JP2004202189A - 歯牙用の照明装置、歯牙の治療装置および漂白方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】医師が患者に直接対応しなくても、更には自宅で本人が1人で手軽に歯牙の漂白を行うことができる照明装置および漂白装置を提供することである。
【解決手段】液状ないしペースト状の漂白剤7を歯面4aに塗布ないし近接させた状態で、漂白剤7に光を照射して歯牙4の漂白を行う歯牙漂白用の照明装置8において、頭部に装着して固定される固定部1と、固定部1から口元に向って延設された延設部2と、延設部2の口元側に取り付けられ、、少なくとも複数本の歯面4aに対面する出射面3bを持つ光源取付部3と、光源取付部3に取り付けられ歯面4aに向って光を出射する複数個の発光ダイオードとを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】液状ないしペースト状の漂白剤7を歯面4aに塗布ないし近接させた状態で、漂白剤7に光を照射して歯牙4の漂白を行う歯牙漂白用の照明装置8において、頭部に装着して固定される固定部1と、固定部1から口元に向って延設された延設部2と、延設部2の口元側に取り付けられ、、少なくとも複数本の歯面4aに対面する出射面3bを持つ光源取付部3と、光源取付部3に取り付けられ歯面4aに向って光を出射する複数個の発光ダイオードとを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歯牙漂白などの歯牙用の照明装置、歯牙の治療装置および漂白方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、漂白剤に光を当てて、歯牙の漂白を行う技術が種々開示されている。しかし、従来は、下記特許文献1、2のようなガン型(ピストル型)の照明装置やハンドピースタイプの照明装置を医師が手で持って患者の歯面に照射したり、あるいは、下記特許文献3のように、天井やポールからピースをぶら下げている。そのため、医師が長時間(通常15分〜30分程度)にわたって患者に対応しなければならなかったりする。また、自宅で光を用いた治療を行うことができなかった。
【0003】
一方、下記特許文献4には、照明装置を上下の歯で噛んで固定する構造が開示されている。
しかし、この先行技術では、光ファイバの先端が歯列に沿って露出しており、そのため、口腔内でくわえるには不衛生である。また、コストが高い。
また、漂白には10分ないし30分程度の時間が必要であり、装置を噛み続けるのはストレスになる。
【0004】
ところで、下記特許文献5には、TiO2 (二酸化チタン)の粉末をH2 O2 (過酸化水素水)に分散させた溶液を歯牙に塗布し、光を当てて歯牙の漂白を行う方法が開示されている。このH2 O2 は慎重な取り扱いを必要とするので、自宅での使用には適さない。また、H2 O2 はOHラジカル等による漂白であり、漂白に適した対象の変色歯に限界がある。
【0005】
一方、下記特許文献6には、電解酸化水を歯牙に塗布して歯牙の漂白を行う方法が開示されている。しかし、電解酸化水のように限定された溶液は入手が困難であり、自宅での治療に適さない。しかも、酸化水には脱灰作用があるのに対し、前記先行技術ではPH2.5以下の高濃度の酸化水を用いており、そのため、その使用には慎重な取り扱いが必要となる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、医師が患者に直接対応しなくても、更には自宅で本人が1人で手軽に歯牙の治療を行うことができる歯牙用の照明装置、歯牙の治療装置および漂白方法を提供することである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−270151号公報 第1図
【特許文献2】
特開2001−335450号公報 図2
【特許文献3】
特開2000−217844号公報 図4
【特許文献4】
特開昭63−97175号公報 第3図,第4図
【特許文献5】
特許第3030380号公報 請求項1
【特許文献6】
特開平7−17837号 請求項1,段落番号0018
【0008】
【課題を解決するための手段】
本照明装置の第1の態様は、液状、ジェル状ないしペースト状の漂白剤を歯面に塗布ないし近接させた状態で、当該漂白剤(薬剤の一例)に光を照射して歯牙の漂白を行う歯牙漂白用の照明装置において、頭部に装着して固定される固定部と、前記固定部から口元に向って延設された棒状ないし帯状の延設部と、前記延設部に取り付けられ、前記口元に配設されて、少なくとも複数本の歯面に対面する出射面を持つ光源部とを備え、更に前記光源部には歯面に向って光を出射する複数個の発光ダイオードが設けられている(たとえば、取り付けられている)ことを特徴としている。
【0009】
本第1の態様によれば、頭部に固定される固定部から口元に向って延設した延設部を設け、当該延設部に光源部を設けたので、歯科医師が患者に付き添っていなくても、あるいは、歯科医師に行くことなく、本人が一人で手軽に歯面漂白などの治療を行うことができる。
特に、頭部に装着して使用するので、音楽を聞いたり、テレビを見ながら、あるいは、他の仕事などをしながら、歯牙の治療を行うことができると共に、仰臥した姿勢でなくても、通常の椅子に着座したままの状態で治療を行うことができるから、スペース効率がよくなる。
【0010】
一方、本照明装置の第2の態様は、液状、ジェル状ないしペースト状の薬剤を歯面に塗布した状態で、当該薬剤に光を照射して歯牙の治療を行う歯牙用の照明装置において、歯面に向って光を出射する複数個の発光ダイオードと、前記複数の発光ダイオードを収容し、少なくとも複数本の歯面に対面する出射面を持つ光源部とを備え、前記出射面は、複数の歯面に沿って、かつ、複数の歯面に対面するように横方向に湾曲しており、前記出射面には、上下に板状に突出する被挟持部が連なっており、前記被挟持部は唇と歯茎との間に挟持されることを特徴とする。
【0011】
本第2の態様によれば、唇と歯茎との間で被挟持部を挟むことができるから、前記第1の態様と同様に歯科医師が患者に付き添っていなくても漂白などの治療を行うことができるなどの同様の利点が得られる。
また、部品点数が少なく小型になるので、大幅なコストダウンが可能となる。
【0012】
本発明においては、樹脂レンズ付の発光ダイオードを用いることができるが、湾曲していない平板状の配線基板上に発光ダイオードの光軸が互いに平行となるように、発光ダイオードを立設することにより、発光ダイオードの実装が容易になり、コストダウンを図り得る。
【0013】
一方、貫通孔を形成した反射ミラーを設け、前記レンズ付の発光ダイオードのレンズ部が貫通孔から突出するように設けることで、歯面に照射される光量が増大すると共に、照射する光の均等化を図り得る。
【0014】
本発明の好適な実施例では、上段、中段、下段の3列に発光ダイオードを設けるが、直径の小さな発光ダイオードを中段の左右の両端に設けることで、両端においてダイオードを密に配置でき、これにより、左右の両端の光量が不足するのを補うことができる。
【0015】
本第2態様の照明装置の好適な実施例では、出射面からの光を上下に拡げるシリンドリカルな凹レンズを設ける。この凹レンズは、出射面からの光を上下に拡げるので、口唇の間にくわえる部分の厚さを小さくしても歯牙の歯茎部近傍まで光を照射することが可能となる。
【0016】
さらに、各発光ダイオードごとに凹レンズを設けることで、光量のバラツキを防止して均一化を図ることができる。
【0017】
本第1態様の照明装置において、スピーカ部にスピーカを設けて、本照明装置を頭に装着した状態で音楽を聞けるようにすれば、歯科医師の医院において、あるいは自宅で、患者が退屈することなく、歯の漂白などの治療を行うことができる。
【0018】
また、延設部の一部もしくは全部を可撓性の部材で構成すれば、頭部の形状の個人差に拘わらず、光を歯面に当てることができる。
【0019】
また、延設部を固定部に取り付けるための取付部を設ければ、市販品のヘッドホンやサングラスなどに容易に取り付けることができる。
【0020】
本発明の歯牙用の治療装置は、前記照明装置に加え、塗布される又は塗布された薬剤を保持するトゥースピースを更に備えている。トゥースピースを用いることにより、鏡を見て歯の表面に漂白剤などの薬剤を塗布しなくてもよいから、漂白剤などの薬剤の塗布が容易になるので、本人一人でも極めて容易に歯の治療を行うことができる。特に、薬剤が歯肉に付着しないように薬剤を塗布することができる。
