JP2004201828A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主制御基板は、入賞検知時に読み出した大当り判定用乱数の値と予告判定値(大当り判定値と同値)を比較し、大当り予告の実行可を決定すると、その時点における始動保留球の記憶数を確認し、該記憶数を示す予告コマンドを統括制御基板に出力する。統括制御基板は、予告コマンドに示された前記記憶数に基づく図柄組み合わせゲームが終了する迄の期間を予告実行可能期間として設定する。前記予告実行可能期間が設定された状態で始動入賞口25又は普通入賞口28に遊技球が入賞(入賞(3),(4),(5),(普通))すると、大当り予告を行うか否かを判定し、大当り予告を行うことを決定した場合には、ランプ制御基板に予告実行コマンドを出力し、予告ランプYRの点灯による大当り予告を行う。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大当り予告を行う遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機では、遊技演出(図柄変動)中に大当り予告を行うものが知られていた。しかし、この大当り予告を図柄変動開始時など一定のタイミングで行うと、遊技者にとっては意外性がなく、興趣に欠けるものとなっていた。そこで、特許文献1,2に記載されている発明が提案された。これらの発明は、図柄変動中に遊技球が始動入賞口に入賞したタイミングで大当り予告を行うもので、遊技球が始動入賞口に入賞するタイミングがランダムであることを利用して、図柄変動中にランダムなタイミングで大当り予告を行うものである。これらの発明によれば、遊技者にとっては、大当り予告が行われるタイミングの予想が付かず意外性があり興趣をそそられるものとなっていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−269463号公報
【特許文献2】
特開2001−334032号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1,2は、図柄変動中に遊技球が始動入賞口に入賞することを条件に大当り予告を行う構成となっている。即ち、この構成では、図柄変動中以外、例えば、大当り遊技中や、図柄変動が終了してから次の図柄変動が開始する迄の変動待機中に遊技球が始動入賞口に入賞しても大当り予告が行われないようになっている。そのため、大当り予告の出現タイミングが遊技状態に左右されることになってしまう。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、遊技状態に拘わらず、大当り予告を報知信号の入力タイミングに応じてランダムなタイミングで行うことができる遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技機全体を制御するメイン制御手段と、前記メイン制御手段が出力した制御信号に基づき各種の制御を実行するサブ制御手段とを備えた遊技機において、前記メイン制御手段は、入賞検知手段における遊技球の入賞検知を契機に判定用乱数の値を読み出す乱数読出手段と、該乱数読出手段が読み出した前記判定用乱数の値を順次、記憶手段に記憶する乱数記憶手段と、前記入賞検知に基づく遊技演出の開始直前に、前記記憶手段に記憶されている前記判定用乱数の値と予め設定された大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定する大当り判定手段と、前記入賞検知の時点から当該入賞検知を契機に読み出した判定用乱数の値に基づく前記大当り判定が行われる迄の間に、前記乱数読出手段が読み出した前記判定用乱数の値と前記大当り判定値と同値となるように予め設定された予告判定値とを比較して大当り予告の実行可否を判定する予告判定手段と、該予告判定手段が大当り予告の実行可を決定した場合に予告信号を前記サブ制御手段に出力する予告信号出力手段と、前記サブ制御手段に遊技情報の報知を指示する報知信号を出力する報知信号出力手段とを備え、前記サブ制御手段は、予告信号に基づき該予告信号を入力した時点から連続する所定の期間を大当り予告の実行可能期間として設定可能な設定手段と、前記実行可能期間内に報知信号を入力した場合に、所定の予告手段に大当り予告を行わせるように予告手段を制御可能な予告制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記報知信号出力手段は、遊技球の入賞に関する遊技情報の報知を指示する報知信号、及び大当り遊技中の遊技状態に関する遊技情報の報知を指示する報知信号のうち少なくともいずれか一方を出力するように構成されたことを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記サブ制御手段は、前記予告信号を入力した場合に前記実行可能期間を設定するか否かを判定する期間設定判定手段を備え、前記設定手段は、前記期間設定判定手段が前記実行可能期間を設定すると決定した場合に前記実行可能期間を設定するように構成されたことを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機において、前記サブ制御手段は、前記実行可能期間が設定されている状態で前記報知信号を入力した場合に大当り予告を行うか否かを判定する予告実行判定手段を備え、前記予告制御手段は、前記予告実行判定手段が大当り予告を行うと決定した場合に前記予告手段を制御して大当り予告を行わせるように構成されたことを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機において、前記予告判定手段は、前記大当り予告の実行可を決定した場合、その時点における始動保留球の記憶数を確認し、前記予告信号出力手段は、前記始動保留球の記憶数を指示する予告信号を前記サブ制御手段に出力するように構成されており、前記設定手段は、前記予告信号で指示された前記始動保留球の記憶数に対応する遊技演出の回数に基づき前記実行可能期間を設定するように構成されたことを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に具体化した一実施形態を図1〜図9に基づき説明する。
【0012】
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、各種遊技の状態(図柄変動、大当り状態など)に応じて点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う枠ランプ(発光演出装置)16及び遊技盤ランプ(発光演出装置)17が設けられている。前枠14の前面側には、賞球の払出し時に点灯し、発光によって払出し報知及び入賞報知を行う賞球ランプ(発光報知装置)18が設けられている。上球皿15の両側方には、前記遊技の状態に応じて各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ(音声演出装置)19が配置されている。中枠12の下部には、下球皿20及び発射装置21が装着されている。
【0013】
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶画面からなる可視表示部Hを備えた可変表示装置(表示演出装置)22が配設されている。この液晶式の可変表示装置22では、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。前記可変表示装置22では、表示演出に関連して、複数種類の図柄(識別情報)を変動させて、複数列の図柄による図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の図柄の種類を0〜7までの8種類の数字としている。
【0014】
そして、遊技者は、可視表示部Hにおいて、最終的に停止(確定停止表示)した図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可視表示部Hに停止した全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの組み合わせとなる。前記大当りの組み合わせで停止した場合、遊技者には、大当り状態(特別遊技状態)が付与される。また、可視表示部Hに停止した全列の図柄が異なる種類の場合又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせとなる。また、本実施形態では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄が一旦停止(一旦停止表示)するようになっている。そして、一旦停止された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動表示中を示す)からリーチを認識できる。
【0015】
可変表示装置22の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根24を備えた始動入賞口25が配設されている。始動入賞口25の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動入賞口センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口25は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件(図柄変動の始動条件)を付与し得る。また、始動入賞口25は、遊技球の入賞検知を契機に、所定個数(例えば4個)の賞球の払出条件を付与し得る。また、始動入賞口25の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉26を備えた大入賞口27が配設されている。大入賞口27は、図柄組み合わせゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉26が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。そして、大当り状態が付与されると、大入賞口扉26の開閉動作によって大入賞口27が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
【0016】
大入賞口27には、通常入賞口(図示しない)が配設されており、該通常入賞口の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントセンサSE2(図3に示す)が設けられている。また、大入賞口27には、特定入賞口(所謂V入賞口、図示しない)が配設されており、該特定入賞口の奥方には、入賞した遊技球を検知する特定通過カウントセンサSE3(図3に示す)が設けられている。前記通常入賞口及び特定入賞口は、遊技球の入賞検知を契機に、所定個数(例えば15個)の賞球の払出条件を付与し得る。そして、パチンコ機10では、大当り状態が付与されると大当り遊技に移行し、該大当り遊技において、大入賞口27は、所定の継続条件の成立(1のラウンド中に特定入賞への入賞(V入賞))によって予め定めた規定ラウンド数(本実施形態では15ラウンド)を上限に開放及び閉鎖を繰り返すように構成されている。大当り遊技は、最初にオープニング演出が行われ、該オープニング演出の終了後、大入賞口扉26の作動によって大入賞口27が開放され、1ラウンド(1R)目の遊技が開始する。1ラウンド目の遊技中に特定入賞口へ遊技球が入賞すると、1ラウンド目の遊技終了によって閉鎖された大入賞口27が再び開放され、2ラウンド(2R)目の遊技が開始する。同様に、所定の継続条件の成立によって、3ラウンド(3R)目の遊技→4ラウンド(4R)目の遊技→・・・→15ラウンド(15R)目の遊技の順に行われる。そして、15ラウンド目の遊技が終了すると、エンディング演出が行われる。
【0017】
また、可変表示装置22の左右両側方には、普通入賞口28が配設されている。普通入賞口28の奥方には、入賞した遊技球を検知する普通入賞口センサSE4(図3に示す)が設けられている。普通入賞口28は、遊技球の入賞検知を契機に、所定個数(例えば10個)の賞球の払出条件を付与し得る。
