JP2004198685A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高さが均一で位置及びサイズの精度の優れたスペーサを形成したカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板上に少なくとも複数色の着色画素パターンからなるカラーフィルタ層が形成され、さらにパターン状にスペーサーが形成されたカラーフィルタにおいて、当該スペーサーの形成工程を、1.支持体上にスペーサーとなる感光性樹脂組成物を積層した感光性樹脂フィルムを、感光性樹脂組成物層と前記透明基板上に形成されたカラーフィルタ層とが接するように重ね合わせ、2.遮光パターンを有するマスクを介して、前記感光性樹脂組成物層にパターン露光を施し、3.前記感光性樹脂組成物層の不要部位を前記支持体と共に剥離除去し、必要部位のみを前記カラーフィルタ層上に残留させ、最後に4.残留させた前記必要部位を後硬化により前記カラーフィルタ層上にに定着させスペーサーとする、カラーフィルタの製造方法とする。
【選択図】図4
【解決手段】透明基板上に少なくとも複数色の着色画素パターンからなるカラーフィルタ層が形成され、さらにパターン状にスペーサーが形成されたカラーフィルタにおいて、当該スペーサーの形成工程を、1.支持体上にスペーサーとなる感光性樹脂組成物を積層した感光性樹脂フィルムを、感光性樹脂組成物層と前記透明基板上に形成されたカラーフィルタ層とが接するように重ね合わせ、2.遮光パターンを有するマスクを介して、前記感光性樹脂組成物層にパターン露光を施し、3.前記感光性樹脂組成物層の不要部位を前記支持体と共に剥離除去し、必要部位のみを前記カラーフィルタ層上に残留させ、最後に4.残留させた前記必要部位を後硬化により前記カラーフィルタ層上にに定着させスペーサーとする、カラーフィルタの製造方法とする。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルを構成する2枚の基板間に介在して両基板を支持する液晶パネル用スペーサーを有するカラーフィルタの製造方法に関し、中でも液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、透明絶縁性基板上に複数個の薄膜トランジスタ(TFT)のような液晶駆動用素子を備え、他方ブラックマトリックスおよび複数色の着色画素パターンからなるカラーフィルタのような色分解用光学素子を備えた一対の基板を対置させて、この時、いずれかの基板上(通常は着色用光学素子を形成した基板であるが両方の基板の場合もある)に透明導電膜、配向膜を順次積層させた後に、液晶層の厚さを決定するために透明な真球状あるいは円筒状の粒子をスペーサーとして散布した後、両基板間に液晶を封入して構成される。
【0003】
上記従来の方法においては、スペーサーを載置する位置を決定することは事実上不可能であるため、有効画素パターン(着色層部)上にスペーサーが存在する場合が生じ、そのためコントラストが低下したり、または駆動素子上に存在する場合には、強い応力がかかると素子が破壊されてしまうという問題があった。
【0004】
これらの問題を解決するために、カラーフィルタ層上に透明な紫外線硬化型樹脂を塗布し、有効着色画素パターン上以外および駆動素子部以外の部分を硬化させ、その後不要部位である未露光部位を現像により除去して必要部位である硬化部位をスペーサーとする形成方法が提案されているが、この方法によると、紫外線硬化型樹脂の塗布、乾燥、現像と工程が煩雑になるばかりでなく、均一な高さのスペーサーの形成が困難であり、また塗布時にスピンナーを使用するため材料の使用効率が非常に低く、コスト的にも好ましくなかった。
【0005】
さらに、特許文献1等によれば、湿式による現像工程を必要とするため、現像液により配向膜を侵す危険があったり、現像、リンス、水洗用の装置と非常に大掛かりとなるため設備面からも好ましくない。また、廃現像液が生じ環境上好ましくないばかりでなく、その処理の問題まで生じてくる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−221910号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記諸問題を一度に解決でき、簡便な方法にて、位置及びサイズの精度の優れたスペーサーを有する液晶パネル用カラーフィルタの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る第1の発明は、透明基板上に少なくとも複数色の着色画素パターンからなるカラーフィルタ層が形成され、さらにパターン状にスペーサーが形成されたカラーフィルタにおいて、当該スペーサーの形成工程は少なくとも、
1.支持体上にスペーサーとなる感光性樹脂組成物層を積層した感光性樹脂フィルムを、前記感光性樹脂組成物層と前記透明基板上に形成されたカラーフィルタ層とが接するように重ね合わせる工程、
2.遮光パターンを有するマスクを介して、前記感光性樹脂組成物層にパターン露光を施す工程、
3.前記感光性樹脂組成物層の不要部位を前記支持体と共に剥離除去し、必要部位のみを前記カラーフィルタ層上に残留させる工程、
4.残留させた前記必要部位を後硬化により前記カラーフィルタ層上にに定着させスペーサーとする工程、
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0009】
請求項2に係る第2の発明は、前記感光性樹脂組成物層の必要部位が前記カラーフィルタ層上に残された露光硬化部位であり、不要部位が前記支持体と共に剥離除去される未露光部位であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0010】
