JP2004198775A - 識別表示体構造 - Google Patents

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Kashichi Hirota
嘉七 廣田
Junji Fukuda
順二 福田
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Kyowa Electric and Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】掃除が極めて容易であり、見栄えもよく、しかも立体的なパターンの表示が可能な、特に屋外使用に適した識別表示体構造を提供すること。
【解決手段】識別表示体は、表面に識別用の表示が凹部又は凸部として形成された所定形状の成形プラスチック本体と、該プラスチック本体の表面において識別用の表示を表す凹部又は凸部の上に配置された表示用材料層と、該表示用材料層の上からプラスチック本体の表面のほぼ全体を覆うように形成された平滑な表面を有する透明プラスチック材料の被覆層とを備える。識別用の表示はプラスチック本体の表面に凸部として形成することが好ましく、表示用材料層は金属箔であってホットスタンプにより該凸部に付着させられる。この場合、金属箔はクロム箔とすることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表札や看板、或いは自動車用エンブレム、その他の主として屋外で使用される識別表示体構造に関する。特に本発明は、識別用の表示が凹凸形状の部分により形成された識別表示体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の識別表示体は、ABS樹脂等のプラスチック材料の成形により形成されたもの、及びアルミ合金材料のダイキャストにより製造されたものがある。プラスチック材料製の表示体構造の場合には、プラスチック材料を、所定の表示用凹凸パターンが表面に表れるように成形加工し、その上にクロムメッキ等の金属メッキを施し、必要に応じて塗装を行う、という製造方法が採用される。アルミダイキャスト製品の場合は、ダイキャスト工程により所要の表示用凹凸パターンが一体に形成される。ダイキャスト製品は、その後、必要に応じて塗装又はメッキ処理される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような主として屋外で使用される従来の識別表示体構造においては、識別用表示の凹凸が表面に表れるため、凹部にごみや泥等が付着することは避けられない。そして、このようにごみや泥等で汚れた表示体を掃除するのは面倒であり、表示用凹凸パターンの形状によっては掃除が非常に困難になる。
【0004】
本発明は、掃除が極めて容易であり、見栄えもよく、しかも立体的なパターンの表示が可能な、特に屋外使用に適した識別表示体構造を提供することを解決すべき課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による識別表示体は、表面に識別用の表示が凹部又は凸部として形成された所定形状の成形プラスチック本体と、該プラスチック本体の表面において識別用の表示を表す凹部又は凸部の上に配置された表示用材料層と、該表示用材料層の上からプラスチック本体の表面のほぼ全体を覆うように形成された平滑な表面を有する透明プラスチック材料の被覆層とを備える。
【0006】
本発明の好ましい態様によれば、プラスチック本体は、着色された透明又は不透明のプラスチック材料により形成される。また、本発明の別の好ましい態様によれば、識別用の表示はプラスチック本体の表面に凸部として形成され、表示用材料層は金属箔であってホットスタンプにより該凸部に付着させられる。この場合、金属箔はクロム箔とすることが好ましい。本発明においては、識別用の表示には、金属箔に代えて、着色された紙又はフィルムを使用することもできる。さらに、透明プラスチック材料の被覆層は、2種のプラスチック材料を混合することにより硬化反応を生じる2液性材料により形成することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図について説明する。
【0008】
先ず、図1(a)(b)を参照すると、図示された識別表示体は、図1(b)の断面図に見られるように、プラスチック本体1を備える。プラスチック本体1は、射出成形等の公知の方法により成形加工ができる適当なプラスチック材料により製造することができる。適当なプラスチック材料としては、例えばABC樹脂を挙げることができる。
【0009】
図1(c)の拡大断面図に示すように、プラスチック本体1の表面1aには凸部1bと凹部1cが形成され、本実施形態においては、凸部1bにより図1(a)に示すような表示パターンが形成される。凸部1bの上面には、金属箔2が配置される。本実施形態では、金属箔2は、クロム箔である。クロム箔2は、例えばホットスタンプ法など、公知の適当な方法により凸部の上面に付着させることができる。金属箔2に代えて、適当な非金属材料の箔を使用することもできる。例えば、着色の紙又はフィルムを金属箔2に代えて使用することができる。
