を効果的に処理槽外に排気させる糞尿曝気処理装置の排気機構に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】
従来から、家畜糞尿の処理手段として、回収した糞尿を固液分離して固形分を肥料とし、液体分の糞尿液を生物処理して液肥とする処理方法が採られていた。この糞尿液の生物処理は、所定量を処理槽に貯留して曝気処理するもので、十分なかつ効果的な好気性発酵を促進させるため、大量の空気を注入して溶存酸素を増やすことが行われている。
【0003】
一方、大量の空気の注入は、糞尿液に溶け切れない未溶存気体を大量に生じさせ、これが気泡となって液面上に大量の堆積物を形成していた。これらの気泡はその表面に未発酵状態の糞尿液を含み、これらが処理槽の上部空間に充満して外気に排出され、悪臭が周辺に拡散して環境被害を及ぼしていた。そのため、悪臭の拡散を少なくするよう、曝気用の空気注入を抑えて行う必要があり、その結果、処理速度や処理サイクルの遅延化を招いていた。
【0004】
【目的】
そこで、本願発明は曝気を促進させる大量の空気の注入を行うも、気泡の発生を抑制し、発生した気泡を消泡して効果的に気体を排気させることにより、環境被害のない効率的な糞尿処理を目的とした糞尿曝気処理装置の排気機構を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明の糞尿曝気処理装置の排気機構は以下のように構成している。
すなわち、請求項1では貯留させた糞尿液を曝気処理する処理槽(1)内の上下方向に配置し、かつ上端開口(40b)を糞尿液面上に露出させ、内部に空気を導入するエアーリフト管(40)と、前記エアーリフト管(40)の上端開口(40b)を所定の上下間隔もって覆った笠板(41)と、該笠板(41)の上面側で処理槽(1)の上部空間と連通させると共に該上部空間とは別空間として形成した消泡空間(20a)と、該消泡空間(20a)に連通させて上部に配置した消泡手段(2)と、該消泡手段(2)に接続した排気手段(26)と、からなることを特徴とする。
【0006】
請求項2では、請求項1における処理槽(1)の上部空間と連通させたドレン口(21a)を消泡空間(20a)に設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項3では、請求項1、又は2における該笠板(41)の上面側から処理槽(1)の上部空間に形成した消泡空間(20a)との連通において、連通管(27)を用いたことを特徴とする。
【0008】
請求項4では、請求項1,2,又は3における消泡手段(2)を、気泡を打撃して消泡するせん断翼(23)としたことを特徴とする。
なお、本欄及び上記特許請求の範囲で各構成要素に付した記号は、理解を容易にするために便宜上用いたものであって、かかる形態に限定するものでないことはもちろんである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、本願発明の実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す外観図であり、図2は本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す要部斜視図であり、図3は本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す要部説明図である。
【0010】
図示符号1は、回収した家畜糞尿を固液分離し、液状分の糞尿液FLを貯留して微生物発酵処理を行う略密閉形態の竪型円筒状の処理槽であり、主に、消泡手段2、曝気手段3、気泡抑制手段4、とを備えている。
【0011】
処理槽1の上部の天井面11付近には、後述する糞尿液貯留槽5から処理対象となる糞尿液FLを導入する投入管12を取り付けている。また、処理槽1の下部側には、下方へ漸次縮径させたホッパー状の底部13を形成しており、その最下部には、敷き藁、土砂、砂利、など分解されないで沈殿した堆積物を取り出すためのドレン部14を配設している。さらに、処理槽1内部の略中間高さには、開閉弁15aを有する排出管15を配しており、これにより所定の発酵処理が済んで液肥化した糞尿液FLを後述の二次発酵槽6へ排出するようにしている。
【0012】
消泡手段2は、当該処理槽1内の液面Sの上位に配設しており、枠体20、仕切板21、盲板22、せん断翼23、及び連通管27を主な構成要素としている。
以下に、これら各構成要素の構成について詳述する。
枠体20は、処理槽1の天井面11の中央付近に取り付けており、その下部側を処理槽1の上部空間16へ延出させて配設した円筒状を成し、内部側を消泡空間20aとしている。また、枠体20の略中間高さ位置の内側には、外周付近に複数個の第1ドレン口21aを開設した円板状の仕切板21を取り付けて、この消泡空間20aを上下に仕切っている。
【0013】
また、この仕切板21より下位の枠体20の内面側には、後述する笠板41の外周径より若干小さい中央開口を有するドーナツ円板状の盲板22を取り付けている。そして、該中央開口の開口縁には、半円状の切り欠きからなる適宜個数の第2ドレン口22aを形成している。
【0014】
せん断翼23は、打撃式消泡装置としての回転翼であり、枠体20の消泡空間20aの上部に若干傾斜した状態で取り付けており、枠体20の外側上部に配置した駆動モータMにより軸回転するように構成している。この回転するせん断翼23に対応した外周囲には、打撃により消泡されて液化した糞尿液FLを回収するための回収樋24が内周面に沿って連続して設けられている。この回収樋24には送液管25を接続して、回収した糞尿液FLを処理槽1の外部に配置した二次発酵槽6へ液送している。また、枠体20の上部には、外気へ開放された排気管26を取り付けている。
