JP2004201907A - 固形塗布材の繰り出し容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】固形塗布材の陥没や折損を防止し、十分な強度の固形塗布材を備えた繰り出し容器を提供する。
【解決手段】
本発明の繰り出し容器1は、受け皿10、この受け皿10と螺合する回転軸21及びこの回転軸に対し相対的に移動可能に配された固形塗布材3を有し、回転軸21の回転により受け皿10を容器本体2内で移動させることにより、固形塗布材3を容器本体内2から繰り出すようにした容器である。固形塗布材3には、その外周面に突出した複数の固形縦リブ(縦リブ)3aが周方向に略均等に設けられいる。
【選択図】 図2
【解決手段】
本発明の繰り出し容器1は、受け皿10、この受け皿10と螺合する回転軸21及びこの回転軸に対し相対的に移動可能に配された固形塗布材3を有し、回転軸21の回転により受け皿10を容器本体2内で移動させることにより、固形塗布材3を容器本体内2から繰り出すようにした容器である。固形塗布材3には、その外周面に突出した複数の固形縦リブ(縦リブ)3aが周方向に略均等に設けられいる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口紅、リップスティック、固形のり等の固形塗布材を回転軸の回転により繰り出す容器に関し、特に、比較的に柔らかい固形塗布材を繰り出す際にこの固形塗布材の内部に空隙が生じるタイプの繰り出し容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の固形塗布材の繰り出し容器においては、固形塗布材の下部を収容した受け皿が回転軸と螺合し、その回転軸を回転させることにより、受け皿を容器本体内で上方向に移動させ、これにより、固形塗布材を容器本体から繰り出すようにしている(特許文献1、2参照)。
一方、受け皿の外壁には、ガイド溝が形成されており、これに対し、ガイド溝に嵌合するガイドリブが容器本体の内壁に形成されている。これにより、受け皿は、容器本体内を移動する際に回転しないようになっている(特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第4865480号明細書
【特許文献2】
特開平9−277787号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の繰り出し容器においては、固形塗布材を繰り出す際に、固形塗布材と受け皿とが一体的に回転軸から離れる方向に移動すると共に、受け皿と回転軸とが密着して螺合しているため、それまで、固形塗布材の内部において回転軸が収まっていた部分に真空の空隙が形成され、その空隙に固形塗布材の側壁部分の一部が陥没し、固形塗布材が折損するおそれがあった。
また、固形塗布材を繰り出して使用する際に、固形塗布材が横荷重を受けると、上記同様の陥没や折損が生じるおそれがあった。
一方、従来の繰り出し容器においては、固形塗布材を繰り出す際、ガイドリブに沿った傷跡が固形塗布材の外周面上に形成されてしまうため、固形塗布材の側壁強度が小さくなり、やはり、その部分に陥没や亀裂が生じるおそれがあった。
【0005】
従って、本発明の目的は、固形塗布材の陥没や折損を防止し、十分な強度の固形塗布材を備えた繰り出し容器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、固形塗布材の外周面上の傷跡を無くし、固形塗布材の側壁の陥没や亀裂を防止し得る繰り出し容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受け皿、該受け皿と螺合する回転軸及び該回転軸に対し相対的に移動可能に配された固形塗布材を有し、該回転軸の回転により該受け皿を容器本体内で移動させることにより、該固形塗布材を該容器本体内から繰り出すようにした容器であって、前記固形塗布材には、その外周面に突出した複数の縦リブが周方向に略均等に設けられている固形塗布材の繰り出し容器を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
本発明によれば、固形塗布材に縦リブを略均等に配置したため、繰り出しの際にあっては、縦リブの追加に伴う断面積の増加等により内圧と大気圧との差に基づく応力を低減させることができ、また使用の際にあっては、縦リブの略均等配置に伴う部分的に均一な肉厚の補強により、横荷重や軸方向への曲げ荷重に対する強度を増大でき、その結果、固形塗布材の側壁陥没や折損を防止して十分な強度の固形塗布材を備えた繰り出し容器を得ることができる。