請求項3に係る第3の発明は、前記カラーフィルタ層は更に透明導電膜層を有することを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0011】
請求項4に係る第4の発明は、前記カラーフィルタ層は更に保護膜層を有することを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0012】
請求項5に係る第5の発明は、前記カラーフィルタ層は更に配向膜層を有することを特徴とする請求項3または4記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の請求項1に係る製造方法によるスペーサー付きカラーフィルタを示す説明図である。図2は本発明の請求項3に係る製造方法によるスペーサー付きカラーフィルタを示す説明図である。図3及び図4は本発明の請求項4に係る製造方法による、保護膜層、透明導電膜層、配向膜層を有するカラーフィルタ層上にスペーサーを形成した場合におけるスペーサー付きカラーフィルターの製造工程を示す説明図である。
【0014】
<工程1>
図3(a)は支持体(1)上に、感光性樹脂組成物層(2)を形成し、さらに感光性樹脂組成物層保護のためにカバーフィルム(3)を設けた感光性フィルム(4)(ドライフィルムレジスト)を示す断面図である。
【0015】
上記感光性樹脂組成物層(2)は、少なくとも、有機重合体からなる結合剤、ラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層を支持体(1)上に積層して形成される。また、当該感光性樹脂組成物としては従来より公知の光硬化性樹脂を使用してもよい。
【0016】
上記感光性樹脂組成物層(2)は、感光性樹脂組成物をバーコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、スリットコーターなどの公知の塗工手段を用いて支持体(1)上に積層して形成する。該感光性樹脂組成物層(2)の膜厚は最終的にスペーサーの高さとなるため、0.1から20μm、好ましくは0.5から5μm程度が好ましい。
【0017】
感光性フィルム(4)を構成する支持体(1)としては、熱圧負荷時に感光性樹脂組成物層(2)を平面性と寸法とを安定に保って保持することができるものであればよく、例えば、ポリアセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等を挙げることができる。特に、熱や水に対する安定性が高く、感光性樹脂組成物の塗布時の作業性及び露光、剥離現像時の操作性に優れている二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。また、カラーフィルタ層表面上への追従性を考慮すると、30μm以下が好ましいが、薄すぎると膜強度が著しく低下してしまうため、5μm以上が好ましい。
【0018】
感光性フィルム(4)、特に感光性樹脂組成物層(2)の保存時の損傷または汚染を防ぐことを目的として、感光性樹脂組成物層(2)上にカバーフィルム(3)を設けてもよい。当該カバーフィルム(3)としては、支持体(1)と同様に熱圧負荷時に感光性樹脂組成物層(2)を平面性と寸法とを安定に保って保持することができ、かつカラーフィルタ層と貼り合わせる際に容易に剥離可能であるものであればよい。剥離を容易にする方法として具体的には、感光性樹脂組成物層(2)に接する面を、例えばシリコーンを塗布するなどの離型処理を施したものが挙げられる。
【0019】
次に、図3(b)に示すように、感光性フィルム(4)(ドライフィルムレジスト)からカバーフィルム(3)を剥離し、透明基板(10)上の、少なくともブラックマトリックスパターン及び着色画素パターンからなるカラーフィルタ層側に、感光性フィルムの感光性樹脂組成物層(2)面が接するように貼り合わせる。
【0020】
透明基板(10)としては通常ガラス基板が用いられるが、ポリアクリル、メタアクリル−スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等からなる透明なフィルムあるいはシート状の基板を用いることができる。
【0021】
本発明の製造方法で製造されるカラーフィルタが反射型のディスプレイに使用される場合はブラックマトリックスパターンを設ける必要はないが、透過型のディスプレイに使用される場合は前記透明基板(10)上にブラックマトリックスを形成した方がよい。
前記透明基板(10)上に形成されるブラックマトリックス(11K)パターンは赤、青、緑の着色画素パターン(11R、11B、11G)とともにカラーフィルタ層を構成するものであり、通常スパッタリングや真空蒸着法により透明基板上に形成したクロムなどの金属薄膜をエッチングによりパターニングしたものや、カーボンブラックなどの黒色色素を感光性樹脂組成物に分散させ、これを透明基板上に積層して黒色色素分散感光性樹脂組成物層を形成した後、フォトリソグラフィー法によってパターニングしたものである。金属化合物からなる場合は0.01から0.5μm、黒色顔料分散樹脂組成物である場合は0.5から2μm程度の厚みであることが好ましい。
【0022】
着色画素パターンは、上記ブラックマトリックス層(11K)の開口部に設けられるものであり、通常赤色画素パターン(11R)、緑色画素パターン(11G)、および青色画素パターン(11B)の3原色からなる画素パターンが所望の形状により配置されたものである。膜厚は0.5から2.5μm程度であることが好ましく、各着色画素膜の段差が生じないように均一の高さ(層厚さ)であることが好ましい。
【0023】