また、トゥースピースを用いることで、トゥースピース内の薬剤が歯面に均一に広がるので薬剤の量を可及的に少なくすることができると共に、トゥースピース内には唾液が侵入しにくいので、薬剤が唾液により希釈されるのを防止し得る。
【0021】
本発明の好適な実施例では、前記トゥースピースに薬剤を充填するための充填凹所を形成する。これにより、薬剤の塗布がより一層容易になる。
【0022】
また、前記トゥースピースが歯牙に装着された状態を保持する折曲部を設ければ、歯を噛んでいなくても、また、口を開いてもトゥースピースが歯牙に安定した状態で固定される。
【0023】
トゥースピースにおける歯に接する側を軟質の合成樹脂で形成すれば、トゥースピースの内面が歯面に密接し易くなる。
【0024】
本装置は、薬剤として漂白剤を用いた歯牙の漂白方法以外に、例えば、フッ素ないしフッ素化合物を含んだ薬剤を用い、当該薬剤に光を照射して、歯牙の質、強度または耐久性の向上を図った歯牙の治療方法などにも適用することができる。
【0025】
本発明において、液状、ジェル状ないしペースト状の漂白剤としては、例えば、特公平7−64714号に開示されているように、不活性シリカゲル化剤、触媒活性化剤、可塑化増粘剤などを含む水性ゲルや水性ペースト状の漂白剤を採用することができる。また、漂白剤としては、例えば、特許第3,030,380号やWO02/068576号のように、二酸化チタンのような光触媒を用いることもできる。
【0026】
漂白剤に照射する光の波長としては、250nm〜600nmないし700nmのものを用いることができるが、光触媒として二酸化チタンを用いて470nm程度の波長の光を用いるのが好ましい。かかる波長の光は、人体に有害な紫外線を含まず、可視光線のうち、最も高いエネルギーを得られ、二酸化チタンの触媒活性作用を一層高めることで、OH− が過酸化水素水から解離するのを一層促進する。なお、本発明に係る漂白方法としては、特許第3,030,380号にしたがった漂白方法を実施してもよい。また、過酸化水素に代えて、漂白剤は、過酸化尿素や酸を含有していてもよい。
【0027】
本発明のある歯牙の漂白方法は、歯面に薬剤を塗布して歯牙の漂白を行う歯牙の漂白方法において、水素イオンを含むPH6以下の溶液状、ジェル状ないしペースト状の溶液に酸化チタンの粉末を分散させた第1薬剤を、歯面に塗布する工程と、前記歯面に塗布された第1薬剤に可視光を所定時間に渡って照射する第1漂白工程とを備えたことを特徴とする。
【0028】
本漂白方法に用いる酸としては、電解水を含む種々の酸を用いることができるが、臭気や味、体内に吸収された場合、保管等を考慮すると、クエン酸が最も好ましい。
【0029】
薬剤(漂白剤)のPHとしては、歯牙の脱灰が進まないようにするために、PH3以上のジェル等を用いるのが好ましいが、下記に説明する(有)環境デバイス研究所の光触媒を用いた場合、PH3.0〜PH6.0のジェル等を採用することが可能となる。
【0030】
この漂白方法によれば、光触媒である酸化チタンを用いているので、PHの大きい弱酸の漂白剤により歯牙の漂白が可能となる。すなわち、酸化チタンは溶液中の水からOH− を生成するので、当該OH− による漂白作用が得られると共に、酸の水素イオンによっても漂白作用が得られる。特に、歯牙の表面に付着した色素については酸による分解がなされるので、H2 O2 では分解できない汚れの成分を分解でき、漂白効果が高くなる。
【0031】
前記酸および酸化チタンによる第1漂白工程の直後に、当該酸による歯牙の脱灰作用を防止するために、水酸化イオンを含む溶液状、ジェル状ないしペースト状のアルカリ溶液を歯面に塗布してもよい。前記アルカリのPHとしてはPH8以上に設定するのが好ましい。また、該アルカリ溶液に予め酸化チタンを分散させた漂白剤を歯面に塗布した状態で可視光を所定時間照射すれば、歯牙の脱灰防止と共に、OH− による更なる漂白も可能となる。
また、酸化チタンによる漂白の他に、過酸化物と酸化チタンによる漂白を行うことで、異質の着色要素を除去することが可能となる。
さらに、酸と酸化チタンによる漂白を前処理として採用することで、歯牙表面の脂質(脂分)を除去することができるから、後にH2 O2 を用いた漂白工程の漂白作用も高くなる。
【0032】
前記酸化チタンとしては、可視光応答性の光触媒を用いるのが好ましい。かかる光触媒としては、特開2002−326910号の段落番号〔0014〕〜〔0074〕に開示された(有)環境デバイス研究所の酸化チタンを用いるのが好ましい。かかる光触媒の構造は、同号公報の段落番号〔0014〕〜〔0022〕および図1〜図7に記載されており、その製造方法は、〔0023〕〜〔0037〕に記載されており、その実施例としては実施例1〜5に記載されており、これらの記述で、その記載を引用して、詳細な記述に代える。かかる光触媒を用いることにより、通常のTiO2 よりもPHの大きい弱酸性の水溶液で歯牙の漂白を行うことが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図6は第1実施形態を示す。
全体構成:
図1(a)は照明装置8の使用状態を示す。照明装置8は、後述するように、液状、ジェル状ないしペースト状の薬剤を歯面に塗布した状態で、当該薬剤に光を照射して歯牙の漂白を行う装置である。
図1(a)に示すように、照明装置8は、固定部1、延設部2および光源部3を備えている。
【0034】
固定部1;
前記固定部1は、患者の頭頂部に装着されると共に、円弧状のヘッドバンド11と、一対のスピーカ部10とを有する。前記一対のスピーカ部10は前記ヘッドバンド11の両端に設けられていると共に、装着時には、患者の左右の耳を覆う。前記ヘッドバンド11は概ね患者の頭部に沿うように形成されていると共に、前記一対のスピーカ部10、10を連結している。
なお、前記ヘッドバンド11は、長さを調節できるように形成して、各患者の頭部に最もフィットするように調節できるようにしてもよい。
【0035】
前記各スピーカ部10には、スピーカ10aが内蔵されている。スピーカ10aには、図示しないCDプレーヤやカセットデッキなどを接続してもよい。
【0036】
延設部2;
前記固定部1のスピーカ部10には、延設部2が設けられている。該延設部2は、棒状または帯状に形成されていると共に、前記スピーカ部10から口元に向けて延びるように設けられている。該延設部2の口元側の端部には光源部3が取り付けられている。延設部2内には、給電用の配線材6が配線されている。
【0037】
図1(b)に示すように、延設部2は、その基端部20を介して、スピーカ部10に対し回動自在に設けられている。基端部20を介して延設部2を固定部1に対して上下方向Zに回動させることにより、光源部3を患者の口元に向くように調整することができる。
一方、延設部2における光源部3の近傍2aは、容易に塑性変形する金属コイルや蛇腹状の金属部材のような可撓性部材を軟質の樹脂で被覆して構成されている。そのため、該延設部2を曲げ変形させることで、前記光源部3が所定の位置、すなわち患者の口元に対向するように調整することができる。
【0038】
光源部3;
光源部3は透明の樹脂ケースからなり、図4(a)に示すように、前記光源部3の歯面に対面する側には出射面3bが設けられている。前記出射面3bは複数の歯面4aに対面できるように口の大きさに近い大きさで、透光性のある部材(透明もしくは半透明の部材)で形成されている。
【0039】
図6(a)は、歯牙T(図4(a))側からの光源部3の正面図である。図6(a)に示すように、光源部3の内部には歯面4aに向って光を出射する複数個の発光ダイオード3aが取り付けられて収容されている。各発光ダイオード3aは、歯列に沿って横方向Xに複数個設けられており、たとえば、左右の犬歯(3番)にも光が当たるようにしている。図6(b)の断面図に示すように、発光ダイオード3aは前記出射面3bに向けて発光され、発光ダイオード3aからの光は、出射面3bを透過して、歯面4aに向かう。
【0040】
図6(a)の発光ダイオード3aは歯列に沿って上下方向Zに3列に渡って取り付けられてる。発光ダイオード3aは、各列につき5個以上であるのが好ましく、本実施形態では、上中下列にそれぞれ6、7、6個の発光ダイオード3aが実装されている。発光ダイオード3aは、上の列の発光ダイオード3Uと下の列の発光ダイオード3Dに対し、中段の列の発光ダイオード3Mが千鳥状に配置されている。前記中段の発光ダイオード3Mにおいて、両端の発光ダイオードの直径が、上下の列の発光ダイオードの直径よりも小さく設定されている。
【0041】
