JP2004199791A - 光情報記録再生ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ディスク200上で発生する球面収差を、光の発散度・収束度を変化させて補正する収差補正光学系は、光源10と対物レンズ66との間に配設され、対物レンズ66側に配設された第1のレンズ群62aと、光源10側に配設された第2のレンズ群62bと、の少なくとも2つのレンズ群を有し、第1レンズ群62aと第2レンズ群62bの間隔を変化させることにより光の発散度・収束度を変化させるものであり、少なくとも2つのレンズ群のいずれか一方は、貼り合せ面を有し、色収差を発生させることにより光ディスク200上での色収差を補正する色収差補正光学系を含んでいる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光源から照射された光束を光ディスク上に導き、光情報の記録、再生、及び消去を行う光情報記録再生ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光情報記録再生ヘッド装置は、記録媒体である光ディスク上にレーザビームを照射し、その反射される光の偏光状態を検出して、光ディスク上の情報の記録、再生、及び消去を行う装置である。
【0003】
近年、光ディスクの高密度化が進んでおり、様々な光記録媒体が提案されている。光ディスクの高密度化の条件としては、光源である半導体レーザの波長を短くすること、ピットにレーザビームを集光させる対物レンズのNAを高くすることが挙げられる。この2つの条件を達成することによって、光ディスク上に、より小さなスポットを照射させることが可能となる。そのため、光ディスク上に、より小さなピットを形成しても、その情報を処理することが可能となり、その結果、光ディスクの高密度化を図ることができる。
【0004】
しかしながら、近年行われているような半導体レーザの短波長化、及び対物レンズの高NA化が進むにつれて、色収差が、より大きく発生するようになっている。近年光情報記録再生ヘッド装置への実用化が提案されている400nm近傍の波長を発振する半導体レーザの場合、従来の半導体レーザと同程度の誤差(例えば、半導体レーザの発振波長のばらつきが同程度)が発生したとすると、従来の半導体レーザと比較して、数倍の色収差が発生してしまう。そのため、光ディスク上で形成されるスポットにデフォーカスが生じ、信号のSN比が大きく劣化してしまい、誤動作の原因となってしまう。従来、この問題を解決するために、装置内に配設されている光学系とは別に、色収差を補正する光学系を配設するか、あるいは装置内に配設されている光学系のアッベ数を適宜選択することにより、色収差を補正していた(例えば、特許文献1、2)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−157768号公報(第4〜6頁、第1、2図)
【特許文献2】
特開2000−131603号公報(第14頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように装置内に配設されている光学系とは別に、色収差を補正する光学系を配設すると、装置の大型化、構成の複雑化、及びコストアップを招いてしまう。また、装置内に配設されている光学系のアッベ数を適宜選択する方法では、色収差の発生量が大きい場合には他の収差の発生を抑えつつ色収差を十分に補正することが難しい。
【0007】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、色収差を補正する光学系を新たに配設することなく、他の収差の発生を抑えつつ色収差を補正し、光ディスクから良好に読み取り、及び書き込みを行うことができる光情報記録再生ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様に係る光情報記録再生ヘッド装置は、光源から照射された光束を対物レンズによって光ディスク上に導き、光情報の記録、再生、及び消去を行うものである。この光情報記録再生ヘッド装置は、光ディスク上で発生する球面収差を、光の発散度・収束度を変化させて補正する収差補正光学系を有している。