着色画素パターンの形成方法としては、透明基板(10)上に赤色色素を含有する感光性樹脂組成物を塗布、あるいは支持体上に積層した赤色感光性樹脂組成物層を透明基板(10)上にラミネートすることによって赤色感光性樹脂組成物層を形成し、これをパターン露光、現像することで透明基板(10)上に赤色画素パターン(11R)を形成する。同様にして緑色、青色の色素を含有する感光性樹脂組成物を用いて緑色画素パターン(11G)及び青色画素パターン(11B)を形成し、カラーフィルタ層とする。上述の方法以外にも顔料分散法および染料分散法、電着法、印刷法、転写法など公知の方法により着色画素パターンを形成することができる。必要に応じてブラックマトリックス(11K)パターンを一番最初に透明基板上に形成するものとする。
【0024】
通常は着色画素パターンをもってカラーフィルタ層と称するが、本発明においては、必要に応じてブラックマトリックス、保護膜層(12)、透明導電膜層(13)、配向膜層(14)から選択される単数あるいは複数の層を透明基板上に設けたものもカラーフィルタ層と称することとする。本発明はこの上にスペーサー(50)を形成したカラーフィルタの製造方法である。
【0025】
保護膜層(12)は、ブラックマトリックス(11K)及び着色画素パターン(11R、11B、11G)を形成したときに生ずる段差を平坦化するため、あるいはブラックマトリックスや着色画素パターン中に含まれる成分が液晶層へ混入するのを防ぐものであり、透明性が要求される。保護膜層を形成する材料としては、光硬化型、熱硬化型、光および熱硬化型の樹脂組成物、エポキシ、アクリルやポリイミドなどの樹脂硬化物、あるいはスパッタや蒸着による無機化合物等、前述の目的が達成できる材料であればよい。ブラックマトリックス及び着色画素パターンの表面状態を考慮して0.5から3μmの範囲の厚みにて形成することができる。
【0026】
透明導電膜層(13)としては、透明で導電性があり、薄膜状に形成できる物質が用いられ、通常ITO(インジウムと錫の複合酸化物)膜が、他にIZO(インジウムと亜鉛の複合酸化物)やSnO2(二酸化錫)膜が選択され、各々スパッタ法により形成される。
【0027】
配向膜層(14)としては、透明で絶縁性である物質を用いることができ、これには通常ポリイミド樹脂が用いられる。液晶材料を配向させるための処理(ラビング)を施したものを使用することができる。
【0028】
<工程2>
図4(c)に示すように、感光性樹脂組成物層(2)を積層した側から支持体(1)を介して、遮光パターン(21)を有するマスク(20)を用いて放射線(30)照射によるパターン露光を行い、該感光性樹脂組成物層(2)に未露光部位(40)および露光硬化部位(41)を形成せしめる。
【0029】
本発明において使用される遮光パターン(21)を有するマスク(20)としては、例えば石英ガラスなどの透明基板上にエッチング法にて作成したクロムなどの無機金属からなる遮光パターンを有するフォトマスクなどが挙げられる。
【0030】
また、本発明においてパターン形成の際に使用される放射線(30)とは、単に放射性元素から放射されるものに限定されるものではなく、広く可視光線や紫外線などの光を包括し、当該放射線の照射によって感光性樹脂組成物層(2)中の重合反応性基の反応を促すことができるものであればよい。
【0031】
本発明の図及び実施例については、パターン露光した感光性樹脂組成物の未露光部位を不要部位として支持体と共に透明基板から剥離除去し、露光硬化部位を必要部位として透明基板上に残留させ、加熱や放射線照射による後硬化を施してスペーサーを形成しているが、フォトマスクに忠実なパターンが形成できるのであれば、取り除かれる部分を露光硬化部位とし、残留する未露光部位をスペーサーとしてもよい。どちらが取り除かれどちらが残留するかは感光性樹脂組成物層と支持体(1)またはスペーサーの直下の層との接着性によるものであり、露光方法や感光性樹脂組成物層の前後の層の構成によっていずれかの方法を選択することができる。
【0032】
スペーサーの形成位置としては、ブラックマトリックスパターン上か好ましく、ブラックマトリックスを設けないカラーフィルタにおいては、RGBの着色画素パターンの境界線上に設けるのが好ましい。
【0033】
<工程3>
上記放射線の照射によって露光硬化部位(41)と配向膜層(14)との密着性を向上せしめ、さらに必要ならば加圧及び/又は加熱し露光硬化部位(41)と配向膜層(14)との密接着性を向上させた後、図4(d)に示すように、支持体(1)と未露光部位(40)とを共にカラーフィルタ層(ここでは配向膜層(14))上から剥離除去し、他方露光硬化部位(41)をカラーフィルタ層上に残留させる。
【0034】
その後、さらに放射線(30)を照射し、カラーフィルタ層(配向膜層)上に残留した露光硬化部位(41)とそれに接するカラーフィルタ層(配向膜層)との密着性を向上せしめ、必要ならば、さらに、加熱およびまたは加圧工程を施し密着をより強固なものとする。
【0035】
<工程4>
上記の工程によりカラーフィルタ層上にパターン状に形成された露光硬化部位(41)に加熱及び/又は放射線照射による後硬化過程を施し、図4(e)に示すようにスペーサー(50)を形成する。
【0036】
上記スペーサー(50)はここでは本発明の請求項4に基づき主に配向膜層(14)上に形成した場合について説明しているが、本発明におけるカラーフィルターの製造方法によるスペーサー(50)は、ブラックマトリックスパターン(11K)、保護膜層(12)、透明導電膜層(13)上に形成することもできる。
【0037】
後硬化工程を施した後のスペーサー(50)の形状としては、円柱状、角柱状であるか、あるいは基板に対し垂直方向の断面形状が台形あるいは半円状であり、かつ基板に対し水平方向の断面積の広さが上部よりも下部の方が大きくなるような形状であるならばいずれであっても構わない。
【0038】