【0015】
連通管27は、仕切板21の略中央付近から枠体20の下部側へ向けて斜め下方に延出した円筒管である。この連通管27の下端側は、後述する笠板41の外周部付近から下方へ開口した連通口27aを介して、処理槽1の上部空間16と連通している。また、連通管27の上端開口から軸線延長線方向の枠体20の側面には、連通管27の内部を覗くための覗き窓28を取り付けている。
【0016】
次に、曝気手段3は、処理槽1内の糞尿液FLの好気性発酵を活発化させるための空気(酸素)を混入(以下「曝気」)させるものであり、エゼクタポンプ30、吸気管31、ノズル32、及びディストリビュータ33を、その構成要素としている。
エゼクタポンプ30は、外部に連通した吸気管31を接続して処理槽1内の中位付近に配置しており、その放出側の先端にはノズル32を上方向きに屈曲させた状態で取り付けている。かつそのノズル開口の上方には、その外周縁部を下方へ湾曲させた環状のディストリビュータ33を取付けている。
【0017】
最後に、気泡抑制手段4は、処理槽1内の中央部に上下方向に立設した状態で配置した円筒状のエアーリフト管40を主構成要素としている。その下端開口40aは、処理槽1内の底部13側に位置し、上端開口40bは糞尿液FLの液面S上に露出させた状態で保持している。また、エアーリフト管40内に送気管42を介して外気を上向きに吹き込むためのブロワーBを外部に配置している。また、上端開口40bの上位には笠状の笠板41を配置し、この笠板41はその上面側を盲板22の内周縁へ下側から適合させるようにして取り付けている。
【0018】
処理槽1の外部には、家畜の糞や尿、及びこれらが付着した藁やおが屑等の敷料等から固形分を除去した糞尿液FLを貯留するための糞尿液貯留槽5を配設している。この糞尿液貯留槽5には投入管12を介して糞尿液FLを処理槽1へ移送するための移送ポンプ50を設けており、処理槽1内の液面Sの高さを検出する液面センサ51からの情報を基に適宜駆動制御している。
また、処理槽1の外部には、発酵処理後の糞尿液FLを送液するための二次発酵槽6を設けており、排出管15と送液管25の排出側を各々接続している。
【0019】
【実施例の作用】
次に、上記処理槽1における作用について説明する。先ず、糞尿液貯留槽5の移送ポンプ50を駆動して、液面センサ51による上限位置に達するまで投入管12を通じて糞尿液FLを処理槽1へ移送して貯留する。
次いで、曝気手段3のポンプ30を起動し、吸気管31から取り入れた空気と処理槽1内の糞尿液FLとをエゼクタポンプ30で混合して、ノズル32から上方に向って放出する。放出された気泡混合の糞尿液FLは、ディストリビュータ33よって放射方向斜め下向きに拡散する拡散流と、中央開口を通って上昇して行く上昇流とに分けられる。
【0020】
一方、ブロワーBを駆動し、送気管42を介してエアーリフト管40へ加圧空気を供給すると、気泡が混合した糞尿液FLは周りの糞尿液FLより比重が相対的に小さくなって上昇流を生じる。そして、勢い良く上昇した上昇流は、エアーリフト管40の開口から笠板41の下面に当たって液面S方向へ変向され、液面上Sにシャワー状に降り注ぐことになる(以下「シャワーリング」)。また、底部13付近に配設したエアーリフト管40の下端開口40aからは、底部13付近の糞尿液FLを引き込むことにより、処理槽1内に縦方向の大きな循環流を形成し、これにより酸素を豊富に含んだ糞尿液FLを処理槽1内の隅々まで行き渡らせて、好気性発酵を促進させている。
【0021】
通常、処理槽1内における糞尿液FLが好気性発酵する過程で発生する多量の発酵ガス等により、液面Sには気泡が発生する。この気泡は粘度の高い糞尿からなるため表面張力が大きく自然消泡せずに次々と液面S上の空間内に滞積して行くが、上記シャワーリングによって、液面S上の気泡を消して液面Sを露出させることにより、発酵ガスや余剰エアー等の発泡による気泡が液面S全体を覆うことを契機する急激な気泡の盛り上がりが防止され、発酵ガスや余剰エアー等の気体成分の通気が確保される。
【0022】
所定時間の発酵処理を行いながら、液面Sで消泡されずに滞積して盛り上がった気泡は、連通口27aから連通管27を経て枠体20の消泡空間20aへ侵入し、回転するせん断翼23に叩かれて消泡され糞尿液FLに戻る(矢印a)。一方、せん断翼23による消泡で生じた気体成分は排気管26から外部に排気されるので、必要に応じて悪臭拡散防止措置を採る(矢印b)。液化した糞尿液FLは回収樋24から送液管25を経由して外部の二次発酵槽6へ送液される(矢印c)。
【0023】
なお、液化した糞尿液FLの一部は、回収樋24には入りきれずに仕切板21に落下し、仕切板21に開口した第1ドレン口21aを経て盲板22の内周縁と笠板41との間に開口した第2ドレン口22aから排出されて、シャワーリングに混入して処理槽1内に戻る(矢印d)。なお、処理槽1内で発生する炭酸ガスやアンモニアガス等の溶解ガスは、排気管26から外部へ速やかに排気しないとガス分圧により有機物の分解速度が低下するため、排気管26はガス抜きとしても利用している。
二次発酵槽6への送液により、処理槽1内の液面位置が所定高さだけ低下すると、液面センサ51がこれを検出し、移送ポンプ50を駆動して処理槽1に糞尿液FLを補充する。補充後は、上記工程を繰り返すこととなる。
【0024】
【他の実施例の可能性】
上記実施の形態は、本願発明の技術的思想を具現化するのに好ましく、かつ簡易な実施形態であるが、これは一実施形態例に過ぎず、これに限定するものでないことはもちろんであり、その他、以下の形態を採っても発明の技術的思想としては同一範疇に含まれるものである。
【0025】
すなわち、気泡抑制手段4としてエアーリフト管40と第2ドレン口22aからの糞尿液FLによる液面S上位からシャワーリングを行っているが、エアーリフト管40に替えて、処理槽1内の糞尿液FLを汲み上げて散布する気泡抑制手段とすることも出来る。