【発明の実施の形態】
【0008】
以下、本発明の固形塗布材の繰り出し容器の好ましい一実施形態(第1実施形態)を図面を参照して説明する。
図1又は図2に示すように、本実施形態の固形塗布材の繰り出し容器1は、受け皿10、この受け皿10と螺合する回転軸21及びこの回転軸21に対し相対的に移動可能に配された固形塗布材3を有し、回転軸21の回転により受け皿10を容器本体2内で移動させることにより、固形塗布材3を容器本体内2から繰り出すようにした容器である。
固形塗布材3には、その外周面に突出した複数の固形縦リブ(縦リブ)3aが周方向に略均等に設けられいる。
かかる固形塗布材の繰り出し容器(適宜、単に「繰り出し容器」とする)1を詳細に述べる。
【0009】
図2又は図3(a)に示すように、固形塗布材3は、例えば、リップスティック等の化粧料材から、所定外径の略円柱状に形成されている。
固形縦リブ3aは、固形塗布材3の外周面上に突出して長手方向に延在している。固形縦リブ3aの数は、特に限定されるものでないが、固形塗布材3の内壁強度を向上させる観点から、3個〜8個にすることが好ましい。
固形縦リブ3aの配置は、固形塗布材3全体の水平断面形状を均一な点対称形状にする観点から、周方向に均等になっている。
固形縦リブ3a単体の水平断面形状は、この断面形状の急激な変化に基づく応力集中を防止する観点から、凸半円形状に形成されている。
【0010】
図1、2又は図3(a)に示すように、容器本体2は、固形塗布材3の外径とほぼ同じ内径の中空円筒状に形成されている。
容器本体2の内壁には、固形縦リブ3aのそれぞれに対応した本体縦溝(縦溝)2aが設けられている。
本体縦溝2aは、容器本体2の内壁に凹んで長手方向に延在している。本体縦溝2aの数及び配置は、固形縦リブ3aの数及び配置と同一であり、本体縦溝2aの水平断面形状は、固形縦リブ3aの水平断面形状と対になる凹半円形状に形成されている。
なお、容器本体2の上部開口端には、キャップ4が着脱可能に嵌められるようになっている。
【0011】
図1、2又は図3(b)に示すように、受け皿10は、外円筒部11と内円筒部13とが仕切円部12を介して同軸上に結合されたような一体的形状に形成されている(図3(b)参照)。内円筒部13は、外円筒部11より小さめに形成されており、内円筒部13の内壁には、所定のピッチの雌ネジ(左ネジ)が形成されている。
【0012】
外円筒部11の外径は、受皿10が容器本体2内で上下方向に移動可能な程度に容器本体2の内径より幾分小さめに設定されている。
外円筒部11の外壁には、本体縦溝2aと嵌合する受皿縦リブ(突部)11aが設けられている。受皿縦リブ11aは、突出して長手方向に延在している。受皿縦リブ11aの数及び配置は、本体縦溝2aの数及び配置と同一であり、受皿縦リブ11aの水平断面形状は、本体縦溝2aの水平断面形状と対になる凸半円形状に形成されている。
【0013】
受皿縦リブ11aが、それぞれ、本体縦溝2aに嵌合することにより、受皿10は、容器本体2内で、回転せずに、上下方向に移動するようになっている
ここに、受け皿10の上下方向とは、鉛直方向の上下方向だけでなく、繰り出し容器1を傾けた場合における容器本体2内の進退方向も含む。
【0014】
図1又は図3(b)に示すように、回転軸21は、摘み22と回転体20として一体的に形成されたものである。
回転体20は、摘み22の上部が容器本体2の下端の内側部分で係合することにより、容器本体2に対し回転可能になっている。
この場合、摘み22は、容器本体2の下方に配置されている。回転軸21は、容器本体2と同軸上に配置され、回転軸21は、受け皿10と螺合している。
【0015】
ここで、回転軸21は、外周面に所定のピッチのネジ山(左ネジ)が螺旋状に形成された円柱形を、その先端部から根元部にわたって斜めに切削して形成される二つの傾斜面25を有する形状からなる。
従って、回転軸21は、ネジ側面26側では、先細り状に形成され、傾斜面25側では、同一幅内でネジ山が先端部より根元部の方が幅広になっている。これにより、回転軸21が受け皿10と螺合した場合、回転軸21の傾斜面25と内円筒部13の内壁との間に空隙が形成される。
【0016】
そして、繰り出し容器1は、摘み22の回転操作により、受け皿10を容器本体2内で上移動させ、受け皿10上の固形塗布材3を容器本体2から繰り出すようになっている。
