JP2004199218A - 部品納入指示装置及び部品納入指示方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】部品納入指示装置18の必要個数算出部52は、今回の納入指示で対象になっている部品の数量を認識すると共に、安全在庫または理論在庫を適正量に維持するために必要と認められた補正量を認識し、異種混載部品のグループ化を行う。次に異種混載マスタD/B44を参照しつつ、異種混載グループの納入指示個数が部品運搬に用いるパレットの収容数に一致するかの判断を行い、一致しない場合、異種混載残数マスタD/B46を参照して将来確実に使用する部品の中から先出し部品を抽出し、今回納入指示数に加算し、納入指示数がパレット収容数と一致するように調整を行い納入指示を行い部品運搬効率を向上する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品納入指示装置及び部品納入指示方法、特に、在庫部品数の調整が必要になった場合でも、仕入先から納入先へ最適なタイミングで最適な量の部品納入を行いつつ、仕入先からの部品運搬効率を常に高く保つことのできる部品納入指示装置及び部品納入指示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製品組立工場等においては、生産ライン上を一定間隔で上流から下流に搬送されるワークに対して、生産ラインに沿って配置された各作業工程で必要な部品が順次組み付けられ、生産ライン終点位置では所定部品の組付作業が全て完了するようになっている。一般に、製品組立工場で必要な部品を必要な量だけ、必要なタイミングで前記工場の生産ライン側に納入することが望ましい。このような部品納入を行うことによって、納入部品の欠品を避け、かつ過剰在庫を抑制している。その結果、効率的な組付作業が行えるようになると共に、工場内の部品保管スペースの削減等を行い、製品組立に関するトータルコストの削減を行っている。
【0003】
上述のような部品の納入指示を行う方法として、いわゆる着工補充方式がある。この着工補充方式は、一定間隔で生産ライン上を搬送されるワークに組み付ける部品の納入指示について、納入指示を行ってからその部品が納入されるまでの納入所要時間内で、前記生産ライン上を搬送されるワークの数量を算出し、その数量分の部品の納入指示を行うものである。この場合、組み付け対象となる部品の組付工程より少なくとも前記搬送数量だけ前の工程を通過するワークに基づいて納入指示タイミングを決定し処理を行うことになる。その結果、部品の使用タイミングで納入指示した部品が生産ライン側に到着し、直ちに使用することが可能になる。
【0004】
なお、自動車組立生産ライン等のように長い生産ラインを搬送されるワークには個々に磁気記録カード(以下、マグカードという)が添付されている。そして、このマグカードを生産ライン中の数カ所に設けられた読取装置で読み取ることによって、搬送されるワークの通過確認を行うと共に、読取装置の位置を基準に前述のような納入指示を可能にしている。また、実際の部品の納入指示は、部品納入指示カード(以下、『かんばん』という)によって行われている。このかんばんは、納品に関する情報、例えば、部品番号や納入日、納入数、仕入先(納入指示先)、納入場所等が記載されたカードで、納入の指示をするために仕入先に送られ、部品を納入先(部品使用工場)に納品する時に部品に添付されるものである。そして、部品が使用されると添付されたかんばんが外される。この外れかんばんは、部品の使用実績データとして使用される。なお、かんばんの発行を納入先で行って、部品を納入した部品納入便が部品の仕入先に持ち帰ることにより部品納入指示を行ってもよいし、電子データとして納入先から仕入先に送信し、仕入先でかんばんとして発行して、部品の納入指示を行ってもよい。
【0005】
従来、このような部品の納入指示は、かんばん単位で行われている。前述したように、かんばんには、部品番号や納入日、納入数、仕入先(納入指示先)、納入場所等が記載されているので、仕入先や納入場所が同じでも部品番号や納入日が異なれば、独立した別のかんばんが発行される。なお、部品番号は、部品の種類違いはもとより、仕様違い(外形は同じでも穴位置が異なるものや材質が異なるもの、塗装色が異なるもの、仕入先が異なるもの等)により異なる。
【0006】
一方、納入指示を受けた部品を納入先に搬送する場合、部品の取り扱い(例えば、納入便への積み卸し時にフォークリフト等を用いる時の取り扱いや工場内での部品の移動や管理上の取り扱い)を容易にするために、所定数の部品がまとめて運搬できる搬送箱やパレットが使用されている。
【0007】
そして、従来は前記かんばん毎に個々の搬送箱やパレットが割り当てられ、部品の運搬が行われていたため、生産ラインを流れるワークの配列によっては、そのタイミングで必要とされる部品の種類や数が変動し1枚のかんばんで納入指示される部品数が搬送箱やパレットの収容可能数より少なくなり搭載率が低下してしまう場合がある。つまり、10個の部品が搭載可能なパレットに6個しか部品が乗らない場合が発生する。その結果、パレット上に空きスペースが生じ、納入便の運搬効率が低下し、部品納入に関するトータルコストが実質的に増加してしまうという問題があった。
【0008】