【0018】
また、可変表示装置22には、機内部(RAM32c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)に基づく保留中の図柄組み合わせゲームの回数を報知する保留球数表示器30が配設されている(図2)。保留記憶数は、始動入賞口25へ遊技球が入賞すると1加算(+1)され、図柄組み合わせゲームが開始すると1減算(−1)され、図柄組み合わせゲーム中に始動入賞口25へ遊技球が入賞すると保留記憶数は更に加算されて所定の上限値(例えば4)まで累積される。そして、保留球数表示器30は、保留1ランプ30a、保留2ランプ30b、保留3ランプ30c及び保留4ランプ30dからなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留1ランプ30aのみが点灯している場合には1回の図柄組み合わせゲームが保留中であることを報知している。保留球数表示器30は、保留記憶数を報知し、発光によって入賞報知を行う発光報知装置となる。
【0019】
また、本実施形態のパチンコ機10は、所定の条件下で大当り予告を行うように構成されている。通常、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて全列の図柄が停止する迄の間、大当り演出が行われているか否かを判断することができず、大当り予告は、全列の図柄が停止する前に遊技者に大当りを告知する演出とされている。「大当り演出」は、図柄組み合わせゲームが、大当りの組み合わせで停止するように展開される演出である。そして、可変表示装置22には、予告手段としての予告ランプYRが配設されている(図2)。本実施形態において予告ランプYRは、大当り予告を行う際に点灯し、予告専用のランプとされている。また、大当り予告は遊技演出(本実施形態では発光装飾に基づく発光演出)の一種であり、予告ランプYRは演出手段(発光装置)となる。
【0020】
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御するメイン制御手段としての主制御基板(主制御部)32が装着されている。主制御基板32は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを演算処理する。そして、主制御基板32は、前記制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、可変表示装置22を制御する表示制御基板(表示制御部)33が装着されている。また、機裏側には、枠ランプ16、遊技盤ランプ17、賞球ランプ18、保留球数表示器30及び予告ランプYRを制御するランプ制御基板(発光制御部)34が装着されている。また、機裏側には、スピーカ19を制御する音声制御基板(音声制御部)35が装着されている。
【0021】
また、機裏側には、主制御基板32が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板33、ランプ制御基板34及び音声制御基板35を統括的に制御する統括制御基板(統括制御部)36が装着されている。統括制御基板36は、各制御基板33〜35を統括的に制御するために各種処理を実行し、制御コマンドを所定の制御信号として出力する。前記各制御基板33〜35は、主制御基板32が出力した各種の制御信号(制御コマンド)及び統括制御基板36が出力した各種の制御信号(制御コマンド)を入力し、該制御信号(制御コマンド)に基づき遊技演出を制御する。
【0022】
本実施形態では、表示制御基板33、ランプ制御基板34及び音声制御基板35が、演出手段(可変表示装置22、枠ランプ16、遊技盤ランプ17、スピーカ19、予告ランプYR)を制御する演出制御部となり、統括制御基板36が前記各演出制御部を統括的に制御する統括制御部となる。また、本実施形態では、表示制御基板33、ランプ制御基板34、音声制御基板35及び統括制御基板36により、メイン制御手段(主制御基板32)が出力した制御信号に基づいて各種の制御(表示制御、発光制御、音声制御、報知制御、予告制御)を実行するサブ制御手段(図3に破線で囲む)を構成している。
【0023】
以下、主制御基板32、表示制御基板33、ランプ制御基板34、音声制御基板35及び統括制御基板36の具体的な構成を説明する。
主制御基板32は、メインCPU32aを備えており、該メインCPU32aにはROM32b及びRAM32cが接続されている。メインCPU32aは、大当り判定用乱数(以下、「大当り乱数」と示す)、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、はずれ左図柄用乱数、はずれ中図柄用乱数、はずれ右図柄用乱数、演出パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新している。メインCPU32aは、更新後の乱数の値をRAM32cに記憶し、更新前の値を書き換えることで乱数の値を更新している。ROM32bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや複数種類の演出パターンが記憶されている。RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(各種乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
【0024】
前記演出パターンは、遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。そして、演出パターンは、図柄組み合わせゲーム用と大当り遊技用に分類されている。図柄組み合わせゲーム用の演出パターンには、該演出パターン毎に遊技演出の時間(変動時間)が定められており、少なくとも遊技演出の時間が特定可能とされている。そして、前記演出パターンは、大当り演出用、リーチありのはずれ演出用、リーチなしのはずれ演出用にさらに分類されてROM32bに記憶されている。前記リーチありのはずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経てはずれの組み合わせで停止するように展開される演出(はずれリーチ)であり、前記リーチなしのはずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経ることなくはずれの組み合わせで停止するように展開される演出である。そして、本実施形態では、ROM32bに、大当り演出用の演出パターンとして演出パターンP1(変動時間T1)と、演出パターンP2(変動時間T2)が記憶されている。また、ROM32bには、リーチありのはずれ演出用の演出パターンとして演出パターンP3(変動時間T3)と演出パターンP4(変動時間T4)が、リーチなしのはずれ演出用の演出パターンとして演出パターンP5(変動時間T5)が記憶されている。また、ROM32bには、大当り遊技用の演出パターンとして、オープニング演出、エンディング演出、各ラウンド遊技用演出の各演出パターンが記憶されている。
【0025】
そして、メインCPU32aは、始動入賞口25及び始動入賞口センサSE1によって構成される入賞検知手段が出力する検知信号を入力し、図柄組み合わせゲームに関連する各種処理(保留記憶数の判定、大当り判定、リーチ判定、停止図柄の決定、演出パターンの決定及び入賞報知処理など)を実行する。
【0026】
保留記憶数の判定は、前記検知信号の入力を契機に、RAM32cに記憶されている保留記憶数が上限値未満であるか否かを判定して行う。この判定結果が肯定(上限値未満)の場合、メインCPU32aは、保留記憶数を1加算(+1)し、保留記憶数を書き換える。前記判定結果が否定(上限値に達している)の場合、メインCPU32aは、前記検知信号を無効とし、上限値を超える保留記憶数の書き換えを行わない。保留記憶数を書き換えたメインCPU32aは、保留記憶数の報知を指示する保留指定コマンドを統括制御基板36の統括CPU36aに出力する(入賞報知処理)。なお、メインCPU32aは、図柄組み合わせゲームの開始により保留記憶数を1減算(−1)した場合も保留指定コマンドを出力する。さらに、メインCPU32aは、検知信号の入力を契機に賞球の払出しを払出制御基板(図示しない)に指示すると共に、賞球ランプ18の点灯を指示する賞球ランプ点灯コマンドを統括制御基板36の統括CPU36aに出力する(入賞報知処理)。
【0027】
また、メインCPU32aは、保留記憶数の判定で上限未満と判定した場合、遊技球の入賞検知を契機に大当り乱数の値及び大当り図柄用乱数の値をRAM32cから読み出し、RAM32cの所定の格納領域に順次格納(記憶)する。そして、メインCPU32aは、前記入賞検知に基づく図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM32cに格納されている前記大当り乱数の値とROM32bに記憶されている大当り判定値を比較して大当り判定を行う。大当り判定の結果が肯定(大当り乱数の値と大当り判定値が一致)の場合、メインCPU32aは、大当りを決定する。前記大当り判定値は、大当り乱数の取り得る数値の中から予め定められている。本実施形態では、大当り乱数の取り得る数値を0〜946(全947通りの整数)と定める一方で、大当り判定値を「7,349,919」の3個の値と定めている。従って、3個の大当り判定値を用いる場合、パチンコ機10の大当り確率は947分の3(=315.7分の1)となる。
【0028】
そして、大当りの決定がなされると、メインCPU32aは、RAM32cに格納されている大当り図柄用乱数の値から可視表示部Hに最終的に停止させる図柄(停止図柄)を決定する。具体的には、前記大当り図柄用乱数の値を停止図柄左、停止図柄中、及び停止図柄右(各停止図柄は同一種類)とする。本実施形態において、大当り図柄用乱数の取り得る数値は、8種類の図柄に対応するように0〜7の全8通りの整数としている。従って、メインCPU32aは、大当り図柄用乱数の値として、例えば、「7」を読み出した場合には、各停止図柄を全て「7」に決定する。この場合、可視表示部Hには、大当りの組み合わせ[777]が最終的に停止する。また、大当りの決定がなされると、メインCPU32aは、RAM32cから演出パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、大当り演出用として振分けられた複数の演出パターン(本実施形態では演出パターンP1,P2)の中から1つの演出パターンを決定する。
【0029】
前記リーチ判定は、大当り判定の判定結果が否定(大当り乱数の値と大当り判定値が不一致)の場合に、RAM32cから読み出したリーチ判定用乱数の値とROM32bに記憶されているリーチ判定値とを比較して行う。このリーチ判定の結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が一致)の場合、メインCPU32aは、リーチを決定する。リーチの決定がなされると、メインCPU32aは、RAM32cから読み出したはずれ左図柄用乱数の値とはずれ中図柄用乱数の値から停止図柄を決定する。具体的には、前記はずれ左図柄用乱数の値を停止図柄左及び停止図柄右(停止図柄左,右は同一種類)とし、前記はずれ中図柄用乱数の値を停止図柄中とする。このとき、メインCPU32aは、前記はずれ左図柄用乱数の値とはずれ中図柄用乱数の値が一致していた場合、停止図柄左と停止図柄中が一致しないように停止図柄中を決定する。本実施形態において、はずれ左図柄用乱数、はずれ中図柄用乱数、はずれ右図柄用乱数の取り得る数値は、大当り図柄用乱数と同様に0〜7の全8通りの整数としている。また、メインCPU32aは、RAM32cから演出パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、リーチありのはずれ演出用の演出パターン(本実施形態では演出パターンP3,P4)の中から1つの演出パターンを決定する。