図6(b)の発光ダイオード3aは樹脂の凸レンズ付の発光ダイオードからなり、発光ダイオード3aのレンズ部Lの先端は出射面3bに近接していると共に湾曲した面に沿って配置されている。
発光ダイオード3aは、各発光ダイオード3aの光軸Yに直交する平らな平面に沿った配線基板(リジッド基板)32上に実装されている。そのため、発光ダイオード3aのリード線31は基板32に直交した状態で実装されており、各発光ダイオード3aの光軸Yは互いに概ね平行に設定されている。
【0042】
反射ミラー33;
光源部3内には反射ミラー33が収容されている。反射ミラー33には、発光ダイオード3aの各レンズ部Lが貫通する複数の貫通孔33aが設けられている。反射ミラー33の反射面33fは、たとえば、アルミ等を蒸着して形成されており、出射面3bに沿って横方向Xに湾曲し、かつ、図6(c)に示すように、出射面3bの上下方向Zにも湾曲している。そのため、反射ミラー33の周縁の概ね全周縁部33bが出射面3bを形成する部材の内面に接触している。
【0043】
なお、図4(b)、(c)に示すように、出射面3bはシリンドリカルな面に形成してもよく、更にレンズ3Lを設けてもよい。
【0044】
また、図2(a)の平面図に示すように、発光ダイオード3aは、歯列に沿うように円弧状に湾曲して実装されてもよい。かかる場合には、横方向Xに湾曲した基板に発光ダイオード3aを実装するのが好ましい。かかる湾曲した基板としては、立体配線基板やフレキシブル基板を用いることができる。立体配線基板としては、たとえば、射出成形したプラスチック材料などの上に、銅箔などを貼ったものを用いることができる。フレキシブル基板としては、たとえば、ポリイミドフィルムなどで形成された基材の上に銅箔などを貼ったものを用いることができる。
【0045】
さらに、図2(c)のように、前記出射面3bは、概ね歯列(歯の横方向の列)に沿うように、「ヘ」の字状に屈曲させて設けたり、あるいは、図2(d)のように、歯列に沿って凹となるように屈曲させてもよい。
また、発光ダイオード3aはチップ型の発光ダイオードであってもよく、光源部3に埋設されて収容されていてもよい。
【0046】
トゥースピース5:
つぎに、漂白時に歯に装着する図3のトゥースピース5について説明する。
トゥースピース5は、その内面が歯牙Tの表面および裏面に接触ないし近接することで、歯牙Tの漂白を行う薬剤が歯牙Tの表面に塗布された状態を保持するためのものである。
図3(a)、(b)に示すように、トゥースピース5を装着することにより、上下それぞれ複数本の歯牙Tが、上下一対のトゥースピース5によって覆われる。前記トゥースピース5は、透光性を有する樹脂、例えばエチレン酢酸ビニール樹脂で形成される。前記トゥースピース5は、予め患者の歯列の型を採って、該歯列に適合するように作成される。
【0047】
トゥースピース5は、歯牙Tの先端付近において、歯牙Tの表面に向って折曲されていることで、トゥースピース5が歯牙Tに装着された状態を保持する折曲部5cを備えている。該折曲部5cは、前記患者の歯列の雄型の歯茎部(歯茎の近傍)を小さく抉り取ることで形成してもよい。
【0048】
図4の前記トゥースピース5は歯面4aに近接して対向する内表面5aを有する。前記トゥースピース5は、その内表面5aと歯面4aとの間に、毛細管現象を生ずるように若干の空隙12を有するように作成してもよい。空隙12における内表面5aと歯面4aとの間隔は、例えば0.5mm程度に設定する。なお、患者の症例に合せて、歯面4aに内表面5aを密着させてもよい。
【0049】
前記トゥースピース5の内表面5aには各歯牙ごとに充填用凹部5bが形成される。該充填用凹部5bには、トゥースピース5の装着前に予め、液状ないしペースト状の漂白剤7が充填される。トゥースピース5の縁部5cはトリミングして、歯肉部13に触れないようにしてもよい。これにより、漂白剤7が歯肉部13に向ってトゥースピース5から漏洩するのを防止できる。
【0050】
図3のように、前記充填用凹部5aは、対面する各歯面4aの概ね中央部4cに対応する位置に歯牙の数だけ設けられている。この位置は、患者の症例等に合せて形成してもよい。
【0051】
なお、図7(b)に示すように、トゥースピース5は、縦断面を概ねH型に形成してもよい。すなわち、トゥースピース5は、上の歯列の歯牙Tの表面および裏面に密着ないし近接する上歯部5Uと、下の歯列の歯の表面および裏面に密着ないし近接する下歯部5Dと、下の歯列の歯先と下の歯列の歯先との間に挟持される被挟持部5Mとを備えていてもよい。なお、図7(b)のトゥースピース5は、熱湯(80°〜100°)で可塑化し、この可塑化した状態で歯に装着して、温度が低下することにより、形状を保形する軟質の樹脂材料で制作することができる。
【0052】
また、図7(c)に示すように、トゥースピース5は、歯牙Tの表面および裏面に密着ないし近接する第1樹脂層51と、第1樹脂層51よりも外側に設けた第2樹脂層52とを備えていてもよい。第1樹脂層51の方が第2樹脂層52よりも軟質の樹脂で形成することにより、歯牙Tに沿って第1樹脂層51および第2樹脂層52を熱湯(80°〜100°)で変形させて、個々人に応じたトゥースピース5を容易に作成することができる。第1樹脂層51は、第2樹脂層52よりも柔らかいので、歯牙Tに沿ってフィットすると共に、第2樹脂層52によってしっかりとその形状が保持される。
【0053】
漂白方法:
つぎに、前記照明装置8およびトゥースピース5を用いた歯牙Tの漂白方法について説明する。
患者は、図3のトゥースピース5の前記充填用凹部5bに前記漂白剤7を充填した後、当該トゥースピース5を歯牙Tに装着する。これにより、図4の漂白剤7は、前記歯面4aの中央部4cに塗布されると共に、毛細管現象により、前記空隙12に広がる。このようにして、患者の複数本の歯面4aに漂白剤7が塗布される。トゥースピース5を用いることにより、歯面4aに漂白剤を直接塗布する必要がなくなり、また、各々の歯面4aのそれぞれに漂白剤7を塗るという手間を省くことができる。
【0054】
前記漂白剤7が塗布された後、図1の前記照明装置8を頭部に装着すると共に、前記光源部3が患者の口の前に位置するように調整する。この調整後、図4の発光ダイオード3aの図示しない電源スイッチを入れる。これにより、発光ダイオード3aから光が出射される。該光は出射面3bおよび前記トゥースピース5を透過して、前記空隙12内の漂白剤7に照射される。これにより、前記漂白剤7が活性化し、歯牙Tの漂白が促進される。光の照射は、一般に、15分〜30分程度連続して行われるが、この際、着用者はスピーカ10aから所望の音楽や番組や説明を聞くことができる。
なお、前記発光ダイオード3aは、上下のトゥースピース5の空隙12内の漂白剤7を同時に照射するように、設けられている。これにより、同時に上下の歯牙Tを漂白することができる。
【0055】
つぎに、他の漂白方法について説明する。
まず、クエン酸等の酸性水に増粘剤を添加した漂白剤に、酸化チタンを分散させ、歯牙に塗布し、所定時間可視光を照射して漂白を行う。この塗布と照射を繰り返して漂白を行ってもよいが、前記酸と酸化チタンの漂白の後に、同日または後日、過酸化物と酸化チタンによる漂白を行う。
【0056】
このように、酸を用いた前処理または後処理を行うと、酸による漂白や過酸化物による漂白よりも歯牙が白くなった。これは、異質の漂白作用によるものと推測される。
また、酸化チタンを添加しない漂白剤では、PH2.5程度の酸でないと漂白効果が得られないのに対し、酸化チタンを分散させた薬剤ではPH4.0程度で同等の効果が得られた。
【0057】
また、本証明装置を歯磨き用に用いてもよい。すなわち、TiO2 の粉末を分散させた歯磨き剤を歯ブラシに付けて歯磨きを行う際に、図1または図5の第1実施形態の照明装置を装着する。この際、光源部3は歯磨きの邪魔にならない位置で、かつ、歯面に光が当たる位置に配置させる。かかる位置としては、鼻の手前に光源部3を配置し、かつ、この位置から斜め下方の口腔内に向って光を出射する。
【0058】
図5(a)は、第1変形例を示す。
該変形例において、固定部1の左右一対のスピーカ部10は、それぞれ、イヤーバンド部15を有する。左右のイヤーバンド部15を耳に掛けることによって、照明装置8を患者の耳を介して頭部に固定する。なお、延設部2は、その基端部20を介して、スピーカ部10に対し、回転自在に、かつ、取外し自在に設けられていてもよい。
【0059】
図5(b)は、第2変形例を示す。