以上のように、本発明によるカラーフィルタの製造方法によれば、スペーサーとなる感光性樹脂組成物層の形成にドライフィルム法を採用することで、材料の使用効率を飛躍的に向上させることが可能となり、所望の位置に高さの揃った、精度の優れたスペーサを形成したカラーフィルタを得ることができる。さらに湿式の現像工程における廃液処理、環境問題等の諸問題を解決することが可能であり、カラーフィルタ層からスペーサーの形成まで全て乾式で製造することが可能となる。
【0039】
【実施例】
次に本発明を実施例により、具体的に説明する。
【0040】
本発明でスペーサーの形成に用いる感光性樹脂組成物は下記成分からなる組成のものを用いた。なお、表1中の数値は重量部を表す。
<感光性樹脂組成物の組成例>
【0041】
【表1】
【0042】
上記感光性樹脂組成物をワイヤーバーを用いて支持体となる12μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、65℃の乾燥機で10分乾燥し、厚さ2.5μmの感光性樹脂組成物層を得た。これにカバーフィルムとして30μmのポリエチレンフィルムを感光性樹脂組成物層面に重ねるようにして貼り合わせ、感光性フィルムを得た。
【0043】
一方、透明基板となるガラス基板上にスパッタリング法にてクロムからなる遮光膜を形成した。これに通常のフォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行い、所定の開口率を有するブラックマトリックスを形成した。次にブラックマトリックスを形成したガラス基板に赤色顔料を分散させた感光性樹脂組成物を塗布し赤色感光性樹脂組成物層を形成した。これに通常のフォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行い、ブラックマトリックスの開口部の所定の位置に赤色画素パターンを形成した。同様の操作を緑色顔料、青色顔料を分散した感光性樹脂組成物を用いて行い、赤、緑、青色の着色画素パターンを透明基板上に形成した。
【0044】
次に、透明な光硬化型の感光性樹脂を使用して保護膜層を形成した。さらに、スパッタリング法によりITOからなる透明導電膜層を積層した。さらにその上にポリイミド薄膜を形成し、これをラビング処理し配向膜層としてカラーフィルタ層を完成した。
【0045】
次に、感光性フィルムからカバーフィルムであるポリエチレンフィルムを剥離して、上述の方法により作製した透明基板上の配向膜層側と感光性フィルムの感光性樹脂組成物層面が接するようにラミネーターを用いて加圧しながら貼り合わせた。
これを、感光性フィルムの支持体側から、所定の遮光パターンを有するマスクを介して、超高圧水銀灯を光源とした紫外線によるプロキシミティ露光により露光した。この時の照射量は50mJ/cm2であった。
【0046】
露光後のガラス基板ごと80℃のオーブンに入れ5分間の加熱工程を施すことで、露光硬化部位と配向膜層の密着性を高めた。その後、室温まで放冷した後、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムを未露光部位の感光性樹脂組成物層と共にガラス基板より剥離することにより、マスクの遮光パターンに忠実な露光硬化部位がガラス基板上に残された。
さらに、この基板の全面に紫外線照射工程を施し、配向膜層上に高さ2.5μm、直径12μmのスペーサーを形成した。
【0047】
上記の製造方法によって作製したスペーサー付きのカラーフィルタ基板と、予め複数個のTFTを形成した液晶駆動用電極素子基板とをシール材により接合させ、両基板間のスペーサーの高さの分だけ生じた間隙に液晶材料を注入することにより液晶表示素子を形成した。得られた液晶表示素子を駆動させたところ、表示のムラや画素の欠陥などは全く認められなかった。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるカラーフィルタの製造方法によれば、スペーサーとなる感光性樹脂組成物層の形成にドライフィルム法を採用することで、材料の使用効率を飛躍的に向上させることが可能となり、設備面での大幅なコスト削減り、さらに製造タクトの短縮による生産性の大幅な向上が可能なものである。また、その形状、形成位置が使用するマスクにより自由に設定でき、所望の位置に高さの揃った、精度の優れたスペーサを形成したカラーフィルタを得ることができる。さらに湿式の現像工程における廃液処理、環境問題等の諸問題を解決することが可能であり、スペーサーを形成した下の層の損傷が抑えられるため、素子や電極の破壊を防止し、さらにコントラストの向上を達成できるものである。
本発明の製造方法によることで、カラーフィルタ層からスペーサーの形成までカラーフィルタの製造を全て乾式行うことが可能となる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスペーサー付きカラーフィルタの一例を示した説明図である。
【図2】本発明に係るスペーサー付きカラーフィルタの一例を示した説明図である。
【図3】本発明に係るスペーサー付きカラーフィルタの製造工程の一例を示した説明図である。
【図4】本発明に係るスペーサー付きカラーフィルタの製造工程の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 …支持体
2 …感光性樹脂組成物層
3 …カバーフィルム
4 …感光性フィルム
10 …透明基板
11K…ブラックマトリックス
11R…赤色画素パターン
11G…緑色画素パターン
11B…青色画素パターン
12 …保護膜層
13 …透明導電膜層
14 …配向膜層
20 …マスク
21 …遮光パターン
30 …放射線
40 …未露光部位
41 …露光硬化部位
50 …スペーサー