【0030】
一方、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が不一致)の場合、メインCPU32aは、はずれを決定する。はずれの決定がなされると、メインCPU32aは、RAM32cから読み出したはずれ左図柄用乱数の値、はずれ中図柄用乱数の値、及びはずれ右図柄用乱数の値から停止図柄を決定する。具体的には、前記はずれ左図柄用乱数の値を停止図柄左とし、前記はずれ中図柄用乱数の値を停止図柄中とし、前記はずれ右図柄用乱数の値を停止図柄右とする。このとき、メインCPU32aは、前記はずれ左図柄用乱数の値とはずれ右図柄用乱数の値が一致していた場合、停止図柄左と停止図柄右が一致しないように停止図柄右を決定する。また、メインCPU32aは、RAM32cから演出パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、リーチなしのはずれ演出用の演出パターンの中から1つの演出パターンを決定する。本実施形態では演出パターンP5を決定する。
【0031】
そして、メインCPU32aは、遊技演出の制御を指示する所定の制御コマンド(演出信号)を所定のタイミングで統括制御基板36の統括CPU36aに出力する。メインCPU32aは、最初に、演出パターン(図柄組み合わせゲーム用)を指定すると共に図柄変動の開始を指示する演出パターン指定コマンド(演出開始信号)を出力する。次に、メインCPU32aは、停止図柄左を指定する左図柄指定コマンド、停止図柄中を指定する中図柄指定コマンド及び停止図柄右を指定する右図柄指定コマンドを、左図柄指定コマンド→右図柄指定コマンド→中図柄指定コマンドの順に出力する。そして、メインCPU32aは、指定した演出パターンに定められている遊技演出の変動時間の経過時に、各列の図柄の停止を指示する全図柄停止コマンド(演出終了信号)を出力する。本実施形態では、メインCPU32aが、演出信号を出力する演出信号出力手段となる。
【0032】
また、メインCPU32aは、普通入賞口28に配設された普通入賞口センサSE4が出力する検知信号を入力し、入賞報知処理を実行する。即ち、メインCPU32aは、前記検知信号の入力を契機に賞球の払出しを払出制御基板(図示しない)に指示すると共に、賞球ランプ18の点灯を指示する賞球ランプ点灯コマンドを統括制御基板36の統括CPU36aに出力する(入賞報知処理)。
【0033】
また、メインCPU32aは、大入賞口27に配設されたカウントセンサSE2及び特定通過カウントセンサSE3が出力する検知信号を入力し、大当り遊技に関する各種処理(継続判定、入賞判定及び入賞報知処理など)を実行する。継続判定は、ラウンド遊技中に特定通過カウントセンサSE3からの検知信号を入力したか否かを判定して行う。入賞判定は、ラウンド遊技中に、カウントセンサSE2又は特定通過カウントセンサSE3からの検知信号を入力する毎に入賞個数を1加算(+1)し、該入賞個数が規定入賞個数(例えば10個)に達したか否かを判定して行う。
【0034】
そして、メインCPU32aは、前記継続判定及び入賞判定の判定結果に応じて、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。即ち、メインCPU32aは、カウントセンサSE2及び特定通過カウントセンサSE3からの検知信号の入力を契機に賞球の払出しを払出制御基板(図示しない)に指示すると共に、賞球ランプ18の点灯を指示する賞球ランプ点灯コマンドを統括制御基板36の統括CPU36aに出力する(入賞報知処理)。また、メインCPU32aは、特定通過カウントセンサSE3からの検知信号の入力を契機に、継続条件が成立したこと(V入賞があったこと)の報知を指示するV入賞コマンドを統括制御基板36の統括CPU36aに出力する。また、メインCPU32aは、オープニング演出の演出パターン、各ラウンド遊技用演出の演出パターン、エンディング演出の演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを所定のタイミングで統括制御基板36の統括CPU36aに出力する。また、メインCPU32aは、各ラウンド遊技の開始時に大入賞口扉26の開作動を指示する開信号をアクチュエータに出力し、該ラウンド遊技の終了時に大入賞口扉26の閉作動を指示する閉信号をアクチュエータに出力する。
【0035】
以上のように、本実施形態では、主制御基板32のメインCPU32aが、乱数読出手段、記憶手段としてのRAM32cに大当り乱数の値を記憶する乱数記憶手段、及び大当り判定手段として機能するように構成されている。また、本実施形態では、メインCPU32aが、遊技球の入賞に関する遊技情報の報知を指示する賞球ランプ点灯コマンド(報知信号)及び大当り遊技中の遊技状態に関する遊技情報の報知を指示するV入賞コマンド(報知信号)を出力する報知信号出力手段として機能するように構成されている。
【0036】
次に、統括制御基板36について説明する。統括制御基板36は、統括CPU36aを備えており、統括CPU36aにはROM36b及びRAM36cが接続されている。統括CPU36aは、演出内容パターン振分乱数の値を所定の周期毎に順次更新している。統括CPU36aは、更新後の演出内容パターン振分乱数の値をRAM36cの設定領域に設定し、更新前の値を書き換えることにより乱数の値を更新している。ROM36bには、各制御基板33〜35を統括的に制御するための制御プログラムや複数種類の演出内容パターンが記憶されている。RAM36cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0037】
前記演出内容パターンは、遊技演出のベースとなる演出パターンに対応付けられており、各制御基板33〜35の制御により行わせる遊技演出の具体的な演出内容を特定するためのものである。本実施形態では、図柄組み合わせゲーム用の演出パターンに対して対応付けられており、複数種類の演出内容パターンは、1つの演出パターンに対して単数又は複数振分けられた状態で記憶されている。具体的に例示すると、大当り演出用の演出パターンP1には演出内容パターンP1−a,P1−b,・・・が、大当り演出用の演出パターンP2には演出内容パターンP2−a,P2−b,・・・が振分けられている。リーチありのはずれ演出用の演出パターンP3には演出内容パターンP3−a,P3−b,・・・が、リーチありのはずれ演出用の演出パターンP4には演出内容パターンP4−a,P4−b,・・・が振分けられている。リーチなしのはずれ演出用の演出パターンP5には演出内容パターンP5−aが振分けられている。
【0038】
そして、統括CPU36aは、入力した演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンに基づき演出内容パターンを決定する。具体的には、前記演出内容パターンは、演出内容パターン振分乱数の値と予め対応付けられており、統括CPU36aが、RAM36cから読み出した演出内容パターン振分乱数の値に基づき、演出パターンに対応する演出内容パターンの中から1つの演出内容パターンを決定する。例えば、演出パターンP1が指定された場合、統括CPU36aは、演出内容パターン振分乱数の値に基づき、演出内容パターンP1−a,P1−b,・・・の中から1つの演出内容パターンを決定する。そして、統括CPU36aは、決定した演出内容パターンを指定する演出内容パターン指定コマンドを前記各制御基板33〜35の各サブCPU33a〜35aに出力する。また、統括CPU36aは、大当り遊技用の演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを入力した場合、該演出パターン指定コマンドを前記各制御基板33〜35の各サブCPU33a〜35aに出力する。また、統括CPU36aは、入力した各図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドを表示制御基板33のサブCPU33aに出力する。また、統括CPU36aは、入力した保留指定コマンド、賞球ランプ点灯コマンドをランプ制御基板34のサブCPU34aに出力する。また、統括CPU36aは、入力したV入賞コマンドを前記各制御基板33〜35の各サブCPU33a〜35aに出力する。
【0039】
前記統括制御基板36を設け、該統括制御基板36では、主制御基板32が決定する1つの演出パターンに対して複数種類の演出内容パターンを振分けている。そして、統括制御基板36は、指定された演出パターンに振分けられている複数種類の演出内容パターンの中から1つの演出内容パターンを決定し、該決定した演出内容パターンを指定する制御コマンド(演出内容パターン指定コマンド)を各制御基板33〜35に出力している。その結果、主制御基板32が管理する(ROM32bに記憶する)演出パターンの数を増加させることなく、遊技演出の種類を多様化すること(又は遊技演出の種類を増やすこと)が可能となる。
【0040】
そして、遊技演出を多様化した場合であっても、各制御基板33〜35には、同一の演出内容パターンを指定する制御コマンドが出力される。そのため、各制御基板33〜35は、前記制御コマンドの入力によって互いの遊技演出の演出内容を把握した上で、同一の演出内容パターンに基づき、夫々、遊技演出の制御を実行する。その結果、表示制御基板33の制御によって行われる表示演出の演出内容、ランプ制御基板34の制御によって行われる発光演出の演出内容、及び音声制御基板35の制御によって行われる音声演出の演出内容を同調させることができる。「遊技演出が同調する」とは、各々の遊技演出が同じ調子となるように行われていることであり、例えば、「犬が走っている様子」を示す表示演出が行われている場合に、その表示演出に見合った(又は関連した)発光演出(激しく点滅)や音声演出(犬が走っている時の音など)が行われることである。
【0041】
次に、表示制御基板33、ランプ制御基板34及び音声制御基板35について説明する。
表示制御基板33は、サブCPU33aを備えており、該サブCPU33aにはROM33b及びRAM33cが接続されている。ROM33bには、複数種類の表示演出用の演出実行データや、各種の画像情報(図柄、背景、文字、登場キャラクタなどの画像情報)が記憶されている。演出実行データは、サブCPU33aが、可変表示装置22(可視表示部H)の表示内容(図柄変動、キャラクタの動作、可視表示部Hの背景、表示される文字など)を制御するための情報である。ROM33bには、1つの演出内容パターン及び1つの演出パターン(大当り遊技用)に対し、1つの演出実行データが対応付けられている。また、ROM33bには、入賞報知用(V入賞の報知用)の報知実行データが記憶されている。RAM33cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0042】
従って、サブCPU33aは、演出内容パターン指定コマンド又は演出パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出内容パターン又は演出パターンに対応する演出実行データをROM33bから読み出し、該演出実行データに基づき可視表示部Hの表示内容を制御する。この制御により可変表示装置22では、図柄組み合わせゲームにおいて、各図柄指定コマンドで指定された停止図柄が最終的に導出される表示演出が行われる。また、可変表示装置22では、大当り遊技において表示演出(例えば、オープニング演出で「大当り」の表示、各ラウンド遊技の演出で「1R」「2R」・・の表示、エンディング演出で「またね」の表示)が行われる。また、サブCPU33aは、V入賞コマンドを入力すると、報知実行データをROM33bから読み出し、該報知実行データに基づき可視表示部Hの表示内容を制御する。この制御により可変表示装置22では、V入賞の報知(「V」の文字表示)が行われる。
【0043】