該変形例では、照明装置8の固定部1にスピーカ部を設けると共に、代わりに眼鏡型のモニター部11を設けている。該モニター部11には映像が映し出され、患者(着用者)は歯牙4の漂白を行いながら、映像を観て楽しむことができる。前記モニター部11の端部から、左右の耳に向って、イヤーバンド部15が延びている。該左右のイヤーバンド部15を耳に掛けることによって、照明装置8を患者の耳に係合させて頭部に固定する。なお、固定部1はサングラスであってもよく、これにより、光が患者の交換神経を刺激するのを抑制できる。
【0060】
図5(c)は、第3変形例を示す。
該変形例では、前記延設部2の端部に形成された基端部20に取付部22が設けられている。取付部22は、たとえば、クリップのような開閉自在な把持部22aを備えており、該取付部22を二点鎖線で示すヘッドホンなどからなる固定部1のヘッドバンド11などに取り付けることが可能である。
【0061】
第2実施形態:
つぎに、第2実施形態について説明する。
図7(a)および図8〜図9は第2実施形態を示す。
図7(a)に示す第2実施形態の照明装置8は、患者が口にくわえるタイプの装置であり、光源部3を備えている。光源部3の出射面3bには、上下方向Zに突出する板状の被挟持部35U,35Dが滑らかに連なってそれぞれ形成されている。患者が光源部3をくわえると、該被挟持部35U,35Dが唇と歯茎の間に挟持され、出射面3bが歯牙Tに対面する。
【0062】
図8(a)に示すように、下側の被挟持部35Dは、上側の被挟持部35Uに比べて、上下方向Zへの突出量が大きく設定されている。そのため、光源部3をくわえると、下側の被挟持部35Dが唇と歯茎との間に深く入り込み、照明装置8が歯牙に対し位置ズレするのを防止して、出射面3bと歯牙Tとの上下方向Z方向の位置決めがなされる。そのため、歯面に対する光の照射領域にズレが生じにくい。
【0063】
図8(c)は、図8(b)におけるVIIIc−VIIIc線断面図である。図8(c)に示すように、出射面3bを形成する部材は、上下方向Zに光を広げるシリンドリカルな凹レンズ36を形成している。一方、図8(b),(c)に示すように、前記シリンドリカルな凹レンズ36には、各発光ダイオード3aに対面する位置に、各々凹レンズ37が形成されている。
【0064】
図9の分解斜視図に示すように、裏蓋38には、給電用の配線材6(図8)が通る貫通孔39が形成されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明および図示を省略する。
【0065】
患者は、前記トゥースピース5を歯牙Tに装着した後、本光源部3をくわえて光を照射させる。
【0066】
図10および図11は変形例を示す。
図10(a),(b)に示すように、被挟持部35をシリコーンゴムで光源部3とは別体に形成し、光源部3の周囲に装着するようにしてもよい。
また、図10(c),(d)に示すように、出射面3bの前方に上歯部5U、下歯部5Dおよび被くわえ部(被挟持部)5Mを形成してもよい。上歯部5Uおよび下歯部5Dの出射面3bに対向する面には、たとえば、アルミ等を蒸着した反射面5bを形成してもよい。歯牙Tの間や歯牙Tを透過した光が前記反射面5bによって反射され、歯牙Tの裏側からも光を当てることができる。
【0067】
さらに、図11(a)〜(g)に示すように、チップ型の発光ダイオード3aを樹脂材料でモールドしてもよい。なお、図11(f),(g)に示すように、出射面3bに対向する反射面5bを形成してもよい。
【0068】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記実施形態では、トゥースピース5を用いた歯牙Tの漂白方法について説明したが、トゥースピース5を用いる代わりに、歯牙Tに薬剤を直接塗布してもよい。
また、発光ダイオードに代えて、蛍光管やハロゲンランプ、あるいは、その他の発光源を用いてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の照明装置の第1実施形態を示し、図1(a)は同装置を患者の頭部に装着した状態を示す概略正面図、図1(b)は同装置の要部を示す概略斜視図である。
【図2】(a)は光源部および延設部を示す平面図、(b)は同正面図、(c)、(d)は光源部の変形例を示す平面図である。
【図3】上下の歯列へのマウスピースの装着状態を示す分解斜視図である。
【図4】(a)は本発明にかかる一実施形態にかかる漂白装置による漂白方法を示す断面図、(b)、(c)は光源部の変形例を示す側面図である。
【図5】本発明の変形例を示す斜視図である。
【図6】光源部の一例を示す(透けて見える部分を実線で示す)正面図、縦断面図および横断面図である。
【図7】図7(a),(b),(c)は第2実施形態を示し、(a)は光源部の斜視図、(b)は変形前のトゥースピースの斜視図、(c)は変形後のトゥースピースの横断面図である。
【図8】同光源部の(透けて見える部分を実線で示す)正面図、縦断面図および横断面図である。
【図9】同光源部の分解斜視図である。
【図10】同光源部の変形例を示す斜視図および側面図である。
【図11】光源部の他の変形例を示す平面図および断面図である。
【符号の説明】
1:固定部
2:延設部
3:光源部
3a:発光ダイオード(発光源)
3b:出射面
4a:歯面
5:トゥースピース
51:第1樹脂層
52:第2樹脂層
5a:内表面
5b:充填用凹所
5D:下歯部
5M:被くわえ部(被挟持部)
5U:上歯部
6:配線材
7:漂白剤
8:照明装置
9:漂白装置
10:スピーカ部
10a:スピーカ
31:リード
32:配線基板
33a:貫通孔
35:被挟持部
36,37:凹レンズ
T:歯牙
X:横方向
Y:光軸
Z:上下方向
【発明の属する技術分野】
本発明は歯牙漂白などの歯牙用の照明装置、歯牙の治療装置および漂白方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、漂白剤に光を当てて、歯牙の漂白を行う技術が種々開示されている。しかし、従来は、下記特許文献1、2のようなガン型(ピストル型)の照明装置やハンドピースタイプの照明装置を医師が手で持って患者の歯面に照射したり、あるいは、下記特許文献3のように、天井やポールからピースをぶら下げている。そのため、医師が長時間(通常15分〜30分程度)にわたって患者に対応しなければならなかったりする。また、自宅で光を用いた治療を行うことができなかった。
【0003】
一方、下記特許文献4には、照明装置を上下の歯で噛んで固定する構造が開示されている。
しかし、この先行技術では、光ファイバの先端が歯列に沿って露出しており、そのため、口腔内でくわえるには不衛生である。また、コストが高い。
また、漂白には10分ないし30分程度の時間が必要であり、装置を噛み続けるのはストレスになる。
【0004】
ところで、下記特許文献5には、TiO2 (二酸化チタン)の粉末をH2 O2 (過酸化水素水)に分散させた溶液を歯牙に塗布し、光を当てて歯牙の漂白を行う方法が開示されている。このH2 O2 は慎重な取り扱いを必要とするので、自宅での使用には適さない。また、H2 O2 はOHラジカル等による漂白であり、漂白に適した対象の変色歯に限界がある。
【0005】
一方、下記特許文献6には、電解酸化水を歯牙に塗布して歯牙の漂白を行う方法が開示されている。しかし、電解酸化水のように限定された溶液は入手が困難であり、自宅での治療に適さない。しかも、酸化水には脱灰作用があるのに対し、前記先行技術ではPH2.5以下の高濃度の酸化水を用いており、そのため、その使用には慎重な取り扱いが必要となる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、医師が患者に直接対応しなくても、更には自宅で本人が1人で手軽に歯牙の治療を行うことができる歯牙用の照明装置、歯牙の治療装置および漂白方法を提供することである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−270151号公報 第1図
【特許文献2】
特開2001−335450号公報 図2
【特許文献3】
特開2000−217844号公報 図4
【特許文献4】
特開昭63−97175号公報 第3図,第4図
【特許文献5】
特許第3030380号公報 請求項1
【特許文献6】
特開平7−17837号 請求項1,段落番号0018
【0008】
【課題を解決するための手段】
本照明装置の第1の態様は、液状、ジェル状ないしペースト状の漂白剤を歯面に塗布ないし近接させた状態で、当該漂白剤(薬剤の一例)に光を照射して歯牙の漂白を行う歯牙漂白用の照明装置において、頭部に装着して固定される固定部と、前記固定部から口元に向って延設された棒状ないし帯状の延設部と、前記延設部に取り付けられ、前記口元に配設されて、少なくとも複数本の歯面に対面する出射面を持つ光源部とを備え、更に前記光源部には歯面に向って光を出射する複数個の発光ダイオードが設けられている(たとえば、取り付けられている)ことを特徴としている。
