JP2004198697A - 半導体パルス光源 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の半導体レーザと光変調器とを組み合わせた半導体パルス光源においては、光変調器からの変調周波数での電気反射を低減するためにチップコンデンサが光変調器の近傍に設置されており、これら両者は金線ワイヤで接続されている。しかし、この金線ワイヤのインダクタンスとチップコンデンサとの特性の影響を受けて、数10GHz以上では光変調効率が低下していた。このため超高周波でも効率の良い光変調の実現が課題となっていた。
【解決手段】光変調器と同一基板上に光変調器に隣接してコンデンサを設置することにより金線ワイヤの長さ、すなわち金線ワイヤのインダクタンスを小さくすることにより高周波側での効率を向上した。また、バイアスティを使用することなくDCバイアス電圧をコンデンサを介して直接光変調器に印加することによりバイアスティによるロスも軽減し得た。
【選択図】図1
【解決手段】光変調器と同一基板上に光変調器に隣接してコンデンサを設置することにより金線ワイヤの長さ、すなわち金線ワイヤのインダクタンスを小さくすることにより高周波側での効率を向上した。また、バイアスティを使用することなくDCバイアス電圧をコンデンサを介して直接光変調器に印加することによりバイアスティによるロスも軽減し得た。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高速光通信で必要とされる10GHzをこえる高い繰返し周波数で、効率良く光パルスを発生する半導体パルス光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−024018号公報「光パルス発生装置」
超高速光パルス発生装置としては「特許文献1」に開示されている構成が知られている。図3(a)はこの従来例としての半導体パルス光源を説明するための図であり、半導体発光部は半導体利得部1と光変調器2とで構成されている。半導体利得部1には外部のDC電流源3より一定電流が注入されている。外部の高周波電源4から一定の周波数の高周波が供給され、高周波増幅器5を用いて増幅された後、バイアスティ14を介し、高周波を伝搬するためのストリップライン6を通してインダクタンスを有する金線ワイヤ7で光変調器2の電極8に接続され、光変調器2に高周波電源4からの高周波電圧を加えることにより半導体レーザの発光強度が変調される。ここで、上記のバイアスティ14を介して外部のDC電圧源13を用いて光変調器2に直流バイアス電圧を加えている。
この半導体パルス光源の近傍にはチップコンデンサ15が設置されており、変調周波数での電気反射の低減を目的として光変調器2の電極8に金線ワイヤ9を介して接続されている。
【0003】
半導体利得部1と光変調器2より構成される光共振器において、光パルスの往復時間の逆数で決まる周波数で光変調器2を変調すると、いわゆる能動モード同期により短いパルス光出力が得られる。図3(b)は図3(a)における光変調器2とその周辺回路を等価回路で示したものであり、光変調器2に対して、抵抗RとコンデンサCの直列回路という単純化したモデルを用いているおり、2本の金属ワイヤ7および9に対してはインダクタンスL1およびL2で表示している。図3(c)に、この構成によるストリップラインの入力側である図3(a)におけるA点で測定した電気反射(S11)特性の測定結果を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成では、図3(c)に示したように、25GHz近傍以上の高周波で高周波電力の反射が−10dB以上となり、高周波を有効に供給出来ていないことがわかる。この反射を低減し変調効率を高めるためには、光変調器2とチップコンデンサ15を結合する金線ワイヤ9が有するインダクタンスを小さくする必要がある。しかし、チップコンデンサ15を光変調器2の近傍に設置しようとしても、光変調器2からの出射光をモニタするためのスペースが必要である等の理由により、十分には近付けることができなかった。その結果、光変調器2とチップコンデンサ15を結合する金線ワイヤ9の長さが300μm以上と長くなり、そのインダクタンスは300pH程度と大きくなった。また、チップコンデンサ15と光変調器2の配置によって、金線ワイヤ9の長さにばらつきが生じ、電気反射特性にもばらつきが生じていた。その結果、高周波電力が有効に光変調器2に供給されず、超高速光パルスを得るにはこれら反射による損失分を補うような大きな高周波電力が必要となる問題があった。