これに対して、同じパレットに搭載可能で、近い将来確実に使用する部品をパレット上の空きスペースに混載させる部品の先出し納入を行うことにより、パレットによる運搬効率を向上する納入指示方法がある。パレットを使用する場合、工場内の部品保管スペースはパレット自体の占有スペースで決まるため、パレットの空きスペースに先出し部品を搭載しても部品保管スペースの増加(スペースコストの増加)を招くことはなく、運搬効率のみを向上することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−228910号公報(図2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、本来、必要な量の部品を使うタイミングで納入することが望ましいが、実際に生産を行う場合、運搬時の交通事情により予定していた時間に部品納入ができなかったり、運搬中や作業中の破損等により実際に使用できる部品数が不足してしまう場合がある。この場合、部品の欠品により生産がストップしてしまう。このような不測の事態に対応するために、通常、工場では「安全在庫」を持っている。このような安全在庫は、生産や部品納入が安定している場合は初回に決めた数量を維持すればよいが、生産計画に変動が生じた場合や部品の運搬方法に変更が生じた場合には、現実にライン側で使用できる部品数に変動が生じるため、必要最小限の在庫を確保するためには、安全在庫として考慮すべき部品個数を増減調整する必要がある。このような増減調整は、処理が必要な場合に、バッチ処理的に行われていた。
【0011】
また、必要最小限の適正在庫の管理を行うためには、納入指示管理を行っているシステムは、理論上必要となる理論在庫(安全在庫も含めた在庫)を認識していると共に、現実に存在する実在庫も認識して、実在庫の数量が適切であるか否かを正確に把握する必要がある。本来、理論在庫と実在庫とは一致しているはずであるが、生産変動(計画の変更や生産状況の変動等)や在庫集計の人為的ミス等により、理論在庫と実在庫との間に差異が生じることがある。このような場合も理論在庫補正(理論在庫に対する実在庫の増減補正)を行う必要が生じる。この処理も必要な場合に、バッチ処理的に行われていた。
【0012】
このように、安全在庫補正及び理論在庫補正のいずれも先に述べたパレットの空きスペースの抑制処理後、つまり、納入指示数をパレット収容数に一致させるような処理とは、全く無関係に、例えば、納入指示数をパレット収容数に一致させるような処理を行った後に改めて行っている。その結果、折角、運搬効率を考慮して処理を行ったにも関わらず、再度修正分の端数が発生し、一時的にも運搬効率を悪化させてしまうという問題があった。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、在庫部品数の調整が必要になった場合でも、仕入先から納入先へ最適なタイミングで最適な量の部品納入を行いつつ、仕入先からの部品運搬効率を常に高く保つことのできる部品納入指示装置及び部品納入指示方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明は、生産ラインにおいて、生産されるワークが所定の上流工程を通過した通過情報に基づいて、その下流工程でワークに使用する部品を所定容量の搬送手段に搭載して納入するように納入指示を仕入先に対して行う部品納入指示装置であって、前記上流工程を生産対象となるワークが通過したときに、前記下流工程において現実に使用する現実使用部品の数量を仕入先毎に認識する現実部品数量認識手段と、前記下流工程で生産対象となるワークに使用する部品に対して、確保しておくことが必要であると認められる在庫部品の数調整のための数量を仕入先毎に認識する在庫調整量認識手段と、前記上流工程を将来通過するワークに使用する将来使用部品の数量を仕入先毎に認識する将来部品数量認識手段と、前記現実使用部品数と在庫部品数と将来使用部品数と前記搬送手段の収容数に基づいて、現実使用部品の納入指示時に、当該現実使用部品の納入を行う搬送手段の中に在庫部品と将来使用部品の少なくとも一方を混在させて、搬送手段の収容数を満たすように納入指示を行う混在指示手段と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、上記のような目的を達成するために、本発明は、生産ラインにおいて、生産されるワークが所定の上流工程を通過した通過情報に基づいて、その下流工程でワークに使用する部品を所定容量の搬送手段に搭載して納入するように仕入先に対して行う納入指示をコンピュータを用いて行う部品納入指示方法において、前記コンピュータは、下流工程において現実に使用する現実使用部品に関する情報を格納した現実使用部品データベースと、前記下流工程で生産対象となるワークに使用する部品に対して、確保しておくことが必要であると認められる在庫部品に関する情報を格納した在庫部品データベースと、前記上流工程を将来通過するワークに使用する将来使用部品に関する情報を格納した将来部品データベースと、を含み、前記コンピュータは、前記現実使用部品データベースの有する情報を利用し、前記上流工程を生産対象となるワークが通過したときに、前記現実使用部品の数量を仕入先毎に認識するステップと、前記在庫部品データベースの有する情報を利用し、前記生産ラインにおける前記在庫部品の数調整のための数量を仕入先毎に認識するステップと、前記将来部品データベースの有する情報を利用し、前記将来使用部品の数量を仕入先毎に認識するステップと、前記現実使用部品数と在庫部品数と将来使用部品数と前記搬送手段の収容数に基づいて、現実使用部品の納入指示時に、当該現実使用部品の納入を行う搬送手段の中に在庫部品と将来使用部品の少なくとも一方を混在させて、搬送手段の収容数を満たすように納入指示を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