ランプ制御基板34は、サブCPU34aを備えており、該サブCPU34aにはROM34b及びRAM34cが接続されている。ROM34bには、複数種類の発光演出用の演出実行データが記憶されている。演出実行データは、サブCPU34aが、枠ランプ16及び遊技盤ランプ17の発光態様(点灯開始タイミング、点灯時間など)を制御するための情報である。ROM33bには、1つの演出内容パターン又は1つの演出パターン(大当り遊技用)に対し、1つの演出実行データが対応付けられている。また、ROM34bには、入賞報知用(保留記憶数の報知用、賞球払出しの報知用、V入賞の報知用)の報知実行データが記憶されている。RAM34cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0044】
従って、サブCPU34aは、演出内容パターン指定コマンド又は演出パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出内容パターン又は演出パターンに対応する演出実行データをROM34bから読み出す。そして、前記演出実行データに基づき枠ランプ16及び遊技盤ランプ17の発光態様を制御する。この制御により、枠ランプ16及び遊技盤ランプ17では、図柄組み合わせゲーム及び大当り遊技において、夫々の発光演出が行われる。また、サブCPU34aは、賞球ランプ点灯コマンド又は保留指定コマンドを入力すると、報知実行データをROM34bから読み出し、該報知実行データに基づき賞球ランプ18又は保留球数表示器30の発光態様を制御する。この制御により賞球ランプ18又は保留球数表示器30では、点灯又は消灯による入賞報知が行われる。また、サブCPU34aは、V入賞コマンドを入力すると、報知実行データをROM34bから読み出し、該報知実行データに基づき枠ランプ16(又は遊技盤ランプ17)の発光態様を制御する。この制御により枠ランプ16(又は遊技盤ランプ17)では、V入賞の報知(激しく点滅)が行われる。
【0045】
音声制御基板35は、サブCPU35aを備えており、該サブCPU35aにはROM35b及びRAM35cが接続されている。ROM35bには、複数種類の音声演出用の演出実行データが記憶されている。演出実行データは、サブCPU35aが、スピーカ19の音声出力態様(効果音の種類、1回の音声出力時間など)を制御するための情報である。ROM35bには、1つの演出内容パターン又は1つの演出パターン(大当り遊技用)に対し、1つの演出実行データが対応付けられている。また、ROM35bには、入賞報知用(V入賞の報知用)の報知実行データが記憶されている。RAM35cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0046】
従って、サブCPU35aは、演出内容パターン指定コマンド又は演出パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出内容パターン又は演出パターンに対応する演出実行データをROM35bから読み出し、該演出実行データに基づきスピーカ19の音声出力態様を制御する。この制御によりスピーカ19では、図柄組み合わせゲームにおいて音声演出が行われると共に、大当り遊技において音声演出が行われる。また、サブCPU35aは、V入賞コマンドを入力すると、報知実行データをROM35bから読み出し、該報知実行データに基づきスピーカ19の音声出力態様を制御する。この制御によりスピーカ19では、V入賞の報知(V入賞用の効果音)が行われる。
【0047】
次に、予告ランプYRの発光による大当り予告を行うための制御構成について図3〜図7に基づき説明する。
主制御基板32のROM32bには、大当り判定値「7,349,919」に加えて、予告判定値が記憶されている。予告判定値は、大当り判定値と同様に大当り乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、予告判定値を「7,349,919」の3個の値と定めている。この予告判定値「7,349,919」は、大当り判定値「7,349,919」と同値となるように設定されている。換言すれば、予告判定値には、大当り判定値として設定された値と異なる値が設定されていないことになる。
【0048】
そして、主制御基板32のメインCPU32aは、図4に示す予告判定処理を実行する。この予告判定処理によってメインCPU32aは、大当り予告の実行可否を判定する。「大当り予告の実行可否の判定」とは、サブ制御手段(統括制御基板36、各制御基板33〜35)に大当り予告の制御を実行させるか否かを判定するものである。本実施形態では、統括制御基板36(統括CPU36a)とランプ制御基板34(サブCPU34a)に大当り予告(予告ランプYRの発光)の制御を実行させるか否かを判定している。
【0049】
前記大当り予告の実行可否の判定は、メインCPU32aが始動入賞口センサSE1の検知信号を入力した時点から、その時点で読み出してRAM32cに格納した大当り乱数の値に基づく大当り判定を行う迄の間に行われる。具体的に言えば、保留記憶数が「2」の状態で始動入賞口25に遊技球が入賞すると保留記憶数が「3」となり、この時点でRAM32cには3つの大当り乱数の値が格納されることになる。そして、メインCPU32aは、保留記憶数「3」に対応した大当り乱数の値に基づく大当り判定を行う迄の間に大当り予告の実行可否を判定する。本実施形態では、メインCPU32aが前記検知信号を入力して大当り乱数の値を読み出した直後(即ち、入賞検知時)に、該読み出した大当り乱数の値と予告判定値とを比較して前記大当り予告の実行可否を判定するように構成されている。即ち、本実施形態において大当り予告の実行可否の判定(予告判定処理)は、前記入賞検知に基づく図柄組み合わせゲームの開始直前に行う大当り判定とは異なるタイミング(異なる判定時期)で行われる。
【0050】
図4のステップS10において、メインCPU32aは、前記入賞検知時に読み出した大当り乱数の値が予告判定値と一致するか否かを判定する。例えば、入賞検知を契機に読み出した大当り乱数の値が「7」であれば予告判定値「7」と一致すると判定し、読み出した大当り乱数の値が「100」であれば予告判定値「7,349,919」と一致しないと判定する。なお、入賞検知時に読み出された前記大当り乱数の値は、大当り判定が行われる迄の間、RAM32cの所定の格納領域に格納される。前記ステップS10の判定結果が否定(大当り乱数の値と予告判定値が不一致)の場合、メインCPU32aは、大当り予告の実行否を決定し、予告判定処理を終了する。
【0051】
一方、ステップS10の判定結果が肯定(大当り乱数の値と予告判定値が一致)の場合、メインCPU32aは、大当り予告の実行可を決定し、その時点(入賞検知時)における保留記憶数を確認する(ステップS11)。このとき、確認の対象となる保留記憶数は、前述した保留記憶数の判定に基づいてRAM32cに設定された書き換え後の保留記憶数である。このステップS11で確認された保留記憶数に応じて、保留中の遊技演出(図柄組み合わせゲーム)の回数を示す回数値Yが設定される。そして、メインCPU32aは、前記回数値Yを示す制御コマンド(以下、「予告コマンド」と示す)を統括制御基板36の統括CPU36aに出力するようにRAM32cにセットする(ステップS12)。そして、メインCPU32aは、予告判定処理を終了すると共に、RAM32cにセットした予告コマンドを統括制御基板36の統括CPU36aに出力する。前記予告コマンドが予告信号として出力される。
【0052】
前記統括制御基板36の統括CPU36aは、予告実行判定用乱数(以下、「予告乱数」と示す)の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。統括CPU36aは、更新後の予告乱数の値をRAM36cの設定領域に設定し、更新前の値を書き換えることにより予告乱数の値を更新している。本実施形態では、予告乱数の取り得る数値を0〜250(全251通りの整数)と定めている。また、ROM36bには、予告実行値が記憶されている。前記予告実行値は、予告乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、予告実行値を「0〜199」の200個の値と定めている。
【0053】
そして、統括CPU36aは、図5に示す予告実行可能期間設定処理(以下、「設定処理」と示す)、図6に示す予告実行可能期間変更処理(以下、「変更処理」と示す)及び図7に示す予告実行処理(以下、「実行処理」と示す)を実行する。予告実行可能期間(大当り予告の実行可能期間)は、メインCPU32aが大当り予告の実行可を決定したことを条件に設定可能とされ、大当り予告を行うことが可能な期間である。以下、予告実行可能期間を「予告期間」と示す。そして、本実施形態では、前記予告期間が設定されている状態で、統括CPU36aに賞球ランプ点灯コマンド又はV入賞コマンドが入力されたことを条件に大当り予告が行われるように構成されている。
【0054】
最初に、図5に基づき、予告期間を設定する設定処理を説明する。
統括CPU36aは、予告コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS20)。この判定結果が否定(入力していない)の場合、統括CPU36aは、設定処理を終了する。一方、ステップS20の判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU36aは、予告乱数の値を読み出す(ステップS21)。続いて、統括CPU36aは、読み出した予告乱数の値が予告実行値と一致するか否かを判定する(ステップS22)。例えば、読み出した予告乱数の値が「10」であれば予告実行値「10」と一致すると判定し、読み出した予告乱数の値が「200」であれば予告判定値「0〜199」と一致しないと判定する。このステップS22では、予告期間を設定するか否かを判定していることになる。即ち、統括CPU36aは、予告乱数の値が予告実行値と一致する場合には予告期間を設定すると決定し、一致しない場合には予告期間を設定しないと決定する。
【0055】
ステップS22の判定結果が肯定(予告乱数の値と予告実行値が一致)の場合、統括CPU36aは、予告コマンドが示す回数値Yを予告フラグF1にセットする(ステップS23)。予告フラグF1は、RAM36cの所定の格納領域に格納される。前記予告フラグF1に回数値Yがセットされると(F1>0)、予告期間が設定されたことになる。予告フラグF1の設定数は、予告期間と対応付けられており、予告フラグF1の設定数が「0」になる迄の間が予告期間となる。例えば、保留記憶数が「3」の場合、統括CPU36aには回数値「3」を示す予告コマンドが入力されており、予告フラグF1には「3」がセットされる。この場合、3回の図柄組み合わせゲームに対応付けて予告期間が設定されたことになり、この設定が「3」から「0」になる迄の間が予告期間となる。そして、ステップS23において予告期間を設定した統括CPU36aは、設定処理を終了する。一方、ステップS22の判定結果が否定(予告乱数の値と予告実行値が不一致)の場合、統括CPU36aは、予告期間を設定せずに設定処理を終了する。この場合、予告期間が設定されていないため、賞球ランプ点灯コマンド又はV入賞コマンドを入力しても大当り予告が行われない。本実施形態では、統括制御基板36の統括CPU36aが、設定処理を実行することにより、設定手段及び期間設定判定手段として機能するように構成されている。
【0056】
次に、図6に基づき、設定された予告期間を変更する変更処理を説明する。
統括CPU36aは、予告フラグF1の設定数が「0」より大きいか否かを判定する(ステップS30)。このステップS30において、統括CPU36aは、予告フラグF1(予告期間)がRAM36cに設定されているか否かを判定する。ステップS30の判定結果が否定(F1=0)の場合、統括CPU36aは、予告フラグF1(予告期間)が設定されていないため、変更処理を終了する。一方、ステップS30の判定結果が肯定(F1>0)の場合、統括CPU36aは、予告フラグF1(予告期間)が設定されているため、図柄組み合わせゲーム用の演出パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU36aは、減算フラグF2をセットし(ステップS32)、ステップS33に移行する。本実施形態では、RAM36cの所定の格納領域に格納される減算フラグF2に「1」をセットする。前記ステップS31の判定結果が否定(入力していない)の場合、統括CPU36aは、減算フラグF2をセットせずにステップS33に移行する。