さらに、光変調器に直流(DC)バイアス電圧を印加するためのインダクタとキャパシタが金属ケースに収納された構造のバイアスティ14においても挿入損失が発生している問題があった。このため、光パルス変調を行なう際の損失あるいは反射の少ない高能率の光パルス光源の実現が課題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1においては、高周波電圧を加えることにより光の強度、あるいは位相を変調する光変調器が半導体基板上に形成された半導体パルス光源において、該光変調器の近傍に半導体層と絶縁膜と金属薄膜とからなるコンデンサが同一半導体基板上に形成されており、該光変調器と該コンデンサが細長い金属導体で結合されており、高周波電圧を該光変調器に供給することを目的として外部に設置された高周波ストリップラインと該光変調器が細長い金属導体で結合され、DC電圧を該光変調器に供給することを目的として外部に設置された端子と該コンデンサが細長い金属導体で結合されている構成の半導体パルス光源について規定している。
【0006】
請求項2においては、光半導体パルス光源において、光を発生する半導体利得部が、光変調器と同一の半導体基板上に形成されている構成の請求項1記載の半導体パルス光源について規定している。
【0007】
請求項3においては、上記光半導体パルス光源を、光を発生する半導体利得部として一定強度で単一モードの連続レーザ発振をする光源と、高周波信号により光変調を行う光変調器とを含む構成とし、該光源と該光変調器とを光ファイバーで結合した構成の請求項1記載の半導体パルス光源について規定している。
【0008】
請求項4においては、上記光半導体パルス光源において、光を発生する半導体利得部と発振波長を制御するためのグレーティング(回折格子)とを同一の半導体基板上に形成した構成の請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体パルス光源について規定している。
【0009】
【作用】
本発明においては図1(a)に示すように、外部の高周波電源4から供給される高周波電力は、高周波増幅器5を用いて増幅された後、ストリップライン6を通り、金線ワイヤ7により光変調器2に接続される。ここで、チップコンデンサ10は光変調器2と同一基板上に形成し金線ワイヤ9を介して光変調器2の電極8に接続されている。このコンデンサ10と端子12とを別の金線ワイヤ11で接続し、外部のDC電圧源13を用いてDCバイアス電圧を印加する構造としている。この場合の等価回路は図1(b)に示すように、金線ワイヤ11のインダクタンス(L3)と、光変調器2の直列抵抗Rと容量Cと、チップコンデンサ10の容量Cdとで構成され、これにより図1(c)に示す計算結果から分かるように、ある高周波の帯域(図では40GHz)でインピーダンス整合し、電気的反射(S11)が最小になる周波数を高周波側に移動することにより、高周波側での電気的反射(S11)を低減することが出来るようになる。また、DCバイアス電圧をコンデンサ10を介して外部からDC電圧を印加することにより、バイアスティを除くことができる。これによりバイアスティ14での高周波での挿入損失を消滅することが出来、かつ構成を単純にすることが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を図により説明する。
(実施の形態1)
第1の実施の形態例を図1(a)に示す。
InGaAsPを組成とする多重量子井戸からなる半導体利得部1と光変調器2とが同一InP基板上に光導波路を形成するように作製された、いわゆるレーザ共振構造となっている。半導体利得部1には外部のDC電流源3より一定電流を注入することで光出力が得らられる。光変調器2は、いわゆる電界吸収型(EA)変調器であり、逆方向電圧を印加することで光ロスが増大し光出力の強度変調をすることができる。外部の高周波電源4からの高周波出力は高周波増幅器5で増幅された後、高周波電圧を伝搬するためのストリップライン6とインダクタンスを有する約200ミクロン長の金線ワイヤ7とを経由して光変調器の電極8に印加される。
【0011】