ここで、所定容量の搬送手段とは、例えば納入指示を受けた部品を納入先に搬送する場合に、部品の取り扱い(例えば、納入便の積み卸し時にフォークリフト等を用いる場合の取り扱いや工場内での部品の移動や管理上の取り扱い)を容易にするために、所定数の部品をまとめて運搬する搬送箱やパレット等である。また、将来使用部品とは、生産計画等により生産が確定し、例えば数日の間に確実に使用する部品である。
【0017】
この構成によれば、在庫部品数の調整が必要になった場合でも、その調整分を予め考慮し、運搬手段の収容数を満たすような納入指示を行うことができるので、高い運搬効率を常時維持することができる。
【0018】
また、上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記在庫調整量認識手段は、前記生産ラインにおける安全在庫調整量または理論在庫調整量の少なくとも一方を認識し、納入指示数量に反映させることを特徴とする。
【0019】
また、上記のような目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記在庫部品の数調整のための納入指示数量を仕入先毎に認識するステップは、前記生産ラインにおける安全在庫調整量または理論在庫量調整量の少なくとも一方を認識し、納入指示数量に反映させることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、安全在庫調整や理論在庫量調整が生じても運搬手段の収容数を満たすような納入指示を常時行い、高い運搬効率を常時維持することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。図1は、本実施形態の部品納入指示装置の全体構成及び生産ラインや上位管理システムとの関連を説明する構成ブロック図である。なお、本実施形態では、自動車の生産ライン10を例に取り、着工から塗装、組立、ラインオフ(完成)等まで連続したラインで生産作業を行うものとして、生産ライン10上を搬送される車両12に各種部品が組み付けられたり、所定の処理が行われたりするものとする。
【0022】
搬送される車両12には、作業者に対する作業指示や管理コンピュータに対する情報媒体として使用される磁気記憶カード(以下、マグカードという)14とそれに対応する認識番号(例えば、100号車、101号車等)が付されている。生産ライン10上には前記マグカード14を読み取るマグカード読取装置14aが任意の位置、例えば、着工位置、塗装完了位置、組立投入位置等に複数配置され、マグカード14を読み取ることによって、どの車両が生産ライン10上のどの辺りに存在するかを認識することができる。従って、生産ライン10全体の管理を行っている工程管理システム16は、前記マグカード14の読み取り認識により生産ライン10の生産進捗状況の把握を行うことができる。
【0023】
生産ライン10の各工程で使用される部品は、生産ライン10がある工場(部品の納入先)とは別の部品生産工場(仕入先)、または、生産ライン10以外の場所で生産され、後述する部品納入指示に従って、所定のタイミングで必要量の部品が生産ラインがある組立工場にトラック等の納入便によって納入される。部品の納入指示には、部品名や部品番号、納入時、納入指示先、納入場所等複数の情報が記載された納入指示カード(以下、「かんばん」という)と称するものが使用される。前記かんばんは、さらに、部品の納入間隔を示すかんばんサイクルが設定されている。このかんばんサイクルは、「a日間にb回の納入指示があり、納入指示から数えてc便後の荷物で部品が納品される」という3つの変数によって構成され、納入指示の時に活用される。
【0024】
前述したように、最適なタイミングで最適な量の部品の納入を行う方法として、着工補充方式がある。着工補充方式において、実際に、部品の納入指示を行うタイミングは、生産ライン10上に設定された部品納入指示ポイント(特定位置)を部品取り付け対象の車両12が通過したことを確認することによって決める。前記納入指示ポイントは、生産ライン10における部品の使用位置(部品の取り付け位置)から部品の納入リードタイムを考慮した時間だけ生産ラインを上流側に溯った位置に通常設定される。そして、部品納入指示装置は前記納入指示ポイントを認識すると共に、納入指示ポイントの直前のマグカード14の読み取り位置から前記納入指示ポイントまでの時間を認識し、対象車両のマグカード14が特定ポイントで読み取られてから所定時間経過後に実際の納入指示を行うようになっている。これによって、将来確実に使用する部品についてのみ納入指示を行うことが可能になるので、実質的な在庫すなわち、使う予定のない部品の納入指示を排除することができる。
【0025】
図1において、部品納入指示装置18には、適切な納入指示を行うために複数のデータベース(D/B)が設けられている。例えば、上位の生産計画システム20からの情報に基づいて車両着工順序予定を蓄積する車両組立順序予定D/B22、前回の納入指示でどの車両まで納入指示が完了しているか(どの車両まで括りが完了しているか)の情報を蓄積している括り号車マスタD/B24、今回の括りで何台分の納入指示を行ったらよいかの情報を蓄積している括り台数マスタD/B26、生産計画システム20からの情報に基づいて各工程とそこで必要な部品との関連性(引き当て内容)を蓄積する引当マスタD/B28、前記工程管理システム16が有するマグカード読み取り情報に基づいて車両通過順序を蓄積する車両順序実績情報D/B30、各部品とその仕入先との関係情報を蓄積する仕入先マスタD/B32、実際に部品納入指示装置18が指示した内容を蓄積するかんばん納入指示データD/B34、生産計画システム20の作成する日々の生産指示情報で、通常ラインオフの3日程度前に作成される確定生産計画を蓄積するVLT(Vehicle Linkage Tape)36等が設けられている。