【0057】
ステップS33に移行した統括CPU36aは、全図柄停止コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS33)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU36aは、減算フラグF2が「1」であるか否か(減算フラグF2が設定されているか否か)を判定する(ステップS34)。この判定結果が肯定(F2=1)の場合、統括CPU36aは、減算フラグF2をリセット(設定を解除(「1」→「0」))する(ステップS35)。続いて、統括CPU36aは、予告フラグF1の設定数を1減算(−1)し、書き換え後の値を新たな予告フラグF1の設定数としてRAM36cに設定する(ステップS36)。例えば、予告フラグF1の設定数が「3」の場合、統括CPU36aは、「3」から1減算(−1)して「2」を新たな予告フラグF1の設定数として書き換える。そして、統括CPU36aは、変更処理を終了する。一方、ステップS33又はステップS34の判定結果が否定の場合、統括CPU36aは、予告フラグF1の設定数を書き換えることなく変更処理を終了する。
【0058】
前記変更処理は、減算フラグF2の設定によって、予告期間を変更、即ち、予告フラグF1の設定数から1減算(−1)して予告期間を書き換える(遊技の進行に併せて減少させる)ように構成されている。前記減算フラグF2は、演出パターン指定コマンドの入力(図柄組み合わせゲームの開始)を契機にセットされ、予告期間は変更可能な状態となる。減算フラグF2がセットされている状態で、全図柄停止コマンドを入力(図柄組み合わせゲームが終了)すると、予告期間が書き換えられ、減算フラグF2がリセットされる。例えば、予告フラグF1に「2」が設定されている場合、1回目の図柄組み合わせゲームの開始(F2セット)→該ゲームの終了(F1=2→1,F2リセット)→2回目の図柄組み合わせゲームの開始(F2セット)→該ゲームの終了(F1=1→0,F2リセット)によって予告期間が終了する。従って、本実施形態では、予告フラグF1がセットされた時点から、予告コマンドで示された回数値Yに相当する回数分の図柄組み合わせゲームが終了する迄の連続する期間が予告期間として設定される。一方で、減算フラグF2がセットされていない場合には、予告期間の変更ができない状態となる。本実施形態では、統括制御基板36の統括CPU36aが、変更処理を実行することにより、設定手段として機能するように構成されている。
【0059】
次に、図7に基づき、大当り予告を指示をする実行処理を説明する。
統括CPU36aは、賞球ランプ点灯コマンドを入力した否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU36aは、ステップS42に移行する。ステップS40の判定結果が否定(入力していない)の場合、統括CPU36aは、続いて、V入賞コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS41)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU36aは、ステップS42に移行する。ステップS41の判定結果が否定(入力していない)の場合、統括CPU36aは、実行処理を終了する。前記ステップS42に移行した統括CPU36aは、予告フラグF1の設定数が「0」より大きいか否かを判定する。このステップS42において、統括CPU36aは、予告フラグF1(予告期間)がRAM36cに設定されているか否かを判定する。ステップS42の判定結果が否定(F1=0)の場合、統括CPU36aは、予告フラグF1(予告期間)が設定されていないため、実行処理を終了する。
【0060】
一方、ステップS42の判定結果が肯定(F1>0)の場合、統括CPU36aは、予告フラグF1(予告期間)が設定されているため、予告乱数の値を読み出す(ステップS43)。本実施形態では、前述した設定処理(図5)のステップS21と同様にRAM36cに設定されている予告乱数の値(「0」〜「250」の何れか)が読み出される。続いて、統括CPU36aは、読み出した予告乱数の値が予告実行値と一致するか否かを判定する(ステップS44)。ステップS44では、前述した設定処理(図5)のステップS21と同様にROM36bに記憶されている予告実行値「0〜199」が用いられる。ステップS44の判定結果が肯定(予告乱数の値と予告実行値が一致)の場合、統括CPU36aは、大当り予告を行うことを決定し、予告実行コマンドをランプ制御基板34のサブCPU34aに出力するようにRAM36cにセットする(ステップS45)。そして、統括CPU36aは、実行処理を終了すると共に、RAM36cにセットした予告実行コマンドをサブCPU34aに出力する。一方、ステップS44の判定結果が否定(予告乱数の値と予告実行値が不一致)の場合、統括CPU36aは、大当り予告を行わないことを決定し、実行処理を終了する。本実施形態では、統括制御基板36の統括CPU36aが、実行処理を実行することにより、予告実行判定手段として機能するように構成されている。
【0061】
前記ランプ制御基板34のROM34bには、予告実行コマンドに対応付けられた予告実行データが記憶されている。この予告実行データには、予告ランプYRを所定時間の間点灯させることが示されている。従って、サブCPU34aは、予告実行コマンドを入力すると、予告実行データをROM34bから読み出し、該予告実行データに基づき予告ランプYRの発光態様を制御する。この制御により、予告ランプYRでは、発光による大当り予告が行われる。本実施形態では、ランプ制御基板34のサブCPU34aが、予告手段である予告ランプYRを制御する予告制御手段として機能するように構成されている。
【0062】
次に、本実施形態のパチンコ機10において、大当り予告が行われる態様を図8及び図9に基づき詳しく説明する。図8には、図柄組み合わせゲーム中に予告期間が設定されて大当り予告が行われる態様が示されている。図9には、大当り遊技中に予告期間が設定されて大当り予告が行われる態様が示されている。
【0063】
図8において、可変表示装置22の可視表示部Hでは、リーチありのはずれ演出用の演出パターンP3(変動時間T3)に基づき図柄組み合わせゲームが行われている(以下、この図柄組み合わせゲームを「実行ゲーム」と示す)。また、実行ゲームの開始時の保留記憶数を「1」とし(保留1ランプ30aが点灯)、この時点で保留中の図柄組み合わせゲームを「1回目のゲーム」と示す。また、保留球数表示器30の各ランプ30a〜30dの下には、保留中の図柄組み合わせゲームを示す数字を付しており、例えば、「1」は1回目のゲームを示している。また、主制御基板32のRAM32cには、1回目のゲームに対応する大当り乱数の値「564」が格納されている。この状態で統括制御基板36のRAM36cには、予告フラグF1が設定されていない(F1=0)。
【0064】
前記実行ゲーム中に、始動入賞口25に遊技球が入賞(入賞(2))すると、メインCPU32aは、保留記憶数の判定を行い、保留記憶数が上限値(「4」)未満であるので、大当り乱数の値(「7」とする)と大当り図柄用乱数の値(「7」とする)をRAM32cから読み出す。前記保留記憶数の判定においてメインCPU32aは、保留記憶数「1」に1加算(+1)して「2」に書き換え、保留1ランプ30aと保留2ランプ30bが点灯する。以下、この時点で保留となった図柄組み合わせゲームを「2回目のゲーム」と示す。また、メインCPU32aは、予告判定処理(図4)を実行し、入賞(2)を契機に読み出した大当り乱数の値「7」が予告判定値「7」と一致するため、大当り予告の実行可を決定する。大当り予告の実行可を決定したメインCPU32aは、保留記憶数を確認して回数値「2」を示す予告コマンドを統括CPU36aに出力する。また、メインCPU32aは、統括CPU36aに賞球ランプ点灯コマンド(入賞(2))を出力する。
【0065】
一方、統括CPU36aは、予告コマンドの入力により、設定処理(図5)において、予告乱数の値をRAM36cから読み出す(「80」とする)。そして、統括CPU36aは、読み出した予告乱数の値「80」が予告実行値「80」と一致するため、予告期間を設定することを決定し、続いて、予告コマンドが示す回数値「2」を予告フラグF1に設定する。この設定により、入賞(2)の時点から2回目のゲームが終了する迄の期間が予告期間として設定される。この予告期間は、保留中の図柄組み合わせゲームがある状態で、図柄組み合わせゲームの終了後、次の図柄組み合わせゲームが開始する迄の待ち時間TW(0.5秒〜1秒程度)を含んで設定される。なお、賞球ランプ点灯コマンド(入賞(2))は、統括CPU36aに入力されるが、大当り予告は行われない。即ち、この時点で大当り予告を行うと、遊技者が遊技を止めてしまう可能性があるため、本実施形態において統括CPU36aは、予告期間の設定時、大当り予告を行わないように制御する。
【0066】
前記予告フラグF1の設定後、実行ゲーム中にさらに始動入賞口25に遊技球が入賞(入賞(3))すると、メインCPU32aは、前述同様に保留記憶数の判定、大当り乱数の値と大当り図柄用乱数の値の読み出し、及び予告判定処理を行う。以下の説明において、始動入賞口25へ遊技球が入賞したことにより行われる予告判定処理では大当り予告の実行否が決定されるものとする。また、メインCPU32aは、統括CPU36aに賞球ランプ点灯コマンド(入賞(3))を出力する。賞球ランプ点灯コマンド(入賞(3))を入力した統括CPU36aは、実行処理(図7)において、予告フラグF1(予告期間)が設定されていることから予告乱数の値をRAM36cから読み出し(「240」とする)、大当り予告を行うか否かを判定する。この場合、統括CPU36aは、読み出した予告乱数の値「240」が予告実行値「0〜199」と一致しないため、大当り予告を行わないことを決定する。従って、予告実行コマンドがランプ制御基板34のサブCPU34aに出力されないため、予告ランプYRは点灯されず大当り予告が行われない。
【0067】
その後、可視表示部Hでは、実行ゲームにおいてはずれの組み合わせ[343]が導出され、変動時間T3の経過時に出力された全図柄停止コマンドによってはずれが確定する。このとき、統括CPU36aは、全図柄停止コマンドを入力しているが、予告期間の設定前に前記実行ゲームにおける演出パターン指定コマンドを入力しているため、減算フラグF2をRAM36cにセットしておらず、変更処理(図6)において予告フラグF1の書き換えを行わない。即ち、この時点において予告期間は変更されない。
【0068】
前記実行ゲームが終了すると待ち時間TWに移行し、当該待ち時間TWの終了直前(即ち、1回目のゲームの開始直前)に、メインCPU32aは、大当り乱数の値「546」と大当り判定値「7,349,919」を比較して大当り判定を行う。この大当り判定の判定結果は否定(大当りではない)となり、メインCPU32aは、演出パターン及び停止図柄を決定する。1回目のゲームでは、リーチなしのはずれ演出用の演出パターンP5が決定され、停止図柄[671]が決定されたものとする。そして、メインCPU32aは、演出パターン指定コマンド及び各図柄指定コマンドを統括CPU36aに出力する。また、統括CPU36aは、演出内容パターンを決定して演出内容パターン指定コマンドを各制御基板33〜35の各サブCPU33a〜35aに出力すると共に、各図柄指定コマンドを表示制御基板33のサブCPU33aに出力する。また、統括CPU36aは、演出パターンP5を指定する演出パターン指定コマンドの入力により、変更処理(図6)において減算フラグF2をセットする。そして、前記待ち時間TWの経過後、可視表示部Hでは、演出パターンP5(変動時間T5)に基づく1回目のゲームが開始する。
【0069】