この場合、固形塗布材3は、内円筒部13から上方に突出した回転軸21と密着しており、回転軸21が内円筒部13に対し相対的に下移動したとき、固形塗布材3の内部には、回転軸21の回転に伴った形状の内部空隙が形成される。この固形塗布材3の内部空隙は、回転軸21と内円筒部13との間の空隙を通して大気と連通している。
【0017】
ここで、固形塗布材3の製造方法については、受け皿10を最下位に配置した容器本体2内に、固形塗布材3を流動的に充填する。
この場合、本体縦溝2a内においては、その下部に受皿縦リブ11aが占めており、受皿縦リブ11aより上方の空隙に固形塗布材3を充填して固形縦リブ3aとなる。
そして、固形縦リブ3aは、受皿縦リブ11aと同一鉛直線上に配置され、固形縦リブ3a及び受皿縦リブ11aは、一体的に本体縦溝2aを埋めるようになっている。
また、外円筒部11内の仕切円部12より上方の空隙に固形塗布材3が充填しており、この部分で、受け皿10は固形塗布材3を支持している。
【0018】
次に、上述した構成を有する繰り出し容器1の作用を説明する。
受け皿10の上移動に伴って固形塗布材3を繰り出す際に、その固形塗布材3内では、内部空隙が真空(一時的の負圧)になり、固形塗布材2には、内部空隙下の内圧と大気圧との差に基づく応力が生じる。
【0019】
この場合、固形塗布材3の水平断面においては、固形縦リブ3aの追加に伴う断面積の増加により、応力が低減し、また、固形縦リブ3aの均等配置及び水平断面形状(凸半円形状)により、局部的な応力集中が生じない。
【0020】
もっとも、固形塗布材3の内部空隙は、回転軸21の傾斜面25と内円筒部13の内壁との間の空隙を通して大気と連通しているため、内部空隙の真空は、空気で置換されて徐々に大気圧下になり、その後、圧力差に基づく応力は消滅する。
【0021】
また、固形塗布材3を繰り出して使用する際に、固形塗布材3の外周面に固形縦リブ3aを均等に配置して部分的に肉厚を均一に補強したため、横荷重や軸方向への曲げ荷重に対する強度が増大する。
【0022】
さらに、固形塗布材3を繰り出して使用する際に、固形塗布材3の固形縦リブ3aが容器本体2の本体縦溝2aに嵌合密着しているため、軸方向回りの捻り荷重に対する強度が増大する。
【0023】
以上述べたように、本実施形態によれば、固形塗布材3に固形縦リブ3aを均等に配置したため、繰り出しの際にあっては、内圧と大気圧との差に基づく応力を低減させると共にその応力集中を生じさせずに、固形塗布材3の側壁陥没を防止でき、また使用の際にあっては、固形塗布材3全体の外径を大きくしなくても、横荷重や軸方向への曲げ荷重に対する強度を増大し、固形塗布材3の側壁陥没や折損を防止でき、その結果、十分な強度の固形塗布材3を備えた繰り出し容器1を得ることができる。
【0024】
また、本実施形態によれば、固形塗布材3の固形縦リブ3aを容器本体2の本体縦溝2aに嵌合密着させたため、使用の際に、軸方向回りの捻り荷重に対する強度を増大し、固形塗布材3の根元部分における折損を防止でき、その結果、固形塗布材3を十分な強度に保持することができる。
特に、この点については、受皿縦リブ11aを固形縦リブ3aと合わせてその長手方向に延在させたため、捻り荷重を受けた固形塗布材3を受け皿3と一体的に容器本体2内で固定し、固形塗布材3の根元折損をより効果的に防止できる。
【0025】
さらに、本実施形態によれば、受け皿10の受皿縦リブ11aを容器本体2の本体縦溝2aに嵌合させため、従来技術のように、ガイドリブを要せず、また、固形塗布材3の外周面上に傷跡を残さずに、受皿10の上下動に伴う回転を防止でき、ひいては、固形塗布材3の傷跡に起因する陥没や亀裂を防止できる。
【0026】
さらにまた、本実施形態によれば、固形塗布材3の固形縦リブ3aと、容器本体2の本体縦溝2aとを嵌合密着させるように、これらの数、配置、水平断面形状について対応させたため、容器本体2内に固形塗布材3を充填するだけで、十分な強度の固形塗布材3を容易に製造できる。
【0027】
本発明は、上記実施形態に限られることなく、種々の変更等を行うことができる。
繰り出しの際の圧力差に基づく応力や、使用の際の横荷重及び曲げ荷重に対し、固形塗布材3の側壁陥没や折損を防止する観点からでは、固形塗布材3に固形縦リブ3aを設ければ足り、容器本体2に本体縦溝2aを設ける必要はない。
もっとも、捻り荷重に対する固形塗布材3の根元折損を防止する観点、及び受け皿10を容器本体2内で回転させずに上下動させる観点からでは、上記実施形態のように、容器本体2に本体縦溝2aを固形縦リブ3a及び受皿縦リブ11aに対応させて設けることが好ましい。