【0026】
本実施形態の特徴的事項は、スムーズな生産活動を行うために必要と認められる部品在庫の管理上、在庫数に補正が必要になった場合に、その補正で生じた納入指示の増減分を、実際に使用する部品の納入時の搬送に使用する搬送手段としての納入箱やパレットに異種部品を混在(混載)させることにより、実際に使用する部品を搬送するための納入箱やパレットの使用効率を向上させて、仕入先からの部品運搬効率を向上させるところである。
【0027】
すなわち、現在納入指示を必要とする現在部品の納入指示時に、まず、現実に使用する現実使用部品の納入指示数量と、生産対象となる車両12に使用する部品に対して、確保しておくことが必要であると認められる在庫部品の数調整のための納入指示数量とを参照し、納入指示量を算出する。その結果、納入箱やパレットに積載スペースの余裕が存在する場合、確定した生産計画に基づいて、将来確実に使用する将来使用部品から所定数を選択し、先出し納入指示することにより空いている積載スペースを排除し納入指示部品の運搬効率を向上するものである。なお、本実施形態における異種部品とは、異なる納入指示カード(かんばん)により納入指示が行われる部品を意味し、部品の種類違いはもとより、納入日が異なる部品や仕様違い(外形は同じでも穴位置が異なるものや材質が異なるものや塗装色が異なるもの等)の部品も含むものとする。本実施形態では、例えば、塗装色違いの部品を異種部品としてパレットに混載する例を説明する。
【0028】
前述したように、本来理想的な生産を行うためには、部品を消費するタイミングで、消費する分だけの部品が納入されることが望ましいが、現実的には、トラック等の輸送手段を利用する納入便においては、交通事情や天候等の影響を受け、時間通りに納入されない場合がある。また、納入部品に不良品が混在していたり、運搬中や消費時に破損してしまう等、納入指示時に予定していた数量が生産ライン10で実際に確保できない場合がある。このような不測の事態に対応するために、通常、部品の消費側では、「安全在庫」を持っている。安全在庫は実際に使用する予定がないものであるため、必要最小限に抑えておく必要がある。また、安全在庫は、生産や部品納入が安定している場合は初回に納入した数量を維持(初回の納入指示のみ)すればよいが、生産計画に変動が生じた場合や部品の運搬方法に変更が生じた場合には、現実にライン側で使用できる部品数に変動が生じるため、安全在庫の数も適宜増減調整する必要がある。
【0029】
また、生産ライン10のある工場においては、上述のような安全在庫及び現実の使用する部品の数を正確に把握し管理する必要があるため、納入指示管理を行っているシステムは、理論上必要となる部品数(理論在庫)を認識していると共に、現実に存在する実在庫も認識している。本来、理論在庫と実在庫とは一致しているはずであるが、生産変動(計画の変更や生産状況の変動等)や在庫集計の人為的ミス等により、理論在庫と実在庫との間に差異が生じることがある。このような差異は、在庫管理の信頼性を低下させる原因となるので、このような場合も理論在庫補正を行う必要がある。例えば、計画の変更や生産状況の変動等が発生した場合は、理論在庫値自体を修正し、それに追従するように実在庫の数量を調整する。また、計画の変更や生産状況の変動等が無く、実在庫の数量がずれていた場合には、理論在庫の修正は行わず、実在庫の数量を調整する。なお、本実施形態では、理論在庫補正とは、理論在庫と実在庫とを一致させるように行う補正を意味し、納入指示の調整により実在庫の数量が調整されることとなる。
【0030】
上述のような安全在庫補正や理論在庫補正を行うために、部品納入指示装置18は、増減調整部38及びその調整結果を順次蓄積記憶する在庫部品D/B40を備えている。例えば、安全在庫補正の場合は、現場担当者が、現実の生産状況や部品の納入状況等を考慮して安全在庫数を決定し、部品納入指示装置18の入力装置42から増減調整部38に対し入力する。もちろん、部品納入指示装置18は生産計画システム20により生産計画を認識したり、各種データベースから生産状況や納入状況を認識することができるので、システムと連動して自動で安全在庫の調整を行うことも可能である。
【0031】
一方、理論在庫補正の場合は、増減調整部38は、理論上必要になる理論在庫数(現実に使用する部品数+安全在庫)と現実に存在する実在庫(納入指示済みで未納入のものも含む)を認識し、両者の差分を補正量とする。なお、理論在庫は、工程管理システム16からの情報及び各データベースから生産ライン10上の車両12の通過状況や並び順、使用する部品等を取得し、理論上必要になる部品数を認識すると共に在庫部品D/B40の有する安全在庫数より算出することができる。また、実在庫は、現場担当者が入力装置42を介して入力した生産ライン10側に実在する部品数及びかんばん納入指示データD/B34と図示しない納品実績を記憶したデータベース等から把握できる納入指示済み未納入部品数とから算出することができる。
【0032】