この収差補正光学系は、光源と対物レンズとの間に配設され、対物レンズ側に配設された第1のレンズ群と、光源側に配設された第2のレンズ群と、の少なくとも2つのレンズ群を有し、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔を変化させることにより光の発散度・収束度を変化させるものであり、少なくとも2つのレンズ群のいずれか一方は、貼り合せ面を有し、色収差を発生させることにより光ディスク上での色収差を補正する色収差補正光学系を含んでいる。このように、球面収差を補正する収差補正光学系の一部の光学系に、色収差を補正することができる機能をもたせることによって、部品点数を増やすことなく、装置全体の光学系の色収差が補正できるようになるため、装置の小型化、簡便化、及びコストダウンを図ることが可能となる。また、色収差補正光学系は貼り合せ面を有する光学系であるので、大きな色収差を補正するために色収差補正光学系を構成するレンズのパワーを大きくしても球面収差の発生が少ない。さらに、パワーの大きいレンズ同士では偏心による収差への影響が大きいが、貼り合せレンズとすることにより偏心感度を抑えることができる。
【0009】
また、上記光情報記録再生ヘッド装置において、色収差補正光学系は、低分散材から構成された低分散レンズと、高分散材から構成された高分散レンズと、が貼り合わされて構成されている。
【0010】
また、上記光情報記録再生ヘッド装置において、低分散レンズは正レンズであり、高分散レンズは負レンズである。
【0011】
また、上記光情報記録再生ヘッド装置において、低分散レンズ及び高分散レンズは、ともにd線での屈折率ndが1.70以上1.85以下である。
【0012】
また、上記光情報記録再生ヘッド装置において、低分散レンズ及び高分散レンズの分散の差は20以上である。
【0013】
また、上記光情報記録再生ヘッド装置において、色収差補正光学系は、全体として正レンズの作用を有し、もう一方のレンズ群は高分散材から構成された負レンズである。
【0014】
また、上記光情報記録再生ヘッド装置において、光源から照射される光束の波長は、400nm近傍である。
【0015】
また、上記光情報記録再生ヘッド装置において、対物レンズはNA0.7以上である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の光情報記録再生ヘッド装置100の構成を示す斜視図である。光情報記録再生ヘッド装置100は、光源部10と、ピックアップ部50と、スピンドルモータ90と、固定テーブル91から概略構成されている。
【0017】
図2は、本発明の実施形態の光源部10の構成を示す斜視図である。光源部10は、レーザダイオード11と、コリメータレンズ12と、第1のアナモフィックプリズム13と、第2のアナモフィックプリズム14と、ミラー15と、直角プリズム16と、ウォラストンプリズム17と、集光レンズ18と、複合センサ19から構成される。
【0018】
レーザダイオード11は、断面形状が楕円形状となる発散レーザ光を照射する半導体レーザであり、その発振波長は400nm近傍である。このレーザダイオード11の発散レーザ光は、コリメータレンズ12に向けて射出される。
【0019】
コリメータレンズ12は、レーザダイオード11から射出された発散レーザ光を平行光束に変換する。変換されたこの平行光束は、第1のアナモフィックプリズム13に向けて射出される。
【0020】
第1のアナモフィックプリズム13、及び第2のアナモフィックプリズム14は、コリメータレンズ12から射出された平行光束を、断面形状が略円形状となる平行光束に整形する。そして、この整形された平行光束は、ミラー15に向けて射出される。また、コリメータレンズ12から第1のアナモフィックプリズム13に射出された平行光束の一部は、ハーフミラー13aによって90度折り曲げられて、レーザダイオード11から射出されたレーザの出力パワーを検出するための図示しないレーザパワーモニターセンサに導かれる。
【0021】
レーザパワーモニターセンサは、受光した光の強度に比例した電流を出力する。図示しないレーザパワーコントロール回路にレーザパワーモニターセンサの出力を帰還させることによりレーザダイオード11の出力をサーボ制御し安定化させることができる。
【0022】
ミラー15は、第2のアナモフィックプリズム14から射出された平行光束を90度折り曲げて、ピックアップ部50に導く。そして、この平行光束は、図1に示すようにレンズアクチュエータ部60が有するSA補正レンズ部61に入射する。