【0028】
また、受け皿10を容器本体2内で回転させずに上下動させる観点からでは、受け皿10の受皿縦リブ11aを、容器本体2の本体縦溝2aの一つに嵌合させれば足りる。
もっとも、捻り荷重に対する固形塗布材3の根元折損を防止する観点からでは、上記実施形態のように、受け皿10の受皿縦リブ11aを、容器本体2の本体縦溝2aとすべて嵌合させることが好ましい。
【0029】
さらに、本発明の繰り出し容器は、固形塗布材としての固形のり等にも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、固形塗布材の陥没や折損を防止し、十分な強度の固形塗布材を備えた繰り出し容器を得ることができる。
また、本発明によれば、固形塗布材の外周面上の傷跡を無くし、固形塗布材の側壁の陥没や亀裂を防止し得る繰り出し容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の繰り出し容器の概略構成(固形塗布材を除く)を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の繰り出し容器の固形塗布材が繰り出された状態を示す斜視図である。
【図3】(a)は、図2における繰り出し容器のA−A断面図、(b)は、図2における繰り出し容器のB−B断面図である。
【符号の説明】
2 容器本体
2a 本体縦溝(縦溝)
3 固形塗布材
3a 固形縦リブ(縦リブ)
10 受け皿
11a 受皿縦リブ(突部)
21 回転軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、口紅、リップスティック、固形のり等の固形塗布材を回転軸の回転により繰り出す容器に関し、特に、比較的に柔らかい固形塗布材を繰り出す際にこの固形塗布材の内部に空隙が生じるタイプの繰り出し容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の固形塗布材の繰り出し容器においては、固形塗布材の下部を収容した受け皿が回転軸と螺合し、その回転軸を回転させることにより、受け皿を容器本体内で上方向に移動させ、これにより、固形塗布材を容器本体から繰り出すようにしている(特許文献1、2参照)。
一方、受け皿の外壁には、ガイド溝が形成されており、これに対し、ガイド溝に嵌合するガイドリブが容器本体の内壁に形成されている。これにより、受け皿は、容器本体内を移動する際に回転しないようになっている(特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第4865480号明細書
【特許文献2】
特開平9−277787号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の繰り出し容器においては、固形塗布材を繰り出す際に、固形塗布材と受け皿とが一体的に回転軸から離れる方向に移動すると共に、受け皿と回転軸とが密着して螺合しているため、それまで、固形塗布材の内部において回転軸が収まっていた部分に真空の空隙が形成され、その空隙に固形塗布材の側壁部分の一部が陥没し、固形塗布材が折損するおそれがあった。
また、固形塗布材を繰り出して使用する際に、固形塗布材が横荷重を受けると、上記同様の陥没や折損が生じるおそれがあった。
一方、従来の繰り出し容器においては、固形塗布材を繰り出す際、ガイドリブに沿った傷跡が固形塗布材の外周面上に形成されてしまうため、固形塗布材の側壁強度が小さくなり、やはり、その部分に陥没や亀裂が生じるおそれがあった。
【0005】
従って、本発明の目的は、固形塗布材の陥没や折損を防止し、十分な強度の固形塗布材を備えた繰り出し容器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、固形塗布材の外周面上の傷跡を無くし、固形塗布材の側壁の陥没や亀裂を防止し得る繰り出し容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受け皿、該受け皿と螺合する回転軸及び該回転軸に対し相対的に移動可能に配された固形塗布材を有し、該回転軸の回転により該受け皿を容器本体内で移動させることにより、該固形塗布材を該容器本体内から繰り出すようにした容器であって、前記固形塗布材には、その外周面に突出した複数の縦リブが周方向に略均等に設けられている固形塗布材の繰り出し容器を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】