さらに、前述した異種部品の混載を行うために、部品納入指示装置18には、対象となるパレットに搭載することのできる部品の種類(部品A(塗装色:白)、部品B(塗装色:黒)、部品C(塗装色:赤)等)や搭載可能数量をグループ化した情報や先出し納入指示した情報が格納されている異種混載マスタD/B44、各部品について今回の納入指示後にさらに納入指示可能な部品の残数(確定した生産計画上の残数)に関する情報が蓄積されている異種混載残数マスタD/B46、部品を混載させる場合に、どの部品を先出し選択したらよいか決定する必要がある、この時、使用する比率が格納されている異種混載比率マスタD/B48等が備えられている。なお、異種混載比率マスタD/B48は、日毎の納入指示部品数の比率であり、生産計画システム20によって、作成される例えば3日先までの確定した生産計画であるVLT36に基づいて、異種混載比率算出部50によって例えば夜間等にバッチ処理で作成される。例えば、N日VLTには、N日のラインオフ計画の必要個数が示される。ここで、日別にVLTを取得可能なので、異種混載のグループの品番について日別に必要個数比率を計算し、日別の比率として異種混載比率マスタD/B48に登録しておき、今から納入指示する納入日とラインオフ計画日とで必要数比率を引当て、先出し対象の選択に使用する。
【0033】
この他、部品納入指示装置18には、今回納入指示する部品個数を算出する必要個数算出部52、その結果を蓄積する算出結果D/B54、納入便毎の納入指示枚数を算出する便あたり指示枚数算出部56、部品納入指示装置18における操作内容や入出力情報等を利用者に提示する表示装置(例えばCRT)58等を含んでいる。
【0034】
図2には、本実施形態の部品納入指示装置18による異種混載処理の手順を説明するフローチャートが示されている。以下、図1のブロック図とともに処理手順を説明する。
【0035】
今回納入指示を行う部品個数を算出する必要個数算出部52(図1参照)は、工程管理システム16のマグカード読取装置14aによって検出された車両のライン通過実績を格納した車両順序実績情報D/B30から対象の車両12の通過を確認すると、納入指示処理をスタートする。前記必要個数算出部52は、まず、生産計画システム20からの情報に基づき各品番毎の納入指示必要個数(現実使用部品)の集計を行う(現実部品数量認識ステップ)。この場合、必要個数算出部52が現実部品数量認識手段として機能する。部品納入指示装置18の必要個数算出部52は、図3のイメージ図で示すように、括り号車マスタD/B24からの情報に基づき、今回の納入指示を行うに当たって、前回の納入指示で何号車まで括ったか(納入指示を完了したか)の認識を行う(S100)。続いて、車両組立順序予定D/B22及び括り号車マスタD/B24からの情報に基づき、車両並び計画上、今回括る台数分の車両を抽出する(S101)。さらに、ステップ(S101)で抽出した車両の最終仕様ID(生産計画システム20により最終的に確定された車両仕様を示すID)を引当マスタD/B28で展開することにより対象車両の組み立てに必要とされる部品の品番及び個数を集計する(S102)。なお、ステップ(S102)で集計する各品番の納入指示必要個数は、あくまで厳密に車両並びを考慮して決定する。その結果、実際に使用する部品の納入指示漏れ(欠品)を回避することができる。また、部品の納入指示単位は、『1』とする。この場合、車両組立順序予定D/B22、括り号車マスタD/B24、括り台数マスタD/B26、引当マスタD/B28、車両順序実績情報D/B30等が、現在使用部品データベースとして機能することとなる。
【0036】
続いて、必要個数算出部52は、前回の納入指示で、パレットの収容数を満たすために行った先出し処理、つまり異種混載処理を行ったか否かを考慮する。すなわち、必要個数算出部52は、異種混載マスタD/B44を参照して、各品番について、前回に納入指示で先出し納入指示していた場合、その先出し処理を行った品番の部品数を今回の納入指示分から減算して(S103)、現実に生産ライン10で追加しなければならない部品数を算出し、現実部品数量認識を完了する。
【0037】
通常、この時点で生産に直接必要となる部品数が決まるが、前述したように、スムーズな生産活動を実現するためには、適正な安全在庫の確保が必要であり、状況の変化に応じて在庫量の調整(安全在庫補正)が必要になる。また、理論在庫と実在庫に差異が生じた場合にも、その差異を抑制するように納入指示量の調整が必要になる。
【0038】
本実施形態において、必要個数算出部52は、今回納入指示する必要個数を算出する時に、安全在庫補正や理論在庫補正に関するデータを格納した在庫部品D/B40を参照し、補正の有無を含む調整データの取得を行う(S104)。
【0039】
例えば、生産計画に変動が生じた場合や部品の運搬方法に変更が生じた場合には、納入便の到着間隔の間に必要となる部品数にも変更が生じるため、不測の事態に備えて準備しておく最小限の安全在庫の量も変化する。例えば、今まで、5個の安全在庫で十分であったものが、生産計画の変更により8個必要になると認められる場合がある。この場合、現実に使用する部品の納入指示とは別に、安全在庫用に+3個の納入指示が必要になる。逆に、生産計画の変更により安全在庫が例えば4個で十分になる場合もある。このような場合には、安全在庫を1個消費すること、つまり、生産に直接必要となる部品として納入指示しようとしていた数量から減算する処理を行い、1つの安全在庫を生産に使用することにより、実際の安全在庫の数を生産計画変更後の適正安全在庫(4個)にすることができる。
【0040】
同様に、理論在庫補正、つまり、実在庫の数量を調整する必要が生じた場合も増減調整を行うことができる。増減調整部38は、安全在庫補正または理論在庫補正の少なくとも一方で必要となる部品納入指示の増減調整データを集計し(S105)、在庫部品D/B40に格納する。この場合、増減調整部38が在庫調整量認識手段として機能し、在庫調整量認識ステップを実行する。