また、光変調器2の近傍に約250ミクロン角のコンデンサ10を形成しており、このコンデンサ10はインダクタンスを有する約150ミクロン長の金線ワイヤ9で光変調器2の電極8に接続されており、同時に上記コンデンサ10と端子12とは他の金線ワイヤ11で接続されており、端子12には外部のDC電圧源13が接続されている。コンデンサ10は図2(b)に断面図を示すように、光変調器2と同一基板上にSiO2絶縁膜18、および半導体層19を金属薄膜21と下部電極20により挟んだ平行平板型の構造で形成されている。光変調器2に高周波電圧を印加することにより光強度が変調される。半導体利得部1と光変調器2とにより構成された光共振器において、光往復時間の逆数で決まる周波数で光変調器2を変調すると、いわゆる能動モード同期により短いパルス光出力が得られる。光変調器2に接続されたコンデンサ10により外部のDC電圧源13からのバイアス電圧を光変調器の電極8に加えることが可能となり、光変調器2の動作電位を最適値に設定することが可能となる。
【0012】
図1(b)は光変調器2の部分の等価回路であり、ストリップライン6の特性インピーダンスは50オーム、金線ワイヤ7のインダクタンス(L1)は200pH、光変調器2の直列抵抗(R)は25オーム、容量(C)は0.18pF、金線ワイヤ9のインダクタンス(L2)は150pH、コンデンサ10(Cd)の容量は1.2pFとしている。図1(c)は、この等価回路による電力反射(S11)の計算結果を示す。この例では40GHz近傍で反射が急激に低下している。反射が最小となる周波数は光変調器2の容量(C)と抵抗(R)と金線ワイヤ9のインダクタンス(L2)によってほぼ決まり、容量(C)とインダクタンス(L2)が低下するとこの反射が最小となる周波数は増大する。したがって、金線ワイヤ9の長さを調整することで所望のインダクタンス(L2)値が得られる。金線ワイヤ7の長さについては、光変調器2に接続されてはいるが、電気反射特性(S11)は金線ワイヤ7の持つインダクタンス(L1)への依存性が相対的に弱く、自由度がある。
【0013】
光変調器2とコンデンサ10を結合する金線ワイヤ9は同一半導体基板上に、金等の金属でエアーブリッジを形成して置き換えることも可能である。こうすれば、さらに再現性よく所望のインダクタンスを精度よく得ることができる。
光波長とスペクトル幅を所望の値とするために、図示しないが半導体利得部1と光変調器2とからなる上記レーザ共振器構造の一部に、グレーティングを形成し分布ブラッグ反射器(DBR)を設けた場合も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0014】
(実施の形態2)
図2(a)に他の実施の形態例を示す。図2(a)は光変調器2がInP基板上に形成されている場合である。すなわち、図1(a)における光利得部1に相当する部分として外部の単一モードのCW光源16から一定強度の光を、光ファイバ17を介して光変調器2に結合し、光変調器2により高周波で変調して光パルスを得ている。本実施の形態2においても光変調器2の近傍にコンデンサ10を形成しており、実施の形態1と同様な回路を構成することにより、高周波を有効に供給することが出来る。
以上の回路構成は、分布帰還型(DFB)レーザが同一基板上に集積された光変調器においても同様に有効である。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における実施の形態1の構成により、10GHz以上の高い繰り返し周波数における電力反射を低減することが出来、また、バイアスティによる電力損失を除去することも出来るようになり、効率良く光パルスの発生が可能となった。また、実施の形態2においては光変調部を切り離して半導体パルス光源を構成することが可能となるため、半導体パルス光源構成上の自由度を向上することが出来、より適用範囲の広い半導体パルス光源が実現出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明第1の実施の形態例を示す構造断面図、(b)前記断面図に対する等価回路図、(c)前記回路による電力反射の特性図。
【図2】(a)本発明第2の実施の形態を示す構造断面図、(b)光源部半導体レーザの構造断面図。
【図3】(a)従来の光パルス光源の構造断面図、(b)前記断面図に対する等価回路図、(c)前記回路による電力反射の特性図。
【符号の説明】
1:半導体利得部 2:光変調器
3:DC電流源 4:高周波電源
5:高周波増幅器 6:ストリップライン
7:金線ワイヤ 8:光変調器の電極
9:金線ワイヤ 10:コンデンサ
11:金線ワイヤ 12:端子
13:DC電圧源 14:バイアスティ
15:チップコンデンサ 16:CW光源
17:光ファイバー 18:絶縁膜
19:半導体層 20:下部電極
21:金属薄膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高速光通信で必要とされる10GHzをこえる高い繰返し周波数で、効率良く光パルスを発生する半導体パルス光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11−024018号公報「光パルス発生装置」