本発明によれば、固形塗布材に縦リブを略均等に配置したため、繰り出しの際にあっては、縦リブの追加に伴う断面積の増加等により内圧と大気圧との差に基づく応力を低減させることができ、また使用の際にあっては、縦リブの略均等配置に伴う部分的に均一な肉厚の補強により、横荷重や軸方向への曲げ荷重に対する強度を増大でき、その結果、固形塗布材の側壁陥没や折損を防止して十分な強度の固形塗布材を備えた繰り出し容器を得ることができる。
【発明の実施の形態】
【0008】
以下、本発明の固形塗布材の繰り出し容器の好ましい一実施形態(第1実施形態)を図面を参照して説明する。
図1又は図2に示すように、本実施形態の固形塗布材の繰り出し容器1は、受け皿10、この受け皿10と螺合する回転軸21及びこの回転軸21に対し相対的に移動可能に配された固形塗布材3を有し、回転軸21の回転により受け皿10を容器本体2内で移動させることにより、固形塗布材3を容器本体内2から繰り出すようにした容器である。
固形塗布材3には、その外周面に突出した複数の固形縦リブ(縦リブ)3aが周方向に略均等に設けられいる。
かかる固形塗布材の繰り出し容器(適宜、単に「繰り出し容器」とする)1を詳細に述べる。
【0009】
図2又は図3(a)に示すように、固形塗布材3は、例えば、リップスティック等の化粧料材から、所定外径の略円柱状に形成されている。
固形縦リブ3aは、固形塗布材3の外周面上に突出して長手方向に延在している。固形縦リブ3aの数は、特に限定されるものでないが、固形塗布材3の内壁強度を向上させる観点から、3個〜8個にすることが好ましい。
固形縦リブ3aの配置は、固形塗布材3全体の水平断面形状を均一な点対称形状にする観点から、周方向に均等になっている。
固形縦リブ3a単体の水平断面形状は、この断面形状の急激な変化に基づく応力集中を防止する観点から、凸半円形状に形成されている。
【0010】
図1、2又は図3(a)に示すように、容器本体2は、固形塗布材3の外径とほぼ同じ内径の中空円筒状に形成されている。
容器本体2の内壁には、固形縦リブ3aのそれぞれに対応した本体縦溝(縦溝)2aが設けられている。
本体縦溝2aは、容器本体2の内壁に凹んで長手方向に延在している。本体縦溝2aの数及び配置は、固形縦リブ3aの数及び配置と同一であり、本体縦溝2aの水平断面形状は、固形縦リブ3aの水平断面形状と対になる凹半円形状に形成されている。
なお、容器本体2の上部開口端には、キャップ4が着脱可能に嵌められるようになっている。
【0011】
図1、2又は図3(b)に示すように、受け皿10は、外円筒部11と内円筒部13とが仕切円部12を介して同軸上に結合されたような一体的形状に形成されている(図3(b)参照)。内円筒部13は、外円筒部11より小さめに形成されており、内円筒部13の内壁には、所定のピッチの雌ネジ(左ネジ)が形成されている。
【0012】
外円筒部11の外径は、受皿10が容器本体2内で上下方向に移動可能な程度に容器本体2の内径より幾分小さめに設定されている。
外円筒部11の外壁には、本体縦溝2aと嵌合する受皿縦リブ(突部)11aが設けられている。受皿縦リブ11aは、突出して長手方向に延在している。受皿縦リブ11aの数及び配置は、本体縦溝2aの数及び配置と同一であり、受皿縦リブ11aの水平断面形状は、本体縦溝2aの水平断面形状と対になる凸半円形状に形成されている。
【0013】
受皿縦リブ11aが、それぞれ、本体縦溝2aに嵌合することにより、受皿10は、容器本体2内で、回転せずに、上下方向に移動するようになっている
ここに、受け皿10の上下方向とは、鉛直方向の上下方向だけでなく、繰り出し容器1を傾けた場合における容器本体2内の進退方向も含む。
【0014】
図1又は図3(b)に示すように、回転軸21は、摘み22と回転体20として一体的に形成されたものである。
回転体20は、摘み22の上部が容器本体2の下端の内側部分で係合することにより、容器本体2に対し回転可能になっている。
この場合、摘み22は、容器本体2の下方に配置されている。回転軸21は、容器本体2と同軸上に配置され、回転軸21は、受け皿10と螺合している。
【0015】
ここで、回転軸21は、外周面に所定のピッチのネジ山(左ネジ)が螺旋状に形成された円柱形を、その先端部から根元部にわたって斜めに切削して形成される二つの傾斜面25を有する形状からなる。