【0041】
従って、必要個数算出部52は、在庫部品D/B40を参照することにより、今回の納入指示で必要な在庫の調整量を認識することができる。
【0042】
次に、必要個数算出部52は、今回の納入指示で対象となる部品を1つのパレットに搭載する場合に、その納入指示個数がパレット収容数に一致しているか否かの判断を行う。まず、今回納入指示分(現実使用分に先出し納入指示分と、在庫補正分を考慮した量)の部品を一つの異種混載グループとして、その納入指示必要数を集計する(S106)。続いて、必要個数算出部52は、ステップ(S106)で集計した集計値がパレット収容数の整数倍に一致するか否かの判断を行う(S107)。もし、パレット収容数の整数倍と今回の納入指示必要数が一致した場合、パレットによる輸送効率は最大であると判断され、納入指示個数が確定する(S108)。
【0043】
一方、ステップ(S107)において、パレット収容数の整数倍と今回の納入指示必要数が一致しない場合、必要数の部品をパレットにより輸送する場合、パレットには空きスペースが存在し、パレットの輸送効率が低下していると判断される。
【0044】
そこで、必要個数算出部52は、異種混載グループで将来確実に使用する、つまり将来確実に納入指示する部品(将来使用部品)が存在するか否かの判断を行う(将来部品数量認識ステップ)。この場合、必要個数算出部52が将来部品数量認識手段として機能する。まず、必要個数算出部52は、異種混載残数マスタD/B46を参照して、各品番について、将来の使用計画が存在しない部品を抽出し、後述する先出し対象部品から除外する(S109)。続いて、必要個数算出部52は、異種混載比率算出部50で作成された異種混載比率マスタD/B48を参照して、納入指示時点(納入日)で最も納入指示の可能性の高い品番を抽出し、1個先出し指示する(S110)。この時、必要個数算出部52は、異種混載マスタD/B44に先出し部品の記録を残し(S111)、先出しした部品分を次回の納入指示から排除するために、将来の生産計画から減算する(S112)。なお、先出し部品を抽出する場合、車両12の並びから最も早く使用する部品を厳密に求めるのではなく、車両12の順序を考慮しない日当たり必要数(納入日に必要な数)から求めることが望ましい。これは、計算処理の負荷を軽減するためである。もちろん、負荷を考慮する必要が無い場合には、厳密な計算を行ってもよい。この場合、VLT36、異種混載マスタD/B44、異種混載残数マスタD/B46、異種混載比率マスタD/B48等が将来部品データベースとして機能することとなる。
【0045】
必要個数算出部52は、先出しした部品を今回の納入指示必要数に加算し、その数がパレット収容数の整数倍に一致するか否かの判断を再度行う(S113)。もし、一致した場合、ステップ(S108)に移行し、納入指示個数の確定、つまり納入指示内容の確定を行う。一方、一致しない場合には、ステップ(S109)に移行し、再度、先出し可能な部品の抽出を行い、ステップ(S109)以降の処理を繰り返す(混在指示ステップ)。この場合、必要個数算出部52が混在指示手段として機能する。
【0046】
必要個数算出部52において、先出し部品が抽出され、確定するとその情報が算出結果D/B54に登録され、便当たり指示枚数算出部56は、仕入先マスタD/B32を参照し、納入指示タイミングになったら、先出し処理を加味して今回の納入指示便に対するかんばん(異種混載状態)の枚数を算出しかんばん納入指示データD/B34を作成し、適宜かんばんの発行を行う。なお、上述した各情報は、CRT58を介して、部品納入指示装置18の利用者に提示される。
【0047】
このように、部品の納入指示をする場合に、現実に使用する部品数及び在庫数の旺盛として必要となる部品数に基づく納入指示では、運搬に使用するパレットに搭載空きスペースが存在する場合、生産計画に基づき、将来確実に使用することが確定している部品を選出して、パレットに今回納入指示する部品と共に混載して先出し納入指示を行う。その結果、パレットの搭載効率を向上し、部品の運搬効率を向上することが可能になる。なお、この場合、納入日に必要な部品の納入指示は確実に行われ、かつ必要以上のパレットが追加されないので、先出し納入による在庫スペースの増加を招くことがなく、最適なタイミングで最適な量の納入指示という目的を損ねることはない。
【0048】
ここで、先出し抽出を行う場合の具体的な処理例を示す。
【0049】
例えば、現在の各条件として、異種混載マスタD/B44に登録されている異種混載グループに含まれる混載ID=1に(部品A、部品B、部品C)が登録され、部品の納入間隔を示すかんばんサイクルが(a−b−c)=(1−2−2)、パレット収容数=3個、前回までの納入指示における先出し部品個数を示す、VLT先出し個数は(部品A,部品B,部品C)=(0,0,0):前回までの納入指示で先出し部品指示無しの状態、該当の納入日便、例4月1日1便の納入指示抽出で抽出個数が(部品A,部品B,部品C)=(1,0,0)、異種混載残数マスタD/B46の残数が(部品A,部品B,部品C)=(2,2,1)、異種混載比率マスタD/B48において、ラインオフ計画日4月10日のレコードで、先出し比率は(部品A,部品B,部品C)=(20%,30%,50%)、常に最も比率が高い品番を選択しないための計算記録用の前回先出し比が、(部品A,部品B,部品C)=(0,0,0)であるとする。
【0050】