超高速光パルス発生装置としては「特許文献1」に開示されている構成が知られている。図3(a)はこの従来例としての半導体パルス光源を説明するための図であり、半導体発光部は半導体利得部1と光変調器2とで構成されている。半導体利得部1には外部のDC電流源3より一定電流が注入されている。外部の高周波電源4から一定の周波数の高周波が供給され、高周波増幅器5を用いて増幅された後、バイアスティ14を介し、高周波を伝搬するためのストリップライン6を通してインダクタンスを有する金線ワイヤ7で光変調器2の電極8に接続され、光変調器2に高周波電源4からの高周波電圧を加えることにより半導体レーザの発光強度が変調される。ここで、上記のバイアスティ14を介して外部のDC電圧源13を用いて光変調器2に直流バイアス電圧を加えている。
この半導体パルス光源の近傍にはチップコンデンサ15が設置されており、変調周波数での電気反射の低減を目的として光変調器2の電極8に金線ワイヤ9を介して接続されている。
【0003】
半導体利得部1と光変調器2より構成される光共振器において、光パルスの往復時間の逆数で決まる周波数で光変調器2を変調すると、いわゆる能動モード同期により短いパルス光出力が得られる。図3(b)は図3(a)における光変調器2とその周辺回路を等価回路で示したものであり、光変調器2に対して、抵抗RとコンデンサCの直列回路という単純化したモデルを用いているおり、2本の金属ワイヤ7および9に対してはインダクタンスL1およびL2で表示している。図3(c)に、この構成によるストリップラインの入力側である図3(a)におけるA点で測定した電気反射(S11)特性の測定結果を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成では、図3(c)に示したように、25GHz近傍以上の高周波で高周波電力の反射が−10dB以上となり、高周波を有効に供給出来ていないことがわかる。この反射を低減し変調効率を高めるためには、光変調器2とチップコンデンサ15を結合する金線ワイヤ9が有するインダクタンスを小さくする必要がある。しかし、チップコンデンサ15を光変調器2の近傍に設置しようとしても、光変調器2からの出射光をモニタするためのスペースが必要である等の理由により、十分には近付けることができなかった。その結果、光変調器2とチップコンデンサ15を結合する金線ワイヤ9の長さが300μm以上と長くなり、そのインダクタンスは300pH程度と大きくなった。また、チップコンデンサ15と光変調器2の配置によって、金線ワイヤ9の長さにばらつきが生じ、電気反射特性にもばらつきが生じていた。その結果、高周波電力が有効に光変調器2に供給されず、超高速光パルスを得るにはこれら反射による損失分を補うような大きな高周波電力が必要となる問題があった。さらに、光変調器に直流(DC)バイアス電圧を印加するためのインダクタとキャパシタが金属ケースに収納された構造のバイアスティ14においても挿入損失が発生している問題があった。このため、光パルス変調を行なう際の損失あるいは反射の少ない高能率の光パルス光源の実現が課題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1においては、高周波電圧を加えることにより光の強度、あるいは位相を変調する光変調器が半導体基板上に形成された半導体パルス光源において、該光変調器の近傍に半導体層と絶縁膜と金属薄膜とからなるコンデンサが同一半導体基板上に形成されており、該光変調器と該コンデンサが細長い金属導体で結合されており、高周波電圧を該光変調器に供給することを目的として外部に設置された高周波ストリップラインと該光変調器が細長い金属導体で結合され、DC電圧を該光変調器に供給することを目的として外部に設置された端子と該コンデンサが細長い金属導体で結合されている構成の半導体パルス光源について規定している。
【0006】
請求項2においては、光半導体パルス光源において、光を発生する半導体利得部が、光変調器と同一の半導体基板上に形成されている構成の請求項1記載の半導体パルス光源について規定している。
【0007】
請求項3においては、上記光半導体パルス光源を、光を発生する半導体利得部として一定強度で単一モードの連続レーザ発振をする光源と、高周波信号により光変調を行う光変調器とを含む構成とし、該光源と該光変調器とを光ファイバーで結合した構成の請求項1記載の半導体パルス光源について規定している。
【0008】