【0023】
図3は、本発明の実施形態のレンズアクチュエータ部60の断面図であり、この断面図は、図1に示す光源部10から対物レンズ66までの光軸を含む平面によって切断された図である。レンズアクチュエータ部60は、SA(Spherical aberration)補正レンズ部61と、キャリッジ63と、直角プリズム64と、2軸アクチュエータ65と、対物レンズ66から構成されている。
【0024】
SA補正レンズ部61は、ビームエキスパンダ62を含む。ビームエキスパンダ62は、球面収差を補正する光学系であり、本発明の実施形態においては、全体として正のパワーを有し、正レンズと負レンズが1枚ずつ貼り合わされた第1レンズ群62aと、1枚の負レンズである第2レンズ62bから構成されている。第1レンズ群62aは第1レンズ枠61aに保持され、第2レンズ62bは第2レンズ枠61bに保持されている。第1レンズ枠61aは、レンズアクチュエータ部60の外枠であるキャリッジ63に固定されている。第1レンズ枠61aと第2レンズ枠61bには、それぞれヘリコイド61A、61Bが螺刻されており、そのヘリコイドによって第2レンズ枠61bは、第1レンズ枠61aに対して、ビームエキスパンダ62の光軸と平行な矢印Aの方向に移動することができる。
【0025】
図4は、本発明の実施形態の第1レンズ群62aと第2レンズ62bの種々の間隔における光束の状態を示す図であり、図の簡略化を図るためにSA補正レンズ部61と、対物レンズ66と、光ディスク200のみが示されている。第2レンズ枠61bが矢印Aの方向に移動することによって、第1レンズ群62aと第2レンズ62bとの間隔は変化する。図4(a)に示すように第2レンズ枠61bが設計値である基準位置にある場合、ビームエキスパンダ62は、光源部10から入射した平行光束を、拡大した平行光束として対物レンズ66に向けて射出する。
【0026】
光ディスク200の厚さの誤差等により、光ディスク記録面上でオーバーな球面収差が発生した場合、図4(b)に示すように第2レンズ62bを基準位置より第1レンズ群62a側に移動させ、ビームエキスパンダ62は、光源部10から入射した平行光束を発散光束として対物レンズ66に向けて射出する。対物レンズ66に入射する光束が平行光束から発散光束に変化すると対物レンズ66で発生する球面収差がアンダー方向に変化するため、光ディスク記録面上での球面収差を補正することができる。
【0027】
また、光ディスク記録面上でアンダーな球面収差が発生した場合は、図4(c)に示すように第2レンズ62bが基準位置より第1レンズ群62aから離れる方向に移動し、ビームエキスパンダ62は、光源部10から入射した平行光束を、収束光束として対物レンズ66に向けて射出する。この場合対物レンズ66で発生する球面収差がオーバー方向に変化するため、光ディスク記録面上での球面収差を補正することができる。
【0028】
ビームエキスパンダ62から射出された光束は、キャリッジ63に固定された直角プリズム64によって90度折り曲げられて、対物レンズ66に入射する。対物レンズ66は、NA0.7のレンズであり、2軸アクチュエータ65に固定されている。なお、対物レンズ66は、その回転中心軸が光軸より偏心して2軸アクチュエータに固定されてしまうと、コマ収差が発生してしまう。そのため、対物レンズ66は、光軸に対して所定の角度傾けられ、偏心によるコマ収差と逆のコマ収差が発生するように2軸アクチュエータ65に固定され、コマ収差が補正されている。
【0029】
2軸アクチュエータ65は、後述する複合センサ19の検出結果によって対物レンズ66を、対物レンズ66の光軸と平行な矢印Bの方向(フォーカス方向)と、対物レンズ66の光軸と直交する矢印Cの方向(トラッキング方向)に移動させる。また、2軸アクチュエータ65は、対物レンズ66のSA補正レンズ部61側の近傍位置にアパーチャー65aを有する。アパーチャー65aは、2軸アクチュエータ65に形成された凸形状であり、対物レンズ66に入射する光束径を制御する絞り機能(固定絞り)を有している。
【0030】