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルを構成する2枚の基板間に介在して両基板を支持する液晶パネル用スペーサーを有するカラーフィルタの製造方法に関し、中でも液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルは、透明絶縁性基板上に複数個の薄膜トランジスタ(TFT)のような液晶駆動用素子を備え、他方ブラックマトリックスおよび複数色の着色画素パターンからなるカラーフィルタのような色分解用光学素子を備えた一対の基板を対置させて、この時、いずれかの基板上(通常は着色用光学素子を形成した基板であるが両方の基板の場合もある)に透明導電膜、配向膜を順次積層させた後に、液晶層の厚さを決定するために透明な真球状あるいは円筒状の粒子をスペーサーとして散布した後、両基板間に液晶を封入して構成される。
【0003】
上記従来の方法においては、スペーサーを載置する位置を決定することは事実上不可能であるため、有効画素パターン(着色層部)上にスペーサーが存在する場合が生じ、そのためコントラストが低下したり、または駆動素子上に存在する場合には、強い応力がかかると素子が破壊されてしまうという問題があった。
【0004】
これらの問題を解決するために、カラーフィルタ層上に透明な紫外線硬化型樹脂を塗布し、有効着色画素パターン上以外および駆動素子部以外の部分を硬化させ、その後不要部位である未露光部位を現像により除去して必要部位である硬化部位をスペーサーとする形成方法が提案されているが、この方法によると、紫外線硬化型樹脂の塗布、乾燥、現像と工程が煩雑になるばかりでなく、均一な高さのスペーサーの形成が困難であり、また塗布時にスピンナーを使用するため材料の使用効率が非常に低く、コスト的にも好ましくなかった。
【0005】
さらに、特許文献1等によれば、湿式による現像工程を必要とするため、現像液により配向膜を侵す危険があったり、現像、リンス、水洗用の装置と非常に大掛かりとなるため設備面からも好ましくない。また、廃現像液が生じ環境上好ましくないばかりでなく、その処理の問題まで生じてくる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−221910号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記諸問題を一度に解決でき、簡便な方法にて、位置及びサイズの精度の優れたスペーサーを有する液晶パネル用カラーフィルタの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る第1の発明は、透明基板上に少なくとも複数色の着色画素パターンからなるカラーフィルタ層が形成され、さらにパターン状にスペーサーが形成されたカラーフィルタにおいて、当該スペーサーの形成工程は少なくとも、
1.支持体上にスペーサーとなる感光性樹脂組成物層を積層した感光性樹脂フィルムを、前記感光性樹脂組成物層と前記透明基板上に形成されたカラーフィルタ層とが接するように重ね合わせる工程、
2.遮光パターンを有するマスクを介して、前記感光性樹脂組成物層にパターン露光を施す工程、
3.前記感光性樹脂組成物層の不要部位を前記支持体と共に剥離除去し、必要部位のみを前記カラーフィルタ層上に残留させる工程、
4.残留させた前記必要部位を後硬化により前記カラーフィルタ層上にに定着させスペーサーとする工程、
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0009】
請求項2に係る第2の発明は、前記感光性樹脂組成物層の必要部位が前記カラーフィルタ層上に残された露光硬化部位であり、不要部位が前記支持体と共に剥離除去される未露光部位であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0010】
請求項3に係る第3の発明は、前記カラーフィルタ層は更に透明導電膜層を有することを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0011】
請求項4に係る第4の発明は、前記カラーフィルタ層は更に保護膜層を有することを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0012】
請求項5に係る第5の発明は、前記カラーフィルタ層は更に配向膜層を有することを特徴とする請求項3または4記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の請求項1に係る製造方法によるスペーサー付きカラーフィルタを示す説明図である。図2は本発明の請求項3に係る製造方法によるスペーサー付きカラーフィルタを示す説明図である。図3及び図4は本発明の請求項4に係る製造方法による、保護膜層、透明導電膜層、配向膜層を有するカラーフィルタ層上にスペーサーを形成した場合におけるスペーサー付きカラーフィルターの製造工程を示す説明図である。
【0014】
<工程1>
図3(a)は支持体(1)上に、感光性樹脂組成物層(2)を形成し、さらに感光性樹脂組成物層保護のためにカバーフィルム(3)を設けた感光性フィルム(4)(ドライフィルムレジスト)を示す断面図である。
【0015】
上記感光性樹脂組成物層(2)は、少なくとも、有機重合体からなる結合剤、ラジカル重合性を有するエチレン性二重結合を有する化合物、光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層を支持体(1)上に積層して形成される。また、当該感光性樹脂組成物としては従来より公知の光硬化性樹脂を使用してもよい。
【0016】
上記感光性樹脂組成物層(2)は、感光性樹脂組成物をバーコーター、ロールコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、スリットコーターなどの公知の塗工手段を用いて支持体(1)上に積層して形成する。該感光性樹脂組成物層(2)の膜厚は最終的にスペーサーの高さとなるため、0.1から20μm、好ましくは0.5から5μm程度が好ましい。