請求項4においては、上記光半導体パルス光源において、光を発生する半導体利得部と発振波長を制御するためのグレーティング(回折格子)とを同一の半導体基板上に形成した構成の請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体パルス光源について規定している。
【0009】
【作用】
本発明においては図1(a)に示すように、外部の高周波電源4から供給される高周波電力は、高周波増幅器5を用いて増幅された後、ストリップライン6を通り、金線ワイヤ7により光変調器2に接続される。ここで、チップコンデンサ10は光変調器2と同一基板上に形成し金線ワイヤ9を介して光変調器2の電極8に接続されている。このコンデンサ10と端子12とを別の金線ワイヤ11で接続し、外部のDC電圧源13を用いてDCバイアス電圧を印加する構造としている。この場合の等価回路は図1(b)に示すように、金線ワイヤ11のインダクタンス(L3)と、光変調器2の直列抵抗Rと容量Cと、チップコンデンサ10の容量Cdとで構成され、これにより図1(c)に示す計算結果から分かるように、ある高周波の帯域(図では40GHz)でインピーダンス整合し、電気的反射(S11)が最小になる周波数を高周波側に移動することにより、高周波側での電気的反射(S11)を低減することが出来るようになる。また、DCバイアス電圧をコンデンサ10を介して外部からDC電圧を印加することにより、バイアスティを除くことができる。これによりバイアスティ14での高周波での挿入損失を消滅することが出来、かつ構成を単純にすることが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を図により説明する。
(実施の形態1)
第1の実施の形態例を図1(a)に示す。
InGaAsPを組成とする多重量子井戸からなる半導体利得部1と光変調器2とが同一InP基板上に光導波路を形成するように作製された、いわゆるレーザ共振構造となっている。半導体利得部1には外部のDC電流源3より一定電流を注入することで光出力が得らられる。光変調器2は、いわゆる電界吸収型(EA)変調器であり、逆方向電圧を印加することで光ロスが増大し光出力の強度変調をすることができる。外部の高周波電源4からの高周波出力は高周波増幅器5で増幅された後、高周波電圧を伝搬するためのストリップライン6とインダクタンスを有する約200ミクロン長の金線ワイヤ7とを経由して光変調器の電極8に印加される。
【0011】
また、光変調器2の近傍に約250ミクロン角のコンデンサ10を形成しており、このコンデンサ10はインダクタンスを有する約150ミクロン長の金線ワイヤ9で光変調器2の電極8に接続されており、同時に上記コンデンサ10と端子12とは他の金線ワイヤ11で接続されており、端子12には外部のDC電圧源13が接続されている。コンデンサ10は図2(b)に断面図を示すように、光変調器2と同一基板上にSiO2絶縁膜18、および半導体層19を金属薄膜21と下部電極20により挟んだ平行平板型の構造で形成されている。光変調器2に高周波電圧を印加することにより光強度が変調される。半導体利得部1と光変調器2とにより構成された光共振器において、光往復時間の逆数で決まる周波数で光変調器2を変調すると、いわゆる能動モード同期により短いパルス光出力が得られる。光変調器2に接続されたコンデンサ10により外部のDC電圧源13からのバイアス電圧を光変調器の電極8に加えることが可能となり、光変調器2の動作電位を最適値に設定することが可能となる。
【0012】
図1(b)は光変調器2の部分の等価回路であり、ストリップライン6の特性インピーダンスは50オーム、金線ワイヤ7のインダクタンス(L1)は200pH、光変調器2の直列抵抗(R)は25オーム、容量(C)は0.18pF、金線ワイヤ9のインダクタンス(L2)は150pH、コンデンサ10(Cd)の容量は1.2pFとしている。図1(c)は、この等価回路による電力反射(S11)の計算結果を示す。この例では40GHz近傍で反射が急激に低下している。反射が最小となる周波数は光変調器2の容量(C)と抵抗(R)と金線ワイヤ9のインダクタンス(L2)によってほぼ決まり、容量(C)とインダクタンス(L2)が低下するとこの反射が最小となる周波数は増大する。したがって、金線ワイヤ9の長さを調整することで所望のインダクタンス(L2)値が得られる。金線ワイヤ7の長さについては、光変調器2に接続されてはいるが、電気反射特性(S11)は金線ワイヤ7の持つインダクタンス(L1)への依存性が相対的に弱く、自由度がある。
【0013】