図4に示すように対物レンズ66は、第1レンズ群62aの対物レンズ66側の焦点f上に、対物レンズ66の主点66aが位置するように配設されている。そのため、光束が図4(a)〜(c)のどの状態においても、SA補正レンズ部61から入射される光束は、対物レンズ66の主点66a上において、常に一定のビーム径dとなる。その結果、光ディスク200上で読み取り、及び書き込みに利用されるスポットの光量の変化を略抑えることができ、さらにスポットのプロファイル(強度分布)も略一定にすることができるため、良好な読み取り、及び書き込みを行うことが可能となる。
【0031】
光ディスク200は、図1に示す固定テーブル91上にセットされ、スピンドルモータ90によって、回転軸90a中心に回転する。光ディスク200が回転することによって光情報記録再生ヘッド装置100は、光ディスク200上の情報の読み取り、及び書き込みを行うことができる。また、リニアモータ部70は、レンズアクチュエータ部60をトラッキング方向に移動させることができる。
【0032】
光ディスク200上に照射したスポット光は反射し、レンズアクチュエータ部60を介して、光源部10に戻り光として入射する。そして、この戻り光は、ミラー15により90度折り曲げられて、第2のアナモフィックプリズム14に導かれ、第1のアナモフィックプリズム13と第2のアナモフィックプリズム14との間に設けられたハーフミラー13aにより90度折り曲げられて、直角プリズム16に導かれ、さらに直角プリズム16により90度折り曲げられて、ウォラストンプリズム17に射出される。
【0033】
ウォラストンプリズム17は、偏光プリズムであり、本発明の実施形態においては、直角プリズム16から入射した戻り光を、偏光方向の異なる3つの光束に分離させる。そして、3つに分離された光束は、集光レンズ18を介して、複合センサ19に向けて射出される。
【0034】
複合センサ19は、図示しないサーボ用受光素子、及びデータ用受光素子を備える。これらの受光素子は、直角プリズム16から射出された戻り光と直交する同一平面上に配置されている。ウォラストンプリズム17により分離された3つの光束のうちの2つがデータ用受光素子に受光され、光ディスク200の情報として、演算処理される。
【0035】
また、ウォラストンプリズム17により分離された光束のうち残りの1つは、サーボ用受光素子に受光される。そして、このサーボ用受光素子の出力が図示しない演算部によって演算処理され、フォーカスエラー信号、及びトラッキングエラー信号として検出される。
【0036】
フォーカスエラー信号が検出されると、2軸アクチュエータ65は、このエラーを補正するようにフォーカス方向に対物レンズ66を移動させ、トラッキングエラー信号が検出されると、このエラーを補正するようにトラッキング方向に対物レンズ66を移動させる。そのため、対物レンズ66の主点66aは、第1レンズ群62aの対物レンズ66側の焦点f上から外れてしまう。しかしながら、これらのエラー信号による対物レンズ66の位置の移動量は微量であるため、この場合のスポットの光量の変化は、実用上問題とはならない。
【0037】
レンズアクチュエータ部60に配設される光学系の第7面および第8面である対物レンズ66の光源側の面(第7面)、光ディスク側の面(第8面)は共に非球面として形成されている。また、第1レンズ群62aの光源側の面(第3面)、光ディスク200の保護層(第9、10面)は共に平面として形成されている。また、第3面以外の第1レンズ群62aと第2レンズ62bの各面(第1、2、4、5面)は共に球面として形成されている。
【0038】
表1は、図3に示されるレンズアクチュエータ部60に配設される光学系の数値構成を示す表である。
【表1】
【0039】
表1において、Rmはレンズアクチュエータ部60に配設される光学系の第m面の曲率半径(mm)、dmは軸上面間隔(mm)、NDはd線に対する屈折率、VDはアッベ数である。なお、m=6に示すレンズ間隔とは、第1レンズ群62aと対物レンズ66との間隔である。
【0040】
非球面は、光軸と非球面との交点における接平面からのサグ量として、数1に示す式で表される。
【数1】
【0041】
第7面、及び第8面の数1における円錐係数K、及び非球面係数の値を表2に示す。
【表2】
表中のEは、10のべき乗を表しており、例えばE-01は10の-1乗を示している。
【0042】