【0009】
本第1の態様によれば、頭部に固定される固定部から口元に向って延設した延設部を設け、当該延設部に光源部を設けたので、歯科医師が患者に付き添っていなくても、あるいは、歯科医師に行くことなく、本人が一人で手軽に歯面漂白などの治療を行うことができる。
特に、頭部に装着して使用するので、音楽を聞いたり、テレビを見ながら、あるいは、他の仕事などをしながら、歯牙の治療を行うことができると共に、仰臥した姿勢でなくても、通常の椅子に着座したままの状態で治療を行うことができるから、スペース効率がよくなる。
【0010】
一方、本照明装置の第2の態様は、液状、ジェル状ないしペースト状の薬剤を歯面に塗布した状態で、当該薬剤に光を照射して歯牙の治療を行う歯牙用の照明装置において、歯面に向って光を出射する複数個の発光ダイオードと、前記複数の発光ダイオードを収容し、少なくとも複数本の歯面に対面する出射面を持つ光源部とを備え、前記出射面は、複数の歯面に沿って、かつ、複数の歯面に対面するように横方向に湾曲しており、前記出射面には、上下に板状に突出する被挟持部が連なっており、前記被挟持部は唇と歯茎との間に挟持されることを特徴とする。
【0011】
本第2の態様によれば、唇と歯茎との間で被挟持部を挟むことができるから、前記第1の態様と同様に歯科医師が患者に付き添っていなくても漂白などの治療を行うことができるなどの同様の利点が得られる。
また、部品点数が少なく小型になるので、大幅なコストダウンが可能となる。
【0012】
本発明においては、樹脂レンズ付の発光ダイオードを用いることができるが、湾曲していない平板状の配線基板上に発光ダイオードの光軸が互いに平行となるように、発光ダイオードを立設することにより、発光ダイオードの実装が容易になり、コストダウンを図り得る。
【0013】
一方、貫通孔を形成した反射ミラーを設け、前記レンズ付の発光ダイオードのレンズ部が貫通孔から突出するように設けることで、歯面に照射される光量が増大すると共に、照射する光の均等化を図り得る。
【0014】
本発明の好適な実施例では、上段、中段、下段の3列に発光ダイオードを設けるが、直径の小さな発光ダイオードを中段の左右の両端に設けることで、両端においてダイオードを密に配置でき、これにより、左右の両端の光量が不足するのを補うことができる。
【0015】
本第2態様の照明装置の好適な実施例では、出射面からの光を上下に拡げるシリンドリカルな凹レンズを設ける。この凹レンズは、出射面からの光を上下に拡げるので、口唇の間にくわえる部分の厚さを小さくしても歯牙の歯茎部近傍まで光を照射することが可能となる。
【0016】
さらに、各発光ダイオードごとに凹レンズを設けることで、光量のバラツキを防止して均一化を図ることができる。
【0017】
本第1態様の照明装置において、スピーカ部にスピーカを設けて、本照明装置を頭に装着した状態で音楽を聞けるようにすれば、歯科医師の医院において、あるいは自宅で、患者が退屈することなく、歯の漂白などの治療を行うことができる。
【0018】
また、延設部の一部もしくは全部を可撓性の部材で構成すれば、頭部の形状の個人差に拘わらず、光を歯面に当てることができる。
【0019】
また、延設部を固定部に取り付けるための取付部を設ければ、市販品のヘッドホンやサングラスなどに容易に取り付けることができる。
【0020】
本発明の歯牙用の治療装置は、前記照明装置に加え、塗布される又は塗布された薬剤を保持するトゥースピースを更に備えている。トゥースピースを用いることにより、鏡を見て歯の表面に漂白剤などの薬剤を塗布しなくてもよいから、漂白剤などの薬剤の塗布が容易になるので、本人一人でも極めて容易に歯の治療を行うことができる。特に、薬剤が歯肉に付着しないように薬剤を塗布することができる。
また、トゥースピースを用いることで、トゥースピース内の薬剤が歯面に均一に広がるので薬剤の量を可及的に少なくすることができると共に、トゥースピース内には唾液が侵入しにくいので、薬剤が唾液により希釈されるのを防止し得る。
【0021】
本発明の好適な実施例では、前記トゥースピースに薬剤を充填するための充填凹所を形成する。これにより、薬剤の塗布がより一層容易になる。
【0022】
また、前記トゥースピースが歯牙に装着された状態を保持する折曲部を設ければ、歯を噛んでいなくても、また、口を開いてもトゥースピースが歯牙に安定した状態で固定される。
【0023】
トゥースピースにおける歯に接する側を軟質の合成樹脂で形成すれば、トゥースピースの内面が歯面に密接し易くなる。
【0024】
本装置は、薬剤として漂白剤を用いた歯牙の漂白方法以外に、例えば、フッ素ないしフッ素化合物を含んだ薬剤を用い、当該薬剤に光を照射して、歯牙の質、強度または耐久性の向上を図った歯牙の治療方法などにも適用することができる。
【0025】
本発明において、液状、ジェル状ないしペースト状の漂白剤としては、例えば、特公平7−64714号に開示されているように、不活性シリカゲル化剤、触媒活性化剤、可塑化増粘剤などを含む水性ゲルや水性ペースト状の漂白剤を採用することができる。また、漂白剤としては、例えば、特許第3,030,380号やWO02/068576号のように、二酸化チタンのような光触媒を用いることもできる。
【0026】
漂白剤に照射する光の波長としては、250nm〜600nmないし700nmのものを用いることができるが、光触媒として二酸化チタンを用いて470nm程度の波長の光を用いるのが好ましい。かかる波長の光は、人体に有害な紫外線を含まず、可視光線のうち、最も高いエネルギーを得られ、二酸化チタンの触媒活性作用を一層高めることで、OH− が過酸化水素水から解離するのを一層促進する。なお、本発明に係る漂白方法としては、特許第3,030,380号にしたがった漂白方法を実施してもよい。また、過酸化水素に代えて、漂白剤は、過酸化尿素や酸を含有していてもよい。
【0027】
本発明のある歯牙の漂白方法は、歯面に薬剤を塗布して歯牙の漂白を行う歯牙の漂白方法において、水素イオンを含むPH6以下の溶液状、ジェル状ないしペースト状の溶液に酸化チタンの粉末を分散させた第1薬剤を、歯面に塗布する工程と、前記歯面に塗布された第1薬剤に可視光を所定時間に渡って照射する第1漂白工程とを備えたことを特徴とする。
【0028】
本漂白方法に用いる酸としては、電解水を含む種々の酸を用いることができるが、臭気や味、体内に吸収された場合、保管等を考慮すると、クエン酸が最も好ましい。
【0029】
薬剤(漂白剤)のPHとしては、歯牙の脱灰が進まないようにするために、PH3以上のジェル等を用いるのが好ましいが、下記に説明する(有)環境デバイス研究所の光触媒を用いた場合、PH3.0〜PH6.0のジェル等を採用することが可能となる。
【0030】
この漂白方法によれば、光触媒である酸化チタンを用いているので、PHの大きい弱酸の漂白剤により歯牙の漂白が可能となる。すなわち、酸化チタンは溶液中の水からOH− を生成するので、当該OH− による漂白作用が得られると共に、酸の水素イオンによっても漂白作用が得られる。特に、歯牙の表面に付着した色素については酸による分解がなされるので、H2 O2 では分解できない汚れの成分を分解でき、漂白効果が高くなる。
【0031】
前記酸および酸化チタンによる第1漂白工程の直後に、当該酸による歯牙の脱灰作用を防止するために、水酸化イオンを含む溶液状、ジェル状ないしペースト状のアルカリ溶液を歯面に塗布してもよい。前記アルカリのPHとしてはPH8以上に設定するのが好ましい。また、該アルカリ溶液に予め酸化チタンを分散させた漂白剤を歯面に塗布した状態で可視光を所定時間照射すれば、歯牙の脱灰防止と共に、OH− による更なる漂白も可能となる。
また、酸化チタンによる漂白の他に、過酸化物と酸化チタンによる漂白を行うことで、異質の着色要素を除去することが可能となる。
さらに、酸と酸化チタンによる漂白を前処理として採用することで、歯牙表面の脂質(脂分)を除去することができるから、後にH2 O2 を用いた漂白工程の漂白作用も高くなる。
【0032】