【0010】
金属箔2の表側には、該金属箔2とプラスチック本体1の表面1a全体を覆うように透明プラスチック材料の被覆層3が形成される。被覆層3を形成するプラスチック材料は、着色、非着色のいずれであってもよい。プラスチック本体1を構成するプラスチック材料は、非着色のものでもよいが、着色されたものが好ましい。プラスチック本体1を着色プラスチック材料により形成すると、プラスチック本体1の凸部1bの立ち上がり面、すなわち側面4が透明被覆層3を通して透けて見え、表示に立体感が備えられる。被覆層3を着色プラスチック材料により形成する実施形態においてこのような効果を達成するためには、プラスチック本体の材料の色と、被覆層3の材料の色を異なるものとする必要がある。
【0011】
本発明による識別表示体の美的効果を高めるために、プラスチック本体1の材料内又は被覆層3の材料内の一方又は両方に、着色又は非着色で光沢性の微細片を混入させることもできる。
【0012】
被覆層3は、公知の方法のいずれによって形成してもよい。被覆層3を形成するプラスチック材料としては、二種類の材料を混合することにより硬化反応を生じる形式の二液性の材料を使用し、これらの材料を均一に混合してプラスチック本体の表面に塗布することが好ましい。本発明において使用するのに適した材料としては、二種類の材料の一方は、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール又はアクリルポリオールであり、他方は、例えばヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネートである。本発明において使用するに適した他の材料としては、例えば二種類の材料の一方としてエポキシ樹脂、他方としてポリアミンまたはポリアミド樹脂が挙げられる。
【0013】
図2及び図3は、二液性のプラスチック材料を用いて被覆層3を形成する本発明の実施形態において使用可能な塗布装置を示す概略斜視図及び概略断面図である。図示した装置は、矢印A方向に移動可能な複数のコンベアCを備える。このコンベアCは、凸部1bに金属箔2が配置されたプラスチック本体1を支持し移動させるためのものである。コンベアCの移動方向Aに沿ってプラスチック材料の塗布位置A−1と固化位置A−2が設けられる。図2に示すように、塗布位置A−1においては、コンベアCの上方にノズル6が配置される。ノズル6の上方には、未硬化状態のプラスチック材料の第1原液を収容する第1原料タンク7と第2原液を収容する第2原料タンク8が設けられる。本実施形態では、第1原液としてポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール又はアクリルポリオールに所定の触媒を含むものを使用し、第2原液としてヘキサメチレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネートを使用する。別の態様においては、第1原液としてエポキシ樹脂を使用し、第2原液としてポリアミン又はポリアミド樹脂を使用する。原料タンク7、8の上部は密閉され、上部空間は真空吸引パイプ14aを介して真空ポンプ14に接続される。本実施形態では、一対の混合部9が設けられる。各混合部9は、原料タンク7からの第1原液を計量して送る第1原料ギアポンプ9aと、原料タンク8からの第2原液を計量して送る第2原料ギアポンプ9bとを備え、これらギアポンプ9a、9bの吐出口は、それぞれバルブ10a、11aを備える流路10、11を介して混合室9cに接続される。
【0014】
ギアポンプ9a、9bは共通のモータ9dにより歯車機構9eを介して駆動される。ギアポンプ9a、9bの容量と歯車機構9eの歯車比は、プラスチック材料の第1原液と第2原液との混合比が1対0.77ないし1対0.84になるように設定することが好ましい。混合室9cは、混合手段を構成する混合チューブ9fの一端に接続される。混合チューブ9fは、図3に示すように、細長いチューブ12と該チューブ12内に自由状態で挿入された混合スクリュー13を備える。混合スクリュー13は、硬質プラスチック材料により形成され、所定距離ごとに螺旋の方向が逆転するスクリュー素子13aを有する。チューブ12と混合スクリュー13とからなる混合チューブ9fは、混合室9cとは反対側の端部がノズル6の一端部に接続される。
【0015】