従って、回転軸21は、ネジ側面26側では、先細り状に形成され、傾斜面25側では、同一幅内でネジ山が先端部より根元部の方が幅広になっている。これにより、回転軸21が受け皿10と螺合した場合、回転軸21の傾斜面25と内円筒部13の内壁との間に空隙が形成される。
【0016】
そして、繰り出し容器1は、摘み22の回転操作により、受け皿10を容器本体2内で上移動させ、受け皿10上の固形塗布材3を容器本体2から繰り出すようになっている。
この場合、固形塗布材3は、内円筒部13から上方に突出した回転軸21と密着しており、回転軸21が内円筒部13に対し相対的に下移動したとき、固形塗布材3の内部には、回転軸21の回転に伴った形状の内部空隙が形成される。この固形塗布材3の内部空隙は、回転軸21と内円筒部13との間の空隙を通して大気と連通している。
【0017】
ここで、固形塗布材3の製造方法については、受け皿10を最下位に配置した容器本体2内に、固形塗布材3を流動的に充填する。
この場合、本体縦溝2a内においては、その下部に受皿縦リブ11aが占めており、受皿縦リブ11aより上方の空隙に固形塗布材3を充填して固形縦リブ3aとなる。
そして、固形縦リブ3aは、受皿縦リブ11aと同一鉛直線上に配置され、固形縦リブ3a及び受皿縦リブ11aは、一体的に本体縦溝2aを埋めるようになっている。
また、外円筒部11内の仕切円部12より上方の空隙に固形塗布材3が充填しており、この部分で、受け皿10は固形塗布材3を支持している。
【0018】
次に、上述した構成を有する繰り出し容器1の作用を説明する。
受け皿10の上移動に伴って固形塗布材3を繰り出す際に、その固形塗布材3内では、内部空隙が真空(一時的の負圧)になり、固形塗布材2には、内部空隙下の内圧と大気圧との差に基づく応力が生じる。
【0019】
この場合、固形塗布材3の水平断面においては、固形縦リブ3aの追加に伴う断面積の増加により、応力が低減し、また、固形縦リブ3aの均等配置及び水平断面形状(凸半円形状)により、局部的な応力集中が生じない。
【0020】
もっとも、固形塗布材3の内部空隙は、回転軸21の傾斜面25と内円筒部13の内壁との間の空隙を通して大気と連通しているため、内部空隙の真空は、空気で置換されて徐々に大気圧下になり、その後、圧力差に基づく応力は消滅する。
【0021】
また、固形塗布材3を繰り出して使用する際に、固形塗布材3の外周面に固形縦リブ3aを均等に配置して部分的に肉厚を均一に補強したため、横荷重や軸方向への曲げ荷重に対する強度が増大する。
【0022】
さらに、固形塗布材3を繰り出して使用する際に、固形塗布材3の固形縦リブ3aが容器本体2の本体縦溝2aに嵌合密着しているため、軸方向回りの捻り荷重に対する強度が増大する。
【0023】
以上述べたように、本実施形態によれば、固形塗布材3に固形縦リブ3aを均等に配置したため、繰り出しの際にあっては、内圧と大気圧との差に基づく応力を低減させると共にその応力集中を生じさせずに、固形塗布材3の側壁陥没を防止でき、また使用の際にあっては、固形塗布材3全体の外径を大きくしなくても、横荷重や軸方向への曲げ荷重に対する強度を増大し、固形塗布材3の側壁陥没や折損を防止でき、その結果、十分な強度の固形塗布材3を備えた繰り出し容器1を得ることができる。
【0024】
また、本実施形態によれば、固形塗布材3の固形縦リブ3aを容器本体2の本体縦溝2aに嵌合密着させたため、使用の際に、軸方向回りの捻り荷重に対する強度を増大し、固形塗布材3の根元部分における折損を防止でき、その結果、固形塗布材3を十分な強度に保持することができる。
特に、この点については、受皿縦リブ11aを固形縦リブ3aと合わせてその長手方向に延在させたため、捻り荷重を受けた固形塗布材3を受け皿3と一体的に容器本体2内で固定し、固形塗布材3の根元折損をより効果的に防止できる。
【0025】
さらに、本実施形態によれば、受け皿10の受皿縦リブ11aを容器本体2の本体縦溝2aに嵌合させため、従来技術のように、ガイドリブを要せず、また、固形塗布材3の外周面上に傷跡を残さずに、受皿10の上下動に伴う回転を防止でき、ひいては、固形塗布材3の傷跡に起因する陥没や亀裂を防止できる。
【0026】
さらにまた、本実施形態によれば、固形塗布材3の固形縦リブ3aと、容器本体2の本体縦溝2aとを嵌合密着させるように、これらの数、配置、水平断面形状について対応させたため、容器本体2内に固形塗布材3を充填するだけで、十分な強度の固形塗布材3を容易に製造できる。
【0027】