前記酸化チタンとしては、可視光応答性の光触媒を用いるのが好ましい。かかる光触媒としては、特開2002−326910号の段落番号〔0014〕〜〔0074〕に開示された(有)環境デバイス研究所の酸化チタンを用いるのが好ましい。かかる光触媒の構造は、同号公報の段落番号〔0014〕〜〔0022〕および図1〜図7に記載されており、その製造方法は、〔0023〕〜〔0037〕に記載されており、その実施例としては実施例1〜5に記載されており、これらの記述で、その記載を引用して、詳細な記述に代える。かかる光触媒を用いることにより、通常のTiO2 よりもPHの大きい弱酸性の水溶液で歯牙の漂白を行うことが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図6は第1実施形態を示す。
全体構成:
図1(a)は照明装置8の使用状態を示す。照明装置8は、後述するように、液状、ジェル状ないしペースト状の薬剤を歯面に塗布した状態で、当該薬剤に光を照射して歯牙の漂白を行う装置である。
図1(a)に示すように、照明装置8は、固定部1、延設部2および光源部3を備えている。
【0034】
固定部1;
前記固定部1は、患者の頭頂部に装着されると共に、円弧状のヘッドバンド11と、一対のスピーカ部10とを有する。前記一対のスピーカ部10は前記ヘッドバンド11の両端に設けられていると共に、装着時には、患者の左右の耳を覆う。前記ヘッドバンド11は概ね患者の頭部に沿うように形成されていると共に、前記一対のスピーカ部10、10を連結している。
なお、前記ヘッドバンド11は、長さを調節できるように形成して、各患者の頭部に最もフィットするように調節できるようにしてもよい。
【0035】
前記各スピーカ部10には、スピーカ10aが内蔵されている。スピーカ10aには、図示しないCDプレーヤやカセットデッキなどを接続してもよい。
【0036】
延設部2;
前記固定部1のスピーカ部10には、延設部2が設けられている。該延設部2は、棒状または帯状に形成されていると共に、前記スピーカ部10から口元に向けて延びるように設けられている。該延設部2の口元側の端部には光源部3が取り付けられている。延設部2内には、給電用の配線材6が配線されている。
【0037】
図1(b)に示すように、延設部2は、その基端部20を介して、スピーカ部10に対し回動自在に設けられている。基端部20を介して延設部2を固定部1に対して上下方向Zに回動させることにより、光源部3を患者の口元に向くように調整することができる。
一方、延設部2における光源部3の近傍2aは、容易に塑性変形する金属コイルや蛇腹状の金属部材のような可撓性部材を軟質の樹脂で被覆して構成されている。そのため、該延設部2を曲げ変形させることで、前記光源部3が所定の位置、すなわち患者の口元に対向するように調整することができる。
【0038】
光源部3;
光源部3は透明の樹脂ケースからなり、図4(a)に示すように、前記光源部3の歯面に対面する側には出射面3bが設けられている。前記出射面3bは複数の歯面4aに対面できるように口の大きさに近い大きさで、透光性のある部材(透明もしくは半透明の部材)で形成されている。
【0039】
図6(a)は、歯牙T(図4(a))側からの光源部3の正面図である。図6(a)に示すように、光源部3の内部には歯面4aに向って光を出射する複数個の発光ダイオード3aが取り付けられて収容されている。各発光ダイオード3aは、歯列に沿って横方向Xに複数個設けられており、たとえば、左右の犬歯(3番)にも光が当たるようにしている。図6(b)の断面図に示すように、発光ダイオード3aは前記出射面3bに向けて発光され、発光ダイオード3aからの光は、出射面3bを透過して、歯面4aに向かう。
【0040】
図6(a)の発光ダイオード3aは歯列に沿って上下方向Zに3列に渡って取り付けられてる。発光ダイオード3aは、各列につき5個以上であるのが好ましく、本実施形態では、上中下列にそれぞれ6、7、6個の発光ダイオード3aが実装されている。発光ダイオード3aは、上の列の発光ダイオード3Uと下の列の発光ダイオード3Dに対し、中段の列の発光ダイオード3Mが千鳥状に配置されている。前記中段の発光ダイオード3Mにおいて、両端の発光ダイオードの直径が、上下の列の発光ダイオードの直径よりも小さく設定されている。
【0041】
図6(b)の発光ダイオード3aは樹脂の凸レンズ付の発光ダイオードからなり、発光ダイオード3aのレンズ部Lの先端は出射面3bに近接していると共に湾曲した面に沿って配置されている。
発光ダイオード3aは、各発光ダイオード3aの光軸Yに直交する平らな平面に沿った配線基板(リジッド基板)32上に実装されている。そのため、発光ダイオード3aのリード線31は基板32に直交した状態で実装されており、各発光ダイオード3aの光軸Yは互いに概ね平行に設定されている。
【0042】
反射ミラー33;
光源部3内には反射ミラー33が収容されている。反射ミラー33には、発光ダイオード3aの各レンズ部Lが貫通する複数の貫通孔33aが設けられている。反射ミラー33の反射面33fは、たとえば、アルミ等を蒸着して形成されており、出射面3bに沿って横方向Xに湾曲し、かつ、図6(c)に示すように、出射面3bの上下方向Zにも湾曲している。そのため、反射ミラー33の周縁の概ね全周縁部33bが出射面3bを形成する部材の内面に接触している。
【0043】
なお、図4(b)、(c)に示すように、出射面3bはシリンドリカルな面に形成してもよく、更にレンズ3Lを設けてもよい。
【0044】
また、図2(a)の平面図に示すように、発光ダイオード3aは、歯列に沿うように円弧状に湾曲して実装されてもよい。かかる場合には、横方向Xに湾曲した基板に発光ダイオード3aを実装するのが好ましい。かかる湾曲した基板としては、立体配線基板やフレキシブル基板を用いることができる。立体配線基板としては、たとえば、射出成形したプラスチック材料などの上に、銅箔などを貼ったものを用いることができる。フレキシブル基板としては、たとえば、ポリイミドフィルムなどで形成された基材の上に銅箔などを貼ったものを用いることができる。
【0045】
さらに、図2(c)のように、前記出射面3bは、概ね歯列(歯の横方向の列)に沿うように、「ヘ」の字状に屈曲させて設けたり、あるいは、図2(d)のように、歯列に沿って凹となるように屈曲させてもよい。
また、発光ダイオード3aはチップ型の発光ダイオードであってもよく、光源部3に埋設されて収容されていてもよい。
【0046】
トゥースピース5:
つぎに、漂白時に歯に装着する図3のトゥースピース5について説明する。
トゥースピース5は、その内面が歯牙Tの表面および裏面に接触ないし近接することで、歯牙Tの漂白を行う薬剤が歯牙Tの表面に塗布された状態を保持するためのものである。
図3(a)、(b)に示すように、トゥースピース5を装着することにより、上下それぞれ複数本の歯牙Tが、上下一対のトゥースピース5によって覆われる。前記トゥースピース5は、透光性を有する樹脂、例えばエチレン酢酸ビニール樹脂で形成される。前記トゥースピース5は、予め患者の歯列の型を採って、該歯列に適合するように作成される。
【0047】
トゥースピース5は、歯牙Tの先端付近において、歯牙Tの表面に向って折曲されていることで、トゥースピース5が歯牙Tに装着された状態を保持する折曲部5cを備えている。該折曲部5cは、前記患者の歯列の雄型の歯茎部(歯茎の近傍)を小さく抉り取ることで形成してもよい。
【0048】
図4の前記トゥースピース5は歯面4aに近接して対向する内表面5aを有する。前記トゥースピース5は、その内表面5aと歯面4aとの間に、毛細管現象を生ずるように若干の空隙12を有するように作成してもよい。空隙12における内表面5aと歯面4aとの間隔は、例えば0.5mm程度に設定する。なお、患者の症例に合せて、歯面4aに内表面5aを密着させてもよい。
【0049】
前記トゥースピース5の内表面5aには各歯牙ごとに充填用凹部5bが形成される。該充填用凹部5bには、トゥースピース5の装着前に予め、液状ないしペースト状の漂白剤7が充填される。トゥースピース5の縁部5cはトリミングして、歯肉部13に触れないようにしてもよい。これにより、漂白剤7が歯肉部13に向ってトゥースピース5から漏洩するのを防止できる。
【0050】
図3のように、前記充填用凹部5aは、対面する各歯面4aの概ね中央部4cに対応する位置に歯牙の数だけ設けられている。この位置は、患者の症例等に合せて形成してもよい。
【0051】
なお、図7(b)に示すように、トゥースピース5は、縦断面を概ねH型に形成してもよい。すなわち、トゥースピース5は、上の歯列の歯牙Tの表面および裏面に密着ないし近接する上歯部5Uと、下の歯列の歯の表面および裏面に密着ないし近接する下歯部5Dと、下の歯列の歯先と下の歯列の歯先との間に挟持される被挟持部5Mとを備えていてもよい。なお、図7(b)のトゥースピース5は、熱湯(80°〜100°)で可塑化し、この可塑化した状態で歯に装着して、温度が低下することにより、形状を保形する軟質の樹脂材料で制作することができる。