【0017】
感光性フィルム(4)を構成する支持体(1)としては、熱圧負荷時に感光性樹脂組成物層(2)を平面性と寸法とを安定に保って保持することができるものであればよく、例えば、ポリアセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等を挙げることができる。特に、熱や水に対する安定性が高く、感光性樹脂組成物の塗布時の作業性及び露光、剥離現像時の操作性に優れている二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好適である。また、カラーフィルタ層表面上への追従性を考慮すると、30μm以下が好ましいが、薄すぎると膜強度が著しく低下してしまうため、5μm以上が好ましい。
【0018】
感光性フィルム(4)、特に感光性樹脂組成物層(2)の保存時の損傷または汚染を防ぐことを目的として、感光性樹脂組成物層(2)上にカバーフィルム(3)を設けてもよい。当該カバーフィルム(3)としては、支持体(1)と同様に熱圧負荷時に感光性樹脂組成物層(2)を平面性と寸法とを安定に保って保持することができ、かつカラーフィルタ層と貼り合わせる際に容易に剥離可能であるものであればよい。剥離を容易にする方法として具体的には、感光性樹脂組成物層(2)に接する面を、例えばシリコーンを塗布するなどの離型処理を施したものが挙げられる。
【0019】
次に、図3(b)に示すように、感光性フィルム(4)(ドライフィルムレジスト)からカバーフィルム(3)を剥離し、透明基板(10)上の、少なくともブラックマトリックスパターン及び着色画素パターンからなるカラーフィルタ層側に、感光性フィルムの感光性樹脂組成物層(2)面が接するように貼り合わせる。
【0020】
透明基板(10)としては通常ガラス基板が用いられるが、ポリアクリル、メタアクリル−スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等からなる透明なフィルムあるいはシート状の基板を用いることができる。
【0021】
本発明の製造方法で製造されるカラーフィルタが反射型のディスプレイに使用される場合はブラックマトリックスパターンを設ける必要はないが、透過型のディスプレイに使用される場合は前記透明基板(10)上にブラックマトリックスを形成した方がよい。
前記透明基板(10)上に形成されるブラックマトリックス(11K)パターンは赤、青、緑の着色画素パターン(11R、11B、11G)とともにカラーフィルタ層を構成するものであり、通常スパッタリングや真空蒸着法により透明基板上に形成したクロムなどの金属薄膜をエッチングによりパターニングしたものや、カーボンブラックなどの黒色色素を感光性樹脂組成物に分散させ、これを透明基板上に積層して黒色色素分散感光性樹脂組成物層を形成した後、フォトリソグラフィー法によってパターニングしたものである。金属化合物からなる場合は0.01から0.5μm、黒色顔料分散樹脂組成物である場合は0.5から2μm程度の厚みであることが好ましい。
【0022】
着色画素パターンは、上記ブラックマトリックス層(11K)の開口部に設けられるものであり、通常赤色画素パターン(11R)、緑色画素パターン(11G)、および青色画素パターン(11B)の3原色からなる画素パターンが所望の形状により配置されたものである。膜厚は0.5から2.5μm程度であることが好ましく、各着色画素膜の段差が生じないように均一の高さ(層厚さ)であることが好ましい。
【0023】
着色画素パターンの形成方法としては、透明基板(10)上に赤色色素を含有する感光性樹脂組成物を塗布、あるいは支持体上に積層した赤色感光性樹脂組成物層を透明基板(10)上にラミネートすることによって赤色感光性樹脂組成物層を形成し、これをパターン露光、現像することで透明基板(10)上に赤色画素パターン(11R)を形成する。同様にして緑色、青色の色素を含有する感光性樹脂組成物を用いて緑色画素パターン(11G)及び青色画素パターン(11B)を形成し、カラーフィルタ層とする。上述の方法以外にも顔料分散法および染料分散法、電着法、印刷法、転写法など公知の方法により着色画素パターンを形成することができる。必要に応じてブラックマトリックス(11K)パターンを一番最初に透明基板上に形成するものとする。
【0024】
通常は着色画素パターンをもってカラーフィルタ層と称するが、本発明においては、必要に応じてブラックマトリックス、保護膜層(12)、透明導電膜層(13)、配向膜層(14)から選択される単数あるいは複数の層を透明基板上に設けたものもカラーフィルタ層と称することとする。本発明はこの上にスペーサー(50)を形成したカラーフィルタの製造方法である。
【0025】
保護膜層(12)は、ブラックマトリックス(11K)及び着色画素パターン(11R、11B、11G)を形成したときに生ずる段差を平坦化するため、あるいはブラックマトリックスや着色画素パターン中に含まれる成分が液晶層へ混入するのを防ぐものであり、透明性が要求される。保護膜層を形成する材料としては、光硬化型、熱硬化型、光および熱硬化型の樹脂組成物、エポキシ、アクリルやポリイミドなどの樹脂硬化物、あるいはスパッタや蒸着による無機化合物等、前述の目的が達成できる材料であればよい。ブラックマトリックス及び着色画素パターンの表面状態を考慮して0.5から3μmの範囲の厚みにて形成することができる。
【0026】
透明導電膜層(13)としては、透明で導電性があり、薄膜状に形成できる物質が用いられ、通常ITO(インジウムと錫の複合酸化物)膜が、他にIZO(インジウムと亜鉛の複合酸化物)やSnO2(二酸化錫)膜が選択され、各々スパッタ法により形成される。
【0027】
配向膜層(14)としては、透明で絶縁性である物質を用いることができ、これには通常ポリイミド樹脂が用いられる。液晶材料を配向させるための処理(ラビング)を施したものを使用することができる。