図5は、図3のレンズアクチュエータ部60に配設される光学系において、色収差が補正されていない状態の諸収差を示す。図5(A)は球面収差(SA)、図5(B)は波長403nm、408nm、413nmについての球面収差により示される色収差である。収差量を示す横軸の単位はmmである。
【0043】
図6は、表1および表2の数値構成による図3のレンズアクチュエータ部60に配設される光学系の諸収差を示す。図6(A)は球面収差(SA)、図6(B)は波長403nm、408nm、413nmについての球面収差により示される色収差である。
【0044】
光ディスク200における光軸上のスポット光の結像位置のずれの許容量は、レンズアクチュエータ部60に配設される光学系の焦点深度となる。それは、この結像位置のずれが焦点深度より大きくなった場合、スポット光が光ディスク200上でピンぼけし、正確な信号を読み取ることができなくなるからである。
【0045】
本発明の実施形態において、対物レンズ66のFナンバーは、0.7、レーザダイオード11の発振波長は、約400nmとなっている。そのため、焦点深度は、0.4×0.72より約0.2μmとなる。図5に示すように色収差を補正していない状態の場合、レーザダイオード11の発振波長が設計値である408nmであれば、色収差は略発生していない。ところが、408nmに対して±5nm波長が変動すると、色収差は2〜3μm程度発生している。この数値は、上記の焦点深度に対して大きな数値であるため、スポット光は、光ディスク200上でピンぼけしていることになる。
【0046】
そのため、色収差を補正する必要があり、本発明の実施形態においては、ビームエキスパンダ62のレンズ群である第1レンズ群62aを、色収差が補正できるように、低分散材からなる両凸の正レンズと高分散材からなる平凹の負レンズを1枚ずつ貼り合わせている。その結果、図6のようにレーザダイオード11の発振波長が±5nm変動しても、色収差を略補正することができ、光ディスク200に対し、良好に読み取り、及び書き込みを行うことができる。なお、正と負の光学系から構成されているビームエキスパンダにおいて、正と負の光学系での光束径を比較すると、正の光学系における光束径の方が大きくなる。光束径の大きい光路中で収差補正を行うことによって、より効果的に収差を抑制することができるため、正のパワーを有する第1レンズ群62aに色収差補正作用をもたせている。
【0047】
また、色収差補正レンズ、すなわち第1レンズ群62aは、レーザダイオード11の発振波長に応じて、対物レンズ66の入射波面にデフォーカスを与える光学素子である。そのため、ビームが対物レンズ66を通過すると、球面収差が発生してしまう。つまり、レーザダイオード11の発振波長の変動によって、球面収差は変動する。
【0048】
図7は、波長と球面収差の関係、すなわち波長変化による球面収差の変化を示すグラフである。SA3は三次の球面収差、SA5は五次の球面収差である。また、図8は、第1レンズ群62aと第2レンズ62bとの間隔と、球面収差の関係、すなわちそれらのレンズ間隔の変化による球面収差の変化を示すグラフである。各グラフ共に、波長およびレンズ間隔が変化しても、SA5は略変化していないが、SA3は、波長およびレンズ間隔の変化に対して同様なリニアリティで変化し、発生している。本発明の実施形態においては、この特性を利用し、レーザダイオード11の発振波長に応じて、対物レンズ66の入射波面に発生するデフォーカスを、ビームエキスパンダ62のレンズ間隔、すなわち第1レンズ群62aと第2レンズ62bとの間隔を変化させることによって、補正している。
【0049】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
【0050】
なお、本実施形態において、第1レンズ群62a及び第2レンズ62bのd線に対する屈折率NDは、1.7618または1.7880となっているが、1.70≦ND≦1.85の範囲であればよい。すなわち、色収差補正光学系を構成する各レンズに屈折率の高いものを使用することによって、屈折率の低いものを使用した場合と比較して、分散の差が同じであるときに色収差を補正する効果が高くなる。従って、第1レンズ群62aの貼合せ面のカーブを緩くできるため、ビームエキスパンダ62では補正することができない貼合せ面で発生する高次の球面収差を抑制する効果を有する。