【0052】
また、図7(c)に示すように、トゥースピース5は、歯牙Tの表面および裏面に密着ないし近接する第1樹脂層51と、第1樹脂層51よりも外側に設けた第2樹脂層52とを備えていてもよい。第1樹脂層51の方が第2樹脂層52よりも軟質の樹脂で形成することにより、歯牙Tに沿って第1樹脂層51および第2樹脂層52を熱湯(80°〜100°)で変形させて、個々人に応じたトゥースピース5を容易に作成することができる。第1樹脂層51は、第2樹脂層52よりも柔らかいので、歯牙Tに沿ってフィットすると共に、第2樹脂層52によってしっかりとその形状が保持される。
【0053】
漂白方法:
つぎに、前記照明装置8およびトゥースピース5を用いた歯牙Tの漂白方法について説明する。
患者は、図3のトゥースピース5の前記充填用凹部5bに前記漂白剤7を充填した後、当該トゥースピース5を歯牙Tに装着する。これにより、図4の漂白剤7は、前記歯面4aの中央部4cに塗布されると共に、毛細管現象により、前記空隙12に広がる。このようにして、患者の複数本の歯面4aに漂白剤7が塗布される。トゥースピース5を用いることにより、歯面4aに漂白剤を直接塗布する必要がなくなり、また、各々の歯面4aのそれぞれに漂白剤7を塗るという手間を省くことができる。
【0054】
前記漂白剤7が塗布された後、図1の前記照明装置8を頭部に装着すると共に、前記光源部3が患者の口の前に位置するように調整する。この調整後、図4の発光ダイオード3aの図示しない電源スイッチを入れる。これにより、発光ダイオード3aから光が出射される。該光は出射面3bおよび前記トゥースピース5を透過して、前記空隙12内の漂白剤7に照射される。これにより、前記漂白剤7が活性化し、歯牙Tの漂白が促進される。光の照射は、一般に、15分〜30分程度連続して行われるが、この際、着用者はスピーカ10aから所望の音楽や番組や説明を聞くことができる。
なお、前記発光ダイオード3aは、上下のトゥースピース5の空隙12内の漂白剤7を同時に照射するように、設けられている。これにより、同時に上下の歯牙Tを漂白することができる。
【0055】
つぎに、他の漂白方法について説明する。
まず、クエン酸等の酸性水に増粘剤を添加した漂白剤に、酸化チタンを分散させ、歯牙に塗布し、所定時間可視光を照射して漂白を行う。この塗布と照射を繰り返して漂白を行ってもよいが、前記酸と酸化チタンの漂白の後に、同日または後日、過酸化物と酸化チタンによる漂白を行う。
【0056】
このように、酸を用いた前処理または後処理を行うと、酸による漂白や過酸化物による漂白よりも歯牙が白くなった。これは、異質の漂白作用によるものと推測される。
また、酸化チタンを添加しない漂白剤では、PH2.5程度の酸でないと漂白効果が得られないのに対し、酸化チタンを分散させた薬剤ではPH4.0程度で同等の効果が得られた。
【0057】
また、本証明装置を歯磨き用に用いてもよい。すなわち、TiO2 の粉末を分散させた歯磨き剤を歯ブラシに付けて歯磨きを行う際に、図1または図5の第1実施形態の照明装置を装着する。この際、光源部3は歯磨きの邪魔にならない位置で、かつ、歯面に光が当たる位置に配置させる。かかる位置としては、鼻の手前に光源部3を配置し、かつ、この位置から斜め下方の口腔内に向って光を出射する。
【0058】
図5(a)は、第1変形例を示す。
該変形例において、固定部1の左右一対のスピーカ部10は、それぞれ、イヤーバンド部15を有する。左右のイヤーバンド部15を耳に掛けることによって、照明装置8を患者の耳を介して頭部に固定する。なお、延設部2は、その基端部20を介して、スピーカ部10に対し、回転自在に、かつ、取外し自在に設けられていてもよい。
【0059】
図5(b)は、第2変形例を示す。
該変形例では、照明装置8の固定部1にスピーカ部を設けると共に、代わりに眼鏡型のモニター部11を設けている。該モニター部11には映像が映し出され、患者(着用者)は歯牙4の漂白を行いながら、映像を観て楽しむことができる。前記モニター部11の端部から、左右の耳に向って、イヤーバンド部15が延びている。該左右のイヤーバンド部15を耳に掛けることによって、照明装置8を患者の耳に係合させて頭部に固定する。なお、固定部1はサングラスであってもよく、これにより、光が患者の交換神経を刺激するのを抑制できる。
【0060】
図5(c)は、第3変形例を示す。
該変形例では、前記延設部2の端部に形成された基端部20に取付部22が設けられている。取付部22は、たとえば、クリップのような開閉自在な把持部22aを備えており、該取付部22を二点鎖線で示すヘッドホンなどからなる固定部1のヘッドバンド11などに取り付けることが可能である。
【0061】
第2実施形態:
つぎに、第2実施形態について説明する。
図7(a)および図8〜図9は第2実施形態を示す。
図7(a)に示す第2実施形態の照明装置8は、患者が口にくわえるタイプの装置であり、光源部3を備えている。光源部3の出射面3bには、上下方向Zに突出する板状の被挟持部35U,35Dが滑らかに連なってそれぞれ形成されている。患者が光源部3をくわえると、該被挟持部35U,35Dが唇と歯茎の間に挟持され、出射面3bが歯牙Tに対面する。
【0062】
図8(a)に示すように、下側の被挟持部35Dは、上側の被挟持部35Uに比べて、上下方向Zへの突出量が大きく設定されている。そのため、光源部3をくわえると、下側の被挟持部35Dが唇と歯茎との間に深く入り込み、照明装置8が歯牙に対し位置ズレするのを防止して、出射面3bと歯牙Tとの上下方向Z方向の位置決めがなされる。そのため、歯面に対する光の照射領域にズレが生じにくい。
【0063】
図8(c)は、図8(b)におけるVIIIc−VIIIc線断面図である。図8(c)に示すように、出射面3bを形成する部材は、上下方向Zに光を広げるシリンドリカルな凹レンズ36を形成している。一方、図8(b),(c)に示すように、前記シリンドリカルな凹レンズ36には、各発光ダイオード3aに対面する位置に、各々凹レンズ37が形成されている。
【0064】
図9の分解斜視図に示すように、裏蓋38には、給電用の配線材6(図8)が通る貫通孔39が形成されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その詳しい説明および図示を省略する。
【0065】
患者は、前記トゥースピース5を歯牙Tに装着した後、本光源部3をくわえて光を照射させる。
【0066】
図10および図11は変形例を示す。
図10(a),(b)に示すように、被挟持部35をシリコーンゴムで光源部3とは別体に形成し、光源部3の周囲に装着するようにしてもよい。
また、図10(c),(d)に示すように、出射面3bの前方に上歯部5U、下歯部5Dおよび被くわえ部(被挟持部)5Mを形成してもよい。上歯部5Uおよび下歯部5Dの出射面3bに対向する面には、たとえば、アルミ等を蒸着した反射面5bを形成してもよい。歯牙Tの間や歯牙Tを透過した光が前記反射面5bによって反射され、歯牙Tの裏側からも光を当てることができる。
【0067】
さらに、図11(a)〜(g)に示すように、チップ型の発光ダイオード3aを樹脂材料でモールドしてもよい。なお、図11(f),(g)に示すように、出射面3bに対向する反射面5bを形成してもよい。
【0068】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記実施形態では、トゥースピース5を用いた歯牙Tの漂白方法について説明したが、トゥースピース5を用いる代わりに、歯牙Tに薬剤を直接塗布してもよい。
また、発光ダイオードに代えて、蛍光管やハロゲンランプ、あるいは、その他の発光源を用いてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の照明装置の第1実施形態を示し、図1(a)は同装置を患者の頭部に装着した状態を示す概略正面図、図1(b)は同装置の要部を示す概略斜視図である。
【図2】(a)は光源部および延設部を示す平面図、(b)は同正面図、(c)、(d)は光源部の変形例を示す平面図である。
【図3】上下の歯列へのマウスピースの装着状態を示す分解斜視図である。
【図4】(a)は本発明にかかる一実施形態にかかる漂白装置による漂白方法を示す断面図、(b)、(c)は光源部の変形例を示す側面図である。
【図5】本発明の変形例を示す斜視図である。
【図6】光源部の一例を示す(透けて見える部分を実線で示す)正面図、縦断面図および横断面図である。