【0028】
<工程2>
図4(c)に示すように、感光性樹脂組成物層(2)を積層した側から支持体(1)を介して、遮光パターン(21)を有するマスク(20)を用いて放射線(30)照射によるパターン露光を行い、該感光性樹脂組成物層(2)に未露光部位(40)および露光硬化部位(41)を形成せしめる。
【0029】
本発明において使用される遮光パターン(21)を有するマスク(20)としては、例えば石英ガラスなどの透明基板上にエッチング法にて作成したクロムなどの無機金属からなる遮光パターンを有するフォトマスクなどが挙げられる。
【0030】
また、本発明においてパターン形成の際に使用される放射線(30)とは、単に放射性元素から放射されるものに限定されるものではなく、広く可視光線や紫外線などの光を包括し、当該放射線の照射によって感光性樹脂組成物層(2)中の重合反応性基の反応を促すことができるものであればよい。
【0031】
本発明の図及び実施例については、パターン露光した感光性樹脂組成物の未露光部位を不要部位として支持体と共に透明基板から剥離除去し、露光硬化部位を必要部位として透明基板上に残留させ、加熱や放射線照射による後硬化を施してスペーサーを形成しているが、フォトマスクに忠実なパターンが形成できるのであれば、取り除かれる部分を露光硬化部位とし、残留する未露光部位をスペーサーとしてもよい。どちらが取り除かれどちらが残留するかは感光性樹脂組成物層と支持体(1)またはスペーサーの直下の層との接着性によるものであり、露光方法や感光性樹脂組成物層の前後の層の構成によっていずれかの方法を選択することができる。
【0032】
スペーサーの形成位置としては、ブラックマトリックスパターン上か好ましく、ブラックマトリックスを設けないカラーフィルタにおいては、RGBの着色画素パターンの境界線上に設けるのが好ましい。
【0033】
<工程3>
上記放射線の照射によって露光硬化部位(41)と配向膜層(14)との密着性を向上せしめ、さらに必要ならば加圧及び/又は加熱し露光硬化部位(41)と配向膜層(14)との密接着性を向上させた後、図4(d)に示すように、支持体(1)と未露光部位(40)とを共にカラーフィルタ層(ここでは配向膜層(14))上から剥離除去し、他方露光硬化部位(41)をカラーフィルタ層上に残留させる。
【0034】
その後、さらに放射線(30)を照射し、カラーフィルタ層(配向膜層)上に残留した露光硬化部位(41)とそれに接するカラーフィルタ層(配向膜層)との密着性を向上せしめ、必要ならば、さらに、加熱およびまたは加圧工程を施し密着をより強固なものとする。
【0035】
<工程4>
上記の工程によりカラーフィルタ層上にパターン状に形成された露光硬化部位(41)に加熱及び/又は放射線照射による後硬化過程を施し、図4(e)に示すようにスペーサー(50)を形成する。
【0036】
上記スペーサー(50)はここでは本発明の請求項4に基づき主に配向膜層(14)上に形成した場合について説明しているが、本発明におけるカラーフィルターの製造方法によるスペーサー(50)は、ブラックマトリックスパターン(11K)、保護膜層(12)、透明導電膜層(13)上に形成することもできる。
【0037】
後硬化工程を施した後のスペーサー(50)の形状としては、円柱状、角柱状であるか、あるいは基板に対し垂直方向の断面形状が台形あるいは半円状であり、かつ基板に対し水平方向の断面積の広さが上部よりも下部の方が大きくなるような形状であるならばいずれであっても構わない。
【0038】
以上のように、本発明によるカラーフィルタの製造方法によれば、スペーサーとなる感光性樹脂組成物層の形成にドライフィルム法を採用することで、材料の使用効率を飛躍的に向上させることが可能となり、所望の位置に高さの揃った、精度の優れたスペーサを形成したカラーフィルタを得ることができる。さらに湿式の現像工程における廃液処理、環境問題等の諸問題を解決することが可能であり、カラーフィルタ層からスペーサーの形成まで全て乾式で製造することが可能となる。
【0039】
【実施例】
次に本発明を実施例により、具体的に説明する。
【0040】
本発明でスペーサーの形成に用いる感光性樹脂組成物は下記成分からなる組成のものを用いた。なお、表1中の数値は重量部を表す。
<感光性樹脂組成物の組成例>
【0041】
【表1】
【0042】
上記感光性樹脂組成物をワイヤーバーを用いて支持体となる12μm厚の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、65℃の乾燥機で10分乾燥し、厚さ2.5μmの感光性樹脂組成物層を得た。これにカバーフィルムとして30μmのポリエチレンフィルムを感光性樹脂組成物層面に重ねるようにして貼り合わせ、感光性フィルムを得た。
【0043】
一方、透明基板となるガラス基板上にスパッタリング法にてクロムからなる遮光膜を形成した。これに通常のフォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行い、所定の開口率を有するブラックマトリックスを形成した。次にブラックマトリックスを形成したガラス基板に赤色顔料を分散させた感光性樹脂組成物を塗布し赤色感光性樹脂組成物層を形成した。これに通常のフォトリソグラフィー法を用いてパターニングを行い、ブラックマトリックスの開口部の所定の位置に赤色画素パターンを形成した。同様の操作を緑色顔料、青色顔料を分散した感光性樹脂組成物を用いて行い、赤、緑、青色の着色画素パターンを透明基板上に形成した。
【0044】
次に、透明な光硬化型の感光性樹脂を使用して保護膜層を形成した。さらに、スパッタリング法によりITOからなる透明導電膜層を積層した。さらにその上にポリイミド薄膜を形成し、これをラビング処理し配向膜層としてカラーフィルタ層を完成した。