この1回目のゲーム中に、始動入賞口25に遊技球が入賞(入賞(4))すると、メインCPU32aは、保留記憶数の判定、大当り乱数の値と大当り図柄用乱数の値の読み出し、及び予告判定処理を行う。また、メインCPU32aは、統括CPU36aに賞球ランプ点灯コマンド(入賞(4))を出力する。賞球ランプ点灯コマンド(入賞(4))を入力した統括CPU36aは、実行処理(図7)において、予告フラグF1(予告期間)が設定されていることから予告乱数の値をRAM36cから読み出し(「15」とする)、大当り予告を行うか否かを判定する。この場合、統括CPU36aは、読み出した予告乱数の値「15」が予告実行値「15」と一致するため、大当り予告を行うことを決定する。従って、統括CPU36aは、予告実行コマンドをランプ制御基板34のサブCPU34aに出力する。そして、サブCPU34aは、ROM34bから予告実行データを読み出し、予告ランプYRの発光態様を制御する。その結果、予告ランプYRが点灯し、1回目のゲーム中に大当り予告が行われる。
【0070】
その後、可視表示部Hでは、1回目のゲームにおいてはずれの組み合わせ[671]が導出され、変動時間T5の経過時に出力された全図柄停止コマンドによってはずれが確定する。また、全図柄停止コマンドを入力した統括CPU36aは、減算フラグF2をセットしているため、変更処理(図6)において減算フラグF2をリセットし、予告フラグF1の設定数「2」から1減算(−1)して「1」に書き換え、予告期間を変更する。
【0071】
前記1回目のゲームが終了すると待ち時間TWに移行し、当該待ち時間TWの終了直前(即ち、2回目のゲームの開始直前)に、メインCPU32aは、大当り乱数の値「7」と大当り判定値「7,349,919」を比較して大当り判定を行う。この大当り判定の判定結果は肯定(大当り)となり、メインCPU32aは、停止図柄と演出パターンを決定する。2回目のゲームでは、大当り図柄用乱数の値「7」により停止図柄[777]と大当り演出用の演出パターンP1が決定されたものとする。そして、メインCPU32aは、演出パターン指定コマンド及び各図柄指定コマンドを統括CPU36aに出力する。また、統括CPU36aは、演出内容パターンを決定して演出内容パターン指定コマンドを各制御基板33〜35の各サブCPU33a〜35aに出力すると共に、各図柄指定コマンドを表示制御基板33のサブCPU33aに出力する。また、統括CPU36aは、演出パターンP1を指定する演出パターン指定コマンドの入力により、変更処理(図6)において減算フラグF2をセットする。そして、前記待ち時間TWの経過後、可視表示部Hでは、演出パターンP1(変動時間T1)に基づく2回目のゲームが開始する。
【0072】
なお、1回目のゲームと2回目のゲームとの間の演出待機中(待ち時間TW中)に、始動入賞口25に遊技球が入賞(入賞(5))すると、メインCPU32aは、保留記憶数の判定、大当り乱数の値と大当り図柄乱数の値の読み出し、及び予告判定処理を行う。また、メインCPU32aは、統括CPU36aに賞球ランプ点灯コマンド(入賞(5))を出力する。賞球ランプ点灯コマンド(入賞(5))を入力した統括CPU36aは、実行処理(図7)において、予告フラグF1(予告期間)が設定されていることから予告乱数の値をRAM36cから読み出し(「100」とする)、大当り予告を行うか否かを判定する。この場合、統括CPU36aは、読み出した予告乱数の値「100」が予告実行値「100」と一致するため、大当り予告を行うことを決定する。従って、統括CPU36aは、予告実行コマンドをランプ制御基板34のサブCPU34aに出力する。そして、サブCPU34aは、ROM34bから予告実行データを読み出し、予告ランプYRの発光態様を制御する。その結果、予告ランプYRが点灯し、待ち時間TW中に大当り予告が行われる。
【0073】
また、2回目のゲーム中に、普通入賞口28に遊技球が入賞(入賞(普通))すると、メインCPU32aは、統括CPU36aに賞球ランプ点灯コマンド(入賞(普通))を出力する。賞球ランプ点灯コマンド(入賞(普通))を入力した統括CPU36aは、実行処理(図7)において、予告フラグF1(予告期間)が設定されていることから予告乱数の値をRAM36cから読み出し(「240」とする)、大当り予告を行うか否かを判定する。この場合、統括CPU36aは、読み出した予告乱数の値「240」が予告実行値「0〜199」と一致しないため、大当り予告を行わないことを決定する。従って、予告実行コマンドがランプ制御基板34のサブCPU34aに出力されないため、予告ランプYRは点灯されず大当り予告が行われない。
【0074】
その後、可視表示部Hでは、2回目のゲームにおいて大当りの組み合わせ[777]が導出され、変動時間T1の経過時に出力された全図柄停止コマンドによって大当りが確定する。この時点で、前記実行ゲーム中に設定された予告期間に基づき行われた大当り予告が現実化される。また、全図柄停止コマンドを入力した統括CPU36aは、減算フラグF2をセットしているため、変更処理(図6)において減算フラグF2をリセットし、予告フラグF1の設定数「1」から1減算(−1)して「0」に書き換え、予告期間を変更する。この時点で、予告期間が終了し、RAM36cには、予告期間が設定されていない状態となる。
【0075】
次に、図9を用いて大当り予告が行われる態様を説明する。なお、以下の説明では、図8で説明した大当り予告が行われる態様と同一内容についてはその重複する説明を省略又は簡略する。
【0076】
図9において、可変表示装置22の可視表示部Hでは、大当り演出用の演出パターンP1(変動時間T1)に基づく図柄組み合わせゲームで大当りの組み合わせ[777]が停止して大当りが確定している。また、大当り確定時の保留記憶数を「1」とし(保留1ランプ30aが点灯)、この時点で保留中の図柄組み合わせゲームを「1回目のゲーム」と示す。そして、メインCPU32aは、大当り遊技に移行し、前記継続判定及び入賞判定の判定結果に応じて、大当り遊技用の各演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを統括CPU36aに出力すると共に、大入賞口扉26の開作動及び閉作動を指示する開信号及び閉信号をアクチュエータに出力する。大当り遊技は、遊技時間Tx(Txは、大当り遊技の進行状況に応じて変動する時間である)の間、行われる。
【0077】
前記大当り遊技中に、始動入賞口25に遊技球が入賞(入賞(2))すると、メインCPU32aは、保留記憶数の判定を行い、保留記憶数が上限値(「4」)未満であるので、大当り乱数の値(「7」とする)と大当り図柄用乱数の値(「7」とする)をRAM32cから読み出す。また、この時点で保留記憶数は「2」となり保留1ランプ30aと保留2ランプ30bが点灯し、保留となった図柄組み合わせゲームを「2回目のゲーム」と示す。また、メインCPU32aは、予告判定処理(図4)を実行し、入賞(2)を契機に読み出した大当り乱数の値「7」が予告判定値「7」と一致するため、大当り予告の実行可を決定すると共に、回数値「2」を示す予告コマンドを統括CPU36aに出力する。
【0078】
一方、統括CPU36aは、予告コマンドの入力により、設定処理(図5)において、予告乱数の値をRAM36cから読み出す(「5」とする)。そして、統括CPU36aは、読み出した予告乱数の値「5」が予告実行値「5」と一致するため、予告期間を設定することを決定し、続いて、予告コマンドが示す回数値「2」を予告フラグF1に設定する。この設定により、図9では、入賞(2)の時点から2回目のゲームが終了する迄の期間が予告期間として設定される。この予告期間は、大当り遊技及び前記待ち時間TWを含んで設定される。
【0079】
前記予告フラグF1の設定後、大当り遊技中、各ラウンド遊技において特定入賞口に遊技球が入賞(V入賞(1)、V入賞(2))すると、メインCPU32aは、V入賞コマンドを統括CPU36aに出力する。図9において、V入賞(1)は1ラウンド目の遊技中に特定入賞口に入賞した遊技球を、V入賞(2)は2ラウンド目の遊技中に特定入賞口に入賞した遊技球を示している。そして、統括CPU36aは、V入賞コマンドを入力する毎に、実行処理(図7)において、予告フラグF1(予告期間)が設定されていることから予告乱数の値をRAM36cから読み出す。例えば、V入賞(1)のとき、予告乱数の値として「30」が読み出されると、該予告乱数の値「30」が予告実行値「30」と一致するため、統括CPU36aは、大当り予告を実行することを決定する。従って、統括CPU36aは、予告実行コマンドをランプ制御基板34のサブCPU34aに出力する。そして、サブCPU34aは、ROM34bから予告実行データを読み出し、予告ランプYRの発光態様を制御する。その結果、予告ランプYRが点灯し、大当り予告が行われる。
【0080】
一方で、V入賞(2)のとき、予告乱数の値として「230」が読み出されると、該予告乱数の値「230」が予告実行値「1〜199」と一致しないため、統括CPU36aは、大当り予告を実行しないことを決定する。この場合、予告実行コマンドがランプ制御基板34のサブCPU34aに出力されないため、予告ランプYRは点灯されず大当り予告が行わない。なお、大当り遊技中、統括CPU36aは、演出パターン指定コマンド及び全図柄停止コマンドを入力しないため、減算フラグF2をセットしておらず、変更処理(図6)において予告フラグF1の書き換えを行わない。即ち、大当り遊技中、予告期間は変更されない。
【0081】
また、大当り状態中に、始動入賞口25に遊技球が入賞(入賞(4))すると、メインCPU32aは、前述同様に、保留記憶数の判定、大当り乱数の値と大当り図柄用乱数の値の読み出し、及び予告判定処理を行う。そして、統括CPU36aは、賞球ランプ点灯コマンド(入賞(4))を入力し、実行処理(図7)において大当り予告を行うと決定した場合には予告コマンドをサブCPU34aに出力する。図9では、統括CPU36aが大当り予告を行うことを決定し、予告ランプYRの点灯による大当り予告が行われている。
【0082】
前記大当り遊技が終了すると、メインCPU32aは、大当り遊技中に保留されていた図柄組み合わせゲームがあれば、該ゲームを開始する。図9では、保留記憶数が「4」となっており、可視表示部Hでは、1回目のゲームが開始する。1回目のゲームにおける演出パターン指定コマンド(図9ではリーチなしのはずれ演出用の演出パターンP5を指定する)を入力した統括CPU36aは、変更処理(図6)において減算フラグF2をセットする。そして、1回目のゲーム中に、普通入賞口28に遊技球が入賞(入賞(普通))すると、統括CPU36aは、賞球ランプ点灯コマンド(入賞(普通))を入力し、実行処理(図7)において大当り予告を行うと決定した場合には予告コマンドをサブCPU34aに出力する。図9では、統括CPU36aが大当り予告を行うことを決定し、予告ランプYRの点灯による大当り予告が行われている。その後、可視表示部Hでは、1回目のゲームによってはずれの組み合わせが導出され、変動時間T5の経過時に出力された全図柄停止コマンドの入力によってはずれが確定する。また、全図柄停止コマンドを入力した統括CPU36aは、減算フラグF2をセットしているため、変更処理(図6)において減算フラグF2をリセットし、予告フラグF1の設定数「2」から1減算(−1)して「1」に書き換え、予告期間を変更する。
【0083】
続いて、可視表示部Hでは、2回目のゲームが開始する。2回目のゲームにおける演出パターン指定コマンド(図9では大当り演出用の演出パターンP2を指定する)を入力した統括CPU36aは、変更処理(図6)において減算フラグF2をセットする。そして、2回目のゲーム中に、始動入賞口25に遊技球が入賞(入賞(5))すると、統括CPU36aは、賞球ランプ点灯コマンド(入賞(5))を入力し、実行処理(図7)において大当り予告を行うと決定した場合には予告コマンドをサブCPU34aに出力する。図9では、統括CPU36aが大当り予告を行うことを決定し、予告ランプYRの点灯によって大当り予告が行われている。その後、可視表示部Hでは、2回目のゲームによって大当りの組み合わせ([777])が導出され、変動時間T2の経過時に出力された全図柄停止コマンドの入力によって大当りが確定する。この時点で、前記大当り遊技中に設定された予告期間に基づき行われた大当り予告が現実化される。また、全図柄停止コマンドを入力した統括CPU36aは、減算フラグF2をセットしているため、変更処理(図6)において減算フラグF2をリセットし、予告フラグF1の設定数「1」から1減算(−1)して「0」に書き換え、予告期間を変更する。この時点で、予告期間が終了し、RAM36cには、予告期間が設定されていない状態となる。