【図7】図7(a),(b),(c)は第2実施形態を示し、(a)は光源部の斜視図、(b)は変形前のトゥースピースの斜視図、(c)は変形後のトゥースピースの横断面図である。
【図8】同光源部の(透けて見える部分を実線で示す)正面図、縦断面図および横断面図である。
【図9】同光源部の分解斜視図である。
【図10】同光源部の変形例を示す斜視図および側面図である。
【図11】光源部の他の変形例を示す平面図および断面図である。
【符号の説明】
1:固定部
2:延設部
3:光源部
3a:発光ダイオード(発光源)
3b:出射面
4a:歯面
5:トゥースピース
51:第1樹脂層
52:第2樹脂層
5a:内表面
5b:充填用凹所
5D:下歯部
5M:被くわえ部(被挟持部)
5U:上歯部
6:配線材
7:漂白剤
8:照明装置
9:漂白装置
10:スピーカ部
10a:スピーカ
31:リード
32:配線基板
33a:貫通孔
35:被挟持部
36,37:凹レンズ
T:歯牙
X:横方向
Y:光軸
Z:上下方向
Claims (25)
- 液状、ジェル状ないしペースト状の薬剤を歯面に塗布した状態で、当該薬剤に光を照射して歯牙の治療を行う歯牙用の照明装置において、
頭部に装着して固定される固定部と、
前記固定部から装着者自身の口の近傍に向って延設された棒状ないし帯状の延設部と、
前記延設部に取り付けられ、前記口の近傍に配設されて、少なくとも複数本の歯面に対面する出射面を持つ光源部と、
前記光源部に設けられ歯面に向って光を出射する発光源とを備えた歯牙用の照明装置。 - 請求項1において、
前記出射面は、複数の歯面に沿って、かつ、複数の歯面に対面するように横方向に湾曲している歯牙用の照明装置。 - 液状、ジェル状ないしペースト状の薬剤を歯面に塗布した状態で、当該薬剤に光を照射して歯牙の治療を行う歯牙用の照明装置において、
歯面に向って光を出射する発光源と前記発光源を収容し、少なくとも複数本の歯面に対面する出射面を持つ光源部とを備え、
前記出射面は、複数の歯面に沿って、かつ、複数の歯面に対面するように横方向に湾曲しており、
前記出射面には、上下に板状に突出する被挟持部が連なっており、前記被挟持部は唇と歯茎との間に挟持される歯牙用の照明装置。 - 請求項2もしくは3において、
前記発光源としての発光ダイオードが歯並びに沿った横方向に5個以上設けられ、
前記各発光ダイオードは樹脂の凸レンズ付の発光ダイオードであり、前記各発光ダイオードの凸レンズの先端は前記出射面に近接していると共に湾曲した面に沿って配置され、
前記5個以上の発光ダイオードのうち、少なくとも両端を除く発光ダイオードの光軸が互いに概ね平行に設定されている歯牙用の照明装置。 - 請求項4において、
前記発光源として複数個の発光ダイオードを有し、前記両端を除く各発光ダイオードの光軸に直交する平らな平面に沿った基板上に前記各発光ダイオードのリードが直交した状態で実装されている歯牙用の照明装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1項において、
前記光源部には反射ミラーが設けられ、
該反射ミラーには前記発光源としてのレンズ付の発光ダイオードの各レンズ部が貫通する複数の貫通孔が設けられ、
前記反射ミラーの反射面は、前記出射面に沿って横方向に湾曲し、かつ、前記出射面の上下方向にも湾曲していることで、前記反射ミラーの周縁の概ね全周縁部が前記出射面を形成する部材の内面に接触ないし近接している歯牙用の照明装置。 - 請求項1ないし6のいずれか1項において、
前記発光源としての発光ダイオードはレンズ付の発光ダイオードが上下に3列設けられ、上の列の発光ダイオードと下の列の発光ダイオードに対し、中段の列の発光ダイオードが千鳥状に配列されており、かつ、少なくとも中段の列の両端の発光ダイオードの直径が、上下の列の発光ダイオードの直径よりも小さく設定されている歯牙用の照明装置。 - 請求項3において、
前記出射面を形成する部材は、上下に光を広げるシリンドリカルな凹レンズを形成している歯牙用の照明装置。 - 請求項3もしくは8において、
前記発光源として発光ダイオードを有し、前記出射面を形成する部材における前記各発光ダイオードに対面する位置には、各々凹レンズが形成されている歯牙用の照明装置。 - 請求項1もしくは2において、
前記固定部には、耳に当てる一対のスピーカ部が設けられており、該スピーカ部はスピーカを有し、前記スピーカ部から前記延設部が口元に向って延設されている歯牙用の照明装置。 - 請求項1もしくは2において、
前記延設部に沿って、又は延設部内に前記発光源を発光させるために給電する給電用の配線材が配線され、かつ、前記延設部における前記照明装置の少なくとも近傍が可撓性部材で構成されている歯牙用の照明装置。 - 請求項1もしくは2において、
前記延設部における前記光源部の反射側の端部には、前記延設部を前記固定部に取り付けるための取付部が設けられている歯牙用の照明装置。 - 請求項1ないし12のいずれかに記載の歯牙用の照明装置と、歯に装着する透明のトゥースピースとを備えた歯牙用の治療装置であって、
前記トゥースピースの内面は、前記歯牙の表面および裏面に接触ないし近接していることで、前記薬剤が前記歯牙の表面に塗布された状態を前記トゥースピースが保持可能とした歯牙用の治療装置。 - 請求項13において、
前記トゥースピースは、歯面に対向する内表面を有し、前記薬剤を充填するための充填凹所が前記内表面に設けられている歯牙用の治療装置。 - 請求項13もしくは14において、
前記トゥースピースは、歯牙の先端付近において、前記歯牙の表面に向って折曲されていることで、前記トゥースピースが前記歯牙に装着された状態を保持する折曲部を備えている歯牙用の治療装置。 - 請求項13,14もしくは15において、
前記トゥースピースは、軟質の樹脂で形成されている歯牙用の治療装置。 - 請求項12ないし16のいずれか1項に記載の治療装置であって、
前記トゥースピースは、上の歯列の歯の表面および裏面に密着ないし近接する上歯部と、下の歯列の歯の表面および裏面に密着ないし近接する下歯部と、前記上の歯列の歯先と下の歯列の歯先との間に挟持される被挟持部とを備え、縦断面が概ねH型に形成されている歯牙用の治療装置。 - 請求項12ないし17のいずれか1項に記載の治療装置であって、
前記トゥースピースは、歯の表面および裏面に密着ないし近接する第1樹脂層と、前記歯側とは反対側の第2樹脂層とを備え、前記第1樹脂層の方が前記第2樹脂層よりも軟質の樹脂で形成されている歯牙用の治療装置。 - 請求項1ないし18のいずれか1項に記載の治療装置を用いた歯牙の漂白方法であって、
前記トゥースピースと歯との間に前記薬剤を充填した状態で、前記トゥースピースの外表面から前記照明装置により可視光を照射して、歯の漂白を行う歯牙の漂白方法。 - 請求項19において、
前記薬剤は、漂白剤に可視光の作用により活性化される光触媒が分散された薬剤である歯牙の漂白方法。 - 歯面に薬剤を塗布して歯牙の漂白を行う歯牙の漂白方法において、
水素イオンを含むPH6以下の溶液状、ジェル状ないしペースト状の溶液に酸化チタンの粉末を分散させた第1薬剤を、歯面に塗布する工程と、
前記歯面に塗布された第1薬剤に可視光を所定時間に渡って照射する第1漂白工程とを備えた歯牙の漂白方法。 - 請求項21において、
過酸化物の溶液状、ジェル状ないしペースト状の溶液に酸化チタンの粉末を分散させた第2薬剤を、歯面に塗布する工程と、
前記歯面に塗布された第2薬剤に可視光を所定時間に渡って照射する第2漂白工程とを更に備えた歯牙の漂白方法。 - 請求項21の前記第1漂白工程が、請求項22の前記第2漂白工程の前処理および/または後処理として行われる歯牙の漂白方法。
- 請求項21,22もしくは23において、
前記酸化チタンは、少なくともアナターゼ型酸化チタンを含む酸化チタンであり、かつ、真空中、77Kにおいて420nm以上の波長を有する光の照射下で測定したESRにおいて、g値が2.004〜2.007である主シグナルとg値が1.985〜1.986および2.024である2つの副シグナルが観測され、かつ、これらの3つのシグナルは真空中、77K、暗黒下において微小に観測されるか、または実質的に観測されない可視光応答型材料である歯牙の漂白方法。 - 請求項21ないし24のいずれか1項において、
水酸化イオンを含む溶液状、ジェル状ないしペースト状のアルカリ溶液を歯面に塗布するアルカリ塗布工程を更に備え、
該アルカリ塗布工程を前記第1漂白工程の直後に行うことを特徴とする歯牙の漂白方法。
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