【0026】
【発明の効果】
本願発明は以上のように構成しているため、以下に列挙した効果を奏する。すなわち、処理槽内への大量の空気注入による糞尿の好気性発酵を行う場合でも気泡の発生を抑制でき、発生した気泡を消泡して効果的に気体を排気させることが可能となる。従って、悪臭の拡散を少なくするために曝気用の空気注入を抑えて行う必要がなく、環境被害のない効率的な糞尿処理を行うことができる等、その効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す外観図である。
【図2】本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す要部斜視図である。
【図3】本実施形態の糞尿発酵処理装置を示す要部説明図である。
【符号の説明】
1 処理槽
11 天井面
12 投入管
13 底部
14 ドレン部
15 排出管
15a 開閉弁
16 上部空間
2 消泡手段
20 枠体
20a 消泡空間
21 仕切板
21a 第1ドレン口
22 盲板
22a 第2ドレン口
23 せん断翼
24 回収樋
25 送液管
26 排気管
27 連通管
27a 連通口
28 覗き窓
3 曝気手段
30 エゼクタポンプ
31 吸気管
32 ノズル
33 ディストリビュータ
4 気泡抑制手段
40 エアーリフト管
40a 下端開口
40b 上端開口
41 笠板
42 送気管
5 糞尿液貯留槽
50 移送ポンプ
51 液面センサ
6 二次発酵槽
B ブロワー
FL 糞尿液
M 駆動モータ
S 液面
Claims (4)
- 貯留させた糞尿液を曝気処理する処理槽(1)内の上下方向に配置し、かつ上端開口(40b)を糞尿液面上に露出させ、内部に空気を導入するエアーリフト管(40)と、
前記エアーリフト管(40)の上端開口(40b)を所定の上下間隔もって覆った笠板(41)と、
該笠板(41)の上面側で処理槽(1)の上部空間と連通させると共に該上部空間とは別空間として形成した消泡空間(20a)と、
該消泡空間(20a)に連通させて上部に配置した消泡手段(2)と、
該消泡手段(2)に接続した排気手段(26)と、
からなることを特徴とする糞尿曝気処理装置の排気機構。 - 処理槽(1)の上部空間と連通させたドレン口(21a)を消泡空間(20a)に設けたことを特徴とする請求項1記載の糞尿曝気処理装置の排気機構。
- 該笠板(41)の上面側から処理槽(1)の上部空間に形成した消泡空間(20a)との連通において、連通管(27)を用いたことを特徴とする請求項1、又は2記載の糞尿曝気処理装置の排気機構。
- 消泡手段(2)を、気泡を打撃して消泡するせん断翼(23)としたことを特徴とする請求項1,2,又は3記載の糞尿曝気処理装置の排気機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002373767A JP2004202344A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 曝気式糞尿処理装置の排気機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002373767A JP2004202344A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 曝気式糞尿処理装置の排気機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004202344A true JP2004202344A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32811959
Family Applications (1)
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JP2002373767A Pending JP2004202344A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 曝気式糞尿処理装置の排気機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004202344A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104828963A (zh) * | 2015-04-29 | 2015-08-12 | 四川和鼎环保工程有限责任公司 | 升降式消泡曝气池 |
CN112624323A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-09 | 兰州理工大学 | Mbr膜生物反应器的消泡装置 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002373767A patent/JP2004202344A/ja active Pending
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CN104828963A (zh) * | 2015-04-29 | 2015-08-12 | 四川和鼎环保工程有限责任公司 | 升降式消泡曝气池 |
CN112624323A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-09 | 兰州理工大学 | Mbr膜生物反应器的消泡装置 |
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