【0084】
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)予告コマンドを入力した統括CPU36aは、連続する所定の期間を予告期間として設定するようにした。そして、予告期間が設定されている状態で賞球ランプ点灯コマンド又はV入賞コマンドを入力した場合に大当り予告を行わせるようにした。そのため、図柄組み合わせゲーム中に限らず、大当り遊技中や待ち時間TW中であっても、大当り予告を行わせることが可能となる。そして、賞球ランプ点灯コマンド又はV入賞コマンドは、始動入賞口25、大入賞口27の特定入賞口、又は普通入賞口28への遊技球の入賞タイミングがランダムであることから統括CPU36aにもランダムに出力される。従って、遊技状態に拘わらず、大当り予告をランダムなタイミングで行うことができる。
【0085】
(2)また、予告期間を統括CPU36aで設定し、該統括CPU36aがサブCPU34aに大当り予告の指示を行うことで、大当り予告の処理にメインCPU32aを直接的に関与させる必要がなく、メインCPU32a(主制御基板32)に負担を強いることを抑制できる。また、サブCPU34aが予告期間を設定する場合に比して、サブCPU34aの負荷を増加させることもない。さらに、統括CPU36aで大当り予告の処理を実行することで、大当り予告を、表示演出、発光演出及び音声演出を用いて同時に行う場合であっても各演出による大当り予告を同調させることができ、大当り予告自体に統一性(統一感)を持たせることができる。
【0086】
(3)さらに、連続する所定の期間が予告期間として設定されることで、大当り予告を出現させるためには、例えば、待ち時間TW中であっても遊技球を発射する必要がある。従って、遊技者に、遊技球の発射を促すことができる。その結果、遊技者が1日に得られる大当りとなるチャンス(このチャンスは、始動入賞口25への入賞によって得られる)が減少することや、パチンコ機10が動作していない時間を少なくすることができる。
【0087】
(4)メインCPU32aは、大当り判定値と同値となるように設定された予告判定値を用いて大当り予告の実行可否の判定を行うようにした。そのため、大当り予告は、保留中の図柄組み合わせゲームで大当りとなる場合に出現する。従って、遊技者は、大当りとなる前であっても、大当り予告の出現により大当りを認識でき、遊技者の興奮や喜びを一層喚起させることができる。
【0088】
(5)また、予告期間が設定された場合には、大当り遊技中であっても大当り予告を行うようにした。そのため、大当り遊技終了後の遊技の展開(大当りになるか否かを)を、大当り遊技中に遊技者に対して予告できる。従って、遊技者は、大当り遊技中も予告ランプYRが点灯するか否かに着目し、より一層興趣の向上を図ることができる。
【0089】
(6)統括CPU36aは、予告コマンドを入力した際に予告期間を設定するか否かを判定し、この判定結果に応じて予告期間を設定するようにした。さらに、統括CPU36aは、予告期間が設定されている状態で賞球ランプ点灯コマンド又はV入賞コマンドを入力した際に大当り予告を行うか否かを判定し、この判定結果に応じて大当り予告の指示を行うようにした。そのため、大当りとなる場合であっても、大当り予告が行われる場合と行われない場合を作り出すことができる。従って、大当り予告が頻繁に行われることなく、まさしく特別な演出であることを遊技者に印象付けることができる。また、前記各判定において統括CPU36aは予告乱数を用いているため、予告期間を設定する場合と設定しない場合、又は大当り予告を行う場合と行わない場合をランダムに選択できる。
【0090】
(7)メインCPU32aは、大当り予告の実行可を決定した場合、その時点の保留記憶数を確認し、該確認結果に基づき回数値Yを指示する予告コマンドを統括CPU36aに出力するようにした。そして、統括CPU36aは、予告コマンドに示された回数値Yに基づき予告期間を設定するようにした。そのため、統括CPU36aが設定する予告期間の基準を明確にすることができる。従って、遊技者は、どの時点において大当り予告が行われるのかを把握し易く、分かり易い遊技演出(大当り予告の演出)を実現することができる。
【0091】
(8)統括CPU36aは、演出パターン指定コマンドの入力により減算フラグF2をセットし、該減算フラグF2がセットされている状態で全図柄停止コマンドを入力すると予告期間を変更するようにした。従って、予告コマンドで示された回数値Yに対応する図柄組み合わせゲームが終了する迄を予告期間として設定することができる。
【0092】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、大当り予告を行う装置(予告手段)は任意に変更しても良い。例えば、賞球ランプ18や保留球数表示器30を予告手段として機能させても良い。これらの装置で大当り予告を行う場合には、賞球の払出しを報知する際の報知態様又は保留記憶数を報知する際の報知態様とは異なる報知態様で大当り予告を行うことで、大当り予告と通常報知を差別化できる。また、可変表示装置22、枠ランプ16、遊技盤ランプ17及びスピーカ19を予告手段として機能させても良い。可変表示装置22で大当り予告を行う場合には表示制御基板33のサブCPU33aを、スピーカ19で大当り予告を行う場合には音声制御基板35のサブCPU35aを、予告制御手段として機能させるように構成する。また、可変表示装置22、枠ランプ16(又は予告ランプYR)、スピーカ19で同時に大当り予告を行わせるようにしても良い。
【0093】
・前記実施形態では、予告ランプYRを点灯させて大当り予告を行っているが、大当り予告の予告態様は任意に変更しても良い。例えば、予告期間に応じて大当り予告の予告態様を異ならせても良い。この場合、予告手段の種類を代える場合と、同一の予告手段が異なる予告パターンで大当り予告を行う場合が考えられる。前者の場合には、複数種類(発光色が異なる、ランプの形状が異なるなど)の予告ランプYRを設け、予告フラグF1の設定数に応じて発光させる予告ランプYRを代える。また、後者の場合には、予告フラグF1の設定数に応じて予告ランプYRを点灯、点滅、異なる発光色で点灯させる。
【0094】
・前記実施形態において、変更処理(図6)を次のように変更しても良い。第1の変更例としては、演出パターン指定コマンドの入力によって予告フラグF1の設定数から1減算(−1)し、予告期間を変更する。第1の変更例は、図6におけるステップS32〜S35の処理を省略することで実現できる。第2の変更例としては、全図柄指定コマンドの入力によって予告フラグF1の設定数から1減算(−1)し、予告期間を変更する。第2の変更例は、図6におけるステップS31,S32,S34,S35の処理を省略することで実現できる。第3の変更例としては、遊技演出の時間を計時する計時手段(統括CPU36a又は別途に設けたタイマ)を設け、該計時手段の計時結果に応じて予告フラグF1の設定数から1減算(−1)し、予告期間を変更する。具体的には、図6のステップS31の後に演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンに基づき遊技演出の時間(変動時間)をセットし、該セットした変動時間が経過したか否かを判定する。そして、変動時間が経過した場合には、ステップS36の処理を行う。
【0095】
・前記実施形態では、図柄組み合わせゲームを対象に大当り予告を行っているが、始動入賞口25の開閉羽根24を開閉させるか否かの抽選結果を導出する可変表示ゲーム(図2に示す表示器37で行われる)を対象として大当り予告を行うようにしても良い。この場合、メインCPU32aは、保留中の可変表示ゲームの回数を指示する予告コマンドを統括CPU36aに出力し、該統括CPU36aは前記予告コマンドに基づき予告期間を設定する。
【0096】
・前記実施形態は、賞球ランプ点灯コマンドに代えて又は加えて、保留指定コマンドの入力によって大当り予告を行うようにしても良い。また、始動入賞口25へ遊技球が入賞した際に出力される賞球ランプ点灯コマンドを入力した場合のみに大当り予告を行うようにしても良い。また、V入賞コマンドに代えて又は加えて、ラウンド遊技用の演出を指定するコマンド(ラウンド指定コマンド)や、ラウンド遊技中に大入賞口27に入賞した遊技球の入賞個数の報知を指示するコマンドの入力よって大当り予告を行うようにしても良い。
【0097】
・前記実施形態において、設定処理(図5)におけるステップS21,S22の処理を省略しても良い。この場合、統括CPU36aは、予告コマンドを入力すると、該予告コマンドに基づき予告期間を設定する。また、実行処理(図7)におけるステップS43,S44の処理を省略しても良い。この場合、統括CPU36aは、賞球ランプ点灯コマンド又はV入賞コマンドを入力すると、予告実行コマンドをサブCPU34aに出力する。
【0098】
・前記実施形態において、予告ランプYRの制御を統括CPU36aで行い、該統括CPU36aを設定手段及び予告制御手段として機能させても良い。また、予告コマンドをサブCPU34aに入力し、該サブCPU34aを設定手段及び予告制御手段として機能させても良い。即ち、設定手段及び予告制御手段の機能は、表示制御基板33、ランプ制御基板34、音声制御基板35及び統括制御基板36から構成されるサブ制御手段が有していれば、何れのCPU(統括CPU36a、サブCPU33a〜35a)が行っても良い。
【0099】
・前記実施形態において、統括制御基板36を省略し、各制御基板33〜35が主制御基板32から制御コマンドを入力して各種の処理を実行するようにしても良い。この場合、サブ制御手段は、各制御基板33〜35によって構成される。この構成で前記実施形態と同様に予告ランプYRで大当り予告を行う場合には、サブCPU34aを設定手段及び予告制御手段として機能させる。さらに、予告期間を設定するか否かの判定や大当り予告を行うか否かの判定を行う場合には、サブCPU34aを期間設定判定手段や予告実行判定手段として機能させる。
【0100】
・前記実施形態において、統括制御基板36を、表示制御基板33、ランプ制御基板34及び音声制御基板35のうち1つ又は2つの制御基板と兼用構成にしても良い。例えば、音声制御基板35が、前記実施形態で説明した統括制御基板36の役割を担い、主制御基板32が出力した制御コマンドに基づいて各制御基板33〜35を統括的に制御しても良い。このとき、CPU、ROM及びRAMを音声制御用と統括制御用に分けて別々に設けても良いし、兼用しても良い。この場合、音声制御基板35は演出制御部及び統括制御部になる。
【0101】
・前記実施形態では、表示制御基板33、ランプ制御基板34、音声制御基板35を別基板構成としているが、これらの制御基板33〜35を任意に組み合わせて単一の基板で構成しても良い。例えば、制御基板33〜35を単一の基板で構成しても良い。このとき、CPU、ROM及びRAMを、表示制御用、発光制御用、音声制御用に分けて別々に設けても良いし、兼用しても良い。このように構成された単一の基板は、表示制御、ランプ制御及び音声制御の複数の制御を実行可能であり、複数の演出制御部となる。
【0102】
・前記実施形態では、可変表示装置22、枠ランプ16、遊技盤ランプ17及びスピーカ19で遊技演出が行われているが、遊技演出を行う装置(演出手段)は任意に変更しても良い。例えば、可動体の動作による遊技演出を行う可動装置、振動による遊技演出を行う振動装置、香気の発生による遊技演出を行う香気発生装置でも良い。また、これらの任意の装置による組み合わせによって遊技演出を行うようにしても良い。