屈折率が上限を超えると、現在一般に手に入る硝材で、分散の差が大きく、かつ400nm付近の波長で十分高い内部透過率をもつ硝材の組み合わせが得られないことから貼合せ面のカーブを緩くできなくなる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明の光情報記録再生ヘッド装置は、球面収差を補正する収差補正光学系の一部の光学系に、色収差を補正することができる機能をもたせることによって、部品点数を増やすことなく、装置全体の光学系の色収差が補正できるようになるため、装置の小型化、簡便化、及びコストダウンを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光情報記録再生ヘッド装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の光源部の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態のレンズアクチュエータ部の断面図である。
【図4】本発明の実施形態の第1レンズ群と第2レンズの種々の間隔における光束の状態を示す図である。
【図5】レンズアクチュエータ部に配設される光学系において、色収差が補正されていない状態の諸収差を示す。
【図6】表1および表2の数値構成によるレンズアクチュエータ部に配設される光学系の諸収差を示す。
【図7】波長と球面収差の関係を示すグラフである。
【図8】第1レンズ群と第2レンズとの間隔と、球面収差の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 光源部
50 ピックアップ部
60 SA補正レンズ部
62 ビームエキスパンダ
66 対物レンズ
100 光情報記録再生ヘッド装置
200 光ディスク
Claims (8)
- 光源から照射された光束を対物レンズによって光ディスク上に導き、光情報の記録、再生、及び消去を行う光情報記録再生ヘッド装置において、
光ディスク上で発生する球面収差を、光の発散度・収束度を変化させて補正する収差補正光学系を有し、
前記収差補正光学系は、前記光源と前記対物レンズとの間に配設され、
前記対物レンズ側に配設された第1のレンズ群と、
前記光源側に配設された第2のレンズ群と、の少なくとも2つのレンズ群を有し、
第1レンズ群と第2レンズ群の間隔を変化させることにより光の発散度・収束度を変化させるものであり、
前記少なくとも2つのレンズ群のいずれか一方は、貼り合せ面を有し色収差を発生させることにより光ディスク上での色収差を補正する色収差補正光学系を含むこと、を特徴とする光情報記録再生ヘッド装置。 - 前記色収差補正光学系は、低分散材から構成された低分散レンズと、
高分散材から構成された高分散レンズとが貼り合わされて構成されること、を特徴とする請求項1に記載の光情報記録再生ヘッド装置。 - 前記低分散レンズは、正レンズであり、前記高分散レンズは、負レンズであること、を特徴とする請求項2に記載の光情報記録再生ヘッド装置。
- 前記低分散レンズ、および、前記高分散レンズは、ともにd線での屈折率ndが1.70以上1.85以下であること、を特徴とする請求項3に記載の光情報記録再生ヘッド装置。
- 前記低分散レンズ、および、前記高分散レンズの、分散の差が20以上であること、を特徴とする請求項3または請求項4のいずれかに記載の光情報記録再生ヘッド装置。
- 前記色収差補正光学系は、全体として正レンズの作用を有し、もう一方のレンズ群は高分散材から構成された負レンズであること、を特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の光情報記録再生ヘッド装置。
- 前記光源から照射される光束の波長は、400nm近傍であること、を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の光情報記録再生ヘッド装置。
- 前記対物レンズは、NA0.7以上であること、を特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の光情報記録再生ヘッド装置。
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JP4648608B2 (ja) | 2011-03-09 |
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