この場合、まず、必要個数算出部52は、異種混載マスタD/B44を参照し、前回納入指示までのVLT先出し個数をチェックする。今回の場合、VLT先出し個数は(部品A,部品B,部品C)=(0,0,0)なので対象なしとなる。次に、今回の便の納入指示抽出された抽出分を異種混載残数マスタD/B46の残数から減算する。すなわち、抽出個数(1,0,0)なので、残数は(2→1,2,1)となる。
【0051】
続いて、パレット収容数への集計を行う。現在、パレット収容数3に対して、納入指示が確定しているのは、部品Aが1個であり、パレットの収容数に対する差分2個である。まず、1個目の抽出を行う。先出し対処外となる部品は、残数≦0が存在しないのでなし。現在の先出し比率は(部品A,部品B,部品C)=(20%,30%,50%)、前回先出し比は、(部品A,部品B,部品C)=(0,0,0)なので、両者を加算して、公知の目標追跡法を用いると、(部品A,部品B,部品C)=(20%,30%,50%)で最大値の部品Cが選択される。そして、前回先出し比を(部品A,部品B,部品C)=(20%,30%,−50%)に更新する(20+30+50=100を選択した部品Cから減算する)。また、異種混載残数マスタD/B46の残数は部品Cを1個減算して(1,2,1→0)となる。ここで、部品Cは残数0になるので、以降からは先出し対象外になる。また、VLT先出し個数は(部品A,部品B,部品C)=(0,0,0→1)となる。
【0052】
続いて、不足2個目の部品抽出を行う。前述したように部品Cは部品C≦0なので、対象外となり、先出し比率は(部品A,部品B,部品C)=(20%,30%,50%→0%)となる。また、前回先出し比は(部品A,部品B,部品C)=(20%,30%,−50%)である。ここで、両者を加算し、目標追跡法を用いると、(部品A,部品B,部品C)=(40%,60%,−50%)で最大値の部品Bが選択される。そして、前回先出し比を(部品A,部品B,部品C)=(40%,10%,−50%)に更新する(20+30+0=50を選択した部品Bから減算する)。また、異種混載残数マスタD/B46の残数は部品Bを1個減算して(1,2→1,0)となる。そして、VLT先出し個数は(部品A,部品B,部品C)=(0,0→1,1)となる。
【0053】
この結果、先出し処理を行った納入指示数量がパレット収容数と一致し、パレットを用いた運搬効率を最大とすることが可能になる。なお、先出しされる部品は、将来確実に使用される部品であり、また、納入先における納入部品の保管はパレット単位で行われ、在庫スペースはパレットの占有面積で決まるので、先出しを行ってもパレット上の空きスペースが埋まるのみで、納入先において、新たな在庫スペースは必要とされないため、過剰在庫になることはなく、効率的な部品納入指示の目的を損ねることがない。なお、パレットの空きスペース(納入指示数量とパレット収容数の差分)はできる限り縮小し、『ゼロ』にすることが望ましいが、前記異種混載残数マスタD/B46の残数が全て0になった場合には、パレット収容数に対して『ゼロ』でなくても処理は中止する。これは、使用することが確実でない部品の納入指示は不要在庫になるためである。
【0054】
上述の説明では、パレット収容数、納入指示抽出での抽出個数、異種混載残数マスタD/B46の残数等の数値を小さくして簡略的な説明を行ったが、現実的には、パレット収容数は、10個程度またはそれ以上であり、納入指示抽出での抽出個数、異種混載残数マスタD/B46の残数等の数値も大きいが、上述の説明と同様な演算を行うことにより、最適な先出し処理を行うことができる。
【0055】
上述したように、本実施形態においては、異種混載処理を開始する前に、安全在庫や理論在庫に基づく在庫補正を考慮している。その結果、先出し処理の実施頻度を抑制することができる。つまり、従来、車両12の通過実績により必要となる納入指示量がパレット収容数と一致しない場合、先出し処理によって補っていたが、例えば、通過実績により必要となる納入指示量がパレット収容数に対して不足し、在庫補正量が増加調整の場合には、まず、在庫補正量によりパレット収容数に対する差異分を補うことができる。この場合、不必要な先出し処理、つまり、本来必要でない納入指示を抑制すると共に、先出し処理の演算回数を減少させることができるので、処理付加の軽減や演算時間の短縮化を行うことができる。また、逆に、通過実績により必要となる納入指示量が1枚目のパレット収容数を越える状況において、在庫補正量が減少調整の場合には、予め減少調整を行うことにより、実質的な納入指示量の減少となり、使用パレット数の減少に寄与する場合もある。また、減少調整によりパレット収容数の正数倍に一致する場合もあり、上述と同様に先出し処理の演算回数を減少させることができる場合がある。
【0056】
本実施形態において、在庫補正は常時発生するとは限らないし、安全在庫補正のみ、または、理論在庫補正のみ補正が必要になる場合もある。また、安全在庫補正による増減と理論在庫補正による増減が互いに打ち消しあい、実際の補正量が「0」になる場合も存在するが、常に在庫補正を考慮して、必要個数算出部52において、演算を行うことにより、パレットの空きスペースを常時抑制するように納入指示を行うことが可能となる。
【0057】