【0103】
・前記実施形態では、可変表示装置22が液晶式で構成されているが、可変表示装置22の種類は任意に変更しても良い。例えば、CRT(ブラウン管)式、プラズマディスプレイ式、7セグメントLED式、ドットマトリクス式、機械式(ドラム式又はベルト式)で構成しても良い。
【0104】
・前記実施形態において、大当り乱数や予告乱数などの各種乱数が取り得る数値の範囲、各種判定値(大当り判定値、予告判定値、予告実行値など)は任意に変更しても良い。前記予告判定値は、大当り判定値と同値であることを条件に、例えば、「7,919」など数を変更しても良い。また、設定処理(図5)のステップS22と実行処理(図7)のステップS44で用いる予告実行値の値を異ならせても良い。また、保留記憶数の上限値は任意に変更しても良いし、上限値が設定されていなくても良い。
【0105】
・前記実施形態において、統括CPU36aは、予告期間を設定した後、新たな予告コマンドを入力した際、該予告コマンドに示された回数値Yで予告フラグF1の設定数を書き換えるようにしても良い。また、統括CPU36aは、新たに入力した予告コマンドを無効としても良い。この場合、設定処理(図5)のステップS20とステップS21との間に「予告期間を設定済みか否か」の判定を行う処理を設ける。
【0106】
・前記実施形態において、メインCPU32aが大当り予告の実行可否を判定するタイミングを次のように変更しても良い。即ち、メインCPU32aが始動入賞口センサSE1の検知信号を入力した時点から、最初の大当り判定が行われる迄の間に大当り予告の実行可否を判定しても良い。具体的に例示すると、始動記憶数が「2」の状態で始動入賞口25に遊技球が入賞すると保留記憶数が「3」となり、この場合には3回の図柄組み合わせゲームが保留中となっている。従って、メインCPU32aは、保留中の3回のうち、最初に行われる図柄組み合わせゲームの大当り判定を行う迄の間に大当り予告の実行可否を判定する。
【0107】
次に、前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)サブ制御手段は、各種の遊技演出を行う複数の演出手段を制御する複数の演出制御部と、メイン制御手段が出力した制御信号に基づき前記各演出制御部を統括的に制御する統括制御部とから構成されており、設定手段は、統括制御部に設けられている請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0108】
(ロ)メイン制御手段は、遊技演出の制御を指示する演出信号をサブ制御手段に出力する演出信号出力手段を備え、設定手段は、前記実行可能期間が設定されている状態で演出信号の入力に応じて、前記実行可能期間を減少させるように変更して再設定する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0109】
(ハ)演出信号は、遊技演出の開始を指示する演出開始信号及び該演出開始信号によって開始した遊技演出の終了を指示する演出終了信号であり、設定手段は、前記実行可能期間が設定されている状態で、演出開始信号の入力、演出終了信号の入力、又は演出開始信号と演出終了信号の入力に応じて、前記実行可能期間を減少させるように変更して再設定する技術的思想(ロ)に記載の遊技機。
【0110】
(ニ)サブ制御手段は、遊技演出が開始してから終了する迄の時間を計時する計時手段を備え、設定手段は前記実行可能期間が設定されている状態で、計時手段の計時結果に応じて、前記実行可能期間を減少させるように変更して再設定する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0111】
(ホ)メイン制御手段は、遊技演出の制御を指示する演出信号を出力する演出信号出力手段を備え、設定手段は、前記実行可能期間が設定されている状態で、演出信号出力手段が出力した遊技演出の開始を指示する演出開始信号を入力し、かつ、計時手段が遊技演出の終了を示す時間を計時した場合に、前記実行可能期間を減少させるように変更して再設定する技術的思想(ニ)に記載の遊技機。
【0112】
(ヘ)予告制御手段は、前記実行可能期間に応じて、大当り予告を行わせる予告手段の種類を変更、又は同一の予告手段を用いて大当り予告の予告パターンを変更することにより、大当り予告の予告態様を異ならせるように構成された請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0113】
(ト)予告制御手段は、前記実行可能期間が設定されている状態において、遊技演出中、大当り状態中、及び遊技演出が終了してから次の遊技演出が開始する迄の演出待機中の何れの場合であっても、報知信号の入力によって予告手段を制御し、大当り予告を行わせるように構成された請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0114】
(チ)メイン制御手段は、遊技演出の制御を指示する演出信号をサブ制御手段に出力する演出信号出力手段を備え、該演出信号出力手段は、遊技演出の開始を指示する演出開始信号及び該演出開始信号によって開始した遊技演出の終了を指示する演出終了信号を出力し、設定手段は、予告信号で指示された前記記憶値に対応する回数の遊技演出のうち、最後に行われる遊技演出の開始を指示する演出開始信号を入力した時点、又は最後に行われる遊技演出の終了を指示する演出終了信号を入力した時点で前記実行可能期間を終了させるように前記実行可能期間を設定する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0115】
(リ)メイン制御手段は、遊技演出の制御を指示する演出信号をサブ制御手段に出力する演出信号出力手段を備え、該演出信号出力手段は、遊技演出の開始を指示する演出開始信号を出力し、サブ制御手段は、演出開始信号を入力してから該演出開始信号に基づく遊技演出が終了する迄の時間を計時する計時手段を備え、設定手段は、予告信号で指示された前記記憶値に対応する回数の遊技演出のうち、最後に行われる遊技演出の開始を指示する演出開始信号を入力してから計時手段が該遊技演出の終了を示す時間を計時した時点で前記実行可能期間を終了させるように前記実行可能期間を設定する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0116】
(ヌ)入賞検知手段における遊技球の入賞検知を契機に判定用乱数の値を読み出す乱数読出手段と、該乱数読出手段が読み出した前記判定用乱数の値を順次、記憶手段に記憶する乱数記憶手段と、前記入賞検知に基づく遊技演出の開始直前に、前記記憶手段に記憶されている前記判定用乱数の値と予め設定された大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定する大当り判定手段と、前記入賞検知時に、前記乱数読出手段が読み出した前記判定用乱数の値と前記大当り判定値と同値となるように予め設定された予告判定値とを比較して大当り予告の実行可否を判定すると共に、該判定結果が実行可である場合に、その時点における始動保留球の記憶数を判定する予告判定手段と、前記予告判定手段が判定した前記始動保留球の記憶数に対応する遊技演出の回数に基づき大当り予告の実行可能期間を設定する設定手段と、前記設定手段が設定した大当り予告の実行可能期間内において、遊技球の入賞に関する遊技情報の報知又は大当り遊技中の遊技状態に関する遊技情報の報知がなされる場合に、所定の予告手段で大当り予告を行わせるように前記予告手段を制御可能な予告制御手段とを備えた遊技機。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技状態に拘わらず、大当り予告をランダムなタイミングで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】図柄表示装置を示す正面図。
【図3】主制御基板、表示制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板及び統括制御基板の構成を示すブロック図。
【図4】予告判定処理を説明するフローチャート。
【図5】予告実行可能期間設定処理を説明するフローチャート。
【図6】予告実行可能期間変更処理を説明するフローチャート。
【図7】予告実行処理を説明するフローチャート。
【図8】大当り予告が行われる態様を示す模式図。
【図9】同じく、模式図。
【符号の説明】
10…パチンコ遊技機(遊技機)、32…主制御基板(メイン制御手段)、32a…メインCPU(乱数読出手段、乱数記憶手段、大当り判定手段、予告判定手段、予告信号出力手段、報知信号出力手段)、32c…RAM(記憶手段)、33…表示制御基板(サブ制御手段)、34…ランプ制御基板(サブ制御手段)、34a…サブCPU(予告制御手段)、35…音声制御基板(サブ制御手段)、36…統括制御基板(サブ制御手段)、36a…統括CPU(設定手段、期間設定判定手段、予告実行判定手段)。
Claims (5)
- 遊技機全体を制御するメイン制御手段と、前記メイン制御手段が出力した制御信号に基づき各種の制御を実行するサブ制御手段とを備えた遊技機において、
前記メイン制御手段は、入賞検知手段における遊技球の入賞検知を契機に判定用乱数の値を読み出す乱数読出手段と、該乱数読出手段が読み出した前記判定用乱数の値を順次、記憶手段に記憶する乱数記憶手段と、前記入賞検知に基づく遊技演出の開始直前に、前記記憶手段に記憶されている前記判定用乱数の値と予め設定された大当り判定値とを比較して大当りか否かを判定する大当り判定手段と、前記入賞検知の時点から当該入賞検知を契機に読み出した判定用乱数の値に基づく前記大当り判定が行われる迄の間に、前記乱数読出手段が読み出した前記判定用乱数の値と前記大当り判定値と同値となるように予め設定された予告判定値とを比較して大当り予告の実行可否を判定する予告判定手段と、該予告判定手段が大当り予告の実行可を決定した場合に予告信号を前記サブ制御手段に出力する予告信号出力手段と、前記サブ制御手段に遊技情報の報知を指示する報知信号を出力する報知信号出力手段とを備え、
前記サブ制御手段は、予告信号に基づき該予告信号を入力した時点から連続する所定の期間を大当り予告の実行可能期間として設定可能な設定手段と、前記実行可能期間内に報知信号を入力した場合に、所定の予告手段に大当り予告を行わせるように予告手段を制御可能な予告制御手段とを備えた遊技機。 - 前記報知信号出力手段は、遊技球の入賞に関する遊技情報の報知を指示する報知信号、及び大当り遊技中の遊技状態に関する遊技情報の報知を指示する報知信号のうち少なくともいずれか一方を出力するように構成された請求項1に記載の遊技機。
- 前記サブ制御手段は、前記予告信号を入力した場合に前記実行可能期間を設定するか否かを判定する期間設定判定手段を備え、
前記設定手段は、前記期間設定判定手段が前記実行可能期間を設定すると決定した場合に前記実行可能期間を設定するように構成された請求項1又は請求項2に記載の遊技機。 - 前記サブ制御手段は、前記実行可能期間が設定されている状態で前記報知信号を入力した場合に大当り予告を行うか否かを判定する予告実行判定手段を備え、
前記予告制御手段は、前記予告実行判定手段が大当り予告を行うと決定した場合に前記予告手段を制御して大当り予告を行わせるように構成された請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。 - 前記予告判定手段は、前記大当り予告の実行可を決定した場合、その時点における始動保留球の記憶数を確認し、前記予告信号出力手段は、前記始動保留球の記憶数を指示する予告信号を前記サブ制御手段に出力するように構成されており、
前記設定手段は、前記予告信号で指示された前記始動保留球の記憶数に対応する遊技演出の回数に基づき前記実行可能期間を設定するように構成された請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の遊技機。
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