【0045】
次に、感光性フィルムからカバーフィルムであるポリエチレンフィルムを剥離して、上述の方法により作製した透明基板上の配向膜層側と感光性フィルムの感光性樹脂組成物層面が接するようにラミネーターを用いて加圧しながら貼り合わせた。
これを、感光性フィルムの支持体側から、所定の遮光パターンを有するマスクを介して、超高圧水銀灯を光源とした紫外線によるプロキシミティ露光により露光した。この時の照射量は50mJ/cm2であった。
【0046】
露光後のガラス基板ごと80℃のオーブンに入れ5分間の加熱工程を施すことで、露光硬化部位と配向膜層の密着性を高めた。その後、室温まで放冷した後、支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルムを未露光部位の感光性樹脂組成物層と共にガラス基板より剥離することにより、マスクの遮光パターンに忠実な露光硬化部位がガラス基板上に残された。
さらに、この基板の全面に紫外線照射工程を施し、配向膜層上に高さ2.5μm、直径12μmのスペーサーを形成した。
【0047】
上記の製造方法によって作製したスペーサー付きのカラーフィルタ基板と、予め複数個のTFTを形成した液晶駆動用電極素子基板とをシール材により接合させ、両基板間のスペーサーの高さの分だけ生じた間隙に液晶材料を注入することにより液晶表示素子を形成した。得られた液晶表示素子を駆動させたところ、表示のムラや画素の欠陥などは全く認められなかった。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるカラーフィルタの製造方法によれば、スペーサーとなる感光性樹脂組成物層の形成にドライフィルム法を採用することで、材料の使用効率を飛躍的に向上させることが可能となり、設備面での大幅なコスト削減り、さらに製造タクトの短縮による生産性の大幅な向上が可能なものである。また、その形状、形成位置が使用するマスクにより自由に設定でき、所望の位置に高さの揃った、精度の優れたスペーサを形成したカラーフィルタを得ることができる。さらに湿式の現像工程における廃液処理、環境問題等の諸問題を解決することが可能であり、スペーサーを形成した下の層の損傷が抑えられるため、素子や電極の破壊を防止し、さらにコントラストの向上を達成できるものである。
本発明の製造方法によることで、カラーフィルタ層からスペーサーの形成までカラーフィルタの製造を全て乾式行うことが可能となる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスペーサー付きカラーフィルタの一例を示した説明図である。
【図2】本発明に係るスペーサー付きカラーフィルタの一例を示した説明図である。
【図3】本発明に係るスペーサー付きカラーフィルタの製造工程の一例を示した説明図である。
【図4】本発明に係るスペーサー付きカラーフィルタの製造工程の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 …支持体
2 …感光性樹脂組成物層
3 …カバーフィルム
4 …感光性フィルム
10 …透明基板
11K…ブラックマトリックス
11R…赤色画素パターン
11G…緑色画素パターン
11B…青色画素パターン
12 …保護膜層
13 …透明導電膜層
14 …配向膜層
20 …マスク
21 …遮光パターン
30 …放射線
40 …未露光部位
41 …露光硬化部位
50 …スペーサー
Claims (5)
- 透明基板上に少なくとも複数色の着色画素パターンからなるカラーフィルタ層が形成され、さらにパターン状にスペーサーが形成されたカラーフィルタにおいて、当該スペーサーの形成工程は少なくとも、
1.支持体上にスペーサーとなる感光性樹脂組成物層を積層した感光性樹脂フィルムを、前記感光性樹脂組成物層と前記透明基板上に形成されたカラーフィルタ層とが接するように重ね合わせる工程、
2.遮光パターンを有するマスクを介して、前記感光性樹脂組成物層にパターン露光を施す工程、
3.前記感光性樹脂組成物層の不要部位を前記支持体と共に剥離除去し、必要部位のみを前記カラーフィルタ層上に残留させる工程、
4.残留させた前記必要部位を後硬化により前記カラーフィルタ層上にに定着させスペーサーとする工程、
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記感光性樹脂組成物層の必要部位が前記カラーフィルタ層上に残された露光硬化部位であり、不要部位が前記支持体と共に剥離除去される未露光部位であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記カラーフィルタ層は更に透明導電膜層を有することを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記カラーフィルタ層は更に保護膜層を有することを特徴とする請求項3記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記カラーフィルタ層は更に配向膜層を有することを特徴とする請求項3または4記載のカラーフィルタの製造方法。
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CN102645689A (zh) * | 2011-03-22 | 2012-08-22 | 京东方科技集团股份有限公司 | 彩色滤光片及其制造方法 |
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2002
- 2002-12-18 JP JP2002366319A patent/JP2004198685A/ja not_active Withdrawn
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