この装置の作動においては、先ず真空ポンプ14を作動させて原料タンク7、8内の空気を吸引し、第一原液及び第二原液の脱気を行う。この脱気により、塗布層に気泡が混入するのを確実に防止することができる。次に、バルブ10a、11a、を開いた状態でモーター9dを作動させ、プラスチック材料の第一原液と第二原液を混合させてノズル6に供給する。混合スクリュー13は、所定距離ごとに螺旋の方向が逆転するスクリュー素子13aを複数個有するので、第一原液と第二原液は、交互に流れの旋回方向を逆転させながら混合チューブ9f内を進み、その間に均一な混合が達成される。混合スクリュー13は所定距離ごとに螺旋の方向が逆転するスクリュー素子13aを複数個有するので、自由状態で配置されていても、プラスチック材料の流れにより回転することはない。また、僅かな回転を生じても、混合に支障はない。
【0016】
ノズル6から材料を吐出しながらコンベアCを移動させ、該コンベアCに表面1aを上向きにして支持されたプラスチック本体1上にプラスチック材料を塗布する。コンベアCの移動速度は、2ないし10cm/secとすることが好ましい。塗布条件が室温に影響されないようにするためには、塗布される材料の温度を室温より幾分高めに設定することが好ましい。例えば、材料の温度を30℃ないし45℃とすることが好ましい。一様な厚さの塗布層を得るためには、ノズル6aから吐出される材料の粘度を500ないし5000cps、好ましくは、500ないし3000cpsに維持する。粘度が低すぎると、材料の流動性のために、プラスチック本体1の表面の立ち上がり面に垂れを生じる。また、粘度が高すぎると、塗布層が完全には平滑にならず、その表面に凹凸を生じる。
【0017】
上述した塗布により、所定の厚さの塗布層が形成される。なお、固化位置A−2においては、塗布層に対して遠赤外線を照射して硬化を促進することが望ましい。
【0018】
以上の塗布工程により、平滑な表面をもつ被覆層3をプラスチック本体1及び金属箔2の上に形成することが可能になる。このようにして得られる識別表示体は、プラスチック本体1の表面1aに凸部1bにより表示パターンが形成され、この表示パターンは、プラスチック本体1の表面1aに形成された凹部1cと相俟って表示に立体感を与える。そして、プラスチック本体1の表面1aは、凸部1bの上の金属箔2を覆うように平滑な表面を有する透明プラスチック材料の被覆層3が形成されるので、表示パターンを構成する凹凸部にごみや泥がたまって美観を損なうことがない。また、被覆層3の表面にごみや泥が付着しても、該被覆層3の表面は平滑であるので、清掃が容易である。本発明においては、プラスチック本体の凹部1cにより表示パターンを形成する場合も、金属箔2に代えて他の微細片や塗装を用いる場合も、同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による識別表示体を示すものであって、(a)はその平面図、(b)は断面図、(c)は一部を拡大して示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態による識別表示体の製造に使用するのに適したプラスチック塗布装置の概略斜視図である。
【図3】図2に示す塗布負装置に使用される混合チューブの軸方向断面図である。
【符号の説明】
1・・・プラスチック本体、1a・・・表面、1b・・・凸部、
1c・・・凹部、2・・・金属箔、3・・・被覆層、4・・・側面

Claims (6)

  1. 表面に識別用の表示が凹部又は凸部として形成された所定形状の成形プラスチック本体と、前記プラスチック本体の表面において前記識別用の表示を表す凹部又は凸部の上に配置された表示用材料層と、前記表示用材料層の上から前記プラスチック本体の前記表面のほぼ全体を覆うように形成された平滑な表面を有する透明プラスチック材料の被覆層とを備えることを特徴とする識別表示体構造。
  2. 請求項1に記載した識別表示体構造であって、前記プラスチック本体は、着色された透明又は不透明のプラスチック材料により形成されたことを特徴とする識別表示体構造。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された識別表示体構造であって、前記識別用の表示は前記プラスチック本体の前記表面に凸部として形成され、前記表示用材料層は金属箔であってホットスタンプにより前記凸部に付着させられたものであることを特徴とする識別表示体構造。
  4. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された識別表示体構造であって、前記識別用の表示は前記プラスチック本体の前記表面に凸部として形成され、前記表示用材料層は着色された紙又はフィルムであることを特徴とする識別表示体構造。
  5. 請求項3に記載した識別表示体構造であって、前記金属箔はクロム箔であることを特徴とする識別表示体構造。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載した識別表示体構造であって、前記透明プラスチック材料の被覆層は、2種のプラスチック材料を混合することにより硬化反応を生じる2液性材料により形成されたことを特徴とする識別表示体構造。
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