なお、仕入先への部品納入指示のためにかんばんを発行する形態としては、部品の納入先で、かんばんを発行し、部品納入を行った納入便が仕入先に戻るときに発行されたかんばんを持ち帰り、仕入先に対して納入指示情報を伝達し部品納入作業を行う場合と、部品納入先から通信手段を用いて、電子データーとして納入指示情報を仕入先に伝達し、仕入先においてかんばんを発行し、部品納入作業を行う場合があるが、本実施形態の先出し処理は、いずれの形態においても適用可能で同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、必要個数算出部52が現実部品数量認識手段と、在庫調整量認識手段と、将来部品数量認識手段と、混在指示手段の機能を有するとして説明したが、各手段を独立した処理部として設けてもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、在庫部品数の調整が必要になった場合でも、運搬手段の収容数を満たすような納入指示を行うことができるので、高い運搬効率を常時維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る部品納入指示装置の全体構成及び生産ラインや上位管理システムとの関連を説明する構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る部品納入指示装置による異種混載処理の手順を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係る部品納入指示装置の車両括りを説明する説明図である。
【符号の説明】
10 生産ライン、12 車両、14 マグカード、14a マグカード読取装置、16 工程管理システム、18 部品納入指示装置、20 生産計画システム、22 車両組立順序予定D/B、24 括り号車マスタD/B、26 括り台数マスタD/B、28 引当マスタD/B、30 車両順序実績情報D/B、32 仕入先マスタD/B、34 かんばん納入指示データD/B、36 VLT、38 増減調整部、40 在庫部品D/B、42 入力装置、44 異種混載マスタD/B、46 異種混載残数マスタD/B、48 異種混載比率マスタD/B、50 異種混載比率算出部、52 必要個数算出部、54 算出結果D/B、56 便あたり指示枚数算出部。
Claims (4)
- 生産ラインにおいて、生産されるワークが所定の上流工程を通過した通過情報に基づいて、その下流工程でワークに使用する部品を所定容量の搬送手段に搭載して納入するように納入指示を仕入先に対して行う部品納入指示装置であって、
前記上流工程を生産対象となるワークが通過したときに、前記下流工程において現実に使用する現実使用部品の数量を仕入先毎に認識する現実部品数量認識手段と、
前記下流工程で生産対象となるワークに使用する部品に対して、確保しておくことが必要であると認められる在庫部品の数調整のための数量を仕入先毎に認識する在庫調整量認識手段と、
前記上流工程を将来通過するワークに使用する将来使用部品の数量を仕入先毎に認識する将来部品数量認識手段と、
前記現実使用部品数と在庫部品数と将来使用部品数と前記搬送手段の収容数に基づいて、現実使用部品の納入指示時に、当該現実使用部品の納入を行う搬送手段の中に在庫部品と将来使用部品の少なくとも一方を混在させて、搬送手段の収容数を満たすように納入指示を行う混在指示手段と、
を含むことを特徴とする部品納入指示装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記在庫調整量認識手段は、前記生産ラインにおける安全在庫調整量または理論在庫調整量の少なくとも一方を認識し、納入指示数量に反映させることを特徴とする部品納入指示装置。 - 生産ラインにおいて、生産されるワークが所定の上流工程を通過した通過情報に基づいて、その下流工程でワークに使用する部品を所定容量の搬送手段に搭載して納入するように仕入先に対して行う納入指示をコンピュータを用いて行う部品納入指示方法において、
前記コンピュータは、下流工程において現実に使用する現実使用部品に関する情報を格納した現実使用部品データベースと、前記下流工程で生産対象となるワークに使用する部品に対して、確保しておくことが必要であると認められる在庫部品に関する情報を格納した在庫部品データベースと、前記上流工程を将来通過するワークに使用する将来使用部品に関する情報を格納した将来部品データベースと、を含み、
前記コンピュータは、
前記現実使用部品データベースの有する情報を利用し、前記上流工程を生産対象となるワークが通過したときに、前記現実使用部品の数量を仕入先毎に認識するステップと、
前記在庫部品データベースの有する情報を利用し、前記生産ラインにおける前記在庫部品の数調整のための数量を仕入先毎に認識するステップと、
前記将来部品データベースの有する情報を利用し、前記将来使用部品の数量を仕入先毎に認識するステップと、
前記現実使用部品数と在庫部品数と将来使用部品数と前記搬送手段の収容数に基づいて、現実使用部品の納入指示時に、当該現実使用部品の納入を行う搬送手段の中に在庫部品と将来使用部品の少なくとも一方を混在させて、搬送手段の収容数を満たすように納入指示を行うステップと、
を含むことを特徴とする部品納入指示方法。 - 請求項3記載の方法において、
前記在庫部品の数調整のための納入指示数量を仕入先毎に認識するステップは、
前記生産ラインにおける安全在庫調整量または理論在庫量調整量の少なくとも一方を認識し、納入指示数量に反映させることを特徴とする部品納入指示方法。
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-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002364592A patent/JP2004199218A/ja active Pending
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