光変調器2とコンデンサ10を結合する金線ワイヤ9は同一半導体基板上に、金等の金属でエアーブリッジを形成して置き換えることも可能である。こうすれば、さらに再現性よく所望のインダクタンスを精度よく得ることができる。
光波長とスペクトル幅を所望の値とするために、図示しないが半導体利得部1と光変調器2とからなる上記レーザ共振器構造の一部に、グレーティングを形成し分布ブラッグ反射器(DBR)を設けた場合も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0014】
(実施の形態2)
図2(a)に他の実施の形態例を示す。図2(a)は光変調器2がInP基板上に形成されている場合である。すなわち、図1(a)における光利得部1に相当する部分として外部の単一モードのCW光源16から一定強度の光を、光ファイバ17を介して光変調器2に結合し、光変調器2により高周波で変調して光パルスを得ている。本実施の形態2においても光変調器2の近傍にコンデンサ10を形成しており、実施の形態1と同様な回路を構成することにより、高周波を有効に供給することが出来る。
以上の回路構成は、分布帰還型(DFB)レーザが同一基板上に集積された光変調器においても同様に有効である。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における実施の形態1の構成により、10GHz以上の高い繰り返し周波数における電力反射を低減することが出来、また、バイアスティによる電力損失を除去することも出来るようになり、効率良く光パルスの発生が可能となった。また、実施の形態2においては光変調部を切り離して半導体パルス光源を構成することが可能となるため、半導体パルス光源構成上の自由度を向上することが出来、より適用範囲の広い半導体パルス光源が実現出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明第1の実施の形態例を示す構造断面図、(b)前記断面図に対する等価回路図、(c)前記回路による電力反射の特性図。
【図2】(a)本発明第2の実施の形態を示す構造断面図、(b)光源部半導体レーザの構造断面図。
【図3】(a)従来の光パルス光源の構造断面図、(b)前記断面図に対する等価回路図、(c)前記回路による電力反射の特性図。
【符号の説明】
1:半導体利得部 2:光変調器
3:DC電流源 4:高周波電源
5:高周波増幅器 6:ストリップライン
7:金線ワイヤ 8:光変調器の電極
9:金線ワイヤ 10:コンデンサ
11:金線ワイヤ 12:端子
13:DC電圧源 14:バイアスティ
15:チップコンデンサ 16:CW光源
17:光ファイバー 18:絶縁膜
19:半導体層 20:下部電極
21:金属薄膜
Claims (4)
- 高周波電圧を加えることにより光の強度、あるいは位相を変調する光変調器が半導体基板上に形成された半導体パルス光源において、
該光変調器の近傍に半導体層と絶縁膜と金属薄膜とからなるコンデンサが同一半導体基板上に形成されており、
該光変調器と該コンデンサが細長い金属導体で結合されており、高周波電圧を該光変調器に供給することを目的として外部に設置された高周波ストリップラインと該光変調器が細長い金属導体で結合され、
DC電圧を該光変調器に供給することを目的として外部に設置された端子と該コンデンサが細長い金属導体で結合されている
ことを特徴とする半導体パルス光源。 - 上記光半導体パルス光源において、光を発生する半導体利得部が、光変調器と同一の半導体基板上に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の半導体パルス光源。 - 上記光半導体パルス光源を、光を発生する半導体利得部として一定強度で単一モードの連続レーザ発振をする光源と、高周波信号により光変調を行う光変調器とを含む構成とし、
該光源と該光変調器とを光ファイバーで結合した
ことを特徴とする請求項1記載の半導体パルス光源。 - 上記光半導体パルス光源において、
光を発生する半導体利得部と発振波長を制御するためのグレーティングとを同一の半導体基板上に形成した
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の半導体パルス光源。
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- 2002-12-18 JP JP2002366544A patent/JP2004198697A/ja active Pending
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