本発明は、上記実施形態に限られることなく、種々の変更等を行うことができる。
繰り出しの際の圧力差に基づく応力や、使用の際の横荷重及び曲げ荷重に対し、固形塗布材3の側壁陥没や折損を防止する観点からでは、固形塗布材3に固形縦リブ3aを設ければ足り、容器本体2に本体縦溝2aを設ける必要はない。
もっとも、捻り荷重に対する固形塗布材3の根元折損を防止する観点、及び受け皿10を容器本体2内で回転させずに上下動させる観点からでは、上記実施形態のように、容器本体2に本体縦溝2aを固形縦リブ3a及び受皿縦リブ11aに対応させて設けることが好ましい。
【0028】
また、受け皿10を容器本体2内で回転させずに上下動させる観点からでは、受け皿10の受皿縦リブ11aを、容器本体2の本体縦溝2aの一つに嵌合させれば足りる。
もっとも、捻り荷重に対する固形塗布材3の根元折損を防止する観点からでは、上記実施形態のように、受け皿10の受皿縦リブ11aを、容器本体2の本体縦溝2aとすべて嵌合させることが好ましい。
【0029】
さらに、本発明の繰り出し容器は、固形塗布材としての固形のり等にも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、固形塗布材の陥没や折損を防止し、十分な強度の固形塗布材を備えた繰り出し容器を得ることができる。
また、本発明によれば、固形塗布材の外周面上の傷跡を無くし、固形塗布材の側壁の陥没や亀裂を防止し得る繰り出し容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の繰り出し容器の概略構成(固形塗布材を除く)を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の繰り出し容器の固形塗布材が繰り出された状態を示す斜視図である。
【図3】(a)は、図2における繰り出し容器のA−A断面図、(b)は、図2における繰り出し容器のB−B断面図である。
【符号の説明】
2 容器本体
2a 本体縦溝(縦溝)
3 固形塗布材
3a 固形縦リブ(縦リブ)
10 受け皿
11a 受皿縦リブ(突部)
21 回転軸
Claims (4)
- 受け皿、該受け皿と螺合する回転軸及び該回転軸に対し相対的に移動可能に配された固形塗布材を有し、該回転軸の回転により該受け皿を容器本体内で移動させることにより、該固形塗布材を該容器本体内から繰り出すようにした容器であって、
前記固形塗布材には、その外周面に突出した複数の縦リブが周方向に略均等に設けられている固形塗布材の繰り出し容器。 - 前記容器本体の内壁には、前記固形塗布材の前記縦リブのそれぞれに対応した縦溝が設けられている請求項1記載の固形塗布材の繰り出し容器。
- 前記受け皿の外壁には、前記容器本体の縦溝に嵌合する突部が少なくとも一つ設けられている請求項1又は2に記載の固形塗布材の繰り出し容器。
- 前記受け皿の突部は、前記固形塗布材の前記縦リブの長手方向に延在して設けられ、該縦リブのそれぞれに対応して配されている請求項3記載の固形塗布材の繰り出し容器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100701036B1 (ko) * | 2006-04-10 | 2007-03-29 | 주식회사 아모스 | 스틱형 케이스 |
JP2011005000A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Daisen Sangyo Kk | 棒状固形物繰出し容器 |
US7891896B2 (en) | 2004-12-09 | 2011-02-22 | Shiseido Company, Ltd. | Stick cosmetic advancing container |
JP2014004794A (ja) * | 2012-06-27 | 2014-01-16 | Mitsue:Kk | スティック状固形糊 |
CN110996715A (zh) * | 2017-07-26 | 2020-04-10 | 香奈儿化妆品简单股份公司 | 具有分配时破开的固体物的化妆或护理用的制品的分配装置 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002374100A patent/JP2004201907A/ja active Pending
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